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【発明の名称】 農作業機の連結装置
【発明者】 【氏名】毛利 剛

【要約】 【課題】前方作業機に後方作業機を昇降自在に連結するものであって、後方作業機が受ける不測の衝撃を吸収できる農作業機の連結装置を提供する。

【解決手段】前方作業機の両側に固設するブラケット5の頂部に、それぞれ複動油圧シリンダ6の基端部を同高に枢着14し、後方作業機フレーム8の両端部に立設したマスト15に前後揺動軸受16を枢着する。複動油圧シリンダ6のピストンロッド7の中間部に設けた固定フランジ21と固定フランジ21の後方でピストンロッド7に外嵌する移動フランジ22との間に圧縮コイルスプリング20を設け、前後揺動軸受16を挿通したピストンロッド7の先端部にストッパー23を設ける。後方作業機フレーム8の上部両側から前方斜め下向きにかつ同長に突設した左アーム12、右アーム13の先端部を、ブラケット5の中間部に枢着17する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】後方作業機から前方に突設する同長の左右アームの前端部を前方作業機に枢着し、前記前方作業機の左右に基端部を枢着し前進方向に沿って併設した複動油圧シリンダのピストンロッド先端部を、前記後方作業機に固設した左右のマストに同高に枢着し、前記複動油圧シリンダの伸縮によって前記後方作業機を昇降させるものにおいて、前記複動油圧シリンダのピストンロッドの中間部に設けた固定フランジと、前記ピストンロッドに外嵌し前記固定フランジの後方に設けた移動フランジと、前記固定フランジと移動フランジの間に設け前記ピストンロッドに外嵌した圧縮コイルスプリングと、前記後方作業機の左右に固設したマスト内にそれぞれ設け、前端部が前記移動フランジの後端部に当接し、前記ピストンロッドの先端部が同高に挿通した前後揺動軸受と、前記前後揺動受の後端部に当接し前記ピストンロッドの端末部に着脱自在に設けたストッパーとを設けたことを特徴とする農作業機の連結装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トラクタに装着される農作業機の後方に農作業機を連結する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、トラクタに連結する農作業機(以下、作業機と略す)の後方に作業機を連結した複合作業機が用いられている。複合作業機は、個々の作業機が有する作業性能を結合し、一行程で所望の作業成果を得ようとするものである。例えば、ロータリ耕うん機の後方にカゴロータを連結し、ロータリで砕土した土壌をさらに砕土し均平にする複合作業機が知られている。
【0003】また、トラクタに連結された作業機の後方に作業機を連結する複合作業機として、図7に示すものが公知である(特開平9−168307号公報参照)。すなわち、トラクタの油圧三点支持装置に連結する構成フレーム29の後方に鎮圧輪装置30を連結したものであって、鎮圧輪フレーム31が、両側にそれぞれ下方突設したサイドアーム32と33および中央アーム34と設け、前面左右に基部を固着したアーム38、38をそれぞれ前方に突設している。そして、サイドアーム32、33および中央アーム34に回動自在に支持された支持軸35、36に、スパイラル鎮圧輪37を固着したものである。
【0004】さらに説明すると、構成フレーム29は前部がトラクタの油圧三点支持装置に連結されるものである。構成フレーム29の後面左右には、前進方向に沿って二またブラケット39、39が固着され、鎮圧輪フレーム31の前面左右のアーム38、38の前端部が、二またブラケツト39、39に挿入されて枢着40され、鎮圧輪装置30が構成フレーム29に連結されている。また、構成フレーム29は中間部に固着した横架バー42の中心部から左右等位置にそれぞれブラケット43、43を前進方向に沿って同高に併設している。そして、ブラケット43、43の間に伸縮シリンダ44の基部を止めピンを介し枢着46し、伸縮シリンダ44を前進方向に沿って併設している。
【0005】一方、鎮圧輪フレーム31の上面には、伸縮シリンダ44のピストンロッド45の先端部が同高に枢着47されるマスト41、41が立設されている。伸縮シリンダ44は複動油圧シリンダであり、構成フレーム29が連結されたけん引トラクタの油圧ポンプ(図示省略)から油圧を受け、伸縮するようになっている。すなわち、伸縮シリンダ44が縮退すると、二またブラケット39に対し枢着40周りにアーム38が上方旋回し鎮圧輪装置30が上昇する。逆に伸縮シリンダ44が延伸すると、アーム38が枢着40周りに下方旋回し、鎮圧輪装置30が下降するとともに、土壌面を押圧できるようになっている。
