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【発明の名称】 田植機の予備苗収容装置
【発明者】 【氏名】児島 祥之
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】向井 猛
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】網代 成良
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】杉山 恵美子
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【要約】 【課題】予備苗載せ台を上昇格納できる田植機の予備苗収容装置を、構造簡単に得られるように、かつ、予備苗載せ台の格納ロックなどが確認しやすいようにする。

【解決手段】上段側の予備苗載せ台11に係合部15を、下段側の予備苗載せ台11に係止部16をそれぞれ設けてある。予備苗載せ台11が上昇格納姿勢にある状態で、係合部15と係止部16が係合すると、下段側の予備苗載せ台11が予備苗載せ台支柱12との連結点を反力点として上段側の予備苗載せ台11を上昇格納姿勢に突っ張り支持する。係止部16を、予備苗載せ台11の貫通孔16aの周壁部で形成してある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上下複数段の予備苗載せ台それぞれを、下降使用姿勢と上昇格納姿勢とに揺動切り換え自在に予備苗載せ台支柱に取り付けてある田植機の予備苗収容装置であって、上段側の予備苗載せ台に係合部を、下段側の予備苗載せ台に前記係合部に係脱操作自在な係止部をそれぞれ設け、上段側の予備苗載せ台及び下段側の予備苗載せ台が前記上昇格納姿勢に在る状態で、前記係合部と前記係止部とを係合操作できるように、かつ、前記係合部と前記係止部とが係合した状態で、下段側の予備苗載せ台が予備苗載せ台支柱との連結点を反力点として上段側の予備苗載せ台を上昇格納姿勢に突っ張り支持するように構成し、前記係止部を、予備苗載せ台の貫通孔の周壁部で形成してある田植機の予備苗収容装置。
【請求項2】 前記係合部を予備苗載せ台の裏面側に設けてある請求項1記載の田植機の予備苗収容装置。
【請求項3】 前記係止部及び前記係合部を、予備苗載せ台の前後方向での中央部に配置してある請求項1又は2記載の田植機の予備苗収容装置。
【請求項4】上段側の予備苗載せ台を上昇格納姿勢から予備苗載せ台支柱の方に揺動させることによって前記係合部と前記係止部の係合が解除するように、係合部と係止部の係合形態、及び、予備苗載せ台の予備苗載せ台支柱に対する取付け位置を設定してある請求項1〜3のいずれか1項に記載の田植機の予備苗収容装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、田植機の予備苗収容装置に関する。
【0002】
【従来の技術】田植機の予備苗収容装置として、従来、予備苗載せ台を使用姿勢と格納姿勢とに揺動切り換え自在に予備苗載せ台支柱に取り付け、田植機を移動走行させるとか屋内に収納するなどの場合、予備苗載せ台を格納姿勢に切り換えることにより、予備苗収容装置の走行機体から外側への突出をなくすとか少なくしたり、予備苗収容装置を前方視の障害になりくくしたりできるものがあった。
【0003】この種の予備苗収容装置において、従来、予備苗載せ台支柱の苗載せ台支持部と、予備苗載せ台の取付け部とにわたって挿通させた頭付き連結ピンにより、予備苗載せ台を予備苗載せ台支柱に揺動自在に連結し、頭付き連結ピンの先端側に装着したベータピンなどの抜け止め具により、頭付き連結ピンの抜け止めを行うようになっていた。
【0004】また、予備苗載せ台支柱の苗載せ台支持部と、予備苗載せ台の取付け部とにわたって取り付けたコイルスプリングを備えるとともに、予備苗載せ台が揺動するに伴い、予備苗載せ台側のスプリング連結点が移動して、コイルスプリングが予備苗載せ台を使用姿勢に揺動付勢する状態と、予備苗載せ台を格納姿勢に揺動付勢する状態とに切り換わるように構成することにより、予備苗載せ台をコイルスプリングの付勢作用で使用姿勢や格納姿勢に位置決めしたり保持するようになっていた。
