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【発明の名称】 ロータリ耕耘爪軸の取付構造
【発明者】 【氏名】島田 卓之
【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー農機株式会社内

【要約】 【課題】締結用ボルトの孔位置合わせを容易、確実に行い、無理な着脱によるガタ、締結緩み、部材の曲り、破損等を防止する。

【解決手段】駆動側フランジ4及び支持側フランジ5の内面間寸法をロータリ耕耘爪軸1の両端部に設けた軸側フランジ2,3の外面間寸法よりも所定長だけ大きく設定し、駆動側フランジ4と一方の軸側フランジ2間又は支持側フランジ5と他方の軸側フランジ3間の何れかに前記所定長に相当する厚さで略三日月形のスペーサ9を介在させてボルト8を締結した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ロータリ作業機に設けられた駆動側フランジ及び支持側フランジに、ロータリ耕耘爪軸の両端部に設けた軸側フランジをそれぞれボルト締結することにより当該ロータリ耕耘爪軸を取付けるロータリ耕耘爪軸の取付構造において、前記駆動側フランジ及び支持側フランジに前記ロータリ耕耘爪軸の端部に嵌入するインローをそれぞれ形成し、前記駆動側フランジ及び支持側フランジの内面間寸法を前記両軸側フランジの外面間寸法よりも所定長だけ大きく設定し、前記駆動側フランジと一方の軸側フランジ間又は前記支持側フランジと他方の軸側フランジ間の何れかには前記所定長に相当する厚さで略三日月形のスペーサを介在させたことを特徴とするロータリ耕耘爪軸の取付構造。
【請求項2】 ロータリ作業機に設けられた駆動側フランジ及び支持側フランジに、ロータリ耕耘爪軸の両端部に設けた軸側フランジをそれぞれボルト締結することにより当該ロータリ耕耘爪軸を取付けるロータリ耕耘爪軸の取付構造において、前記駆動側フランジ及び支持側フランジに前記ロータリ耕耘爪軸の端部に嵌入するインローをそれぞれ形成し、前記両軸側フランジ部分には前記各インローの高さ及び外径寸法に対応した形状の切欠きを軸中心から片側だけに形成したことを特徴とするロータリ耕耘爪軸の取付構造。
【請求項3】 ロータリ作業機に設けられた駆動側フランジ及び支持側フランジに、ロータリ耕耘爪軸の両端部に設けた軸側フランジをそれぞれボルト締結することにより当該ロータリ耕耘爪軸を取付けるロータリ耕耘爪軸の取付構造において、前記駆動側フランジ及び支持側フランジに前記ロータリ耕耘爪軸の端部に嵌入するインローをそれぞれ形成するとともに当該各インローの外周部に平面部を形成し、前記インローが嵌入する前記ロータリ耕耘爪軸の穴部内周面には前記インローの平面部に対応した平面部を形成したことを特徴とするロータリ耕耘爪軸の取付構造。
【請求項4】 ロータリ作業機に設けられた駆動側フランジ及び支持側フランジに、ロータリ耕耘爪軸の両端部に設けた軸側フランジをそれぞれボルト締結することにより当該ロータリ耕耘爪軸を取付けるロータリ耕耘爪軸の取付構造において、前記駆動側フランジ及び支持側フランジに前記ロータリ耕耘爪軸の端部に嵌入するインローをそれぞれ形成するとともに当該各インローの外周部に平面部を形成し、前記インローが嵌入する前記ロータリ耕耘爪軸の穴部内周面には前記インローの平面部に対応した平面部を形成し、前記両軸側フランジ部分には前記各インローの高さ及び外径寸法に対応した形状の切欠きを軸中心から片側だけに形成したことを特徴とするロータリ耕耘爪軸の取付構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トラクタに装着するロータリ作業機におけるロータリ耕耘爪軸の取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図11ないし図13は、ロータリ作業機としてのロータリ耕耘機における従来のロータリ耕耘爪軸の取付構造例を示している。トラクタの後部に装着されるロータリ耕耘機10は、トラクタで牽引されながら、そのトラクタのPTO軸(動力取出し軸)からの動力でロータリ耕耘爪軸31が回転駆動されるようになっている。図11、図12において、15はPTO軸からの動力が伝導される入力軸であり、ベベルギアボックス16の部分に設けられている。
