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【発明の名称】 歩行型耕耘機
【発明者】 【氏名】寺元 省二
【住所又は居所】岡山市江並428番地 セイレイ工業株式会社内

【氏名】篠原 康浩
【住所又は居所】岡山市江並428番地 セイレイ工業株式会社内

【要約】 【課題】ハンドルを持ち上げなくてもロータリ耕耘装置を上昇させる昇降機構の構成を提供するとともに、該昇降機構の採用に伴い、歩行型耕耘機全体の構成を見直すことで、各種操作性の向上を図る。

【解決手段】前記機体中央にミッションケース3と走行輪12・12を配置し、該ミッションケース3の前後一側にロータリ耕耘装置4と操作ハンドル22を配し、ロータリ耕耘装置4を昇降可能に構成した歩行型耕耘機において、ミッションケース3後部にロータリ耕耘装置4を昇降自在に接続するヒッチ部13と昇降アクチュエータ(油圧シリンダー66)を配置し、該昇降アクチュエータに昇降リンク機構40を介して操作ハンドル22と尾輪46を連結し、前記ミッションケース3からロータリ耕耘装置4への伝動機構と、前記昇降リンク機構40を、機体左右中心に対して互いに反対側に配置した構成とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 機体中央にミッションケースと走行輪を配置し、該ミッションケースの前後一側にロータリ耕耘装置と操作ハンドルを配し、ロータリ耕耘装置を昇降可能に構成した歩行型耕耘機において、ミッションケース後部にロータリ耕耘装置を昇降自在に接続するヒッチ部と昇降アクチュエータを配置し、該昇降アクチュエータに昇降リンク機構を介して操作ハンドルと尾輪を連結し、前記ミッションケースからロータリ耕耘装置への伝動機構と、前記昇降リンク機構を、機体左右中心に対して互いに反対側に配置した、ことを特徴とする歩行型耕耘機。
【請求項2】 前記昇降アクチュエータを前記ヒッチ部の前部であって、機体左右中央付近で、上下方向に配置した、ことを特徴とする請求項1に記載の歩行型耕耘機。
【請求項3】 機体中央にミッションケースと走行輪を配置し、該ミッションケースの前後一側にロータリ耕耘装置と操作ハンドルを配し、ロータリ耕耘装置を昇降可能に構成した歩行型耕耘機において、ミッションケース後部にロータリ耕耘装置前部に構成した接続部を昇降自在に接続するヒッチ部を配し、前記ヒッチ部の下端は開放される構成とするとともに、前記接続部の固定手段を備えた、ことを特徴とする歩行型耕耘機。
【請求項4】 機体中央にミッションケースと走行輪を配置し、該ミッションケースの前後一側にロータリ耕耘装置と操作ハンドルを配し、ロータリ耕耘装置を昇降アクチュエータにより昇降可能に構成した歩行型耕耘機において、ロータリ耕耘装置上方の操作ハンドルベースに主変速レバー操作部を配置し、ロータリ耕耘装置のロータリ駆動ケースに作業レバー操作部を配置し、前記主変速レバー操作部には、主変速レバーの規制部材を設けるとともに、同規制部材と作業レバー操作部をワイヤで連結し、作業レバーの位置によるワイヤの引き代の大小より前記規制部材を操作する構成とした、ことを特徴とする歩行型耕耘機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歩行型耕耘機の構成、及び作業機の昇降機構に関する。
【0002】
【従来の技術】ロータリ耕耘装置等の作業機を具備する歩行型耕耘機では、走行時や回行時(旋回走行時)では、作業機を上昇させて圃場面から浮上させ、作業機が地面に当たらないようにして、損傷を避け、抵抗にならないようにしている。一方、作業時では、作業機を下降させて圃場の耕耘作業等が行なわれるようにしている。そして、従来は、作業時において回行するときには操作ハンドルの持ち上げて作業機も上昇させ、回行後の次の条の始端で操作ハンドルを降ろして作業を再開していた。また、路上走行時等では、作業機の下端が地面に当たらないように、作業機の後部に備える尾輪をハンドルの回転等の操作により上昇させていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、尾輪の上下操作は、ネジ杆を回転させる操作または尾輪支持杆を下降してロックする操作等を要し、作業終了時や開始時では面倒な操作となる。また、操作ハンドルの持ち上げながら回行する場合には、作業機が重く女性や老人等では労力を要し、自重による機体バランスの維持が難しく、高く操作ハンドルを持ち上げた状態で、サイドクラッチレバーを操作したり、主クラッチレバーを操作することは、背が低い作業者では操作し難いものであった。
【0004】このため、ロータリ耕耘装置等の作業機の昇降をアクチュエータにより行なう昇降機構を適用することが考えられるが、この場合は、機体本体側を固定とし、作業機側のみを昇降させるため、新たな連結構成を講じる必要がある。また、この連結構成においては、前記アクチュエータの不慮の故障や、周囲の土・埃等による動作不良を加味することが必要となる。また、従来の所謂バックストップ牽制機構においては、作業機単独の昇降を考慮に入れた設計としていないため、バックストップ牽制を行なうための連係機構を考慮する必要がある。
【0005】本発明は、以上の問題に鑑み、ハンドルを持ち上げなくてもロータリ耕耘装置を上昇させる昇降機構の構成を提供するとともに、該昇降機構の採用に伴い、歩行型耕耘機全体の構成を見直すことで、各種操作性の向上が図られた歩行型耕耘機を提案するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとする課題は以上のごとくであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】即ち、請求項1に記載のごとく、機体中央にミッションケースと走行輪を配置し、該ミッションケースの前後一側にロータリ耕耘装置と操作ハンドルを配し、ロータリ耕耘装置を昇降可能に構成した歩行型耕耘機において、ミッションケース後部にロータリ耕耘装置を昇降自在に接続するヒッチ部と昇降アクチュエータを配置し、該昇降アクチュエータに昇降リンク機構を介して操作ハンドルと尾輪を連結し、前記ミッションケースからロータリ耕耘装置への伝動機構と、前記昇降リンク機構を、機体左右中心に対して互いに反対側に配置したことである。
【0008】また、請求項2に記載のごとく、前記昇降アクチュエータを前記ヒッチ部の前部であって、機体左右中央付近で、上下方向に配置したことである。
【0009】また、請求項3に記載のごとく、機体中央にミッションケースと走行輪を配置し、該ミッションケースの前後一側にロータリ耕耘装置と操作ハンドルを配し、ロータリ耕耘装置を昇降可能に構成した歩行型耕耘機において、ミッションケース後部にロータリ耕耘装置前部に構成した接続部を昇降自在に接続するヒッチ部を配し、前記ヒッチ部の下端は開放される構成とするとともに、前記接続部の固定手段を備えたことである。
