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【発明の名称】 部品実装システムにおける基板認識方法及び同装置
【発明者】 【氏名】花村 直己

【要約】 【課題】複数台の単位実装機を備えた実装システムにおいて高い実装精度を確保しつつ、先頭以外の単位実装機での基板認識に要する時間を短縮する。

【解決手段】先頭の単位実装機1Aのコントローラ10は、ヘッドユニット1Aに装備された移動カメラ7によりフィデューシャルマークを撮像するマーク認識用実測処理に基づき部品実装位置の補正データを作成する第1の補正データ作成手段101と、実装機本体に設けられた基板カメラ8,9により基板Pの特定部位を撮像する基板位置認識用実測処理に基づいて求めた基板位置データと上記補正データとから調整データを作成する調整データ作成手段102と、この調整データを記憶する記憶手段103とを含む。他の単位実装機1B〜1Dのコントローラは、基板位置認識用実測処理に基づいて求めた基板位置データと上記調整データとに基づき補正データを作成する第2の補正データ作成手段104を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 直列に接続された複数台の単位実装機を備え、各単位実装機においてそれぞれ、基板搬送手段により搬送された被実装用の基板を所定位置に停止させた状態で、実装用ヘッドユニットにより部品供給部からピックアップした部品を上記基板に実装するようにした部品実装システムにおいて、上記各単位実装機でそれぞれ基板への部品の実装に先立ち、上記基板の被実装部分の位置ずれを調べてそれに応じた部品実装位置の補正データを求めるようにした基板認識方法であって、先ず上記複数台のうちの先頭の単位実装機では、上記基板が所定位置に停止した後に、ヘッドユニットを上記基板上に移動させて上記基板に付されている基板認識用のマークをヘッドユニットに装備した撮像手段により撮像するマーク認識用実測処理を行い、それに基づいて部品実装位置の補正データを求めるとともに、上記基板の特定部位を実装機本体に装備した撮像手段により撮像する基板位置認識用実測処理を行い、それに基づいて求められる基板位置データと上記補正データとから上記マークと上記基板の特定部位との相対位置関係に応じた調整データを求め、その後に先頭以外の単位実装機では、上記基板が所定位置に停止した後に、上記基板の特定部位を実装機本体に装備した撮像手段により撮像する基板位置認識用実測処理を行い、それに基づいて求められる基板位置データと上記先頭の単位実装機で求められた調整データとに基づき、部品実装位置の補正データを求めることを特徴とする部品実装システムにおける基板認識方法。
【請求項2】 上記補正データは、上記基板の1又は複数の箇所に付されているマークをヘッドユニットに装備した撮像手段により撮像してそれに基づきの被実装部分の位置ずれに応じた補正量を求めたものであり、上記基板位置データは、上記基板の特定部位の位置ずれに応じた量を求めたものであり、上記調整データは上記補正データと基板位置データとの偏差を求めることにより基板の特定部位に対する被実装部分の相対位置の位置ずれに応じた量を求めたものであることを特徴とする請求項1記載の部品実装システムにおける基板認識方法。
【請求項3】 直列に接続された複数台の単位実装機を備え、各単位実装機にそれぞれ、基板搬送手段と、この基板搬送手段により搬送された被実装用の基板を所定位置に停止させる位置決め手段と、部品供給部からピックアップした部品を上記基板に実装する実装用ヘッドユニットとを備えた部品実装システムにおいて、少なくとも先頭の単位実装機のヘッドユニットに装備され、ヘッドユニットと一緒に移動して、上記基板に付されている基板認識用のマークを撮像する移動式撮像手段と、各単位実装機の実装機本体に装備され、上記基板が所定位置に停止したときにその基板の特定部位を撮像する定置式撮像手段と、上記先頭の単位実装機において上記移動式撮像手段により上記マークを撮像するマーク認識用実測処理に基づき部品実装位置の補正データを作成する第1の補正データ作成手段と、上記先頭の単位実装機において上記定置式撮像手段により上記基板の特定部位を撮像する基板位置認識用実測処理に基づき基板位置データを求め、この基板位置データと上記補正データとから上記マークと上記基板の特定部位との相対位置関係に応じた調整データを作成する調整データ作成手段と、上記調整データを記憶する記憶手段と、先頭以外の単位実装機において上記定置式撮像手段により上記基板の特定部位を撮像する基板位置認識用実測処理に基づき基板位置データを求め、この基板位置データと上記記憶手段から読み出した調整データとに基づき補正データを作成する第2の補正データ作成手段と、を備えたことを特徴とする部品実装システムにおける基板認識装置。
