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【発明の名称】 電気機器の筐体フレーム
【発明者】 【氏名】渡辺 岡樹

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも側板、支柱、天板及び底板を含んで構成される電気機器の筐体フレームにおいて、前記底板を少なくとも上面を構成する第1部材と下面を構成する第2部材とで構成し、第1部材及び第2部材の縁を樋状に成形して両部材に平面部と壁部をそれぞれ形成するとともに、第1部材及び第2部材を内部が空洞になるように箱状に重ね合わせて互いの前記壁部の壁面で結合し、第1部材又は第2部材の少なくとも一方の平面部の複数箇所に、底板の空洞方向に向かって突出するよう錐台形に変形させた複数の変形部を設け、各変形部の頂点部分で第1部材と第2部材を更に結合したことを特徴とする電気機器の筐体フレーム。
【請求項2】 前記変形部を第1部材又は第2部材の少なくとも一方の平面部の対角線上及び四辺部に配置したことを特徴とする請求項1記載の電気機器の筐体フレーム。
【請求項3】 少なくとも前記底板を樹脂材で構成したことを特徴とする請求項1,2又は3記載の電気機器の筐体フレーム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成装置等の事務機器や通信機器等の各種電気機器の筐体フレームに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6に示すように、画像形成装置等の事務機器や通信機器等の各種電気機器の筐体フレーム200は、それぞれ板金やパイプ材等から成る側板1,2、支柱3、天板4、底板5、ステー6、補強板7等から構成されており、底板5は全体が平坦な平板として構成されている(第1の従来例)。
【0003】又、図7に示すように、底板5の中央部と外周部及び外周部内側近傍の複数箇所に、該底板5の厚さ方向の一方向に突出するように変形した変形部81,8283が設けられている(特開平11−186744号公報参照)。或は底板の他の部分よりも厚さを大きくした肉厚部が設けられている場合もある(第2の従来例)。
【0004】更に、図8に示すように、千鳥状に配設された複数の円錐台状の突起部102a,103aを有する第1の板部材102と第2の板部材103とを両者の突起102a,103aの先端同士が対向した状態で互いに重なり合わないように重ね合わせ、両板部材102,103の互いに接する部分を締結して貼り合わせることによって構造部材を1枚の板状部材として構成することも提案されている(特開平11−165448号公報参照)(第3の従来例)。
【0005】又、1枚の平面板に角パイプを溶接して底板を構成する場合もある(第4の従来例)。
【0006】その他、図9に示すように、全面に大きく絞り加工を施した2枚の金属板5a,5bを重ねて溶接することによって底板5を構成するものもあった(第5の従来例)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、現在の画像形成装置等の事務機器や通信機器等の各種電気機器には、高機能化の他に小型化、軽量化、高画像化及び低コスト化が求められているため、事務機器の筐体フレームとしては薄肉で軽量な構造が必要となる。
【0008】しかしながら、筐体フレームを薄肉にして上記要求を満足させようとすると、筐体フレームの機械的強度が低下するという問題が発生し、機器本体を凹凸のある設置面上に設置した場合等には筐体フレーム全体が捩れて変形するため、筐体フレームに取り付けられた内部部品の傾きを引き起こす。
【0009】従って、今日では前記要望の他に高強度の枠体や超寿命枠体が必要となってきた。
【0010】プリンタや複写機において前記要望が満たされない場合には以下のような問題が生じる。
【0011】■紙搬送性能の悪化■画像ずれ■画質低下■筐体のゆがみによる各部品の亀裂の助長、即ち、本体寿命の低下■今日は筐体部品はそのままリサイタルされることがあるが、クラック発生のためにリサイクル不適合このような問題に対応するためには筐体フレームの厚型化、重量化、コストアップは免れず、構造上難しいと考えられていた。
【0012】そのため、第1及び第2の従来例においては、上記の点で今日においては性能が満たされなくなってきた。
【0013】上記問題を回避するために第3及び第5の従来例では絞り加工を施して強度アップを図っていたが、その変形部の数及び面積が元の変形していない面に占める割合が大きいため、底板全体としての平面度の維持が困難であった。
【0014】又、第4の従来例においては多くの部材を溶接するため、溶接による残留応力が発生し、底板全体としての平面度の維持が困難であった。