【0010】また、請求項4に記載のごとく、機体中央にミッションケースと走行輪を配置し、該ミッションケースの前後一側にロータリ耕耘装置と操作ハンドルを配し、ロータリ耕耘装置を昇降アクチュエータにより昇降可能に構成した歩行型耕耘機において、ロータリ耕耘装置上方の操作ハンドルベースに主変速レバー操作部を配置し、ロータリ耕耘装置のロータリ駆動ケースに作業レバー操作部を配置し、前記主変速レバー操作部には、主変速レバーの規制部材を設けるとともに、同規制部材と作業レバー操作部をワイヤで連結し、作業レバーの位置によるワイヤの引き代の大小より前記規制部材を操作する構成としたことである。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を添付の図面を用いて説明する。図1は歩行型耕耘機の全体側面図、図2は伝動経路図、図3はチェンケース断面平面図、図4はロータリ耕耘装置上昇時のヒッチの構成を示す図、図5はロータリ耕耘装置下降時のヒッチの構成を示す図、図6はヒッチの構成を示す後面図、図7は同じく平面図、図8は歩行型耕耘機の構成を示す一部平面図、図9はハンドル構成を示す平面図、図10は走行時及び回行時の歩行型耕耘機の状態を示す一部側面図、図11は耕耘時における歩行型耕耘機の状態を示す一部側面図、図12はロータリ耕耘装置を上昇させた場合の畝立器と尾輪との配置関係を示す図、図13はロータリ耕耘装置を下降させた場合の畝立器と尾輪との配置関係を示す図、図14はアーム支持部の構成を示す側面一部断面図、図15は作業レバー近傍の後面図、図16はバックストップ牽制機構を示す一部断面側面図、図17は同じく動作説明図である。
【0012】まず、図1及び図2を用いてロータリ耕耘装置4を備える耕耘機の実施例として歩行型耕耘機30の全体構成を説明する。歩行型耕耘機30は、前部にエンジン2、後部に作業機としてロータリ耕耘装置4、中央部にミッションケース3が配置され、前記エンジン2はエンジン台5(図1)上に載置固定され、該エンジン台5の後部はミッションケース3に固設されている。エンジン2の出力軸6、及び、前記ミッションケース3の入力軸7は左右一側(進行方向左側)に突出され、該出力軸6及び入力軸7上にはそれぞれプーリ6a・7a(図2)が固設されて、伝動ベルトを介して動力が伝達されるようにしている。該出力軸6と入力軸7の間にはベルトテンション式の主クラッチ10(図2)が配置され、これらは伝動ケース9によって覆われ、該主クラッチ10は後述する操作ハンドル22上に設けた主クラッチレバーの操作により「入」「切」操作可能としている。
【0013】前記入力軸7よりミッションケース3内に入力された回転動力は、変速装置により、その回転数が調節されて、該ミッションケース3内において、該ミッションケース3下部に軸支する車軸11に伝達され、該車軸11に走行輪12・12を固設して走行駆動できるようにしている。
【0014】また、前記ミッションケース3の後部にはヒッチ部13が設けられて、該ヒッチ部13にロータリ耕耘装置(作業機)4の前部を連結している。また、ミッションケース3の一側(進行方向右側)方に、つまり、伝動ケース9と左右反対側に、上下に屈折可能とする前チェンケース26a・後チェンケース26bを配置し、該前チェンケース26a(図2)の前部に、前記ミッションケース3より側方(右方)に突出したPTO軸15を貫入して動力をチェンケース26a内に伝達できるようにしている。また、後チェンケース26b後部には、ロータリ駆動ケース14上部に軸支して右方へ突出したロータリ入力軸27を挿入し、該ロータリ入力軸27とロータリ駆動ケース14下部に軸支した耕耘爪軸16上にはそれぞれスプロケットを固設して、ロータリ駆動ケース14内にてチェンで巻回されて、耕耘爪軸16に動力が伝達されるようになっている。該耕耘爪軸16の軸上には、複数本の耕耘爪17・17・・・が植設されており、該耕耘爪17・17・・・の先端の回動軌跡上方及び側方は、前記ロータリ駆動ケース14に固設された耕耘カバー31(図1)により覆われている。この耕耘カバー31は、平面視における略左右中心の前部において、ケース下方の内腔部よりケース上方へ向けてロータリ駆動ケース14の上部を突出させるとともに、ケース上面の前後方向の略全範囲に上方に突設して形成されたビーム18をロータリ駆動ケース14の後部に固設することにより、ケース全体がロータリ駆動ケース14に対して強固に固設される構成とし、この耕耘カバー31がロータリ耕耘装置4の昇降に伴って昇降するようになっている。
【0015】図3に示すごとく、前記前チェンケース26aと後チェンケース26bは、前チェンケース26aの後部と後チェンケース26bの前部が回動自在に連結された形状となっている。そして、前チェンケース26aの前部において、ミッションケース3に対して回動自在に支持するとともに、PTO軸15端上に嵌装固定されたスプロケット52を回動自在に支持し、後チェンケース26bの後部において、ロータリ駆動ケース14の上部に回動自在に支持するとともに、ロータリ入力軸27上に嵌装固定されたスプロケット55を回動自在に支持している。また、前チェンケース26aと後チェンケース26bの連結部26eにはPTO軸15及びロータリ入力軸27と平行に連結軸58が前チェンケース26aと後チェンケース26bを左右略水平方向に連通して横架され、該連結軸58は前チェンケース26a及び後チェンケース26bそれぞれに回動自在に支持されている。
【0016】図3に示すごとく、前記連結軸58上の前チェンケース26a内では、スプロケット53が嵌装固定されており、同じく連結軸58上の後チェンケース26b内ではスプロケット54が嵌装固定されていて、該スプロケット54は後チェンケース26bに回動自在に支持されている。そして、前チェンケース26a内でPTO軸15端のスプロケット52と連結軸58に嵌装したスプロケット53間に伝動チェン56を巻回している。同様に、後チェンケース26b内では連結軸58に嵌装されたスプロケット54とロータリ入力軸27端のスプロケット55間に伝動チェン57を嵌装している。従って、PTO軸15とロータリ入力軸27間に連結軸58を介在させて、前後のチェンケース26a・26bが連結部26eにおいて連結軸58を中心に屈折したとしても、支障なく伝動チェン56・57によりPTO軸15の回転駆動が連結軸58を介してロータリ入力軸27に伝達されるのである。そして、ロータリ入力軸27は、該チェンケース内に挿入された端と反対側の端にもスプロケットを嵌装して、ロータリ駆動ケース14に入力している。