【0003】ベベルギアボックス16の一端側には、入力スプロケット19、チェーン20、出力スプロケット21等からなるチェーン伝導機構が内装されたチェーンケース22がボルト14締結により取付けられ、ベベルギアボックス16の他端側には側板12がボルト13締結により取付けられている。
【0004】入力スプロケット19はベベルギア17のギア出力を伝導する伝導軸18に固定され、出力スプロケット21は出力スプロケット軸23に固定されている。出力スプロケット軸23は軸受24により回動自在に支持され、その他端側には適宜部材を介してフランジ33a(以下、このフランジをロータリ耕耘爪軸に対し駆動側フランジ33aと言う)が固設されている。
【0005】一方、側板12の他端にはボルト25締結により軸受26が固設され、この軸受26に回動自在に支持された軸部材27の他端にフランジ33b(以下、このフランジをロータリ耕耘爪軸に対し支持側フランジ33bと言う)が設けられている。駆動側フランジ33a及び支持側フランジ33bには、それぞれインロー34a、34bが形成されている。この駆動側フランジ33a及び支持側フランジ33bに対応して、ロータリ耕耘爪軸31の両端部には軸側フランジ32a、32bが設けられ、この両軸側フランジ32a、32bの外面間寸法Aは駆動側フランジ33a及び支持側フランジ33bの内面間寸法Bと略等しく設定されている。
【0006】そして、インロー34a、34bがロータリ耕耘爪軸31の端部にそれぞれ嵌入するとともに、駆動側フランジ33a及び支持側フランジ33bにそれぞれ軸側フランジ32a、32bがボルト8締結されて、駆動側フランジ33aと支持側フランジ33b間にロータリ耕耘爪軸31が取付けられている。ロータリ耕耘爪軸31には、所定のピッチで複数の爪座28が放射状に突設され、各爪座28にボルト29締結により耕耘爪30が固定されている。
【0007】図13の(a)、(b)は、それぞれ図12のX矢視図、Y矢視図である。インロー34a、34bの形状は円形であり、ボルト締結用の各孔11は軸中心を中心とした円周上に穿設されているが、各孔位置は円周上等分位置にはない。ロータリ耕耘爪軸31取付時のボルト締結の際は、駆動側フランジ33aと一方の軸側フランジ32a間及び支持側フランジ33bと他方の軸側フランジ32b間で上記のような形態で穿設された各孔11の位置合わせが行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来は、両軸側フランジの外面間寸法と駆動側フランジ及び支持側フランジの内面間寸法が略等しく設定されていたため、駆動側フランジと一方の軸側フランジ間及び支持側フランジと他方の軸側フランジ間に隙間がなく、駆動側フランジと支持側フランジの間にロータリ耕耘爪軸を挿入するとき、ロータリ耕耘爪軸の端部がインローを乗り越えるために側板の締結ボルトを緩めるか、側板を無理に広げる必要があった。
【0009】このため作業が面倒な上、取付け後のガタ、締結緩み、部材の曲り、破損等を招くおそれがあった。また挿入後、締結用ボルトの孔位置合わせのため、ロータリ耕耘爪軸を回動させると、一方の軸側フランジと駆動側フランジ間及び他方の軸側フランジと支持側フランジ間で連れ回りが生じ易く、各孔位置が円周上等分位置にないこととも相まって孔位置合わせが困難であった。
