トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 苗植付装置
【発明者】 【氏名】塩崎 孝秀
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】神谷 寿
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】草本 英之
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【要約】 【課題】従来の苗植付装置は、棒状体を摺動自在に案内する案内部材の外側部でケースと棒状体との間にシール部材を設けたものであったので、苗植付け作業をしているとシール部材が傷みそのシール性を長期間に亘って安定させることができず、泥水や土がケース内に入り込んだり、ケース内のグリスが漏れたりして、苗植付装置が故障することがあった。

【解決手段】ケース40a内に設けた作動機構Bにより、ケース40a壁面を貫通して設けた棒状体47の突出方向の作動にて棒状体47に設けた押出体48が圃場に苗を植付ける苗植付装置において、棒状体47を摺動自在に案内する案内部材53をケース40aに設けると共に、案内部材53の外側部でケース40aと棒状体47との間に外シール部材52を設け、且つ、案内部材53の内側部でケース40aと棒状体47との間に内シール部材54を設けた苗植付装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ケース40a内に設けた作動機構Bにより、ケース40a壁面を貫通して設けた棒状体47の突出方向の作動にて棒状体47の先端に設けた押出体48が圃場に苗を植付ける苗植付装置において、該棒状体47を摺動自在に案内する案内部材53をケース40aに設けると共に、案内部材53の外側部でケース40aと棒状体47との間に外シール部材52を設け、且つ、案内部材53の内側部でケース40aと棒状体47との間に内シール部材54を設けたことを特徴とする苗植付装置。
【請求項2】案内部材53を潤滑材を含有した材質にて形成したことを特徴とする請求項1記載の苗植付装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、田植機や野菜移植機やイ草移植機等の各種移植機に使用する苗植付装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の苗植付装置としては、ケース内に設けた作動機構により、ケース壁面を貫通して設けた棒状体の突出方向の作動にて棒状体の先端に設けた押出体が圃場に苗を植付ける苗植付装置がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然し乍、上記従来の苗植付装置は、棒状体を摺動自在に案内する案内部材をケースに設け、その案内部材の外側部でケースと棒状体との間にシール部材を設けたものであったので、棒状体の作動方向に対して交差する方向に棒状体が多少ぶれて突出及び退入作動する為に苗植付け作業をしていると、シール部材が傷みそのシール性を長期間に亘って安定させることができず、棒状体の突出及び退入作動にて泥水や土が棒状体に付着したままケース内に入り込んだり、ケース内のグリスが漏れたりして、苗植付装置が故障してしまうようなことがあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決すべく、請求項1記載の発明は、ケース40a内に設けた作動機構Bにより、ケース40a壁面を貫通して設けた棒状体47の突出方向の作動にて棒状体47の先端に設けた押出体48が圃場に苗を植付ける苗植付装置において、該棒状体47を摺動自在に案内する案内部材53をケース40aに設けると共に、案内部材53の外側部でケース40aと棒状体47との間に外シール部材52を設け、且つ、案内部材53の内側部でケース40aと棒状体47との間に内シール部材54を設けた苗植付装置としたものである。