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【発明の名称】 電子機器用筐体
【発明者】 【氏名】小倉 健一

【要約】 【課題】意匠性に優れる金属薄板製電子機器用筐体を提供する。

【解決手段】金属薄板からなる一端開放の2個の筐体1、2の各開放側端面を当接させた電子機器用筐体において、一方の筐体1の側壁内周面に帯板3が一方の筐体1の開放側端部から突き出て接合されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 金属薄板からなる一端開放の2個の筐体を、それらの鏡面対象の開放側端面を相互に当接させて形成した電子機器用筐体において、一方の筐体の側壁内周面に帯板が前記一方の筐体の開放側端部から突き出て接合されていることを特徴とする電子機器用筐体。
【請求項2】 前記一方の筐体の側壁内周面に帯板が、接着、溶接、または機械的結合により接合されていることを特徴とする請求項1記載の電子機器用筐体。
【請求項3】 前記帯板に、他方の筐体がネジ止めされていることを特徴とする請求項1または2記載の電子機器用筐体。
【請求項4】 前記他方の筐体のネジを通す穴部分が内側に凹んでおり、ネジの端部が前記他方の筐体の表面から突出していないことを特徴とする請求項3記載の電子機器用筐体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノートパソコン、デジタルカメラ/ビデオ、携帯型ゲーム機、電子手帳、電卓、ワープロなどに用いられる電子機器用筐体の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器用筐体は、一端開放の2個の筐体を、それら鏡面対象の開放側端面を相互に当接させて形成した筐体であって、内部には種々の電子部品が取り付けられる。前記一端開放の筐体は、電子部品を固定するためのボスなどを容易に成形できる利便性から、樹脂やマグネシウム合金を射出成形またはモールド成形して製造されており、特にマグネシウム合金は、樹脂に比べてリサイクル性、放熱性、電磁シールド性が優れているため需要が増している。しかし、マグネシウム合金を射出成形またはモールド成形する製造方法には、技術的制約から電子機器用筐体に要求されている薄肉化に十分対応できないという問題がある。このようなことから、アルミニウム合金薄板をプレス成形した一端開放の筐体を用いた電子機器用筐体が開発された。この電子機器用筐体は、従来の射出成形品に比べて生産性に優れるためコスト低減が図れ、またリサイクル性、放熱性、電磁シールド性にも優れる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記電子機器用筐体は薄肉のため、一端開放の2個の筐体の当接部分に隙間が開き易く、また筐体同士がずれ易いという欠点があった。そこで、本発明者は開放側端部を直角に曲げて当接部分の面積を拡げることにより前記隙間やずれをなくす方法を提案したが(特願2000−102942号公報)、これには当接部分がだれて見えて意匠性が劣るという問題がある。本発明は、意匠性に優れる金属薄板製電子機器用筐体の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、金属薄板からなる一端開放の2個の筐体を、それらの鏡面対象の開放側端面を相互に当接させて形成した電子機器用筐体において、一方の筐体の側壁内周面に帯板が前記一方の筐体の開放側端部から突き出て接合されていることを特徴とする電子機器用筐体である。
【0005】請求項2記載の発明は、前記一方の筐体の側壁内周面に帯板が、接着、溶接、または機械的結合により接合されていることを特徴とする請求項1記載の電子機器用筐体である。
【0006】請求項3記載の発明は、前記帯板に、他方の筐体がネジ止めされていることを特徴とする請求項1または2記載の電子機器用筐体である。
【0007】請求項4記載の発明は、前記他方の筐体のネジを通す穴部分が内側に凹んでおり、ネジの端部が前記他方の筐体の表面から突出していないことを特徴とする請求項3記載の電子機器用筐体である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明を図を参照して具体的に説明する。本発明の電子機器用筐体は、図1に示すように、金属薄板からなる一端開放の2個の筐体1、2と帯板3を主要部とし、前記筐体1、2は、それらの開放側端面が鏡面対象のものである。そして、図2(イ)に示すように、一方の筐体1の側壁内周面に帯板3を前記筐体1の開放側端部から突き出るように接合し、次いで図2(ロ)に示すように、帯板3の突出部外周に、他方の筐体2を嵌挿させ、さらにその開放側端面12を一方の筐体1の開放側端面11に当接させたものである。
【0009】本発明の電子機器用筐体は、一端開放の2個の筐体1、2の開放側端面11、12の当接部分は、前記当接部分の内側が帯板3により補強されるため、前記筐体1、2が金属薄板で構成されているにも関わらず、だれて見えるようなことがなくシャープな外観を呈して意匠性に優れる。また2個の筐体1、2は、当接位置が帯板3により維持されるため相互にずれることがない。さらに2個の筐体1、2の当接部分に隙間が開いても帯板3に遮られて内部が露見されない。
【0010】前記一方の筐体1の側壁内周面に帯板3を接合する方法には、図3に示すように(イ)接着法、(ロ)スポット溶接法、(ハ)(ニ)機械的結合などの方法が作業性および接合強度に優れ望ましい。なお、前記(ハ)は筐体1の開放端近傍に設けたダボ(小突起)4を帯板3に設けた凹部に嵌合する方法、(ニ)は筐体1の開放端近傍に開けた穴に帯板3に設けたダボ4を嵌着する方法である。
【0011】本発明において、2個の筐体1、2を固定する方法には、図4(イ)に示すように、他方の筐体2にダボ4を設け、これを帯板3に開けた穴に嵌合する方法、または図4(ロ)に示すように、他方の筐体2に開けた穴にネジ5を通し、これを帯板3に設けたネジ穴6に螺合する方法が推奨される。
【0012】前記のネジ止め法では、図4(ハ)に示すように、他方の筐体2のネジ5を通す穴部分を内側に凹ませておいてネジ5の頭部7が他方の筐体2の表面から突出しないようにしておくと意匠性が損なわれず望ましい。前記の凹みはエンボス加工などにより容易に形成できる。
【0013】本発明において、筐体となす金属薄板には、軽量でかつプレス成形性に優れる純アルミニウムまたはアルミニウム合金の薄板が推奨される。帯板には任意の材料が使用できるが、筐体と同種の材料がリサイクル性および耐食性の点で望ましい。
【0014】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明の電子機器用筐体は、一方の筐体の側壁内周面に帯板が前記筐体の開放側端部から突き出て接合されているので、2個の筐体の当接部分が内側から帯板により補強され、当接部分がだれて見えることがなくシャープな外観を呈して意匠性に優れる。また2個の筐体は、当接位置が帯板3により維持されるためずれることがない。さらに2個の筐体1、2の当接部分に隙間が開いても帯板に遮られて内部が露見されない。前記一方の筐体の側壁内周面への帯板の接合は接着、溶接、または機械的接合により容易にかつ強固に行える。前記帯板と、帯板を接合しない他方の筐体とはネジ止めにより容易に固定できる。前記ネジは他方の筐体のネジを通す穴部分を内側に凹ませておくことにより目立たなくなり良好な意匠性が保持される。
【出願人】 【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
【出願日】 平成12年10月12日(2000.10.12)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−124781(P2002−124781A)
【公開日】 平成14年4月26日(2002.4.26)
【出願番号】 特願2000−312520(P2000−312520)