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【発明の名称】 実装位置教示装置、実装位置教示方法及び実装位置教示プログラム記録媒体
【発明者】 【氏名】藤原 宏章

【氏名】花田 恵二

【氏名】兼松 宏一

【要約】 【課題】本発明は操作者の操作に従ってランド位置を指定する装置であって、操作者の負担を軽減する実装位置教示装置、方法を提供する。

【解決手段】実装位置教示方法は、プリント基板上の部品実装位置を示す実装データと部品の形状を示す形状データとに基づいて、指定された部品の電極に対応するランドの周辺領域の座標を算出し(ステップ41、42)、算出された座標に従ってランドの周辺領域を撮像するようにカメラの撮像位置を移動させる(ステップ43、44)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 プリント基板に実装すべき部品の実装位置を示す実装データを補正するため、プリント基板中のランドの周辺領域を撮像するカメラから得られる画像を表示し、表示画像に対するユーザ操作によりプリント基板上の実際のランド位置の指定を受付ける実装位置教示装置であって、プリント基板上の部品実装位置を示す実装データと部品の形状を示す形状データとを記憶する記憶手段と、指定された部品について、実装データと形状データとに基づいて当該部品の電極に対応するランドの周辺領域の座標を算出する算出手段と、算出された座標に従ってランドの周辺領域を撮像するようにカメラの撮像位置を移動させる移動手段と、を備えることを特徴とする実装位置教示装置。
【請求項2】 前記算出手段は、指定された部品の電極群のうち端に位置する複数の電極に対応する複数のランドの周辺領域の座標を算出し、前記移動手段は、算出された複数の座標に従って複数の周辺領域を順に撮像するように撮像位置を移動させることを特徴とする請求項1記載の実装位置教示装置。
【請求項3】 前記算出手段は、指定された部品について、記憶手段に記憶された実装データから当該部品の中心座標を、記憶手段に記憶された形状データから当該部品の外形サイズを取得し、取得した中心座標及び外形サイズから当該部品外形の隅の座標を前記周辺領域の座標として算出することを特徴とする請求項2記載の実装位置教示装置。
【請求項4】 前記算出手段は、さらに、指定された部品の外形隅からランドまでの距離を示すオフセット値を前記外形の隅の座標に加算し、外形隅の座標の代わりに、加算後の座標を前記周辺領域の座標とすることを特徴とする請求項3記載の実装位置教示装置。
【請求項5】 前記算出手段は、指定された部品について、記憶手段に記憶された実装データから当該部品の中心座標を、記憶手段に記憶された形状データから当該部品の外形サイズ及び当該部品の電極位置を示す電極位置情報を取得し、取得した中心座標、外形サイズ及び電極位置情報から当該部品の電極群の端に位置する電極の座標を前記周辺領域の座標として算出することを特徴とする請求項2記載の実装位置教示装置。
【請求項6】 前記算出手段は、指定された部品について、記憶手段に記憶された実装データから当該部品の中心座標を、部品中心座標と当該部品の各ランドとの位置関係を含むプリント基板設計データを外部から取得し、取得した中心座標及び位置関係から当該部品用のランド群の端に位置するランドの座標を前記周辺領域の座標として算出することを特徴とする請求項2記載の実装位置教示装置。
【請求項7】 前記算出手段は、部品中心座標と当該部品の各ランドとの位置関係を含むプリント基板設計データを外部から取得できか否かを判定する第1判定手段と、記憶手段に当該部品の電極位置を示す電極位置情報を利用可能か否かを判定する第2判定手段と、第1判定手段により取得できると判定された場合に、前記実装データ、形状データ及びプリント基板設計データに基づいて、指定された部品用のランド群の端に位置するランドの座標を前記周辺領域の座標として算出する第1算出部と、第1判定手段により取得できないと判定され、第2判定手段により利用可能であると判定された場合に、前記実装データ、形状データ及び電極位置情報に基づいて、指定された部品の電極群の端に位置する電極の座標を前記周辺領域の座標として算出する第2算出部と、第1判定手段により取得できないと判定され、記憶手段に記憶された形状データに基づいて、第2判定手段により利用可能でないと判定された場合に、前記実装データ、形状データに基づいて部品外形の隅の座標を前記周辺領域の座標として算出する第3算出部とを備えることを特徴とする請求項2記載の実装位置教示装置。
