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【発明の名称】 放熱器
【発明者】 【氏名】橋本 凉

【氏名】山内 輝和

【要約】 【課題】放熱フィン表面積を大きくとることができ、CPUパッケージへの取付性に優れた放熱器を提供する。

【解決手段】基板4と、基板4下面に設けられた複数の放熱フィン5と、CPUパッケージ2に設けられた複数の貫通孔25に下方から挿通し得るように基板4上面に設けられかつ放熱器3をCPUパッケージ2に固定するための垂直ピン6とを備える。基板4が基板本体41とその上面に接合された接合板42とよりなる。各ピン6の基端部が接合板42の貫通孔421に挿通されるとともに、ピン6基端の抜け止め部61が、接合板42の貫通孔421に通じるように基板本体41上面に設けられた凹部411に嵌め入れられた状態で、接合板42が基板本体41上面に接合されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基板と、基板下面に設けられた複数の放熱フィンと、CPUパッケージに設けられた複数の貫通孔のそれぞれに下方から挿通し得るように基板上面に設けられかつ放熱器をCPUパッケージに固定するための垂直ピンとを備え、基板が基板本体とその上面に接合された接合板とよりなり、各ピンの基端部が接合板に設けられた貫通孔または切欠きに挿通されるとともに、ピン基端にピンと直角をなすように設けられた抜け止め部が、接合板の貫通孔または切欠きに通じるように基板本体上面もしくは接合板下面に設けられた凹部またはこれら両面にまたがって設けられた中空部に嵌め入れられた状態で、接合板が基板本体上面に接合されている、放熱器。
【請求項2】 接合板が、基板本体の材料よりも熱伝導率の高い材料で形成されている、請求項1に記載の放熱器。
【請求項3】 接合板の材料が銅または銅合金であり、基板本体の材料がアルミニウムまたはアルミニウム合金である、請求項2に記載の放熱器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、パーソナルコンピュータ等において、CPUパッケージのCPUから発せられる熱を放熱するのに用いられる放熱器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータの多機能化や処理速度の高速化が著しく、それに伴ってCPUの出力が増大し、CPUからの発熱量も増大している。そのため、CPUを冷却するための放熱器についても、より一層の高性能化が求められている。
【0003】放熱器は、通常、基板の片面に複数の放熱フィンが設けられてなり、基板の他面でCPUから発せられる熱を受けるようにCPUパッケージに固定される。このような放熱器をCPUパッケージに固定する手段には、CPUパッケージのタイプ等に応じてそれぞれ幾つかある。そのうち、CPUパッケージがマザーボードに設けられたSlot1等のスロットタイプのコネクタに装着可能なS.E.Cカートリッジ(Single Edge Contact Cartridge)やS.E.P.P(SingleEdge Processor Package)と呼ばれる形式のものである場合の放熱器固定手段として、実用新案登録第3054704号公報に記載されているようなクリップを使用するものが知られている。即ち、CPUパッケージに形成された放熱器取付用の貫通孔に対応する貫通孔を放熱器の基板にあけておくとともに、基板における放熱フィンを有する面に前記貫通孔に通じる帯状平坦部を設けておき、クリップの細長いベース部を前記帯状平坦部に配置し、ベース部の両端部から基板側に向かってのびた2つの脚部のうち一方の脚部を基板およびCPUパッケージの貫通孔にまたがって挿通し、同一方の脚部の先端に設けられた係合部をCPUパッケージの貫通孔の縁部に係り合わせ、CPUパッケージの周縁部に形成された突起に他方の脚部に設けられた係合孔の縁部を係り合わせ、これによってCPUに放熱器を固定するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記固定構造の場合、放熱器の基板におけるフィンを有する面にクリップのベース部を配置するための帯状平坦部を設けておく必要があって、その部分には放熱フィンを設けることができないため、放熱性能の向上に必要な放熱フィン表面積の確保ができない。また、上記クリップの場合、放熱器と別体であるため、取付性に問題がある。