【0017】以上のように、前チェンケース26a・後チェンケース26bを屈折型にすることで、後述するようにロータリ耕耘装置4が昇降してPTO軸15に対してのロータリ入力軸27の位置が変化して、両軸(15・27)に嵌装したスプロケット52・55の芯間に変化が生じたとしても、チェンケース26の前後及び中央部の枢支部が屈折してこれに対応して動力伝達に支障がきたさないように構成している。
【0018】次に、作業機であるロータリ耕耘装置4と機体本体1の連結部について説明する。図1に示すごとく、前記ロータリ耕耘装置4は、ミッションケース3の後面に設けられたヒッチ部13によって、機体本体1の後部に連結されている。このヒッチ部13は、図4に示すごとく、ミッションケース3側から後方に突出したヒッチ13aに対し、ロータリ耕耘装置4側から前方に突出したヒッチ13bを鉛直方向に昇降自在に取り付けて構成してなるものである。図4乃至図8に示すごとく、ミッションケース3側のヒッチ13aはミッションケース3の後部から後方に突設して取り付けられた左右一対のブラケット61a・61b(図7)と、該ブラケット61a・61bの後端に固定された上下方向に延伸する左右一対のレール63a・63bで構成されている。ここで、ブラケット61a・61bは、平面視略「L」字形とする板体で構成し、その前部内側面をミッションケース3の後部両側に位置させて固設する一方、両ブラケット61a・61bの間にスペースを形成してその前後中途部の左右中央に油圧シリンダー66を上下方向に配置するように構成し、該油圧シリンダー66の略後端において、それぞれ前後方向から左右方向に屈曲させた形状としている。このようにして、ヒッチ13aは、ミッションケース3(図4)後部において、機体本体1に対しその位置を固定した状態としている。
【0019】一方、ロータリ耕耘装置4側のヒッチ13b(図4)は、ロータリ駆動ケース14に固設して前方へ突設したブラケット64a・64bと、該ブラケット64a・64bの前部に固定ボルト35a・35bで固設されたヒッチ13aとの接続部である摺動体65で構成されている。該摺動体65は、前記ブラケット64a・64bに固定ボルト35a・35bにより固設される左右一対のプレート65e・65e(図7)と、該プレート65e・65eの上下位置に横架する上枢軸28a及び下枢軸28b(図4)と、両枢軸28a・28bの左右軸端部にそれぞれ回転自在に軸支されるローラ65a・65bで構成されている。このように構成した摺動体65は、機体本体1のヒッチ部13に設けられたレール63a・63bの間に嵌入され、前記ローラ65a・65bはレール63a・63b内面にガイドされながら転動するように挿入され、該ローラ65a・65aの回転によって上下移動自在としている。そして、前記上枢軸28aの略左右中央部は、昇降アーム32の先端に側面視略「コ」字形に形成した嵌合部59に挿入されている。
【0020】該昇降アーム32(図4)は、前記嵌合部59の反対側の先端が、ブラケット61a・61bに横設した枢軸60に回動自在に枢結されており、また、該昇降アーム32の中途部において、昇降アクチュエータである油圧シリンダー66のロッド67の先端に備えるジョイント71と枢軸79により枢結されており、油圧シリンダー66の伸縮により、枢軸60を支点として、嵌合部59を上下方向に移動させるようにして昇降アーム32が揺動する構成となっている。この油圧シリンダー66の伸縮は、同シリンダーの上方に備えた油圧ポンプ72(図1略中央部に表示)による圧油の給排により行なわれるものである。
【0021】また、図5、図7に示すごとく、前記レール63a・63bの上部側面には長孔状のガイド溝63c・63cが開口され、該ガイド溝63c・63cに前記枢軸28a・28bの両側が貫通挿入されて、摺動体65の下方向への移動範囲を規制するようにしている。また、レール63a・63bは、平面視において、略「コ」字形とし、図4に示すごとく、レール63a・63bの上部に前後方向のボルト孔を穿設してボルト76を前後方向へ横架固定することにより、上側の開口を塞ぐようにして、ローラ65aの上方への抜け止め、即ち、摺動体65の上方向への移動範囲を規制するようにしている。一方、レール63a・63bの下部は、開口を形成したまま、即ち、ボルトを横架させることなく開放された状態とし、下部のローラ65bの移動範囲をレール63a・63b側で規制せずに、図5に示す前記油圧シリンダー66の前記ロッド67が最も縮んだ状態において、ロッド67により昇降アーム32の時計方向への回動の規制により、上枢軸28aの下降を規制する。即ち、油圧シリンダー66の伸縮ストロークによりローラ65a・65bが上下摺動する長さよりもレール63を長く構成して抜けないようにしている。このように、ヒッチ13aのレール63a・63bの下端は開放される構成としており、該構成により、ヒッチ部13の周囲に飛散する土・埃がレール63a・63bの下部に堆積することもなく、ローラ65a・65bの回転移動が良好に行なわれ、ロータリ耕耘装置4の昇降が常にスムーズに行なわれるようになっている。
【0022】また、図4、図7及び図8に示すごとく、前記機体本体側のヒッチ13a及びロータリ耕耘装置4側のヒッチ13bは、機体左右中央に配されるとともに、機体本体側のヒッチ13aを構成する左右のブラケット61a・61b間に昇降アクチュエータとしての油圧シリンダー66を収容し、油圧シリンダー66の下部をブラケット61a・61bに枢支する構成としている。このような構成により、油圧シリンダー66がヒッチ13aに収容されるようになって、ヒッチ部13(ヒッチ13a・13b)全体としての納まりがよく、ヒッチ部13の周辺が煩雑とならず、また、これらが機体左右中央に配されることから、走行輪12・12の幅調整の邪魔となることがない。また、油圧シリンダー66がブラケット61a・61bに隠れるようになって、外観上も見苦しいことがなく、外部からの障害物に対して保護される構成となる。
【0023】また、図1及び図9に示すごとく、該油圧シリンダー66を伸縮作動させるために操作する昇降スイッチ23は、機体後部の操縦側に配置されており、本実施例ではミッションケース3上部より斜め上後方へ突出した左右のハンドル杆22a・22bの後部間に横杆21を横架し、該横杆21上にスイッチステー29を固設し、該スイッチステー29を横杆21の左右中央に配置して、その上に昇降スイッチ23を固定することで操作ハンドル22の左右中央に配置される構成としている。これにより、オペレーターが機体の左右一側に位置し、ハンドル杆22a・22bの後部に形成した握持部22c・22dを掴んだ状態で、左右いずれの手によっても容易に昇降スイッチ23をON・OFF操作)することが可能となって、操作性の向上が図られている。また、該昇降スイッチ23は、押すと「ON」するプッシュスイッチに構成されており、所定の規則で昇降するように制御されて、操作を瞬時に行うことが可能となって、操作性の向上が図られたものとなっている。例えば、キースイッチONから最初に一回押すと下降し、二回押すと上昇し、次からは交互に昇降を繰り返すように制御している。
