| 【発明の名称】 |
電子機器の機構構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】鴨居 健司
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| 【要約】 |
【課題】ケース内部にある機構部材に関し、その部品点数を効果的に削減する。
【解決手段】プリント基板7の端部に設けられた切離し可能な捨て基板21を、ケース1内部にバスバー57,58,59の補強板として設ける。こうすると、半田ディップ槽にプリント基板7を流した後で不要となる捨て基板21を廃棄せずに、ケース1内部の機構部材として再利用できる。そのため、ケース1内部の機構部材を単独の部品として製作する必要がなく、機構部材の部品点数を効果的に削減できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 プリント基板の端部に設けられた切離し可能な捨て基板を、前記プリント基板を取付ける筐体内部に機構部材として設けたことを特徴とする電子機器の機構構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ノイズフィルタなどの電子機器の筐体内部にプリント基板を取付けた電子機器の機構構造に関する。 【0002】 【発明が解決しようとする課題】一般に、ノイズ成分を除去するノイズフィルタなどの電子機器においては、低域のコモンモードノイズを除去するチョークコイルが、筐体であるケース内部に配設されると共に、それ以外の抵抗やコンデンサを実装したプリント基板が、ケース内部の別な部位に配設される。 【0003】こうしたプリント基板を製造するに際しては、フロー半田時において半田ディップ槽のレールにプリント基板の端部を載置できるように、この半田ディップ槽のレール幅に合せた形状で、電子部品を実装する基板本体部より切離し可能な捨て基板が設けられている。そして、基板本体部に所望の電子部品を実装し、これを半田デイップ槽に流して半田付け接続を行なった後に、不要な捨て基板を切り離して、残りのプリント基板すなわち基板本体部を筐体内部に取付けるようにしている。 【0004】一方、ノイズフィルタを製造する場合、入力端子および出力端子とチョークコイルの各端部との間を連結するために、各電源ラインに対応して導電金属材料からなるバスバーが使用される。その際、各バスバーの強度を増す補強を行なうために、各バスバーに跨って絶縁性のベーク板が押え板として取付け固定される。しかし、こうした押え板を含むケース内部の部品固定用の補強板などの機構部材は、それぞれが単独の部品として製作されており、部品点数の増加に伴なう管理コストの上昇を招いていた。 【0005】本発明は、上記問題点に着目して成されたものであって、ケース内部にある機構部材に関し、その部品点数を効果的に削減できる電子機器の機構構造を提供することをその目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明における電子機器の機構構造は、プリント基板の端部に設けられた切離し可能な捨て基板を、前記プリント基板を取付ける筐体内部に機構部材として設けたことを特徴とする。 【0007】この場合、半田ディップ槽にプリント基板を流した後で不要となる捨て基板を廃棄せずに、筐体内部の機構部材として再利用することが可能になる。そのため、筐体内部の機構部材を単独の部品として製作する必要がなく、機構部材の部品点数を効果的に削減できる。 【0008】 【発明の実施形態】以下、本発明における電子機器の機構構造について添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施例中の電子機器は、ノイズ成分を除去するノイズフィルタである。 【0009】図1はノイズフィルタの回路構成を示している。同図において、1は筐体となるケースで、このケース1には入力端子2A〜2Cおよび出力端子3A〜3Cがそれぞれ設けられると共に、入力端子2A〜2Cと出力端子3A〜3Cとの間に挿入接続されるチョークコイルL1,L2と、コネクタ5A〜5Cの他に、抵抗R1〜9やコンデンサC1〜C9,C11〜C22を実装したプリント基板7が、ケース1の内部に設けられる。 【0010】ここでのチョークコイルL1,L2は、三相の各電源ライン8A〜8Cとグランド9との間に生じるコモンモードノイズを除去するものである。