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【発明の名称】 発熱電子部品の固定放熱構造
【発明者】 【氏名】大山 正実

【氏名】砂見 良二

【要約】 【課題】発熱電子部品を簡単に取付けることができるとともに、効果的な放熱が可能な固定放熱構造部を提供すること。

【解決手段】このため、本発明では、発熱電子部品を弾性部材で押圧し、この発熱電子部品の熱を放熱板を介して金属筐体に放熱する発熱電子部品の固定放熱構造部において、弧状湾曲部1Eと放熱板2の内面に当接するL字状両腕部1Bが設けられた天井部1Aと、先端に係止部12と押圧部11が設けられた延出部1Fが形成された弾性部材1と、発熱電子部品3、3′が配置され、また前記天井部1Aが挿入される穴部2Aと、前記係止部12と係合する係合部23を有し、前記押圧部11で金属筐体に押圧される放熱板2を設けたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】発熱電子部品を弾性部材で押圧し、この発熱電子部品の熱を放熱板を介して金属筐体に放熱する発熱電子部品の固定放熱構造において、弧状湾曲部と放熱板の内面に当接するL字状両腕部が設けられた天井部と、先端に係止部と押圧部が設けられた延出部が形成された弾性部材と、発熱電子部品が配置され、また前記天井部が挿入される穴部と、前記係止部と係合する係合部を有し、前記押圧部で金属筐体に押圧される放熱板を設けたことを特徴とする発熱電子部品の固定放熱構造。
【請求項2】前記放熱板に、発熱電子部品を配置するときその挿入操作を支援する機能を持つエンボスを設けたことを特徴とする請求項1記載の発熱電子部品の固定放熱構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばパワートランジスタやダイオードの如き発熱電子部品の固定放熱構造に係り、特に発熱電子部品を簡単に取付けることができるのみならず効果的な放熱を行うことができるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】従来、発熱電子部品をプリント基板に取付けるとき、取付けを簡単にしかつ放熱効果を上げるために、実開平5−59894号公報に記載されたように、プリント基板の上面に複数の発熱電子部品を取付け、このプリント基板を絶縁台を介してケースの底板に配置し、また波板状の弾性放熱板により複数の発熱電子部品のそれぞれの上部に圧接するとともに、この弾性放熱板の両端をケースの側板に設けた穴に嵌合させている。
【0003】この公報に記載されたものでは発熱電子部品の発熱は、波板状の弾性放熱板を経由して放熱され、発熱電子部品から筐体への放熱が効果的な放熱経路となっておらず、このためハイパワー型の電源装置になると発熱量も多くなり、ハイパワーに伴う発熱電子部品の発熱に対する効果的な放熱の考慮が必要となる。
【0004】このため、図5、図6に示す如き、発熱電子部品3、3′の固定放熱構造が使用されていた。すなわち、放熱板20のエンボス21、21・・・に発熱電子部品3、3′・・・の孔部3A、3Aを係合して、発熱電子部品3、3′・・・を放熱板20上に配置し、発熱電子部品3、3′・・・は三角状の押片102を有する固定具101により押圧され、この状態で固定具101は金属筐体51に対しねじ81で固定する。また放熱板20は、三角状の押片112を有する固定具111とねじ81により金属筐体51に固定する。放熱板20には支柱40が固着され、プリント板41が固着される。なお、図5、図6において61は絶縁板である。
【0005】したがって発熱電子部品3、3′・・・を固定するとき、放熱板20上に発熱電子部品3、3′・・・を配置させるとともに、この状態で1個の固定具101と、2個の固定具111、111により金属筐体51に取付けるため、作業性がよくないとともに固定具も3個必要である。
【0006】また放熱板20の存在のため、プリント板41と金属筐体51間の、前記発熱電子部品3の固定具101の実装高さh2 が高くなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来では、発熱電子部品の固定放熱に対しては筐体あるいはさらに放熱器に固定して放熱する手法が使用されている。この手法の多くは、前記実開平5−59894号公報に示す如く、発熱電子部品の上面を押さえる固定具により筐体に固定する。そして発熱電子部品の発熱量が多ければ、図5、図6に示す如く、発熱電子部品と筐体との間に放熱板を介在するものとなる。