【0024】また、レール63と摺動体65にはそれぞれ連結固定手段が配置されている。即ち、図4に示すごとく、レール63の下中途部側面には、ピン孔77が穿通されており、また、摺動体65のプレート65eの上下中途部にもピン孔78が前記ピン孔77の位置に合わせて穿設され、両ピン孔77・78は、摺動体65が最下点に移動した状態、即ち、図5に示すごとく、前記ロッド67が最も縮んだ状態において、側面視において一致するように配設されている。そして、この状態において、両左右一方より、係止ピン80を挿嵌することにより、レール63a・63bに対し、摺動体65が固設された状態、即ち、機体本体1に対してロータリ耕耘装置4を下降させた作業位置で固設される。このように、接続部であるヒッチ部13に、ロータリ耕耘装置4側に固設される摺動体65を固定する固定手段を備えたので、例えば、前記油圧ポンプ72が故障した場合においても、ロータリ耕耘装置4を機体本体1側に固定することが可能となり、ロータリ耕耘装置4により耕耘作業を行うことができる。
【0025】また、この油圧ポンプ72の上端は、図1に示すごとく、機体右側面視において、伝動ケース9上面の延長線上に位置するように、前低後高となるように傾けて配設して、外観上の美観を向上させている。尚、この傾きの角度は、油圧ポンプ72の作動を妨げない範囲の角度とするものである。
【0026】また、図4及び図5に示すごとく、レール63aの上部位置には、リミットスイッチ37が配され、該リミットスイッチ37の検出部38はローラ65aと接触可能に配置して、摺動体65が最上昇位置に位置したことを検出できるようにしている。該リミットスイッチ37は図示せぬコントローラと接続されて、ロータリ駆動ケース14(ロータリ耕耘装置4)が上昇位置に達するとリミットスイッチ37がONして油圧シリンダー66の伸長を停止するように制御できるようにしている。こうして、例えば、エンジン「ON」「OFF」を行うキースイッチを「入」とした際に、ロータリ駆動ケース14が上昇状態であるかを検出し、上昇位置にある場合には、この上昇状態を維持し、下降状態(リミットスイッチ37がOFF)の場合、油圧ポンプ72(図1の略中央部に示す)を作動させて油圧バルブを切り換えて、ロッド67を伸長させ、キースイッチ「入」直後にロータリ耕耘装置4が下降しないように制御している。
【0027】また、図6に示すごとく、機体後面視右側に配されるレール63の側方には、アシスト装置であるガススプリング62が配され、該ガススプリング62のロッド62aの端部を、レール63より突出させた前記上枢軸28aの右端部に接続している。該ガススプリング62は、上枢軸28aを上昇させる方向、即ち、ロッド62を伸長させる方向へ付勢する構成として、前記油圧シリンダー66によるロータリ耕耘装置4の上げ動作の負担を軽減させ、また、下降時には急激な下降を抑制してショックを和らげるようにして、ロータリ耕耘装置4の昇降動作をスムーズに行うようにしている。なお、アシスト装置としては、ガススプリング62の他、電動アクチュエータやバネ等を利用することもできる。
【0028】そして、本発明に係る歩行型耕耘機30では、ヒッチ部13の昇降をガイドするレール63a・63bを略鉛直方向に設けていることから、前記摺動体65がレール63a・63b上を略鉛直に摺動する。即ち、ロータリ耕耘装置4(ロータリ耕耘装置4)はその姿勢を変化させずに略鉛直方向に昇降するのである。このように、ロータリ耕耘装置4が略鉛直に昇降すると、該ロータリ耕耘装置4の角度は変化せず、従って、耕耘カバー31と耕耘爪17・17・・・の角度変化が小さく安定した耕耘性能を発揮でき、また、後述のロータリ耕耘装置4の昇降においても、耕耘爪17・17・・・がオペレーター側に露出することもない。
【0029】尚、耕耘カバー31の後部に、土の跳ね上げを除けるために泥除けシート(不図示)を設けた際には、ロータリ耕耘装置4が上昇しても、該ロータリ耕耘装置4は平行に上昇するので、該泥除けシートの下端はロータリ耕耘装置4が耕耘作業時の位置にあるときと比べて多少上昇するが、比較的地面に近い位置が保たれることになる。従って、従来のように回行時に操作ハンドル22を持ち上げてロータリ耕耘装置4を上昇させる形式の耕耘機において、作業クラッチを切り忘れて走行すると、土をオペレーター側にはね上げてしまうが、本発明のように平行に上昇させる形式であると、例え、作業クラッチを切り忘れても後方は開口されていないので、跳ね上げられた土は泥除けシートに当たりオペレーターにかかることはない。
【0030】次に、昇降リンク機構について説明する。図8、図10及び図11に示すごとく、ロータリ耕耘装置4は、機体本体1に対し昇降リンク機構40により昇降が行なわれる構成とするものであり、該昇降リンク機構40は、吊下げリンク84と揺動リンク41から構成され、機体左右中心に対して前記前チェンケース26a及び後チェンケース26bと反対側の進行方向左側に配置している。該吊下げリンク84の上部は機体本体1側に固定されるハンドルベース81に枢結され、該吊下げリンク84の下部は枢軸85により揺動リンク41の前後中途部のやや前部位置に枢結される。該揺動リンク41の前部はロータリ駆動ケース14の上部に枢軸86により枢結され、該揺動リンク41の後部は尾輪支持体47の上部に支持される構成としている。
【0031】以下、昇降リンク機構40の構成について詳述する。機体本体1に固設されたハンドルベース81(図10)の下面より、ステー82を下方に突設し、該ステー82に枢軸83(図8)が左右方向に横設されており、該枢軸83に吊下げリンク84(図10)の上部が枢結され、機体本体1に対して、吊下げリンク84が前後方向に揺動自在に枢結された状態となっている。この吊下げリンク84は、前後の吊下げリンク84a・84bにより前後二つ割りに構成され、前記枢軸83を両吊下げリンク84a・84bの上部で挟持して固定ボルト33により枢軸83回動自在の状態で締付固定する構成として吊下げられるようにしている。また、該吊下げリンク84(吊下げリンク84b)は、その下部において、揺動リンク41と枢軸85により枢結されている。該揺動リンク41の前部は、図8に示すごとく、ロータリ駆動ケース14の上部に左右略水平方向に軸支したロータリ入力軸27と同軸延長上に左外部へ突設された枢軸86に枢結されている。そして、ロータリ駆動ケース14の昇降により枢軸86が昇降すると、揺動リンク41は吊下げリンク84との枢結点である枢軸85を揺動支点として、揺動するようになっている。この枢結点である枢軸85は、揺動リンク41の前後中途部の前位置に配され、該揺動リンク41揺動時に、前部の回動量が小さくても後部の回動量は大きくるようにしている。