また、電源ライン8A〜8C間に接続されるアクロス・ザ・ライン・コンデンサC1〜C9は、いずれも電源ライン8A〜8C間に生じるノーマルモードノイズを除去するためのものである。さらに各電源ライン8A〜8Cとグランド端子9との間に接続されるライン・バイパス・コンデンサC11〜C22は、コモンモードノイズを除去するためのものである。 【0011】図2は、プリント基板7の正面図である。このプリント基板7は横長矩形状を有し、周知のように絶縁層の両面または片面に導電パターン10を形成して構成される。また、複数枚の小基板11〜13に分割できるように、プリント基板7の適所には丸穴と長孔とを直線状に配置した基板切断部14が形成される。各小基板11〜13の四隅には、前記ケース1への固定用の孔15が形成される。ここでのプリント基板7は、2つの基板切断部14により3枚の小基板11〜13に分割でき、12個の孔15A〜15Lを設けている。そのなかで、孔15A,15B,15D,15E,15F,15Hは、ねじ止め時にケース1とのアース接続を図ることができるようになっている。 【0012】そして、第1の小基板11は、コネクタ5Aと、抵抗R1〜R3と、コンデンサC1〜C3が実装可能であり、第2の小基板12は、コネクタ5Bと、抵抗R4〜R6と、コンデンサC4〜C6と、コンデンサC11,C12,C16〜C19が実装可能であり、第3の小基板13は、コネクタ5Cと、抵抗R7〜R9と、コンデンサC7〜C9と、コンデンサC13〜15,C20〜C22が実装可能である。 【0013】プリント基板7の長手方向一端部には、フロー半田時において半田ディップ槽の搬送用のレール(図示せず)にプリント基板7の端部を載せるための捨て基板21が設けられる。この捨て基板21には、後述する機構部材としての取付用孔22と、捨て基板21を切り離した後で所望の長さに切断可能にするための切欠き部23がそれぞれ形成される。本実施例では、フロー半田後に各電子部品を実装した基板本体24から捨て基板21を手で容易に切り離せるように、捨て基板21と基板本体24との間にV字状の溝25を形成している。また、捨て基板21には導電パターンや電子部品が設けられておらず、それ自体が絶縁性を有する機構部材としてケース1内の各部に使用される。その詳細は、後程説明する。 【0014】また、ここでのプリント基板7は、一方の小基板13に形成した第1の孔である孔15Dと、他方の小基板12に形成した第2の孔である孔15Fが近接する部位に、孔15Fを利用してアース接続されるコンデンサC16,C17と電気的に並列接続可能な別のコンデンサC10の実装部32を、このコンデンサC10が孔15Dを利用してアース接続されるように、基板切断部14に跨って配置している。実装部32は、具体的には小基板12に実装されるコンデンサC16,C17の他端と共通の導電パターン10A(電源ライン8Aに至る)に導通する固定用穴と、別の小基板13に実装されるコンデンサC15,C22の一端と共通の導電パターン10B(孔15Dによりアース接続される)に導通する固定用穴を形成して構成される。なお、ここでは電子部品としてコンデンサC10,C16,C17を取り上げたが、別の例えば抵抗やチョークコイルなどに適用してもよい。また、コンデンサC10の実装部32としては、表面実装に適した導電パッドなどを利用することもできる。 【0015】本実施例におけるプリント基板7は、ケース1の形状が異なる各製品に共通して使用できるように、必要に応じて基板切断部14を利用して、小基板11〜13に分割することができる。すなわち、一枚のプリント基板7にて複数の製品に対応できるため、プリント基板7に関する管理コストの低減を達成できる。また、各製品が少量生産であっても、プリント基板7そのものは複数の製品に跨ったまとめ発注が可能となり、購入コストの低減が可能である。 【0016】ケース1内のスペースが小さい製品では、基板切断部14によりプリント基板7の基板本体部24を3枚の小基板11〜13に分割して、これらの各小基板11〜13をケース1内の適所に装着する。その際、第1の小基板11には、コネクタ5Aと、抵抗R1〜R3と、コンデンサC1〜C3が実装され、第2の小基板12には、コネクタ5Bと、抵抗R4〜R6と、コンデンサC4〜C6と、コンデンサC11,C12,C16〜C19が実装され、第3の小基板13には、コネクタ5Cと、抵抗R7〜R9と、コンデンサC7〜C9と、コンデンサC13〜15,C20〜C22が実装され、コンデンサC10を除く全ての電子部品が実装される。