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【発明の名称】 乗用田植機
【発明者】 【氏名】内島 章善
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】藤本 周作
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】福永 究
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】宮西 吉秀
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】奥山 幹夫
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】松木 直樹
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【要約】 【課題】走行機体の前部にエンジンと変速伝動部を配備するとともに、機体後部に苗植付け装置を連結し、エンジン出力を変速伝動部に伝達して、前輪、後輪および苗植付け装置を駆動するよう構成した乗用田植機において、機体前部の左右に配備した畦際マーカの支持金具が他物に接触して変形あるいは損傷するのを未然に回避する。

【解決手段】走行機体3に備えたステップ26の外端近傍の下方位置に、該ステップ26より外方に突出しない状態で隣接マーカ18の支持金具16を配備してある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行機体の前部にエンジンと変速伝動部を配備するとともに、機体後部に苗植付け装置を連結し、エンジン出力を変速伝動部に伝達して、前輪、後輪および苗植付け装置を駆動するよう構成した乗用田植機において、前記走行機体に備えたステップの外端近傍の下方位置に、該ステップより外方に突出しない状態で隣接マーカの支持金具を配備してあることを特徴とする乗用田植機。
【請求項2】 前記変速伝動部を構成するミッションケースから左右に前輪用の車軸ケース部を延出し、この車軸ケース部の先端付近と前記ステップの外端近くとに亘って前記支持金具を設けてある請求項1記載の乗用田植機。
【請求項3】 走行機体の前部にエンジンと変速伝動部を配備するとともに、機体後部に苗植付け装置を連結し、エンジン出力を変速伝動部に伝達して、前輪、後輪および苗植付け装置を駆動するよう構成した乗用田植機において、エンジン出力をベルト伝動装置を介して変速伝動部に伝達するよう構成するとともに、前記ベルト伝動装置にテンションクラッチを装備し、このテンションクラッチのテンションアームとその支軸と操作アームとを、軸材を屈曲して一体形成するとともに、前記支軸をエンジン搭載用の前フレームの左右側壁に融通孔を介して貫通し、各融通孔の融通を、左右側壁に付設される軸支部材で吸収するよう構成してあることを特徴とする乗用田植機。
【請求項4】 走行機体の前部にエンジンと変速伝動部を配備するとともに、機体後部に苗植付け装置を連結し、エンジン出力を変速伝動部に伝達して、前輪、後輪および苗植付け装置を駆動するよう構成した乗用田植機において、エンジン出力をベルト伝動装置を介して変速伝動部に伝達するよう構成するとともに、前記ベルト伝動装置にテンションクラッチを装備し、このテンションクラッチのテンションアームを揺動操作する操作アームとペダルとを連係ロッドを介して連動連結するに、前記連係ロッドの先端金具と前記操作アームの先端部とをゴム製の吸振部材介して連結するとともに、クラッチ切り時の操作力によって前記吸振部材が設定量弾性変形すると、連係ロッドの先端金具の一部が操作アームの先端部に直接に接当するよう構成してあることを特徴とする乗用田植機。
【請求項5】 走行機体の前部にエンジンと変速伝動部を配備するとともに、機体後部に苗植付け装置を連結し、エンジン出力を変速伝動部に伝達して、前輪、後輪および苗植付け装置を駆動するよう構成した乗用田植機において、前記変速伝動部を構成するミッションケースに息抜き用のブレザー装置を取付けるに、中空に形成されたブレザー本体の上部に外気との連通用の小孔を形成するとともに、ブレザー本体の下部には、ミッションケースの上部に嵌合連結される連通部と、連結用ボルトを挿通する単一の連結孔とを間隔をあけて形成してあることを特徴とする乗用田植機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機体前部にエンジンと変速伝動部を配備するとともに、機体後部に苗植付け装置を連結し、エンジン出力をベルト伝動装置を介して変速伝動部に伝達して、前輪、後輪および苗植付け装置を駆動するよう構成した乗用田植機に関する。
