| 【発明の名称】 |
電波吸収板、電波吸収板の製造方法、および電波吸収耐火壁材 |
| 【発明者】 |
【氏名】黒木 俊宏
【氏名】玉井 敏幸
【氏名】荒川 修一
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| 【要約】 |
【課題】軽量でありながらも十分な強度と電波吸収性能とを有する電波吸収板を提供すること。
【解決手段】セメント、シリカ質原料、繊維補強材、および含有量20〜80wt%のフェライトを含有し、長手方向の2つの端面10に開口された連続中空部1Aを有する電波吸収板1。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】セメント、シリカ質原料、繊維補強材、および含有量20〜80wt%のフェライトを含有し、長手方向の2つの端面に開口された連続中空部を有することを特徴とする電波吸収板。 【請求項2】請求項1に記載の電波吸収板の一方の面に積層された導電性電波反射体と、前記電波吸収板の他の面に積層されたケイ酸カルシウム板と、を備えることを特徴とする電波吸収耐火壁材。 【請求項3】請求項2に記載の電波吸収耐火壁材において、前記導電性電波反射体の表面上に、さらに積層されたケイ酸カルシウム板を備えることを特徴とする電波吸収耐火壁材。 【請求項4】含有量が20〜80wt%のフェライトと、セメント、シリカ質原料、および繊維補強材とを混合した粉体原料に、水を加えて混練して得られる混練物を、連続中空部形成用のピンを有する押出成形機で成形して成形体とし、この成形体に水熱処理反応を施すことで連続中空部を有する電波吸収板を得ることを特徴とする電波吸収板の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電波吸収板、電波吸収板の製造方法、および電波吸収耐火壁材に関する。 【0002】 【背景技術】近年、数多くの高層ビルが建設されるとともに、数多くの通信機器によるコミュニケーションが活発になってきている。このような高層建築物の急増および通信活動の活発化に伴い、電波を受信する通信機器や映像機器に多くの受信障害が発生している。例えば、テレビ画面に二重の画像が映るゴースト現象や、携帯電話や無線LANに発生する誤作動等の障害等が挙げられる。 【0003】このような受信障害の原因である電波に対する対策の一つとして、フェライト等の磁性材料を板に採用し、これを建築物の壁材パネルとして利用したものが、現在まで数多く開示されている。例えば、特開平6−240777号公報には、フェライトの粉状体、粒状体を水ガラスにより結合成形させた電波吸収板の表裏面にケイ酸カルシウム板を一体的に積層した電波吸収性壁材パネルが開示されている(以下、従来例1という)。 【0004】また、特開平7−74494号公報には、フェライト粉体を含有するケイ酸カルシウムからなる板状成形体に、さらにフェライトタイルを取り付けて一体化した構造を有する電波吸収パネルが開示されている(以下、従来例2という)。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例1に記載された電波吸収壁は、フェライト板自体を製造する工程や、このフェライト板を鉄筋および金網に取り付ける工程が必要になるため、製造上や運送上の問題があり、経済的に不利である。また、従来例2に記載された電波吸収壁は、空気層を有し、施工性は改善されているものの、複数の板材を複合化する工程が必要であり、大量生産に不向きである。しかも、高比重フェライト板を用いているので、電波吸収壁自体も高重量のものとなり、運搬しにくいという問題がある。 【0006】このようなことから、電波吸収壁としてフェライト板を用いることは、製造効率、運搬効率、経済性、耐久性、および易加工性等の観点から、必ずしも十分に満足できる実用性を有しているとはいえない。一方、これらの点を改善するために、フェライト等の磁性材料を低減して電波吸収壁の軽量化を図ると、本来の目的である電波吸収性能の低下を引き起こすこととなる。 【0007】ところで、ケイ酸カルシウム系不燃板の軽量化法として、板材中に軽量骨材を含有させる手法が採用されている。