| 【発明の名称】 |
基板の製造方法及び保持治具 |
| 【発明者】 |
【氏名】園田 太
【氏名】杉本 篤彦
【氏名】中田 道利
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| 【要約】 |
【課題】処理液に浸漬して処理を行う際に、被処理基板の被処理主面に形成された凹部に、あるいは凹部にまたがって気泡が付着するのを防止ししうる処理工程を備えた基板の製造方法を提供すること、及びそれに適した保持治具を提供する。
【解決手段】多層配線基板160の製造にあたり、樹脂粗化処理工程では、第1被処理主面111を有し、略板形状で、この第1被処理主面111側に開口する第1凹部114をなす第1ソルダーレジスト層116を備える被処理基板110を、第1被処理主面111が水平より斜めα=約10度の上向きとなる姿勢で保持治具100に保持する。この被処理基板110を保持治具100とともに、樹脂粗化処理液132中に浸漬し、水平より斜めα=約10度の上向きとなる姿勢で第1被処理主面111及び第1凹部114ついて粗化処理を行う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】基板の製造方法であって、第1被処理主面を有し、略板形状で、上記第1被処理主面側に開口する凹部を備える被処理基板を、上記第1被処理主面の向く方向が水平より斜め上向きとなる姿勢に保持して処理液中に浸漬し、上記第1被処理主面に処理を行う処理工程を含む基板の製造方法。 【請求項2】基板の製造方法であって、第1被処理主面及び第2被処理主面を有し、略板形状で、上記第1被処理主面側に開口する第1凹部及び上記第2被処理主面側に開口し上記第1凹部より径大の第2凹部を備える被処理基板を、処理液中に浸漬して、上記第1被処理主面の向く方向が水平より斜め上向きとなる姿勢に保持し、上記第1被処理主面に処理を行う処理工程を含む基板の製造方法。 【請求項3】基板の製造方法であって、第1被処理主面及び第2被処理主面を有し、略板形状で、上記第1被処理主面側に開口する複数の第1凹部及び上記第2被処理主面側に開口する複数の第2凹部を備え、隣り合う上記第1凹部同士の第1間隙が、隣り合う上記第2凹部同士の第2間隙より小さい被処理基板を、処理液中に浸漬して、上記第1被処理主面の向く方向が水平より斜め上向きとなる姿勢に保持し、上記第1被処理主面に処理を行う処理工程を含む基板の製造方法。 【請求項4】請求項1〜請求項3のいずれかに記載の基板の製造方法であって、前記被処理基板の前記第1被処理主面は、または前記第1被処理主面と前記第2被処理主面とは、樹脂を含む材質からなり、樹脂粗化処理を行うことが予定されている樹脂絶縁層によって構成されており、前記処理液は、上記樹脂絶縁層を粗化する樹脂粗化液であり、前記処理工程は、前記第1被処理主面を、または前記第1被処理主面と前記第2被処理主面とを粗化する樹脂粗化処理工程である基板の製造方法。 【請求項5】請求項4に記載の基板の製造方法であって、前記第1被処理主面を構成する前記樹脂絶縁層は、または前記第1被処理主面を構成する前記樹脂絶縁層と前記第2被処理主面を構成する前記樹脂絶縁層とは、ソルダーレジスト層である基板の製造方法。 【請求項6】請求項1〜請求項5のいずれかに記載の基板の製造方法であって、第1被処理主面を3度以上、15度以下の上向きとなる姿勢に保持する基板の製造方法。 【請求項7】搬送装置の搬送具に着脱自在に係止可能な係止部と、略板形状をなす被処理基板を保持する保持部と、を備える保持治具であって、上記保持部は、保持治具を上記係止具に係止したときに、上記被処理基板をその第1被処理主面が水平より斜め上向きとなる姿勢に保持する保持治具。 【請求項8】請求項7に記載の保持治具であって、前記保持部は、前記被処理基板をその第1被処理主面が水平より斜め3度以上、15度以下の上向きとなる姿勢に保持する保持治具。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、処理液中に被処理基板を浸漬して処理を行う処理工程を含む基板の製造方法及び被処理基板を保持する保持治具に関し、特に、処理液に浸漬した際の気泡付着による不具合を低減した基板の製造方法及びそれに適する保持治具に関する。 