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【発明の名称】 移動農機
【発明者】 【氏名】木村 重治
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【要約】 【課題】傾斜自動制御に関する操作具の配置を容易にすると共に、その周囲に広いスペースを確保し、操作具の操作性や機能表示マークの視認性を向上させる。

【解決手段】走行機体1に左右傾斜自在に連結される作業部3と、該作業部3もしくは走行機体1の左右傾斜を検出する傾斜センサ12と、該傾斜センサ12の検出信号に応じて作業部3の左右傾斜を自動制御する傾斜自動制御機能とを備えるトラクタであって、該トラクタに、傾斜自動制御をON/OFF操作する傾斜自動スイッチと、傾斜自動制御の目標傾斜を設定する傾斜設定ダイヤルとを兼ねる傾斜自動操作具17、24を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行機体に左右傾斜自在に連結される作業部と、該作業部もしくは前記走行機体の左右傾斜を検出する傾斜センサと、該傾斜センサの検出信号に応じて前記作業部の左右傾斜を自動制御する傾斜自動制御手段とを備える移動農機であって、該移動農機に、前記傾斜自動制御をON/OFF操作する傾斜自動スイッチと、前記傾斜自動制御の目標傾斜を設定する傾斜設定ダイヤルとを兼ねる操作具を設けたことを特徴とする移動農機。
【請求項2】 請求項1において、前記操作具を、開閉カバーで覆われる操作具配置スペースに配置したことを特徴とする移動農機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作業部の左右傾斜を自動制御する傾斜自動制御機能を備えたトラクタ等の移動農機の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】トラクタ等の移動農機のなかには、走行機体に左右傾斜自在に連結される作業部と、該作業部もしくは前記走行機体の左右傾斜を検出する傾斜センサと、該傾斜センサの検出信号に応じて前記作業部の左右傾斜を自動制御する傾斜自動制御手段とを備えるものがある。この種の移動農機には、傾斜自動スイッチおよび傾斜設定ダイヤルが設けられており、前記傾斜自動スイッチの操作に応じて傾斜自動制御がON/OFFされ、また、前記傾斜設定ダイヤルの操作に応じて傾斜自動制御の目標傾斜が設定される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、操作具の配置スペースに制約がある移動農機では、傾斜自動スイッチおよび傾斜設定ダイヤルを十分な間隔を存して配置することができない場合があり、このような場合には、傾斜自動スイッチおよび傾斜設定ダイヤルの操作性が低下する許りでなく、操作具の機能表示マークが見づらくなる等の不都合がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、走行機体に左右傾斜自在に連結される作業部と、該作業部もしくは前記走行機体の左右傾斜を検出する傾斜センサと、該傾斜センサの検出信号に応じて前記作業部の左右傾斜を自動制御する傾斜自動制御手段とを備える移動農機であって、該移動農機に、前記傾斜自動制御をON/OFF操作する傾斜自動スイッチと、前記傾斜自動制御の目標傾斜を設定する傾斜設定ダイヤルとを兼ねる操作具を設けたことを特徴とする。つまり、傾斜自動スイッチおよび傾斜設定ダイヤルを一つの操作具で兼ねるため、操作具の配置スペースを容易に確保でき、しかも、操作具の周囲に広いスペースを確保できるため、操作具の操作性や機能表示マークの視認性を向上させることができる。また、前記操作具を、開閉カバーで覆われる操作具配置スペースに配置したことを特徴とする。