【0010】本発明は、上記に鑑みてなされたもので、締結用ボルトの孔位置合わせを容易、かつ確実に行うことができ、ロータリ耕耘爪軸が容易に着脱可能となるだけでなく、無理な着脱によるガタ、締結緩み、部材の曲り、破損等を防止することができるロータリ耕耘爪軸の取付構造を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、ロータリ作業機に設けられた駆動側フランジ及び支持側フランジに、ロータリ耕耘爪軸の両端部に設けた軸側フランジをそれぞれボルト締結することにより当該ロータリ耕耘爪軸を取付けるロータリ耕耘爪軸の取付構造において、前記駆動側フランジ及び支持側フランジに前記ロータリ耕耘爪軸の端部に嵌入するインローをそれぞれ形成し、前記駆動側フランジ及び支持側フランジの内面間寸法は、前記両軸側フランジの外面間寸法よりも所定長だけ大きく設定し、前記駆動側フランジと一方の軸側フランジ間又は前記支持側フランジと他方の軸側フランジ間の何れかには前記所定長に相当する厚さで略三日月形のスペーサを介在させた。
【0012】側板を固定しているボルトを緩めることなく、また側板自体を無理に広げることなく、ロータリ耕耘爪軸が駆動側フランジと支持側フランジの間に挿入される。挿入後、ロータリ耕耘爪軸をスライドさせることで、ロータリ耕耘爪軸が両インロー間に掛け止められる。この掛け止め状態でロータリ耕耘爪軸を回動調節して締結用ボルトの孔位置合わせを行う。
【0013】このとき一方の軸側フランジと駆動側フランジ間及び他方の軸側フランジと支持側フランジ間がつれ回りせず、容易に孔位置合わせが行われる。孔位置合わせ後、駆動側フランジと一方の軸側フランジ間又は支持側フランジと他方の軸側フランジ間にスペーサを挿入してボルト締結することによりロータリ耕耘爪軸が駆動側フランジと支持側フランジ間に強固に取付けられる。
【0014】請求項2記載の発明は、ロータリ作業機に設けられた駆動側フランジ及び支持側フランジに、ロータリ耕耘爪軸の両端部に設けた軸側フランジをそれぞれボルト締結することにより当該ロータリ耕耘爪軸を取付けるロータリ耕耘爪軸の取付構造において、前記駆動側フランジ及び支持側フランジに前記ロータリ耕耘爪軸の端部に嵌入するインローをそれぞれ形成し、前記両軸側フランジ部分には前記各インローの高さ及び外径寸法に対応した形状の切欠きを軸中心から片側だけに形成した。
【0015】切欠き入口を真横に向け、両インローを切欠きにそれぞれ滑り込ませることで、側板を固定しているボルトを緩めることなく、また側板自体を無理に広げることなく、ロータリ耕耘爪軸が駆動側フランジと支持側フランジの間に挿入される。挿入後、ロータリ耕耘爪軸を回動させて切欠き入口を下方に向け、ロータリ耕耘爪軸を両インロー間に掛け止めて締結用ボルトの孔位置合わせを行う。孔位置合わせ後、ボルト締結することによりロータリ耕耘爪軸が駆動側フランジと支持側フランジ間に取付けられる。
【0016】請求項3記載の発明は、ロータリ作業機に設けられた駆動側フランジ及び支持側フランジに、ロータリ耕耘爪軸の両端部に設けた軸側フランジをそれぞれボルト締結することにより当該ロータリ耕耘爪軸を取付けるロータリ耕耘爪軸の取付構造において、前記駆動側フランジ及び支持側フランジに前記ロータリ耕耘爪軸の端部に嵌入するインローをそれぞれ形成するとともに当該各インローの外周部に平面部を形成し、前記インローが嵌入する前記ロータリ耕耘爪軸の穴部内周面には前記インローの平面部に対応した平面部を形成した。
【0017】インロー側の平面部がロータリ耕耘爪軸側の平面部に一致するようにインローがロータリ耕耘爪軸の端部に嵌入されると、即時に締結用ボルトの孔位置が合致する。この後、ボルト締結することによりロータリ耕耘爪軸が駆動側フランジと支持側フランジ間に取付けられる。
【0018】請求項4記載の発明は、ロータリ作業機に設けられた駆動側フランジ及び支持側フランジに、ロータリ耕耘爪軸の両端部に設けた軸側フランジをそれぞれボルト締結することにより当該ロータリ耕耘爪軸を取付けるロータリ耕耘爪軸の取付構造において、前記駆動側フランジ及び支持側フランジに前記ロータリ耕耘爪軸の端部に嵌入するインローをそれぞれ形成するとともに当該各インローの外周部に平面部を形成し、前記インローが嵌入する前記ロータリ耕耘爪軸の穴部内周面には前記インローの平面部に対応した平面部を形成し、前記両軸側フランジ部分には前記各インローの高さ及び外径寸法に対応した形状の切欠きを軸中心から片側だけに形成した。