【0002】 【従来の技術】基板を製造するにあたっては、メッキ処理や樹脂粗化処理、金属粗化処理など、処理液に被処理基板を浸漬して、被処理基板の樹脂絶縁層や導体層に対して、所望の処理を行う処理工程が知られている。このような処理工程では、処理液に被処理基板を浸漬するに当たり、保持治具で被処理基板を処理液の水平面に対して垂直に保持した状態で浸漬し処理を行うことが多い。浸漬や引き上げの際、被処理基板が処理液からうける抵抗を小さくして、スムーズに浸漬あるいは引き上げを出来るようにするためである。 【0003】具体的には、図6に示すように、被処理基板1を保持治具2で予め保持しておく。図示しない搬送装置はその係止具4を破線で示す搬送経路3に従って移動するように構成されており、被処理基板1を保持した保持治具2を係止具4に係止すると、搬送経路3に従って被処理基板1が鉛直方向に保持されながら、つまり被処理基板1の主面8及び裏面が水平方向を向くように保持されながら移動するようになっている。搬送経路3は、処理液6を貯留する処理液槽5の直上に、係止具4、従って保持治具2及び被処理基板1が搬送されると、その位置を一旦下げて被処理基板1を処理液6中に浸漬し、所定時間経過後に再び上げるように構成されている。従って、被処理基板1は、処理液6の水平面7に対して鉛直方向に保持した状態で処理液6に浸漬され、処理液6による処理が行われる。所定時間経過後に、処理液6から引き上げられた被処理基板1は、次の処理に向けて搬送される。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、被処理基板1を処理液6に浸漬した際に、被処理基板1の表面に気泡が付着するために、処理液6が接触せず、所定の処理が行えない不具合が発生することがある。特に、図7に示すように、被処理基板1の第1被処理主面8に凹部9が多数形成されている場合には、この凹部9を覆うように気泡12が形成されたり、複数の凹部9にまたがる比較的大きな気泡13が形成され易い。なお、第2被処理主面10にも凹部11が形成されている場合には、この凹部11にも気泡14が形成されることもある。しかも、これらの気泡12,13,14は、凹部9,11に付着しているため、処理液6の液流や被処理基板1の揺動によっても取り去ることが困難なことがある。このため、気泡12の付着した凹部9とその周縁や、気泡13の付着した複数の凹部9及びそれらの間の第1被処理主面が、あるいは気泡14の付着した凹部11とその周縁の第2被処理主面は、処理されない未処理状態、あるいは不十分処理状態で残されることにより、所望の特性あるいは所望の外観を得られない問題を生じることがある。 【0005】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、処理液に浸漬して処理を行う際に、被処理基板の被処理主面に形成された凹部に、あるいは凹部にまたがって気泡が付着するのを防止ししうる処理工程を備えた基板の製造方法を提供すること、及びそれに適した保持治具を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段、作用及び効果】その解決手段は、基板の製造方法であって、第1被処理主面を有し、略板形状で、上記第1被処理主面側に開口する凹部を備える被処理基板を、上記第1被処理主面の向く方向が水平より斜め上向きとなる姿勢に保持して処理液中に浸漬し、上記第1被処理主面に処理を行う処理工程を含む基板の製造方法である。 【0007】本発明では、被処理基板を第1被処理主面が水平より斜め上向きとなる姿勢に保持し、処理液中に浸漬する。このため、浸漬あるいは引き上げ時に被処理基板が処理液から受ける抵抗を少なくすることができる。しかも、第1被処理主面を斜め上向きにするので、第1被処理主面を水平方向に向けた場合、つまり被処理基板を水平に対して垂直にした場合よりも、凹部や複数の凹部にまたがって第1被処理主面に付着した気泡が相対的に離れやすくなる。従って、第1被処理主面や凹部に対して処理液による処理を確実に行うことができる。さらに、浸漬とともに凹部にあるいは複数の凹部にまたがる第1被処理主面に気泡が付着するが、浸漬の際に被処理基板を第1被処理主面が斜め上向きとなる姿勢に保持しつつ浸漬することで、凹部や第1被処理主面に当初から付着する気泡を減少させることが出来る。 