従って、案内部材53の外側部でケース40aと棒状体47との間に外シール部材52を設けたので、圃場に苗を植付ける時に棒状体47がケース40aから突出したり退入したりする際、泥や水や土等が棒状体47に付着してケース40a内に進入することを防止する。また、案内部材53の内側部でケース40aと棒状体47との間に内シール部材54を設けたので、圃場に苗を植付ける時に棒状体47がケース40aから突出したり退入したりする際、ケース40a内のオイルやグリスが棒状体47に付着してケース40a外に漏れることを防止する。よって、泥や水や土等が棒状体47に付着してケース40a内に進入することやケース40a内のオイルやグリスが外に漏れることを長年にわたり防止できて、良好な苗植付け作業が行なえる。
【0005】請求項2記載の発明は、案内部材53を潤滑材を含有した材質にて形成した請求項1記載の苗植付装置としたものである。従って、請求項1記載の発明の作用に加えて、案内部材53の内側部でケース40aと棒状体47との間に内シール部材54を設けているので、案内部材53にケース40a内のオイルやグリスが行かなくなるが、案内部材53自体が潤滑材を含有している為、適正に棒状体47を摺動案内して、良好な苗の植付け作業が行なえる。
【0006】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、案内部材53の外側部でケース40aと棒状体47との間に外シール部材52を設け、且つ、案内部材53の内側部でケース40aと棒状体47との間に内シール部材54を設けたので、圃場に苗を植付ける時に棒状体47がケース40aから突出したり退入したりする際、泥や水や土等が棒状体47に付着してケース40a内に進入することを防止し、棒状体47がケース40aから突出したり退入したりする際、ケース40a内のオイルやグリスが棒状体47に付着してケース40a外に漏れることを防止する。よって、泥や水や土等が棒状体47に付着してケース40a内に進入することやケース40a内のオイルやグリスが外に漏れることを長年にわたり防止できて、良好な苗植付け作業が行なえ、従来例の課題を適確に解消することができる。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、案内部材53の内側部でケース40aと棒状体47との間に内シール部材54を設けているので、案内部材53にケース40a内のオイルやグリスが行かなくなるが、案内部材53自体が潤滑材を含有している為、適正に棒状体47を摺動案内して、良好な苗の植付け作業が行なえる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施例を図面に基づいて説明する。図1のように、走行車体1から後方に突出したリンク15の後端に苗植装置18が取付けられて乗用型の田植機となっている。走行車体1は、つぎのように構成される。機枠2の前後にフロントミッションケース3と左右リヤーケース4が設けられている。フロントミッションケース3の両横に1対の左右前輪5が装着され、左右リヤーケース4の各々に左右後輪7が装着されて、原動機10の回転がフロントミッションケース3・リヤーケース4を経て左右前輪5と左右後輪7に達し、これらを水田の耕盤上で回転させて走行車体1が推進するように出来ている。原動機10がボンネット11で被われ、その上に座席12が設けられている。ステアリングポスト8が機枠2の先端で上に伸び、その上のハンドル9を操作すると、左右前輪5が操舵されるようになっている。左右の後部縦フレーム13が1対の左右リヤーケース4をつなぐ横杆14から上に伸び、上部リンク15bと1対の下部リンク15aの前端が回動自在に取付けられ、それぞれのリンク15a,15bの後端の取付枠16が油圧シリンダ17で上下されるように出来ている。
【0009】苗植装置18は、つぎのように構成される。伝動ケース19がローリング軸25で取付枠16に取付けられけている。苗載台20が伝動ケース19の上に前倒れに設けられ、5枚のマット苗を横並びに載せて左右に往復移動するように出来ている。断面がL形の苗受枠26が苗載台20の下端で伝動ケース19に固定され、苗載台20から下方に突出したマット苗の端がこの上を左右に移動するように出来ている。5個の苗取口27が苗受枠26に設けられ、苗植付装置21の植付爪40bがそれぞれの苗取口27を上から下に向って通過し、前記のマット苗の端を欠ぎ取るように出来ている。
