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【発明の名称】 マニュアスプレッダ
【発明者】 【氏名】武市 良
【住所又は居所】愛媛県松山市衣山1丁目2番5号株式会社アテックス内

【氏名】田中 茂
【住所又は居所】愛媛県松山市衣山1丁目2番5号株式会社アテックス内

【要約】 【課題】堆肥等の散布を行う自走、又は牽引式のマニュアスプレッダにおいて、1台で広幅散布から狭幅散布が可能であると共に、筋撒き状散布も可能なマニュアスプレッダを提供する。

【解決手段】荷箱1の下方位置Aにあるスピンナー翼2,3を有するスピンナー装置9を荷箱1開放部の略対向位置Bへ移動起立させると共に、スピンナー翼2,3を内向回転イ,ロさせ、散布物4の狭幅散布を可能に構成してなるマニュアスプレッダとする。また、荷箱1開放部の略対向位置Bへ移動起立したスピンナー装置9の下方へ、中央部に開口部7を有する案内部材8を設け、スピンナー翼2,3の内向回転イ,ロによって狭幅になった散布物4を、さらに狭幅へ案内して筋撒き状散布を可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】荷箱(1)の前後一側にある開放部から排出する散布物(4)を、その下方位置(A)で回転するスピンナー翼(2),(3)へ落下させて散布を行うマニュアスプレッダにおいて、スピンナー翼(2),(3)を有するスピンナー装置(9)を、下方位置(A)から荷箱(1)開放部の略対向位置(B)へ移動起立させると共に、スピンナー翼(2),(3)を内向回転(イ),(ロ)させ、散布物(4)の狭幅散布を可能に構成してなるマニュアスプレッダ。
【請求項2】荷箱(1)開放部の略対向位置(B)へ移動起立したスピンナー装置(9)の下方へ、中央部に開口部(7)を有する案内部材(8)を設け、スピンナー翼(2),(3)から落下する散布物(4)をさらに狭幅散布可能に構成した請求項1に記載のマニュアスプレッダ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自走または牽引されて走行する車体に搭載する荷箱の散布物排出口にスピンナーを備え、堆肥等の散布物を散布するマニュアスプレッダに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、堆肥の広幅散布(散布幅6〜10m)を行うには、荷箱より送出される堆肥を水平外向に高速回転する左右の皿状のスピンナーで受けて左右外側方へ跳飛す形態の所謂スピンナー装置を備えるマニュアスプレッダを使用する。又、特開平5−30806号公報に記載されているように、広幅散布のスピンナー装置の前方に調節自在の規制板を設け、左右外側方へ跳飛される堆肥を規制して略車体幅と同等の狭幅に散布する技術が開示されている。この技術にあっては、スピンナーが外向回転しており、外方へ飛散しようとする堆肥を規制板へ衝突させて強制的に狭幅に修正するものであり、規制板に加わる負荷が大きく、又、スピンナーと規制板との間の詰りの原因となるとともに、散布幅を極端に狭くする筋撒は不可能である。又、特公昭64−5846号公報には、左右一対の横送りコンベアの正逆転を行うことで散布作業形態の多様化を可能とした技術が記載されており、具体的には左右一対の横送りコンベアを、機体中央側へ向け回転駆動し狭幅散布を可能としている。しかしながら、横送りコンベアでの散布作業は、スピンナーを有するものに比べて広幅に散布することができないという問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の如き従来のマニュアスプレッダが有する不具合に鑑みてなされたもので、1台のマニュアスプレッダで広幅から筋撒き状散布までの多様な散布形態が可能なマニュアスプレッダを提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】荷箱1の前後一側にある開放部から排出する散布物4を、その下方位置Aで回転するスピンナー翼2,3へ落下させて散布を行うマニュアスプレッダにおいて、スピンナー翼2,3を有するスピンナー装置9を、下方位置Aから荷箱1開放部の略対向位置Bへ移動起立させると共に、スピンナー翼2,3を内向回転イ,ロさせ、散布物4の狭幅散布を可能に構成してなるマニュアスプレッダとする。また、荷箱1開放部の略対向位置Bへ移動起立したスピンナー装置9の下方へ、中央部に開口部7を有する案内部材8を設け、スピンナー翼2,3を内向回転イ,ロさせて左右両側方から中央方向へ集めた散布物4を、さらに狭い幅の筋撒き状散布が可能なマニュアスプレッダとする。