【0008】被処理基板とこの製造方法で製造される基板とは、絶縁層や導体層の構成において異なる場合もある。例えば、被処理基板としては、基板の製造途中であって、処理後にさらに樹脂絶縁層(例えば、ビルドアップ層やソルダーレジスト層など)を積層したり、導体層を形成することが予定されているものも含まれる。また、処理液としては、第1被処理主面側から被処理基板に作用する処理液であればいずれのものも含まれる。例えば、第1被処理主面を構成する樹脂層を粗化する樹脂粗化液、凹部内に露出する金属層を粗化する金属粗化液、第1被処理主面上や凹部内にメッキ層を形成するメッキ液、メッキに先立ってメッキ核付けを行うメッキ核付け処理液、第1被処理主面や凹部内の表面を整えるリンス液、などが挙げられる。 【0009】他の解決手段は、基板の製造方法であって、第1被処理主面及び第2被処理主面を有し、略板形状で、上記第1被処理主面側に開口する第1凹部及び上記第2被処理主面側に開口し上記第1凹部より径大の第2凹部を備える被処理基板を、処理液中に浸漬して、上記第1被処理主面の向く方向が水平より斜め上向きとなる姿勢に保持し、上記第1被処理主面に処理を行う処理工程を含む基板の製造方法である。 【0010】第1被処理主面や第2被処理主面に形成された凹部の径と、気泡の付着し易さとを調査したところ、凹部の径が小さいほど気泡が付着し易く、取れにくい傾向があることが判明した。これに対し、本発明では、被処理基板を処理液中に浸漬し、第1被処理主面を水平より斜め上向きとなる姿勢に保持するので、この第1被処理主面の第1凹部には気泡が付着しにくくなり、また、一旦付着した気泡も離れやすくなる。このため、第1被処理主面や第1凹部に対して処理液による処理を確実に行えるようになる。一方、第2被処理主面は斜め下向きとなるので、第2凹部については、気泡が離れにくくなる。しかし、第2凹部は第1凹部に比してその径が大きいため、気泡が相対的に付着しにくいので、第2被処理主面を斜め下向きにした影響は少ない。従って、全体として第2被処理主面(第2凹部)に気泡が付着したことによる不具合を増加させずに、第1被処理主面や凹部に対して処理液による処理を確実に行うことができ、全体として、処理工程における被処理基板の歩留まりを向上させることが出来る。 【0011】なお、第1凹部と第2凹部とは、径が異なる点に着目して区別したに過ぎず、その用途等について限定はない。例えば、その組合せとしては、C4パッド用の開口(第1凹部)とLGAパッド用の開口(第2凹部)の組合せが挙げられる。また、ICチップなどの電子部品搭載面側のビルドアップ層に形成した比較的小径のビアホール(第1凹部)とマザーボードなどの取付基板側のビルドアップ層に形成した比較的大径のビアホール(第2凹部)との組み合わせなども挙げられる。 【0012】さらに、他の解決手段は、基板の製造方法であって、第1被処理主面及び第2被処理主面を有し、略板形状で、上記第1被処理主面側に開口する複数の第1凹部及び上記第2被処理主面側に開口する複数の第2凹部を備え、隣り合う上記第1凹部同士の第1間隙が、隣り合う上記第2凹部同士の第2間隙より小さい被処理基板を、処理液中に浸漬して、上記第1被処理主面の向く方向が水平より斜め上向きとなる姿勢に保持し、上記第1被処理主面に処理を行う処理工程を含む基板の製造方法である。 【0013】第1被処理主面や第2被処理主面に形成された複数の凹部同士の間隙と、気泡の付着し易さとを調査したところ、凹部同士の間隙が小さいほど、複数の凹部にまたがった気泡が付着し易く、取れにくい傾向があることが判明した。これに対し、本発明では、被処理基板を処理液中に浸漬し、第1被処理主面が斜め上向きとなる姿勢に保持するので、この第1被処理主面の第1凹部にまたがる気泡が付着しにくくなり、また、一旦付着した気泡も離れやすくなる。このため、第1被処理主面や第1凹部に対して処理液による処理を確実に行えるようになる。一方、第2被処理主面は斜め下向きとなるので、第2凹部については、気泡が離れにくくなるが、第1凹部同士の第1間隙に比して第2凹部同士の第2間隙が大きいため、その影響は少ない。従って、全体として第2被処理主面(第2凹部)に対する処理の不具合を増加させずに、第1被処理主面や凹部に対して処理液による処理を確実に行うことができ、全体として、処理工程における被処理基板の歩留まりを向上させることが出来る。 