【請求項4】 定置式撮像手段として、基板の1つのコーナー部を撮像する第1のカメラと、基板の一側辺の中間部を撮像する第2のカメラとが各単位実装機の実装機本体に設けられていることを特徴とする請求項3記載の部品実装システムにおける基板認識装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直列に接続された複数台の単位実装機を備える部品実装システムにおいて、各単位実装機でそれぞれ基板の被実装部分の位置ずれを調べてそれに応じた部品実装位置の補正データを求めるようにした基板認識方法及び同装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、基板搬送手段と、この搬送手段により搬入された被実装用のプリント基板を所定位置に停止させる位置決め手段と、部品吸着用のノズル部材を有する実装用ヘッドユニットと、部品供給部とを備え、プリント基板を上記所定位置に停止させた後、上記ヘッドユニットにより部品供給部からピックアップした部品をプリント基板に実装するようにした実装機は一般に知られている。
【0003】また、最近では、実装作業の高速性、機敏性及び品種切替えに対する適応性等を高めるため、複数台の単位実装機(モジュールマウンター)を用い、プリント基板に対する多数種の部品の実装を分散して行うようにしたモジュール型実装システムも開発されている。すなわち、このモジュール型実装システムは、複数台の単位実装機を基板搬送方向に直列に連結することにより、プリント基板に各単位実装機で数種類ずつの部品を順次実装していくようになっている。そして、これら複数台の単位実装機と、その上流に配設されるローダ、クリームはんだ印刷機等の機器と、下流側に配置されるリフロー炉、アンローダ等の機器とにより搬送ラインが構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記実装機において、基板搬送手段により搬入されたプリント基板は位置決め手段により所定位置に位置決めされるが、この状態で、実装機本体に対する基板の位置ずれや、基板におけるプリント配線パターンの相対位置のずれにより、基板の被実装部分(プリント配線パターンで特定される部品実装箇所)が正規の位置から多少ずれることがある。このような基板の被実装部分の位置ずれに応じて部品装着位置の補正を行うため、予めプリント基板の複数箇所に基板認識用のマーク(フィデューシャルマーク)を付しておくとともに、上記ヘッドユニットにマーク撮像用のカメラを装備し、実装作業に先立って、上記カメラを各マークに対応する位置へ順次移動させ撮像して各マークの位置を検出し、それに基づき位置ずれを調べてそれに応じた補正量を求めるようにすることは、従来から行われている。
【0005】上記モジュール型実装システムにおいては、全ての単位実装機で実装精度を確保するため、各単位実装機毎にそれぞれ、上記のようなヘッドユニットに装備したカメラによるフィデューシャルマークの撮像とそれに基づく補正量の演算を行っていた。
【0006】しかし、ヘッドユニットに装備したカメラを基板の複数のマーク位置へ順次移動させて各マークを撮像するのに相当の時間を要するので、モジュール型実装システムの各単位実装機毎にこのような補正のための作業を行うと、実装システム全体として補正のための作業に多大の時間が費やされ、タクトタイムの短縮を図る上で大きな弊害となる。
【0007】なお、先頭の単位実装機での上記のような作業により得られる補正データを、先頭以外の単位実装機で利用することができれば、タクトタイム短縮に有利となるが、プリント基板を所定位置に停止させたときの実装機本体に対する基板の位置ずれの状況は各単位実装機毎に異なるため、単に先頭の単位実装機で得られる補正データをそのまま他の単位実装機に流用するだけでは、実装精度の低下を招いてしまうこととなる。
【0008】本発明はこのような事情に鑑み、モジュール型実装システムの各単位実装機において高い実装精度を確保しつつ、先頭以外の単位実装機において基板認識のための作業に要する時間を大幅に短縮し、システム全体の作業能率を向上することができる基板認識方法及び同装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、直列に接続された複数台の単位実装機を備え、各単位実装機においてそれぞれ、基板搬送手段により搬送された被実装用の基板を所定位置に停止させた状態で、実装用ヘッドユニットにより部品供給部からピックアップした部品を上記基板に実装するようにした部品実装システムにおいて、上記各単位実装機でそれぞれ基板への部品の実装に先立ち、上記基板の被実装部分の位置ずれを調べてそれに応じた部品実装位置の補正データを求めるようにした基板認識方法