| 【発明の名称】 |
EMIシミュレーション装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】森本 倫弘
|
| 【要約】 |
【課題】電源層、接地層及び筐体が形成する電磁界の影響による新たな電磁波ノイズを考慮に入れ、プリント配線板における信号配線層が形成する電磁界に基づいて、電子機器から放射される電磁波ノイズの周波数特性を算出することにより、電磁波ノイズの周波数特性を正確に把握でき、EMIに対する適切な対策を講じることができるようにする。
【解決手段】金属導体及び面状導体が平面アンテナとして作用することによって放射される電磁波ノイズを算出し、信号配線から放射される電磁波ノイズに加算して、電子機器の放射する電磁波の周波数特性を算出する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (a)金属導体及び面状導体の寸法、並びに、前記金属導体と前記面状導体との距離等の数値が入力される入力手段と、(b)計算式及び前記数値が格納される記憶手段と、(c)前記記憶手段から前記計算式及び前記数値を読み出し、前記金属導体及び前記面状導体が平面アンテナとして作用することによって放射される電磁波ノイズを算出し、信号配線から放射される電磁波ノイズに加算して、電子機器から放射される電磁波の周波数特性を算出する演算手段とを有することを特徴とするEMIシミュレーション装置。 【請求項2】 (a)グランド層及び電源層の寸法等の数値が入力される入力手段と、(b)計算式及び前記数値が格納される記憶手段と、(c)前記記憶手段から前記計算式及び前記数値を読み出し、前記グランド層及び前記電源層が平面アンテナとして作用することによって放射される電磁波ノイズを算出し、信号配線から放射される電磁波ノイズに加算して、電子機器から放射される電磁波の周波数特性を算出する演算手段とを有することを特徴とするEMIシミュレーション装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、EMI(Electro Magnetic Interference:電磁障害)シミュレーション装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、EMIシミュレーション装置においては、電子機器によるEMIをシュミレートするために、プリント配線板上に形成された信号配線層における信号線を通って送信される信号の電流成分を計算し、該電流成分が形成する電磁界を解析し、前記プリント配線板から放射される電磁波ノイズの周波数特性を算出するようになっている。 【0003】図2は従来のEMIシミュレーション装置における電磁波ノイズの周波数特性算出のためのシュミレーションモデルの基本概念を示す図である。 【0004】ここで、プリント配線板上に形成された電子回路の構造は簡略化して示されており、111は前記プリント配線板の電源層又はグランド層であり、112及び115は前記電子回路に含まれるIC、113は前記電源層又はグランド層111とは別の層である配線層中において前記IC112、115を結ぶ直線上の配線である。なお、信号配線層中の他の信号配線、前記電源層、グランド層、信号配線層間に存在する誘電体層等は、省略されている。 【0005】そして、前記信号線113を通ってIC112からIC115に送信される信号の電流成分iを計算し、該電流成分iが周囲に形成する電磁界を解析し、その解析結果に基づいて前記プリント配線板から放射される電磁波ノイズ114の周波数特性を算出するようになっている。 【0006】これにより、電子機器の設計段階において、あらかじめ電磁波ノイズ114の周波数特性を知ることができるので、EMIに対する対策を講じることが可能となる。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従来のEMIシミュレーション装置においては、電子機器によるEMIをシュミレートするために、前記電子機器のプリント配線板111における信号配線層が形成する電磁界だけに基づいて、電子機器からから放射される電磁波ノイズ114の周波数特性を算出しており、前記プリント配線板111上に形成された電源層及び接地層、前記プリント配線板111が収納される金属性の筐(きょう)体等の影響は全く考慮されていない。 【0008】一般に、電子機器においては、前記金属製の筐体は電磁波をシールドする効果を奏するものであるから、前記プリント配線板111を前記筐体内に収納することにより、電磁波ノイズの放射レベルは低下する。しかし、前記プリント配線板111の信号配線層だけでなく、前記プリント配線板111上に形成された電源層及び接地層と前記筐体との間から、前記信号配線層が形成する電磁界の影響を受けて、新たな電磁波ノイズが放射される。 【0009】したがって、前記新たな電磁波ノイズを考慮せずに、電子機器によるEMIをシュミレートしても、実際の電磁波ノイズの周波数特性を正確に把握できないので、EMIに対する適切な対策を講じることができなくなってしまう。 