| 【発明の名称】 |
プリント基板間配線の接続方法及びプリント基板 |
| 【発明者】 |
【氏名】島野 利夫
|
| 【要約】 |
【課題】プリント基板間配線のコモンモード電流の発生を抑制する。
【解決手段】基板A,B上に配置された差動型のドライバ1またはレシーバ2、及び、複数のコネクタピン系列を備えたコネクタ11,21と、マイクロストリップラインの配線構造を備え、かつ、前記ドライバまたはレシーバから前記コネクタに至る2本の差動出力信号線のいずれもが前記コネクタの同一系列のコネクタピンに接続されて成る当該2本の差動出力信号線と、基板A,Bの上記コネクタ間を接続する基板間配線3と、基板A,B間を接続するGNDプレーン接続線4とを構築する配線方法であり、上記マイクロストリップラインの配線は、上記各基板の同一配線層を使用して形成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 プリント基板間の信号伝達時に生ずるコモンモード電流の発生を抑制するためのプリント基板間配線の接続方法に関し、基板上に、差動型のドライバまたはレシーバと、複数のコネクタピン系列を備えたコネクタとをそれぞれ配置するステップと、前記ドライバまたはレシーバから前記コネクタに至る2本の差動信号線の配線各々を、マイクロストリップラインの配線構造として形成するステップと、前記2本の差動信号線のいずれをも、前記コネクタの同一系列のコネクタピンを選んでそれぞれ接続するステップと、信号を送受信する2つの前記基板の前記コネクタ間を、基板間配線を介して接続するステップと、信号を送受信する前記2つの基板の接地間を、接地プレーン接続線を介して接続するステップと、を備えたことを特徴とするプリント基板間配線の接続方法。 【請求項2】 前記マイクロストリップラインの配線を、前記基板内の同一配線層に形成することを特徴とする請求項1記載のプリント基板間配線の接続方法。 【請求項3】 前記基板の終端部分の配線構造を、前記2本の差動信号線を抵抗を介して前記基板と接地する構造として、前記基板を介して終端させるか、または、前記2本の差動信号線と前記基板との間はハイインピーダンスに維持する構造として、線路の特性インピーダンスと等しいインピーダンスを接続して終端させるかのいずれか1つの配線ステップを備えたことを特徴とする請求項1記載のプリント基板間配線の接続方法。 【請求項4】 全ての系列内の同順位のコネクタピン同士は、全て同一線分上に並べられた前記コネクタ、または、全ての系列内の同順位のコネクタピン同士が互い違いに並べられた前記コネクタのいずれか1つを使用することを特徴とする請求項1記載のプリント基板間配線の接続方法。 【請求項5】 平行線素材又は撚り線素材で成る前記基板間配線を使用することを特徴とする請求項1記載のプリント基板間配線の接続方法。 【請求項6】 プリント基板間の信号伝達時に生ずるコモンモード電流の発生を抑制するためのプリント基板に関し、基板上に配置された差動型のドライバまたはレシーバ、及び、複数のコネクタピン系列を備えたコネクタと、マイクロストリップラインの配線構造を備え、かつ、前記ドライバまたはレシーバから前記コネクタに至る2本の差動信号線のいずれもが、前記コネクタの同一系列のコネクタピンに接続されて成る当該2本の差動信号線と、を備えたことを特徴とするプリント基板。 【請求項7】 前記基板内の同一配線層に形成された前記マイクロストリップラインの配線を備えたことを特徴とする請求項6記載のプリント基板。 【請求項8】 前記基板の終端部分の配線構造は、前記2本の差動信号線を抵抗を介して前記基板と接地する構造、または、前記2本の差動信号線と前記基板との間をハイインピーダンスに維持する構造のいずれか1つであることを特徴とする請求項6記載のプリント基板。 【請求項9】 全ての系列内の同順位のコネクタピン同士は、全て同一線分上に並べられた前記コネクタ、または、全ての系列内の同順位のコネクタピン同士が互い違いに並べられた前記コネクタのいずれか1つを備えたことを特徴とする請求項6記載のプリント基板。 【請求項10】 平行線素材又は撚り線素材で成る前記基板間配線を備えたことを特徴とする請求項6記載のプリント基板。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、プリント基板間配線の接続方法及びプリント基板に関し、特に、プリント基板間でハーネスで信号を伝送する際に生じるコモンモード電流の発生を抑えることができる(プリント基板内外の)配線構造を構築するプリント基板間配線の接続方法と、該配線方法を採用して構築されるプリント基板に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、プリント基板間で信号をハーネスで伝送する場合は、プリント基板間の実用的な配線素材として、平行線または撚り線(ツイストペアケーブル)の素材が使用されていた。 