例えば、軽量骨材としてパーライト(真珠岩)が用いられている。しかしながら、パーライト粉体自体は、かさ比重は低いものの、独立気泡を有しているため、点荷重強度が小さいという問題がある。すなわち、パーライトを添加した原料を、撹拌、混練した後、押出成形やプレス成形する際に、パーライトの一部が圧縮破壊されて軽量化させる効果が減殺されるという問題があるうえに、板材の強度も著しく減少するという問題がある。 【0008】また、軽量骨材としてフライアッシュ焼成発泡体も用いられているが、この場合、板材の軽量性や衝撃強度の点で十分なものが得られないという問題がある。さらに、今後増加すると思われる電波障害に備えて、高層建築物の外壁に電波吸収性能を付与することに限らず、内壁材、回り縁、見切縁、窓枠等にも電波吸収性能を付与することが求められている。これらのことから、軽量、かつ、高強度である電波吸収板の開発が要望されている。 【0009】本発明の目的は、軽量でありながらも十分な強度と電波吸収性能とを有する電波吸収板、電波吸収板の製造方法、および電波吸収耐火壁材を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明に係る電波吸収板は、セメント、シリカ質原料、繊維補強材、および含有量20〜80wt%のフェライトを含有し、長手方向の2つの端面に開口された連続中空部を有することを特徴とする。ここで、フェライト含有量が20wt%未満では、十分な電波吸収特性を得ることができない。一方、フェライト含有量が80wt%を超えると、電波吸収板マトリックスの高重量化を招くとともに、電波吸収板のバインダーであるケイ酸カルシウム量が少なくなり、好ましくない。 【0011】本発明におけるシリカ質原料とは、ケイ酸(SiO2)が含まれる原料をいい、例えば、SiO2を含有する鉱物微粉末、フライアッシュ等を採用することができる。繊維補強材としては、有機系および無機系の繊維補強材を採用することができる。有機系繊維補強材としては、セルロース繊維、ポリプロピレン繊維、アラミド繊維等を採用することができる。無機系繊維補強材としては、ガラス繊維、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、ステンレス繊維等を採用することができる。 【0012】電波吸収板の不燃性を高めることを考慮すると、無機系繊維補強材が好ましく、中でも炭素繊維が好ましい。すなわち、炭素繊維は、電波吸収板の補強、不燃性の向上に寄与するのみならず、吸収しうる電波周波数の広帯域化を図ることができるので、その使用範囲を広げることが可能となる。これらの繊維補強材は、電波吸収板のマトリックスであるケイ酸カルシウム中に均一に配合、分散されることとなる。 【0013】なお、本発明の電波吸収板には、グラファイトを少量添加することも可能である。すなわち、電波吸収板に入射した電波は、グラファイトの有する透磁率、誘電率により、より多くの熱エネルギーに変換され、電波吸収板に吸収されることとなり、その特性を一層向上させることができる。しかも、フェライトよりも比重の小さいグラファイトを加えることで、電波吸収板の重量増を抑えることも可能となる。 【0014】本発明における電波吸収板の有する連続中空部としては、長手方向の2つの端面に開口された連続中空状であれば特に限定はなく、種々の形状を採用することができ、例えば、電波吸収板における長手方向端部に形成される2つの端面を結ぶように、複数条の中空部を連続的に形成した連続中空部等を採用することができる。なお、本発明における長手方向とは、電波吸収板を押出成形する際の、押出方向をいう。 【0015】本発明によれば、電波吸収板が連続中空部を有しているから、かさ比重を小さくすることができ、運搬等の取扱い性を向上することができる。また、所定割合のフェライトを含有しているから、軽量化を達成できるだけではなく、連続中空部を備えていない(中実の)電波吸収板と同等の電波吸収性能を発揮させることができる。 