であって、先ず上記複数台のうちの先頭の単位実装機では、上記基板が所定位置に停止した後に、ヘッドユニットを上記基板上に移動させて上記基板に付されている基板認識用のマークをヘッドユニットに装備した撮像手段により撮像するマーク認識用実測処理を行い、それに基づいて部品実装位置の補正データを求めるとともに、上記基板の特定部位を実装機本体に装備した撮像手段により撮像する基板位置認識用実測処理を行い、それに基づいて求められる基板位置データと上記補正データとから上記マークと上記基板の特定部位との相対位置関係に応じた調整データを求め、その後に先頭以外の単位実装機では、上記基板が所定位置に停止した後に、上記基板の特定部位を実装機本体に装備した撮像手段により撮像する基板位置認識用実測処理を行い、それに基づいて求められる基板位置データと上記先頭の単位実装機で求められた調整データとに基づき、部品実装位置の補正データを求めるようにしたものである。
【0010】この方法によると、先頭の単位実装機では、ヘッドユニットに装備した撮像手段を用いたマーク認識用実測処理と、実装機本体に装備された撮像手段を用いた基板位置認識用実測処理とが行われるが、基板位置認識用実測処理はマーク認識用実測処理中にこれと並行して行い得るので、処理に要する時間の増大を招くことがない。そして、マーク認識用実測処理に基づいて求められる補正データにより、基板の被実装部分の位置ずれに応じた部品装着位置の補正が精度良く行われるとともに、上記補正データと基板位置認識用実測処理により求められる基板位置データとに基づいて調整データが求められる。
【0011】先頭以外の単位実装機では、実測処理としては基板位置認識用実測処理のみが行われて、マーク位置へのヘッドユニットの移動等に時間を要するマーク認識用実測処理が省略されることにより、処理時間が短縮されつつ、先頭の単位実装機で求められた調整データが有効に利用されて、この調整データと基板位置認識用実測処理による基板位置データとに基づいて補正データが求められるため、高い実装精度が確保される。
【0012】この発明の方法において、上記補正データは、上記基板の1又は複数の箇所に付されているマークをヘッドユニットに装備した撮像手段により撮像してそれに基づき被実装部分の位置ずれに応じた補正量を求めたものであり、上記基板位置データは、上記基板の特定部位の位置ずれに応じた量を求めたものであり、上記調整データは上記補正データと基板位置データとの偏差を求めることにより基板の特定部位に対する被実装部分の相対位置の位置ずれに応じた量を求めたものであること(請求項2)が好ましい。
【0013】請求項3に係る発明は、直列に接続された複数台の単位実装機を備え、各単位実装機にそれぞれ、基板搬送手段と、この基板搬送手段により搬送された被実装用の基板を所定位置に停止させる位置決め手段と、部品供給部からピックアップした部品を上記基板に実装する実装用ヘッドユニットとを備えた部品実装システムにおいて、少なくとも先頭の単位実装機のヘッドユニットに装備され、ヘッドユニットと一緒に移動して、上記基板に付されている基板認識用のマークを撮像する移動式撮像手段と、各単位実装機の実装機本体に装備され、上記基板が所定位置に停止したときにその基板の特定部位を撮像する定置式撮像手段と、上記先頭の単位実装機において上記移動式撮像手段により上記マークを撮像するマーク認識用実測処理に基づき部品実装位置の補正データを作成する第1の補正データ作成手段と、上記先頭の単位実装機において上記定置式撮像手段により上記基板の特定部位を撮像する基板位置認識用実測処理に基づき基板位置データを求め、この基板位置データと上記補正データとから上記マークと上記基板の特定部位との相対位置関係に応じた調整データを作成する調整データ作成手段と、上記調整データを記憶する記憶手段と、先頭以外の単位実装機において上記定置式撮像手段により上記基板の特定部位を撮像する基板位置認識用実測処理に基づき基板位置データを求め、この基板位置データと上記記憶手段から読み出した調整データとに基づき補正データを作成する第2の補正データ作成手段とを備えたものである。
【0014】この装置によると、請求項1に係る発明の方法が有効に実行される。
【0015】この装置において、定置式撮像手段として、基板の1つのコーナー部を撮像する第1のカメラと、基板の一側辺の中間部を撮像する第2のカメラとが各単位実装機の実装機本体に設けられていること(請求項4)が好ましい。このようにすると、上記両カメラによる撮像に基づき、基板位置のX方向及びY方向のずれ及び角度のずれが精度良く求められる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図によって説明する。
