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【発明の名称】 バンプの形成方法及びその装置
【発明者】 【氏名】渡辺 正博

【要約】 【課題】複数のバンプを形成する際に均一な高さ及び形状のバンプの形成しうるバンプの形成方法及びその装置を提供する。

【解決手段】帯状の絶縁フィルム30上に形成された配線パターン31のランド32上にバンプを形成する際に、絶縁フィルム30の配線パターン31を陰極側に接続した状態で原反3を所定の方向に搬送して配線パターン31を間欠的にめっき液10に浸漬させる。配線パターン31の各浸漬部位において原反3の搬送方向Aに対して側方にずらした位置に配置した陽極体6a〜6dを用いて電解めっきを行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】帯状の絶縁フィルム上に形成された導体パターン上にバンプを形成する方法であって、前記絶縁フィルムの導体パターンを陰極側に接続した状態で当該めっき対象物を所定の方向に搬送して前記導体パターンを間欠的にめっき液に浸漬させ、前記導体パターンの各浸漬部位において当該めっき対象物の搬送方向に対して側方にずらした位置に配置した陽極体を用いて電解めっきを行うことを特徴とするバンプの形成方法。
【請求項2】帯状の絶縁フィルム上に、所定の接続端子部を有し電気的に接続された導体パターンが形成され、前記絶縁フィルムの前記導体パターンの接続端子部に対応する部分に開口部が形成されていることを特徴とするフレキシブル配線板用原反。
【請求項3】所定のめっき液が収容されるめっき浴槽と、前記めっき浴槽内に所定の間隔をおいて配置される複数の浸漬搬送ロールを有する搬送手段と、前記搬送手段によって搬送されるめっき対象物に対して電気的に接続されるように構成された陰極と、前記めっき浴槽内に所定の間隔をおいて配置され、当該めっき対象物の搬送方向に対して側方へずらして配置された複数の陽極体とを備えたことを特徴とするバンプ形成装置。
【請求項4】陽極体のそれぞれが当該めっき対象物の搬送方向に対して側方へずらして配置されていることを特徴とする請求項3記載のバンプ形成装置。
【請求項5】陽極体が全体としてめっき対象物に対して均等に対向配置されていることを特徴とする請求項3又は4のいずれか1項記載のバンプ形成装置。
【請求項6】搬送手段が、めっき浴槽の上方に配置した液上搬送ロールを有することを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項記載のバンプ形成装置。
【請求項7】搬送手段が、めっき浴槽の上方に所定の間隔をおいて配置した複数の液上搬送ロールを有することを特徴とする請求項6記載のバンプ形成装置。
【請求項8】めっき対象物として、請求項2記載のフレキシブル配線板用原反を用い、請求項3乃至請求項7のいずれか1項のバンプ形成装置を用いてバンプを形成するように構成されていることを特徴とするバンプ形成システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばフレキシブル配線板の接続端子であるバンプの形成方法に関し、特にめっきによってバンプを形成する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば携帯電話等の普及によってフレキシブル配線板に関する技術が進展しており、そのためフレキシブル配線板を量産することが望まれている。一般に、この種のフレキシブル配線板には、配線パターンに接続用のバンプが設けられる。従来、フレキシブル配線板において接続用のバンプを形成する方法としては、めっきによる方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、めっきによってバンプを形成するには、配線パターンが形成されためっき対象物(ワーク)をめっき液に浸し、めっき液中に配置された陽極体との間に所定の電圧を印加する必要がある。
【0004】しかしながら、従来の技術では、多数のバンプを形成する際に、陽極体に近いバンプほど多くの電流が流れるため、バンプの高さと形状にばらつきが生じ、フレキシブル配線板の接続信頼性が低下するという問題がある。
