| 【発明の名称】 |
トラクタの耕深制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】前沢 明彦 【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー農機株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】従来のロータリ耕耘装置のリヤカバーの回動をフィードバックしてコントロールバルブに入力して昇降制御を行なう構成では、凹凸のある圃場での耕耘作業では波打ち現象が生じていた。
【解決手段】トラクタ1の後部に油圧アクチュエータにより昇降可能な作業機装着装置13を介してロータリ耕耘装置15を装着し、該ロータリ耕耘装置の耕深を制御するコントロールバルブ50において、耕深制御作業時における作業機上昇開始時に、前記油圧アクチュエータへの圧油供給量を小流量とするようにコントロールバルブ50のスプール61aに絞り61bを設けた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 トラクタの後部に油圧アクチュエータにより昇降可能な作業機装着装置を介してロータリ耕耘装置を装着し、該ロータリ耕耘装置の耕深を制御するコントロールバルブにおいて、耕深制御作業時における作業機上昇開始時に、前記油圧アクチュエータへの圧油供給量を小流量とする区間を有するようにコントロールバルブを制御したことを特徴とするトラクタの耕深制御装置。 【請求項2】 前記圧油供給流量を小流量とする絞りを、コントロールバルブのスプールに設けたことを特徴とする請求項1記載のトラクタの耕深制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、トラクタの後部にロータリ耕耘装置を装着し、該ロータリ耕耘装置の後部に備えるリヤカバーを耕深センサーとして利用して耕深制御を行なうコントロールバルブの流量制御に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から、トラクタの後部のミッションケース上に油圧ケースと油圧制御バルブ(コントロールバルブ)を配置し、該油圧ケース内に油圧アクチュエータとなる油圧リフトシリンダを収納し、該リフトシリンダによりリフトアームを回動可能とし、トラクタの後部に配置した作業機装着装置にロータリ耕耘装置等の作業機を装着し、前記リフトアームの回動により作業機を昇降可能としている。そして、リフトアームの回動と、ロータリ耕耘装置に配置したリヤカバーの回動がコントロールバルブにフィードバックされて、運転部に設けた耕深設定手段(耕深レバー等)により設定した耕深に制御するようにしていた。例えば、特開平3−22902号公報に記載の技術の如くである。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし従来の技術において、耕深制御を行なう場合、耕耘カバーの後部に上下回動自在に設けたリヤカバーを耕深センサーとして利用し、該リヤカバーの上下回動をワイヤーやリンク等を介してコントロールバルブにフィードバックしている。この耕深制御時において、耕深設定レバーで設定した設定値よりも深い耕耘となった場合、ワイヤー等を介してスプールが摺動されてコントロールバルブは上昇するように切り換えられる。このコントロールバルブの切り換えによりリフトシリンダが伸長するように圧油が送油され、この吐出流量特性は、図8に示すように、作業機上昇開始時(圧油供給初期)にはスプールのストロークに対して直線的に急激に上昇して、完全に切り換わった位置で設定した吐出流量となるようにしている。よって、土壌表面に凹凸が多く急激な変化が生じた場合や、周期的な入力があった場合、少しの変化で吐出流量が大きく変わるため、耕耘後の表面が均平にならず波打ちが発生していた。そこで、本発明は作業機上昇開始時の流量を抑えてゆっくり上昇させ、そのご従来と略同様に速やかに上昇させ、波打ち現象が発生せずきれいな仕上がりとなるようにしようとする。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、以上のような課題を解決するために、次のような手段を用いる。即ち、請求項1においては、トラクタの後部に油圧アクチュエータにより昇降可能な作業機装着装置を介してロータリ耕耘装置を装着し、該ロータリ耕耘装置の耕深を制御するコントロールバルブにおいて、耕深制御作業時における作業機上昇開始時に、前記油圧アクチュエータへの圧油供給量を小流量とする区間を有するようにコントロールバルブを制御したものである。 