【0014】なお、第1凹部と第2凹部とは、それぞれの凹部同士の間隙が異なる点に着目して区別したに過ぎず、その用途等について限定はない。例えば、その組合せとしては、比較的密集して形成されるC4パッド用の開口(第1凹部)と比較的間隙が大きくされるLGAパッド用の開口(第2凹部)の組合せが挙げられる。また、ICチップなどの電子部品搭載面側のビルドアップ層に形成され、C4パッドやワイヤボンディングパッドなどに対応して比較的密集して形成されたビアホール(第1凹部)とマザーボードなどの取付基板側のビルドアップ層に形成され、LGAパッドやピンパッドなどに対応して比較的間隙が大きくされるビアホール(第2凹部)との組み合わせなども挙げられる。 【0015】さらに、上記いずれかに記載の基板の製造方法であって、前記被処理基板の前記第1被処理主面は、または前記第1被処理主面と前記第2被処理主面とは、樹脂を含む材質からなり、樹脂粗化処理を行うことが予定されている樹脂絶縁層によって構成されており、前記処理液は、上記樹脂絶縁層を粗化する樹脂粗化液であり、前記処理工程は、前記第1被処理主面を、または前記第1被処理主面と前記第2被処理主面とを粗化する樹脂粗化処理工程である基板の製造方法とすると良い。 【0016】気泡が付着することによって樹脂絶縁層の一部に粗化されない部分が生じると、第1被処理主面の表面状態が不均一になり、この上に導体層や樹脂絶縁層を形成する場合に好ましくない。あるいは、この樹脂絶縁層が最上層となる場合には、外観上好ましくない。また、ICチップなどの電子部品を第1被処理主面上に搭載するときにも、その表面状態が不均一であるのは、特性上も好ましくない。これに対し、本発明では、樹脂粗化処理工程で、第1被処理主面の第1凹部あるいは複数の第1凹部にまたがる気泡の付着により、粗化不十分な部分が発生するのを防ぐことができる。 【0017】さらに、上記に記載の基板の製造方法であって、前記第1被処理主面を構成する前記樹脂絶縁層は、または前記第1被処理主面を構成する前記樹脂絶縁層と前記第2被処理主面を構成する前記樹脂絶縁層とは、ソルダーレジスト層である基板の製造方法とすると良い。 【0018】ソルダーレジスト層に粗化処理する場合には、気泡が付着することによって粗化されない部分が生じると、ソルダーレジスト層の表面状態が不均一になり特性上好ましくない。また、粗化されていない部分が粗化された部分とは異なる表面粗度を持つので、外観上も好ましくない。本発明では、樹脂粗化処理工程で、ソルダーレジスト層の第1被処理主面に気泡が付着して粗化不十分な部分が発生するのを防ぐことができ、特性を向上させることができ、外観不良の数も減少させることができる。 【0019】さらに、上記いずれかに記載の基板の製造方法であって、第1被処理主面を水平より3度以上、15度以下の上向きとなる姿勢に保持する基板の製造方法とすると良い。 【0020】斜め上向きとする角度を3度以上とするのは、この角度が3度未満の小さな角度では、気泡の除去効果が小さいからである。なお、この角度を5度以上とするのが気泡の除去効果の点からさらに好ましい。一方、斜め上向きとする角度を15度以下とするのは、この角度が15度を超えると、被処理基板を処理液に浸漬する際、あるいは引き上げる際に、被処理基板が処理液から受ける抵抗が大きくなり扱いにくくなるからである。また、第2被処理主面に第2凹部がある場合には、第2凹部や第2凹部にまたがって付着する気泡が離れにくくなり、第2被処理主面でも不具合が増加する危険があるからである。 【0021】さらに他の解決手段は、搬送装置の搬送具に着脱自在に係止可能な係止部と、略板形状をなす被処理基板を保持する保持部と、を備える保持治具であって、上記保持部は、保持治具を上記係止具に係止したときに、上記被処理基板をその第1被処理主面が水平より斜め上向きとなる姿勢に保持する保持治具である。 【0022】本発明の保持治具は、被処理基板をその第1被処理主面が水平より斜め上向きとなる姿勢に保持する。このため、搬送装置の搬送具に係止されて搬送され、処理液に浸漬されたときに、被処理基板の第1被処理主面側に気泡が付着しにくく離れやすくなるため、第1被処理主面全体にわたって確実に処理することができる。