【請求項8】 プリント基板に実装すべき部品の実装位置を示す実装データを補正するため、プリント基板中のランドの周辺領域を撮像するカメラから得られる画像を表示し、表示画像に対するユーザ操作によりプリント基板上の実際のランド位置の指定を受付ける実装位置教示方法であって、プリント基板上の部品実装位置を示す実装データと部品の形状を示す形状データとを記憶する記憶装置から、指定された部品の実装データと形状データとを読み出して、指定された部品の電極に対応するランドの周辺領域の座標を算出する算出ステップと、算出された座標に従ってランドの周辺領域を撮像するようにカメラの撮像位置を移動させる移動ステップと、を有することを特徴とする実装位置教示方法。
【請求項9】 前記算出ステップは、指定された部品の電極群のうち端に位置する複数の電極に対応する複数のランドの周辺領域の座標を算出し、前記移動ステップは、表示画像に対するユーザ操作に応じて、算出された複数の座標が示す複数の周辺領域を順に撮像するように撮像位置を移動させることを特徴とする請求項8記載の実装位置教示方法。
【請求項10】 プリント基板に実装すべき部品の実装位置を示す実装データを補正するため、プリント基板中のランドの周辺領域を撮像するカメラから得られる画像を表示し、表示画像に対するユーザ操作によりプリント基板上の実際のランド位置の指定を受付ける実装位置教示方法を実現するプログラムを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、プリント基板上の部品実装位置を示す実装データと部品の形状を示す形状データとを記憶する記憶装置から、指定された部品の実装データと形状データとを読み出して、指定された部品の電極に対応するランドの周辺領域の座標を算出する算出ステップと、算出された座標に従ってランドの周辺領域を撮像するようにカメラの撮像位置を移動させる移動ステップと、を実現するプログラムを記録することを特徴とするプログラム記録媒体。
【請求項11】 前記算出ステップは、指定された部品の電極群のうち端に位置する複数の電極に対応する複数のランドの周辺領域の座標を算出し、前記移動ステップは、表示画像に対するユーザ操作に応じて、算出された複数の座標が示す複数の周辺領域を順に撮像するように撮像位置を移動させることを特徴とする請求項10記載のプログラム記録媒体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品等をプリント基板に実装する部品実装設備において、プリント基板上のランドを利用した実装位置補正用の実装データ作成を行う場合の、ランド位置を指定する実装位置教示装置、実装位置教示方法、プログラム記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子部品の小型化や電極の狭ピッチ化に伴ってプリント基板の高実装密度化が進み、より高い実装精度が部品実装装置に求められている。プリント基板はCAD装置によりランド位置が精度良く設計されるが、実際のプリント基板では種々の製造工程を経るうちに、プリント基板自体が伸縮することにより人の目にはわかりにくいオーダで位置ずれや角度ずれが発生することが多い。例えば、位置ずれはプリント基板の大きさ、厚さ等にもよるが0.数mm程度生じる。
【0003】プリント基板に部品を実装する部品実装装置では、プリント基板に部品実装する際の位置決めにおいて、電子部品の電極(リードとも呼ぶ)ピッチが狭い場合、部品の位置ずれや角度ずれの許容度はそれだけ小さくなる。図10に、電子部品の実装位置が角度ずれを起こしていない場合と起こしている場合の説明図を示す。同図(a)(b)はリードピッチが比較的広い電子部品が角度ずれを起こしていない場合、起こしている場合をそれぞれ示している。同図(c)(d)はリードピッチが狭い電子部品が、角度ずれを起こしていない場合、(b)と同じ角度ずれを起こしている場合をそれぞれ示している。
【0004】同図(b)では、電子部品のリードが隣のランドにショートしていない。これに対して(c)と同じ角度ずれであるのにリードピッチの狭い(d)ではリードが隣のランドにショートしてしまっている。このように、リードピッチが狭いほど角度ずれの許容量が小さくなり、より高精度の位置決めが要求される。最近の部品実装装置では、高精度の位置決めが要求される部品について、ランド位置を利用して実装座標の位置補正を行なうことがある。