この場合においては、開閉カバーによって配置スペースが制約される操作具配置スペースであっても、操作具の配置スペースを容易に確保でき、しかも、上記操作具配置スペースにおいても、操作具の周囲に広いスペースを確保できるため、操作具の操作性や機能表示マークの視認性を向上させることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】次に、本発明の第一実施形態を図面に基づいて説明する。図面において、1はトラクタの走行機体であって、該走行機体1の後部には、昇降リンク機構2を介してロータリ等の作業部3が連結されている。昇降リンク機構2は、左右一対のリフトロッド4を介してリフトアーム5に吊持されており、該リフトアーム5の油圧上下動作に応じて作業部3が昇降される。また、左右何れかのリフトロッド4には、リフトロッドシリンダ6が介設されており、該リフトロッドシリンダ6の油圧伸縮動作に応じて作業部3が左右に傾斜される。
【0006】走行機体1の上部においては、その左右中央部に運転席7が配置され、さらに運転席7の右側方にレバーガイドパネル8が配置される。レバーガイドパネル8は、側断面視円弧状に形成され、リヤフェンダ9の内側に沿って取り付けられる。レバーガイドパネル8の下方には、前後回動操作自在なポジションレバー10が設けられる。ポジションレバー10の基端部は、作業部3の対機高さをポジションレバー10の設定高さに維持するポジションコントロール機構(図示せず)に連動連結される一方、ポジションレバー10の先端側は、レバーガイドパネル8に前後方向を向いて形成される長孔状のレバーガイド孔8aを介してレバーガイドパネル8の上方に突出し、該レバーガイド孔8aに沿って操作される。
【0007】走行機体1には、作業部3の左右傾斜を自動制御する傾斜制御ユニット11が設けられる。傾斜制御ユニット11は、走行機体1の左右傾斜を検出する傾斜センサ12と、リフトロッドシリンダ6のシリンダ長を検出するリフトロッドセンサ13と、ポジションレバー10の最上げ操作を検出するポジションスイッチ14と、傾斜自動制御をON/OFFする傾斜自動スイッチ15と、傾斜自動制御の目標傾斜を設定する傾斜設定ダイヤル(ボリューム)16とから信号を入力し、これらの入力信号に応じてリフトロッドシリンダ用電磁バルブ(図示せず)を切換制御するように構成される。即ち、傾斜制御ユニット11は、傾斜センサ値および傾斜設定ダイヤル値に基づいてリフトロッド目標値を演算し、該リフトロッド目標値に対するリフトロッドセンサ値の偏差に基づいてリフトロッドシリンダ6を自動的に伸縮制御する傾斜自動制御や、ポジションスイッチ14の検出信号に応じて作業部3を自動的に平行姿勢に復帰させる平行復帰制御を実行するためのプログラムを備えている。
【0008】前記傾斜自動スイッチ15および傾斜設定ダイヤル16は、単一の傾斜自動操作具17に組み込まれている。傾斜自動操作具17は、操作具本体17aと、操作具本体17aから突出する操作軸17bと、該操作軸17bの先端部に一体的に取り付けられる操作ツマミ17cとを備える。操作軸17bは、操作具本体17aに対して軸回り方向回転自在で、且つ、軸方向摺動自在に設けられ、図示しない弾機によって突出方向に付勢されている。操作ツマミ17cを回し操作すると、操作具本体17aに組み込まれるボリューム部(傾斜設定ダイヤル16)が動作し、傾斜自動制御の目標傾斜が変動される。また、操作ツマミ17cを押し下げ操作すると、操作具本体17aに組み込まれるスイッチ部(傾斜自動スイッチ15)が動作し、傾斜自動制御がON/OFFされる。
【0009】本実施形態では、レバーガイドパネル8の前側に傾斜自動操作具17が配置され、その近傍に機能表示ラベル18が貼着される。機能表示ラベル18には、傾斜自動操作具17が傾斜自動制御に関する操作具であることを文字で表示(傾き自動)する機能表示文字18aと、それをマークで表示する機能表示マーク18bと、目標傾斜の目安を示す傾斜設定表示部18cと、傾斜自動制御のON/OFF操作(入切操作)を文字で説明する機能説明文字18dとが印刷され、これらの機能表示に基づいて傾斜自動操作具17が操作される。