【0006】構成フレーム29を備える作業機は、図示省略のタイン形粗砕土機と均平ブレードを構成フレーム29の下方に横設したものであり、その後方に鎮圧輪装置30が後随し、作業機が砕土均平にした土壌面を鎮圧するようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図7の農作業機の連結装置は、左右に伸縮シリンダ44を併設しているので、十分な連結強度を得ることができる。また、左右のブラケット43、43および伸縮シリンダ44、44のピストンロッド45の先端部が、左右のマスト41、41に同高に枢着47されているので、伸縮シリンダ44、44によって鎮圧輪装置30を水平に上昇させ、十分なリフト量を得ることができる。つまり、鎮圧輪装置30が左右に傾斜して上昇すると、下方に傾斜した側のリフト量が小さくなるが、水平上昇ではそのようなことがないので、枕地における旋回を支障無く行うことができる。
【0008】しかしながら、作業中に鎮圧輪装置30が土中に存在する不測の障害物に衝突したとき、鎮圧輪装置30が急激に上昇し、伸縮シリンダ44と鎮圧輪装置30に衝撃を与え、これらに損傷等の好ましくない影響を与えるという問題点があった。この問題点は、鎮圧輪装置30に限らず、ケージロータやカルチべータ、デスクハロー等を後方に連結した場合にも発生する問題点である。本発明は、上述の問題点に鑑み、後方作業機が不測の障害物に衝突しても、衝突による衝撃を緩和することができる農作業機の連結装置を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の課題に対し、本発明は、後方作業機から前方に突設する同長の左右アームの前端部を前方作業機に枢着し、前記前方作業機の左右に基端部を枢着し前進方向に沿って併設した複動油圧シリンダのピストンロッド先端部を、前記後方作業機に固設した左右のマストに同高に枢着し、前記複動油圧シリンダの伸縮によって前記後方作業機を昇降させるものにおいて、前記複動油圧シリンダのピストンロッドの中間部に固定フランジを設け、この固定フランジの後方において前記ピストンロッドに移動フランジを外嵌した。
【0010】そして、前記前記固定フランジと移動フランジとの間に設け前記ピストンロッドに外嵌する圧縮コイルスプリングと、前記後方作業機の左右に固設したマスト内にそれぞれ設け、前端部が前記移動フランジの後端部に当接し、前記ピストンロッドの先端部が同高に挿通した前後揺動軸受と、前記前後揺動軸受の後端部に当接し前記ピストンロッドの端末部に着脱自在に設けたストッパーとを設け、農作業機の連結装置としたものである。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照し、本発明の実施例を説明する。図1は、本発明の装置を装着した農作業機の全景斜視図であり、図2は、図1の要部分解斜視図である。図1において、1は、前方作業機であり、公知の油圧三点支持装置を介しトラクタに連結されるロータリ耕うん機を例示している。2は、後方作業機であり、公知のカゴロータを例示している、前方作業機1は、ロータリ耕うん機に限らず、プラウ装置、デスクハローやタイン形粗砕土機等であってもよい。また、後方作業機2は、鎮圧輪装置やローラあるいはカルチベエータ等を選択することができる。
【0012】3は前方作業機フレームであり、後部にならし板4を備えている。5はブラケットであり、前方作業機フレーム3の左右両側に固定されている。実施例は、ほぼ四角形板のものであるが、前方作業機フレーム3の構造により適宜の形状のものを選択する。6、6は複動油圧シリンダであり、基端部を左右のブラケット5の上部同高位置に枢着14し、前方作業機1の前進方向に沿って併設する。7はピストンロッドである。
【0013】8は後方作業機フレームであり、パイプの両側にそれぞれ左サイドバー9と右サイドバー10を斜め下向きに併設している。11は軸受であり、左サイドバー9および右サイドバー10の下端部に固設され、後方作業機2の両端部を水平に軸支している。12および13は、それぞれ左アームおよび右アームであり、後方作業機2の上部両端部にそれぞれ基端部を固着し、斜め前方に同じ長さにかつ平行に突設し、前端部をブラケット5に枢着17している。
【0014】図2も参照して説明すると、15はマストであり、後方作業機フレーム8の両端部にそれぞれ同高に立設されるとともに、左右側板の中央部をピストンロッド7が通過するようになっている。図3も参照し、16は前後揺動軸受であり、マスト15の内側にちょうど嵌り込む円筒体の両端面にピン軸16Aを同一中心線上に突設している。そして、両側のピン軸16Aがマスト15の左右側板の上部同高位置に設けられたピン軸孔16Bに回動自在に内嵌し、前後揺動軸受16がピン軸16Aを中心軸にし、前後に揺動自在になっている。16Cは、ピストンロッド挿通孔であり、前記ピン軸16Aの中心線と直交する前記円筒体の左右中央部に貫通に設けられている。