【0002】
【従来の技術】田植作業においては、既植苗列と平行に植付けるために、植付け走行と同時に次行程の走行基準線を線引きマーカーによって田面に引っ掻き形成するが、水のが多くて基準線が形成しにくい圃場では、機体前部の横側から突出させた隣接マーカを既植苗に合わせて植付け走行することが行われるものであり、この隣接マーカは、できるだけ短いものにするために、例えば、特開2001-299027号公報に示されているように、予備苗のせ台の支柱に取付けられている。
【0003】また、上記構成の乗用田植機においては、ベルト伝動装置に主クラッチとしてのテンションクラッチを備え、このテンションクラッチにおけるテンションアームの支軸に設けた操作アームとペダルとを連係ロッドを介して連動連結し、ペダルの踏み込みによってテンションクラッチを切り操作するよう構成しているものがある。
【0004】また、上記構成の乗用田植機においては、ミッションケースの内圧変動を吸収するために息抜き用のブレザー装置を装備しており、一般的には、ミッションケースの上面にブレザーパイプを連通立設してブレザー装置を構成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記隣接マーカは、不要時には取外しおくことができるが、その支持金具は突出したままであるので、トラックの荷台に積載して運搬する場合、などにおいて、この支持金具に他物が接触して損傷あるいは変形するおそれがあった。
【0006】また、テンションクラッチを備えたベルト伝動装置でエンジン動力を変速伝動部に伝達するとともに、このテンションクラッチをペダル操作で入り切りする構造においては、機体のフレームに横架支承した支軸にテンションアームおよび操作アームを取付けて、操作アームとペダルとを連動連結することになり、部品点数が多いのみならず、組付けに手数を要するものとなっていた。
【0007】また、テンションクラッチにおいては、ベルトの振動がテンションアーム、支軸、操作アーム、および、連係ロッドを介してペダルに伝わりやすく、運転中にペダル操作系の部材がが振動して騒音が発生することがあった。なお、このような不具合を解消する手段としては、ペダル操作系にゴム製の吸振材を介在することも考えられるが、この場合、テンションクラッチを切り操作する場合に、操作反力が大きいと吸振材が大きく弾性変形することになり、吸振材が早期のうちに劣化して、クラッチ切り性能が悪くなるおそれがあった。
【0008】また、ブレザー装置に利用するブレザーパイプは長いほどブレザー性能が高くなるが、他装置の配置、等の制約のためにむやみに長いものを利用することができず、多少はオイルの吹出しが発生していた。
【0009】本発明は、このような点に着目してなされたものであって、乗用田植機における機体前部付近の構造における上記不具合を解消あるいは軽減することを主たる目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】〔請求項1に係る発明の構成、作用、および効果〕
【0011】請求項1に係る発明は、走行機体の前部にエンジンと変速伝動部を配備するとともに、機体後部に苗植付け装置を連結し、エンジン出力を変速伝動部に伝達して、前輪、後輪および苗植付け装置を駆動するよう構成した乗用田植機において、前記走行機体に備えたステッの外端近傍の下方位置に、該ステップより外方に突出しない状態で隣接マーカの支持金具を配備してあることを特徴とする。
【0012】上記構成によると、隣接マーカの支持金具はステップの外端近傍に位置するので、これに取付けられる隣接マーカは旧来と同等の短いものですむとともに、ステップで隠された支持金具に他物が接触して損傷したり変形することがなく、長期間にわたって隣接マーカを好適に支持することができる。
【0013】〔請求項2に係る発明の構成、作用、および効果〕
【0014】請求項2に係る発明は、請求項1の発明において、前記変速伝動部を構成するミッションケースから左右に前輪用の車軸ケース部を延出し、この車軸ケース部の先端付近と前記ステップの外端近くとに亘って前記支持金具を設けてある。
【0015】上記構成によると、隣接マーカ用の左右の支持金具を利用してステップの外端近くを大きい横幅で支持することができ、部品の兼用化を図りながらステップ支持構造の強度を高めることができる。
【0016】〔請求項3に係る発明の構成、作用、および効果〕
