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【発明の名称】 作業機連結装置及び走行作業車
【発明者】 【氏名】北村 祐二
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】東城 正司
【住所又は居所】長野県小県郡丸子町大字塩川5155番地 松山株式会社内

【要約】 【課題】左右方向の傾斜地での作業でトラクタと作業機との間にねじれが作用しないようにする。

【解決手段】作業機が着脱自在に装着される連結枠4を備え、該連結枠4に、走行車両に設けられた左右の連結部に対する左右の被連結部37を設け、この左右の被連結部37の少なくとも一方を上下動自在に設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 作業機(5)が着脱自在に装着される連結枠(4)を備え、該連結枠(4)に、走行車両(2)に設けられた左右の連結部(12)に対する左右の被連結部(37)を設けている作業機連結装置において、左右の被連結部(37)の少なくとも一方が上下動自在に設けられていることを特徴とする作業機連結装置。
【請求項2】 前記被連結部(37)が横軸(45)回りに上下揺動自在に設けられ、この上下揺動を所定位置で規制するストッパ(47)が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の作業機連結装置。
【請求項3】 左右片側の被連結部(37)のみが上下動自在に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の作業機連結装置。
【請求項4】 装着装置(3)を備えた走行車両(2)と、前記装着装置(3)に連結される連結枠(4)と、この連結枠(4)に着脱自在に装着される作業機(5)とを備え、前記走行車両(2)と作業機(5)との間に、両者の相対的な左右方向の傾斜を吸収するねじれ吸収部を備えていることを特徴とする走行作業車。
【請求項5】 前記ねじれ吸収部が装着装置(3)と連結枠(4)との連結部位に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の走行作業車。
【請求項6】 前記装着装置(3)に備えられた左右の連結部(12)に対する左右の被連結部(37)が連結枠(4)に設けられ、この左右の被連結部(37)の一方がねじれ吸収部を構成していることを特徴とする請求項5に記載の走行作業車。
【請求項7】 前記装着装置(3)に備えられた左右の連結部(12)に対する左右の被連結部(37)が連結枠(4)に設けられ、この左右の被連結部(37)の双方がねじれ吸収部を構成していることを特徴とする請求項5に記載の走行作業車。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フレールモアやロータリモア等の草刈機、ライムソワーやブロードキャスター等の施肥作業機など、車輪等により地面を追従しながら作業を行う各種作業機をトラクタ等の走行車両に連結するための作業機連結装置、並びに上記各種作業機を装着した走行作業車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トラクタ後部の3点リンク装置にこれを定型化する連結枠(連結装置)を取り付け、この連結枠に各種作業機を着脱自在に装着することにより走行作業車を構成したものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の作業機が左右の車輪等によって地面に追従して走行しながら作業を行うものである場合、左右方向の傾斜地や軟弱地等での作業では、地面の起伏によりトラクタと作業機との間に相対的な傾斜が生じることがあり、これによって作業機の左右片側が地面から浮き上がったり、3点リンクや連結枠に無理な力(ねじれ)がかかって破損の原因になるという問題がある。本発明は、かかる問題を解決することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を講じている。すなわち、本発明は、作業機が着脱自在に装着される連結枠を備え、該連結枠に、走行車両に設けられた左右の連結部に対する左右の被連結部を設けている作業機連結装置において、左右の被連結部の少なくとも一方が上下動自在に設けられていることを特徴としている。
【0005】かかる構成によって、走行車両側と作業機側との間に左右方向の傾斜が生じた場合であっても連結部が上下動することによってねじれを吸収でき、作業機の片側が浮き上がったり、連結枠等に無理な負荷をかけることを防止できる。前記被連結部は、横軸周りに上下揺動自在に設けられ、この上下揺動を所定位置で規制するストッパが備えられていることが好ましい。これによって被連結部を上下動する構成を容易に実現でき、また、ストッパを備えることで走行装置と連結枠とを連結する際、又は連結枠と作業機とを連結する際に、被連結部が不必要に上下動してしまうようなことを防止できる。