【0019】切欠き入口を真横に向け、両インローを切欠きにそれぞれ滑り込ませることで、側板を固定しているボルトを緩めることなく、また側板自体を無理に広げることなく、ロータリ耕耘爪軸が駆動側フランジと支持側フランジの間に挿入される。挿入後、インロー側の平面部がロータリ耕耘爪軸側の平面部に一致するようにして、締結用ボルトの孔位置合わせを行う。この後、ボルト締結することによりロータリ耕耘爪軸が駆動側フランジと支持側フランジ間に取付けられる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1ないし図3は、本発明の第1の実施の形態を示す図である。なお、図1、図2及び後述する各実施の形態を示す図において前記図11〜図13における構成要素と同一ないし均等のものは、前記と同一符号を以って示し、重複した説明を省略する。本実施の形態では、図1に示すように、駆動側フランジ4及び支持側フランジ5の内面間寸法Bが両軸側フランジ2、3の外面間寸法Aよりも所定長だけ大きく、即ちA<Bに設定されている。このような寸法関係に設定すると、図2の例で示すように、締結用ボルト8の孔位置合わせ後、駆動側フランジ4と一方の軸側フランジ2間に上記所定長に相当する隙間ができるので、この隙間に図3に示すような所定長に相当する厚さで略三日月形のスペーサ9を介在させてボルト8締結を行うようになっている。
【0021】ロータリ耕耘爪軸1の取付けの際は、図1に示すように、先にインロー6側をロータリ耕耘爪軸1の一端側に嵌入させるようにすると、インロー7と他方の軸側フランジ3間に隙間ができる。隙間ができる結果、側板12を固定しているボルトを緩めることなく、また側板12自体を無理に広げることなく、ロータリ耕耘爪軸1を駆動側フランジ4と支持側フランジ5間に容易に挿入することができる。
【0022】挿入後、図2に示すように、ロータリ耕耘爪軸1を軸中心に沿って僅かにスライドさせてロータリ耕耘爪軸1の他端側をインロー7に掛けると、ロータリ耕耘爪軸1が両インロー6、7間に掛け止められ、また一方の軸側フランジ2と駆動側フランジ4間に隙間ができる。この掛け止め状態でロータリ耕耘爪軸1を回動調節して締結用ボルト8の孔位置合わせを行う。
【0023】このとき一方の軸側フランジ2と駆動側フランジ4間及び他方の軸側フランジ3と支持側フランジ5間でつれ回りが発生せず、容易に孔位置合わせを行うことができる。孔位置合わせ後、一方の軸側フランジ2と駆動側フランジ4間の隙間にスペーサ9を挿入する。スペーサ9を三日月形状にすることで、ボルト8の孔位置合わせ後、一方の軸側フランジ2と駆動側フランジ4間に容易に挿入することができる。スペーサ9の挿入後、各ボルト8を締結することによりロータリ耕耘爪軸1が駆動側フランジ4と支持側フランジ5間に強固に取付けられる。
【0024】本実施の形態によれば、ロータリ耕耘爪軸1を駆動側フランジ4と支持側フランジ5の間に無理なく挿入することができ、挿入後のロータリ耕耘爪軸1の回動調節の際は、フランジ2と4、3と5間でつれ回りを生じさせることがないので、締結用ボルト8の孔位置合わせを容易に行うことができ、また無理な取付けによる取付け後のガタ、締結緩み、部材の曲り、破損等を防止することができる。
【0025】図4の(a)、(b)、(c)には、本発明の第2の実施の形態を示す。本実施の形態では、両軸側フランジ2、3の部分に、各インロー6、7の高さ及び外径寸法に対応した形状の切欠き2b、3bが軸中心から片側だけに形成されている。ロータリ耕耘爪軸1の取付けの際は、図4の(a)、(c)に示すように、両切欠き2b、3bの入口を真横に向けておき、両インロー6、7を切欠き2b、3bの入口からそれぞれ滑り込ませる。これにより側板を固定しているボルトを緩めることなく、また側板自体を無理に広げることなく、ロータリ耕耘爪軸1を駆動側フランジ4と支持側フランジ5の間に挿入することができる。