【0010】本発明は、前記従来のEMIシミュレーション装置の問題点を解決して、電源層、接地層及び筐体が形成する電磁界の影響による新たな電磁波ノイズを考慮に入れ、プリント配線板における信号配線層が形成する電磁界に基づいて、電子機器から放射される電磁波ノイズの周波数特性を算出することにより、電磁波ノイズの周波数特性を正確に把握でき、EMIに対する適切な対策を講じることができるEMIシミュレーション装置を提供することを目的とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】そのために、本発明のEMIシミュレーション装置においては、金属導体及び面状導体の寸法、並びに、前記金属導体と前記面状導体との距離等の数値が入力される入力手段と、計算式及び前記数値が格納される記憶手段と、前記記憶手段から前記計算式及び前記数値を読み出し、前記金属導体及び前記面状導体が平面アンテナとして作用することによって放射される電磁波ノイズを算出し、信号配線から放射される電磁波ノイズに加算して、電子機器から放射される電磁波の周波数特性を算出する演算手段とを有する。 【0012】本発明の他のEMIシミュレーション装置においては、グランド層及び電源層の寸法等の数値が入力される入力手段と、計算式及び前記数値が格納される記憶手段と、前記記憶手段から前記計算式及び前記数値を読み出し、前記グランド層及び前記電源層が平面アンテナとして作用することによって放射される電磁波ノイズを算出し、信号配線から放射される電磁波ノイズに加算して、電子機器から放射される電磁波の周波数特性を算出する演算手段とを有する。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。 【0014】図1は本実施の形態におけるEMIシミュレーション装置における電磁波ノイズの周波数特性算出のためのシミュレーションモデルの基本概念を示す図、図3は本実施の形態におけるEMIシミュレーション装置の構成を示す図である。 【0015】本実施の形態におけるEMIシミュレーション装置21は、図3に示されるように、本体22、各種の数値やデータを入力するためのキーボード、マウス等の入力手段26、及び、シミュレーションの結果等を表示するためのディスプレー、プリンタ等の表示手段27を有する。前記本体22は、電磁波ノイズの周波数特性の算出等を実行するための演算手段としての中央演算素子(CPU)23、入力された数値やデータ、計算式等を格納するためのハードディスク、半導体メモリ等の記憶手段24、及び、入出力インターフェイス(I/O)25等を有し、該入出力インターフェイス25を介して、前記入力手段26及び表示手段27と連結される。 【0016】本実施の形態におけるシミュレーションモデルは、プリント配線板11及び筐体を有する。 【0017】前記筐体は、実際には、前記プリント配線板11を収納する金属製の容器であり、通常、前記電子機器のグランド(接地電極)としても機能する。ここで、前記筐体は図1に示されるように、前記プリント配線板11と距離を隔てて平行に存在する金属板である金属導体17としてモデル化される。 【0018】前記プリント配線板11は、実際には、IC、LSI、抵抗、コンデンサ等の多数の電子部品及び該電子部品を結ぶ複雑な形状の多数の信号配線から成る信号配線層、グランド層、電源層、各層を電気的に連結するスルーホール及びバイアホール、並びに、前記配線層、グランド層及び電源層の間に存在する樹脂、セラミック等から成る誘電体層等を有するが、ここでは、前記スルーホール、バイアホール、誘電体層等は省略し、互いに距離を隔てて平行に存在する面状導体18としてのグランド層16及び電源層15のみを有するものとしてモデル化される。さらに、前記信号配線層は、2つの電子部品12−1、12−2と該電子部品12−1、12−2を連結する直線状の1本の信号配線13のみを有するものとして、他の電子部品及び信号配線は省略されてモデル化される。また、前記電子部品12−1、12−2は、いかなるものであってもよいが、ここでは前記電子部品12−1をドライバICと想定する。 【0019】したがって、基本概念が図1に示されるシミュレーションモデルは、金属導体17の層、電子部品12−1、12−2及び信号配線13の層、グランド層16及び電源層15の4層から成る。 【0020】前記シミュレーションモデルにおいては、ドライバICである電子部品12−1から前記信号配線13を通って電子部品12−2に送信される信号の電流成分iにより、電磁波ノイズが放射される。ここで、前記信号配線13は前記金属導体17と前記面状導体18との間に挟まれているので、前記信号配線13から放射された電磁波ノイズにより、前記金属導体17と前記面状導体18との間に電位変動19が発生する。そして、該電位変動19により、新たな電磁波ノイズ14が放射される。 【0021】本実施の形態においては、前記電磁波ノイズ14をも考慮に入れて、電子機器から放射される電磁波ノイズの周波数特性を算出する。 【0022】次に、本実施の形態における電磁波ノイズの周波数特性の算出方法を、従来のシュミレーション装置と比較しつつ、説明する。 