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【発明の名称】 移動農機
【発明者】 【氏名】木村 重治
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【要約】 【課題】ポジションレバーの上限ストッパにポジションスイッチを設けるにあたり、上限ストッパのガタを抑制してポジションスイッチの検出不良を防止する。

【解決手段】ポジションレバー10を操作ガイドする側断面視略円弧状のレバーガイドパネル8に、ポジションレバー10の最上げ操作位置を規制する上限ストッパ18を位置調節自在に設けたトラクタにおいて、ポジションレバー10の最上げ操作を検出するポジションスイッチ14を、上限ストッパ18に設けるにあたり、該上限ストッパ18に、その位置調節をガイドするガイドプレート19を設けると共に、該ガイドプレート19に、レバーガイドパネル8の下面に沿う円弧ガイド面19bと、レバーガイド孔8aの縁部に係合するガイド凸部19c、19dとを形成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 作業部高さを設定するポジションレバーを、側断面視略円弧状のレバーガイドで操作ガイドすると共に、該レバーガイドに、前記ポジションレバーの最上げ操作位置を規制する上限ストッパを設け、さらに、該上限ストッパを、前記レバーガイドのレバーガイド孔に沿って位置調節自在に構成した移動農機において、前記ポジションレバーの最上げ操作を検出するポジションスイッチを、前記上限ストッパに設けるにあたり、該上限ストッパに、その位置調節をガイドするガイドプレートを設けると共に、該ガイドプレートに、前記レバーガイドの下面に沿う円弧ガイド面と、前記レバーガイド孔の縁部に係合するガイド凸部とを形成したことを特徴とする移動農機。
【請求項2】 請求項1において、前記レバーガイド孔の縁部にバーリング部を形成する一方、前記ガイドプレートに、前記レバーガイド孔の内側から前記バーリング部に係合する内側ガイド凸部と、前記レバーガイド孔の外側から前記バーリング部に係合する外側ガイド凸部とを形成したことを特徴とする移動農機。
【請求項3】 請求項2において、前記内側ガイド凸部と前記外側ガイド凸部とを、前記レバーガイド孔方向に位置をずらして形成したことを特徴とする移動農機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポジションレバーの最上げ操作位置を規制する上限ストッパに、ポジションレバーの最上げ操作を検出するポジションスイッチを設けたトラクタ等の移動農機の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、トラクタ等の移動農機においては、ポジションレバーの操作位置に応じて作業部が昇降制御(ポジション制御)される。ポジションレバーを操作ガイドするレバーガイドには、ポジションレバーの最上げ操作位置を規制する上限ストッパが設けられており、該上限ストッパの位置調節に基づいて作業部の上限設定が行われる。ところで、作業部の傾斜を自動制御する移動農機のなかには、ポジションレバーの最上げ操作に応じて作業部を水平復帰させるために、ポジションレバーの最上げ操作を検出するポジションスイッチを備えるものがあり、このものでは、作業部の上限設定に拘わらず、ポジションレバーの最上げ操作を検出する必要があるため、ポジションスイッチを上限ストッパに設けることが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、前記ポジションスイッチを上限ストッパに設けた場合には、上限ストッパのガタによってポジションスイッチの位置が変動し、検出不良が生じる可能性がある。特に、レバーガイドが側断面視で円弧状に湾曲している場合には、上限ストッパのガタが大きくなり、ポジションスイッチの検出不良が生じ易くなる不都合がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、作業部高さを設定するポジションレバーを、側断面視略円弧状のレバーガイドで操作ガイドすると共に、該レバーガイドに、前記ポジションレバーの最上げ操作位置を規制する上限ストッパを設け、さらに、該上限ストッパを、前記レバーガイドのレバーガイド孔に沿って位置調節自在に構成した移動農機において、前記ポジションレバーの最上げ操作を検出するポジションスイッチを、前記上限ストッパに設けるにあたり、該上限ストッパに、その位置調節をガイドするガイドプレートを設けると共に、該ガイドプレートに、前記レバーガイドの下面に沿う円弧ガイド面と、前記レバーガイド孔の縁部に係合するガイド凸部とを形成したことを特徴とする。