【0005】この発明の目的は、放熱フィン表面積を大きくとることができ、またCPUパッケージへの取付性に優れた放熱器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明による放熱器は、基板と、基板下面に設けられた複数の放熱フィンと、CPUパッケージに設けられた複数の貫通孔のそれぞれに下方から挿通し得るように基板上面に設けられかつ放熱器をCPUパッケージに固定するための垂直ピンとを備え、基板が基板本体とその上面に接合された接合板とよりなり、各ピンの基端部が接合板に設けられた貫通孔または切欠きに挿通されるとともに、ピン基端にピンと直角をなすように設けられた抜け止め部が、接合板の貫通孔または切欠きに通じるように基板本体上面もしくは接合板下面に設けられた凹部またはこれら両面にまたがって設けられた中空部に嵌め入れられた状態で、接合板が基板本体上面に接合されているものである。
【0007】この発明による放熱器において、接合板が、基板本体の材料よりも熱伝導率の高い材料で形成されているのが好ましい。この場合、例えば、接合板の材料が銅または銅合金となされ、基板本体の材料がアルミニウムまたはアルミニウム合金となされる。
【0008】CPUについては、高出力化による発熱量の増大に加えて、小型化が進んでいる。このため、放熱器の基板の熱拡散性を向上させて、基板の片面に広く分布する多数の放熱フィンに熱がなるべく均等に伝わるようにする工夫が必要となる。上記のように接合板の材料を基板本体の材料よりも熱伝導率の高いものとすれば、それだけ基板の熱拡散性が向上し、各放熱フィンに熱がより均等に伝わるようになるため、さらに放熱性能を向上させることができる。
【0009】基板本体と接合板との接合は、接着剤による接着や、かしめ等の機械的接合によって行うようにすればよいが、その他の適当な接合手段を用いてもよい。
【0010】放熱器の放熱フィンは、通常、基板本体と一体に形成される。この場合、例えば、基板本体と放熱フィンを所定の押出形状を有する1つの金属押出形材から形成してもよいし、また、片面側にフィン形成用被削部を備えた板状金属押出形材を用意してこれの被削部をバイト等を用いて削り起こすことにより放熱フィンを形成するようにしてもよい。もっとも、基板本体と放熱フィンとを別体に形成してこれらを接合一体化するようにしてもよい。この発明にあっては、放熱器の基板下面に、従来技術のようにクリップのベース部を配置するための帯状平坦部を設ける必要がないので、そのほぼ全面にわたって放熱フィンを設けることが可能である。したがって、放熱フィンの表面積を大きくとることができ、放熱性能を向上させることができる。
【0011】この発明による放熱器において、各垂直ピンの抜け止め部が別体に形成されている場合がある。この場合、抜け止め部の形状および/または大きさは、接合板に形成された貫通孔または切欠きを通過しないものであれば、特に限定されない。
【0012】また、1直線上に並ぶ複数の垂直ピンの抜け止め部が全体として帯板状をなす一体のものである場合もある。このように1直線上に並ぶ複数の垂直ピンの抜け止め部が帯板状の一体のものとなっていれば、それだけ部品点数および組み立て工数を減らすことができる。この場合、抜け止め部が嵌め入れられる凹部または中空部を溝状またはストレート通路状とする必要がある。
【0013】ピンの形状は、CPUパッケージの貫通孔に挿通可能なものであればよく、例えば、偏平棒状とする他、横断面円形または方形の棒状や、中空筒状としてもよい。
【0014】この発明による放熱器をCPUパッケージに固定する固定構造としては、例えば次のようなものがある。即ち、上記放熱器を、CPUパッケージの下面に、放熱器の基板上面に設けられた複数の垂直ピンとCPU上面に配されたピン保持片とを連結することによって固定するCPUパッケージへの放熱器固定構造であって、ピン先端に設けられた係合部がピン保持片に上方に付勢されるように形成された板ばね部にこれに設けられた貫通孔または切欠きの上縁において係り合わせられ、これによってピン保持片と基板とでCPUパッケージを挟み付けるようにして放熱器がCPUパッケージに固定されるようになっている。
【0015】ピンの先端に設ける係合部は、ピン保持片の形状に応じて適宜に決定されるが、例えば、フック状に折れ曲がった形状となされる他、側部がくびれた形状となされる。