【0017】請求項3に係る発明は、機体前部にエンジンと変速伝動部を配備するとともに、機体後部に苗植付け装置を連結し、エンジン出力をベルト伝動装置を介して変速伝動部に伝達して、前輪、後輪および苗植付け装置を駆動するよう構成した乗用田植機において、前記ベルト伝動装置にテンションクラッチを装備し、このテンションクラッチのテンションアームとその支軸と操作アームとを、軸材を屈曲して一体形成するとともに、前記支軸をエンジン搭載用の前フレームの左右側壁に融通孔を介して貫通し、各融通孔の融通を、左右側壁に付設される軸支部材で吸収するよう構成してあることを特徴とする。
【0018】上記構成によると、テンションクラッチの組付けに際しては、先ず、屈曲加工した軸材を、前フレームにおける左右側壁の融通孔に姿勢を変えながら順次貫通し、次に、左右側壁に軸支部材を取付けて、各融通孔の融通を吸収することで、支軸をがたつきなく回動自在に支持する。
【0019】従って、請求項3の発明によると、テンションアームとその支軸と操作アームとを1本の軸材で形成することで部品点数を節減することができるとともに、前フレームの左右側壁への組付けが簡単容易となり、コスト低減に有効となる。
【0020】〔請求項4に係る発明の構成、作用、および効果〕
【0021】請求項3に係る発明は、機体前部にエンジンと変速伝動部を配備するとともに、機体後部に苗植付け装置を連結し、エンジン出力をベルト伝動装置を介して変速伝動部に伝達して、前輪、後輪および苗植付け装置を駆動するよう構成した乗用田植機において、前記ベルト伝動装置にテンションクラッチを装備し、このテンションクラッチのテンションアームを揺動操作する操作アームとペダルとを連係ロッドを介して連動連結するに、前記連係ロッドの先端金具と前記操作アームの先端部とをゴム製の吸振部材を介して連結するとともに、クラッチ切り時の操作力によって前記吸振部材が設定量弾性変形すると、連係ロッドの先端金具の一部が操作アームの先端部に直接に接当するよう構成してあることを特徴とする。
【0022】上記構成によると、操作アームと連係ロッドとの連結部位にゴム製の吸振部材が介在されることで、テンションアームを介して支軸に伝わったベルト振動が吸振部材で吸収される。また、クラッチ切り操作がなされた時には、吸振部材が設定量弾性変形して時点で、連係ロッドの先端金具の一部が操作アームの先端部に直接に接当し、連係ロッドの操作力が確実に操作アームに伝えられる。
【0023】従って、請求項4の発明によると、ゴム製の吸振部材の弾性によってベルト振動を好適に吸収することができるとともに、クラッチ切り操作時に吸振部材に不当に大きい荷重がかかることが回避され、吸振部材の耐久性が高められる。
【0024】〔請求項5に係る発明の構成、作用、および効果〕
【0025】請求項5に係る発明は、機体前部にエンジンと変速伝動部を配備するとともに、機体後部に苗植付け装置を連結し、エンジン出力をベルト伝動装置を介して変速伝動部に伝達して、前輪、後輪および苗植付け装置を駆動するよう構成した乗用田植機において、前記変速伝動部を構成するミッションケースに息抜き用のブレザー装置を取付けるに、中空に形成されたブレザー本体の上部に外気との連通用の小孔を形成するとともに、ブレザー本体の下部には、ミッションケースの上部に嵌合連結される連通部と、連結用ボルトを挿通する単一の連結孔とを間隔をあけて形成してあることを特徴とする。
【0026】上記構成によると、ミッションケースから吹出したオイル混じりの空気はブレザー本体の下部から内部空間に入って急激に減圧され、空気だけがブレザー本体上部の小孔から静かに抜けるとともに、ブレザー本体内で分離されたオイルは連通部を通って再びミッションケースに戻される。また、このブレザー本体の組付けにおいては、ブレザー本体下部の連通部をミッションケースの上部に嵌合連結状態で、ブレザー本体に設けた連結孔に1本のボルトを通してミッションケースに締め込むことで、ブレザー本体を、連通部を中心に回動するようなことなく所定の姿勢に固定することができる。
【0027】従って、請求項5の発明によると、比較的背の低いブレザー装置であってもオイルの吹出さない息抜きを行わせることができるとともに、1本のボルトだけで所定の姿勢に取付け固定することができ、性能および組付け作業性に優れたブレザー装置を構成することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】図1に本発明に係る苗植付け装置を備えた乗用田植機の全体側面が、、図2にその全体平面が、また、図3のその全体正面がそれぞれ示されている。この乗用田植機は、操向自在な前輪1と操向不能な後輪2を備えた4輪駆動型の走行機体3の後部に、油圧シリンダ4によって駆動される昇降リンク機構5を介して4条植え仕様の苗植付け装置6が昇降自在に連結された構造となっている。