【0003】しかし、上記いずれの配線素材を使用する場合にも、プリント基板間の配線にコモンモード電流が発生することがあり、該電流によって有害な電磁波の放射が発生することが周知であった。 【0004】図4は、従来のプリント基板間配線の接続方法による配線構造を基板上面から見た場合の配線を示す配線図である。基板Cは、単層型のドライバ81と、コネクタ811(いずれも単層信号を出力する)とを搭載し、基板Dは、単層型のレシーバ82と、コネクタ821とを搭載する。ドライバ81の1本の出力信号線と接地とは、コネクタ811のコネクタピン812の符号1A,1Bで示すコネクタピンにそれぞれ接続され、レシーバ82の1本の入力信号線と接地とは、コネクタ821のコネクタピン822の符号1A,1Bで示すコネクタピンにそれぞれ接続されている。 【0005】また、コネクタピン812の符号1A,1Bで示すコネクタピンと、コネクタピン822の符号1A,1Bで示すコネクタピンとは、基板間配線83(平行線または撚り線)を介して、それぞれ接続されている。 【0006】図5は、従来のプリント基板間配線の接続方法による他の配線構造を基板上面から見た場合の配線を示す配線図である。基板Eは、差動型のドライバ91とコネクタ911とを搭載し、基板Fは、差動型のレシーバ92とコネクタ921とを搭載する。ドライバ91の2本の出力信号線は、コネクタ911のコネクタピン912の符号1A,1Bで示すコネクタピンにそれぞれ接続され、レシーバ92の2本の入力信号線は、コネクタ921のコネクタピン922の符号1A,1Bで示すコネクタピンにそれぞれ接続されている。 【0007】また、コネクタピン912の符号1A,1Bで示すコネクタピンと、コネクタピン922の符号1A,1Bで示すコネクタピンとは、基板間配線93(平行線または撚り線)を介して、それぞれ接続されている。 【0008】さらに、基板Eと基板FのGND(接地)は、GNDプレーン接続線94を介して、互いに接続されている。図6は、図5に示す従来のプリント基板間配線の接続方法による配線構造を基板側面から見た場合の配線を示す配線図である。 【0009】但し、図6では、図5に示すドライバ91周りは、信号源として簡略化して示し、レシーバ92周りについても、終端抵抗923で終端するように簡略化して示している。 【0010】ここで、ドライバ側(コネクタピン912)とレシーバ側(コネクタピン922)のいずれにおいても、符号1Aで示すコネクタピンと、符号1Bで示すコネクタピンとは、信号配線として見た場合に、両者のトータル長が相違しており、符号1Aで示すコネクタピンの方が、符号1Bで示すコネクタピンよりも、いずれも該配線のトータル長が長くなっていた。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】従来のプリント基板間でハーネスで信号を伝送する場合、上記のように、配線として平行線または撚り線のいずれの配線素材を使用する場合においても、コモンモード電流が発生することがあるので、該電流によって有害な電磁波の放射が発生する場合があった。当然ながら、該有害電磁波は、自他の信号線にノイズを発生させる要因となり、誤差動の要因となっていた。 【0012】本発明は、以上のような従来の、プリント基板間配線の接続方法における問題点に鑑みてなされたものであり、プリント基板間配線のコモンモード電流の発生を抑制することができるプリント基板間配線の接続方法を提供することを目的とする。 【0013】本発明の第2の目的は、プリント基板間配線のコモンモード電流の発生を抑制することができるプリント基板を提供することにある。 【0014】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するために、本発明では、プリント基板間の信号伝達時に生ずるコモンモード電流の発生を抑制するためのプリント基板間配線の接続方法に関し、基板上に、差動型のドライバまたはレシーバと、複数のコネクタピン系列を備えたコネクタとをそれぞれ配置するステップと、前記ドライバまたはレシーバから前記コネクタに至る2本の差動信号線の配線各々を、マイクロストリップラインの配線構造として形成するステップと、前記2本の差動信号線のいずれをも、前記コネクタの同一系列のコネクタピンを選んでそれぞれ接続するステップと、信号を送受信する2つの前記基板の前記コネクタ間を、基板間配線を介して接続するステップと、信号を送受信する前記2つの基板の接地間を、接地プレーン接続線を介して接続するステップとを備えたことを特徴とするプリント基板間配線の接続方法が提供される。 