【0010】中央フロート22と1対の側部フロート23が伝動ケース19の下方に配置され、走行車体1の前進で泥面を滑走し、それぞれの植付爪40bが前記の苗を植付ける泥土をあらかじめ整地するようになっている。そして、この伝動ケース19は、前部の主伝動ケース19a、これから苗受枠26の下を通って後に伸びる3個の縦ケース19bから出来ている。
【0011】原動機10の動力を受けて回転する駆動軸28がそれぞれの縦ケース19b後部に横向に取付けられ、その突端に回転ケース29が固定されている。図2のように、回転ケース29の縦ケース19bから遠い側の面が駆動軸28の突端に固定されて、両者が原動機10の動力で回転されるようになっている。すなわち、回転ケース29がアルミ材でケース状に構成され、その遠い側の面にメタル29aがインサートされ、このメタル29aと駆動軸28とがキー29bにて一体回転するようにされて、ナット29cで締め付けられて駆動軸28にて回転ケース29が駆動回転されるように構成している。太陽歯車31が回転ケース29内で駆動軸28に回転自在に取付けられ、その内側端の爪31aが、縦ケース19bに固定された固定メタル30の爪30aに咬み合って、回転しないように出来ている。1対の遊星歯車33が回転ケース29内の外周側に対称な位置に配置され、それぞれの中間歯車32を介して太陽歯車31に咬み合っている(太陽歯車31に2つの中間歯車32が咬み合い、その2つの中間歯車32にそれぞれ遊星歯車33が咬み合っている)。太陽歯車31と中間歯車32と遊星歯車33は、それぞれ同じ歯数に構成され、回転ケース29が1回転すると、遊星歯車33が逆方向に1回転するように出来ている。すなわち、回転ケース29が駆動軸28の軸心回りに回転すると、遊星歯車33は、地面に対して同じ姿勢を保ってその軸心回りに旋回する。そして、太陽歯車31は、その回転中心イがピッチサークルの中心ロに対して偏心して設けられ、中間歯車32および遊星歯車33も、同じように偏心して設けられてそれぞれが常に咬み合っている。従って、太陽歯車31のピッチサークルの中心が回転中心に対して偏心しているので、中間歯車32に不等速運動を伝える。これが遊星歯車33に伝わって、1回の旋回中に遊星歯車33がその軸心回りに1回転し、その回転は速い回転域と遅い回転域とができて、遊星歯車33は1回転中で早く回転したり遅く回転したりすることとなる。
【0012】遊星歯車33に固定された1対の旋回軸34が回転ケース29から左に延び出し、その突端に取付体42がコッター41で強固に固定されている。1対の旋回ケース40aがその端に固定された下向の植付爪40bを苗載台20側に向けてそれぞれの旋回軸34に対して回動自在に取付けられ、固定具としてのボルト43でそれぞれの取付体42に締め付けられて固定されている。尚、旋回ケース40a及び取付体42には、回転ケース29の回転平面に略々沿った方向に突出する取付部40d及び42cを形成し、ボルト43は、取付体42の該取付部42cに形成された旋回軸34を中心とした円弧状の長孔42aに差し込まれ、旋回ケース40aの取付部40dの雌ねじにねじ込まれるようになっている。
【0013】一方、突起42bが取付体42に放射方向に設けられ、その先端部にねじ44が円周方向にねじ込まれている。そして、その頭が旋回ケース40aと接当して係合部40cとなっており、前記のボルト43を緩めてこのねじ44を回すと、そのリードでねじ44の頭が旋回ケース40aを微少量づつ回転ケース29の回転方向(反時計方向)に押し回すように出来ている。そして、ナット45を締め付けると、その位置が保持される。このようにねじ44・ナット45等にて、取付体42と旋回ケース40aとの旋回軸34回りの回動を微調節する調節機構Aが構成されている。