【0026】両インロー6、7が両軸側フランジ2、3の中心孔位置に達するまで挿入したら、ロータリ耕耘爪軸1を軸回りに回動させて切欠き2b、3bの入口が真下に向くようにする。これによりロータリ耕耘爪軸1は両インロー6、7により支持されて外れない。この状態で締結用ボルト8の孔位置合わせを行う。
【0027】孔位置合わせ後、各ボルトを締結することによりロータリ耕耘爪軸1が駆動側フランジ4と支持側フランジ5間に取付けられる。
【0028】本実施の形態によれば、ロータリ耕耘爪軸1を駆動側フランジ4と支持側フランジ5の間に無理なく挿入することができて、無理な取付けによる取付け後のガタ、締結緩み、部材の曲り、破損等を防止することができる。
【0029】図5の(a)、(b)には、本発明の第3の実施の形態を示す。本実施の形態では、各インロー6、7の外周部に平面部6a、7a(図5(b)にはインロー7側の平面部7aのみを示す)が形成され、各インロー6、7が嵌入するロータリ耕耘爪軸1両端部の穴部内周面にはインロー6、7の平面部6a、7aに対応した平面部2a、3a(図5(a)には平面部3aのみを示す)が形成されている。
【0030】ロータリ耕耘爪軸1の取付けの際、各インロー6、7側の平面部6a、7aがロータリ耕耘爪軸1側の平面部2a、3aに一致するように各インロー6、7がロータリ耕耘爪軸1の各端部に嵌入すると、即時に締結用ボルトの孔位置が合致する。この後、各ボルトを締結することによりロータリ耕耘爪軸1が駆動側フランジ4と支持側フランジ5間に取付けられる。
【0031】本実施の形態によれば、ロータリ耕耘爪軸1両端部への各インロー6、7の嵌入で、即時に締結用ボルトの孔位置が合致するので、締結用ボルトの孔位置合わせを容易、かつ確実に行うことができる。
【0032】図6の(a)、(b)、(c)には、本発明の第4の実施の形態を示す。本実施の形態では、各インロー6、7の外周部に平面部6a、7a(図6(c)にはインロー7側の平面部7aのみを示す)が形成され、各インロー6、7が嵌入するロータリ耕耘爪軸1両端部の穴部内周面にはインロー6、7の平面部6a、7aに対応した平面部2a、3a(図6(b)には平面部3aのみを示す)が形成されている。
【0033】また両軸側フランジ2、3の部分には各インロー6、7の高さ及び外径寸法に対応した形状の切欠き2b、3b(図6(b)には切欠き3bのみを示す)が軸中心から片側だけに形成されている。図6(b)に示すように、ロータリ耕耘爪軸1両端部の穴部内周面に形成された平面部3a及びインローの平面部7aは、穴中心から平面部3a、7aまでの距離をn、穴部の半径をmとすると、n≠mに設定され、これに対応して、軸側フランジ3の切欠き3bは、切欠き幅がn+mで、かつ図6(b)に図示の切欠き上面と平面部3aとは面一になるように形成されている。
【0034】ロータリ耕耘爪軸1の取付けの際は、両切欠き2b、3bの入口を真横に向けておき、両インロー6、7を切欠き2b、3bの入口からそれぞれ滑り込ませる。これにより側板を固定しているボルトを緩めることなく、また側板自体を無理に広げることなく、ロータリ耕耘爪軸1を駆動側フランジ4と支持側フランジ5の間に挿入することができる。
【0035】両インロー6、7が両軸側フランジ2、3の中心孔位置に達すると、インロー側6、7の平面部6a、7aとロータリ耕耘爪軸1側の平面部2a、3aとが一致するので、即時に締結用ボルトの孔位置が合致する。このように、ロータリ耕耘爪軸1を駆動側フランジ4と支持側フランジ5間に挿入するだけで、無理なく、かつ自動的に締結用ボルトの孔位置を合わせることができる。この後、ボルト締結することによりロータリ耕耘爪軸1が駆動側フランジ4と支持側フランジ5間に取付けられる。