【0015】また、プリント基板間の信号伝達時に生ずるコモンモード電流の発生を抑制するためのプリント基板に関し、基板上に配置された差動型のドライバまたはレシーバ、及び、複数のコネクタピン系列を備えたコネクタと、マイクロストリップラインの配線構造を備え、かつ、前記ドライバまたはレシーバから前記コネクタに至る2本の差動信号線のいずれもが、前記コネクタの同一系列のコネクタピンに接続されて成る当該2本の差動信号線とを備えたことを特徴とするプリント基板が提供される。 【0016】即ち、本発明では、信号を送受信する2枚のプリント基板の各々において、伝送線路の対称性を可能な限り追求することにより、コモンモード電流の発生自体を抑止する方法を採用する。 【0017】より具体的には、送信側のプリント基板においては、差動信号を送信する差動型のドライバにおける2系統の出力信号線は、共に、同一プリント基板上の同列の2本のコネクタピンに、それぞれ接続することにより、該ドライバから見たコネクタピンの(配線長に関する)対称性を確保している。 【0018】同様に、受信側のプリント基板については、差動信号を受信する差動型のレシーバにおける2系統の入力信号線は、共に、同一プリント基板上の同列の2本のコネクタピンに、それぞれ接続することにより、該レシーバから見たコネクタピンの(配線長に関する)対称性を確保している。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るプリント基板間配線の接続方法による配線構造を基板上面から見た場合の配線を示す配線図である。 【0020】以下、図1に示す本実施の形態に係るプリント基板間配線の接続方法による配線構造を構築するステップを説明する。本実施の形態に係るプリント基板間配線の接続方法では、プリント基板間の信号伝達のために、まず、2つのプリント基板の一方である基板Aには、差動型のドライバ1とコネクタ11とを配置し、他方の基板Bには、差動型のレシーバ2とコネクタ21とを配置するステップを備える。 【0021】次に、本実施の形態に係るプリント基板間配線の接続方法では、ドライバ1の2本の出力信号線は、配線構造としてマイクロストリップラインを採用して形成するステップを備える。 【0022】また、上記出力信号線をコネクタ11のコネクタピン12の符号1A,2Aで示すコネクタピン(即ち、同じA系列のコネクタピン)にそれぞれ接続するステップを備える。 【0023】同様に、レシーバ2の2本の入力信号線も、配線構造としてマイクロストリップラインを採用して形成するステップを備える。また、コネクタ21のコネクタピン22の符号1A,2Aで示すコネクタピン(即ち、同じA系列のコネクタピン)にそれぞれ接続するステップを備える。 【0024】また、コネクタピン12の符号1A,2Aで示すコネクタピンと、コネクタピン22の符号1A,2Aで示すコネクタピンとを、基板間配線3(平行線または撚り線)を介して、それぞれ接続するステップを備える。 【0025】さらに、基板Aと基板BのGND(接地)は、差動電流のアンバランスによるリターン電流の経路を確保するためと、両基板間の基準電位を設定するために、GNDプレーン接続線4を介して、互いに接続するステップを備える。 【0026】なお、上記の本実施の形態では、ドライバ1の2本の出力信号線を、全てコネクタ11のA系列に接続し、レシーバ2の2本の入力信号線も、全てコネクタ21のA系列に接続したが、これらは全てB系列とすることも可能である。即ち、コネクタピンの使用方法に関しては、A列のみを使用して、B列はGNDに使用したり、B列のみを使用して、A列はGNDに使用したり、B列にも差動信号を割り当てたりする方法が可能である。 【0027】ちなみに、コネクタのA列とB列とを共に信号伝送に使用する場合には、多層基板を使用し、A列のコネクタピンへの配線と、B列のコネクタピンへの配線とは、互いに異なる配線層を使用すれば、配線パターンの対称性を良くすることができる。 【0028】さらに、本発明では、一般に、コネクタのコネクタピンの系列が3以上の場合についても、本実施の形態と同様に、信号線は、同一の系列を選んで接続することができる。 【0029】また、信号源から上記コネクタまでの線路の対称性を確保するために、差動信号を伝達する2系統の配線の配線構造、即ち、マイクロストリップラインを、同一基板の同一配線層を使用して形成し、該マイクロストリップラインによる上記コネクタまでの配線については、上記コネクタまで、直線経路とすることができない場合でも、可能な限り、上記2系統の配線の配線長が等しくなるように考慮する。 【0030】さらに、コモンモード電流の発生のみならず、波形の歪みまでも減らすためには、上記のドライバ(即ち、信号源)、マイクロストリップライン、コネクタ、基板間配線についての、各特性インピーダンスを揃えることが好ましい。 