【0023】図4は従来のシュミレーション装置におけるシミュレーションモデルの側面図、図5は本実施の形態におけるシミュレーションモデルの側面図、図6は従来のシュミレーション装置におけるシミュレーションモデルの電磁波ノイズの実測値を示す図、図7は本実施の形態におけるシミュレーションモデルの電磁波ノイズの実測値を示す図である。なお、図6及び7において、横軸に周波数を、縦軸に放射レベルを採ってある。図8は本実施の形態におけるシミュレーションモデルの共振周波数を示す表、図9は本実施の形態におけるプリント配線板と金属導体の寸法を示す図、図10は本実施の形態におけるプリント配線板と金属導体との距離を変化させた時の放射周波数の遷移を示す図である。なお、図10において、横軸にプリント配線板11と金属導体17との距離hを、縦軸に放射周波数を採ってある。 【0024】図4において、120は図2に示されるシュミレーションモデルに基づくプリント配線板であって、300〔mm〕×210〔mm〕の寸法を有する。さらに前記プリント配線板120は、電源層又はグランド層である層111と信号配線113の間に、誘電体層116を有する。 【0025】前記プリント配線板120から放射される電磁波ノイズを実測すると、図6に示されるような周波数特性を示す。 【0026】図5に示される本実施の形態におけるシュミレーションモデルにおいて、プリント配線板11は、前記プリント配線板120と同様に、300〔mm〕×210〔mm〕の寸法を有する。さらに、前記プリント配線板11は、面状導体18と信号配線13の間に誘電体層20を有する。そして、前記プリント配線板11の、図5における下方に、金属導体17が前記プリント配線板11と平行に配設される。ここで、前記金属導体17は500〔mm〕×400〔mm〕寸法を有し、前記プリント配線板11より大きい。 【0027】前記プリント配線板11から放射される電磁波ノイズを実測すると、図7に示されるような周波数特性を示す。これを図6に記載されたものと比較すると、ノイズの放射レベルは、前記金属導体17の奏するシールド効果により、全般に低下することがわかる。しかしながら、一部の周波数帯においては、依然として、部分的に急峻なピークが存在することが見て取れる。一部の周波数における前記急峻なピークは、前述したように、新たな電磁波ノイズ14が放射されたことによるものであると考えられる。すなわち、前記金属導体17を配設することによってある特定の周波数で急峻なピークとなる電磁波ノイズが発生しているといえる。 【0028】図5に示される本実施の形態におけるシュミレーションモデルにおいて電磁波ノイズの周波数特性を算出するには、まず、前記面状導体18及び金属導体17を近似的な平面アンテナとして考える。一方、前記信号配線13を電磁波ノイズを放射する振動源として考える。 【0029】すると、波動方程式(1)から、前記プリント配線板11又は金属導体17のうちの小さい方の寸法を境界条件として、前記急峻なピークが存在する周波数fを求める式(2)が導き出される。 【0030】 【数1】
【0031】ここで、式(2)において、εr は前記プリント配線板11と金属導体17との間の実効誘電率、a、bは前記プリント配線板11又は金属導体17のうちの小さい方の各辺の寸法、m、nは、正の整数であり、共振モードである。なお、共振モードの数だけ共振周波数、すなわち前記急峻なピークが存在する周波数が存在する。 【0032】前記式(2)に、前記図5に示される本実施の形態におけるシュミレーションモデルの数値を入れて求められた急峻なピークが存在する周波数fの値が図8に表として示される。 【0033】ここで、前記金属導体17よりも前記プリント配線板11の方が小さいのでa、bは、図9に示されるように、前記プリント配線板11の各辺の寸法、すなわち、aは300〔mm〕、bは210〔mm〕とした。また、前記金属導体17とプリント配線板11との間に占める誘電体層20の割合を算出して、実効誘電率εr は1.07とした。 【0034】前記図8に示される周波数fの値と、前記図7に示される急峻なピークが存在する周波数は、ほぼ一致する。 【0035】また、前記金属導体17とプリント配線板11との間の距離hが大きくなると、プリント配線板11の寸法a、bが、見掛け上、前記金属導体17とプリント配線板11との間の距離hだけ大きくなり、前記式(2)は式(3)のように近似することができる。 【0036】 【数2】