【0036】本実施の形態によれば、ロータリ耕耘爪軸1を駆動側フランジ4と支持側フランジ5の間に無理なく挿入することができ、挿入後は即時に締結用ボルトの孔位置が合致するので、締結用ボルトの孔位置合わせを容易、かつ確実に行うことができ、また無理な取付けによる取付け後のガタ、締結緩み、部材の曲り、破損等を防止することができる。
【0037】図7の(a)、(b)、図8には、本発明の第5の実施の形態を示す。本実施の形態は、ロータリ耕耘爪取付ボルト29の摩耗を防止するための保護カバー35に関する。耕耘爪取付ボルト29は爪曲り内側より爪曲り外側の方が摩耗し易い。そこで従来は爪曲り外側のボルト頭を爪座28に埋め込んで保護していた。しかし内盛耕、外盛耕をする場合、同じ爪座28に平面耕の場合と反対の曲りの耕耘爪30を締結することになるので、その場合、耕耘爪30の曲りの外側にボルト頭が出ることになり摩耗し易くなっていた。
【0038】そこで、本実施の形態では、図7に示すように、内盛耕、外盛耕をする場合、爪曲り外側に耕耘爪取付ボルト29と共締めで保護カバー35を取付けることにより耕耘爪取付ボルト29の摩耗防止を可能にしている。この保護カバー35は溶接等により固定されておらず、耕耘爪取付ボルト29により締結されているので必要な爪座28のみに取付けることができる。また平面耕をするなど、保護カバー35が不要となった場合は取り外すことができる【0039】ところで保護カバー35は耕耘爪取付ボルト29と共締めするため、締結軸力が低下し、保護カバー35が緩むだけでなく耕耘中に耕耘爪取付ボルト29が脱落し、耕耘爪30が外れてしまうおそれがある。そこで、図8に示すように、保護カバー35のボルト孔部をナット側にかえり35aを付けた形状にし、かつ材質にバネ鋼を使用することにより締結軸力の低下を防ぐことができる。加えて、これによりバネ座金の役割を果たすので別途のバネ座金が不要となる。
【0040】図9の(a)、(b)には、本発明の第6の実施の形態を示す。本実施の形態は、フロントカバー36の取付方法に関し、フロントカバー36とステー37の間に緩衝剤38を挟んでボルト締めするようにしたものである。従来のフロントカバー36の取付方法としては、図14に示すように、フロントカバー36をステー37に直接ボルト締結していた。この取付方法では、ボルト締結部の応力集中、ロータリ耕耘時の土塊衝突による衝撃及びフロントカバー36の自励振動によるフロントカバー36の亀裂、破断を招くおそれがあった。
【0041】そこで、本実施の形態では、図9に示すように、フロントカバー36を取付けるステー37とフロントカバー36の間に、ステー37とフロントカバー36が接触する面積形状をした緩衝剤38を挟み、ボルトによりフロントカバー36を固定している。緩衝剤38としてはゴムを用いている。これによりボルト締付け力による応力集中を軽減することができ、ロータリ耕耘時のフロントカバー36裏面への土塊衝突による衝撃力のステー37への伝播を低減し、ステー37の破損を防止することができる。
【0042】またステー37からの振動伝播を低減し、フロントカバー36の自励振動を抑えることにより、特にステー37との境界の応力集中部付近からの亀裂、破断を防止することができる。
【0043】さらに従来はフロントカバー36の亀裂、破断防止のためフロントカバー36板厚をアップすることが行われていたが、これでは重量が増加するだけでなく、それを支えるステー37、ボルトサイズも変更する必要があった。しかし本実施の形態によると重量アップもなく、したがってステー37、ボルトサイズも変更する必要がなくなる。
【0044】図10には、本発明の第7の実施の形態を示す。本実施の形態は、ロータリ作業機10の土飛散防止構造に関する。従来は、図15に示すように、ロータリ耕耘部左右側後方からの土飛散を防止するサイドカバー39はロータリの姿勢に関わらず固定もしくは調整可動域が限られていた。 このため、ロータリの姿勢によっては左右側後方に隙間が生じ、完全に土飛散を防止できなかった。そのため耕耘後の見栄えが悪いだけでなく、その後の作業がしにくくなっていた。