【0005】このような問題に対しては、各バンプに対する距離の等しい形状の陽極体を用いてめっきを行うことも考えられるが、その場合には、陽極体における電流密度が低下して電流が流れなくなる(不動態化)というという問題がある。
【0006】本発明は、このような従来の技術の課題を解決するためになされたもので、複数のバンプを形成する際に均一な高さ及び形状のバンプの形成しうるバンプの形成方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するためになされた請求項1記載の発明は、帯状の絶縁フィルム上に形成された導体パターン上にバンプを形成する方法であって、前記絶縁フィルムの導体パターンを陰極側に接続した状態で当該めっき対象物を所定の方向に搬送して前記導体パターンを間欠的にめっき液に浸漬させ、前記導体パターンの各浸漬部位において当該めっき対象物の搬送方向に対して側方にずらした位置に配置した陽極体を用いて電解めっきを行うことを特徴とするバンプの形成方法である。
【0008】請求項1記載の発明の場合、めっき対象物の搬送方向に対して側方にずらした位置に配置した陽極体を用いて電解めっきを行うようにしたことから、めっき工程終了後各バンプ形成部において析出する陽極物質の量を等しくすることができ、これにより各バンプの高さと形状を均一化することが可能になる。
【0009】本発明の方法は、以下に説明する発明によって容易に実施することができるものである。すなわち、請求項2記載の発明は、帯状の絶縁フィルム上に、所定の接続端子部を有し電気的に接続された導体パターンが形成され、前記絶縁フィルムの前記導体パターンの接続端子部に対応する部分に開口部が形成されていることを特徴とするフレキシブル配線板用原反である。
【0010】また、請求項3記載の発明は、所定のめっき液が収容されるめっき浴槽と、前記めっき浴槽内に所定の間隔をおいて配置される複数の浸漬搬送ロールを有する搬送手段と、前記搬送手段によって搬送されるめっき対象物に対して電気的に接続されるように構成された陰極と、前記めっき浴槽内に所定の間隔をおいて配置され、当該めっき対象物の搬送方向に対して側方へずらして配置された複数の陽極体とを備えたことを特徴とするバンプ形成装置である。
【0011】請求項3又は4記載の発明によれば、配線パターンが形成されたフレキシブル配線板において均一なバンプを効率良く形成することが可能になる。
【0012】本発明の場合、陽極体の配置は、陽極体の数、形状、形成するバンプの位置、数等に応じて適宜変更することができる。
【0013】例えば、請求項4記載の発明のように、請求項3記載の発明において、陽極体のそれぞれを当該めっき対象物の搬送方向に対して側方へずらして配置することもできる。
【0014】特に、請求項5記載の発明のように、請求項3又は4のいずれか1項記載の発明において、陽極体を全体としてめっき対象物に対して均等に対向配置すれば、より各バンプの高さと形状の均一化を図ることが可能になる。
【0015】一方、請求項6記載の発明は、請求項3乃至5のいずれか1項記載の発明において、搬送手段が、めっき浴槽の上方に配置した液上搬送ロールを有することを特徴とする。
【0016】請求項5又は6記載の発明によれば、めっき対象物を複数回に分けてめっき液に浸漬することができるため、小さな設置面積で効率良くバンプの形成を行うことができる。
【0017】また、請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、搬送手段が、めっき浴槽の上方に所定の間隔をおいて配置した複数の液上搬送ロールを有することを特徴とする。
【0018】請求項7記載の発明によれば、更に小さな設置面積で効率良くバンプの形成を行うことができる。
【0019】さらにまた、請求項8記載の発明のように、めっき対象物として、請求項2記載のフレキシブル配線板用原反を用い、請求項3乃至請求項7のいずれか1項のバンプ形成装置を用いてバンプを形成するように構成すれば、配線パターンが形成されたフレキシブル配線板において均一なバンプを効率良く連続的に形成することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0021】図1は、本実施の形態のバンプ形成システムの概略構成を示す正面図である。図1に示すように、本実施の形態のバンプ形成システム1は、所定のめっき液10を収容可能なめっき浴槽20を有するバンプ形成装置2と、このバンプ形成装置2によってバンプが形成される、めっき対象物であるフレキシブル配線板用原反(いわゆるワーク、以下単に「原反」という。)3とから構成される。