【0014】従って、ボルト43を緩めると旋回ケース40aは旋回軸34回りに所定量回動できる構成となっており、このボルト43を緩めた状態で調節機構Aにて旋回ケース40aの位置を調節した後にボルト43を締付けると、旋回ケース40aは取付体42に強固に固定される。そして、植付爪40bが旋回中の上部において先が上ったやや横向の姿勢となり、下部において下方を向いた垂直方向の姿勢となるように、太陽歯車31を固定メタル30に係合固定している。
【0015】図2および図3のように、押棒47の下端に溶接固定された押出体48が植付爪40bの下裏部(苗掻取り部)で上下に移動するように出来ている(尚、押棒47・押出体48共にステンレス製で、押棒47は円柱状の棒体である)。カム39と一体の軸38が旋回ケース40aから内側に伸び、その端が爪ハで回転ケース29に固定されている。すなわち、回転ケース29が回転するときに、遊星歯車33は回転ケース29に対して回転する。従って、遊星歯車33と一体の旋回ケース40aが太陽歯車31の回りに1回旋回すると、回転ケース29と一体のカム39がこの旋回ケース40aに対して1回転する。そして、このカム39がピン50の回りに揺動するテコ49で前記の押棒47の上端に接続し、植付爪40bが下端に来たときにテコ49の基端がカム39の突出部から離れてばね51が押棒47を押し下げ、押出体48が苗を押し下げるようになっている。植付爪40bが所定の位置に上昇すると、カム39が押棒47を引き上げる。このように、カム39・テコ49・ばね51等にて、押棒47を作動させる作動機構Bが構成されている。
【0016】52は防泥用のシールであって、上記の押出体48を下端に固定した押棒47が旋回ケース40aから突出する部分に設けられている。そして、シール52には、押棒47の外周に摺接するリップ52a…が複数個設けられており、水田圃場に苗を植付ける時に押棒47が旋回ケース40aから突出したり退入したりする際、泥や水や土等が押棒47に付着して旋回ケース40a内に進入することを防止する為に設けられている。尚、シール52は、その最も内側のリップ52aにシール性を高める為にスプリング52bが装着された所謂スプリング入りタイプのシールとなっている。
【0017】53は油を含有した燒結合金にて形成されたブッシュ(オイル等の潤滑材を供給する必要のない無潤滑ブッシュ)であって、旋回ケース40aの押棒47が往復移動する部位に装着されており、押棒47が真直ぐに突出したり退入したりする為の支持案内機能を有した円筒形状をしている。
【0018】54はオイルシールであって、上記ブッシュ53の上側に設けられており、押棒47の外周に摺接するリップ54a…がスプリング54bに締付けられた状態で設けられた所謂スプリング入りタイプのシールで、水田圃場に苗を植付ける時に押棒47が旋回ケース40aから突出したり退入したりする際、旋回ケース40a内のオイルやグリスが押棒47に付着して旋回ケース40a外に漏れることを防止する為に設けられている。
【0019】また、55は一般的な座金であって、押棒47にその内側の穴を通した状態で下面が旋回ケース40aに受けられた位置に配設されている。そして、座金55の上側には、ゴム材よりなるドーナツ状のクッション部材56が押棒47にその内側の穴を通した状態で設けられている。従って、植付爪40bが水田圃場の泥土に苗を植付ける時に、上記テコ49の基端がカム39の突出部から離れてばね51が押棒47を押し下げ、押出体48が苗を押し下げるようにして苗を植付けるが、その押棒47が最も下動した時に、押棒47に固定して設けたストッパー部材57の下面がクッション部材56に当接して押棒47の下動は止められる。その時、押棒47のストッパー部材57がクッション部材56に当接しても、クッション部材56はゴム材よりなる弾性体であるから、その衝撃は吸収されて苗の植付けに悪影響を与えず適正な苗の植付けが行なえる。また、クッション部材56が受けたその衝撃は、下面が旋回ケース40aに受けられた座金55にて受け止められるので、オイルシール54に衝撃が及ばず、オイルシール54の破損を防止できて、長年にわたりオイルシール54のシール性能は発揮され、旋回ケース40a内のオイルやグリスが外に漏れることを長年にわたり防止できて、良好な苗植付け作業が行なえる。