【0017】図1及び図2は部品実装システムの一例を概略的に示している。この図に示す部品実装システムは、実装作業の高速性、機敏性及び品種切替に対する適応性を高めるため、複数台の単位実装機(モジュールマウンタ)を基板搬送方向に直列に配置したものであり、図では4台の単位実装機1A〜1Dで構成されている。なお、この部品実装システムの上流側には、ディスペンサ等の上流側機器(図示せず)が設けられ、一方、部品実装システムの下流側には、リフロー炉等の下流側機器(図示せず)が設けられている。
【0018】上記各単位実装機1A〜1Dは、それぞれ、基台及びカバー等で構成される実装機本体2と、この実装機本体2の基台上に配置された基板搬送用コンベア3と、このコンベア3により搬入されたプリント基板Pを所定位置に停止させるストッパ4等からなる位置決め装置と、基板搬送用コンベア3の両側方に配置された部品供給部5と、この部品供給部5から電子部品をピックアップしてプリント基板に装着するヘッドユニット6とを備えている。
【0019】さらに、ヘッドユニット6と一緒に移動して、プリント基板Pに付されているフィデューシャルマーク(基板認識用のマーク;図8参照)を撮像する移動式撮像手段としての移動カメラ7が、上記部品実装システムにおいて少なくとも先頭の単位実装機1Aのヘッドユニット6に装備され、図示の例では各実装機1A〜1Dのヘッドユニット6にそれぞれ装備されている。また、プリント基板Pが所定位置に停止したときにそのプリント基板Pの特定部位を撮像する定置式撮像手段として、第1基板カメラ8(第1のカメラ)及び第2基板カメラ9(第2のカメラ)が、各実装機1A〜1Dの実装機本体2にそれぞれ装備されている。
【0020】上記各カメラ7〜9は、各単位実装機1A〜1Dに装備されたコントローラ10に接続され、各単位実装機1A〜1Dのコントローラ10は互いに交信可能となっている。上記各コントローラ10は、単位実装機1A〜1Dに設けられている各種駆動部の制御を行うとともに、プリント基板Pが搬入されて所定の実装作業位置に位置決めされたときに実装作業に先立ち、基板Pの被実装部分の位置ずれを調べてそれに応じた部品実装位置の補正データを求める基板認識処理を行うようになっている。
【0021】特に、先頭の単位実装機1Aに装備されているコントローラ10は、ヘッドユニット6の駆動を制御しつつ移動カメラ7によりプリント基板Pのフィデューシャルマークを撮像してマークの位置を調べるマーク認識用実測処理に基づき部品実装位置の補正データを作成する第1の補正データ作成手段101と、第1基板カメラ8及び第2基板カメラ9により基板特定部位を撮像する基板位置認識用実測処理に基づき基板位置データを求め、この基板位置データと上記補正データとから上記マークと上記基板の特定部位との相対位置関係に応じた調整データを作成する調整データ作成手段102と、上記調整データを記憶する記憶手段103とを含んでいる。
【0022】また、先頭以外の単位実装機1B〜1Dに装備されているコントローラ10は、第1基板カメラ8及び第2基板カメラ9により基板特定部位を撮像する基板位置認識用実測処理に基づき基板位置データを求め、この基板位置データと上記記憶手段103から読み出した調整データとに基づき補正データを作成する第2の補正データ作成手段104を含んでいる。
【0023】図3及び図4を参照しつつ単位実装機1(1A〜1D)の各部の構造を具体的に説明する。
【0024】単位実装機1における基板搬送用コンベア3は、互いに平行な一対のベルト式のコンベア3a,3bからなり、両コンベア3a,3bでプリント基板Pの両側辺部を支持しつつ搬送し得るようになっている。この基板搬送用コンベア3に対し、図外の搬送用モータ及び伝動機構等からなる搬送用駆動機構が設けられ、この搬送用駆動機構により両コンベア3a,3bが同期して基板搬送方向に駆動されるようになっている。
【0025】上記一対のコンベアのうち一方は他方のコンベア3bに対して接離する方向に移動可能な可動コンベア3aとされ、図外のコンベア間隔調節用駆動機構によって可動コンベア3aが駆動されることにより、基板幅に応じてコンベア3a,3bの間隔が調節されるようになっている。
【0026】上記搬送用コンベア3により搬入されたプリント基板Pを所定の実装作業位置で停止させるため、コンベア3の内側の所定箇所にストッパ4が設けられている。このストッパ4は、コンベア3上に突出する状態とコンベア下方に没入する状態とに変位可能とされ、シリンダ等からなるストッパ駆動部4a(図5に示す)により駆動されるようになっている。さらに実装作業位置には、ストッパにより停止させられたプリント基板をコンベア3から浮かせて保持するためのプッシュアップピン等からなる基板保持装置(図示せず)が配設され、上記ストッパ4と基板保持装置とで基板位置決め装置が構成されている。