【0029】苗植付け装置6は、前記昇降リンク機構5の後端下部にローリング自在に連結されており、走行機体3からの作業用動力を受けるフィードケース10、苗を載置して一定ストロークで往復横移動する苗のせ台11、フィードケース10から後ろ向き片持ち状に延出された左右一対の植付けケース12、各植付けケース11の後端部に左右一対づつ装備されたクランク式の植付け機構13、田面の植付け予定箇所を均平化する3個の整地フロート14、次行程の走行基準線を田面に引っ掻き形成してゆく起伏揺動自在な左右一対の線引きマーカ15、等を備えて構成されている。
【0030】走行機体3における主フレーム20の前部には、前記前輪1を操向自在に支持したミッションケース21が連結され、このミッションケース21から前方に突設した前フレーム22に、空冷式のガソリンエンジン23が後傾斜姿勢で嵩低く防振搭載されてボンネット24で覆われている。主フレーム20の後部には後輪2を備えた後部伝動ケース25がローリング自在に連結支持され、また、主フレーム20上部には横幅の広いステップ26および後輪フェンダ27が配備され、この後輪フェンダ27の上部中央に運転座席28が備えられている。なお、この運転座席28の右横側には、油圧シリンダ4の制御弁を操作して苗植付け装置を昇降させる機能と、苗植付け装置6の駆動および停止を行う機能と、左右の線引きマーカ15を選択して突出させる機能とを備えた植付けレバー29が配備されている。
【0031】図3に示すように、ミッションケース21からは左右に前車軸ケース部21aが延出され、その先端部に縦軸心周りに回動可能に装着された回動ケース21bに前輪1が軸支されている。そして、前記ステップ26の横外端部近くの下面に固着した横断面形状コの字形の縦長部材からなる支持金具16が前車軸ケース部21aの先端部にボルト連結され、ステップ26が横方向に大きいスパンで安定よく支持されている。
【0032】また、左右の前記支持金具16には、ステップ26の外端より突出しないようにマーカ支持片16aが備えられるとともに、このマーカ支持片16aの先端部に取付けた孔付きボルト17に、隣接マーカ18のアーム部18aが差込まれて締込み固定されている。この孔付きボルト17はバネ座金19を介してマーカ支持片16aに締付け装着されており、隣接マーカ18を孔付きボルト17ごと回動することで、マーカ位置を任意に移動させて摩擦保持しておくことができるようになっている。
【0033】ミッションケース21の左側面には、前後進を無段に変速する走行用主変速装置としての油圧式無段変速装置(HST)30がボルト連結され、この無段変速装置30の入力軸30aとエンジン23の出力軸23aとが、主クラッチとして機能するテンションクラッチ32を備えたベルト伝動装置31を介してに連動連結されている。
【0034】図6に示すように、この無段変速装置30の出力軸30bはミッションケース21内の入力軸33に連結され、入力軸33に入力された変速動力はギヤ式の副変速装置34で2段に変速された後、デフ機構35および左右の差動軸36を介して左右の前輪1に伝達されるとともに、デフ機構35の入力用筒軸37に伝達される動力の一部がベベルギヤ38を介して取出され、ミッションケース後部から突設された後輪伝動軸39を介して後部伝動ケース25に軸伝達され、左右の後輪2が前輪1と同調した速度で駆動されるようになっている。また、前記無段変速装置30から入力軸33に伝達された変速動力の正転動力のみが一方向クラッチ40を介して分岐された後、トルクリミッタ41を介してミッションケース後部のPTO軸42から取出され、苗植付け装置6のフィードケース10に軸伝達されるようになっている。なお、ミッションケース21の入力部位および無段変速装置30の出力部位には、両ケース同士を嵌合して心合わせするインロー部43が形成されるとともに、このインロー部43とは異なった箇所にも両ケース同士を嵌合する図示しない別のインロー部が形成されており、2個所のインロー嵌合によって無段変速装置30をミッションケース21の側面に所定の姿勢で的確に連結保持することができるようになっている。
【0035】前記無段変速装置30を操作する主変速レバー51と、ケース内のギヤ式副変速装置34を切換え操作する副変速レバー52は、ボンネット24の後方に設けられたステアリングハンドル53の左脇にそれぞれ前後揺動操作可能に配備されている。詳しくは、図5に示すように、ステアリングハンドル53を軸支してミッションケース21上に立設されたハンドルポスト54の上部には操作パネル55が取付けられており、この操作パネル55の下方に固定配備されたステー56に主2本の支点軸57,58がそれぞれ左右水平に貫通支承され、一方の支点軸57の左端部に固着した支持板59に主変速レバー51が支点a周りに左右傾倒可能に取付けられてパネル上に延出されるとともに、他方の支点軸58の左端部に副変速レバー52が連結固定されてパネル上に延出されている。なお、前記ステー56の右端にはハンドアクセルレバー60が装着されてパネル上に延出されるとともに、パネル55とステー56とに亘って燃料タンク61が取付けられている。