【0016】ピン保持片の数および形状は、ピンの総数と、何本のピンを同時に保持するかによって決まってくる。同時に保持するピンの数は、1本でもよいが、そうするとピン保持片の数が多くなるので、通常は2本以上となされる。2本のピンを同時に保持するピン保持片は、例えば、CPUパッケージ上面に当接する平坦なベース部とベース部の両端から斜め上方にのびる傾斜部とよりなる帯状板ばねで構成され、各傾斜部にピン先端の係合部が上縁に係り合わせられる貫通孔または切欠きが形成されている。また、4本のピンを同時に保持するピン保持片は、例えば、互いに平行な2つの帯状板ばね部と両板ばね部をこれらの長さ中央部で連結する連結部とよりなり、各板ばね部が、CPUパッケージ上面に当接する平坦なベース部と、ベース部の両端に連なって台状に突出するように設けられかつ先端部がCPUパッケージ上面に当接する台状凸部とよりなり、各台状凸部の頂部に、ピン先端の係合部が上縁に係り合わせられる貫通孔または切欠きが形成されている。
【0017】上述したCPUパッケージへの放熱器固定構造では、放熱器の基板上面に固定状に設けられた垂直ピンをCPUパッケージの貫通孔に挿通し、ピン先端の係合部をピン保持片における板ばね部の貫通孔または切欠きの上縁に係り合わせるだけでよいので、その作業が極めて簡単であり、取付性に優れている。
【0018】なお、この発明による放熱器は、特許請求の範囲を含むこの明細書の記載および図面における上下を逆にした場合にも当然に成立するものであり、同様に水平軸回りに90度回転させた場合にも成立する。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照して、この発明の好ましい実施の形態を説明する。
【0020】図1〜図5は、この発明の第1の実施形態を示すものである。なお、この実施形態に関する以下の記載において、図1の上下を上下といい、図1の左を前、同右を後といい、また左右は前から見た場合の左右をいうものとする。
【0021】図1には、いわゆるタワー型のパーソナルコンピュータ本体の概要が示されている。本体(10)は、筐体(11)と、筐体(11)の内部に垂直に配置されたマザーボード(12)と、マザーボード(12)の右側面に設けられた前後方向に長いスロット(13)に装着されたCPUパッケージ(2)と、CPUパッケージ(2)の下面に固定された放熱器(3)とを備えている。放熱器(3)は、基板(4)と基板(4)の下面に複数列並列状に設けられた多数の舌状放熱フィン(5)とを備えており、基板(4)上面に設けられた複数のCPU貫通用垂直ピン(6)とCPUパッケージ(2)上面に配されたピン保持片(7)とを連結することによって、CPUパッケージ(2)下面に固定されている。放熱器(3)にはダクト(14)の前半部が取り付けられている。ダクト(14)の後端部にはファン(15)が設けられている。ファン(15)が作動すると、筐体(11)の前壁に形成された空気入口(11A)から筐体(11)内に流入した空気が、ダクト(14)の中を流れた後、筐体(11)の後壁に形成された空気出口(11B)を通じて外部に出ていくようになっており、それによってCPUパッケージ(2)の冷却が効率よく行われる。
【0022】CPUパッケージ(2)は、図2〜図4に詳しく示すように、CPU(21)が下面に搭載されたCPUボード(22)と、CPUボード(22)の上面を覆うプラスチック製カバー(23)とを備えている。CPUボード(22)の左縁部には、マザーボード(12)に設けられたスロット(13)に差し込まれるエッジコネクタ(24)が設けられている。CPUパッケージ(2)には、CPU(21)を取り囲むように4つの垂直貫通孔(25)があけられている。
【0023】放熱器(3)の基板(4)は、図3および図4に示すように、基板本体(41)と、基板本体(41)の上面に接合された接合板(42)とよりなる。放熱フィン(5)は基板本体(41)と一体に形成されている。基板本体(41)および放熱フィン(5)は、片面側に複数列の畝状フィン形成用被削部が設けられた板状のアルミニウム合金押出形材を素材とし、この素材の被削部をバイトで削り起こすことにより製造されたものである。接合板(42)は、基板本体(41)を形成するアルミニウム合金押出形材よりも熱伝導率が高い銅合金板よりなる。接合板(42)におけるCPUパッケージ(2)の4つの貫通孔(25)に対応する位置に、ピン(6)の基端部が挿通される貫通孔(421)があけられている。基板本体(41)の上面には、接合板(42)の前後各2つの貫通孔(421)に通じるように左右方向にのびる溝(411)(凹部)が形成されている。
【0024】垂直ピン(6)は、図2〜図4に示すように、偏平棒状のものであって、ピン基端にピン(6)と直角をなす抜け止め部(61)が設けられ、ピン先端にフック状の係合部(62)が設けられている。この実施形態では、前後各2つのピン(6)の抜け止め部(61)が、全体として左右方向にのびる帯板状をなす一体のものとなされている。つまり、4本のピン(6)は、前後2つのピン形成体(60)によって形成されている。ピン形成体(60)は、ばね鋼薄板、ステンレス鋼薄板等の金属薄板にプレス加工を施すことにより形成されている。