そして、小基板11〜13の四隅にある全ての孔15A〜15Lを利用することで、基板固定用の支柱すなわちスペーサ(図4の符号75を参照)を介して、ケース1への取付け固定と、各コンデンサC11〜C22の一端のケース1へのアース接続が図られる。 【0017】一方、ケース1内のスペースがある製品では、基板切断部14により小基板11〜13に分割することなく、そのまま1枚のプリント基板7(基板本体部24)をケース1内に装着する。プリント基板7には、コネクタ5A〜5Cと、コンデンサC1〜C9の他に、小基板12,13に跨って配置されるコンデンサC10と、コンデンサC11〜C15が実装されるが、コンデンサC16〜C22は実装されない。そして、各コンデンサC10〜C15についてケース1とのアース接続を図りつつ、しかもプリント基板7をケース1に安定した状態で取付けるために、ここでは12個の孔15A〜15Lのなかで、8個の孔15A,15B,15D,15E,15H,15I,15K,15Lを利用して、金属スペーサを介してケース1にプリント基板7を取付け固定する。 【0018】この場合、特に孔15D,15Fの周辺に着目すると、コンデンサC16,C17(プリント基板7には実装せず)と電気的に並列に接続されるコンデンサC10(プリント基板7に実装される)の一端が、同じくプリント基板7に実装される他のコンデンサC15の一端と共通して、孔15Dを利用してアース接続することができる。一方、孔15Fに導通する導電パターンは、対応する電子部品(コンデンサC16,C17)の一端が何も接続されておらず、孔15Dを利用してアース接続する必要はない。したがって、コンデンサC10〜C15の一端をアース接続する上で、近接する2つの孔15D,15Fに対してねじ止め作業を行なう必要がなく、余計な工数の増加も招かない。また、ねじ止め作業を行なう数が減ることで、プリント基板7とケース1との間に介在するスペーサの数も減らすことができ、更なるコストダウンが達成できる。 【0019】図3〜図8は、プリント基板7を取付けるノイズフィルタをあらわしたものである。これらの各図において、ノイズフィルタの外郭をなす金属製のケース1は、例えばFA(Factory Automation)用装置や工作機に設けられる縦置きの基盤垂直面に、その被取付面33が取付けられるもので、被取付面33とは反対側のフロント面34に、前述の入力端子2A〜2Cを並設した第1の端子台35と、出力端子3A〜3Cを並設した第2の端子台36が、フロント面34より前方に突出した区画部37を挟んで上下方向に配設される。ここでのケース1は、一側面を開口したケース本体39と、このケース本体39の開口部を覆うケースカバー40とにより構成される。その他、フロント面34には、各端子台35,36の近傍に位置してグランド端子9が配設される。 【0020】41は被取付面33と面一に形成された取付部で、これはケース1の上下側面よりフランジ状に延設される。取付部41はケース1を基盤垂直面に確実に取付けるためのものであって、取付部41に形成したU字状溝(図示せず)に止め具であるネジを挿通し、これを基盤垂直面のネジ孔に螺着することで、取付部41がネジの頭部と基盤垂直面との間に挟持され、ケース1が略垂直な基盤垂直面に取付け固定される。なお、上方の取付部41にあるU字状溝に代わって丸穴を形成し、ここにねじを挿通するようにしてもよい。このようにすると、ネジの仮止め状態において、ケース1が落下することを防止できる。なお、42はケース1内に空気の流通路を形成するための風穴、43は区画部37を含むケース1の左右側面に形成された凹部で、これによりケース1の強度を増すことが可能になる。 【0021】次に、ノイズフィルタの内部構造を説明する。ケース本体39には、ケースカバー40をねじ止めするための折曲げ部45が、ケース本体39の開口部周縁に沿って形成される。このケース本体39の内部には、環状の磁心(図示せず)に巻線46を巻装したトロイダル形状のチョークコイルL1,L2が設けられる。各チョークコイルL1,L2は略同一形状で、それぞれがコイル固定用皿47に収容される。