【0027】また、部品供給部5は、多数列のテープフィーダ5aを備えており、各テープフィーダ4aは、IC、トランジスタ、コンデンサ等の電子部品を所定間隔おきに収納、保持したテープをリールから部品取出し部へ導出し、ヘッドユニット6により部品がピップアップされるにつれてラチェット式の繰出し機構によりテープを間欠的に繰り出すようになっている。
【0028】上記ヘッドユニット6は、実装機本体2の基台の上方に配置され、部品供給部5から部品をピックアップして上記実装作業位置にあるプリント基板Pに装着し得るように、X軸方向(コンベア3による搬送方向)及びY軸方向(水平面上でX軸と直交する方向)に移動することができるようになっている。
【0029】すなわち、上記基台上には、Y軸方向に延びる一対の固定レール11と、Y軸サーボモータ13により回転駆動されるボールねじ軸12とが配設され、上記固定レール11上にヘッドユニット支持部材14が配置され、この支持部材14に設けられたナット部分(図示せず)が上記ボールねじ軸12に螺合している。また、上記支持部材14には、X軸方向に延びるガイド部材15と、X軸サーボモータ17により回転駆動されるボールねじ軸16とが配設され、上記ガイド部材15にヘッドユニット6が移動可能に保持され、このヘッドユニット6に設けられたナット部分(図示せず)が上記ボールねじ軸16に螺合している。そして、Y軸サーボモータ13の作動によりボールねじ軸12が回転して上記支持部材14がY軸方向に移動するとともに、X軸サーボモータ17の作動によりボールねじ軸16が回転して、ヘッドユニット6が支持部材14に対してX軸方向に移動するようになっている。
【0030】上記ヘッドユニット6には、1又は複数のノズル部材20が昇降及び回転可能に設けられるとともに、ノズル部材20を昇降させるZ軸サーボモータ21及びノズル部材20を回転させるR軸サーボモータ22が装備されている。なお、ノズル部材20の昇降駆動はエアシリンダにより行われるようにしてもよい。
【0031】さらに上記ヘッドユニット6には、ノズル部材配設部分の側方部等に、CCD等からなる移動カメラ7が下向きに設けられ、この移動カメラ7がヘッドユニット6と一体に移動するようになっている。
【0032】一方、実装機本体2には、第1基板カメラ8及び第2基板カメラ9が、それぞれ一定位置に固定的に設置されている。上記第1基板カメラ8は、プリント基板Pが実装作業位置に停止したときにその前端コーナー部を撮像し得るように、コンベア3b付近でストッパ4の近傍に配置され、また、第2基板カメラ9は、プリント基板Pが実装作業位置に停止したときにその一側辺の中間部を撮像し得るように、コンベア3b付近で第1基板カメラ8から所定距離をおいた位置に配置されている。そして、両カメラ8,9は、例えば上方からプリント基板Pの上記部位を撮像し得るように、実装機本体2の上部に吊り下げ式に取付けられている。
【0033】なお、このほかに実装機本体2には、部品認識用のカメラ23も装備され、ヘッドユニット6のノズル部材20による部品吸着後に上記カメラ23で吸着部品が撮像され、それに基づいて部品吸着位置のずれ等が調べられるようになっている。
【0034】図5は上記各カメラ7〜9からの信号の処理及び各種駆動部の制御等を行うコントローラ10の構成を示している。
【0035】この図において、コントローラ10は、CPU等で構成される演算処理部25と、実装プログラムを記憶する実装プログラム記憶手段26と、基板搬送、部品実装等のための各種データを記憶するデータ記憶手段27と、ヘッドユニット6及びノズル部材20を駆動するX軸、Y軸、Z軸、R軸の各モータ13,17,21,22を制御するモータ制御部28と、外部入出力部29と、画像処理部30と、データ通信部31とを有している。
【0036】上記モータ制御部28は、各モータ13,17,21,22に設けられたエンコーダからの信号と演算処理部25から与えられる目標値とに基づいてモータ13,17,21,22の制御を行うようになっている。上記外部入出力部29には、入力要素としてプリント基板Pの搬入、搬出を検出するセンサ等の各種センサ類32が接続される一方、出力要素としてストッパ駆動部4aが接続されている。なお、このほかに、図外の搬送用駆動機構やコンベア間隔調整用駆動機構等も外部入出力部29に接続されている。
【0037】上記画像処理部30には、第1基板カメラ8、第2基板カメラ9、移動カメラ7及び部品カメラ23が接続され、これらのカメラからの画像を示す信号が画像処理部30に取込まれて、所定の画像処理が施された上で、その画像データが演算処理部25に送られるようになっている。