【0005】苗すくい板収納部を備えている予備苗収容装置として、従来、複数枚の苗すくい板を載置する底部材、この底部材に載置された苗すくい板を倒れないように支持する側枠部材を苗すくい板収納部に備えることにより、予備苗を使用して不要になった複数枚の苗すくい板を纏めて収容できるようになったものがあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来、予備苗載せ台を予備苗載せ台支柱に揺動切り換え自在に取り付けるものにおいて、頭付き連結ピンの他に、この頭付き連結ピンに装着する抜け止め具も単独の部品として準備する必要があった。
【0007】予備苗載せ台を格納姿勢や使用姿勢に位置決めさせるとか保持させるに当たり、そのためのコイルスプリングを単独の部品として準備する必要があった。
【0008】苗すくい板収容部を備えるものにおいては、従来、苗すくい板を保持させる部材として比較的大型かつ構造複雑なものが必要になっていた。
【0009】本発明の目的は、予備苗載せ台を使用姿勢と格納姿勢とに揺動切り換えできるものにおいては、頭付き連結ピンの抜け止め、予備苗載せ台の姿勢保持とか位置決めが単独部品を必要としないで行え、苗すくい板収容部を備えるものにおいては、複数枚の苗すくい板の収納が小型かつ構造簡単な部材で行え、コスト面などで有利に得られる予備苗収容装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0011】〔構成〕予備苗載せ台を、使用姿勢と格納姿勢とに揺動切り換え自在に予備苗載せ台支柱に取り付けてある田植機の予備苗収容装置において、前記予備苗載せ台支柱の苗載せ台支持部と、前記予備苗載せ台の樹脂製の取付け部とにわたって挿通されて予備苗載せ台を予備苗載せ台支柱に揺動自在に連結する頭付き連結ピンを備え、この頭付き連結ピンが前記取付け部から抜け外れることを防止するべく頭付き連結ピンの頭部にストッパー作用する樹脂製の抜け止め片部を、この抜け止め片部のストッパー部が前記取付け部のピン孔の延長上に位置する抜け止め姿勢の状態で前記取付け部に一体成型するとともに、前記ストッパー部が前記ピン孔の延長上から外れた抜け止め解除姿勢に弾性変形させ得るように成型してある。
【0012】〔作用〕予備苗載せ台を予備苗載せ台支柱に組み付けるに当たり、抜け止め片部を抜け止め解除姿勢に弾性変形させてそのストッパー部がピン挿入の障害物にならないようにしながら、頭付き連結ピンを予備苗載せ台の取付け部に挿入する。頭付き連結ピンが予備苗載せ台の取付け部と、予備苗載せ台支柱の苗載せ台支持部とにわたって入り込むと、抜け止め片部の弾性変形操作を解除する。すると、抜け止め片部が弾性変形のために有する復元力によって抜け止め姿勢に復元し、ストッパー部によって頭付き連結ピンを予備苗載せ台の取付け部及び予備苗載せ台支柱の苗載せ台支持部から抜け外れにないように抜け止めする。そして、抜け止め片部を予備苗載せ台の樹脂製の取付け部に一体成型してあることにより、頭付き連結ピンを、予備苗載せ台の取付け部との一体部品として得た抜け止め手段としての抜け止め片部によって抜け止めされる状態にして組み付けられる。
【0013】〔効果〕予備苗載せ台を予備苗載せ台支柱に頭付き連結ピンによって揺動自在に取り付けるものでありながら、頭付き連結ピンの抜け止め手段としての抜け止め片部を予備苗載せ台の取付け部との一体部品として入手して安価に得られる。
【0014】請求項2による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0015】〔構成〕上下複数段の予備苗載せ台それぞれを、下降使用姿勢と上昇格納姿勢とに揺動切り換え自在に予備苗載せ台支柱に取り付けてある田植機の予備苗収容装置において、上段側の予備苗載せ台の裏面側に係合部を、下段側の予備苗載せ台の遊端側に前記係合部に係脱操作自在な係止部をそれぞれ一体形成し、上段側の予備苗載せ台及び下段側の予備苗載せ台が前記上昇格納姿勢に在る状態で、前記係合部と前記係止部とを係合操作できるように、かつ、前記係合部と前記係止部とが係合した状態で、下段側の予備苗載せ台が予備苗載せ台支柱との連結点を反力点として上段側の予備苗載せ台を上昇格納姿勢に突っ張り支持するように構成してある。