つまり、ポジションスイッチを上限ストッパに設けたものでありながら、上限ストッパのガタを抑制してポジションスイッチの検出不良を防止することができる。また、前記レバーガイド孔の縁部にバーリング部を形成する一方、前記ガイドプレートに、前記レバーガイド孔の内側から前記バーリング部に係合する内側ガイド凸部と、前記レバーガイド孔の外側から前記バーリング部に係合する外側ガイド凸部とを形成したことを特徴とする。この場合においては、バーリング部に内外から係合するガイド凸部によって、上限ストッパのガタ抑制効果を高めることができる。また、前記内側ガイド凸部と前記外側ガイド凸部とを、前記レバーガイド孔方向に位置をずらして形成したことを特徴とする。この場合においては、バーリング部に対するガイド凸部の係合範囲を広くし、上限ストッパのガタ抑制効果を高めることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態の一つを図面に基づいて説明する。図面において、1はトラクタの走行機体であって、該走行機体1の後部には、昇降リンク機構2を介してロータリ等の作業部3が連結されている。昇降リンク機構2は、左右一対のリフトロッド4を介してリフトアーム5に吊持されており、該リフトアーム5の油圧上下動作に応じて作業部3が昇降される。また、左右何れかのリフトロッド4には、リフトロッドシリンダ6が介設されており、該リフトロッドシリンダ6の油圧伸縮動作に応じて作業部3が左右に傾斜される。
【0006】走行機体1の上部においては、その左右中央部に運転席7が配置され、さらに運転席7の右側方にレバーガイドパネル8が配置される。レバーガイドパネル8は、側断面視円弧状に形成され、リヤフェンダ9の内側に沿って取り付けられる。レバーガイドパネル8の下方には、前後回動操作自在なポジションレバー10が設けられる。ポジションレバー10の基端部は、作業部3の対機高さをポジションレバー10の設定高さに維持するポジションコントロール機構(図示せず)に連動連結される一方、ポジションレバー10の先端側は、レバーガイドパネル8に前後方向を向いて形成される長孔状のレバーガイド孔8aを介してレバーガイドパネル8の上方に突出し、該レバーガイド孔8aに沿って操作される。
【0007】走行機体1には、作業部3の左右傾斜を自動制御する傾斜制御ユニット11が設けられる。傾斜制御ユニット11は、走行機体1の左右傾斜を検出する傾斜センサ12と、リフトロッドシリンダ6のシリンダ長を検出するリフトロッドセンサ13と、ポジションレバー10の最上げ操作を検出するポジションスイッチ14と、傾斜自動制御をON/OFFする傾斜自動スイッチ15と、傾斜自動制御の目標傾斜を設定する傾斜設定ダイヤル(ボリューム)16とから信号を入力し、これらの入力信号に応じてリフトロッドシリンダ用電磁バルブ(図示せず)を切換制御するように構成される。即ち、傾斜制御ユニット11は、傾斜センサ値および傾斜設定ダイヤル値に基づいてリフトロッド目標値を演算し、該リフトロッド目標値に対するリフトロッドセンサ値の偏差に基づいてリフトロッドシリンダ6を自動的に伸縮制御する傾斜自動制御と、ポジションスイッチ14の検出信号に応じて作業部3を自動的に平行姿勢に復帰させる平行復帰制御とを実行するためのプログラムを備えている。尚、本実施形態では、一つの操作具17が傾斜自動スイッチ15および傾斜設定ダイヤル16を兼ねており、該操作具17におけるツマミ部17aの押し操作に応じて傾斜自動制御がON/OFFされ、また、ツマミ部17aの回し操作に応じて傾斜自動制御の目標傾斜が設定される。
【0008】前記レバーガイド孔8aの後端側(上昇操作側)には、ポジションレバー10の最上げ操作位置を接当規制する上限ストッパ18が設けられている。上限ストッパ18は、レバーガイドパネル8の下面側に設けられるガイドプレート19と、レバーガイドパネル8の上面側に設けられる調節ツマミ20とを備える。調節ツマミ20は、下方に突出するネジ軸20aを一体的に備えており、該ネジ軸20aがワッシャ21、レバーガイドパネル8およびガイドプレート19を貫通し、ナット22に螺合される。ナット22は、ガイドプレート19によって回止めされるので、調節ツマミ20を締め側に回すと、ガイドプレート19がレバーガイドパネル8の下面に押し付けられ、その摩擦抵抗により上限ストッパ18の移動が規制される。一方、調節ツマミ20を緩め側に回すと、上記摩擦抵抗が緩和され、レバーガイド孔8aに沿う上限ストッパ18の移動が許容される。これにより、上限ストッパ18の位置調節に応じた作業部3の上限設定が可能になる。