【0005】図11に、実装座標の位置補正の説明図を示す。同図(a)では上下にリードがあり左右対称のSOP部品が実装されるプリント基板上のランドを示している。操作者は、部品実装装置に装着された実際のプリント基板における、4点のランドA,B,E,Fの位置を部品実装装置に指定する(ランドの位置決めを行なう)。一番外側4点のランドを利用しているのは、補正精度をより高めるためである。
【0006】ランド位置の指定は、具体的には次のように行われる。図12は、操作者の操作に従ってランド位置を指定する装置(部品実装位置教示装置)の主要部の構成を示す。この装置は、部品実装装置に設けられ、または部品実装装置とは別個の装置として設けられる。同図の装置は、プリント基板1をカメラ2を用いて撮像し、画面3で表示する。画面3には、撮像された画像とともに中心位置がわかるようにカーソル6が表示される。操作者は、画像を見ながら、操作盤5よりXYテーブル4及びその上にあるプリント基板1を移動させることによって画面3の表示領域を変更し、ランドの中心位置にカーソル6を合わせることで、位置決め(位置合せ)を行う。この例の代わりに、プリント基板1を固定して、カメラ2の方をXYロボットなどを用いて移動させる場合もある。
【0007】この位置指定を受けて部品実装装置は、指定されたランドA,Bの中心位置を結んだ線分の中点#1及びランドE,Fの線分の中点#2を求め、これら2つの中点を結ぶ線分の中点を修正された実装位置(X,Y)として算出し、2つの中点を結ぶ線分の傾きΔθ(補正回転角度)を実装角度に加えることにより補正された実装角度を算出する。
【0008】同図(b)では、上下左右にリードのあるQFPが実装されるプリント基板上のランドを示す。操作者は、部品実装装置に装着された実際のプリント基板における、8点のランドA〜Hのそれぞれの中心位置を指定する。部品実装装置は、指定されたA〜Hのランド中心位置から、中点#1と#2及び中点#3と#4を結ぶ線分を求め、これら線分の交点を修正された実装位置(X,Y)として算出し、中点を結ぶ線分の傾きΔθ1、Δθ2の平均を補正回転角度として、修正された実装角度を算出する。こうして修正された実装座標、実装角度を用いて部品が実装される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の実装位置を教示する方法によれば、操作者の操作に手間がかかり、位置合せのための負担が大きいという問題があった。より詳しく説明すると、図11(a)(b)のように部品電極をハンダ付けするのランド群のうち外側の4つ又は8つのランドの中心位置を精度良く位置決めするためには、ランドをある程度の大きさで画面3上に表示しなければならない。
【0010】ところが、カメラ2はプリント基板上の一部の領域しか表示できず、上記したような部品の4つ又は8つのランドを位置決めする場合には、画面3の表示領域外にあるランド位置に移動させることになる。この方法では次のランド位置の指定のための操作盤5における移動操作と画面3を見ながらの確認を数回くりかえさなければならず、手間がかかってしまう。
【0011】この具体例を図13に示す。同図において最初のランド指定位置7から次のランド指定位置8に進むために、操作者は、矢印9の方向に移動するよう操作盤5を操作していくが、途中の点線の枠で例示したように、何度も途中で移動を止めて、リードの端に来ていないか画面3を目視確認しながら移動させなければならない。特に、基板1上に同じようなパターンが連続するなどあまり固有の特徴のない場合は、現在表示位置がわからなくなってしまう場合も多い。このような場合は、画面表示位置の移動を、画面表示領域の半分づつ移動させながら、確認を繰り返すといったような方法を使わざるを得ない。
【0012】また、必要に応じて表示領域を広げ、現在のカメラ表示中心が基板上のどの辺にあるかを示すなどといったことが考えられるが、カメラの表示倍率切替えや複数カメラの配置などが必要になり、大幅なコストアップにつながるという問題がある。上記課題に鑑み本発明は、操作者の操作に従ってランド位置を指定する装置であって、操作者の負担を軽減する実装位置教示装置、方法及びプログラム記録媒体を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明の実装位置教示装置は、プリント基板に実装すべき部品の実装位置を示す実装データを補正するため、プリント基板中のランドの周辺領域を撮像するカメラから得られる画像を表示し、表示画像に対するユーザ操作によりプリント基板上の実際のランド位置の指定を受付ける実装位置教示装置であって、プリント基板上の部品実装位置を示す実装データと部品の形状を示す形状データとを記憶する記憶手段と、指定された部品について、実装データと形状データとに基づいて当該部品の電極に対応するランドの周辺領域の座標を算出する算出手段と、算出された座標に従ってランドの周辺領域を撮像するようにカメラの撮像位置を移動させる移動手段とを備える。