【0015】図2において、18は複動油圧シリンダ6をブラケット5の上部に取付ける枢着ピンであり、19は、アーム12、13の前端部をそれぞれブラケット5に取付ける枢着用ボルトである。21はピストンロッド7の中間部に形成した固定フランジであり、22は固定フランジ22の後方においてピストンロッド7に移動自在に外嵌した移動フランジである。20は圧縮コイルスプリングであり、固定フランジ21と移動フランジ22の間においてピストンロッド7に外嵌している。圧縮コイルスプリング20は、線径11mm、平均径57mm、有効巻数11、自由長が220mmのものである。
【0016】前述の固定フランジ21は、図3に見るように、フランジからピストンロッド7の端末方向にピストンロッド7の径より大径の段部を形成し、移動フランジ22は、フランジの前後に固定フランジ21の段部と同径の段部を形成している。圧縮コイルスプリング20は、内径が固定フランジ21と移動フランジ22の間で前記の段部に外嵌し、ピストンロッド7に外嵌されている。23はストッパーであり、ピストンロッド7の先端部に着脱自在に取付けられ、前後揺動軸受16の後端部に当接している。
【0017】24はナットであり、ストッパー23としてピストンロツド7の先端部に2個を螺着している。ストッパー23としては、他にピストンロッド7の先端部にスプリング割栓を差込む手段等を採用することもできる。27はボルトであり、頭部をピストンロッド7の外径より大きくし、ピストンロッド7の軸心に沿って螺着している。ボルト27は、ナット24が緩んで脱落するのを防止するためのものである。図2において、ボルト27は、座金25、ばね座金26を挿通し、ピストンロッド7の先端部軸心に設けたねじ孔7A(図3参照)に螺着されるようになっている。
【0018】図4は、図1の要部右側面図であり、後部作業機2の下周縁部が地表面GLから所定深さに位置し(地表面GLから軸受11中心の高さh1)、そのとき複動油圧シリンダ6が縮退ストロークに余裕を残している状態である。そして、圧縮コイルスプリング20がほぼ自由長L1であり、移動フランジ22の後端面が前後揺動軸受16の前端面に当接し、前後揺動軸受16の後端面にストッパー23の前端面が当接している。すなわち、複動油圧シリンダ6を延伸すると、固定フランジ21、圧縮コイルスプリング20および移動フランジ22が後方へ移動し、前後揺動軸受16を後方に移動させるとともに、左右のアーム12、13が下方旋回し後方作業機2が下降するのである。
【0019】図5は、図4の状態から後方作業機が上昇した右側面である。すなわち、後方作業機2が地下の障害物にあたり急激に上昇した場合であり、h2が図4におけるh1よりも大きくなっている。この上昇によってマスト15とともに前後揺動軸受16が前方旋回し、移動フランジ22を前方に押圧し移動させる。このとき、複動油圧シリンダ6は油圧で固定されているので、固定フランジ21も固定状態にある。したがって、移動フランジ22の前方移動によって圧縮コイルスプリング20が長さL1からL2に縮み、弾性的に後方作業機2の急激な上昇による衝撃を吸収する。そして、前後揺動軸受16の後端面とストッパー23の前端面とが、圧縮コイルスプリング20の縮み量と同じ寸法のクリヤランスcをもって対向し、ピストンロッド7が前後揺動軸受16から後方に突出した状態になる。
【0020】図6は、本発明装置による後方作業機の上昇作用を示す右側面図である。油圧によって動油圧シリンダ6のピストンロッド7を縮退すると、ストッパー23の前端面が前後揺動軸受16の後端面に当接し、マスト15を前方に変位させ圧縮コイルスプリング20を圧縮するともに、左右のアーム12、13をブラケット5に対し枢着17周りに旋回上昇させて後方作業機2を上昇させる。複動油圧シリンダ6を延伸すると、固定フランジ21が後方に移動し圧縮コイルスプリング20が移動フランジ22を後方に移動させ、移動フランジ22の後端面が前後揺動軸受16を後方に移動させるとともに、アーム12、13を下降させて後方作業機2を下降させる。
【0021】
【発明の効果】以上の説明のように、本発明によれば、前方作業機に左右の複動油圧シリンダによって連結する後方作業が、不測の障害物に衝突しても、その衝突による衝撃を圧縮コイルスプリングによって吸収することができるので、前方作業機と後方作業機および複動油圧シリンダに及ぼす衝撃等を防止することができる。また、後方作業機が鎮圧輪装置やカゴロータの場合には、土壌面の凹凸に対し上下動する鎮圧輪装置やカゴロータによって圧縮コイルスプリングが伸縮するので、圧縮コイルスプリングが土壌面を自動的に押圧し良好な均平・砕土作用を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】596113030
【氏名又は名称】サンエイ工業株式会社
【出願日】 平成14年5月13日(2002.5.13)
【代理人】 【識別番号】100073829
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 一男
【公開番号】 特開2003−325004(P2003−325004A)
【公開日】 平成15年11月18日(2003.11.18)
【出願番号】 特願2002−136444(P2002−136444)