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【発明の名称】 マウンターバックアップ装置、及び同装置に用いる基板保持材の製造方法
【発明者】 【氏名】秋山 淳一

【氏名】木村 邦彦

【要約】 【課題】高密度化された基板を、面支持して基板の撓みなどを防止でき、なおかつ、実装済みの電子部品に悪影響を与えることのないマウンタ−バックアップ装置を提供すること。

【解決手段】基板2に電子部品3をマウントする際に、基板2の撓みを防止するために前記基板2を下方から支持するようにした基板保持材4を具備するマウンターバックアップ装置Aにおいて、基板保持材4は、下方に面した前記基板2の一側面に形成された凸部を象った凹部41が形成された発泡ポリウレタン樹脂7よりなる構成とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】基板に電子部品をマウントする際に、基板の撓みを防止するために前記基板を下方から支持するようにした基板保持材を具備するマウンターバックアップ装置において、基板保持材は、下方に面した前記基板の一側面に形成された凸部を象った凹部が形成された発泡ポリウレタン樹脂よりなることを特徴とするマウンタ−バックアップ装置。
【請求項2】凸部が、他側面の電子部品実装に先立って、下方に面した一側面に既に実装された電子部品であることを特徴とする請求項1記載のマウンターバックアップ装置。
【請求項3】基板に電子部品をマウントする際に、基板の撓みを防止するために、前記基板を下方から支持するバックアップ装置の基板保持材の製造方法であって、側面に発泡樹脂注入口を形成した型枠の上面開口部に静電防止ポリフィルムを被覆し、予め電子部品を実装した基板の一側実装面側を、前記フィルムに接した状態で前記型枠の上面開口部に取付け、次いで、前記発泡樹脂注入口より発泡ポリウレタン樹脂を注入し、その後脱型してバックアップ材とすることを特徴とするバックアップ装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、基板の両面に電子部品を実装する場合に用いるマウンタ−バックアップ装置、及び同装置が具備する基板保持材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子回路が印刷形成され、スルーホールを設けたセラミック基板の両側面に、それぞれ電子部品を実装するマウンターがあった。
【0003】かかるマウンタ−100は、図2に示すように、基板200の両端部を保持するガイド体11 0と、XYZ方向に移動自在とした吸着ノズル120を具備し、同吸着ノズル120で吸着した電子部品300を、基板200上方から下降させて装着するように構成されている。
【0004】上記構成においては、電子部品300を基板200の上方から実装する際に、基板200が撓んだりすると部品装着が正常に行われず、不良品となってしまうことから、マウンタ−100には、基板200の撓みを防止する基板保持材を具備するバックアップ装置400が備えられている。
【0005】バックアップ装置400の基板保持材は、保持面が平面状体であれば、保持材自体も平面状の保持板500で構わないが、図3に示すように、既に基板200の一側面に電子部品300を実装した後、反対側面に電子部品300を実装する場合であれば、電子部品300と平面状の保持板500とが干渉すると部品の欠損、破損するおそれがあるので、その際には、ピン状の保持材、すなわち、複数の基板保持ピン600を保持板500上に取付ける必要があった【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記構成には、未だ下記の課題が残されていた。
【0007】すなわち、近年では、基板200の小型化が進められているために、基板200上における実装密度が高くなってきている。すなわち、基板保持ピン600の設置位置を定めることが難しくなってきており、設置位置を決定するにはかなりの熟練が要るものとなっている。この傾向は今後ますます顕著になってくることから、製造現場ではその対策に苦慮している。
【0008】しかも、基板200を十分に保持する本数を確保することが難しく、たとえ設置できたとしても、基板200が撓んだり、また撓みにばらつきが生じたりするおそれがあった。さらには、基板保持ピン600は通常金属製なので、電子部品300に触れるとこれを損傷するし、基板200を保持できたとしても、基板200自体にクラックを生じるおそれがあった。
【0009】本発明は、上記課題を解決することのできるマウンタ−バックアップ装置、及び同装置が具備する基板保持材の製造方法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1記載の本発明では、基板に電子部品をマウントする際に、基板の撓みを防止するために前記基板を下方から支持するようにした基板保持材を具備するマウンターバックアップ装置において、基板保持材は、下方に面した前記基板の一側面に形成された凸部を象った凹部が形成された発泡ポリウレタン樹脂よりなることとした。したがって、基板保持材の凹部に基板の凸部が収まり、基板自体を基板保持材の面で確実に保持することができ、基板の撓みを確実に防止できる。また、基板の凸部の高さや形状などが異なるものでも個々に最適の基板保持材となすことができる。