【0025】接合板(42)は、図3および図4に示すように、これの各貫通孔(421)にピン(6)の基端部が挿通されかつピン(6)の抜け止め部(61)が基板本体(41)上面の溝(411)に嵌め入れられた状態で、基板本体(41)上面に接着剤によって接着されている。これにより、放熱器(3)の基板(4)上面に垂直ピン(6)が固定状に設けられている。
【0026】ピン保持片(7)は、図2〜図4に示すように、前後方向にのびる互いに平行な左右2つの帯状板ばね部(71)と、両板ばね部(71)をこれらの長さ中央部で連結する連結部(72)とよりなる。各板ばね部(71)は、CPUパッケージ(2)上面に当接する平坦なベース部(711)と、ベース部(711)の前後両端に連なって台状に突出するように設けられかつ先端部がCPUパッケージ(2)上面に当接する台状凸部(712)とよりなる。各台状凸部(712)の水平頂部(712A)には、ピン(6)先端の係合部(62)が上縁に係り合わせられる貫通孔(713)が形成されている。このピン保持片(7)も、ばね鋼薄板、ステンレス鋼薄板等の金属薄板にプレス加工を施すことにより形成されたものである。
【0027】CPUパッケージ(2)への放熱器(3)の固定は次のようにして行われる。まず、図5に示すように、基板本体(41)上面の各溝(411)にピン(6)の抜け止め部(62)を嵌め入れるとともに、接合板(42)の各貫通孔(421)にピン(6)の基端部を挿通し、この状態で基板本体(41)上面に接合板(42)を接合して、ピン(6)付き放熱器(3)を得る。次に、図6に示すように、放熱器(3)の基板(4)上面に熱伝導性フィルム(図示略)を接着しておいてから、各ピン(6)をCPUパッケージ(2)の貫通孔(25)に下から挿通して、ピン(6)先端の係合部(62)をCPUパッケージ(2)上面よりも上方に突出させるとともに、前記フィルムをCPU(21)に密着させる。次に、図7に示すように、ピン保持片(7)を、これの各台状凸部(712)における水平頂部(712A)の貫通孔(713)がピン(6)の係合部(62)の真上にくるようにCPUパッケージ(2)上面に配する。なお、この状態では、台状凸部(712)は、図4に2点鎖線で示す位置にある。そして、各台状凸部(712)の水平頂部(712A)を下方に押して弾性変形させながら、貫通孔(713)に係合部(62)を強制的に、即ち、左右方向に閉じるように弾性変形させながら通す。係合部(62)は、貫通孔(713)を通り抜けた後で弾性復元し、その先端が貫通孔(713)の上縁に係り合わせられる。こうして、弾性変形した板ばね部(71)によって上方に付勢された状態でピン(6)がピン保持片(7)に連結されることにより、ピン保持片(7)と基板(4)とでCPUパッケージ(2)を挟み付けるようにして放熱器(3)がCPUパッケージ(2)に固定されている。
【0028】図8〜図13は、この発明の第2の実施形態を示すものである。なお、この実施形態に関する以下の記載において、図9の上下を上下、同左右を左右といい、また図9の紙面表側を前、同裏側を後というものとする。
【0029】この実施形態では、図11に示すように、各ピン(66)の抜け止め部(661)が別体に設けられていて、略方形板状のものとなっている。そして、これらの抜け止め部(661)が嵌め入れられる横断面方形の凹部(411A)が基板本体(41)上面に形成されている。また、ピン(66)の係合部(662)は、ピン(66)先端寄り部分に形成されたくびれ部(662)により構成されている。
【0030】ピン保持片(77)は2つ備えられており、CPUパッケージ(2)上面の左右に1つずつ配されるようになっている。各ピン保持片(77)は、CPUパッケージ(2)上面に当接する平坦なベース部(771)と、ベース部(771)の前後両端から前後方向外方に向かって斜め上方にのびる傾斜部(772)とよりなる帯状板ばね(77)で構成されている。前側傾斜部(772)には、ピン(66)先端の係合部(662)が上縁に係り合わせられる切欠き(773)が形成され、後側傾斜部(772)には、ピン(66)先端の係合部(662)が上縁に係り合わせられる貫通孔(774)が形成されている。前側傾斜部(772)の切欠き(773)は、同傾斜部(772)の左縁からV形に切り欠かれたV形切欠き(773A)とその先端に連なるように右方にのびるスリット状切欠き(773B)とで構成されている。スリット状切欠き(773B)の幅は、ピン(66)のくびれ部(係合部)(662)の幅よりも若干広くなされている。後側傾斜部(772)の貫通孔(774)は、左右方向に長い長孔となされ、その前後幅は、ピン(66)のくびれ部(係合部)(662)の幅よりも若干広くなされている。各ピン保持片(77)は、ばね鋼薄板、ステンレス鋼薄板等の金属薄板にプレス加工を施すことにより形成されている。その他の構成は、第1の実施形態と同じである。