なお、保持部は、被処理基板のうち、後に廃棄が予定されている廃棄予定部を保持する構成とされているのが好ましい。被処理基板のうち、後に製品となる製品部に保持部が接触すると、接触に伴って製品部に傷が付くおそれがあるが、廃棄予定部を保持する場合には、若干のキズがついても、製品の歩留まりには影響を生じないからである。 【0023】さらに、上記保持治具であって、前記保持部は、前記被処理基板をその第1被処理主面が水平より斜め3度以上、15度以下の上向きとなる姿勢に保持する保持治具とすると良い。 【0024】斜め上向きとする角度を3度以上とするのは、この角度が3度未満の小さな角度では、気泡の除去効果が小さいからである。なお、この角度を5度以上とするのが気泡の除去効果の点からさらに好ましい。一方、上向きとする角度を15度以下とするのは、この角度が15度を超えると、被処理基板を処理液に浸漬する際、あるいは引き上げる際に、保持された被処理基板が処理液から受ける抵抗が大きくなり、保持治具を扱いにくくなるからである。また、第2被処理主面に第2凹部がある場合には、第2凹部や第2凹部にまたがって付着する気泡が離れにくくなり、第2被処理主面でも不具合が増加する危険があるからである。従って、本発明の保持治具では、気泡の除去効果が得られ、しかも保持治具が扱いやすい、あるいは第2被処理主面での不具合を抑制することができる。 【0025】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図1〜図5を参照しつつ説明する。まず、保持治具100について、図1、図2を参照して説明する。ここで、図2は、図1に一点鎖線で示す部分で破断したX−X’断面図である。保持治具100は、図中に破線で示す被処理基板110を樹脂粗化液などの処理液に浸漬するに際して、この被処理基板110を保持するために使用するものである。この保持治具100は、図1においてコ字状(逆U字状)に示される棒状のメインフレーム101と、この下端に一体化され、被処理基板110を受け止める底枠体103とを有している。メインフレーム101は、互いに対向する棒状部108L,108Mと、その間を結ぶ連結部102とを有する。この連結部102は、後述するように、搬送装置で保持治具100を搬送する際には、搬送具に係止するための係止部の役割を果たす。また、底枠体103は、処理液の還流の抵抗となったり、浸漬あるいは引き上げ時の抵抗となるのを防止するため、貫通孔107を有する略ロ字形状とされており、被処理基板110は、底枠体103の周縁部分に当接するようになっている。 【0026】さらに、図2に示すように、メインフレーム101のうち互いに対向する棒状部108L、108Mには、これに直交して張り出すように、互いに対向する一対の下側リブ104L,104M、及び、上側リブ105L,105Mがそれぞれ固着されている。さらに、下側リブ104Lと上側リブ105Lとの間には、内側(図1中左側)に突出するようにして、コ字状に曲げられた棒状の基板保持体106Lが2つのリブ104L,105Lに固着されている。この基板保持体106Lは、図2を参照すると容易に理解できるように、2つの基板保持体106Lで対になって、これらの間に差し込まれた被処理基板110の位置を規制して保持する保持部の役割を有する。従って、対をなす基板保持体106Lの間隔は、保持する被処理基板110の厚さより若干大きくされている。本実施形態の保持治具100では、図2に示すように、棒状部108Lを中心にして、左右に3対、6ヶずつ、合計6対、12ヶの基板保持体106Lが設けられて、左右3枚ずつ、合計6枚の被処理基板110を同時に処理できるようになっている。 【0027】ここで、図2に示すように、基板保持体106Lは、対となる基板保持体106Lとの間に、被処理基板100を差し込んだときに、被処理基板100を傾けて保持するため、棒状部108Lからの距離が上方ほど大きくなるように、リブ104L,105Lに対して斜めに取り付けてある。具体的には、メインフレーム101の棒状部108Lと、およそ10度の角度をなすように取り付けられている。このため、被処理基板110を差し込んだとき、これらが左右でV字になるように保持される。なお、逆側の2つのリブ104M,105Mについても、同様に6対、12ヶの基板保持体106Mがリブ104M,105Mに対して斜めに取り付けられている。