【0011】また、請求項2記載の本発明では、上記凸部が、他側面の電子部品実装に先立って、下方に面した一側面に既に実装された電子部品であることとした。したがって、多品種の電子部品基板製造に対応できるとともに、製造現場における製造効率の低下を防止できる。
【0012】さらに、請求項3記載の本発明では、基板に電子部品をマウントする際に、基板の撓みを防止するために、前記基板を下方から支持するバックアップ装置の基板保持材の製造方法であって、側面に発泡樹脂注入口を形成した型枠の上面開口部に静電防止ポリフィルムを被覆し、予め電子部品を実装した基板の一側実装面側を、前記フィルムに接した状態で前記型枠の上面開口部に取付け、次いで、前記発泡樹脂注入口より発泡ポリウレタン樹脂を注入し、その後脱型してバックアップ材とすることとした。したがって、簡単な製法でありながら、多品種の電子部品に対応して確実に基板の撓みを防止できる最適な基板保持材を製造することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、基板に電子部品をマウントする際に、基板の撓みを防止するために前記基板を下方から支持するようにした基板保持材を具備するマウンターバックアップ装置に関するものであり、前記基板保持材を、下方に面した前記基板の一側面に形成された凸部を象った凹部が形成された発泡ポリウレタン樹脂で成形したことに特徴を有するものである。
【0014】すなわち、基板の両面に実装する場合、一側の実装を終えるとこれを上下反転して他側面の実装を行う。
【0015】既に実装が終えた下面には、電子部品をはじめ、半田など様々な要素により基板面に対して凸部が形成されている。かかる凸部の基板面に対する密度が高い場合、基板の撓みを防止するに必要な位地に必要な数だけ、通常のピン型の基板保持材を用いることはきわめて難しい。
【0016】そこで、凸部を形成している要素、特に、電子部品を保護しながら基板の撓みを防止するために、本実施の形態では、側面に発泡樹脂注入口を形成した型枠の上面開口部に静電防止ポリフィルムを被覆し、予め電子部品を実装した基板の一側実装面側を、前記フィルムに接した状態で前記型枠の上面開口部に取付け、次いで、前記発泡樹脂注入口より発泡ポリウレタン樹脂を注入し、その後脱型してバックアップ材としている。
【0017】したがって、得られた基板保持材には前記基板の一側面に形成された凸部を象った凹部が形成されることになり、その凹部に基板の凸部が収まり、基板自体を基板保持材の面で確実に保持することができ、基板の撓みや、もしもわずかながら撓んだとしても撓みのばらつきを確実に防止でき、電子部品が跳ね落ちたりする不具合を防止できる。また、基板の凸部の高さや形状などが異なるものでも個々に対応する最適の基板保持材となすことができる。
【0018】特に、上記凸部が、他側面の電子部品実装に先立って、下方に面した一側面に既に実装された電子部品である場合、様々な形状、高さを有する電子部品個々に対応した凹部が容易に形成されるので、多品種の電子部品基板製造に確実に対応できるとともに、発泡ポリウレタン樹脂の有するクッション効果により、実装済み電子部品を確実に保護することができる。
【0019】そして、かかる基板保持材は製造現場において即座に製造することができるので、製品製造効率の低下を防止できる。
【0020】このように、本実施の形態によれば、簡単な製法でありながら、多品種の電子部品に対応して確実に基板の撓みを防止できる最適な基板保持材を安価に製造することができる。
【0021】そして、得られた基板保持材は、同一基板に対しては繰返し利用できるので、コストパフォーマンスにおいても優れている。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。
【0023】図1はマウンターバックアップ装置Aにおける本実施例に係る基板保持材4の製造工程を示す説明図、図2は同基板保持材4の使用状態を示す説明図である。
【0024】マウンターバックアップ装置Aとは、基板2の両端部を保持するガイド体11と、XYZ方向に移動自在とした吸着ノズル12を具備し、同吸着ノズル12で吸着した電子部品3を、基板2上方から下降させて装着するように構成したマウンター1に付設されており、電子部品3を基板2の上方から実装する際に、基板2が撓むことのないように、基板2の下方から支持するようにしたもので、基板2に直接接触して支持する基板保持材4を備えている(図2、図3参照)。
【0025】本発明は、この基板保持材4の構成、及び製造方法に特徴を有する。
【0026】本実施例における基板保持材4の製造工程は下記のとおりである。
【0027】(1)側面に発泡樹脂注入口51が形成され、基板2の実装面の電子部品3を内部に臨ませながら基板2を載置できる上面開口部52を有する型枠5を用意する(2)この上面開口部52に静電防止ポリフィルム6を被覆する。
【0028】(3)次いで、予め電子部品3を実装した基板2の一側実装面側を、前記静電防止ポリフィルム6と接した状態で、前記型枠5の上面開口部52に取付ける。以上が図1(a)に示されている。
【0029】(4)次いで、前記発泡樹脂注入口51より発泡ポリウレタン樹脂7を注入する(図1(B))。71は樹脂注入ノズルである。
【0030】(5)その後、脱型して成形品を型枠5から取り出すと、表面に静電防止フィルム6が密着し、電子部品3の形状に象られた凹部41が形成された基板保持材4を得ることができる(図1(C))。42は基板支持面である。