このコイル固定用皿47は、電気的に絶縁性を有する合成樹脂からなり、図5および図6にも示すように、チョークコイルL1,L2の外形に沿った形状(円筒形状)の壁面48を有する有底筒状のコイル収容部49と、このコイル収容部49の外側四隅にそれぞれ貫通形成された皿取付孔50と、コイル収容部49の上側若しくは下側に3個形成された凹状の金具取付孔51とを各々一体的に備えている。そして、チョークコイルL1,L2をコイル収容部49に収容した状態で、チョークコイルL1,L2とコイル収容部49との間にモールド樹脂材(図4参照)52が充填される。なお、本実施例では2つのチョークコイルL1,L2ととコイル固定用皿49が、ケース1の左右側面の一方に取付けられているが、所望のノイズ除去特性が得られるならば、単独のチョークコイルおよびコイル固定用皿49で構成してもよい。なお53は、前記皿取付孔50に挿通してケース1に螺着するねじであり、このねじ53によってコイル固定用皿47がケース1の一方の左右側面に取付け固定される。 【0022】本実施例におけるチョークコイルL1,L2は、各相に対応して3本の巻線46が巻装されている。そして、チョークコイルL1,L2の左右方向一側と他側から各々引出された巻線46の一端部54および他端部55が、チョークコイルL1,L2の上下方向に向けて互いに反対側に延びている。その際、それぞれの巻線46の一端部54および他端部55は、チョークコイルL1,L2の前側に揃って一列に並設される。一方、前記端子台35に取付けられた入力端子2A〜2Cと、端子台36に取り付けられた出力端子3A〜3Cは、巻線46の一端部54や他端部55と直交する方向に3個ずつ並設される。 【0023】ケース1の上側に取付けられるチョークコイルL1は、それぞれの巻線46の一端部54と、これに対応して設けられた入力端子2A〜2Cとの間に、導電性の連結金具すなわちバスバー57,58,59が設けられる。同様に、ケース1の下側に取付けられるチョークコイルL2も、それぞれの巻線46の一端部54と、これに対応して設けられた出力端子3A〜3Cとの間に、L字形の連結金具すなわちバスバー57,58,59が設けられる。バスバー57,58,59はいずれも、L字形部60と、このL字形部60の一端を折り曲げて形成され、巻線46の一端部54を接続する接続部61と、L字形部60の他端を折り曲げて形成され、入力端子2A〜2C若しくは出力端子3A〜3Cの基端部に取付けられる端子取付部62とを備えているが、バスバー57,58,59が互いに接触しないように、巻線46の一端部54から入力端子2A〜2C若しくは出力端子3A〜3Cまでの距離に対応して、各バスバー57,58,59のL字形部60が異なる大きさに形成される。 【0024】64は、上下2つのチョークコイルL1,L2間を電気的に接続する中継金具である。この中継金具64は、ねじ65によって前記コイル固定用皿47の金具取付孔51に取付け固定されており、その先端部には各チョークコイルL1,L2の各相毎における巻線46の他端部55を、それぞれ反対側から差し込んで半田付け接続する接続部66が設けられる。また中継金具64には、後述する圧着端子71を取付け固定するための取付孔67も設けられている。 【0025】69は、ケース1の被取付面33に間隔を置いて設けた電子部品ユニットである。この電子部品ユニット69は前記チョークコイルL1,L2以外のノイズ除去回路を構成するもので、前述したプリント基板7を構成する基板本体24の上面に各種電子部品を実装して構成される。特にここでは、小基板11〜13に分割せずに一枚のプリント基板7をケース1に取付けている。プリント基板7とケース1との間には導電性のスペーサ75を介在させており、これによりプリント基板7のFGパターンがケース1に接触するようにしている。なお、76は電子部品ユニット69をケース1に取付け固定するための止着部材たるねじである。 【0026】70は、電子部品ユニット69を各相の電源ライン8A〜8Cに接続するためのリード線であり、各リード線70の先端には接続端子としての圧着端子71が設けられている。本実施例では、この圧着端子71がいずれもねじ72により、入力端子2A〜2C,出力端子3A〜3Cおよび中継金具64に取付け固定される。 【0027】前記捨て基板21は、各バスバー57,58,59間の取付けを補強するための機構部材として使用される。