また、被処理基板110は、製品となるべき製品部と、この製品部の周縁に設けられ後に廃棄が予定されている周縁部とからなっている(図示しない)。基板保持体106L,106Mは、被処理基板101を保持しながらも、製品部に接触して製品部を傷つけることを防止するため、周縁部のみに接触して保持する寸法とされている。また、この保持治具100は、後述する樹脂粗化液に対する耐腐食性を考慮して、ステンレス(例えば、SUS304)で構成されている。 【0028】この保持治具100に、被処理基板110を、その第1被処理主面111を内側、つまり棒状部108L,108M側に向けて搭載する。すると、保持治具100が上述の構造となっているので、棒状部108L,108Mを鉛直方向に向けたとき、各被処理基板110の第1処理主面111の向く方向は、つまり第1処理主面111の法線113の方向は、いずれも水平より角度αだけ斜め上向きとなる。具体的には、水平面より角度α=10度程度上向きとなる。 【0029】次いで、この保持治具100を用いて、被処理基板110を樹脂粗化処理する樹脂粗化工程について説明する。まず、保持治具100に、被処理基板110を搭載する。具体的には、上記したように、被処理基板110のうち第1被処理主面111側を内側に向けて、被処理基板110をそれぞれ対になっている基板保持体106L,106Mの間に差し込んで保持させる。これにより、第1処理主面111が斜め上向きに保持される。 【0030】次いで、図3に示す搬送装置120にセットする。この搬送装置120は、公知の搬送装置であり、図中左右方向(水平方向)に物品を搬送する水平移動機構121と、物品を上下方向(鉛直方向)に移動させる上下移動機構122とを備える。上下移動機構122には、物品を搬送するためのフック状の搬送具123が取り付けられており、この搬送具123に物品を係止することで、所望の位置に搬送できるようになっている。この搬送装置120で保持治具100を搬送させるため、搬送具123にメインフレーム101の連結部102を係止する。これにより、図中に破線で示すように、搬送具123に保持治具100が吊り下げられた状態となり、被処理基板110は、斜めに保持された状態、つまり、第1処理主面111が斜め上向きに保持された姿勢となる(図2参照)。 【0031】この搬送装置120の搬送路の下方には、後述するように、被処理基板の第1被処理主面111及び第2被処理主面112をなす第1ソルダーレジスト層116及び第2ソルダーレジスト層119を粗化処理するための樹脂粗化処理液132が処理液槽131内に貯えられている。また、この処理液槽131の搬送路下流側には、洗浄液142が貯えられた洗浄液槽141も設けられている。 【0032】まず、矢印124のように、図3中左側から保持治具100および被処理基板110を、水平移動機構121により搬送し、破線で示すように、処理液槽13の上方で停止させる。ついで、上下移動機構122により、矢印125に示すように、搬送具123とともに保持治具100を下降させる。これにより、保持治具100及びこれに保持された被処理基板110が、樹脂粗化処理液132中に浸漬される。この際、被処理基板110は、水平、例えば、樹脂粗化処理液132の水平面133に対して、第1被処理主面111がα=10度程度上向きとなっているが、この程度の傾きで有れば、浸漬に際して、被処理基板110が樹脂粗化処理液132から受ける抵抗はあまり大きくなく、容易に保持治具100を下降させて被処理基板110を浸漬することが出来る。 【0033】樹脂粗化処理液132に浸漬中も、被処理基板110は、水平に対して第1処理主面111が斜め上向きに保持された姿勢を維持する。なお、さらに、浸漬しながら、上下移動機構122によってその高さを変化させて、被処理基板110を揺動すると良い。 【0034】すると、被処理基板110が、その第1処理主面111に凹部を有するものである場合には、以下のような現象が起こる。まず、この被処理基板110について説明する。この被処理基板110は、いわゆるビルドアップ多層配線基板であり、図4に示すように、第1被処理主面111に多数の第1凹部114を有している。