【0031】得られた基板保持材4は、図2に示すように、マウンターバックアップ装置Aに配設されて基板2の上面へ電子部品3を実装する際に用いられる。
【0032】基板2はガイド体11に保持されており同基板2を基板保持材4の基盤支持面42で下方から保持している。
【0033】基板保持材4は、表面に形成されたその多数の凹部41内に、それぞれに対応する電子部品3を収めた状態となっている。
【0034】すなわち、結果的には、基板2の下面の電子部品3間全体を、各凹部41間の平面で形成される基板支持面42で面支持するために、下面に実装された電子部品3を、隣接する基板支持面42間に形成された凹部41に逃がすことになっている。しかも、基板保持材4は発泡ポリウレタン樹脂7より成形されているので緩衝効果がある。
【0035】したがって、既に基板2下面に実装済みの電子部品3へ悪影響を与えることがなく、確実に基板2を面支持することができる。よって、基板2が撓んだりすることがないので、基板2上面への電子部品3の実装を確実に行わせることができる。
【0036】なお、型枠5の素材は何ら限定するものではなく、発泡ポリウレタン樹脂7の注入圧に耐えるものであればよい。
【0037】また、発泡ポリウレタン樹脂7は安価に入手でき、また、その硬化時間は1〜3分程度で短時間で脱型できるので、製造現場において、基板2の種類に応じて即座に対応することができ、製品製造効率を低下させることもない。
【0038】さらに、硬化した後に電子部品3が接触しても同電子部品3を損傷させることのない程度の柔軟性、クッション性を有し、なおかつ、基板2を面支持するには十分な硬度を有するので、基板保持材4として好適な材料である。
【0039】以上説明してきたように、基板2に電子部品3を両面実装する場合に、一側面への実装を終えて裏返し、他側面への実装を行う際に、本実施例に係る基板保持材4を好適に用いることができる。
【0040】すなわち、発泡ポリウレタン樹脂7よりなる基板保持材4の表面には、既に電子部品3が実装された下面の凹凸をそのまま吸収して逃がす凹部41が形成されており、また、同凹部41も静電防止ポリフィルム6が被覆されているので、電子部品3に悪影響を与えることなく凹部41内にこれら電子部品3を収容でき、しかも、発泡ポリウレタン樹脂7よりなる保持となるので、載置した基板2の撓みを確実に防止して、確実な実装作業を行える。
【0041】特に、電子部品3は様々な形状、高さを有する多品種のものであっても個々に即座に対応できるので、製造現場における製造効率の低下を防止できる。
【0042】このように、本実施例によれば、簡単な製法で、多品種の電子部品3に対応して確実に基板2の撓みを防止できる最適な基板保持材4を安価に製造することができ、しかも、製造された基板保持材4はシンプルな構成であって、同一構成の基板2に対して繰り返し使用することもできるのでコスト面でも問題がない。
【0043】
【発明の効果】発明は上記のような形態で実施されるもので、以下の効果を奏する。
【0044】(1)請求項1記載の本発明では、基板に電子部品をマウントする際に、基板の撓みを防止するために前記基板を下方から支持するようにした基板保持材を具備するマウンターバックアップ装置において、基板保持材は、下方に面した前記基板の一側面に形成された凸部を象った凹部が形成された発泡ポリウレタン樹脂よりなることとしたので、基板保持材の凹部に基板の凸部が収まり、基板自体を基板保持材の面で確実に保持することができ、基板の撓みを確実に防止できる。また、基板の凸部の高さや形状などが異なるものでも個々に最適の基板保持材となすことができる。しかも、材料が安価なのでコスト的に何ら問題がない。
【0045】(2)請求項2記載の本発明では、上記凸部が、他側面の電子部品実装に先立って、下方に面した一側面に既に実装された電子部品であることとしたので、多品種の電子部品基板製造にも即座に対応でき、製造現場における製造効率の低下を防止できる。また、発泡ポリウレタン樹脂の有するクッション性により、凹部内に収容する実装済みの電子部品を保護することができる。
【0046】(3)請求項3記載の本発明では、基板に電子部品をマウントする際に、基板の撓みを防止するために、前記基板を下方から支持するバックアップ装置の基板保持材の製造方法であって、側面に発泡樹脂注入口を形成した型枠の上面開口部に静電防止ポリフィルムを被覆し、予め電子部品を実装した基板の一側実装面側を、前記フィルムに接した状態で前記型枠の上面開口部に取付け、次いで、前記発泡樹脂注入口より発泡ポリウレタン樹脂を注入し、その後脱型してバックアップ材とすることとしたので、簡単な製法でありながら、多品種の電子部品に対応して確実に基板の撓みを防止できる最適な基板保持材を製造することができる。しかも、得られた基板保持材に形成された凹部には静電防止ポリフィルムが密着しており、また発泡ポリウレタン樹脂の有するクッション性により、実装済みの電子部品に悪影響を与えることがない。
【出願人】 【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
【出願日】 平成12年6月16日(2000.6.16)
【代理人】 【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎 (外1名)
【公開番号】 特開2002−9499(P2002−9499A)
【公開日】 平成14年1月11日(2002.1.11)
【出願番号】 特願2000−182175(P2000−182175)