【0008】従って、このため固定具の高さが高くなることになる。また、3個の固定具を用いて放熱板や発熱電子部品を筐体に固定することにする。それ故、実装スペースの大きいものを必要とするのみならず、作業性の面でも問題があった。
【0009】それ故本発明の目的は、部品点数の少ない実装スペースの小さい、作業性の良好な、前記問題点を改善した発熱電子部品の固定放熱構造部を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の概略を図1に示す。図1において、1は弾性部材、1Aは天井部、1Bは両腕部、1Cは取付部、1Dは取付穴、1Eは弧状湾曲部、1Fは延出部、2は放熱板、2Aは穴部、2Bは穴部の端部、2Cは内面、2Dは天井部、3、3′は発熱電子部品、11は舌片、12は突起、23は係止穴、24は支柱である。
【0011】本発明の前記目的は下記の(1)、(2)の構成により達成することができる。
【0012】(1)発熱電子部品を弾性部材で押圧し、この発熱電子部品の熱を放熱板を介して金属筐体に放熱する発熱電子部品の固定放熱構造部において、弧状湾曲部1Eと放熱板2の内面に当接するL字状両腕部1Bが設けられた天井部1Aと、先端に係止部12と押圧部11が設けられた延出部1Fが形成された弾性部材1と、発熱電子部品3、3′が配置され、また前記天井部1Aが挿入される穴部2Aと、前記係止部12と係合する係合部23を有し、前記押圧部11で金属筐体に押圧される放熱板2を設けたことを特徴とする。
【0013】(2)前記(1)の発熱電子部品の固定放熱構造部において、前記放熱板2に、発熱電子部品3、3′を配置するときその挿入操作を支援する機能を持つエンボスを設けたことを特徴とする。部品の固定放熱構造部。
【0014】そしてこれにより下記の作用効果を奏する。
【0015】(1)放熱板に弾性部材を組み合わせるとき天井部の両腕部が放熱板の穴部の側部内側に挿入し、また係止部が係合部に係合して、これら弾性部材と放熱板との組み合わせを正確に、簡単に行うとともに、発熱電子部品を放熱板の穴部に配置すると、天井部の弧状湾曲部でこの発熱電子部品の上面を押し、放熱板に押圧するので、発熱電子部品の発熱を効率よく伝達することができるのみならず、1個の弾性部材により発熱電子部品と放熱板をユニットとして組立てることができ、作業性向上及び部品点数の削減によるコストの低減が可能となり、薄型化により省スペースで金属筐体に固定放熱することができ、安定した放熱効果を得ることができる。
【0016】(2)放熱板に挿入操作を支援する機能を持つエンボスを設けたので、発熱電子部品の放熱板に対する配置作業を効率化することができ、作業性の向上をはかることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態を図1〜図4にもとづき説明する。図1は本発明の発熱電子部品の固定放熱構造の分解詳細図、図2はその要部の詳細構成図、図3は本発明の発熱電子部品の金属筐体固着状態説明図、図4は本発明の発熱電子部品の斜視図及び側面図である。
【0018】図中1は弾性部材、1Aは天井部、1Bは両腕部、1Cは取付部、1Dは取付穴、1Eは弧状湾曲部、1Fは延出部、2は放熱板、2Aは穴部、2Bは穴部の端部、2Cは天井部2Dの内面、3、3′は発熱電子部品、3Aは孔部、4はプリント板、5は金属筐体、6は絶縁板、7は絶縁間座、8はねじ、11は舌片、12は突起、23は係止穴、24は支柱である。
【0019】弾性部材1はステンレス鋼やリン青銅等の、発熱に耐え得る弾性を有する弾性板で構成され、放熱板2と組み合って発熱電子部品を放熱板2に効率よく、放熱性もよく取付けるものであり、弧状湾曲片1Eと両腕部1Bが形成された天井部1A、天井部1AからL字型に形成され取付穴1Dが設けられた取付部1C、舌片11と突起12が形成された両側に設けられた延出部1F等が設けられている。