【0005】また、請求項2に記載の如く、前記圧油供給流量を小流量とする絞りを、コントロールバルブのスプールに設けたものである。 【0006】 【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を説明する。図1はロータリ耕耘装置を装着したトラクタの側面図、図2はコントロールバルブとリヤカバーとの間の連結機構を示す図、図3は耕深調節リンクの動きを示す図、図4はコントロールバルブの断面図、図5は昇降制御にかかる油圧回路図、図6は本発明の絞り部分の拡大断面図、図7は本発明のスプールのストロークと油量の関係を示す図、図8は従来のスプールのストロークと油量の関係を示す図である。 【0007】図1において、トラクタ1は前部に前輪2、後部に後輪3を支承して、エンジンフレーム上のボンネット4内にエンジン5を収納し、該ボンネット4後部のダッシュボード23上にステアリングハンドル6を配置し、該ステアリングハンドル6の後方のミッションケース11上に油圧ケース10が載置され、該油圧ケース10上方に座席シート7が配置されている。該座席シート7の側部に主変速レバー14やポジションレバーや耕深設定手段となる耕深設定レバー12等が配設されている。 【0008】前記ミッションケース11の後方には作業機装着装置13を介してロータリ耕耘装置15が装着されている。該作業機装着装置13は前記ミッションケース11の後面に取り付けられたトップリンクブラケットに枢結されるトップリンク20と、ミッションケース11またはリヤアクスルハウジングの両側に枢結されるロアリンク21・21からなり、該ロアリンク21・21の前後中途部には前記油圧ケース10より後方に突出されたリフトアーム19・19の先端に枢結されたリフトロッド22・22の下端が枢結され、前記トップリンク20とロアリンク21・21の後部にロータリ耕耘装置15が連結され、前記リフトアーム19を回動することによりロータリ耕耘装置15を昇降できるようにしている。なお、前記左右のリフトロッド22のうち一方は油圧シリンダにより構成されて、該油圧シリンダを作動させることにより作業機の傾斜制御を可能としている。 【0009】前記ロータリ耕耘装置15は、前記ミッションケース11の後面より後方に突出したPTO軸よりユニバーサルジョイント等を介してロータリー耕耘装置15のギアケースに動力を伝え、該ギアケースよりメインビーム内の伝動軸や側部に配置したチェーンケース26のチェーン伝動機構を介して、該チェーンケース26下部と左右反対側の側板下部との間に横架した耕耘爪軸27(図2)に動力を伝えて、該耕耘爪軸27上に固定した耕耘爪29・29・・・を回転できるようにしている。 【0010】そして、図1〜図3に示すように、前記耕耘爪29・29・・・の先端の回転軌跡の上方及び上後方を覆うように耕耘カバー30を配設し、該耕耘カバー30の後端にはリヤカバー33の前端を枢支している。該リヤカバー33にはステー34を介してセンサーロッド35の一端に枢支され、該センサーロッド35の他側は耕耘カバー30上に突設した支持フレーム36に摺動自在に支持され、該センサーロッド35の先端にはフィードバックワイヤー37の一端が接続されている。該フィードバックワイヤー37の他端はアーム39、連結ロッド40、アーム41と連結され、該アーム41の基部は軸42に固設され、該軸42にはアーム43が突設され、該アーム43より突設したピン44が耕深調節リンク45の一端より突設したピン46に当接して配置されている。 【0011】前記耕深調節リンク45の中途部は枢支ピン47を介してコントロールバルブ50のスプールに連設した連動杆49の先端に枢支され、耕深調節リンク45の他端にはピン51を突設して、前記耕深設定レバー12の回動基部に連設したアームより突出ピン52と当接可能に配設されている。また、前記枢支ピン47にはポジションコントロールリンク53の中途部が枢支され、該ポジションコントロールリンク53の一端にはポジションコントロールレバーに連設したアームに当接可能なピンが突出され、他端にはリフトアーム19からフィードバックされるリンク部が当接するピンが突出されている。 