【0037】そして、図10に示されるように、前記金属導体17とプリント配線板11との間の距離hを変化させたときの共振周波数の計算値と実際の測定で急峻なピークを示す周波数とを比較してみると、前記金属導体17とプリント配線板11との間の距離hの変化による共振周波数の遷移はほぼ一致する。なお、前記計算値は、a辺方向のモード1、b辺方向モード0の共振周波数である。 【0038】このことにより、電磁波ノイズを放射する振動源としての前記信号配線13が、前記金属導体17と面状導体18とによって挟まれた場合、前記金属導体17と面状導体18とが平面アンテナとして作用して電位変動が発生し、前記プリント配線板11上の前記面状導体18と金属導体17の小さい方の寸法、及び互いの距離の関数としての周波数で、新たな電磁波ノイズが放射されることがわかる。 【0039】また、平面アンテナとしての前記金属導体17と面状導体18との間に発生する電位変動に誘起されて前記金属導体17と面状導体18に生じる電流の分布状態は、前記金属導体17と面状導体18の小さい方の寸法、及び互いの距離から推測することができる。 【0040】次に、前記構成のシミュレーション装置の動作について説明する。 【0041】まず、前記金属導体17及びプリント配線板11の寸法a、b、前記金属導体17とプリント配線板11との間の距離h、実効誘電率εr 等の数値が入力手段26から入力される。前記数値は記憶手段24に格納される。 【0042】次いで、中央演算素子23において、ドライバIC12−1や電流が流れる信号配線13を振動源とし、平面アンテナとしての前記金属導体17と面状導体18との間に発生する電位変動に誘起されて前記金属導体17と面状導体18に生じる電流の分布状態を、前記金属導体17と面状導体18の小さい方の寸法の関数として表される共振現象に基づいて算出し、その算出結果から、前記金属導体17と面状導体18が平面アンテナとして働いて放射する電磁波ノイズを算出する。 【0043】そして、前記算出された電磁波ノイズに、前記信号配線13から直接放射される電磁波ノイズを、時間的なタイミングを考慮して、加算する。これにより、より現実の放射に近いシミュレーション結果を得ることができる。 【0044】このように、本実施の形態においては、信号配線13から放射される電磁波ノイズに、金属導体17と面状導体18との間に発生する電位変動によって放射される電磁波を加えることによって、より実測定に近い解析結果を得ることができる。したがって、電子機器の設計段階で放射される電磁波の周波数特性より正確に知ることができるので、EMIに対する適切な対策を講じることができる。 【0045】次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。 【0046】なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するもの及び同じ動作については、説明を省略する。 【0047】図11は本実施の形態におけるEMIシミュレーション装置における電磁波ノイズの周波数特性算出のためのシミュレーションモデルの基本概念を示す図、図12は本実施の形態におけるシミュレーションモデルの電磁波ノイズの実測値を示す図である。なお、図12において、横軸に周波数を、縦軸に放射レベルを採ってある。図13は本実施の形態におけるシミュレーションモデルの共振周波数を示す表である。 【0048】本実施の形態におけるシミュレーションモデルの基本概念は、図11に示されるように、電子部品12−1、12−2の層、グランド層16、信号配線13の層、及び、電源層15の4層から成る。なお、前記電子部品12−1、12−2と前記信号配線13を連結する垂直方向の配線は、電磁波ノイズの発生源として考慮されない。 【0049】前記シミュレーションモデルにおいては、ドライバICである電子部品12−1から前記信号配線13を通って電子部品12−2に送信される信号の電流成分iにより、電磁波ノイズが放射される。ここで、前記信号配線13は前記電源層15とグランド層16との間に挟まれているので、前記信号配線13から放射された電磁波ノイズにより、前記電源層15と前記グランド層16との間に電位変動が発生し、新たな電磁波ノイズ14が放射される。 【0050】実際の電子機器においては、前記第1の実施の形態において説明された電磁波ノイズ以外にも、ドライバIC12−1が作動した場合や、前記電源層15とグラウンド層16とに挟まれた中層に信号配線13が配線されている場合には、本来一定であるはずの電源層15とグラウンド層16との間の電位が変動して、新たな電磁波ノイズが放射される。したがって、本実施の形態においては、前記電源層15と前記グランド層16との間の電位変動により発生する電磁波ノイズ14をも考慮に入れて、電子機器から放射される電磁波ノイズの周波数特性を算出する。 【0051】前記シミュレーションモデルに基づくプリント配線板から放射される電磁波ノイズを実測すると、図12に示されるような周波数特性を示す。 【0052】本実施の形態においては、第1の実施の形態と同様に、前記式(2)に、前記図11に示される本実施の形態におけるシュミレーションモデルの数値を入れて求めた急峻なピークが存在する周波数fの値が図13に表として示される。 【0053】ここで、前記電源層15と前記グランド層16の寸法は、いずれもプリント配線板と同一であり、前記プリント配線板は第1の実施の形態と同一の寸法を有するから、なので、aは300〔mm〕、bは210〔mm〕とした。また、前記電源層15と前記グランド層16の間は誘電体で満たされているので、実効誘電率εr は4.3とした。 