【0032】また、このロータリ耕耘装置4の昇降に対応すべく、尾輪46の取付構造は以下のようになっている。図12及び図13に示すごとく、前記ビーム18において、その後部には摺動支持筒94が上下方向に固設されており、該摺動支持筒94に尾輪支持体47の尾輪支持筒47cを摺動自在に挿入している。こうして、ロータリ耕耘装置4が昇降されると、尾輪支持筒47cが摺動支持筒94にガイドされて上下方向へ移動することになる。
【0033】また、前記揺動リンク41の後端には、支持部87が形成されている。該支持部87の構成は、板体のステー87aが尾輪支持筒47c上端に略水平方向に固定され、該ステー87aの後部にリンク87bの上部が枢支され、該リンク87bの下部が揺動リンク41の後端に枢支されている。また、尾輪支持筒47cの上部に連結ケース90が固設され、該連結ケース90より後方へ昇降ハンドル88の操作軸89を突出し、ベベルギアによる伝動により尾輪支持筒47c内のネジ杆47bを回転可能に連結し、該尾輪支持筒47c内にネジ杆47bを回転自在に支持し、該ネジ杆47bの下部は尾輪支持筒47c内で上下摺動自在に挿入した尾輪支持杆47aの上部よりメネジに螺合させ、前記昇降ハンドル88の回動操作により尾輪46の上下位置を変更自在としている。さらに、前記ステー87aは板体に構成され、その下面が前記摺動支持筒94の上面に当接するような配置関係となっている。これにより、ロータリ耕耘装置4が最上部まで上昇した際には(図12に示す状態)、摺動支持筒94が最上位置に移動し、この最上位置に移動する過程において、ステー87aの下面に当接し、該ステー87aを上方に押し上げるようにして、ステー87aの上面を連結ケース90の下部に当接させ、該ステー87aを介しての摺動支持筒94(ビーム18)による尾輪支持筒47cの支持を行うものである。
【0034】以下、上記昇降リンク機構40によるロータリ耕耘装置4の昇降について説明する。まず、ロータリ耕耘装置4を上昇させる過程について説明する。図10及び図12に示すとごく、前記昇降スイッチ23(図1)の操作により、油圧シリンダー66のロッド67を伸長させると、昇降アーム32は枢軸60を中心に上方へ回動して、摺動体65を介してロータリ駆動ケース14が上昇され、これに伴い、ロータリ駆動ケース14上部に枢支した揺動リンク41の前端が持ち上げられる。この揺動リンク41の前端の上昇により、吊下げリンク84が突っ張った状態で、枢軸85を中心として揺動リンク41の後部が下降回動される。このとき、走行輪12・12と、尾輪46は地盤に接地した状態となっているので、耕耘カバー31後部が上昇する方向に摺動し、ロータリ耕耘装置4を略平行の状態で上昇させることができるのである。このようにして、回行時において昇降スイッチ23を押すと、ロータリ耕耘装置4が圃場から大きく浮いた状態とすることができ、耕耘爪17・17・・・と圃場とのクリアランスが大きくなって、走行、又は、回行が行える状態となり、また、畦越えも容易に行える状態となる。
【0035】次に、ロータリ耕耘装置4を下降させる過程について説明する。図11及び図13に示すごとく、前記昇降スイッチ23(図1)の操作により、油圧シリンダー66のロッド67を縮めると、昇降アーム32は枢軸60を中心に下方へ回動して、摺動体65を介してロータリ駆動ケース14が下降され、これに伴い、ロータリ駆動ケース14上部に枢支した揺動リンク41の前端が下げられる。この揺動リンク41の前端の下降により、吊下げリンク84が突っ張った状態で、枢軸85を中心として揺動リンク41の後部が上昇回動される。このとき、走行輪12・12と、尾輪46は地盤に接地した状態となっているので、耕耘カバー31後部が下降する方向に摺動し、ロータリ耕耘装置4を略平行の状態で下降させることができるのである。そして、油圧シリンダー66が完全に縮むことで、ロータリ耕耘装置4の耕耘爪17・17・・・を地面に食い込むようにすることができ、耕耘状態とすることができる。なお、この昇降時には、PTO軸15とロータリ入力軸27の間の距離は変化するが、前チェンケース26aと後チェンケース26bが屈曲または伸びることにより吸収するようにしている。
【0036】さらに、上述の昇降リンク機構40の配置構成については、以下の構成としている。即ち、図8に示すごとく、前記機体前後中央にミッションケース3と走行輪12・12を配置し、該ミッションケース3の前後一側(後側)にロータリ耕耘装置4と操作ハンドル22を配し、ロータリ耕耘装置4を昇降可能に構成した歩行型耕耘機において、ミッションケース3後部にロータリ耕耘装置4を昇降自在に接続するヒッチ部13と昇降アクチュエータとしての油圧シリンダー66を配置し、該油圧シリンダー66に昇降リンク機構40を介して操作ハンドル22と尾輪46(図10)を連結し、前記ミッションケース3からロータリ耕耘装置4への伝動機構である前後のチェンケース26a・26bと、前記昇降リンク機構40を、機体左右中心に対して互いに反対側に配置した構成となっているため、機体の前後及び左右方向の重量バランスが良好となって、耕耘作業時・走行時・回行時・畦超え時における操作ハンドル22を掴んでの機体バランスの維持が容易に行える。
【0037】次に、畝立器(培土板等)91に対する尾輪46の配置関係について説明する。図12及び図13に示すごとく、耕耘カバー31を固設したビーム18の後部において、前記摺動支持筒94の前方には上下方向に固定支持筒92が固設され、該固定支持筒92に畝立器91の前部上に立設した固定軸93が挿入され、ボルトまたはピン等により固定可能とし、上下高さも調整可能としている。該畝立器91により耕耘後に畝を形成できるようになっている。
【0038】そして、該畝立器91は、ロータリ耕耘装置4の昇降とともに昇降するものであり、図12に示すように、ロータリ耕耘装置4を上昇させた状態では、畝立器91の下端は尾輪46の上端よりも上方に位置する位置関係としている。このように、前記尾輪46は、ロータリ耕耘装置4の上昇時、即ち、尾輪46を最も低い位置とする状態において、同ロータリ耕耘装置4後部に装着した畝立器91の下方に尾輪46が配される構成としている。このことから、走行、又は回行状態においては、尾輪46が左右に振れた場合においても畝立器91にぶつかることがなく、方向転換が容易に行え、後進する場合においては尾輪支持杆47aを中心に尾輪46が180度反転することができて、機体の操縦性や走行性の向上が図られる。