【0015】従って、第3、第4及び第5の従来例においては、平面の床に電気機器を設置した場合、底板の平面度が低く、且つ、底板の剛性が高いために電気機器全体がグラ付き、品位低下のイメージを招き兼ねなかった。
【0016】本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、底板の薄肉化と軽量化を図りつつ該底板の強度及び剛性を高め、電気機器の設置面の凹凸等による捩れによる変形を防いで底板全体に高い平面度を確保することができる電気機器の筐体フレームを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、少なくとも側板、支柱、天板及び底板を含んで構成される電気機器の筐体フレームにおいて、前記底板を少なくとも上面を構成する第1部材と下面を構成する第2部材とで構成し、第1部材及び第2部材の縁を樋状に成形して両部材に平面部と壁部をそれぞれ形成するとともに、第1部材及び第2部材を内部が空洞になるように箱状に重ね合わせて互いの前記壁部の壁面で結合し、第1部材又は第2部材の少なくとも一方の平面部の複数箇所に、底板の空洞方向に向かって突出するよう錐台形に変形させた複数の変形部を設け、各変形部の頂点部分で第1部材と第2部材を更に結合したことを特徴とする。
【0018】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記変形部を第1部材又は第2部材の少なくとも一方の平面部の対角線上及び四辺部に配置したことを特徴とする。
【0019】請求項3記載の発明は、請求項1,2又は3記載の発明において、少なくとも前記底板を樹脂材で構成したことを特徴とする。
【0020】従って、本発明によれば、電気機器の筐体フレームの底板を少なくとも上面を構成する第1部材と下面を構成する第2部材とで構成し、第1部材又は第2部材の少なくとも一方の平面部の複数箇所に複数の変形部を設け、各変形部の頂点部分で第1部材と第2部材を結合したため、底板の薄肉化と軽量化を図りつつ該底板全体の断面係数を飛躍的に増大させてその剛性と機械的強度を大幅に高めることができ、電気機器の設置面の凹凸等による捩れによる変形を防いで底板全体に高い平面度を確保することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0022】図5は本発明に係る筐体フレームを備える画像形成装置の断面図であり、画像形成装置はその内部に光学系10、感光ドラム11、一次帯電器12、現像装置13、転写/分離帯電器14、クリーニング装置15、搬送装置16、定着装置17、給紙カセット18等が配設されている。
【0023】図1は画像形成装置の筐体フレーム100の正面図、図2は同筐体フレーム100の右側面図であり、筐体フレーム100は全体として直方体形状に成形され、前側板1と後側板2、支柱3、天板4、底板5、ステー6及び補強板7から構成されている。
【0024】上記前側板1と後側板2、天板4、底板5、ステー6及び補強板7は金属板を塑性加工した板金で構成され、支柱3は金属パイプや板材を曲げ合わせてパイプ状にした部材で構成されている。
【0025】ここで、底板5の構成の詳細を図3及び図4に基づいて説明する。尚、図3は底板5の断面図、図4は底板5の底面図である。
【0026】底板5は上面を形成する第1部材102と下面を形成する第2部材103とで構成されており、第1部材102及び第2部材103は共に縁部104,105が樋状に縁絞り加工されている。
【0027】第1部材102及び第2部材103は互いに嵌め込まれ、両者は図1及び図2に示す側面溶接部108において溶接によって接合一体化されている。尚、本実施の形態では、第1部材102が第2部材103を覆うように外側に嵌め込まれているが、この関係は逆でも良い。又、第1部材102と第2部材103を溶接以外の例えばカシメ加工、ビス止め等の他の方法によって結合しても良い。カシメ加工によって第1部材102と第2部材103を結合する場合、図3に示すようにカシメ加工により生じる凸部110を底板5平面部から突出させないように加工する必要がある。
【0028】ところで、図3に示すように、第2部材103の平面部107には円錐台状に絞り加工された複数の絞り部101が配設されている。そして、各絞り部101の高さはその頂点部109が第1部材102の平面部106の裏側に突き当たる値に設定されている。
【0029】又、図4に示すように、第2部材103には画像形成装置本体移動用のキャスター111が四隅にそれぞれ取り付けられており、第2部材103に円錐台状に絞り加工された絞り部101が四隅のキャスター111に向けて対角線状に配列されるとともに、該第2部材103の四辺にも同様に絞り部101が配列されている。