【0038】演算処理部25は、基板サイズに応じたコンベア間隔調整用駆動機構の制御、プリント基板Pの搬入、搬出のための搬送用駆動機構の制御、基板搬入時、搬出時のストッパ4の出没作動のためのストッパ駆動部4aの制御等を、外部入出力部29を介して行うとともに、実装作業時にヘッドユニット6及びノズル部材20の作動のための各モータ13,17,21,22の制御を、モータ制御部28を介して行う。さらに、基板の被実装部分の位置ずれに応じた部品実装位置の補正データを求める基板認識処理を行う。
【0039】特に、先頭の単位実装機1Aに装備されているコントローラ10においては、後述の図6のフローチャートに示す基板認識処理が行われることにより、演算処理部25が図2中の第1の補正データ作成手段101及び調整データ作成手段102としての機能を果たすように構成され、調整データはデータ記憶手段27(図2中の記憶手段103に相当)に記憶されるようになっている。また、先頭以外の単位実装機1B〜Dに装備されているコントローラ10においては、後述の図7のフローチャートに示す基板認識処理が行われることにより、演算処理部25が図2中の第2の補正データ作成手段104としての機能を果たすように構成されている。
【0040】なお、上記演算処理部25にデータ通信部31が接続され、このデータ通信部31により他のコントローラとの間で上記調整データの送受信を行うようになっている。さらに上記演算処理部25には、外部の表示ユニット33が接続されている。
【0041】図6は、先頭の単位実装機1Aのコントローラ10によって行われる基板認識処理をフローチャートで示しており、この処理を、図8も参照しつつ説明する。コントローラ10は、先ずプリント基板Pを所定の実装作業位置に停止させる基板位置決めが完了したか否かを判定し(ステップS1)、基板位置決めが完了するまで待つ。そして、基板位置決めが完了すると、基板位置認識用実測処理と、マーク認識用実測処理とを並行して行う。
【0042】基板位置認識用実測処理としては、第1,第2の2台の基板カメラ8,9によりプリント基板Pの前端コーナー部及び一側辺中間部を撮像してプリント基板を認識し(ステップS2)、これに基づいてプリント基板Pの位置ずれに応じたX方向、Y方向、回転方向の補正量Xp,Yp,θp(基板位置データ)を求める(ステップS3)。
【0043】すなわち、図8中に示すように、第1基板カメラ8により撮像されたプリント基板Pのコーナー部の位置が予め定められている正規の位置に対してX方向、Y方向にどれだけ位置ずれしているかが調べられて、その位置ずれに相当する補正量Xp,Ypが求められるとともに、第1基板カメラ8により撮像されたプリント基板Pのコーナー部の位置と第2基板カメラ9により撮像されたプリント基板Pの一側辺中間部の位置とからプリント基板Pの一側辺がX軸に対してどれだけ回転方向にずれているかが調べられて、そのずれ角に相当する補正量θpが求められる。
【0044】また、基板位置認識用実測処理と並行して行うマーク認識用実測処理としては、先ずヘッドユニット6をプリント基板Pの対角位置に付された2つのフィデューシャルマークのうちの第1マークM1に対応する位置へ移動させ(ステップS4)、移動カメラ7により第1マークM1を撮像してこれを認識し(ステップS5)、次にヘッドユニット6を第2マークM2に対応する位置へ移動させ(ステップS6)、移動カメラ7により第2マークM2を撮像してこれを認識する(ステップS7)。そして、これら第1マークM1及び第2マークM2の認識に基づき、被実装部分の位置ずれに応じたX方向、Y方向、回転方向の補正量Xf,Yf,θf(部品実装位置の補正データ)を求める(ステップS8)。
【0045】すなわち、図8中に示すように、移動カメラ7が第1マーク撮像用位置(図8中の実線)に移動した状態で撮像された第1マークM1の位置が予め定められている当該マークM1の正規の位置に対してX方向、Y方向にどれだけ位置ずれしているかが調べられて、その位置ずれに相当する補正量Xf,Yfが求められるとともに、この第1マークM1の位置と、移動カメラ7が第2マーク撮像用位置(図8中の二点鎖線)に移動した状態で撮像された第2マークM2の位置とから、両マークM1,M2を結ぶラインが正規のラインに対してどれだけ回転方向にずれているかが調べられて、そのずれ角に相当する補正量θfが求められる。
【0046】ステップS2,3の処理及びステップS4〜S8の処理が済めば、部品実装位置の補正データに相当する補正量Xf,Yf,θfと基板位置データに相当する補正量Xp,Yp,θpとから、調整データに相当する補正量Xg,Yg,θgを次のように演算する(ステップS9)。
【0047】Xg=Xf−Xp、Yg=Yf−Yp、θg=θf−θpこの補正量Xp,Yp,θpのデータを記憶する。
【0048】このフローチャートにおいて、ステップS4〜S8が第1の補正量作成手段10としての処理、ステップS2,S3及びS9が調整データ作成手段102としての処理、ステップS10が記憶手段103としての処理である。