【0020】従って、この苗植付装置21によると、旋回ケース40aの押出体48を下端に固定した押棒47が突出する部分に、無潤滑ブッシュ53を設けて押棒47を摺動自在に支持し、そのブッシュ53の下側と上側とに、夫々防泥用のシール52とオイルシール54とを設けたので、押出体48を下端に固定した押棒47は水田圃場に苗を植付ける時に真直ぐに突出及び退入して適正な苗の植付けが行なえ、また、ブッシュ53の下側に配置した防泥用のシール52が、水田圃場に苗を植付ける時に押棒47が旋回ケース40aから突出したり退入したりする際、泥や水や土等が押棒47に付着して旋回ケース40a内に進入することを適確に防止し、ブッシュ53の上側に配置したオイルシール54が、旋回ケース40a内のオイルやグリスが押棒47に付着して旋回ケース40a外に漏れることを適確に防止する。従って、良好なる苗植付け作業が行なえる。
【0021】図2および図4のように、それぞれの遊星歯車33に偏心体36が固定され、抵抗アーム35がばね37で押し当てられ、植付爪40bが苗取口27を通過するとき、それぞれの歯車31,32,33の噛合っている歯に回転抵抗を与えて、植付爪40bの先端が歯車のバッククラッシュで前後に移動しないように出来ている。
【0022】次に上例の作用について説明すると、苗載台20に苗を載せて原動機10で各部を駆動すると、走行車体1が左右前輪5と左右後輪7の回転により推進されて、苗植装置18部が整地フロート22・23・23で一部その荷重が受けられて牽引されると共に伝動軸を介して動力がフロントミッションケース3側から伝動ケース19内の入力軸へ伝動される。このようにして、伝動ケース19内の入力軸から適宜な伝動ルートを経て動力が駆動軸28に伝わる。すると、各回転ケース29が回転し、この回転に伴ない太陽歯車31のまわりに中間歯車32・32が遊星回転され、更にこれに噛合う遊星歯車33・33が回転されることになる。
【0023】したがって、遊星歯車33・33で旋回軸34・34が回転されるが、この回転は、回転ケース29と同一回転数でありながらその回転周速が変動してずれて回転される。その理由は、太陽歯車31、中間歯車32・32、遊星歯車33・33が偏心歯車である為であり、また、太陽歯車31と遊星歯車33との歯数を同一にしているからである。
【0024】このため、旋回軸34に取付体42を介して取付けられた旋回ケース40aは回転ケース29に対して首振り作動してこの旋回ケース40aに取付けられている植付爪40bの先端が描く植付軌跡がやや上下方向に長い閉ループ状になる。そして、この植付爪40bが苗載台20側の苗受枠26の苗分割口27へ上方から下方へ向けて介入してここに繰出されている一株分の苗を分割係合して下方へ移動する。このとき苗の上面は押出体48で受止められている。このようにして土壌面へ運ばれた苗は、カム39で作動される押棒47の先端に設けられた押出体48の下動で土壌中に押出されて植付けられる。
【0025】次に、苗分割量を変更調節する手段を説明する。苗分割量を少なくするときは、先ず、ボルト43・43を緩める。次に、回り止め用のナット45を緩めて、ねじ44を回して旋回ケース40aとの係合部40cを移動させて、旋回ケース40aを取付体42に対して軸芯のまわりに回転ケース29の回転方向に回動させて植付爪40bの先端が下側に振られるように調節する。そして、調節後に、回り止め用のナット45を締めてボルト43・43にて両者を固定する。
【0026】次に、苗分割量を多くするときは、ボルト43・43を緩め、回り止め用のナット45を緩めた後、先ず、苗分割量を多くする側に(回転ケース29の回転方向と逆に)過大に旋回ケース40a回動しておく。然る後に、ねじ44を回して旋回ケース40aとの係合部40cを移動させ、旋回ケース40aを取付体42に対して軸芯のまわりに回転ケース29の回転方向に回動させて植付爪40bの先端が下側に振られるように調節する。そして、調節後に、回り止め用のナット45を締めてボルト43・43にて両者を固定する。