【0016】〔作用〕上段側の予備苗載せ台も、下段側の予備苗載せ台も上昇格納姿勢にしてそれらの係合部と係止部とを係合させると、下段側の予備苗載せ台が予備苗載せ台支柱との連結点を反力点として上段側の予備苗載せ台を突っ張り支持する。そして、係合部は上段側の予備苗載せ台に、係止部は下段側の予備苗載せ台にそれぞれ一体形成してあるから、上段側の予備苗載せ台との一体部品として得た姿勢保持手段としての係合部と、下段側の予備苗載せ台との一体部品として得た姿勢保持手段としての係止部とによって上段側の予備苗載せ台も下段側の予備苗載せ台も上昇格納姿勢に保持できる。
【0017】〔効果〕上段側の予備苗載せ台も下段側の予備苗載せ台も上昇格納姿勢に保持できるものでありながら、姿勢保持手段としての係合部及び係止部を予備苗載せ台との一体部品として入手して安価に得られる。
【0018】請求項3による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0019】〔構成〕予備苗載せ台を、使用姿勢と格納姿勢とに揺動切り換え自在に予備苗載せ台支柱に取り付けてある田植機の予備苗収容装置において、前記予備苗載せ台を前記予備苗載せ台支柱の苗載せ台支持部に連結するための樹脂製の取付け部を、予備苗載せ台に備えさせ、前記予備苗載せ台を位置決めする樹脂製の位置決め突起を、前記取付け部に一体成型するとともに、予備苗載せ台が予備苗載せ台支柱に対して揺動するに伴って予備苗載せ台支柱の表側と裏側とに移動し、予備苗載せ台支柱の表側又は裏側との当接によって前記予備苗載せ台を前記使用姿勢と前記格納姿勢とに位置決めするように成型してある。
【0020】〔作用〕予備苗載せ台を使用姿勢や格納姿勢に切り換えると、位置決め突起が予備苗載せ台の取付け部と共に予備苗載せ台支柱に対してその表側や裏側に移動し、予備苗載せ台が使用姿勢になった場合も、格納姿勢になった場合も、位置決め突起がが予備苗載せ台支柱の表側又は裏側との当接によって予備苗載せ台を使用姿勢や格納姿勢に位置決めする。そして、位置決め突起は予備苗載せ台の取付け部に一体成型してあることにより、予備苗載せ台を使用姿勢にした場合も、格納姿勢にした場合も、予備苗載せ台の取付け部との一体部品として得た位置決め手段としての位置決め突起によって予備苗載せ台を走行やエンジン振動などで揺れ動きにくいように位置決めできる。
【0021】〔効果〕使用姿勢や格納姿勢に切り換えた予備苗載せ台を揺れ動きにくいように位置決めできるものでありながら、位置決め手段としての位置決め突起を予備苗載せ台の取付け部との一体部品として入手して安価に得られる。
【0022】請求項4による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0023】〔構成〕苗すくい板部の一端部から立ち上がる苗受止め部、及び、この苗受止め部の上端部から苗すくい板部側とは反対側に延出する把手部が備えられている苗すくい板の複数枚を保持する苗すくい板収容部を備えてある田植機の予備苗収容装置において、前記苗すくい板収容部に、苗すくい板の前記把手部を掛けることによって苗すくい板が吊り下げ保持される苗すくい板吊り下げ体を備えさせ、前記苗すくい板吊り下げ体の吊り下げ部は、この吊り下げ部の先端側で保持する苗すくい板ほど高レベルに位置させて、吊り下げ部の先端側で保持する苗すくい板の苗受け止め部が、吊り下げ部の基端側で保持する苗すくい板の苗受け止め部の上側に重なる収容状態で複数枚の苗すくい板を保持する。
【0024】〔作用〕複数枚の苗すくい板の把手部を順次に苗すくい板吊り下げ体の吊り下げ部に掛けていく。すると、吊り下げ部の先端側で保持される苗すくい板ほど高レベルに位置し、先端側で保持される苗すくい板の苗受け止め部が基端側で保持される苗すく板の苗受け止め部の上に重なる収容状態で複数枚の苗すくい板が吊り下げ保持される。これにより、複数枚の苗すくい板を、苗すくい板の枚数の割りには短い吊り下げ部と、狭い収容スペースとによって収容できる。
【0025】〔効果〕苗すくい板吊り下げ体の吊り下げ部や収容スペースを収容可能な苗すくい板の枚数の割りには短いとか小さいものに済ませ、複数枚の苗すくい板を纏めて収容できる予備苗収容装置を苗すくい板収容部の面から安価かつコンパクトに得られる。
【0026】