【0049】図7は、先頭以外の単位実装機1B〜1Dのコントローラ10によって行われる基板認識処理をフローチャートで示している。この処理を説明すると、コントローラ10は、先ずプリント基板Pを所定の実装作業位置に停止させる基板位置決めが完了したか否かを判定し(ステップS11)、基板位置決めが完了するまで待つ。
【0050】基板位置決めが完了すると、図6のステップS2,S3と同様に2台の基板カメラ8,9を用いた基板位置認識用実測処理を行い(ステップS12,S13)、基板位置データに相当する補正量Xp,Yp,θpを求める。次に、先頭マシン(先頭の単位実装機1A)から調整データに相当する補正量Xg,Yg,θgを読み出す(ステップS14)。そして、上記の基板位置データに相当する補正量Xp,Yp,θpと調整データに相当する補正量Xg,Yg,θgとから、部品実装位置の補正データに相当する補正量Xf,Yf,θfを次のように演算する(ステップS15)。
【0051】Xf=Xg+Xp、Yf=Yg+Yp、θf=θg+θp以上のような基板認識方法により、プリント基板の被実装部分の位置ずれに応じた補正を精度良く行うことができ、しかも、先頭以外の単位実装機1B〜1Dで処理時間を短縮することができるものであり、この作用を以下に具体的に説明する。
【0052】先頭の単位実装機1Aでは、プリント基板Pが搬入されて所定の実装作業位置に位置決めされた後、第1の補正データ作成手段101としての処理(ステップS4〜S8)により部品実装位置の補正量Xf,Yf,θfが求められ、その後の実装作業時には、上記補正量Xf,Yf,θfと、部品認識用カメラ23による部品認識に基づき部品吸着位置のずれに応じて求められる補正量とにより、部品実装位置の補正が精度良く行われる。
【0053】このような処理は従来と同様であるが、本発明では、基板認識時に上記第1の補正データ作成手段101としての処理に加え、調整データ作成手段102としての処理(ステップS2,S3,S9)により、基板位置認識用実測処理に基づいて求めた基板位置データに相当する補正量Xp,Yp,θpと部品実装位置の補正量Xf,Yf,θfとから、調整データとしての補正量Xg,Yg,θgを求め、これを先頭以外の単位実装機1B〜1Dにおける基板認識に利用している。
【0054】すなわち、プリント基板Pの2つのフィデューシャルマークM1,M2の認識に基づいて求められる補正量Xf,Yf,θfはプリント基板Pの被実装部分の位置ずれ(プリント配線パターンの位置ずれ)に対応し、この被実装部分の位置ずれは、位置決め状態でのプリント基板Pの位置ずれと、プリント基板Pの外形に対するプリント配線パターンの相対位置のずれとの2つの要因を含んでいる。このうち、プリント基板Pの位置ずれは各単位実装機1A〜1D毎に変わるが、プリント基板Pの外形に対するプリント配線パターンの相対位置のずれはプリント基板によって変わるだけで、各単位実装機1A〜1D毎に変わることはない。そこで、先頭の単位実装機1Aにおいては、補正量Xf,Yf,θfと補正量Xp,Yp,θpとから、プリント基板Pの外形に対するプリント配線パターンの相対位置のずれに対応する補正量Xg,Yg,θgが求められる。
【0055】この場合、補正量Xp,Yp,θpを求めるための基板位置認識用実測処理は、補正量Xf,Yf,θfを求めるためのマーク認識用実測処理と並行して行われ、かつ、マーク認識用実測処理のようにカメラを移動させる作業がないのでマーク認識用実測処理よりも短時間で終了するため、認識処理に要する時間の増大を招くことはない。
【0056】そして、先頭以外の単位実装機1B〜1Dでは、マーク認識用実測処理は行なわずに、実測処理としては基板カメラ8,9を用いた基板認識用実測処理のみを行ない、それに基づいて求められる補正量Xp,Yp,θpと先頭の単位実装機1Aから読み出した補正量Xg,Yg,θgとから、演算により補正量Xf,Yf,θfが求められる。この場合、マーク認識用実測処理は、マーク位置へのヘッドユニット6の移動、停止、移動カメラ7によるマークの撮像の各処理が、認識すべきマークの個数に応じて複数回(当実施形態では2回)繰り返されるため、長時間を要するのに比べ、基板認識用実測処理は定位置に配置された基板カメラ8,9を用いて短時間で行なうことができる。従って、マーク認識用実測処理が省略されることで大幅に処理時間が短縮され、しかも、基板認識用実測処理による補正量Xp,Yp,θpと先頭の単位実装機1Aから読み出される補正量Xg,Yg,θgとを用いた演算により、マーク認識用実測処理を行なう場合と同程度に精度良く補正量Xf,Yf,θfが求められる。
【0057】こうして、基板認識の精度が確保されつつ、複数の単位実装機1A〜1Dでプリント基板に対する実装作業を順次行なっていくときに2番目以降の単位実装機1B〜1Dで実装作業に先立って行われる基板認識の時間が短縮され、部品実装システム全体のタクトタイムが大幅に短縮されることとなる。