【0016】本発明に係る電波吸収板の製造方法は、含有量が20〜80wt%のフェライトと、セメント、シリカ質原料、および繊維補強材とを混合した粉体原料に、水を加えて混練して得られる混練物を、連続中空部形成用のピンを有する押出成形機で成形して成形体とし、この成形体に水熱処理反応を施すことで連続中空部を有する電波吸収板を得ることを特徴とする。 【0017】具体的な例としては、まず、粉体原料に適量の水を加え、ゲル状等の流動性を帯びた混練物を作る。続いて、この混練物を、連続中空部形成用のピンを複数取り付けた押出成形機に投入し、押出成形して連続中空部を有する成形体を得る。このようにして得られた成形体に、水熱処理反応を施し、硬化させて電波吸収板を得る。この際、粉体原料に水を加えすぎると、フェライト等の高比重物質が沈降してしまい、均一な混練物が得られない虞がある。 【0018】また、電波吸収板の高比重化を防止するために、攪拌式オートクレーブで水熱処理反応を施されたトバモライト(5CaO・6SiO2・5H2O)、ゾノトライト(6CaO・6SiO2・H2O)、CSH(非晶質ケイ酸カルシウム水和物:ケイ酸カルシウム水和物が水和反応する際に生成する中間体、準結晶)等の超軽量ケイ酸カルシウム水和物を混合して軽量化を図ることも可能である。さらに、水熱処理反応温度内で分解しない樹脂を、不燃材料として適合する範囲内で配合しておくことで強度の向上を図ることもできる。なお、水熱処理反応を施した電波吸収板自体は、マトリックスがケイ酸カルシウムであることから、不燃性能を有する板である。 【0019】本発明によれば、連続中空部形成用のピンを有する押出成形機で、中空部の形成を電波吸収板の成形と同時に行っている。したがって、容易に連続中空部が形成できるとともに、別工程で連続中空部を形成する方法と比べて、製造工程を少なくでき、製造コストを低減できる。 【0020】本発明に係る電波吸収耐火壁材は、請求項1に記載の電波吸収板の一方の面に積層された導電性電波反射体と、前記電波吸収板の他の面に積層されたケイ酸カルシウム板と、を備えることを特徴とする。本発明における導電性電波反射体としては、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属の薄板、フィルム、メッシュ網、箔等を採用することができる。 【0021】このような電波吸収耐火壁材は、電波吸収板の一方の面に、導電性電波反射体を接着剤等により貼り合わせた後、さらに、電波吸収板の他の面に、ケイ酸カルシウム板を接着剤等により貼り合わせることで、3層一体構造を有する電波吸収耐火壁材を得る。ここで、接着剤としては、有機系、無機系の接着剤を採用することができる。有機系接着剤としては、α−オレフィン系、ウレタン系、エポキシ系等を、無機系接着剤としては、ケイ酸ソーダ、アルミナセメント等を採用することができる。なお、貼り合わせるケイ酸カルシウム板としては、素板、化粧板のどちらを採用してもよいが、化粧板を採用することで施工現場での表面塗装作業を省略することができる。 【0022】本発明によれば、電波吸収板に、導電性電波反射体とケイ酸カルシウム板とを積層しているから、建物内への電波侵入防止効果をより向上できるとともに、耐火性能をも併せ持つ電波吸収耐火壁材とすることができる。さらに、上述のような方法により製造した電波吸収板の各面に、それぞれ導電性電波反射体、ケイ酸カルシウム板を接着剤等により貼り合わせるだけで3層一体構造の電波吸収耐火壁材を容易に得ることができるから、従来のものと比較して製造効率を向上することができる。また、3層一体構造であるため、3層を別々に取り付ける場合と比べて、その取り付け作業が簡易になるとともに、大板耐火壁材の製造にも対応することが可能となる。 【0023】以上において、前記導電性電波反射体の表面上に、さらに積層されたケイ酸カルシウム板を備えることが好ましい。このように導電性電波反射体の上にケイ酸カルシウム板を積層した、4層一体構造の耐火壁材とすることで、より一層耐火性能を向上することができる。なお、上述した電波吸収板および電波吸収耐火壁材は、建築物の内装壁材、耐火壁材、耐火間仕切壁等に、好適に利用することができる。 【0024】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。 [第1実施形態]図1には、本発明の第1実施形態に係る電波吸収板1が示されている。電波吸収板1は、ケイ酸カルシウムをマトリックスとして構成された平面矩形状の板である。電波吸収板1には、長手方向の2つの端面10に開口された複数条の連続中空部1Aが形成されている。 【0025】以上のように構成された電波吸収板1は、次のように製造される。まず、セメント、シリカ質原料、繊維補強材、フェライト、を所定の割合で混合して粉体原料とする。この際、フェライトの含有量は、20〜80wt%の割合に調製する。上記粉体原料に、適量の水を添加し、セルロース系の押出助剤を混入して混合撹拌して混練物とした後、この混練物を連続中空部1A形成用のピンを有する押出成形機に投入して板状に押し出し、製板する。続いて、製板した板状体に高温高圧下、オートクレーブ養生を施して反応、硬化させ、連続中空部1Aを有する電波吸収板1とする。 【0026】上述のような第1実施形態によれば、次のような効果がある。 (1)電波吸収板1が複数条の連続中空部1Aを有しているから、かさ比重が減少し、容易に運搬を行うことができる。 (2)連続中空部1A形成用のピンを有する押出成形機で、連続中空部1Aを電波吸収板1の成形と同時に形成しているから、連続中空部1Aを容易に形成することができるとともに、別工程で中空を形成するよりも、製造コストを低減できる。 (3)電波吸収板1にフェライトおよびグラファイトを含有しているから、フェライトのみの電波吸収板と比較して、その電波吸収性能を一層向上させることができる。 【0027】(4)所定割合のフェライトおよびグラファイトを含有しているから、連続中空部1Aを有していても、後述するように、中実の電波吸収板と遜色ない電波吸収性能を発揮させることができる。 (5)フェライトよりも比重の小さいグラファイトを加えることで、電波吸収板1の重量増を抑えることができる。 (6)電波吸収板1の原料構成が、容積割で見るとフェライトよりも比重の小さい窯業系原料が多いため、市販の窯業系板材と同様に、裁断等の加工が可能である。 【0028】[第2実施形態]以下の説明においては、前記第1実施形態と同一構造については、同一符号を付すとともに、その説明を省略または簡略化する。図2には、本発明の第2実施形態に係る電波吸収耐火壁材2が示されている。電波吸収耐火壁材2は、電波吸収板1と、その一方の面に積層された導電性電波反射体としてのアルミニウム製フィルム21と、その他方の面に積層されたケイ酸カルシウム板としての繊維混入ケイ酸カルシウム板22とを備えて構成されている。 【0029】このように構成された電波吸収耐火壁材2は、次のように製造する。まず、第1実施形態で示した方法で、電波吸収板1を製造する。得られた電波吸収板1を乾燥後、その一方の面にアルミニウム製フィルム21を接着剤により貼り合わせた後、その他方の面に繊維混入ケイ酸カルシウム板22を接着剤により貼り合わせて電波吸収耐火壁材2を製造する。 【0030】上述のような第2実施形態によれば、前記第1実施形態の(1)〜(6)と同様の効果が得られる他、次のような効果が得られる。 (7)電波吸収板1の一方の面にアルミニウム製フィルム21を積層し、他方の面に繊維混入ケイ酸カルシウム板22を積層した3層一体構造を採用しているから、建物内への電波侵入防止効果をより向上できるとともに、耐火性能をも併せ持つ電波吸収耐火壁材2とすることができる。 【0031】(8)電波吸収板1の各面に、それぞれアルミニウム製フィルム21、繊維混入ケイ酸カルシウム板22を接着剤により貼り合わせるだけで、3層一体構造の電波吸収耐火壁材2を容易に製造することができるから、従来のものと比較して製造効率を向上することができる。 (9)3層一体構造の電波吸収耐火壁材2であるため、3層を別々に取り付ける場合と比べて、その取り付け作業が簡易になるとともに、大板耐火壁材の製造にも対応することが可能となる。 【0032】[第3実施形態]以下の説明においては、前記第1および第2実施形態と同一構造については、同一符号を付すとともに、その説明を省略または簡略化する。図3には、本発明の第3実施形態に係る電波吸収耐火壁材3が示されている。