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【発明の名称】 施肥機のバランスウエイト
【発明者】 【氏名】大島 和夫
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【氏名】百合野 善久
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【氏名】石川 昌範
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【氏名】梅野 義一
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【要約】 【課題】施肥機の前方で、かつ機体フレームの前端部に設けた肥料タンクの取付ブラケットの下方空間にバランスウエイトを設け、該バランスウエイトを補給用肥料タンクの載置台に兼用して、施肥作業の効率化を図ることを課題とする。

【解決手段】機体1の前方にバランスウエイト8を設け、該バランスウエイト8を枠型に形成して補給用肥料タンクの載置台に兼用すると共に、バランスウエイト8を機体フレーム3の前端部に設けた肥料タンク4の取付ブラケット5の下方に位置させ、かつ取付ブラケット5の傾斜状支承枠5aと平行に取り付けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 機体フレームの中央部位に配設した伝動ケースの左右両側に、それぞれ異なる位相で昇降駆動される施肥ノズルを配設し、該施肥ノズルで肥料タンク内の流動性肥料を圃場内に灌注する施肥機において、上記機体の前方にバランスウエイトを設け、該バランスウエイトを枠型に形成して、補給用施肥タンクの載置台に兼用したことを特徴とする施肥機のバランスウエイト。
【請求項2】 バランスウエイトは、機体フレームの前端部に設けた施肥タンク取付ブラケットの下方に位置し、かつ該取付ブラケットの傾斜状支承枠と平行に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の施肥機のバランスウエイト。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、施肥機のバランスウエイトに係り、詳しくは、機体の前後バランスを保持して安定した走行状態で施肥作業ができると共に、作業中肥料タンク内の肥料不足や消尽に気遣うことなく、連続的に施肥作業ができる施肥機のバランスウエイトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】畑作作業における比較的狭い畝間を走行しながら施肥作業を行うので、機体の前後バランスが保持されていないと、安定した走行ができず、施肥作業の過程で走行路の左右に位置する畝上の作物が機体に接当して、作物に損傷を与え収量に影響を及ぼす惧れがあった。
【0003】また、施肥作業中に肥料タンク内の肥料が不足したり、消尽したりした際は、肥料を補給するために作業を中断し、肥料を作業現場まで運搬するか、または施肥機を肥料の補給場所まで移動させて補給していたので、作業を連続的に行えない不具合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような実状に鑑み、従来の不具合を一掃すべく創案されたものであって、その意図するところは、機体の前後バランスを保持することにより、安定した状態で走行しながら施肥作業ができると共に、肥料タンク内の肥料不足や消尽に気遣うことなく、連続して施肥作業を行うことができる施肥機のバランスウエイトを提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明が採用した第1の技術手段は、機体フレームの中央部位に配設した伝動ケースの左右両側に、それぞれ異なる位相で昇降駆動される施肥ノズルを配設し、該施肥ノズルで肥料タンク内の流動性肥料を圃場内に灌注する施肥機において、上記機体の前方にバランスウエイトを設け、該バランスウエイトを枠型に形成して、補給用施肥タンクの載置台に兼用したことを特徴とするものである。
【0006】本発明が採用した第2の技術手段は、上記バランスウエイトは、機体フレームの前端部に設けた施肥タンク取付ブラケットの下方に位置し、かつ該取付ブラケットの傾斜状支承枠と平行に取り付けられていることを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。図1ないし図3において、1はクローラ式走行装置2を備えた施肥機であって、該施肥機1の機体フレーム3の前端側には、平面視略亀甲状(六角形状)に形成された肥料タンク4、4が左右に所要の対向間隔を存して取付ブラケット5を介して2個並設されており、機体フレーム3の後端側にはエンジン6が搭載され、該エンジン6の前方近傍部位にはハンドル取付ブラケット7aが機幅方向に立設され、その上端部にはハンドル7が後方に延設されている。また、上記エンジン6の前方から下方に向けてミッションケース6´が設けられており、ミッションケース6´を介してクローラ式走行装置2に動力が伝達されると共に、後述する伝動ケース12に動力が入力されるようになっている。6aは燃料タンクである。