【0014】ここで、前記算出手段は、指定された部品の電極群のうち端に位置する複数の電極に対応する複数のランドの周辺領域の座標を算出し、前記移動手段は、算出された複数の座標に従って複数の周辺領域を順に撮像するように撮像位置を移動させる構成としてもよい。ここで、算出手段は、次の(a)〜(c)の何れかにより周辺領域の座標を算出する構成としてもよい。(a)指定された部品用のランド群の端に位置するランドの座標を前記周辺領域の座標として算出する、(b)指定された部品の電極群の端に位置する電極の座標を前記周辺領域の座標として算出する、(c)部品外形の隅の座標を前記周辺領域の座標として算出する。
【0015】また、本発明の実装位置教示方法は、プリント基板に実装すべき部品の実装位置を示す実装データを補正するため、プリント基板中のランドの周辺領域を撮像するカメラから得られる画像を表示し、表示画像に対するユーザ操作によりプリント基板上の実際のランド位置の指定を受付ける実装位置教示方法であって、プリント基板上の部品実装位置を示す実装データと部品の形状を示す形状データとを記憶する記憶装置から、指定された部品の実装データと形状データとを読み出して、指定された部品の電極に対応するランドの周辺領域の座標を算出する算出ステップと、算出された座標に従ってランドの周辺領域を撮像するようにカメラの撮像位置を移動させる移動ステップとを有する。
【0016】また、本発明のプログラム記録媒体は、上記実装位置教示方法を実現するプログラムを記録するコンピュータ読み取り可能はプログラム記録媒体である。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の形態における実装位置教示装置の構成を示すブロック図である。この実装位置教示装置は、実際のプリント基板の位置ずれや角度ずれに応じて部品実装データを補正するため、実際のプリント基板におけるランドの位置合せを行なう装置であり、カメラ12、表示部13、XYテーブル14、操作盤15、記憶部16、制御部17を備え、操作者の位置合せの作業負担を軽減するよう構成されている。
【0018】カメラ12、表示部13、XYテーブル14、操作盤15は、それぞれ図12に示したカメラ2、画面3、操作盤5、XYテーブル4に相当し、制御部17の制御の下で、XYテーブル14に置かれたプリント基板1をカメラ2を用いて撮像し、表示部13により表示する。表示部13にはには、撮像された画像とともに中心位置がわかるようにカーソル6が表示される。操作者は、画像を見ながら、操作盤5よりXYテーブル4及びその上にあるプリント基板1を移動させることによって画面3の表示領域を変更し、ランドの中心位置にカーソル6を合わせることで、位置決め(位置合せ)を行う。ただし、XYテーブル14は、操作盤15における操作による移動だけでなく、制御部17の制御によっても移動する。
【0019】記憶部16は、NC(Numerical Control)データ16a、供給部データ16b、形状データ16c等を記憶する。図2(a)〜(c)に、NCデータ16a、供給部データ16b、形状データ16cの一例を示す。NCデータ16aは、プリント基板に実装すべき部品毎の実装位置を示すデータであり、図2(a)に示すように、プリント基板上の実装すべき各部品について、部品の中心を実装すべきプリント基板上の位置を示す(X座標、Y座標)と、実装角度(回転角度)と、当該部品供給元のカセットを示す番号(図中のZ)などからなる。例えば、No.4の部品の場合は、(X座標、Y座標)が(15.000,5.000)の位置に90度回転させて、部品供給カセット3から供給される部品を実装することを意味する。
【0020】供給部データ16bは、部品実装装置においてどの部品がどの部品供給部(部品供給カセットや部品リールなど)から供給されるかを示すデータであり、同図(b)に示すようにカセット番号Zに対応させて部品名称、部品形状などからなる。例えば、カセット番号3の場合この部品供給カセットは、部品名称がBUHIN#Cで、部品形状の種類がSOP(Small Outline Package)であることを意味する。