この第1凹部114は、ICチップ(図示しない)の接続端子とフリップチップ接続するためのCuからなるC4パッド115が底面に露出しており、第1被処理主面111をなし、エポキシ樹脂を含む第1ソルダーレジスト層116で周囲を取り囲まれたものである。その開口径OP1=133μm、開口の深さ21μmで、隣り合う第1凹部同士の間隙SP1=167μmである。 【0035】一方、第2被処理主面112にも、多数の第2凹部117を有している。この第2凹部117は、マザーボードなどの他の配線基板(図示しない)の接続端子と接続するためのCuからなるLGAパッド118が底面に露出し、第2被処理主面112をなし、エポキシ樹脂を含む第2ソルダーレジスト層119で周囲を取り囲まれたものである。その開口径OP2=650μm、開口の深さ21μmで、隣り合う第2凹部同士の間隙SP2=550μmである。 【0036】このような被処理基板110を、上記の姿勢で樹脂粗化処理液132中に浸漬すると、その際、破線で示すように、1つの第1凹部114を覆うように気泡151が付着したり、複数の第1凹部114を覆う比較的大きい気泡152が付着することがある。しかし、第1被処理面111の法線113の方向を、水平HLに対してα=10度程度上向きにして浸漬したので、このような気泡151,152が付着しにくい。さらに、第1被処理面111の法線113の方向を、水平HLに対してα=10度程度上向きに保持しているので、このような気泡151,152が付着しにくい上、一旦付着しても、比較的容易に気泡151,152が離れて、気泡153,154となって除去できる。上記したように上下(図3中上下方向)に、さらには、前後左右(図3中、紙面に垂直方向や左右方向)等に、適宜揺動を与えると気泡151,152はさらに離れやすくなる。従って、第1被処理主面111や第1凹部114の内壁などにおいて、気泡151,152によって樹脂粗化処理液132との接触が阻止されて、樹脂粗化処理が行われない、あるいは十分に行われない部分を減少させることが出来る。 【0037】なお、第2被処理主面112に形成された第2凹部117については、第2被処理主面112が斜め下向きとなるので、気泡が付着し易く、離れにくくなる危険がある。しかし、凹部の開口径と気泡の付着し易さとを調査したところ、凹部の開口径が小さいほど、気泡が付着しやすく、離れにくいことが判った。このことから、第1凹部の開口径OP1=133μmにくらべ、第2凹部の開口径OP2=650μmと大きいので、第2被処理主面112が斜め下向きとなっていても、そのために第2凹部117に気泡が付着しやすくなる危険性はさほど上昇しない。従って、第1凹部114に気泡151が付着するのを減少させるように、第1被処理主面111を斜め上向きとすることによる、不具合減少のメリットが大きいと考えられる。 【0038】また、凹部同士の間隙の大きさと複数の凹部にまたがる気泡の付着し易さとを調査したところ、凹部同士の間隙が小さいほど、気泡が付着しやすく、離れにくいことが判った。このことから、第1凹部同士の間隙SP1=167μmにくらべ、第2凹部同士の間隙SP2=550μmと大きいので、第2被処理主面112が斜め下向きとなっていても、そのために複数の第2凹部117にまたがる気泡が付着しやすくなる危険性はさほど上昇しない。従って、複数の第1凹部114にまたがる気泡152が付着するのを減少させるように、第1被処理主面1121を斜め上向きとすることによる、不具合減少のメリットが大きいと考えられる。 【0039】その後、浸漬してから所定時間経過したら、上下移動機構122により、搬送具123とともに保持治具100を上昇させ、樹脂粗化処理液132から引き上げる。この際も、被処理基板110の傾きがα=10度程度であるので、被処理基板110が樹脂粗化処理液132から受ける抵抗はあまり大きくなく、容易に保持治具100を上昇させて被処理基板110を引き上げることが出来る。このようにして、被処理基板110を樹脂粗化処理工程を行う。すると、図5に示すように、第1ソルダーレジスト層116及び第2ソルダーレジスト層119の表面、即ち、第1主面161(111)及び第2主面162(112)、及び第1凹部164(114)の内壁面165や、第2凹部167(117)の内壁面168が均一に粗化された粗面となった多層配線基板160が出来上がる。