【発明の実施の形態】図1及び図2に示すように、左右一対の駆動及び操向操作自在な前車輪1,1と左右一対の駆動自在な後車輪2,2とによって自走し、機体前端部に位置するエンジン及びエンジンボンネット3を有する原動部、この原動部の後方に位置する運転座席4を有する運転部を備えるとともに、前記エンジンボンネット3の両横側に上下複数段の予備苗載せ台11を備える予備苗収容装置10を設けてある自走機体の後部に、油圧式のリフトシリンダ5によって上下に揺動操作自在なリンク機構6を介して昇降操作するように苗植付装置8を連結するとともに、自走機体の後部から回転伝動軸7によって苗植付装置8に動力伝達するように構成してある。自走機体の運転座席4の後側に設けた肥料タンク9a、苗植付装置8の植え付け機体の下部に機体横方向に並べて取り付けてある複数個の接地フロート8aそれぞれに支持させてある作溝器9bなどを有する施肥装置9を備えさせ、もって、施肥装置付き乗用型田植機を構成してある。
【0027】すなわち、苗植付装置8を自走機体に対して下降操作し、前記接地フロート8aが圃場の泥面上に接触する作業レベルにして自走機体を走行させる。すると、苗植付装置8の植え付け機体の後部にこの機体横方向に並べて取り付けてある複数個の苗植付機構8bそれぞれが、苗載せ台8cに載置されたマット状苗の下端部から一株分のブロック苗を切断するとともに取り出し、接地フロート8aが整地した後の泥土面に植え付けていく。
【0028】前記施肥装置9は、前記肥料タンク9a及び前記複数個の作溝器9bの他に、肥料タンク9aの下部に自走機体の横方向に並んで連結する複数の肥料繰出し装置、各肥料繰出し装置の繰り出し部に送風する一つの電動ブロア9c、前記複数個の肥料繰出し装置の繰り出し部を前記複数個の作溝器9bに各別に接続している複数本の肥料供給ホース9dを備えており、苗植付装置8が苗植え作業を行っていくに伴い、各肥料繰出し装置が肥料タンク9aから粒状肥料を設定量ずつ繰り出し、肥料繰出し装置からの粒状肥料を電動ブロア9cが供給する風によって肥料供給ホース9dに送り込み、各作溝器9bが前記苗植付機構8bによって苗植え付けされる圃場泥土の横側近くに溝を作成し、その溝の内部に肥料供給ホース9dからの肥料を供給していく。
【0029】前記左右一対の予備苗収容装置10,10それぞれは、苗植付装置8の苗載せ台8cに補給する予備のマット状苗を収容しておくものであり、次の如く構成してある。
【0030】すなわち、図1及び図2に示す如き形状に折り曲げ形成して自走機体のエンジン搭載フレームと、ミッションケースで成る機体部分とにわたって連結した1本の丸パイプ材により、上端側どうしが連結された前後一対の予備苗載せ台支柱12,12を作成し、前記上下複数段の予備苗載せ台11・・それぞれを横幅方向での一端側で前記前側の予備苗載せ台支柱12と後側の予備苗載せ台支柱12とにわたって取り付けてある。
【0031】図4に示すように、各予備苗載せ台11・・は、中央部に複数の貫通孔11aを備えるように、かつ、一枚の予備マット状苗を図8の如き苗すくい板30に載せたままで予備マット状苗の長手方向が予備苗載せ台11の前後向きになる姿勢で載置するように形成した苗載置部11bと、この苗載置部11bに載置された予備マット状苗及び苗すくい板30の落ち止めを行うように苗載置部11bの両横端部、前端部、後端部のそれぞれから立ち上がる横側壁部11c,11d、前側壁部11e、後側壁部11fとによって作成してある。苗載置部11b、両横側壁部11c,11d、前側壁部11e、後側壁部11fのそれぞれは合成樹脂で一体に作成してある。
【0032】各予備苗載せ台11・・には、予備苗載せ台11を成型する際にそれぞれの前記横側壁部11cに一体に成型した合成樹脂製の前後一対の取付け部13,13を備えさせ、この一対の取付け部13,13と、図4〜図7に示す取付け構造とによって前記前後一対の予備苗載せ台支柱12,12に取り付けてある。
【0033】すなわち、図6及び図7に明示するように、前記前後一対の取付け部13,13それぞれに、予備苗載せ台11の前後方向に沿う方向のピン孔13aを有する前後一対の取付け部本体13b,13bを備えさせ、前側の取付け部13の前後一対の取付け部本体13b,13bと、前側の予備苗載せ台支柱12のピン孔12aを有する苗載せ台支持部12bとにわたって挿通させた頭付き連結ピン14により、前側の取付け部13を前側の予備苗載せ台支柱12の苗載せ台支持部12bに回動自在に連結し、後側の取付け部13の前後一対の取付け部本体13b,13bと、後側の予備苗載せ台支柱12のピン孔12aを有する苗載せ台支持部12bとにわたって挿通させた頭付き連結ピン14により、後側の取付け部13を後側の予備苗載せ台支柱12の苗載せ台支持部12bに回動自在に連結してある。