【0021】形状データ16cは、部品形状の詳細を示すデータであり、同図(c)に示すように部品形状の種類毎に、部品サイズ(上下、左右、高さの各サイズ)、リード開始位置、リード幅、リードピッチ、リード長さ、リード本数(部品の上下左右の4端毎)などからなる。図3に部品形状の種類がSOPである場合の部品形状として表される各サイズの説明図を示す。
【0022】制御部17は、ワークステーション、パーソナルコンピュータと同様のハードウェア構成でよく、内部のメモリ中のプログラムを実行することにより、本実装位置教示装置における位置合せを補助する処理を制御する。特に制御部17は、位置合せを補助する処理として、プリント基板に実装すべき部品のうち操作者により選択された部品について、当該部品のランド近辺位置(上記SOPであれば4箇所)を求め、カメラ12が当該ランド近辺位置を撮像するようにXYテーブル14を移動させ、撮像された画像を表示部13に表示させて操作者による位置合せ又は確認操作を受けた後、次のランド近辺位置ついて同様に行なう。
【0023】これにより、操作者は、位置合せの対象として選択した部品の4つ又は8つのランド間を移動する操作を行なう必要がなく、部品を選択するだけで位置合せすべき4つ又は8つのランド近辺の画像を順次得ることができる。その結果、操作者は微調整のみを行なえばよい。図4は、制御部17における位置合せに関する処理内容を示すフローチャートである。
【0024】同図のように制御部17は、プリント基板に実装すべき部品のうち、ランド位置を教示(位置合せ)するべき部品選択が受けると(ステップ41)、記憶部16のNCデータ16a、供給部データ16b、形状データ16cを参照して当該部品実装位置からN個のランド近辺座標を算出する(ステップ42)。本実施形態では便宜上SOPを例に説明しているが、部品選択は図10に示したようにリードピッチが高密度である程プリント基板の位置ずれ、角度ずれの影響が大きいので、QFP(Quad Flat Package)等のリードの数が多く高密度な部品を選択することが望ましい。また算出されるランド近辺座標の数Nは、SOPの場合4つ、QFPの場合は8つになる。コネクタ等の場合Nはランドの配置による。
【0025】次に、制御部17は、算出されたランド近辺座標のうちi(iは1〜N)番目のランド近辺座標にカメラ12の撮像視野が入るようXYテーブル14を移動させる(ステップ43、44)。これにより、表示部13にはi(iは1〜N)番目のランド近辺座標周辺の画像が表示される。操作者は、この画像を見ながらランド中心位置とカーソル位置とを合せるように操作盤15の操作により微調整を行なって位置決めを指示する。制御部17は、位置決めを指示されると(ステップ45)、i番目のランドのランドの位置決めを終える(ステップ46)。
【0026】このような1〜N番目のランドの位置決め処理を終えると、制御部17は、位置ずれの補正値及び角度ずれの補正値を算出し(ステップ47)、NCデータ16a中の当該部品の(X座標、Y座標)、取り付け角度を修正する(ステップ48)。さらに、制御部17は、他の部品が選択されれば(ステップ41)、上記と同様の処理を行ない(ステップ42〜48)、選択されなければ位置合せに関する処理を終了する。
【0027】図5に、上記ステップ43〜46における撮像視野の説明図を示す。同図において、51〜54は、それぞれi=1〜4の場合のカメラ12による撮像視野であり、表示部13に表示される画像を表している。また、同図では、わかりやすくするため部品外形及び部品リードも図示しているが、実際にはまだ実装されていない。制御部17は、ステップ44において、i=1の場合には撮像視野51の位置を撮像するようにXYテーブル14を移動させ、i=2〜4の場合には図中の矢印で示したように移動させる。このように、操作者の端のランドから他の端のランドへの撮像視野を移動させる操作が不要になるので操作負担が軽減される。操作者は撮像視野51〜54において微調整をするだけでよい。
【0028】なお、部品の選択については、操作者の選択を受付けるステップ41の代わりに、リードピッチが高密度でリードの数が多い部品を制御部17がNCデータから抽出するステップを設ける構成としてもよい。こうすれば実際のプリント基板の位置ずれ及び角度ずれの影響を受けやすい部品の全てに対して位置合せを確実に行なうことができるので、操作者の選択操作の負担を解消するともに、不注意による選択漏れをなくすこともできる。
【0029】図6は、図4のステップ42に示した近辺座標を算出する処理の詳細を示すフローチャートである。同図に示すように、制御部17は電極位置情報とランド位置情報が得られるか否かに応じて(ステップ321、322)、(1)外形隅の座標算出、(2)端リード中心座標の算出、(3)端ランド中心座標の算出の何れかを、近辺座標として算出する(ステップ323〜325)。