【0012】このようにして、耕深設定レバー12を回動して設定した位置とリヤカバーの回動位置とが釣り合った位置で連動杆49が停止し、該連動杆49より後述するコントロールバルブが切り換えられて、ロータリ耕耘装置15の耕深が設定深さになるように制御される。また、ポジションレバーを回動することにより、作業機の高さを設定することができ、ポジションレバーで設定した高さまでリフトアームが回動するとその位置でコントロールバルブ50が中立となるようにしている。なお、ポジションレバーを最下降位置に設定すると、ポジションコントロールリンク53のピンはポジションレバーに連結されるピンと当接することなく、耕深調節リンク45のピン51が耕深設定レバー12に連結されるピン52と当接して耕深制御が可能となる。 【0013】前記コントロールバルブ50は図4、図5に示すように、バルブケース60内にはメイン切換バルブ61とサブ切換バルブ62とチェック弁63と切換弁64・65等が収納されて、メイン切換バルブ61とサブ切換バルブ62のスプール61a・62aはバルブケース60に平行に挿入されて、各スプール61a・62aの一端部はバルブケース60より突出して、スプール61aの先端には連結板66が固定され、スプール62aは連結板66に摺動可能に挿入してナットにより抜け止めされて、該連結板66の中途部が前記連動杆49の先端ま当接している。前記メイン切換バルブ61のスプール61aの軸心部の内部には前記切換弁65が収納されている。 【0014】このような構成において、図5より油圧回路を説明する。耕深設定レバー12による耕深設定位置とロータリ耕耘装置15のリヤカバー33からのフィードバック値が一致していると、コントロールバルブ50は中立位置となる。この時、エンジン4により駆動される油圧ポンプ70からの圧油が、フローデバイダー71により分流されて、昇降制御用油圧回路と傾斜制御用油圧回路に送油される。傾斜制御用油圧回路には電磁バルブ69とチェックバルブ等が配設され、本体または作業機に傾斜センサーを配置して、設定角度となるように、電磁バルブ69を切り換えて、傾斜シリンダ55を駆動する構成としている。また、昇降制御用油圧回路側の圧油はフローデバイダー71よりポンプポート67を介して切換弁64よりタンク(ミッションケース11)ヘドレンされ、油圧ケース10内の油圧リフトシリンダ72へは圧油は送油されない。 【0015】そして、耕深が深くなった場合、リヤカバー33が持ち上げられてフィードバックワイヤー37が引かれ、アーム39等を介して連動杆49が押されて、ロータリ耕耘装置15を上昇させるように、スプール61aが摺動される。このとき、スプール62aは連結板66が移動するのみで摺動されない。そして、スプール61aの摺動によりメインバルブ61が切り換えられて、ポンプポート67からの圧油は、メイン切換バルブ61よりパイロット油路73を介して切換弁64のスプールの背室に送油されて、切換弁64を閉じるように切り換えて、ドレンされなくなる。よって、油圧ポジション70からの圧油はチェック弁63、シリンダポート68、油圧ケース60内のチェック弁を介して油圧シリンダ72に送油されて、油圧シリンダ72を伸長させて、ロータリ耕耘装置15を持ち上げる。この上昇によって設定深さになると、フィードバックワイヤー37が戻されてメイン切換バルブ61が中立位置に戻される。 【0016】前記と逆に、耕深が設定深さよりも浅くなったときには、連動杆49が前記と逆方向(下降側)に摺動され、スプール61a・62aが摺動されて、メイン切換バルブ61が切り換えられることにより、中立位置と同様にパイロット油路73の圧油はドレンされて、切換弁64が連通位置となりポンプポート67からの圧油は切換弁64を介してドレンされ、油圧リフトシリンダ72へは送油されない。また、サブ切換バルブ62がチェックバルブによりブロックされた状態から連通側に切り換えられ、油圧リフトシリンダ72内の作動油は可変絞り74、シリンダポート68、サブ切換バルブ62を介してドレンされ、可変絞り74によりドレンする流量が制限されて緩降下する。そして、設定深さになると中立位置に戻され、下降は停止するのである。 【0017】そして、本発明においては、耕深制御作業時における作業機上昇開始時に、前記油圧アクチュエータとなる油圧リフトシリンダ72への圧油供給流量(吐出量)が全流量となる途中において小量の吐出量とする機関を設けて吐出量を抑え、上昇操作時や耕深制御時の上昇開始時に、急激に上昇することがないようにコントロールバルブを制御している。