【0039】次に、尾輪46の支持構成について説明する。図14に示すごとく、前記尾輪支持杆47aの最下部に、立設面19a・19bと、両立設面19a・19bの上部を横架する水平面19cより「門」形のアーム支持部19を構成し、該アーム支持部19の立設面19a・19bに支点軸19dを横設し、該支点軸19dに尾輪アーム20上部が枢結され、また、尾輪アーム20下部に尾輪車軸46aを枢結させることで、尾輪46(図13)がアーム支持部19・尾輪アーム20を介して尾輪支持杆47aに吊設される構成としている。また、尾輪アーム20は、左右一対のアーム部20a・20bと両アーム部20a・20bの上部端を連結する連結部20cとから、各部を板体に構成して、後面視略「門」形を形成し、「門」の開口に尾輪46の上半分を通過自在に挟装されるようになっている。そして、尾輪アーム20の最上部となる連結部20cの上面は、図14に示す機体右側面視において、略「へ」字型となるように、支点軸19dの軸心を通過する垂直線上より前(又は後ろ)に屈曲部20fを形成し、アーム部20a・20bが回動すると、連結部20cの前端20d又は後端20eが前記水平面19cの下面に当接するようになっている。そして、図14における側面視では、屈曲部20fと後端20eの距離が長くなるので、後端20eが水平面19cの下面に当接するまでの回動角度を大きくすることができ、尾輪アーム20のキャスタ量(図14に示す側面視における尾輪アーム20の傾き)が大となる(位置24a)。一方、前記屈曲部20fと前端20dの距離が短くなるので、前端20dが水平面19cの下面に当接するまでの回動角度が小となり、尾輪アーム20のキャスタ量が小となるものである(位置24b)。尚、連結部20cではなく、アーム部20a・20bの上部を略「へ」字型としてもよい。
【0040】以上の構成、即ち、前記尾輪支持杆47a下部に、尾輪支持杆47aの軸心と直角方向の軸心を有する支点軸19dを配したアーム支持部19を構成し、前記支点軸19dに尾輪アーム20を回動可能に支持し、該尾輪アーム20の下端に尾輪46を回転自在に軸支すると共に、尾輪アーム20の最上部を略「へ」字型に形成し、該最上部をアーム支持部19の内面に当接させることにより、前記尾輪アーム20のキャスタ量を、尾輪接地時における前進時は大、宙に浮いたときは小となる構成とするものである。これにより、尾輪接地時における前進時には、機体の前進に伴い尾輪46が後方に配され、尾輪アーム20が位置24aの位置となり、前記連結部20cの後端20eが前記水平面19cの下面に当接することになって、尾輪アーム20の回動角度を最大の状態としてキャスタ量が大となる。このように接地時においてのキャスタ量を大とすることにより、尾輪46の方向追従性が良好となり、機体の直進性の向上が図られる。一方、尾輪46が宙に浮いた状態においては、尾輪46の自重により、尾輪車軸46aを下げる方向に尾輪アーム20が回動して、前端20dが前記水平面19cの下面に当接して位置24bの位置でその回動が止まることになる。また、この状態で、尾輪支持杆47aを回転させた場合においては、尾輪アーム20は位置24cとなる。このように、尾輪46が宙に浮いた状態では、尾輪アーム20の前後位置が、位置24b又は位置24cとなって、位置24aと比較してキャスタ量が小さくなる構成となる。このように宙に浮いた時点でのキャスタ量を小とすることにより、尾輪46が回転し、前側となる位置24cの状態でも、前記耕耘ケース31内の耕耘爪17・17・・・との距離を大きいままに維持することが可能となって、尾輪46と耕耘爪17・17・・・との干渉を防ぐことができる。
【0041】次に、バックストップ牽制機構について説明する。該バックストップ牽制機構の概要として、機体中央にミッションケースと走行輪を配置し、該ミッションケースの前後一側にロータリ耕耘装置とハンドルを配し、ロータリ耕耘装置を昇降装置により昇降可能に構成した歩行型耕耘機において、図15に示すごとく、ロータリ耕耘装置上方のハンドルベースに主変速レバー操作部100を配置し、ロータリ耕耘装置の入力ケースに作業レバー操作部130を配置し、前記主変速レバー操作部100には、同レバーの規制部材106を設けるとともに、同規制部材と作業レバー操作部130をワイヤ110で連結する構成とし、前記作業レバー操作部130の操作に伴う前記ワイヤ110の牽引で前記規制部材106を動作させる構成とするものである。
【0042】以下詳述すると、図15乃至図17に示すごとく、主変速レバー操作部100は、ロータリ駆動ケース14の上斜後方となる位置(図16)に配設され、前進四段・中立・後進二段の変速位置を形成した略横H字のガイド溝101a(図15)を開口したレバーガイド101より、主変速レバー75を斜め上後方に延設している。このレバーガイド101の内部においては、ステー104(図16)が、ハンドルベース81側に固設されたブラケット103に付設されており、該ステー104に、規制部材106を枢支する枢軸105が側面視において前低後高となるようにして固設されている。該規制部材106は、枢軸105に枢支される筒状の枢支部107と、該枢支部107の外周面から接線方向に突設した板状の規制部108とからなり、断面視略「q」字形とし、この規制部108の先端を主変速レバー75に当接可能に配置することにより、主変速レバー75の変速規制を行うものである。また、規制部108の固定基部側には枢結部109(図16)が形成され、該枢結部109にインナーワイヤ110aの端部を枢結し、他端を後述する作業レバー操作部130へ延設して、作業レバーを操作してインナーワイヤ110aの牽引により、規制部108を規制位置と非規制位置に揺動させるようになっている。また、枢結部109には、インナーワイヤ110aの牽引方向と逆側へ向けて引張りバネ111の一端が枢結され、前記インナーワイヤ110aの牽引力に抗して、規制部108の板面を立てる方向(非規制方向)へ付勢している。
【0043】また、レバーガイド101右側の立設面の内側から下方に、板体を後面視略「L」字状に形成したステー114を付設し、該ステー114の水平面114aに平面視略「U」字の切欠き部を形成して、該切欠き部にアウター固定部114bを挿入するとともに、水平面114aの両側より固定ボルト115・115でステー114に締結することにより、ステー114を介して、アウター固定部110bをレバーガイド101に固設した状態としている。
【0044】上記構成により、図17に示すごとく、前記インナーワイヤ110aが引張りバネ111の弾性力に抗して牽引されると、規制部108の板面が倒されるようにして回動し、その突端が主変速レバー75に当接して、前記操作レーン101における後進位置112・113の位置に入らないようになる(バックストップ牽制)。一方で、インナーワイヤ110aが牽引されない限りは、引張りバネ111の弾性力により、規制部108の板面が立った状態で維持され、主変速レバー75の操作が規制されることがない。そして、このインナーワイヤ110aの牽引は、作業レバー操作部130に設けた牽引機構により行なわれるものである。