【0036】そして、支持板59と無段変速装置30の変速操作軸62とが操作リンク機構63を介して連動連結されて、主変速レバー51が中立から前方の操作域が前進変速域に、中立から後方の操作域が後進変速域に設定されている。また、副変速レバー52と一体回動する支点軸58の右端部に固着したアーム64とミッションケース21の側面に貫通装着したシフトフォーク軸65とが、操作ロッド66、ストローク吸収用のバネ67、および、L形の操作リンク68を介して連動連結されており、副変速レバー52を前方に操作することで副変速機構34のシフトスリーブ34aが路上走行用の高速Hに切換えられ、後方に操作することでシフトスリーブ34aが植付け作業用の低速Lに切換えられ、また、中間の中立Nに保持することで走行系への動力伝達が遮断されるようになっており、シフトスリーブ34aの噛合い位相が合わない場合には、バネ67によって変速操作ストロークが吸収されて副変速レバー52の先行操作が許容され、噛合い位相が合った時点でシフトスリーブ34aが弾性的にシフト操作されるようになっている。なお、て副変速レバー52は左右に弾性変形可能な板バネで構成されており、高・低・中立の各位置で操作パネル55に係止保持されるようになっている。
【0037】前記ステップ26の右側前方には主クラッチ・ブレーキ用のペダル70が配備されており、このペダル70を踏み込むことで、前記テンションクラッチ32を切り操作してエンジン23から無段変速装置30への動力伝達を断つとともに、ミッションケースで走行系に制動をかけて機体を停止するようになっている。また、このペダル70の近傍には、ペダル70を踏み込み位置で係止固定する駐車ブレーキ用のロックレバー71が配備されている。
【0038】図10に示すように、前記テンションクラッチ32は、1本の丸軸材72を三次元的に屈曲して、先端にテンションローラ73を装着したテンションアーム74、支軸75、および、操作アーム76を一体化して前フレーム22に貫通支持するとともに、支軸75に外嵌装着したねじりバネ77をテンションアーム74および前フレーム22に係止することによってテンションアーム74を振上げ付勢して所定のベルト張力をもたらすよう構成されており、操作アーム76の先端とペダル70の支点軸78から延出されたアーム79とが連係ロッド80を介して連動連結されている。ここで、テンションクラッチ32の組付けに際して、三次元的に屈曲された丸軸材72は、前フレーム22の左右の側壁22a,22bに亘って以下のようにして水平に貫通支承される。
【0039】つまり、前フレーム22の左側壁22aには丸軸材72の軸径より大径の円形孔からなる融通孔81が形成されるとともに、前フレーム22の右側壁22bには丸軸材72の軸径と同幅で縦長の長孔からなる融通孔82が形成されており、屈曲形成された丸軸材72をその操作アーム76側から左側の融通孔81に挿通し、丸軸材72を適当に傾けながら右側の融通孔82に抜き通し、支軸75を左右の融通孔81,82に亘って挿通支架する。次に、軸支部材としての樹脂製割カラー(図12参照)83を支軸75に外周から装着して円形の融通孔81に所定の回動位相で嵌入することでこの融通孔81の融通を吸収し、支軸75の左側部位をがたつきなく前フレーム22の左側壁22aに貫通支承させる。また、支軸75の右側部位を縦長融通孔82の下端に位置させた状態で、右側壁22bの外面に軸支部材としての当て板84をボルト連結することでこの融通孔82の融通を吸収し、支軸75の右側部位をがたつきなく前フレーム22の右側壁22bに貫通支承させるのである。なお、前フレーム22における右側壁22bの外面には軸支用の補強板85が溶接固定されるとともに、支軸75の右側部位の外周面には、一対づつのつまみ出し突起86が左右に所定間隔をもって突設されており、左右のつまみ出し突起86の間に右側壁22b、当て板84、および、補強板85を係入することで、支軸75の軸心方向位置決めがなされている。