【0027】植付爪40bに苗分割時及び植付時に抵抗が掛ると旋回ケース40aに回転反力が加わりボルト43・43が緩んで次第に苗分割量が多くなってこれが極端になると苗受枠26に植付爪40bが衝突するような事態が発生するが、上記のような調節後の固定によると、微調節が適確に行えると共に、調節機構Aのねじ44が旋回ケース40aの回転反力による回動を防止するストッパーとしても機能し、長期の使用によっても苗分割量が不測に変動せず適確な苗の植付作業が行われる。
【0028】尚、上記実施例では、太陽歯車31、中間歯車32・32、遊星歯車33・33は真円歯車を用いて、それらを偏心させて用いた例を示したが、太陽歯車31、中間歯車32・32、遊星歯車33・33を非円形の歯車(ピッチ円が、真円ではなくて、連続した歯よりなる線対称でない非円形歯車)を用いて、上記のように苗の植付けに適した植付爪40bの苗植付け作動軌跡を描かせるように構成しても良い(特公平8−8812号公報参照)。
【0029】図6は、第2実施例を示し、上記第1実施例のオイルシール54をブッシュ53の下側で、且つ、防泥用のシール52の上側に配設した例を示す。この位置にオイルシール54を配置すると、ブッシュ53に旋回ケース40a内のオイルやグリスがいくので、ブッシュ53は普通の鉄燒結合金で良くて、安価に生産できて経済性が良い。また、クッション部材56の下側にはオイルシール54がないので、座金55も省略することができる。
【0030】図7は、第3実施例を示し、第1実施例の押棒47の上部を上方に長く延ばして旋回ケース40aの上壁面を貫通して設け、押棒47が最も上動した状態でも最も下動した状態でも、旋回ケース40a内にある押棒47の体積が変化しないようにして、旋回ケース40a内の空間容積を一定に保持できるようにした例を示すものである。
【0031】58は旋回ケース40aの上壁面に設けた燒結合金にて形成されたブッシュであって、押棒47の上部を上方に長く延ばした部位が往復移動する部分に装着されており、押棒47が真直ぐに突出したり退入したりする為の支持案内機能を有した円筒形状をしている。
【0032】59はオイルシールであって、上記ブッシュ58の上側に設けられており、押棒47の外周に摺接するリップ59aがスプリング59bに締付けられた状態で設けられた所謂スプリング入りタイプのシールで、水田圃場に苗を植付ける時に押棒47上部が旋回ケース40a上壁面を摺動する際、旋回ケース40a内のオイルやグリスが押棒47に付着して旋回ケース40a外に漏れることを防止し、且つ、泥や水や土等が押棒47に付着して旋回ケース40a内に進入することを防止する為に設けられている。
【0033】従って、この実施例によると、押棒47は下側の無潤滑ブッシュ53と上側のブッシュ58とにより、上下2箇所で摺動自在に案内支持されることとなり、苗植付け時の押棒47が上下動する際にその軸心がぶれることが防止できて、押棒47は真直ぐに上下動し各シール52・54・59に対して摺動方向に交差する方向の負荷を与えることが防止でき、各シール52・54・59のシール性を良好に保持することができ、長年にわたり泥や水や土等が旋回ケース40a内に進入することや旋回ケース40a内のオイルやグリスが旋回ケース40a外に漏れることを適確に防止し、良好なる苗植付け作業が行なえる。
【0034】また、旋回ケース40a内で押棒47が上下作動しても、旋回ケース40a内の空間容積が略一定に保持できるので、旋回ケース40a内圧が略一定となり、泥や水や土等が旋回ケース40a内に進入することや旋回ケース40a内のオイルやグリスが旋回ケース40a外に漏れることを各シール52・54・59が適確に防止できる。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【住所又は居所】愛媛県松山市馬木町700番地
【出願日】 平成13年11月21日(2001.11.21)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−158904(P2003−158904A)
【公開日】 平成15年6月3日(2003.6.3)
【出願番号】 特願2001−356110(P2001−356110)