【0010】次に、本発明の第二実施形態を図4および図5に基づいて説明する。これらの図に示すサイドパネル19は、前記実施形態のレバーガイドパネル8に代えて設けられるもので、レバーガイドパネル8と同様に運転席7の一側方に配置される。第二実施形態のトラクタは、前述した傾斜自動制御および水平復帰制御に加え、作業部3の対機高さを自動制御するポジション制御、作業部3の耕深を自動制御する耕深自動制御(深さ自動制御)、機体後進時に作業部3を自動的に上昇させる後進時自動上昇制御、機体旋回時に作業部3を自動的に上昇させる旋回時自動上昇制御、作業部3の上限規制を行う上限規制制御(上げ高さ制御)、作業部3の種類に応じて制御モードを切換える作業切替制御等の制御機能を備えており、これらの制御に関する操作具がサイドパネル19に設けられている。つまり、サイドパネル19の前部には、ポジション制御の目標高さを設定するポジションレバー20が設けられ、また、サイドパネル19の中間部には、後進時自動上昇制御をON/OFFする後進上昇切替スイッチ21と、旋回時自動上昇制御をON/OFFする旋回上昇切替スイッチ22と、耕深自動制御の目標耕深を設定する耕深設定ダイヤル23とが設けられ、さらに、サイドパネル19の後部には、前記第一実施形態の傾斜自動操作具17と同等の傾斜自動操作具24と、上限規制制御の規制高さを設定する上げ高さダイヤル25と、作業切替制御の作業設定を行う作業切替ダイヤル26とが設けられている。傾斜自動操作具24、上げ高さダイヤル25および作業切替ダイヤル26が設けられる操作具配置スペース27は、一側部を回動支点として開閉動作する樹脂カバー28で覆われており、該樹脂カバー28の寸法により操作具配置スペース27の広さが制約される。しかしながら、傾斜自動操作具24は、前述のように傾斜自動スイッチと傾斜設定ダイヤルとを兼ねるため、傾斜自動スイッチと傾斜設定ダイヤルとを別々に設ける場合に比べ、その周囲に広いスペースを確保することができ、その結果、操作具配置スペース27に配置される操作具24、25、26の操作性や、その機能を表示する機能表示ラベル29の視認性を向上させることが可能になる。尚、傾斜自動操作具24や機能表示ラベル29は、前記第一実施形態の傾斜自動操作具17や機能表示ラベル18と略同等のものであるため、詳細な説明は省略する。
【0011】叙述の如く構成されたものにおいて、走行機体1に左右傾斜自在に連結される作業部3と、該作業部3もしくは走行機体1の左右傾斜を検出する傾斜センサ12と、該傾斜センサ12の検出信号に応じて作業部3の左右傾斜を自動制御する傾斜自動制御機能とを備えるトラクタであって、該トラクタに、傾斜自動制御をON/OFF操作する傾斜自動スイッチと、傾斜自動制御の目標傾斜を設定する傾斜設定ダイヤルとを兼ねる傾斜自動操作具17、24を設けたため、傾斜自動操作具17、24の配置スペースを容易に確保でき、しかも、傾斜自動操作具17、24の周囲に広いスペースを確保できるため、傾斜自動操作具17、24の操作性や機能表示ラベル18、29の視認性を向上させることができる。
【0012】また、第二実施形態においては、傾斜自動操作具24を、開閉自在な樹脂カバー28で覆われる操作具配置スペース27に配置しているため、樹脂カバー28によって配置スペースが制約される操作具配置スペース27であっても、傾斜自動操作具24の配置スペースを容易に確保できる許りでなく、その周囲に広いスペースを確保し、傾斜自動操作具24の操作性や機能表示ラベル29の視認性を向上させることができる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1
【出願日】 平成13年12月27日(2001.12.27)
【代理人】 【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
【公開番号】 特開2003−189707(P2003−189707A)
【公開日】 平成15年7月8日(2003.7.8)
【出願番号】 特願2001−396468(P2001−396468)