【0034】つまり、左側の予備苗収容装置10においても、右側の予備苗収容装置10においても、上下複数段の予備苗載せ台11それぞれは、前後一対の予備苗載せ台支柱12,12に前記頭付き連結ピン14の軸芯まわりで上下に揺動操作できるように連結しており、予備マット状苗を収容する際には、図3に実線で示す如く各予備苗載せ台11を予備苗載せ台支柱12に対して下降揺動させて、予備苗載せ台支柱12から横外側に水平又はほぼ水平に延出する下降使用姿勢にし、各予備苗載せ台11に予備マット状苗を一枚ずつ苗すくい板30に載せたままで載置する。このとき、前後の取付け部13,13それぞれが前後の取付け部本体13bどうしの間で予備苗載せ台支柱12に当接して受け止め支持されることにより、予備苗載せ台11が下降使用姿勢にこれ以上下降しないように固定される。
【0035】機体を移動走行させるとか格納するなどの際、図3に二点鎖線で示すように、各予備苗載せ台11を予備苗載せ台支柱12に対して上昇揺動させて、予備苗載せ台支柱12から上向きに延出する上昇格納姿勢に切り換えることにより、予備苗収容装置10を予備苗載せ台11が自走機体から横外側の突出しないようにコンパクト化できる。
【0036】このとき、図5に明示するように、上段側の予備苗載せ台11の裏面側に予備苗載せ台11の成型時に一体に形成してある樹脂製のフック形の係合部15と、下端側の予備苗載せ台11の遊端側に前記係合部15が出入りする貫通孔16aを設けてこの貫通孔16aの周壁部で形成されることによって、下段側の予備苗載せ台11に一体形成されたものとなる係止部16とを係合させる。すると、上段側の予備苗載せ台11も、下段側の予備苗載せ台11も上昇格納姿勢に保持できる。すなわち、上段側の予備苗載せ台11と下段側の予備苗載せ台11の係止部15と係合部16による係合部位に上段側の予備苗載せ台11の重量が掛かるにもかかわらず係止部15と係合部16の係合が外れず、下段側の予備苗載せ台11が予備苗載せ台支柱12との連結点を反力点として上段側の予備苗載せ台11を突っ張り支持する。尚、予備苗載せ台11を上昇格納姿勢から下降使用姿勢に切り換える際、上段側の予備苗載せ台11を上昇格納姿勢からさらに予備苗載せ台支柱12の方に若干揺動させることにより、係合部15と係止部16の係合を解除できる。
【0037】図6及び図7に示すように、各予備苗載せ台11・・を成型する際、前後の取付け部13,13それぞれにおける前後の取付け部本体13bそれぞれの内面側に樹脂製の位置決め突起17を一体に成型してある。図5に示すように、予備苗載せ台11を揺動操作して取付け部本体13bが予備苗載せ台支柱12に対して回動するに伴い、位置決め突起17に作用する予備苗載せ台支柱12からの反力が増大すれば位置決め突起17自体と取付け部本体13bとが弾性変形し、位置決め突起17が予備苗載せ台支柱12を乗り越えて予備苗載せ台支柱12の機体横方向での表側と裏側とに移動する。そして、図5に二点鎖線で示すように、予備苗載せ台11が前記下降使用姿勢になった場合には、位置決め突起17が予備苗載せ台支柱12の裏面側に当接して予備苗載せ台11を下降使用姿勢に位置決めする摩擦力を発揮し、予備苗載せ台11が前記上昇格納姿勢になった場合には、図5に点線で示す如く位置決め突起17が予備苗載せ台支柱12の表面側に当接して予備苗載せ台11を上昇格納姿勢に位置決めする摩擦力を発揮する。これにより、予備苗載せ台11を下降使用姿勢に切り換えた場合においても、上昇格納姿勢に切り換えた場合においても、予備苗載せ台支柱12に対してガタ付きにくいように位置決め突起17によって位置決めした状態で各姿勢に保持できる。
【0038】図3及び図6に示すように、前記各予備苗載せ台11の前側の取付け部13を連結している前記頭付き連結ピン14は、前側の取付け部13における一方の取付け部本体13bに備えてある抜け止め片部18により、後側の取付け部13を連結している前記頭付き連結ピン14は、後側の取付け部13における一方の取付け部本体13bに備えてある抜け止め片部18により、それぞれ取付け部本体13a及び苗載せ台支持部12bから抜け外れないように抜け止めしてある。