電波吸収耐火壁材3は、前記第2実施形態の電波吸収耐火壁材2におけるアルミニウム製フィルム21の表面に、さらに積層された繊維混入ケイ酸カルシウム板32を備えた4層一体構造を有している他は、電波吸収耐火壁材2と同一構成である。以上のように構成された電波吸収耐火壁材3は、アルミニウム製フィルム21に接着剤で繊維混入ケイ酸カルシウム板32を貼り付ける以外は、前述の電波吸収耐火壁材2と同様の方法で製造できる。 【0033】上述のような第3実施形態によれば、前記第1および第2実施形態の(1)〜(9)と同様の効果が得られる他、以下のような効果が得られる。 (10)アルミニウム製フィルム21の上に、さらに繊維混入ケイ酸カルシウム板32を積層した、4層一体構造の耐火壁材であるから、より一層耐火性能を向上させることができる。 【0034】なお、本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は、本発明に含まれるものである。例えば、前記各実施形態では、長手方向の2つの端面10に開口された複数条の連続中空部1Aが形成されていたが、これに限られない。すなわち、連続中空部を有する電波吸収板である限り、その数、形状等は任意に設定することができる。 【0035】前記第2、第3実施形態では、導電性電波反射体としてアルミニウム製フィルム21を採用していたが、これに限らず、導電性電波反射体として使用できる金属、例えば、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属の薄板、フィルム、メッシュ網、箔等を採用しても構わない。また、電波吸収板に繊維混入ケイ酸カルシウム板22、32を積層したが、これに限らず、不燃性能を有し、構造上、耐火壁材となり得るその他のケイ酸カルシウム板を採用してもよい。なお、ケイ酸カルシウム板の厚さ等は、耐火性能に応じて適宜設定することができる。その他、本発明を実施する際の具体的な構造および形状等は、本発明の目的を達成できる範囲内で他の構造としてもよい。 【0036】 【実施例】(電波吸収板)表1に実施例および比較例で使用した電波吸収板の原料配合割合を示したものである。なお、混和材には、鉱物微粉末を採用し、有機質繊維には、パルプとポリプロピレンとからなる繊維を採用した。また、フェライト粒には、Mn−Zn系フェライト焼結粒で直径が0.1〜2.0mmのものを採用し、グラファイトには、鱗状黒鉛で平均粒径が50μmのものを採用した。 【0037】 【表1】
【0038】[実施例1]上記表1の配合にしたがって各粉体原料および水を混合し、モルタルミキサーによって、撹拌数50rpmで10分間混練した。得られた混練物を、連続中空部1A形成用のピンを取り付けた押出成形機により押出成形し、長さ450mm、幅300mm、厚さ12mm、中空率20%の板材とした。得られた板材を0.49MPa(実データ5kgf/cm2をSI単位に換算した値)の圧力下、10時間水熱処理反応を行った後、120℃で12時間乾燥させて連続中空部1Aを有する電波吸収板1を得た。 【0039】[実施例2]実施例1と同様にして、長さ450mm、幅300mm、厚さ20mm、中空率20%の板材を得た。この板材を実施例1と同様の条件で水熱処理反応した後、乾燥させて連続中空部1Aを有する電波吸収板1を得た。 【0040】[比較例1]押出成形機に連続中空部形成用のピンを取り付けない以外は、実施例1と同様にして、電波吸収板を得た。 【0041】[比較例2]押出成形機に連続中空部形成用のピンを取り付けない以外は、実施例2と同様にして、電波吸収板を得た。 【0042】上記各実施例および比較例で得られた電波吸収板について、かさ比重、曲げ強度、吸水長さ変化率を測定し、結果を表2に示した。 【0043】 【表2】