【0005】
【発明の作用及び効果】荷箱1内の散布物4は、通常荷箱1の底部に設けたコンベアベルトにより排出口へ向け搬送される。荷箱1の下方にはスピンナー翼2,3を有するスピンナー装置9が設けてあり、スピンナー翼2,3は外向回転ハ,ニしながら荷箱1から排出される散布物4を広範囲に散布することができる。又、狭幅散布を行う際にはスピンナー装置9を荷箱1の下方位置から略対向位置Bへ移動起立させると共に、スピンナー翼2,3を内向回転イ,ロさせることで、排出される散布物4を、左右両側方から中央方向へ掻集めて、車体中央位置へ狭幅散布が可能である。又、請求項2の発明にあっては、荷箱1の略対向位置Bへ移動起立した状態でのスピンナー装置9の下方に、スピンナー翼2,3から落下する散布物4をさらに中央部へ案内する案内部材8を設け、該案内部材8の中央部へ設けた開口部7から散布物4を下方へ落下排出可能にしているので、開口部7と略同幅の筋撒きが可能であり、案内部材8へ落下する散布物4は、スピンナー翼2,3の内向回転イ,ロによってあらかじめ中央寄りに集められているので、案内部材8の強度を上げる必要はなく、又、詰りを生じることなく安価で簡単な部材で構成することが可能である。
【0006】
【発明の実施の形態】図例は、自走型のマニュアスプレッダを示し、荷箱1の開放部は機体の後側に位置し、又操縦台13は機体の前側として記載しており、図1、図2は全体構成を示す。本発明は牽引式のマニュアスプレッダーでもよい。車台10の両側にはクローラ11を有する走行装置12を具備し、車台10の前部には、中央部に走行クラッチレバー17や前後進切替レバー18等を立設した操縦台13を設け、その一側には原動機14を搭載し、他の一側には座席15を有する乗車部16を設けてある。作業者が座席15に座った状態の前方にはサイドクラッチレバー19,19を立設し操向操作を行うことが可能である。車台10の後側には両側枠20,20と後枠21とからなり、後端を開放する荷箱1を搭載し、該荷箱1の底部には平ベルト状のコンベア22を車台10前後に架設のローラ23,23間に掛回してある。
【0007】荷箱1の開放側、即ち、車体後側には左右の両側板24,24と覆板25とから構成されるビータ枠26を取着し、その両側板24,24間に横型ビータ27を回転自在に軸支してある。コンベア22の荷箱1開放側の下方には、水平方向に正逆転が可能な左右一対のスピンナー翼2,3を有するスピンナー装置9を備え、荷箱1から排出する散布物4を広範囲に散布することができる。スピンナー装置9は、両側板24,24外側へ回動自在に軸支したスピンナーアーム28,28間に横架し、荷箱1の下方位置Aから略対向位置Bへ移動起立可能に構成してある。
【0008】コンベア22、横型ビータ27、スピンナー翼2,3及び走行関係の伝動は全て原動機14から伝動している。スピンナー装置9左右両側のスピンナーアーム28,28の回動は、スピンナー翼2,3や横型ビータ27の伝動系路とは別に、図4に示す如く荷箱1側部に設けた油圧シリンダー32を伸縮させることにより、スプロケット33と中間スプロケット34との間へ掛回したチェン35を駆動させ、スピンナーアーム28,28を軸支する回動スプロケット36と中間スプロケット34との間へ掛回したチェン37に伝動することで、スピンナーアーム28,28及びスピンナー装置9の上下回動を可能にしている。油圧シリンダー32は、原動機14の動力の一部を取出して駆動する油圧ポンプ(図示せず)で駆動してある。横型ビータ27は、機体左側に設けた伝動系路38から伝動し、両側板24,24へ横架した横型ビータ27を経て、図4に示すように機体右側のスプロケット39,41に掛回したチェン40から、スピンナーギヤボックス45へ伝動する。スピンナーギヤボックス45は、スピンナー翼2,3の回転方向切替が可能である。
【0009】図3及び図4に示すように、スピンナー装置9が荷箱1の下方位置Aにある場合は、スピンナー翼2,3は外向回転ハ,ニをして、散布物4を荷箱1後方の広範囲に散布することが可能である。図5に示すように、スピンナー装置9を荷箱1の略対向位置Bへ起立させた場合は、スピンナー翼2,3は内向回転イ,ロをして、図7に示すように、荷箱1から排出する散布物4をスピンナー翼2,3の回転面上方で受けて、中央部へ集めることが可能である。図例のマニュアスプレッダは横型ビータ27を設けているが、本発明においては荷箱1からスピンナー翼2,3へ向けて散布物4を排出する機能があれば良いので、荷箱1底部に設けるコンベア22等で横型ビータ27を代用することも可能である。また、スピンナー装置9を覆板25の上方まで回動可能とすれば、荷箱1前側を下方へ傾斜可能な構成の自ら散布物4を積込むことができるマニュアスプレッダにおいても、散布物4積込時にスピンナー装置9が邪魔にならず、有効である。