【0031】第2の実施形態において、CPUパッケージ(2)への放熱器(3)の固定は次のようにして行われる。まず、図11に示すように、基板本体(41)上面の各凹部(411A)にピン(66)の抜け止め部(661)を嵌め入れるとともに、接合板(42)の各貫通孔(421)にピン(66)の基端部を挿通し、この状態で基板本体(41)上面に接合板(42)を接合して、ピン(66)付き放熱器(3)を得る。次に、図12に示すように、放熱器(3)の基板(4)上面に熱伝導性フィルム(図示略)を接着しておいてから、各ピン(66)をCPUパッケージ(2)の貫通孔(25)に下から挿通して、ピン(66)先端の係合部(662)をCPUパッケージ(2)上面よりも上方に突出させるとともに、前記フィルムをCPU(21)に密着させる。次に、図13に示すように、ピン保持片(27)を、左右方向にかつ貫通孔(774)を有する後側傾斜部(772)が後側のピン(66)のくびれ部(係合部)(662)の真上にくるようにCPUパッケージ(2)上面に配して、後側傾斜部(772)の貫通孔(774)にピン(66)の先端部をくびれ部(662)の高さ位置まで通す。そして、ピン保持片(77)を、くびれ部(662)の回りに回転させながら、前側傾斜部(772)の切欠き(773)が前側のピン(66)のくびれ部(662)に対応する高さ位置にくるように弾性変形させ、切欠き(773)内にくびれ部(662)を嵌め入れると、同くびれ部(662)がスリット状切欠き(773B)の上縁に係り合わせられるとともに、後側傾斜部(772)の貫通孔(774)に通された後側のピン(66)のくびれ部(662)が貫通孔(774)の上縁に係り合わせられる(図13参照)。こうして、弾性変形したピン保持片(板ばね)(77)によって上方に付勢された状態で各ピン(66)がピン保持片(77)に連結されることにより、ピン保持片(77)と基板(4)とでCPUパッケージ(2)を挟み付けるようにして放熱器(3)がCPUパッケージ(2)に固定されている。
【0032】図14は、この発明の第3の実施形態を示すものである。この実施形態では、図14に示すように、接合板(42)にこれの左右縁からスリット状に切り込まれた切欠き(422)が設けられ、これらの切欠き(422)に各ピン(6)の基端部が挿通されるようになっている。切欠き(422)の前後幅は、抜け止め部(61)の前後幅よりも小さくかつピン(6)の前後幅よりも大きくなされている。その他の構成および固定の手順は第1の実施形態と同じである。
【0033】図15は、この発明の第4の実施形態を示すものである。この実施形態では、図15に示すように、基板本体(41)の上面に溝が形成されておらず、これに代わって、接合板(42)の下面に前後各2つのピン基端部挿通用貫通孔(421)に通じるように左右方向にのびる溝(凹部)(423)が形成され、同溝(423)にピン(6)の抜け止め部(61)が嵌め入れられている。その他の構成および固定の手順は第1の実施形態と同じである。
【0034】
【発明の効果】この発明の放熱器によれば、CPUパッケージに設けられた複数の貫通孔のそれぞれに下方から挿通し得るように基板上面に設けられた垂直ピンを利用してCPUパッケージに固定することができるので、放熱フィンが設けられる基板下面に従来のように固定用パーツを配置するためのスペースを設ける必要がない。したがって、放熱フィンの表面積を大きくとることができ、それによって放熱性能を向上させることができる。また、ピンが放熱器の基板に予め固定状に設けられた状態で、放熱器の取付作業を行うことができるため、取付性に優れている。
【出願人】 【識別番号】000002004
【氏名又は名称】昭和電工株式会社
【出願日】 平成12年6月23日(2000.6.23)
【代理人】 【識別番号】100060874
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 瑛之助 (外4名)
【公開番号】 特開2002−9473(P2002−9473A)
【公開日】 平成14年1月11日(2002.1.11)
【出願番号】 特願2000−188686(P2000−188686)