【0044】ここで、かさ比重および吸水長さ変化率は、JIS A5430に準拠した方法により測定した。また、曲げ強度は、JIS A1408に準拠した方法により測定した。 【0045】表2に示されるように、連続中空部を有する実施例1、2の電波吸収板では、連続中空部を有しない比較例1、2の電波吸収板よりもかさ比重が小さいことがわかる。また、実施例1、2の電波吸収板の曲げ強度は、比較例1、2よりも多少低下しているものの、実用上問題ない強度を有していることが確認された。さらに、吸水に対する寸法安定性も高いことがわかる。 【0046】(電波吸収壁材) [実施例3]実施例1で得られた電波吸収板1の一方の全面に、アルミニウム製フィルム21を接着剤で貼り合わせ、さらに、もう一方の全面に長さ450mm、幅300mm、厚さ5mm、かさ比重0.8g/cm3の繊維混入ケイ酸カルシウム板22を接着剤で貼り合わせ、3層一体構造の電波吸収耐火壁材2を得た。 【0047】[実施例4]実施例2で得られた電波吸収板1を用いた以外は、実施例3と同様にして、3層一体構造の電波吸収耐火壁材2を得た。 【0048】[実施例5]実施例3で得られた電波吸収耐火壁材2におけるアルミニウム製フィルム21の表面に、繊維混入ケイ酸カルシウム板32を接着剤で貼り合わせ、4層一体構造の電波吸収耐火壁材3を得た。 【0049】[比較例3]比較例1で得られた電波吸収板を用いた以外は、実施例3と同様にして、3層一体構造の電波吸収耐火壁材を得た。 【0050】[比較例4]比較例2で得られた電波吸収板を用いた以外は、実施例3と同様にして、3層一体構造の電波吸収耐火壁材を得た。 【0051】[比較例5]比較例3で得られた電波吸収耐火壁材を用いた以外は、実施例5と同様にして、4層一体構造の電波吸収耐火壁材を得た。 【0052】上記各実施例および比較例で得られた電波吸収耐火壁材について、かさ比重、曲げ強度、吸水長さ変化率を測定し、結果を表3に示した。なお、各項目の測定方法は、前述の表2と同様である。 【0053】 【表3】
【0054】表3に示されるように、実施例3〜5で得られた、連続中空部を有する電波吸収板を備えて構成された電波吸収耐火壁材は、比較例3〜5の電磁波吸収耐火壁材よりも、かさ比重が小さいことがわかる。また、曲げ強度は、比較例3〜5よりも多少低下しているものの、実用上問題ない強度を有していることが確認された。さらに、吸水に対する寸法安定性も高いことがわかる。 【0055】上記実施例1で得られた電波吸収板、および実施例4で得られた電波吸収耐火壁材について、電波吸収性能を測定し、その結果を図4に示した。一方、比較例1で得られた電波吸収板、および比較例4で得られた電波吸収耐火壁材について、同じく電波吸収性能を測定し、その結果を図5に示した。ここで、図4、図5は、電波吸収板および電波吸収耐火壁材の電波に対する反射損失を示すグラフであり、横軸に入射する電波の周波数(GHz)を、縦軸に反射された電波の反射損失(dB)を表している。 【0056】図4および図5に示されるように、電波吸収板が連続中空部を有するにもかかわらず、電波の吸収帯域および吸収性能は、連続中空部を有さない(中実の)電波吸収板とほぼ同等であることがわかる。 【0057】 【発明の効果】本発明によれば、電波吸収板が連続中空部を有しているから、かさ比重を小さくすることができ、運搬等の取扱い性を向上することができる。また、所定割合のフェライトを含有しているから、軽量化を達成できるだけではなく、連続中空部を備えていない(中実の)電波吸収板と同等の電波吸収性能を発揮させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390036722 【氏名又は名称】神島化学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年6月22日(2000.6.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079083 【弁理士】 【氏名又は名称】木下 實三 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−9481(P2002−9481A) |
| 【公開日】 |
平成14年1月11日(2002.1.11) |
| 【出願番号】 |
特願2000−187599(P2000−187599) |
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