具体的には、前期取付用孔22を利用して、各バスバー57,58,59に跨って、止着部材であるねじ81とナット82により捨て基板21を取付け固定することで、各バスバー57,58,59を補強する。または、バスバー57,58,59に直接タップを設けて、捨て基板21取付けてもよい。これにより、巻線46の一端部54をバスバー57,58,59の接続部61に取付ける際に、接続部61のカシメ作業でバスバー57,58,59が変形するなどの不具合を防止できる。また、捨て基板21そのものは絶縁材料で構成されるため、捨て基板21を取付けてもバスバー57,58,59間でショートする虞れはない。 【0028】上記構成において、製造に際しては、入力端子2A〜2C付きの端子台35と出力端子3A〜3C付きの端子台36を、ケース本体39のフロント面34にそれぞれ取付けると共に、電子部品ユニット69をケース本体39の被取付面33に取付ける。そして、各バスバー57,58,59の接続部61がケース1の前後方向に一列に並ぶように、これらのバスバー57,58,59を、リード線70の先端部にある圧着端子71と共に、入力端子2A〜2Cまたは出力端子3A〜3Cの基端部にねじ72を用いてそれぞれ取付け固定する。また、各バスバー57,58,59の強度を増すために、これらのバスバー57,58,59間に跨って、ねじ81とナット82を利用して捨て基板21を取付け固定する。 【0029】次に、コイル固定用皿47の皿取付孔50にねじ53を挿通し、このねじ53をケース本体39に螺着することにより、コイル固定用皿47をねじ53とケース本体39との間に挟持させる。これにより、ケース本体39の左右側面において、2つのコイル固定用皿47が取付け固定される。そして、ケース本体39の下側にあるコイル固定用皿47の金具取付孔51にねじ67を螺着して、3個の中継金具64をそれぞれコイル固定用皿47に取付け固定する。または、ケース本体39にねじを挿通して、コイル固定用皿47をナットで止着してもよい。その際、中継金具64は絶縁部材であるコイル固定用皿47を介在して金属製のケース本体39に取付けられるため、中継金具64とケース1との確実な絶縁が図られる。また、中継金具64に接続するリード線70の先端部にある圧着端子71が、ねじ72を取付孔67に螺着することで、中継金具64に取付け固定される。そして、この中継金具64や、前記入力端子2A〜2Cおよび出力端子3A〜3Cに接続した各リード線70の基端部が、電子部品ユニット69の所望の位置にコネクタ5A〜5Cを利用して接続される。 【0030】こうして、ケース本体39に取付けた各コイル固定用皿47のコイル収容部49に、チョークコイルL1,L2を一つずつ収容し、このチョークコイルL1,L2を構成する各巻線46の一端部54を、それぞれ入力端子2A〜2Cまたは出力端子3A〜3Cに接続した各バスバー57,58,59の接続部61に挿通して半田付け接続すると共に、各々の巻線46の他端部55を、中継金具64の接続部66に挿通して半田付け接続する。これにより、チョークコイルL1,L2の巻線46が電源ライン8A〜8Cの各相に挿入接続される。その後、チョークコイルL1,L2とコイル収容部49との間にモールド樹脂材52を流し込んで、チョークコイルL1,L2の固定を図る。 【0031】上記一連の作業において、チョークコイルL1,L2の周囲にはこのチョークコイルL1,L2を固定するためのモールド樹脂材52が流し込まれるが、本実施例ではチョークコイルL1,L2の外側に壁面48を有する有底筒状のコイル収容部49が存在するので、モールド樹脂材52はコイル収容部49の壁面48により堰き止められて、コイル収容部49よりも外方に流出しなくなる。したがって、ケース1に継ぎ目などが形成されていても、モールド樹脂材52が外部に漏出する虞れはなく、ケース1におけるモールド樹脂材52の漏れ対策を施す必要もないので、ケース1の構造を簡素化できる。また、コイル固定用皿47はコイル収容部49を一体形成しているので、コイル収容部49に隙間などがなく、コイル収容部49から外部にモールド樹脂材52が漏れることもない。さらに、コイル収容部49の壁面48はトロイダル形状のチョークコイルL1,L2の外周に沿って、このチョークコイルL1,L2と比較的近接して円筒状に形成されており、モールド樹脂材52の充填量を必要最小限に抑えることができる。