【0010】荷箱1内に積載された散布物4は、荷箱1底部に設けたコンベア22で後方の荷箱1開放側へ搬送されると、上方が後方へ向けて回転する横型ビータ27の、上方から後方へ向けて排出される。荷箱1の後方では、スピンナー装置9が起立状態でスピンナー翼2,3が内向回転イ,ロをしており、スピンナー翼2,3の回転面上方に向けて横型ビータ27から排出された散布物4の大部分は、スピンナー翼2,3の内向回転イ,ロにより中央方向へ集められる。スピンナー翼2,3の回転速度が高速の場合は、散布物4が機体の上方や側方にまで飛散するが、これはエンジン回転数を下げるか、又は他の減速手段等により、スピンナー翼2,3回転速度を調整可能にすることで解消される。また、左右一対のスピンナー翼2,3両側から中央方向へ飛散する散布物4については、左右のスピンナー翼2,3がそれぞれ中央へ向けて散布物4を飛散させて散布物4同士が衝突し合い、左右方向への飛散はほとんどなく、散布物4を狭幅のスジ状に散布することが可能である。この作用により、スピンナー翼2,3の回転速度を調整してやることによる散布幅調整も可能である。
【0011】図6は、更に狭幅に状散布を可能にした例を示す。スピンナー装置9を荷箱1の略対向位置Bへ起立させた状態において、スピンナー装置9の下側には落下する散布物4を受けて案内するための案内部材8を取着してある。案内部材8は、スピンナー装置9の両側から中央方向に向け下り傾斜の形状とし、その中央部には散布物4が落下するための開口部7を有する。案内部材8は、スピンナー翼2,3の回転面上面の高さHよりも高く形成しており、スピンナー翼2,3から落下する散布物4をさらに中央方向へ案内し、案内部材8から下方へ散布する散布物4は狭幅の筋撒き状に散布することが可能である。案内部材8の中央部、即ち開口部7へ落下する散布物4は、スピンナー翼2,3の内向回転イ,ロにより略真上から叩き落とされていて、開口部7を狭くしても開口部7へ散布物8が詰まるというような不都合がなく、開口部7の幅を調整可能に構成(図示せず)すれば、筋撒き状散布作業における散布幅の調整も容易に行うことができる。また、スピンナー翼2,3から落下する散布物4は、内向回転イ,ロするスピンナー翼2,3が散布物4を中央へ集める作用により、あらかじめ機体幅よりも狭い幅で落下するので、散布物4が案内部材8へ衝突する負荷が少なく、案内部材8は特別な強度を必要としないため、安価で簡単な部材で構成することが可能である。
【0012】案内部材8中央の開口部7には散布物4が停滞しないことは前述の通りであるが、図6に示すように開口部7の両側とスピンナー翼2,3外周の下方との間には空間部C,Cが形成され、案内部材8を中央部へ向けて下り傾斜に形成しているものの、スピンナー翼2,3の回転面下方における回転方向は、開口部7の方向とは逆方向へ向いているため、散布物4が停滞することが考えられる。しかし、空間部C,Cへの散布物4停滞は、案内部材8の高さがスピンナー翼2,3の回転面上面の高さHよりも高く形成しているため、案内部材8開口部7の近傍で散布物4が停滞したとしても、散布物4を開口部7方向に向けて案内する作用を損うことはない。図4に示すようにスピンナー装置9を荷箱1の下方位置Aにした状態では、スピンナー翼2,3は外向回転ハ,ニをしており、荷箱1から排出した散布物4の大部分はスピンナー翼2,3の回転面上へ落下するので、広幅散布時においても支障をきたすことがない。ただし、スピンナー装置9を荷箱1の下方位置Aにした状態でスピンナー装置9の前方となる案内部材8の開口部7からは、スピンナー翼2,3の回転による遠心力で外方へ飛散する散布物4が飛び出すため、荷箱1下側には、スピンナー装置9側に取着した案内部材8の開口部7を防ぐ形状の板状帯31を設けてある。
【0013】以上の如く構成したマニュアスプレッダは、1台のマニュアスプレッダで、前方への広幅散布から狭幅散布が可能であると共に、筋撒き状散布が可能で、多様な散布形態作業を選択することができる。
【0014】
【出願人】 【識別番号】000144980
【氏名又は名称】株式会社アテックス
【住所又は居所】愛媛県松山市衣山1丁目2番5号
【出願日】 平成13年12月7日(2001.12.7)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−169506(P2003−169506A)
【公開日】 平成15年6月17日(2003.6.17)
【出願番号】 特願2001−373557(P2001−373557)