【0039】すなわち、前側の抜け止め片部18も、後側の抜け止め片部18も、取付け部13を成型する際に一方の取付け部本体13bに一体に成型した合成樹脂製の舌片状体によって作成するとともに、図7に実線で示す如く操作力を加えない自由状態では遊端側のストッパー部18aが取付け部本体13bのピン孔13aの延長線上に位置する抜け止め姿勢になるようにして成型してあり、予備苗載せ台11を予備苗載せ台支柱12に組み付ける際、図6(イ)に示すように、抜け止め片部18を弾性変形させて、ストッパー部18aが取付け部本体13bのピン孔13aの延長線上から横側に外れた抜け止め解除姿勢にすることにより、そのストッパー部18aがピン挿入の障害物にならないようにしながら、頭付き連結ピン14のピン部を予備苗載せ台11の取付け部本体13bに挿入する。頭付き連結ピン14のピン部が予備苗載せ台11の取付け部本体13bと、予備苗載せ台支柱12の苗載せ台支持部12bとにわたって入り込んだ所定の組み付け状態になると、抜け止め片部18の弾性変形操作を解除する。すると、図6(ロ)に示すように、抜け止め片部18が弾性変形のために有していた復元力によって抜け止め姿勢に復元し、ストッパー部18aが取付け部本体13bから抜け出ようとする頭付き連結ピン14の頭部14aにストッパー作用する位置になる。これにより、抜け止め片部18が頭付き連結ピン14の抜け止めを行う。
【0040】図2及び図3に示すように、左側の予備苗収容装置10における前後の予備苗載せ台支柱12の上端側どうしを連結している連結部材19から機体内側に延出する苗すくい板吊り下げ体21を有する苗すくい板収容部20を、左側の予備苗収容装置10に備えさせてある。
【0041】図8に示すように、苗すくい板30は、マット状苗をすくい取るエッジ31a、及び、マット状苗を載せる苗載せ面31bを備える苗すく板部31と、この苗すくい板部31にすくわれたマット状苗を受け止めるように苗すく板部31の一端側から立ち上がる苗受止め部32と、この苗受止め部32の上端部から苗すくい板部31側とは反対側に延出する把手部33とによって構成してある。
【0042】前記苗すくい板吊り下げ体21は、図2及び図5の如き形状に折り曲げ形成した丸棒材の両端部が形成する取付け部21aと、この取付け部21a以外の部分が形成する吊り下げ部21bとで成り、吊り下げ部21bが前後の予備苗載せ台支柱12,12の上端側どうしを連結している連結部材19から機体内側に向かって延出する取り付け姿勢にして取付け部21aを前記連結部材19に溶接することによって予備苗載せ台支柱12に支持させるように、かつ、吊り下げ部21bを苗すくい板31の前記把手部33が持ちやすくなるように備えている貫通孔33aに入り込ませて把手部33に係止作用させることによって、苗すくい板30を吊り下げ保持するように構成してある。吊り下げ部21bは、先端側ほど高レベルに位置する先上がり傾斜姿勢になる取付け姿勢で予備苗載せ台支柱12に支持させてある。
【0043】これにより、苗すくい板収容部20は、複数枚の苗すくい板30を収容させるに当たり、その把手部33を順次に吊り下げ部21bに掛けていくことにより、複数枚の苗すくい板30を予備苗載せ台支柱12とエンジンボンネット3との間のスペースを収容スペースとして収容するとともに、苗すくい板吊り下げ体21によって図3に二点鎖線で示す如き収容状態で収容する。すなわち、吊り下げ部21bの最も基端側に掛かる苗すくい板30の把手部33が取付け部21aの吊り下げ部21b側の端部に当接し、この当接により、最基端側の苗すくい板30を吊り下げ部21bから抜け落ちないように吊り下げ保持する。そして、吊り下げ部21bの前記傾斜姿勢のため、吊り下げ部21bの先端側に掛かる苗すくい板30ほど高レベルに位置し、かつ、吊り下げ部21bの先端側で保持される苗すくい板30の苗受け止め部32が吊り下げ部21bの基端側で保持される苗すくい板30の苗受け止め部32の上側に重なる状態で吊り下げ保持する。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
【出願日】 平成11年3月12日(1999.3.12)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2003−180110(P2003−180110A)
【公開日】 平成15年7月2日(2003.7.2)
【出願番号】 特願2002−341139(P2002−341139)