このため、モールド樹脂材52の充填量が従来よりも減った分、ノイズフィルタの軽量化を効果的に達成できる他に、モールド樹脂材52の充填時間も短縮して作業効率も向上し、製品のコストダウンも達成できる。 【0032】また、ノイズフィルタの外郭であるケース1が金属製である場合、チョークコイルL1,L2との絶縁が問題となるが、本実施例におけるコイル固定用皿47は樹脂製で、いわばチョークコイルL1,L2とケース1との間に介在する絶縁部材としての機能も兼用するため、部品点数の削減を図ってコストダウンを図ることができる。 【0033】ところで、本実施例のような縦長矩形箱状を有するケース1の場合、ケース1の特に左右方向の幅を極力小さくする必要がある関係で、トロイダル形状のチョークコイルL1,L2は、ケース1の左右側面に沿って縦置きに配置せざるを得ず、チョークコイルL1,L2を構成する巻線46の引出し端部すなわち一端部54は、ケース1の内部でケース1の奥行き方向に沿って一列に並設される。したがって、作業性を高めるためにケース1のフロント面34に端子台35,36を配置し、そこに左右方向に入力端子2A〜2Cや出力端子3A〜3Cを並設すると、これらの入力端子2A〜2Cや出力端子3A〜3Cが前記巻線46の一端部54と直交して、巻線46の一端部54を直接入力端子2A〜2Cや出力端子3A〜3Cに接続することが困難となる。 【0034】しかし、本実施例では各々の入力端子2A〜2Cや出力端子3A〜3Cと、これに対応する各巻線46の一端部54との間を、それぞれ形状の異なるL字形のバスバー57,58,59で連結している。すなわちこのバスバー57,58,59は、単に入力端子2A〜2Cや出力端子3A〜3CとチョークコイルL1,L2の巻線46との連結を図っているのではなく、左右方向に並んだ入力端子2A〜2Cや出力端子3A〜3Cの接続部を、巻線46の一端部54と同じ配列方向に転換する方向転換金具としての機能をも兼用している。そのため、バスバー57,58,59の基端部(端子取付部62)は入力端子2A〜2Cや出力端子3A〜3Cに対向し、バスバー57,58,59の先端部(接続部61)は巻線46の一端部54に対向するので、いずれの接続作業も容易に行なうことができる。これにより、縦長矩形箱状を有するケース4の利点を活かしつつも、チョークコイルL1,L2の巻線46と入力端子2A〜2Cや出力端子3A〜3Cとの接続作業を、バスバー57,58,59によって簡単に行なうことが可能になる。 【0035】また、方向転換金具としてのバスバー57,58,59は、いずれもL字状に形成されているため、取付け状態において直線状のバスバーよりも強度的に弱くなる傾向があるが、本実施例では各バスバー57,58,59に跨って、補強板としての捨て基板21を取付け固定することにより、バスバー57,58,59の強度を増すことが可能になる。しかも捨て基板21そのものが、プリント基板7から切り離された部材であるため、部品点数が増加することもない。 【0036】以上のように本実施例によれば、プリント基板7の端部に設けられた切離し可能な捨て基板21を、このプリント基板7を取付ける筐体すなわちケース1内部に機構部材(バスバー57,58,59の補強板)として設けている。 【0037】このようにすると、半田ディップ槽にプリント基板7を流した後で不要となる捨て基板21を廃棄せずに、ケース1内部の機構部材として再利用することが可能になる。そのため、ケース1内部の機構部材を単独の部品として製作する必要がなく、機構部材の部品点数を効果的に削減できる。 【0038】その他、本実施例では、複数枚の小基板11〜13に分割可能な基板切断部14を形成すると共に、これらの各小基板11〜13にアース接続を兼用する金属筐体たるケース1への固定用の孔15A〜15Lを形成したプリント基板において、一方の小基板13に形成した第1の電子部品であるコンデンサC15,C22をアース接続するための第1の孔15Dと、他方の小基板12に形成した第2の電子部品であるコンデンサC16,C17をアース接続するための第2の孔15Fが近接する部位に、コンデンサC16,C17と電気的に並列接続可能な第3の電子部品であるコンデンサC10の実装部32を、このコンデンサC10が第1の孔15Dを利用してコンデンサC15,C22とアース接続されるように、基板切断部14に跨って配置している。 