【0022】ここで、バンプ形成装置2のめっき浴槽20は、複数(本実施の形態では4つ)のめっき室21a〜21dに分割されている。
【0023】また、バンプ形成装置2は、原反3を搬送するための搬送手段4を有している。本実施の形態の場合、この搬送手段4は、めっき浴槽20の各めっき室21a〜21dに所定の間隔をおいて配設された浸漬搬送ロール40a〜40dと、めっき浴槽20の上方に所定の間隔をおいて配設された液上搬送ロール41a〜41hとから構成されている。
【0024】そして、これら浸漬搬送ロール40a〜40dと液上搬送ロール41a〜41hに原反3が掛け渡されることにより原反3が所定の方向(矢印A方向)に搬送され、間欠的にめっき液10に浸漬されるようになっている。
【0025】ここで、液上搬送ロール41a〜41hのうち所定のもの(例えば、液上搬送ロール41b)は、その表面が金属からなり、めっき用電源5に接続されることによって陰極としての機能を有している(以下「陰極ロール」という。)。
【0026】一方、めっき浴槽20の各めっき室21a〜21dには、陽極体6a〜6dが設けられている。これら陽極体6a〜6dの配置については後述する。
【0027】図2は、本実施の形態の原反の外観構成を示す平面図である。本実施の形態の原反3は、例えば、ポリイミドからなる絶縁フィルム30上に、例えば銅(Cu)からなる配線パターン(導体パターン)31が形成されたものである。
【0028】図2に示すように、配線パターン31の所定の部位には、バンプを形成するためのランド(接続端子部)32が設けられている。そして、絶縁フィルム30には、配線パターン31のランド32に対応する部分に開口部30aが設けられている。
【0029】さらに、配線パターン31の各ランド32は、例えば、所定の接続部31a及び31bを介して電気的に接続されている。そして、この配線パターン31の例えば接続部31bは、搬送手段4によって搬送される際に陰極ロール41bに対して電気的に接続されるようになっている。
【0030】図3は、本発明における陽極体の配置の一例を示す概略構成図、図4は、陽極体の配置の他の例を示す概略構成図である。図3に示すように、本発明においては、複数の陽極体6a〜6dを、原反3の搬送方向Aに対して側方、すなわち、矢印A方向に対して直交する方向(矢印B方向)へずらして配置するようにしている。
【0031】図3に示す例では、4つの陽極体6a〜6dを前段のめっき室21aから後段のめっき室21dにおいて順次同じ距離だけずらすとともに、これら4つの陽極体6a〜6dが全体として原反3の各ランド32に対して均等に対向配置されている。
【0032】一方、図4に示す例では、各陽極体6a〜6dのずらす順序は図3に示す例とは異なるが、本例においても、4つの陽極体6a〜6dは、全体として原反3の各ランド32に対して均等に対向配置されている。
【0033】このような本実施の形態によれば、原反3の搬送方向Aに対して側方にずらした位置に配置した陽極体6a〜6dを用いて電解めっきを行うようにしたことから、めっき工程終了後、原反3の各ランド32において析出する陽極物質の量を等しくすることができ、これにより各バンプの高さと形状を均一化することができる。
【0034】そして、上述した本実施の形態のバンプ形成装置2によれば、配線パターン31が形成された原反3において均一なバンプを効率良く形成することができる。
【0035】特に、本実施の形態のように、陽極体6a〜6dを全体として原反3のランド32に対して均等に対向配置すれば、より各バンプの高さと形状の均一化を図ることができる。
【0036】さらに、本実施の形態のバンプ形成装置2によれば、原反3を複数回に分けて間欠的にめっき液10に浸漬することができるため、小さな設置面積で効率良くバンプの形成を行うことができる。
【0037】このように、本実施の形態のバンプ形成システム1によれば、配線パターンが形成された原反3において均一なバンプを効率良く連続的に形成することができるものである。