【0020】放熱板2はこの上に発熱電子部品3、3′を保持するもので、発熱電子部品3、3′が内部に保持される穴部2A、天井部2Dの両側の端部2B、天井部2Dの内面2C、発熱電子部品3、3′の孔部3Aと係合するエンボス21、発熱電子部品3、3′が穴部2Aに挿入されるときのガイドとなるエンボス22、係止穴23等が設けられている。放熱板2はアルミ合金で構成されるが、熱伝導率が同等以上の材料であればよい。また放熱板2には、プリント板4を保持する支柱24が固着されている。
【0021】次に本発明の発熱電子部品の固定放熱構造部の使用状態について説明する。
【0022】まず、支柱24、24が固着された前記構造の放熱板2に、前記構造の弾性部材1を、図1(A)に示す矢印方向に移動して、その天井部1A を放熱板2の穴部2Aに挿入する。
【0023】このとき、図2(A)に示す如く、天井部1AからL字型に伸びた両腕部1Bは、放熱板2の穴部2Aの両側の端部2B、2Bに沿って、放熱板2の天井部2Dの内面2Cに接触しながら挿入される。
【0024】そして弾性部材1の天井部1Aが放熱板2の穴部2Aに完全に挿入したとき、図2(D)に示す如く、弾性部材1の両側に形成された延出部1Fの先端部分の舌片11の突起12が放熱板2の係止穴23に挿入され、弾性部材1と放熱板2とが係合される。このとき舌弁11の逆U字状の折曲部11Aが放熱板2を押圧する。
【0025】それから、図1(A)、図2(B)に示す如く、発熱電子部品3、3′を穴部2Aに、弾性部材1の天井部1Aに形成された弧状湾曲片1Eの押圧力に抗して挿入する。このときエンボス22、22がこの挿入のためのガイダンスとなり、挿入作業が能率よく行える。そして発熱電子部品3、3′が所定位置まで挿入されたとき、その穴部3Aが放熱板2に形成されたエンボス21に挿入され、正確な位置決めが行われる。このとき発熱電子部品3、3′は弧状湾曲片1Eの弾性力により放熱板2に上方よりしっかりと押さえられる。このようにして複数の発熱電子部品3、3′は放熱板2と弾性部材1により1つの部品としてユニット化される。
【0026】そして図3、図4に示す如く、絶縁間座7と固定ねじ8により、ユニット化された弾性部材1の取付部1Cの座面と金属筐体5に絶縁板6を介して固定されるとともに放熱される。なお支柱24にはプリント板4が取付けられる。金属筐体5としてはアルミ合金や、軽さの面からマグネシウム合金が好ましいが、熱伝導等が同等以上のものであればよい。また金属筐体5は、図3に示す如く、放熱効果を高めるため、放熱フィン51を、例えばダイカスト等にて一体化形状にすることもできる。
【0027】本発明では、発熱電子部品を弧状湾曲片により押圧しているので、図4(B)に示す如く、放熱板2の下面からプリント板4までの高さh1 が、図6(B)に示す従来の高さh2 より低くてよいため、小形化できる。
【0028】また図5に示す如く、従来の場合は固定具として発熱電子部品用の固定具101と別に2個の固定具111、111の3個を必要としたのに対し、1個の弾性部材1でよく、部品点数も少なく作業性も高めることができる。
【0029】
【発明の効果】本発明により下記の効果を奏することができる。
【0030】(1)放熱板に弾性部材を組み合わせるとき天井部の両腕部が放熱板の穴部の側部内側に挿入し、また係止部が係合部に係合して、これら弾性部材と放熱板との組み合わせを正確に、簡単に行うとともに、発熱電子部品を放熱板の穴部に配置すると、天井部の弧状湾曲部でこの発熱電子部品の上面を押し、放熱板に押圧するので、発熱電子部品の発熱を効率よく伝達することができるのみならず、1個の弾性部材により発熱電子部品と放熱板をユニットとして組立てることができ、作業性向上及び部品点数の削減によるコストの低減が可能となり、薄型化により省スペースで金属筐体に固定放熱することができ、安定した放熱効果を得ることができる。
【0031】(2)放熱板に挿入操作を支援する機能を持つエンボスを設けたので、発熱電子部品の放熱板に対する配置作業を効率化することができ、作業性の向上をはかることができる。
【出願人】 【識別番号】000003067
【氏名又は名称】ティーディーケイ株式会社
【出願日】 平成12年10月17日(2000.10.17)
【代理人】 【識別番号】100083297
【弁理士】
【氏名又は名称】山谷 晧榮 (外2名)
【公開番号】 特開2002−124791(P2002−124791A)
【公開日】 平成14年4月26日(2002.4.26)
【出願番号】 特願2000−316137(P2000−316137)