【0045】そこで、本実施の形態では、図10に示すように、サイドカバー39の下底部に孔を開けてサイドカバー39の内側あるいは外側に土飛散防止板40をボルト41により装着している。土飛散防止板40には1個の丸孔と1個の扇状の長孔42があり、この孔と前述のサイドカバー39下底部の2箇所の孔をボルト41により固定する。扇状の長孔42であるため丸孔を回動中心としてサイドカバー39を上下方向に延長する方法で土飛散防止板40の位置調節が可能である。
【0046】本実施の形態のサイドカバー39を使用する状況を説明する。耕深の違い、トラクタのタイヤ沈下、作業等により、ロータリの姿勢が変わることにより、図15の斜線部隙間が大きくなり、側後方への土飛散が生じる場合がある。従来のサイドカバー39は固定式あるいは可動式でも可動域に限りがあるため上記の状況で完全に土飛散を防止することができなかった。
【0047】これに対し、本実施の形態では、ロータリ姿勢が任意であっても、前述の長孔42の効果により、土飛散防止板40を任意の位置に調節することができ、図10中、e位置のように隙間を最大限塞ぐことができる。また土飛散防止板40が不要なときは、図10中、f位置のように土飛散防止板40をサイドカバー39に完全に重ねる位置で固定することによりサイドカバー39内に収納が可能となる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、側板を固定しているボルトを緩めることなく、また側板自体を無理に広げることなく、ロータリ耕耘爪軸を駆動側フランジと支持側フランジの間に挿入することができ、挿入後のロータリ耕耘爪軸の回動調節の際は、一方の軸側フランジと駆動側フランジ間及び他方の軸側フランジと支持側フランジ間でつれ回りを生じさせることがないので、締結用ボルトの孔位置合わせを容易に行うことができ、ロータリ耕耘爪軸が容易に着脱可能となるだけでなく、無理な着脱によるガタ、締結緩み、部材の曲り、破損等を防止することができる。
【0049】請求項2記載の発明によれば、インローを切欠きにそれぞれ滑り込ませることで、側板を固定しているボルトを緩めることなく、また側板自体を無理に広げることなく、ロータリ耕耘爪軸を駆動側フランジと支持側フランジの間に挿入することができて、ロータリ耕耘爪軸が容易に着脱可能となるだけでなく、無理な着脱によるガタ、締結緩み、部材の曲り、破損等を防止することができる。
【0050】請求項3記載の発明によれば、インロー側の平面部がロータリ耕耘爪軸側の平面部に一致するようにインローがロータリ耕耘爪軸の端部に嵌入されると、即時に締結用ボルトの孔位置が合致するので、締結用ボルトの孔位置合わせを容易、かつ確実に行うことができる。
【0051】請求項4記載の発明によれば、インローを切欠きにそれぞれ滑り込ませることで、側板を固定しているボルトを緩めることなく、また側板自体を無理に広げることなく、ロータリ耕耘爪軸を駆動側フランジと支持側フランジの間に挿入することができ、挿入後、インロー側の平面部がロータリ耕耘爪軸側の平面部に一致すると、即時に締結用ボルトの孔位置が合致するので、締結用ボルトの孔位置合わせを容易、かつ確実に行うことができ、ロータリ耕耘爪軸が容易に着脱可能となるだけでなく、無理な着脱によるガタ、締結緩み、部材の曲り、破損等を防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号
【出願日】 平成14年3月11日(2002.3.11)
【代理人】 【識別番号】100090893
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 敏
【公開番号】 特開2003−259701(P2003−259701A)
【公開日】 平成15年9月16日(2003.9.16)
【出願番号】 特願2002−65082(P2002−65082)