【0039】このようにすると、基板切断部14によりプリント基板31を子基板11〜13に分割して使用する場合は、基板切断部14に跨るコンデンサC10を装着できないため、代わりにコンデンサC16,C17をプリント基板31に実装する。そして、第1の孔15Dや第2の孔15Fを含む各小基板11〜13の孔15A〜15Lに対して取付け作業を行なうことにより、コンデンサC15は第1の孔15Dによりアース接続され、コンデンサC16,C17は別の第2の孔15Fによりアース接続される。 【0040】一方、小基板11〜13に切断することなく一枚のプリント基板31として使用する場合は、コンデンサC16,C17をプリント基板31に実装せず、代わりに基板切断部14に跨って配置した実装部32にコンデンサC10を装着する。こうすると、コンデンサC22とコンデンサC16,C17に代わるコンデンサC10とを、共通する第1の孔15Dを利用してアース接続することが可能になり、第2の孔15Fに対する取付け作業が不要になる。そのため、固定用の孔15A〜15Lを利用してプリント基板31を取付け固定する際に、その取付け作業を省力化することが可能になる。 【0041】また、本実施例のノイズフィルタは、一方向に整列して複数の巻線46の引出し端部である一端部54が延設されるチョークコイルL1,L2と、このチョークコイルL1,L2の巻線46の一端部54と直交して複数個整列して並設される端子である入力端子2A〜2Cや出力端子3A〜3Cとをケース1内に備えたものにおいて、一端が巻線46の一端部54に対向し、他端が入力端子2A〜2Cまたは出力端子3A〜3Cに対向する連結金具としてのバスバー57,58,59を備えて構成される。 【0042】この場合、バスバー57,58,59の他端を入力端子2A〜2Cまたは出力端子3A〜3Cに接続すると、バスバー57,58,59の反対側にある一端が巻線46の一端部54に対向する。したがって、ここで例えばはんだ付けなどにより、巻線46の一端部54とバスバー57,58,59とを直接的に接続することができ、巻線46の一端部54と入力端子2A〜2Cまたは出力端子3A〜3Cとの接続作業を容易に行なうことができる。 【0043】また特に本実施例では、ケース1が縦長矩形箱状に形成される。この場合、ケース1は縦長矩形箱状、すなわち基盤垂直面などに取付けられる底面すなわち被取付面33から、前面すなわちフロント面34に至る前後方向の奥行きが、少なくとも一方の側面間の長さよりも長い寸法に形成されるので、奥行きの短い弁当箱形状のものよりも基盤垂直面などへの取付面積が少なくなる。したがって、ケース1が縦長矩形箱状であることの利点を活かしつつも、巻線46の一端部54と入力端子2A〜2Cまたは出力端子3A〜3Cとの接続作業を容易に行なうことができる。 【0044】以上、本発明における電子機器の機構構造について前記実施例に基づき説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、実施例では捨て基板21をバスバー57,58,59の補強板として利用したが、他にケース1内部のスペーサや絶縁板などの様々な機構部材として活用することが可能である。また、実施例におけるノイズフィルタに限らず、各種の電子機器に適用することも可能である。 【0045】 【発明の効果】本発明における電子機器の機構構造によれば、ケース内部にある機構部材に関し、その部品点数を効果的に削減することが可能になる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390013723 【氏名又は名称】デンセイ・ラムダ株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年4月9日(2001.4.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080089 【弁理士】 【氏名又は名称】牛木 護
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| 【公開番号】 |
特開2002−314269(P2002−314269A) |
| 【公開日】 |
平成14年10月25日(2002.10.25) |
| 【出願番号】 |
特願2001−110421(P2001−110421) |
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