即ち、図4に示すように、ポンプポート67から切換弁63に到る途中に位置するスプール61aには絞り61bが形成されて、具体的には、図6に示すように、スプール61aのランド部の一部を切り欠いて絞り61bを形成し、急激に油路が開かないようにしている。 【0018】つまり、スプール61aのストロークと油圧シリンダ72への作動油の供給流量の関係は、従来は図8に示すように、上昇側にコントロールバルブ50を切り換えると、スプール61aの摺動開始時より直線的に流量が上昇して、完全に切り換わったストローク位置より規定量(全量)が流れるように構成していた。よって、上昇側へ切り換わると略同時に作業機も急激に上昇するようになり、変化が大きく、オーバーシュートし易く、設定深さに集束させようとしてハンチングが生じたりして、耕耘表面には波打ち現象が発生していた。 【0019】そこで、本発明では前記絞り61bを設けることによって、図7に示すような、ストロークと流量の関係となり、スプール61aが中立位置から上昇側へ摺動開始直後のL1位置でバルブが開き、絞り61bから所定流量流れる。具体的には、作業機の上昇速度が約100mm/sとなる流量が、設定ストローク位置(L2)までの区間において絞り61bから略同流量が吐出される。この絞り61bにより流量が制限されているときには、作業機の上昇速度が抑えられ、具体的には、設定ストローク(L2)はリヤカバー33の後端が約50mmの偏位量となるようにして、急激な変化を抑えて、オーバーシュートが発生し難くなるようにしている。その後、中立位置から摺動初期のストロークL2を越えると、直線的に流量が増加されて、完全に切り換わって全量が流れて速く油圧リフトシリンダ72を伸長させることができる。このように、初期上昇動作が抑えられて、設定した耕深に到るときの集束がスムーズに行なえて、きれいな仕上がりとすることができるのである。なお、コントロールバルブを電磁バルブにより構成して、該電磁バルブのソレノイドをON・OFFさせて、スプールを摺動してバルブを切り換えるようにして、このON・OFFの制御を例えばPWM制御して、上昇時の初期流量を抑えるように構成することも可能であるが、電磁バルブや制御するための電気回路等が必要となり、コストアップとなり、本発明では機械的に制御できるので、コストアップは抑えられる。 【0020】 【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。即ち、請求項1記載の如く、トラクタの後部に油圧アクチュエータにより昇降可能な作業機装着装置を介してロータリ耕耘装置を装着し、該ロータリ耕耘装置の耕深を制御するコントロールバルブにおいて、耕深制御作業時における作業機上昇開始時に、前記油圧アクチュエータへの圧油供給量を小流量とする区間を有するようにコントロールバルブを制御したので、ロータリ耕耘装置を上昇開始時において急激な上昇が抑えられて、上昇ショックがなく、その後速やかに上昇されて、特に、凹凸のある圃場の作業や回り耕等の作業時において、オーバーシュートが発生し難くなり、波打ちが発生せず、きれいな仕上がりとすることができたのである。 【0021】また、請求項2記載の如く、前記圧油供給流量を小流量とする絞りを、コントロールバルブのスプールに設けたので、スプールに加工を施すだけで滑らかな上昇が得られ、簡単な構成で部材の変更等が殆どなく、安価に構成することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006851 【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号
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| 【出願日】 |
平成14年2月18日(2002.2.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080621 【弁理士】 【氏名又は名称】矢野 寿一郎
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| 【公開番号】 |
特開2003−235307(P2003−235307A) |
| 【公開日】 |
平成15年8月26日(2003.8.26) |
| 【出願番号】 |
特願2002−39922(P2002−39922) |
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