【0058】なお、本発明の方法及び装置の具体的構成は上記実施形態に限定されず、種々変更可能であり、以下に変更例を示す。
【0059】■上記実施形態では移動カメラ7を各単位実装機1A〜1Dのヘッドユニット6に装備しているが、先頭の単位実装機1Aのヘッドユニット6にのみ移動カメラ7を装備しておくようにしてもよい。尤も、2番目以降の単位実装機1B〜1Dにも移動カメラ7を装備しておけば、例えばプリント基板Pが先頭の単位実装機1Aでの実装作業を終えた後に何らかの事情で取り去られる等により、先頭の単位実装機1Aから読み出される調整データ(補正量Xg,Yg,θg)がどのプリント基板を対象とするものであるかが不明確になった場合には、2番目の単位実装機1B等で移動カメラ7を用いてマーク認識用実測処理に基づき補正量Xf,Yf,θfを求めるようにすることも可能となる。
【0060】■定置式撮像手段を構成する第1,第2基板カメラ8,9は、各種サイズのプリント基板Pに適合し得るように配置を設定して、常に定位置に固定させておけばよいが、基板サイズが変った場合にそれに応じて第2基板カメラ9をX方向に位置変更するようにしてもよい。また、両基板カメラ8,9を可動コンベア3aの近傍に配置し、基板サイズに応じたコンベア間隔調節のために可動コンベア3aの位置が変更されるときにそれに伴って両基板カメラ8,9の位置が変えられるようになっていてもよい。
【0061】■上記両基板カメラ8,9は、上記実施形態ではプリント基板Pのコーナー部及び一側辺中間部を撮像するようにしているが、それ以外の基板特定部位を撮像するようになっていてもよい。そして、上記基板特定部位が下方から撮像可能な部位である場合、実装機本体においてプリント基板より下方に基板カメラを上向きに設置してもよい。
【0062】■上記実施形態では定置式撮像手段として2つの基板カメラ8,9を設けているが、例えばプリント基板のコーナー部Pを比較的広い範囲にわたって撮像するようにしておけば1つの基板カメラ8を用いるだけでも、基板位置データ(補正量Xp,Yp,θp)を求めることは可能である。
【0063】■先頭の単位実装機1Aで行われるマーク認識用実測処理として、上記実施形態ではプリント基板の対角位置に設けられた2つのフィデューシャルマークM1,M2の認識を行なうようになっているが、1個所のフィデューシャルマークを認識してX方向、Y方向の補正量を求めるようにしてもよい。あるいは、予めプリント基板の3個所以上にフィデューシャルマークを設けておき、これらのマークの認識に基づきより高精度に補正量を求めるようにしてもよい。このようにする場合、マーク認識用実測処理に要する時間が増大するので、本発明により2番目以降の単位実装機でマーク認識用実測処理を省略することの有用性が高くなる。
【0064】■上記実施形態では先頭の単位実装機1Aで求められた調整データ(補正量Xg,Yg,θg)がこの単位実装機1Aのコントローラ10内の記憶手段103に記憶されるようになっているが、実装システム全体を統括的に制御するコンピュータを有する場合にそのコンピュータ内の記憶手段に上記調整データを記憶させるようにしてもよい。
【0065】
【発明の効果】以上のように本発明は、複数台の単位実装機のうちの先頭の単位実装機での基板認識時には、被実装用の基板のマークをヘッドユニットに装備した撮像手段により撮像するマーク認識用実測処理に基づいて部品実装位置の補正データを求めるとともに、基板の特定部位を実装機本体に装備した撮像手段により撮像する基板位置認識用実測処理に基づいて求められる基板位置データと上記補正データとから調整データを求め、先頭以外の単位実装機での基板認識時には、基板位置認識用実測処理に基づいて求められる基板位置データと先頭の単位実装機で求められた調整データとに基づいて部品実装位置の補正データを求めるようにしている。このため、先頭以外の単位実装機でマーク認識用実測処理が省略されることにより基板認識に要する時間を大幅に短縮することができ、しかも、基板の被実装部分の位置ずれに応じた部品実装位置の補正データを精度良く求めることができる。
【出願人】 【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
【出願日】 平成12年6月19日(2000.6.19)
【代理人】 【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司 (外2名)
【公開番号】 特開2002−9494(P2002−9494A)
【公開日】 平成14年1月11日(2002.1.11)
【出願番号】 特願2000−182733(P2000−182733)