【0045】図16に示すごとく、作業レバー操作部130は、ロータリ耕耘装置上に設けられ、本実施例では、ロータリ駆動ケース14の上部後ろ側に門型のステー131が固設され、該ステー131上に下面を開放した操作部ケース132が固設され、該操作部ケース132の後面に操作ガイド溝133(図17)を開口して、該操作ガイド溝133内に作業レバー134を挿入して、斜め上後方へ延設されている。該作業レバー134の基部側下方には、枢軸137が横架され、該枢軸137の一端に揺動アーム138が固設され、該揺動アーム138の先端にアーム操作軸136が横設され、該アーム操作軸136は前記作業レバー134の下部に当接するとともに左右方向の操作範囲の下方に位置させている。そして、アーム操作軸136の他端(右端)を操作部ケース132の右側立設面に形成した切欠き139(図15)より外方へ突出させ、該アーム操作軸136の端部には、ワイヤ操作アーム140の前端部が固設され、該ワイヤ操作アーム140の後端部には、前記インナーワイヤ110aの一側端部が接続されている。
【0046】また、前記耕耘カバー31の上面前後方向に形成したビーム18より、右側へ後面視略「L」字形のステー141(図15・図17)を付設し、該ステー141の上部を前方に屈曲させてなる前傾立設面141a(図16)に形成された前面視略「U」字形の切欠き部にアウター固定部110cを挿入するとともに、該アウター固定部110cを両側より固定ボルト115・115でステー141に締結することにより、ステー141を介して、アウター固定部110cを耕耘カバー31(ビーム18)に固設した状態としている。さらに、両操作部間のワイヤ110の取り回しは、作業レバー操作部側のアウター固定部110cを、ステー141の前傾立設面141aに固設することで、機体左側面視(図1・図16)において前低後高とし、ワイヤ110を作業レバー操作部130より斜め上後方へ伸び上げ、耕耘カバー31の前後略中途部において下方へ屈曲させて前方へ折り返した後、上方に伸び上がって前記主変速レバー操作部100側のアウター固定部110bにて固設されるようになっている。即ち、両アウター固定部110c・110b間を単純に直線的に経由して接続するのではなく、ひとたびループさせて接続するようにして、両操作部間に巻部110e(図1)を形成させて、ロータリ耕耘装置が昇降されても操作位置や連動操作状態を維持できるようにワイヤ110により連係しているのである。つまり、ワイヤ110により連係を維持したままロータリ耕耘装置の昇降を許容できるように構成しているのである。
【0047】そして、図17に示すごとく、前記操作部ケース132の操作ガイド溝133は、左右方向に形成した移動ガイド溝133aと、該移動ガイド溝133aの左右及び中央から上方へ形成した三つの細耕耘ガイド溝133b・中立ガイド溝133c・荒耕耘ガイド溝133dからなり、それぞれを細耕耘位置・中立位置・荒耕耘位置として、作業レバー134を摺動させてセットするようにしている。また、これらガイド溝は略「山」形に形成し、中央に前後上下方向に長く形成した中立ガイド溝133cに作業レバー134を位置させると、ロータリ駆動ケース14の出力をニュートラルの状態として、耕耘爪17・17・・・を回転させないようにしている。一方、中立ガイド溝133cの横に前後上下方向に短く形成された細耕耘ガイド溝133bまたは荒耕耘ガイド溝133dに作業レバー134を位置させると、ロータリ駆動ケース14の出力を高回転出力又は低回転出力として、耕耘爪17・17・・・を回転させ耕耘作業を可能としている。つまり、中立位置と移動ガイド溝133aとの間の作業レバー134の前後(上下)方向のストロークは長く、細耕耘位置または荒耕耘位置と移動ガイド溝133aとの間の作業レバー134の前後方向のストロークは短く構成し、この移動距離の差で前記規制部108を回動してバックストップ牽制しようとするものである。
【0048】以上の構成による作業レバー134の操作でのバックストップ牽制について説明する。まず、横方向の移動ガイド溝133aに作業レバー134が入った状態では、前記作業レバー134の屈曲部135を斜め後下方に移動させることから、アーム操作軸136が下方に押し下げられ、ワイヤ操作アーム140が下方に移動してインナーワイヤ110aを大きく牽引する。そして、この移動ガイド溝133aからガイド溝を短く構成した細耕耘ガイド溝133b又は荒耕耘ガイド溝133dに作業レバー134を入れた場合には、前記屈曲部135が斜め上方に短く構成したガイド溝の分だけしか移動しないので、ワイヤ操作アーム140が僅かに上昇するに留まり、インナーワイヤ110aを牽引した状態が維持される。このインナーワイヤ110aの牽引により、前記主変速レバー操作部100の規制部材160の規制部108が倒れる方向へ回動されており、主変速レバー75の後進位置への移動が規制される(バックストップ牽制)。一方、この移動ガイド溝133aからガイド溝を長く構成した中立位置133cに作業レバー134を入れた状態では、前記屈曲部135が斜め上方前方に向かって大きく移動することになるため、該屈曲部135とアーム操作軸136の当接が解かれ、ワイヤ操作アーム140によるインナーワイヤ110aを牽引した状態が解除される。そして、このインナーワイヤ110aの牽引の解除により、前記主変速レバー操作部100において、引張りバネ111が規制部材160の規制部108を立てる方向へ回動させ、主変速レバー75の後進位置への移動が許容される。以上のような構成、即ち、機体中央にミッションケース3と走行輪12・12を配置し、該ミッションケース3の前後一側にロータリ耕耘装置4と操作ハンドル22を配し、ロータリ耕耘装置4を昇降アクチュエータとしての油圧シリンダー66等の昇降装置により昇降可能に構成した歩行型耕耘機において、ロータリ耕耘装置4上方のハンドルベース81に主変速レバー操作部100を配置し、ロータリ耕耘装置4のロータリ駆動ケースに作業レバー操作部130を配置し、前記主変速レバー操作部100には、主変速レバー75が後進速に変速することを規制する規制部材106を設けるとともに、同規制部材106と作業レバー操作部130をワイヤ110で連結し、作業レバー134の変速位置によるワイヤ110の引き代(ストローク)の大小より前記規制部材106を操作する構成とすることで、作業レバー134が中立位置133cにセットされない限りにおいては、主変速レバー75が後進位置へと入らず、走行輪12・12の後進駆動が規制されるものである。言い換えれば、作業レバー134が細耕耘位置又は荒耕耘位置にセットされている限りは、走行輪12・12が後進駆動することがないのである。逆に、主変速レバー75を後進速に変速した状態では、作業レバー134を中立位置から耕耘作業位置に変速しようとしても、規制部材106が主変速レバー75に当たり回動することができず、ロータリ耕耘装置が作動しないようにしている。