【0006】上記構成において、左右両方の被連結部を上下動自在に設けてもよいが、左右片側の被連結部のみを上下動自在に設けることがより好ましい。左右片側の被連結部を上下動自在とすれば、走行車両と作業機との相対的な左右傾斜を十分吸収できるし、上下動自在とする機構を片側のみに設ければよいので、コストアップを極力抑えることができるからである。本発明にかかる走行作業車は、装着装置を備えた走行車両と、前記装着装置に連結される連結枠と、この連結枠に着脱自在に装着される作業機とを備え、前記走行車両と作業機との間に、両者の相対的な左右方向の傾斜を吸収するねじれ吸収部を備えていることを特徴としている。これによって、作業機の左右片側が浮き上がったり、装着装置や連結枠に無理な力がかかったりするようなことが防止される。
【0007】前記ねじれ吸収部は、装着装置と連結枠との連結部位に設けるのが好ましく、この場合、装着装置に備えられた左右の連結部に対する左右の被連結部が連結枠に設けられ、この左右の被連結部の一方又は双方がねじれ吸収部を構成していることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図3には、本発明の実施形態にかかる走行作業車1を示しており、トラクタで例示する走行車両2の後部に装着装置3を介して連結枠4を取り付け、この連結枠4に対して作業機5を装着したものとなっている。トラクタ2の後部には、前記装着装置3を構成する3点リンク装置が備えられ、この3点リンク装置は、トップリンク7と左右のロワーリンク8の前端をトラクタ2の車体に上下揺動自在に枢支するとともに、ロワーリンク8の中途部をリフトロッド9を介してリフトアーム10に連結することにより構成され、このリフトアーム10を油圧により上下に揺動することで、3点リンク装置3に装着した作業機s5を上下昇降自在である。
【0009】また、トップリンク7の後端部は連結枠4に対する上連結部11を構成し、ロワーリンク8の後端部が連結枠4に対する下連結部12(本発明にかかる連結部)を構成している。本実施形態にかかる前記作業機5はフレールモアとされており、左右中央にギヤケース14Aを有する主フレーム14に左右方向の回動軸15を架設し、該回動軸15の周囲に複数の刈刃を設け、主フレーム14から後部に延設した取付フレーム16に左右の接地輪17を上下位置調整自在に備えたものとなっている。
【0010】そして、トラクタ2後部のPTO軸18からの動力が伝動軸19を介してギヤケース14Aに入力され、さらに主フレーム14内の伝動機構から回動軸15に伝達されるようになっており、左右の接地輪17にて地面に追従して走行しながら刈刃の回転により雑草や作物の残渣等を刈取るものとなっている。上記伝動軸19は、長手方向に伸縮自在で両端部にユニバーサルジョイントを有している。また、主フレーム14の上部には前方に突出する左右一対のアーム20が設けられ、角アーム20に左右方向のピンよりなる下係止部21が設けられ、ギヤケース14Aの上部に突設したトップマスト22の先端部には左右方向のピンよりなる上係止部23が設けられている。
【0011】上記連結枠4は、オートヒッチ又はクイックカプラと呼称されるもので、角パイプ等で背面視A字形状に形成された主枠25を有し、この主枠25の中央上部に上部体26を固着し、左右両側下部に下部体27を設け、主枠25の左右中途部を上補強材28で繋ぎ、左右下部体27を下補強材29で繋ぎ、上下補強材28,29を左右中途部に位置する左右一対の縦補強板30で繋いで構成している。左右縦補強板30の間にはホルダ31が設けられ、このホルダ31には前記伝動軸19後端のヨークが支持されている。
【0012】上部体26は鶏冠形状に形成され、前上部にピンを貫通してトップリンクの上連結部11と連結される上被連結部35を構成しており、後部には、作業機5の上係止部23を係合する上係合部36が形成されている。下部体27の前部側には、内側方へピン37を突設してロワーリンク8の下連結部12と連結される下被連結部37(本発明にかかる被連結部)を形成しており、下部体27の後部側には後方に開放する凹状の下係合部38を形成しており、この下係合部38は作業機5の下係止部21が係脱自在に係合されるものである。
【0013】下部体27には、図1にも示すように横軸39を介してロック部材40が回動可能に支持されており、このロック部材40の後部は下係合部38に係合した下係止部21に係合可能であり、係合することにより下係合部38から下係止部21が離脱するのを阻止する。ロック部材40は、コイルバネによって下係止部21に係合する方向に付勢されており、その前部はリンク41やアーム42等を介して操作レバー43に連結され(図2参照)、この操作レバー43の揺動によってロック部材40を揺動操作するようになっている。