【0030】ここで、端リードとは部品のリード群の端に位置するリードをいう。端ランドとは部品のランド群の端に位置するランドをいう。また、電極位置情報とは、図2(c)に示した形状データのうちリード開始位置、リード幅、リードピッチ、リード長さ、リード本数等のリードつまり電極に関する情報をいう。電極位置情報は形状データに含まれていてもその数値が実際の部品に対して精度が良くない場合や、含まれていない場合がある。また、ランド位置情報とは、プリント基板を設計するCAD(Computer Aided Design)システム内部の設計データのうち、プリント基板上の部品の実装位置(部品の中心座標)と当該部品の個々のランドの中心位置との位置関係を示すデータをいう。このランド位置情報はCADシステム内部には存在するが、部品実装装置及び実装位置教示装置が容易に取得できるとは限らない。
【0031】(1)ステップ323における外形隅の座標算出制御部17は、選択された部品についてランド位置情報も電極位置情報も利用できない場合に、外形隅の座標を算出する。この場合、制御部17は、まず図7(a)に示す部品外形の4隅の座標を次のように算出する。すなわち、制御部17は、図2(a)に示したNCデータ16aから当該部品の(X座標、Y座標)及び角度を読み出し、供給部データ16bから当該部品を供給するカセット番号から部品形状を求め、形状データ16cからその部品形状の部品サイズを読み出し、上記の(X座標、Y座標)及び角度と部品サイズとから4隅の座標を算出する。次に、制御部17は、算出した4隅の頂点座標にそれぞれのオフセット値を加算することにより、図7(b)のように4隅の外形隅座標を算出する。
【0032】(2)ステップ324における端リード中心座標の算出制御部17は、選択された部品についてランド位置情報を利用できないが、電極位置情報を利用できる場合に、端リード中心座標を算出する。通常、ランドはリードが接するものであるから、リードの中央は、ランドの中心位置に近辺であることが多い。上記の場合には求めるランドに対応する、一番両端のリード部分の中心位置を以下のように求めて、それを近辺位置の座標とする。
【0033】すなわち、制御部17は、まず図7(a)に示す部品外形の4隅の座標を上記と同様に算出する。次に、制御部17は、算出した4隅の頂点座標と、電極位置情報とから端リード中心座標を算出する。図8に端リード中心座標の算出の説明図を示す。図8に示すように、部品中心hから左端リードの中心位置gまでの距離(xd、yd)=(−b/2+c+d/2、a/2+f/2)により算出される。さらに、部品中心hから右端リードの中心位置までの距離は、xdに(リード本数−1)×eを加えればよい。
【0034】制御部17は、このようにして各端リードの中心位置を求め、NCデータ16aから読み出したプリント基板上の部品中心座標を加えれば、各端リードの基板上の中心座標が求められる。また、部品に実装角度がある場合は、(xd、yd)を0度姿勢で一旦求めたあとに、角度分だけ、部品中心位置を中心に回転させた値を算出する。
【0035】(3)ステップ325における端ランド中心座標の算出制御部17は、選択された部品についてランド位置情報を利用できる場合に、端リード中心座標を算出する。図9に端リード中心座標算出の説明図を示す。制御部17は、図2(a)に示したNCデータ16aから当該部品の(X座標、Y座標)及び角度を読み出し、CADデータからランド位置情報(図9のV)を抽出し、4隅の各ランドの中心座標を算出する。
【0036】以上のように制御部17は、ランド位置情報を利用できる場合は(3)の端ランド中心座標を、ランド位置情報を利用できないが電極位置情報を利用できる場合には(2)の端リード中心座標を、両方とも利用できない場合には(1)の4隅の座標を近辺座標として算出する。これにより、実装位置教示装置が利用可能なデータが多い場合も少ない場合もそれぞれ近辺座標を算出することができる。例えば、CADデータを取得することができない場合、実装位置教示装置、部品実装装置、CADシステム等の改造により取得可能になるが、改造コストがかかってしまう。この場合、改造コストをかけなくてもランドの近辺座標を算出することができる。