【0049】以上がバックストップ牽制機構であるが、前記ワイヤ110の取り回しの方法は、本発明の歩行型耕耘機30の構成に特に有効なものとしている。これは、本発明の歩行型耕耘機30では、機体本体1側に対するロータリ耕耘装置4の昇降移動範囲が大きいため、両者にそれぞれ形成される主変速レバー操作部100と、作業レバー操作部130との間を結ぶワイヤ110に十分に余裕を持たせるべく、以下の構成としたものである。即ち、前記ワイヤ110に巻部110e(図1)を形成し、該巻部110eの分だけ十分な余裕を持たせる構成とするものである。尚、単に直線的に両操作部間を経由させる場合であっても、ワイヤ110に「たるみ」を持たせることにより、同様の余裕を形成させることも可能であるが、インナーワイヤ110a自身の呈する弾性力によって、ロータリ耕耘装置4が上昇し、両操作部間の距離が短くなった際には、ワイヤ110の納まりが悪くなってしまう。この点、巻部110eを形成しておけば、このような問題もなく、美観的にも良好である。
【0050】次に、ロータリ耕耘装置4の取付構成について説明する。上述のごとく、ロータリ駆動ケース14前部のブラケット64a・64bは、摺動体65に対し、固定ボルト35a・35bにより固設されており、該固定ボルト35a・35bによる固設を解除することにより、摺動体65との連結が解かれ、ヒッチ部13を介してのロータリ駆動ケース14とミッションケース3との連結が解かれることになる。また、前記吊下げリンク84は、前後の二体の吊下げリンク84a・84bにより枢軸83を挟持し、両吊下げリンク84a・84bを固定ボルト33により螺合することで一本のリンクが形成される構成とし、枢軸83に回動自在に吊設されており、固定ボルト33を取外して両リンク84a・84bの連結を解除することにより、両リンク84a・84bが前後に分割され、吊下げリンク84介しての揺動リンク41とハンドルベース81との連結が解かれることとなる。さらに、図3に示すところのPTO軸15とスプロケット52との係合を解くようにして、PTO軸15を介しての前後チェンケース26a・26bとミッションケース3との連結が解かれることとなる。以上の三点の連結解除により、ロータリ耕耘装置4側の前後チェンケース26a・26bとロータリ駆動ケース14と、機体本体1側のミッションケース3とハンドルベース81との連結が解かれ、ロータリ耕耘装置4を機体本体1から容易に取外すことができる。
【0051】以上のように、ロータリ耕耘装置を備える歩行型耕耘機において、ミッションケース3とハンドルベース81を機体本体1側の連結部、ロータリ駆動ケース14、前チェンケース26a、昇降リンク機構40の揺動リンク41をロータリ耕耘装置4側の連結部とし、両連結部の連結により機体本体1に対しロータリ耕耘装置4を連結する構成とし、前記連結部の連結構成は、ヒッチ部13を介してのロータリ駆動ケース14とミッションケース3との連結、吊下げリンク84を介しての揺動リンク41とハンドルベース81との連結、PTO軸15を介しての前チェンケース26aとミッションケース3との連結とし、機体本体1に対しての連結を容易に解除可能な構成となっている。
【0052】
【発明の効果】本発明は以上のごとく構成したので、以下の効果を奏する。即ち、請求項1に記載のごとく、機体中央にミッションケースと走行輪を配置し、該ミッションケースの前後一側にロータリ耕耘装置と操作ハンドルを配し、ロータリ耕耘装置を昇降可能に構成した歩行型耕耘機において、ミッションケース後部にロータリ耕耘装置を昇降自在に接続するヒッチ部と昇降アクチュエータを配置し、該昇降アクチュエータに昇降リンク機構を介して操作ハンドルと尾輪を連結し、前記ミッションケースからロータリ耕耘装置への伝動機構と、前記昇降リンク機構を、機体左右中心に対して互いに反対側に配置したので、機体の前後及び左右方向の重量バランスが良好となって、耕耘作業時・走行時・回行時・畦超え時における操作ハンドルを掴んでの機体バランスの維持が容易に行える。
【0053】また、請求項2に記載のごとく、前記昇降アクチュエータを前記ヒッチ部の前部であって、機体左右中央付近で、上下方向に配置したので、昇降アクチュエータ(油圧シリンダー)がヒッチ部に収容されるようになって、ヒッチ部全体としての納まりがよく、ヒッチ部の周辺が煩雑とならず、また、これらが機体左右中央に配されることから、走行輪の幅調整の邪魔となることがない。また、外観上も見苦しいことがなく、ヒッチ部でアクチュエータが保護される。
【0054】また、請求項3に記載のごとく、機体中央にミッションケースと走行輪を配置し、該ミッションケースの前後一側にロータリ耕耘装置と操作ハンドルを配し、ロータリ耕耘装置を昇降可能に構成した歩行型耕耘機において、ミッションケース後部にロータリ耕耘装置前部に構成した接続部を昇降自在に接続するヒッチ部を配し、前記ヒッチ部の下端は開放される構成とするとともに、前記接続部の固定手段を備えたので、ヒッチ部の周囲に飛散する土・埃がヒッチ部内に堆積することもなく、接続部のローラの回転移動が良好に行なわれ、ロータリ耕耘装置の昇降が常にスムーズに行なわれる。また、例えば、前記昇降アクチュエータが故障した場合において、ロータリ耕耘装置を機体本体側に固定することが可能となり、ロータリ耕耘装置を上下方向に揺らす(振動させる)ことなく作業を行うことができる。
【0055】また、請求項4に記載のごとく、機体中央にミッションケースと走行輪を配置し、該ミッションケースの前後一側にロータリ耕耘装置と操作ハンドルを配し、ロータリ耕耘装置を昇降アクチュエータにより昇降可能に構成した歩行型耕耘機において、ロータリ耕耘装置上方の操作ハンドルベースに主変速レバー操作部を配置し、ロータリ耕耘装置のロータリ駆動ケースに作業レバー操作部を配置し、前記主変速レバー操作部には、主変速レバーの規制部材を設けるとともに、同規制部材と作業レバー操作部をワイヤで連結し、作業レバーの位置によるワイヤの引き代の大小より前記規制部材を操作する構成としたので、作業レバーが所定位置にセットされない限りにおいては、主変速レバーが後進位置へと入らず、走行輪の後進駆動を規制することができる。
【出願人】 【識別番号】000005164
【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社
【住所又は居所】岡山県岡山市江並428番地
【出願日】 平成14年4月18日(2002.4.18)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開2003−304701(P2003−304701A)
【公開日】 平成15年10月28日(2003.10.28)
【出願番号】 特願2002−115944(P2002−115944)