【0040】テンションクラッチ32はベルト伝動装置31の駆動振動を受けており、この振動が主クラッチ・ブレーキ用のペダル70に伝達されるのを抑制するために、図8に示すように、操作アーム76と連係ロッド80との連結部位にゴム製の吸振部材87が装着されている。詳述すれば、図13に示すように、操作アーム76の先端部は、環状溝88を備えた横向きの連結ピン部76aに構成されるとともに、前記吸振部材87は、前記連結ピン部76aに外嵌圧入されて環状溝88で抜け止め係止される段付き孔87aを備えた角ブロック状に形成されており、連係ロッド80の前端に取付けた前向きコの字状の先端金具89に係入される。また、この吸振部材87の上下には突起87bが形成されているとともに、この突起87bが先端金具89の上下面に形成された前後方向の長孔89aに係入され、突起87aと長孔89aの前後融通の範囲で吸振部材87と連結金具89の相対前後動が許容されるようになっている。また、先端金具89の後部左右には接当規制片89bが折り返し形成され、その前端縁が連結ピン部76aの外周面に対向配置されている。
【0041】以上の構成によると、図8に示すように、ペダル70が踏み込まれていない通常のクラッチ入り状態において、連結金具89に係止されている吸振部材87は自由状態にあり、テンションクラッチ32の振動がゴム製の吸振部材87によって吸収され、操作アーム76から連係ロッド80に伝達されるのが抑制阻止される。また、図9に示すようにペダルが踏み込まれると、連係ロッド80が前方に突き出し操作されることで吸振部材87が先端金具89に対して相対的に後方に移動し、コの字形先端金具89の後端で吸振部材87が受け止められた状態で前方突き出し操作が操作アーム76の連結ピン部76aに加えられ、操作アーム76とテンションアーム74が一体に下方揺動してテンションクラッチ32が切られる。この場合、吸振部材87が先端金具89によって前方に押圧される際に、連結ピン部76aより後方側では先端金具89の後端と連結ピン部76aとの間で挟まれた吸振部材87部分が圧縮変形されるが、先端金具89の接当規制片89bが連結ピン部76aに後方から接当することで、吸振部材87はそれ以上に圧縮変形されることがなく、連係ロッド80に加えられたクラッチ切り操作力は先端金具89の接当規制片89bから連結ピン部76aに直接に伝えられることになる。
【0042】ペダル70の支点軸78からは別のアーム90が延出され、このアーム90とミッションケース21の側面から突出されたブレーキ操作軸91の操作アーム92とがストローク吸収用の圧縮バネ93を外嵌装備した操作ロッド94を介して連動連結されるとともに、アーム90から下方に延出されたバネ受け金具95とブレーキ操作軸91に亘ってペダル復帰バネ96が装着されている。なお、前記バネ受け金具95は、エンジン始動牽制用のスイッチ97を押圧操作する操作片を兼ねており、ペダル70を踏み込んで機体を停止している状態でのみエンジン始動が許容されるように前記スイッチ97がエンジン始動用回路に接続されている。
【0043】図7に、前記ブレーキ操作軸91によって操作されるブレーキ98の構造が示されており、その詳細を以下に説明する。図示のように、デフ機構35への入力用筒軸37は右側の差動軸36に遊嵌されるとともに、この入力用筒軸37の端部に固着したギヤ99に副変速機構34からの変速動力が入力されるようになっており、ブレーキ98は、前記ギヤ99を左右一対の制動部材100,101で挟持して入力用筒軸37を固定することで走行系に制動をかけるように構成されている。なお、前記差動軸36にキー連結したシフトスリーブ102をバネ103に抗してシフトしてギヤ99の端部に咬合させることでデフ機構35がロックされて左右前輪1が等速で駆動されるようになっており、このシフトスリーブ102をシフト操作するデフロックペダル104がステップ26上に突設されている。
【0044】前記ブレーキ98を構成する左右一対の制動部材100,101は、ブレーキ操作軸91のケース内挿入部位に左右スライド可能に遊嵌装着されるとともに、ミッションケース21に対しては回動不能に支持されており、かつ、両制動部材100,101はバネ105によって互いに離反する方向にスライド付勢されている。そして、左方の制動部材100のボス部100aには、その周方向位置によって軸心方向深さが異なる傾斜カム溝106が形成されるとともに、この傾斜カム溝105に係合する操作ピン107がブレーキ操作軸91に設けられており、このブレーキ操作軸91を正逆に回動操作すると、操作ピン107と傾斜カム溝106の溝底との係合カム作用によって、左方の制動部材100が右方の制動部材101に対して離反するようバネ付勢変位、あるいは、バネ105に抗して接近変位するようになっている。