この多層配線基板160は、第1主面161や第1凹部164の内壁165について、未粗化あるいは粗化不十分での部分がなく、外観上も均一に仕上がった。また、後にこの多層配線基板160の第1主面161にICチップ(図示しない)を搭載する際にも、第1主面161に均一にフラックスが濡れ拡がる。また、ICチップとの間にアンダーフィル樹脂を充填する際にも均一に充填できる。 【0040】なお、残余の樹脂粗化処理液132を除去するため、矢印126に示すように図中右方向に移動させ、同様に洗浄液槽141の貯えた洗浄液142で洗浄する。この際にも、第1主面161を水平(例えば、水平面143)より約10度程度上向きに多層配線基板(被洗浄処理基板)160を浸漬するので、第1主面(第1処理主面)161の第1凹部164や複数の第1凹部164にまたがる気泡が形成されにくい。従って、第1主面161や第1凹部164から確実に樹脂粗化処理液132を洗浄除去処理することができ、樹脂粗化処理液132の残留に伴う不具合を防止することが出来る。 【0041】以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。例えば、上記実施形態では、被処理基板110の第1被処理主面111及び第2被処理主面112を構成する樹脂絶縁層として、多層配線基板160の最表層となるソルダーレジスト層116,119を有する被処理基板110に樹脂粗化処理を適用した。しかし、最表層よりも内層となるビルドアップ層について、同様の樹脂粗化処理を適用しても良い。また、上記実施形態では、樹脂絶縁層(ソルダーレジスト層116,119)を樹脂粗化処理する樹脂粗化処理工程について適用したが、無電解メッキ処理によって、凹部内や樹脂絶縁層上に導体層を形成する際に、本発明を適用することもできる。また、導体層の表面を粗化する導体粗化処理工程において本発明を適用することもできる。 【0042】さらに、上記実施形態では、保持治具100として、6枚の被処理基板110の第1被処理主面111を3枚ずつ内向きに並べて、これらが左右でV字になるように保持し、一度に6枚の処理が可能な構造としたものを例示した(図1,図2参照)。しかし、この構造のものに限定されることはなく、浸漬した処理液中で、被処理基板の第1被処理主面が斜め上向きになるように保持できる構造のものであればいずれのものでも良い。従って、1枚ずつ処理できるものでも良く、複数枚同時に処理できる構造としても良い。また、複数枚の被処理基板の第1被処理主面を、対向するように、内向きに保持する必要はなく、一方向に向けて並べるように保持する構造としても良い。 【0043】また、処理液中に浸漬されている際に、被処理基板の第1被処理主面が斜め上向きになればよく、浸漬の際あるいは引き上げの際の被処理基板の姿勢は異なる姿勢となるものでも良い。例えば、浸漬及び引き上げの際は、処理液の水平面に対して、被処理基板を垂直に保持し、浸漬中には被処理基板を傾けるように保持する構造の保持治具としてもよい。但し、浸漬あるいは引き上げの際に処理液から被処理基板が抵抗を受けること、また、浸漬とともに凹部に気泡が付着することを考慮すると、浸漬の際にも、被処理基板の第1被処理主面が斜め上向きになるように保持して浸漬するのがより好ましい。浸漬や引き上げ時の抵抗をある程度減らしつつ、第1被処理主面に当初から付着する気泡を減少させることが出来るからである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004547 【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年7月14日(2000.7.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100104167 【弁理士】 【氏名又は名称】奥田 誠 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−33567(P2002−33567A) |
| 【公開日】 |
平成14年1月31日(2002.1.31) |
| 【出願番号】 |
特願2000−213965(P2000−213965) |
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