【0008】8は機体の前方に設けられたバランスウエイトであって、該バランスウエイト8は背当部8aと底板部8bとによって側面視く字状に形成されていると共に、背当部8aの上端部の左右端と底板部8bの先端部の左右端との間が杆材を逆く字状に折曲形成した杆状枠体8cで連結され、全体形状が枠型に形成されている。そして、上記バランスウエイト8は、肥料タンク4の取付ブラケット5の下方に位置し、かつその底板部8bが斜め上方に拡開形成されている取付ブラケット5の支承枠5aと平行となるように背当部8aを介して機体側に取り付けられている。したがって、底板部8bは補給用施肥タンクの載置台に兼用することができる。
【0009】上記ハンドル取付ブラケット7aの前方近傍部位には、圃場の状況、生育する農作物の種類に応じて施肥ノズルの打込み深さを調節する伝動ケース上下動調節機構Aが配設されている。この伝動ケース上下動調節機構Aは、機体フレーム3に立設されたメインフレーム9と、該メインフレーム9の上端部に上下回動自在に枢支された操作レバー取付ブラケット10と、該操作レバー取付ブラケット10に固着された操作レバー11と、上記取付ブラケット10の下縁に吊持された伝動ケース12とによって構成されている。
【0010】すなわち、上記メインフレーム9は平面視コ字状に形成されて、開放側を伝動ケース12に臨ませて立設され、対向する側壁9a、9aにはそれぞれ伝動ケース側に向けて緩やかに曲成された誘導溝9b、9cが上下に亘って形成されており、側壁9a、9aの対向幅は伝動ケース12の取付幅より若干広く設定されている。
【0011】操作レバー取付ブラケット10は、側面視横長矩形状に形成された板状体の上縁が基端側から略中央部位に亘って凹状の切欠部10aが形成されており、残余の基端部10bはメインフレーム9の側壁9a、9aの対抗間の上端部に上下回動自在に枢支されている。この切欠部10aは、メインフレーム9の上端部に補給肥料タンク載置台13が形成されても、操作レバー11を上方へ回動させる際、これを避けて回動できるので、操作の自由度が得られて操作性が向上するようになっている。
【0012】操作レバー11はその基端部11aが操作レバー取付ブラケット10の残余の上縁に固着され、先端部11bは肥料タンク4、4の対向間隔を経て、該タンク4、4の前端より突出させた状態で、かつタンク4、4の前端側の対向拡開面部4a、4a間に納まるように延設されている。このため、操作レバー11の先端部11bは握り易くなって軽快な操作ができるとともに、非操作時には機体フレーム3の外方に突出することなくコンパクトに納められ、走行の邪魔になることがない。
【0013】上記操作レバー取付ブラケット10の下縁の中央部位の先端よりには側面視略方形状の伝動ケース12が上面中央部位に突設した側面視略二等辺三角形状の吊持プレート14を介して吊持されているとともに、伝動ケース12の後面側にはガイドプレート12a、12aがメインフレーム9の側壁9a、9aの対向間内に延設されており、該ガイドプレート12a、12aはそれぞれ上段と下段の誘導溝9b、9cに緊締具15、15を係合して緊締した際には伝動ケース12が固定され、弛緩した際には上下動可能な状態になっている。
【0014】伝動ケース12の出力軸(図示省略)の左右両端にはクランク軸16が連動連結されており、該クランク軸16には支持杆17の上端部を軸支したクランクアーム18が連結され、クランクアーム18の回転軸に連動して上下動する支持杆17の下端部に昇降杆19を介して左右の施肥ノズル20、20が相互に180度の位相差で昇降駆動するように支持されている。上記施肥ノズル20を支持する昇降杆19はクランク軸16に軸支されたガイド板21の誘導溝22に沿って移動するようになっている。
【0015】前記肥料タンク4、4の後方近傍部位には、施肥ノズル20、20に流動性肥料を送出するプランジャポンプ23、23が所要の対向間隔を存して左右に2個並設されている。Bはプランジャポンプ23の駆動機構であって、該駆動機構Bは、伝動ケース12にそれぞれ独立して軸支された駆動軸24の左右端部に、プランジャポンプ23のロッド23aをピストン運動させるように揺動されるアーム25、25と、該アーム25、25の揺動によってロッド23aと当接するように取付けられたローラ26と、アーム25、25に揺動自在に連結された作動リンク27、27と、作動リンク27、27のアーム25、25に対する揺動角度を保持するように作動リンク27、27とアーム25、25とを連結する連結リンク28、28とによって構成されている。
【0016】プランジャポンプ23、23から施肥ノズル20、20への流動性肥料の射出は、肥料タンク4、4の底部と機体フレーム3上に設置した吸引ポンプ29、29が機体フレーム3の下側を通過して敷設された供給ホース30によって接続されており、吸引ポンプ29によって吸引された肥料は、送出ホース31を介して吸引ポンプ29から分配器32へ送出され、更に分配器32から送出ホース33を介してプランジャポンプ23、23に供給される。その時アーム25、25の揺動によってローラ26、26がプランジャポンプ23、23のロッド23a、23aに当接し、ロッド23a、23aをピストン運動させて肥料を射出ホース34から施肥ノズル20、20に射出する。肥料の射出は施肥ノズル20、20の下降作動に同期して間欠的に行うようになっている。35は余剰肥料を肥料タンク4、4に戻入する戻しホースである。