【0037】なお、CADデータを取得できる場合には、端ランド中心座標をかなり精度良く算出できるので、ランド中心座標を撮像するカメラ12の画像からランド外形を画像認識し画像中のランド中心位置を算出して、CADデータから算出したランド中心位置と、画像から算出したランド中心位置と一致させるように制御部17が位置決めするようにしてもよい。その場合、図4に示したステップ45の代わりに制御部17による位置決め処理を行なうよう構成すればよい。これにより、操作者による微調整も不要になり、単に表示部13の画像を確認するだけでよく、さらに操作者の負担を軽減することができる。
【0038】また、上記制御部17は、ワークステーション、パーソナルコンピュータと同様のハードウェア構成でよく、内部のメモリ中のプログラムを実行することにより、図4及び図6のフローチャートに示した処理内容を実現するので、本プログラムをCD−ROM等の記録媒体やネットワークを介して他の実装位置教示装置を構成するコンピュータが読み取ることにより、それらの装置も本発明を実施することができる。
【0039】
【発明の効果】(1)本発明の実装位置教示装置は、プリント基板に実装すべき部品の実装位置を示す実装データを補正するため、プリント基板中のランドの周辺領域を撮像するカメラから得られる画像を表示し、表示画像に対するユーザ操作によりプリント基板上の実際のランド位置の指定を受付ける実装位置教示装置であって、プリント基板上の部品実装位置を示す実装データと部品の形状を示す形状データとを記憶する記憶手段と、指定された部品について、実装データと形状データとに基づいて当該部品の電極に対応するランドの周辺領域の座標を算出する算出手段と、算出された座標に従ってランドの周辺領域を撮像するようにカメラの撮像位置を移動させる移動手段とを備える。
【0040】この構成によれば、操作者は、ランド位置の指定対象された部品について、プリント基板上のランド周辺領域まで、カメラの撮像位置を移動させる操作をすることから解放されるので、ランド位置の指定するためのカメラ撮像位置の微調整だけ操作すればよい。その結果、操作者の操作負荷を軽減することができるという効果がある。
【0041】(2)前記算出手段は、指定された部品の電極群のうち端に位置する複数の電極に対応する複数のランドの周辺領域の座標を算出し、前記移動手段は、算出された複数の座標に従って複数の周辺領域を順に撮像するように撮像位置を移動させるように構成してもよい。この構成によれば、指定された部品に対応する複数のランド間で、カメラの撮像位置を移動させる操作を行なう必要がなく、部品を選択するだけで位置合せすべき4つ又は8つのランド近辺の画像を順次得ることができる。その結果、操作者は微調整のみを行なえばよい。
【0042】(3)また、前記算出手段は、指定された部品について、記憶手段に記憶された実装データから当該部品の中心座標を、記憶手段に記憶された形状データから当該部品の外形サイズを取得し、取得した中心座標及び外形サイズから当該部品外形の隅の座標を前記周辺領域の座標として算出する構成としてもよい。この構成によれば、一般に、ランドの周辺領域は部品外形の隅含む領域とみなせるので、部品の電極位置を示す電極位置情報やプリント基板のランド位置を示す設計データを取得しなくても、部品の外形サイズに基づきランド周辺領域の座標を算出することができるという効果がある。
【0043】(4)前記算出手段は、さらに、指定された部品の外形隅からランドまでの距離を示すオフセット値を前記外形の隅の座標に加算し、外形隅の座標の代わりに、加算後の座標を前記周辺領域の座標とする構成としてもよい。この構成によれば、(3)の場合に比べてランド周辺領域の座標をより精度よく算出することができる。
【0044】(5)前記算出手段は、指定された部品について、記憶手段に記憶された実装データから当該部品の中心座標を、記憶手段に記憶された形状データから当該部品の外形サイズ及び当該部品の電極位置を示す電極位置情報を取得し、取得した中心座標、外形サイズ及び電極位置情報から当該部品の電極群の端に位置する電極の座標を前記周辺領域の座標として算出する構成としてもよい。
【0045】この構成によれば、部品の電極位置とプリント基板のランド位置は重なることを利用して、電極の座標を前記周辺領域の座標として算出するので、周辺領域の座標を精度よく算出することができる。
(6)前記算出手段は、指定された部品について、記憶手段に記憶された実装データから当該部品の中心座標を、部品中心座標と当該部品の各ランドとの位置関係を含むプリント基板設計データを外部から取得し、取得した中心座標及び位置関係から当該部品用のランド群の端に位置するランドの座標を前記周辺領域の座標として算出する構成としてもよい。
【0046】この構成によれば、プリント基板設計データを利用するので、ランドの周辺領域の座標を算出を高精度で行なうことができる。