【0014】上記連結枠4に対して作業機5を装着する場合、連結枠4を予め3点リンク装置3に装着してトップリンク7及びロワーリンク8を定型化し、ロック部材40はロック解除状態としておく。そして、まず上係合部36を上係止部23に係合し、この状態で連結枠4を上昇することにより作業機5をつり上げて作業機5の下部が前側に揺動するようにし、下係止部21を下係合部38に係合させる。その後、ロック部材40をロック状態にする。また、下係止部21が下係合部38に係合するのとほぼ同時にギヤケース14AのPIC軸がホルダに支持された伝動軸19の端部(ヨーク)に接続される。
【0015】左右下被連結部37のうち、一方は、下部体27に横軸45回りに上下揺動自在に一端が枢支された可動板46の他端部に設けられており、かかる下被連結部37がトラクタ2と作業機5との相対的な左右傾斜によるねじれを吸収するねじれ吸収部を構成している。すなわち、左右方向の傾斜地や軟弱地等で作業を行う場合に、地面の起伏によりトラクタ2と作業機5との間で相対的な傾斜変化が生じたとしても、上記下被連結部が上下に揺動することによりねじれを吸収することができるようになり、作業機5の片輪17が浮き上がったり、3点リンク装置3や連結枠4に無理な負荷がかかるようなことを防止している。
【0016】なお、下部体27には、可動板46の下方揺動限界を設定する規制部材44が設けられており、図示はしていないが上方揺動限界を設定する規制部材を設けてもよい。上記可動板46には、これと下部体27とを貫通するピン(ストッパ)47が着脱自在に取り付けられるようになっており、このピン47を取り付けることによって可動板46の上下揺動が規制されるようになっている。上下連結部11,12と上下被連結部35,37との連結の際、又は上下係合部36,38と上下係止部23,21との係合の際に、上記ピン47により可動板46(下被連結部37)の上下動を規制することで、これらの連結に支障がないようにしている。
【0017】なお、左右双方の下被連結部37を上下動自在としてねじれ吸収部とすることも可能であるが、左右片側でもトラクタ2と作業機5との相対的な傾斜は吸収可能であるため、コスト減、構造簡素化の観点から左右片側に設けるのが好ましい。図4は、本発明の第2実施形態を示すものである。本実施形態では、下被連結部37を構成するピンが下部体27に形成した上下方向の長孔49に上下に移動自在(スライド)に挿通されたものとなっている。また、ピン37はバネ等の弾支手段50によって弾性的に中立位置に保持されるようになっており、トラクタ2と作業機5との間の相対的な左右傾斜は、ピン37の上下移動によって吸収されるようになっている。
【0018】他の構成については上記第1実施形態と略同様である。本発明は上記実施形態に限ることなく適宜設計変更可能である。例えば、ロワーリンク8側の左右連結部12の一方又は両方を、横軸を介してロワーリンク8後部に枢支して上下動自在に構成することによりねじれ吸収部としてもよいし、連結枠4の下係合部38又は作業機の下係止部21を同様の方法で上下動自在に構成することによりねじれ吸収部としてもよい。ただし、前者の場合は、連結枠4を取り外して耕耘機等の他の作業機を直接3点リンク装置に装着する場合に装着し難くなるため、上記実施形態の如く連結枠4の下被連結部37をねじれ吸収部として構成するのが好ましい。
【0019】作業機5は、上記実施形態に限定されるものではなく、特に地面に追従して進行する作業機であればよい。
【0020】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、走行車両と作業機との相対的な左右傾斜によるねじれを好適に吸収でき、作業機の左右片側が浮き上がったりねじれによって無理な負荷がかかるようなことを防止できる。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
【識別番号】000188009
【氏名又は名称】松山株式会社
【住所又は居所】長野県小県郡丸子町大字塩川5155番地
【出願日】 平成14年3月5日(2002.3.5)
【代理人】 【識別番号】100061745
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄
【公開番号】 特開2003−250304(P2003−250304A)
【公開日】 平成15年9月9日(2003.9.9)
【出願番号】 特願2002−59300(P2002−59300)