【0017】肥料タンク4、4と前記伝動ケース上下動調節機構Aとの間には、プランジャポンプ23、23の左右対向間に位置して、伝動ケース上下動位置決め機構cが配設されている。この伝動ケース上下動位置決め機構cは、上下方向に所要間隔を存して複数の位置決め用係止孔36aを形成したロッド36が、走行フレーム2aに取付ブラケット2bを介して立設支持され、該ロッド36に遊嵌した六角状パイプ37の上端部が前記操作レバー取付ブラケット10の下縁先端部に吊持され、操作レバー11の上下動操作に連動して伝動ケース12と六角状パイプ37が上下動され、伝動ケース12の調節高さを設定した際、六角状パイプ37を介して調節ピン38をロッド36の位置決め用係止孔36aに挿入することにより、前記伝動ケース上下動調節機構Aと相俟って、施肥ノズル20、20への圃場への打込み深さが生育する農作物の種類に対応して最適の状態に係止できるようになっている。
【0018】叙上の構成において、いま、施肥作業を行うにあたり圃場の状況、生育する農作物の種類に応じて施肥ノズル20、20の圃場への打込み深さを調節するには、メインフレーム9の側壁9a、9aに形成した上段誘導溝9bと下段誘導溝9cを介して伝動ケース12のガイドプレート12aに係合されている緊締具15、15を弛緩するとともに、六角状パイプ37を介してロッド36の位置決め用係止孔36aに係合されている調節ピン38の挿入部38bを離脱させた後、操作レバー11を上下動させると、伝動ケース12の上下動に連動して伝動ケース12の左右両側に配設された施肥ノズル20、20も昇降する。
【0019】このようにして、伝動ケース12の上下位置を変更することによって、施肥ノズル20、20の打込み深さを調節した後、上記緊締具15、15を上下段の誘導溝9b、9cを介してガイドプレート12aに係合するとともに、六角状パイプ37を介して調節ピン38の挿入部38bをロッド36の位置決め用係止孔36aに挿入して伝動ケース12を固定すればよい。そして、エンジン6を始動して畑作圃場の畝間を走行しながら左右の施肥ノズル20、20で交互に180度の位相差で流動性肥料を灌注する。
【0020】その際、機体の前方には枠型に形成したバランスウエイト8が設けられているので、機体の前後バランスが保持され、機体は蛇行することなく安定した状態で走行しながら施肥作業を行うことができる。したがって、比較的狭い畝間を走行しても、施肥作業の過程で走行路の左右に位置する畝上の作物に機体が接当して作物に損傷を与える惧れがない。
【0021】また、施肥作業が広域な畑作圃場で行われる場合には、バランスウエイト8の底板部8bに補給用肥料タンクを載置すると共に、メインフレーム9の上端部に形成した補給肥料タンク載置台13にも補給用肥料タンクを載置することにより、機体の前後バランスが保持できるので、作業者は肥料タンク4内の肥料不足や消尽に気遣うことなく、施肥作業を連続的に行うことができる。
【0022】更に、バランスウエイト8は肥料タンク4の取付ブラケット5の下方に位置し、かつ該取付ブラケット5の傾斜状支承枠5aと平行に取り付けられているので、取付ブラケット5の下方空間にコンパクトに納めることができ、機体の積み落しの際、邪魔になることがない。
【0023】
【発明の効果】以上の説明によって明らかなように、本発明によれば、機体フレームの中央部位に配設した伝動ケースの左右両側に、それぞれ異なる位相で昇降駆動される施肥ノズルを配設し、該施肥ノズルで肥料タンク内の流動性肥料を圃場内に灌注する施肥機において、上記機体の前方にバランスウエイトを設け、該バランスウエイトを枠型に形成して、補給用施肥タンクの載置台に兼用すると共に、上記バランスウエイトは、機体フレームの前端部に設けた施肥タンク取付ブラケットの下方に位置し、かつ該取付ブラケットの傾斜状支承枠と平行に取り付けたものであるから、機体の前後バランスが保持されて、安定した走行状態で施肥作業ができる。したがって、畑作圃場における比較的狭い畝間を走行しながら施肥作業を行っても、施肥作業の過程で走行路の左右に位置する畝上の作物に機体が接当して作物に損傷を与える惧れはない。
【0024】また、施肥作業の進行により、機体フレームの前端部に設けた肥料タンク内の肥料が不足したり消尽されても、バランスウエイトは補給用肥料タンクの載置台として兼用できるので、作業始めにバランスウエイトに肥料タンクを載置しておけば、作業者は肥料不足や消尽に気遣うことなく、施肥作業を連続的に行うことができる。
【0025】更に、バランスウエイトは肥料タンクの取付ブラケットの下方に位置し、かつ該取付ブラケットの傾斜状支承枠と平行に取り付けられているので、取付ブラケットの下方空間にコンパクトに納めることができ、機体の積み落しの際、邪魔になることがない。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1
【出願日】 平成14年1月21日(2002.1.21)
【代理人】 【識別番号】100066876
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 昭治
【公開番号】 特開2003−210016(P2003−210016A)
【公開日】 平成15年7月29日(2003.7.29)
【出願番号】 特願2002−11068(P2002−11068)