【0009】図3に示すように、ガイドプレート19は、平面視凵字状に形成される。ポジションレバー10は、前方に開口する凹部19a内に導かれ、その底部で上昇操作が接当規制される。凹部19aの一側部には、ポジションレバー10との接触により検出動作する前述のポジションスイッチ14が設けられる。このポジションスイッチ14がポジションレバー10を確実に検出するには、レバーガイド孔8aに対するガイドプレート19の位置精度を高める必要があり、そのための構成を以下に説明する。尚、14aは、ポジションレバー10との接触に応じて回動し、ポジションスイッチ14を検出動作させる検出レバーである。
【0010】図4および図5に示すように、レバーガイド孔8aの縁部には、下方に突出するバーリング部8bが形成される一方、ガイドプレート19の上面には、円弧ガイド面19bが形成される。円弧ガイド面19bは、バーリング部8bの下縁に沿うべく、その円弧中心がレバーガイドパネル8の円弧中心と略一致するように設定される。これにより、ガイドプレート19の上下方向のガタが抑制されると共に、位置調節時における上限ストッパ18の移動を円滑に行うことが可能になる。
【0011】円弧ガイド面19bの後端側には、内側ガイド凸部19cおよび外側ガイド凸部19dが突出形成される。内側ガイド凸部19cは、レバーガイド孔8aよりも僅かに幅狭に形成され、レバーガイド孔8aの内側から左右のバーリング部8bに係合する。また、外側ガイド凸部19dは、左右に所定間隔を存して2つ形成され、レバーガイド孔8aの外側から左右のバーリング部8bに係合する。これにより、レバーガイド孔8aに対するガイドプレート19の左右方向のガタが抑制されると共に、位置調節時における上限ストッパ18の移動が円滑に行われる。また、本実施形態においては、内側ガイド凸部19cと外側ガイド凸部19dとが前後に位置をずらして形成される。これにより、バーリング部8bに対する両ガイド凸部19c、19dの係合範囲を広くし、ガイドプレート19のガタ抑制効果を高めることが可能になる。
【0012】叙述の如く構成されたものにおいて、作業部高さを設定するポジションレバー10を、側断面視略円弧状のレバーガイドパネル8で操作ガイドすると共に、該レバーガイドパネル8に、ポジションレバー10の最上げ操作位置を規制する上限ストッパ18を設け、さらに、該上限ストッパ18を、レバーガイドパネル8のレバーガイド孔8aに沿って位置調節自在に構成したトラクタにおいて、ポジションレバー10の最上げ操作を検出するポジションスイッチ14を、上限ストッパ18に設けるにあたり、該上限ストッパ18に、その位置調節をガイドするガイドプレート19を設けると共に、該ガイドプレート19に、レバーガイドパネル8の下面に沿う円弧ガイド面19bと、レバーガイド孔8aの縁部に係合するガイド凸部19c、19dとを形成したため、ポジションスイッチ14を上限ストッパ18に設けたものでありながら、上限ストッパ18のガタを抑制してポジションスイッチ14の検出不良を防止することができる。
【0013】また、レバーガイド孔8aの縁部にバーリング部8bを形成する一方、ガイドプレート19に、レバーガイド孔8aの内側からバーリング部8bに係合する内側ガイド凸部19cと、レバーガイド孔8aの外側からバーリング部8bに係合する外側ガイド凸部19dとを形成したため、バーリング部8bに内外から係合するガイド凸部19c、19dによって、上限ストッパ18のガタ抑制効果を高めることができる。
【0014】また、内側ガイド凸部19cと外側ガイド凸部19dとを、レバーガイド孔8aの方向に位置をずらして形成したため、バーリング部8bに対するガイド凸部19c、19dの係合範囲を広くし、上限ストッパ18のガタ抑制効果を高めることができる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1
【出願日】 平成13年12月27日(2001.12.27)
【代理人】 【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
【公開番号】 特開2003−189706(P2003−189706A)
【公開日】 平成15年7月8日(2003.7.8)
【出願番号】 特願2001−396469(P2001−396469)