(7)前記算出手段は、部品中心座標と当該部品の各ランドとの位置関係を含むプリント基板設計データを外部から取得できか否かを判定する第1判定手段と、記憶手段に当該部品の電極位置を示す電極位置情報を利用可能か否かを判定する第2判定手段と、第1判定手段により取得できると判定された場合に、前記実装データ、形状データ及びプリント基板設計データに基づいて、指定された部品用のランド群の端に位置するランドの座標を前記周辺領域の座標として算出する第1算出部と、第1判定手段により取得できないと判定され、第2判定手段により利用可能であると判定された場合に、前記実装データ、形状データ及び電極位置情報に基づいて、指定された部品の電極群の端に位置する電極の座標を前記周辺領域の座標として算出する第2算出部と、第1判定手段により取得できないと判定され、記憶手段に記憶された形状データに基づいて、第2判定手段により利用可能でないと判定された場合に、前記実装データ、形状データに基づいて部品外形の隅の座標を前記周辺領域の座標として算出する第3算出部とを備える構成としてもよい。
【0047】この構成によれば、プリント基板設計データを利用できる場合は第1算出部によりランドの座標を、プリント基板設計データを利用できないが電極位置情報を利用できる場合には、電極(リード)の座標を、両方とも利用できない場合には部品外形の隅の座標を、ランドの近辺座標として算出する。これにより、実装位置教示装置が利用可能なデータが多い場合も少ない場合でもそれぞれランドの近辺座標を算出することができる。例えば、プリント基板設計データを取得することができない場合、実装位置教示装置やCADシステム等を改造すれば取得可能になるが、改造コストがかかってしまう。この場合、改造コストをかけなくてもランドの近辺座標を算出することができる。
【0048】(8)及び(9) 本発明の実装位置教示方法は、プリント基板に実装すべき部品の実装位置を示す実装データを補正するため、プリント基板中のランドの周辺領域を撮像するカメラから得られる画像を表示し、表示画像に対するユーザ操作によりプリント基板上の実際のランド位置の指定を受付ける実装位置教示方法であって、プリント基板上の部品実装位置を示す実装データと部品の形状を示す形状データとを記憶する記憶装置から、指定された部品の実装データと形状データとを読み出して、指定された部品の電極に対応するランドの周辺領域の座標を算出する算出ステップと、算出された座標に従ってランドの周辺領域を撮像するようにカメラの撮像位置を移動させる移動ステップとを有する。
【0049】ここで前記算出ステップは、指定された部品の電極群のうち端に位置する複数の電極に対応する複数のランドの周辺領域の座標を算出し、前記移動ステップは、表示画像に対するユーザ操作に応じて、算出された複数の座標が示す複数の周辺領域を順に撮像するように撮像位置を移動させる構成としてもよい。この構成によれば上記(1)(2)と同様の効果がある。
(10) 本発明のプログラム記録媒体は、プリント基板に実装すべき部品の実装位置を示す実装データを補正するため、プリント基板中のランドの周辺領域を撮像するカメラから得られる画像を表示し、表示画像に対するユーザ操作によりプリント基板上の実際のランド位置の指定を受付ける実装位置教示方法を実現するプログラムを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、プリント基板上の部品実装位置を示す実装データと部品の形状を示す形状データとを記憶する記憶装置から、指定された部品の実装データと形状データとを読み出して、指定された部品の電極に対応するランドの周辺領域の座標を算出する算出ステップと、算出された座標に従ってランドの周辺領域を撮像するようにカメラの撮像位置を移動させる移動ステップとを実現するプログラムを記録することを特徴とするプログラム記録媒体である。
【0050】この構成によれば上記(1)と同様の効果がある。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成12年10月13日(2000.10.13)
【代理人】 【識別番号】100090446
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 司朗 (外1名)
【公開番号】 特開2002−124799(P2002−124799A)
【公開日】 平成14年4月26日(2002.4.26)
【出願番号】 特願2000−314306(P2000−314306)