【0031】ハーネストは、放射やノイズ干渉を減らすために、基板間配線3は、平行線を使用するよりも、撚り線を使用する方が好ましい。しかしながら、本実施の形態では、平行線を使用することも可能である。 【0032】基板Aに実装されているコネクタ11のコネクタピン12と、基板Bに実装されているコネクタ21のコネクタピン22とは、同じ仕様のものを使用して、同じ取り扱いをすることが可能である。 【0033】図2は、本発明の実施の形態に係るプリント基板間配線の接続方法における終端部分の配線を示す配線図である。図2(a)は、差動信号の2系統の配線を、いずれも抵抗R0を介して、基板に接地する構成とすることで、上記基板を介して終端する場合を示し、図2(b)は、差動信号の2系統の配線を、いずれも基板に対してハイインピーダンスとなるように維持し、線路の特性インピーダンスと等しい抵抗R0’で終端する場合を示す。 【0034】図3は、本発明の実施の形態に係るプリント基板間配線の接続方法におけるコネクタの構造を示す構造図である。図3(a)は、図1に示すコネクタの構造と同様であり、ここでは、プリント基板5上のコネクタ6a内の、A列とB列との同じ順位のコネクタピン同士は、同一線分上に並んでいる。 【0035】図3(b)は、図1に示すコネクタの構造の変形であり、ここでは、プリント基板6上のコネクタ6b内の、A列とB列との同じ順位のコネクタピン同士は、互い違いに並んでいる。 【0036】最後に、本発明に係るプリント基板間配線の接続方法の原理を説明する。最近の電磁界コンピュータシミュレーションの進歩により、コネクタの形状によるコモンモード電流の発生要因や発生状況が判明しており、それらの情報から、コモンモード電流が発生するメカニズムは、下記のとおり解明されつつある。 【0037】(1) 電磁界モードの異なる伝送線路を互いに接続する場合に、コモンモード電流が発生する。上記の電磁界モードの異なる伝送線路の例としては、配線構造としてマイクロストリップラインを採用している配線部をコネクタ(及び平行線路)と接続する場合が挙げられる。コネクタと平行線路との接続に関しては、両者は形状が似ており、特性インピーダンスを揃えて設計・製作することが可能である。 【0038】しかし、配線構造としてマイクロストリップラインを採用している配線部とコネクタ(及び平行線路)との接続に関しては、両者の形状は異なるので、信号伝播に伴って発生する電磁界モードが異なり、従って、この場合はコモンモード電流が発生する。 【0039】図7は、従来のプリント基板間配線の接続方法におけるマイクロストリップラインと平行配線とにそれぞれ発生する電磁界モードを示す説明図である。図7(a)は、配線102と電源ベタ層101から成るマイクロストリップラインに発生する電磁界モードを示し、図7(b)は、2本の平行した配線104を持つ平行配線に発生する電磁界モードを示す。 【0040】(2) 線路構造が、信号源から見て対称になっていない場合に、コモンモード電流が発生する。例えば、配線構造としてマイクロストリップラインの長さが短く、極端に言えば、図5に示す1A,1Bの根元に信号源が有るとすると、該信号源から見て、該コネクタ、基板間配線で形成される配線は、非対称であり、2系統の線路の長さが異なる。 【0041】図1に示す本実施の形態に係るプリント基板間配線の接続方法による配線構造では、ドライバ及びレシーバと接続する信号線を、コネクタの同系列のコネクタピンに接続することにより、該コネクタ部での配線長の対称性を確保し、これにより、上記(2)のケースにおけるコモンモード電流の発生を抑制している。 【0042】 【発明の効果】以上に説明したとおり、本発明では、信号を送受信する2枚のプリント基板の各々において、2系統の信号線を、共に、同一プリント基板上の同列のコネクタピンを選んで、それぞれ接続することにより、伝送線路の対称性を確保する方法を実現したので、プリント基板間配線のコモンモード電流の発生自体を抑止することができる。 【0043】また、上記コモンモード電流の発生による電磁的な放射ノイズを抑制することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000002185 【氏名又は名称】ソニー株式会社
|
| 【出願日】 |
平成12年7月18日(2000.7.18) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2002−33577(P2002−33577A) |
| 【公開日】 |
平成14年1月31日(2002.1.31) |
| 【出願番号】 |
特願2000−217855(P2000−217855) |
|