【0030】而して、上述のように円錐台状の絞り部101を第2部材103の四辺及び対角線状に配列することによって該第2部材103単品での剛性と機械的強度を高めることができる。
【0031】又、第2部材103に配列された円錐台状の絞り部101において第1部材102と第2部材103とが結合されているため、底板5全体の断面係数を飛躍的に増大させることができ、これによって底板5全体の剛性と機械的強度を大幅に高めることができる。
【0032】更に、円錐台状の絞り部101を第2部材103の前記箇所に配置することによって第1部材102の平面部106の強度も上がるため、該第1部材102の上に画像形成装置上必要な各ユニットや部品を直接置いても第1部材102が歪むことが少ない。
【0033】ところで、底板5を第1部材102単体で構成する場合には、該底板5に高い平面度を確保することは非常に困難であるが、本実施の形態のように第1部材102と第2部材103とを前記手法によって一体化して底板5を構成すれば、該底板5の変位が極めて小さくなり、この底板5に高い平面度を確保することができる。因に、円錐台状の絞り部101を第2部材103に前述のように配置することにより、第2部材103全体に円錐台状の絞り加工を施す場合よりも底板5の剛性及び強度を高めて該底板5の変位を小さく抑えることができ、この結果、底板5に高い平面度を確保することができる。
【0034】そして、筐体フレーム100の機械的強度は主に底板5の強度によって確保されているため、底板5の強度が向上すれば筐体フレーム100全体の強度も向上する。
【0035】従って、本実施の形態においては、上述のように底板5に対して絞り部101を設けて底板5の強度及び剛性を高めることによって筐体フレーム100全体の強度及び剛性を向上させることができる。
【0036】又、筐体フレーム100を用いた画像形成装置本体が凹凸のある設置面上に設置されて筐体フレーム100に対して捩り荷重が作用したような場合等には、筐体フレーム100の変形を防ぐことができ、この筐体フレーム100の変形に起因して画像形成装置に発生する多くの不具合を解消することができる。
【0037】尚、本実施の形態においては、意匠性の観点から一般ユーザーには見ることができないように第2部材103に絞り部101を設けたが、第1部材102と第2部材103とを逆にしても前述と同様の効果を得ることができる。
【0038】又、実施の形態においては、第2部材103のみに円錐台状の絞り部101を設けたが、第1部材102と第2部材103の双方に円錐台状の絞り部を設け、互いの頂点部で第1部材102と第2部材103を結合しても同様の効果を得ることができる。
【0039】更に、本実施の形態では、底板5を板金で構成したが、プラスチックで構成しても良く、プラスチックで構成する場合には、底板5の絞り部はプラスチックから底板5を成形する際に用いられる金型の形状によって所望の形状に成形し得ることは勿論である。
【0040】又、本実施の形態においては、絞り部101の形状を円錐台状としたが、半円球状、四角形状等の類似形状を採用することもできる。
【0041】ところで、本実施の形態では本発明を特に画像形成装置の筐体フレームに対して適用した形態について述べたが、本発明はその他任意の電気機器の筐体フレームに対しても同様に適用可能である。
【0042】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明によれば、少なくとも側板、支柱、天板及び底板を含んで構成される電気機器の筐体フレームにおいて、前記底板を少なくとも上面を構成する第1部材と下面を構成する第2部材とで構成し、第1部材及び第2部材の縁を樋状に成形して両部材に平面部と壁部をそれぞれ形成するとともに、第1部材及び第2部材を内部が空洞になるように箱状に重ね合わせて互いの前記壁部の壁面で結合し、第1部材又は第2部材の少なくとも一方の平面部の複数箇所に、底板の空洞方向に向かって突出するよう錐台形に変形させた複数の変形部を設け、各変形部の頂点部分で第1部材と第2部材を更に結合したため、底板の薄肉化と軽量化を図りつつ該底板の強度及び剛性を高め、電気機器の設置面の凹凸等による捩れによる変形を防いで底板全体に高い平面度を確保することができるという効果が得られる。
【出願人】 【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
【出願日】 平成12年6月27日(2000.6.27)
【代理人】 【識別番号】100092853
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 亮一
【公開番号】 特開2002−16384(P2002−16384A)
【公開日】 平成14年1月18日(2002.1.18)
【出願番号】 特願2000−192575(P2000−192575)