【0045】つまり、ペダル70が踏み込まれていない通常時には、復帰回動しているブレーキ操作軸91の操作ピン107は傾斜カム溝106の深い側に位置しており、両制動部材100,101はバネ105によって互いに離反変位され、ギヤ99に対する挟持が解除されて制動解除状態がもたらされる。そして、ペダル70が踏み込まれてブレーキ操作軸91が前方に回動されると、操作ピン107が傾斜カム溝106の浅い側に移動し、左方の制動部材100が右方向に変位して両制動部材100,101の間にギヤ99を強く挟持することで入力用筒軸37が制動されるのである。ここで、右方の制動部材101は軸段部によって右方向への移動限界が規制されているので、両制動部材100,101でギヤ99を挟持作動すると、ブレーキ操作軸91全体が軸心方向にシフトしてギヤ99を左右から均等に挟持する。
【0046】図8に示すように、前記ハンドルポスト54は、その下端部に備えた板金製の取付け座54aを介してミッションケース21の上面にやや後傾姿勢で立設固定されており、このハンドルポスト立設構造を利用して、ミッションケース21の上部に息抜用のブレザー装置110が取付けられている。このブレザー装置110は、樹脂材によって中空円柱状にブロー成形されたブレザー本体111をミッションケース21に連通接続し、ミッションケース21から吹出されたオイル混じりの空気をブレザー本体111内に導いて減圧することで気液分離機能を促し、分離したオイルをミッションケース21に還元流入させるとともに、ブレザー本体111の上部に設けた小孔112を介して空気を流入出させてケース内圧力の不当な上昇を回避するよう構成されており、ブレザー本体111の下端部に機体内向きに突設した筒状の連通部113が、ミッションケース21の右側面上部に設けられた連通孔114に挿入連結されている。
【0047】また、ブレザー本体111の下端部に突設した取付用フランジ115には左右方向に向かう単一の連結孔116が形成されており、前記連通部113を連通孔114に挿入した状態で、取付用フランジ115を前記取付け座54aと共に連結用ボルト117で共締め連結することで、ブレザー本体111を所定の起立姿勢に1本の連結用ボルト117で取付けるようになっている。なお、図16中の118は、無段変速装置30からのドレーン油をミッションケース21に還元するためのゴム製のパイプであり、ミッションケース内へ挿抜されるパイプ部分118aを検油ゲージとして利用できるよう、その外周面に適正レベル表示部mが形成されている。
【0048】走行機体3の前部左右両側には、前記支持金具16を利用して支柱120が立設されて、予備苗を複数段に載置収容する予備苗のせ台121が装備されるとともに、走行機体3の前端部には、パイプ材をアーチ形に屈曲して形成した押え込みアーム122がその基端部の支点xを中心に前後に起伏揺動可能に装着されている。また、この押え込みアーム122の上端部に、前記線引きマーカ15で形成した走行基準線に対する照準となるセンターマスコット123が装着されている。
【0049】前記押え込みアーム122は、前方へ大きく突出する作用姿勢と起立格納姿勢とに亘る一定範囲で起伏揺動可能に枢支されるとともに、その枢支基部に与えられた摩擦によって任意の揺動位置で摩擦保持することも可能となっており、畦越えや運搬車両の荷台への田植機の積み下ろしなどにおいて、走行機体3を微速で走行させながら作業者が地上に降りて操縦する場合に、前方に大きく倒して作用姿勢に倒して使用する。作用姿勢に倒伏された押え込みアーム122を地上の作業者が押え込むことで、機体前部が浮上るのを阻止することができるとともに、押え込みアーム122を左右に振って機体を引きずることで多少は機体の向きを強制的に修正することもできるものである。
【0050】なお、本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
(1)前記隣接マーカ18の支持金具16を、ステップ26の外端近くにおける下面に設けても良い。また、前記隣接マーカ18の支持金具16を、車軸ケース部21aの外端近くにのみ取付けて実施することもできる。
(2)前記ブレザー本体111の下部に設ける連通部113をミッションケース21から突設した連通用の筒部に外嵌連結するようにしてもよく、また、連通部113を単なる連通孔で構成して、ミッションケース21から突設した連通用の筒部をこの連通部113に挿入するようにすることもできる。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
【出願日】 平成14年4月26日(2002.4.26)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2003−310004(P2003−310004A)
【公開日】 平成15年11月5日(2003.11.5)
【出願番号】 特願2002−126529(P2002−126529)