【0054】図12と図13とを比較してみると、図13で算出された周波数と図12における急峻なピークとなる周波数とがほぼ一致している。 【0055】このことにより、電磁波ノイズを放射する振動源としての信号配線13が、電源層15とグランド層16とによって挟まれた場合、前記電源層15とグランド層16とが平面アンテナとして作用して電位変動が発生し、プリント配線板11上の面状導体18と金属導体17の小さい方の寸法の関数としての周波数で、新たな電磁波ノイズが放射されることが分かる。 【0056】また、平面アンテナとしての前記電源層15とグランド層16との間に発生する電位変動に誘起されて前記電源層15とグランド層16に生じる電流の分布状態は、前記電源層15とグランド層16の小さい方の寸法から推測することができる。 【0057】次に、前記構成のシミュレーション装置の動作について説明する。 【0058】まず、前記プリント配線板11の寸法a、b、実効誘電率εr 等の数値が入力手段26から入力される。前記数値は記憶手段24に格納される。 【0059】次いで、中央演算子23において、ドライバIC12−1や電流が流れる信号配線13を振動源とし、平面アンテナとしての電源層15とグランド層16との間に発生する電位変動に誘起されて前記電源層15とグランド層16に生じる電流の分布状態を、前記電源層15とグランド層16の小さい方の寸法の関数として表される共振現象に基づいて算出し、その算出結果から、前記電源層15とグランド層16が平面アンテナとして働いて放射する電磁波ノイズを算出する。 【0060】そして、前記算出された電磁波ノイズに、前記信号配線13から直接放射される電磁波ノイズを、時間的なタイミングを考慮して、加算する。これにより、より現実の放射に近いシミュレーション結果を得ることができる。 【0061】このように、本実施の形態においては、信号配線13から放射される電磁波ノイズに、電源層15とグランド層16との間に発生する電位変動によって放射される電磁波を加えることによって、より実測定に近い解析結果を得ることができる。したがって、電子機器の設計段階で放射される電磁波の周波数特性より正確に知ることができるので、EMIに対する適切な対策を講じることができる。 【0062】なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。 【0063】 【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によれば、EMIシミュレーション装置においては、金属導体及び面状導体の寸法、並びに、前記金属導体と前記面状導体との距離等の数値が入力される入力手段と、計算式及び前記数値が格納される記憶手段と、前記記憶手段から前記計算式及び前記数値を読み出し、前記金属導体及び前記面状導体が平面アンテナとして作用することによって放射される電磁波ノイズを算出し、信号配線から放射される電磁波ノイズに加算して、電子機器から放射される電磁波の周波数特性を算出する演算手段とを有する。 【0064】この場合、信号配線から放射される電磁波ノイズに、金属導体と面状導体との間に発生する電位変動によって放射される電磁波を加えることによって、より実測定に近い解析結果を得ることができる。したがって、電子機器の設計段階で放射される電磁波の周波数特性より正確に知ることができるので、EMIに対する適切な対策を講じることができる。 【0065】また、本発明の他のEMIシミュレーション装置においては、グランド層及び電源層の寸法等の数値が入力される入力手段と、計算式及び前記数値が格納される記憶手段と、前記記憶手段から前記計算式及び前記数値を読み出し、前記グランド層及び前記電源層が平面アンテナとして作用することによって放射される電磁波ノイズを算出し、信号配線から放射される電磁波ノイズに加算して、電子機器から放射される電磁波の周波数特性を算出する演算手段とを有する。 【0066】この場合、信号配線から放射される電磁波ノイズに、電源層とグランド層との間に発生する電位変動によって放射される電磁波を加えることによって、より実測定に近い解析結果を得ることができる。したがって、電子機器の設計段階で放射される電磁波の周波数特性より正確に知ることができるので、EMIに対する適切な対策を講じることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000000295 【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
|
| 【出願日】 |
平成12年6月28日(2000.6.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100116207 【弁理士】 【氏名又は名称】青木 俊明 (外2名)
|
| 【公開番号】 |
特開2002−16391(P2002−16391A) |
| 【公開日】 |
平成14年1月18日(2002.1.18) |
| 【出願番号】 |
特願2000−193799(P2000−193799) |
|