【0038】図5は、本発明に係るバンプ形成システムの他の実施の形態の概略構成を示す正面図であり、以下、上記実施の形態と対応する部分については同一の符号を付しその詳細な説明を省略する。
【0039】図5に示すように、本実施の形態のバンプ形成システム1Aのバンプ形成装置2Aにあっては、めっき浴槽20の各めっき室21a〜21d内に、それぞれ2つの陽極体6a〜6dが所定の間隔をおいて配設されている。
【0040】そして、各陽極体6a〜6dは、上記実施の形態と同様に、原反3の搬送方向Aに対して側方にずらして配置されている。
【0041】また、本実施の形態の場合は、液上搬送ロール41a〜41hのすべてが陰極ロールとして構成され、めっき用電源5に接続されている。
【0042】このような構成を有する本実施の形態によれば、上記実施の形態と同様に、各バンプの高さと形状を均一化することができる。
【0043】特に、本実施の形態によれば、各めっき室21a〜21d内に2つの陽極体6a〜6dを設けたことから、より効率良くバンプを形成することができるものである。その他の構成及び作用効果については上記実施の形態と同一であるのでその詳細な説明を省略する。
【0044】なお、本発明は上述の実施の形態に限られることなく、種々の変更を行うことができる。例えば、陽極体の配置は、陽極体の数、形状、形成するバンプの位置、数等に応じて適宜変更することができる。
【0045】また、原反をめっき液に浸漬する回数についても、形成するバンプに応じて適宜変更することができる。
【0046】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例とともに詳細に説明する。
<実施例>(原反ロールの作成)まず、幅250mmの連続長尺状のポリイミドからなる絶縁フィルム上に、銅(Cu)からなる導体パターンを形成し、長手方向に2cmの間隔をおいて幅方向に12列のランドを形成した。これら各ランドは、この導体パターンを介して陰極ロールに接続されるようになっている。
【0047】次に、絶縁フィルム及び導体パターン上に、ポリイミドからなるカバーフィルムを積層し、さらに、ランド上のカバーフィルムを削除して一辺が50μmの正方形状の開口部を形成し、目的とするフレキシブル配線板用原反を得た。
【0048】(バンプの形成)上述した原反を図5に示すバンプ形成装置に装着し、0.5m/分の速度で搬送させて、導体パターンのランド上にバンプを形成した。
【0049】本実施例の場合、2つの陽極体を配置しためっき室を18個設け、合計36個の陽極体を配置した。
【0050】この場合、図4に示す方式で陽極体をそれぞれずらし、もとの陽極体から数えて7つ目の陽極体がもとの位置に戻るように配置した。
【0051】(評価結果)上述の方法によって形成したバンプについて、一列あたり任意の3箇所、計36個のバンプの高さを測定し、その偏差を計算した。
【0052】その結果、36個のバンプの高さは、最低30.22μm、最高38.93μmで、その偏差は、2.58であった。
【0053】<比較例>実施例と同一の原反を用い、図5に示すバンプ形成装置において陽極体をずらさず幅方向に対してほぼ中央の位置に配置し、実施例と同一の方法によってバンプを形成した。
【0054】このバンプの高さは、最低27.33μm、最高57.51μmで、その偏差も6.90とばらつきが大きかった。
【0055】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、複数のバンプを形成する際に均一な高さ及び形状のバンプの形成することができる。
【出願人】 【識別番号】000108410
【氏名又は名称】ソニーケミカル株式会社
【出願日】 平成12年7月17日(2000.7.17)
【代理人】 【識別番号】100106666
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 英樹 (外1名)
【公開番号】 特開2002−33572(P2002−33572A)
【公開日】 平成14年1月31日(2002.1.31)
【出願番号】 特願2000−215636(P2000−215636)