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【発明の名称】 金属部品の接合方法
【発明者】 【氏名】木村 直樹

【氏名】田村 進

【要約】 【課題】金属部品を例えば電子機器の電気的に誤動作を嫌う被接合部品と接合するのに適した金属部品の接合方法を課題とする。

【解決手段】金属部品1本体裏面に凸状部2を設け、凸状部2中央部近傍に下穴3を、下穴3が部品本体表面に貫通せず下穴の突き当たりに壁を有するように設け、下穴に、タッピンねじ5(「バインドねじ」と呼称されるものを含む)により被接合部品4を螺着して金属部品1に被接合部品4を接合することを特徴とする金属部品の接合方法である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 金属部品本体裏面に凸状部を設け、該凸状部中央部近傍に下穴を、該下穴が部品本体表面に貫通せず下穴の突き当たりに壁を有するように設け、該下穴に、タッピンねじにより被接合部品を螺着して金属部品に被接合部品を接合することを特徴とする金属部品の接合方法。
【請求項2】 金属部品本体をプレス加工することにより該本体裏面に凸状部と該凸状部中央部近傍に下穴を、該下穴が部品本体表面に貫通せず下穴の突き当たりに壁を有するように設け、該下穴にタッピンねじにより被接合部品を螺着して金属部品に被接合部品を接合することを特徴とする金属部品の接合方法。
【請求項3】 前記金属部品がヒートシンクであり、被接合部品が電子機器である請求項1または2に記載の金属部品の接合方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属部品を例えば電子機器等の電気的誤導通を嫌う被接合機器に接合するのに適した金属部品の接合方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、図4に示すように、金属部品1を電子機器等の被接合部品4に螺着する場合、金属部品1の金属部品本体(基板)11が薄い場合にはねじ孔48とねじ44の有効締結長が得られないためにねじ孔48を貫通させ、該貫通ねじ孔48にねじ44を螺着していた。このためねじ44の螺合時にねじ44とねじ孔48の螺旋溝との擦れで発生する金属粉や、タップで螺旋溝を切削加工した時に発生して螺旋溝に付着していた切粉が飛散し、被接合部品4である電子機器等に対して思わぬ誤動作を引き起こす原因となっていた。このため、ねじ44の螺着時に飛散する金属粉を捕捉するために、例えば特開平2−312010号公報に開示されているように貫通ねじ孔48の開口端にシールド板51を設けて金属粉を捕捉する等の処置を施していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このように貫通ねじ孔48にシールド板51を取り付ける構造ではその取付に手数がかかるとともに部品点数が増えることで装置の大型化とコスト高とになる課題があった。
【0004】本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、薄い金属部品でもねじ装着穴を下穴としてねじ溝に加工せず、しかも穴を貫通させることなくねじの有効結合長を十分にとれる非貫通穴を設けて、金属部品に被接合部品を接合する接合方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、金属部品本体裏面に凸状部を設け、該凸状部中央部近傍に下穴を、該下穴が部品本体表面に貫通せず下穴の突き当たりに壁を有するように設け、該下穴に、タッピンねじ(「バインドねじ」と呼称されるものを含む)により被接合部品を螺着して金属部品に被接合部品を接合することを特徴とする金属部品の接合方法である。また、本発明は、前記金属部品本体に設ける凸状部と該凸状部中央部近傍に設ける下穴を、プレス加工で構成することを特徴とする金属部品の接合方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示した一実施形態について説明する。図1は本発明の一実施形態を示すもので、1は金属部品で、例えば図示するような良熱電導材料であるアルミニウム、銅、マグネシウムあるいはそれらの合金等からなる金属部品本体(基板)11の片面に多数のフィン12を設けたヒートシンク等である。
【0007】図2(イ)は本発明の接合方法により接合した金属部品1と被接合部品4との接合部を示す拡大断説明図、同図(ロ)は(イ)のA−A線断面の更なる拡大図で、図中2は前記金属部品1の片面(表面)に膨出させた凸状部、3は前記凸状部2の中央(近傍)に設けたねじを螺着するための下穴である。4は金属部品に接合する被接合部品で、例えば電子機器等である。5は金属部品1と被接合部品4とを螺着するタッピンねじ(「バインドねじ」と呼称されるものを含む)である。
【0008】前記凸状部2ならびに下穴3は図3(イ)(ロ)に示すように、プレス加工により成形するとよい。即ち、図3(イ)はプレスに金属部品1を装着した状態を示す模式図で、20はプレスの上金具で、金属部品1を押し込む凸起21が設けられている。22は後述するプレス下金型で、これら上金型20と下金型22との間に加工すべき金属部品1の本体11を装着し、プレスで上金型20を押圧することにより金属部品本体11をその表面から裏面に向けて塑性変形させて金属部品本体11の裏面を下金型22内に押出し、下金型22により成形して図2(ロ)に示す形状に整形する。なお、上記の例では上金型を移動する例を示したが、下金型を移動する場合と、両方の金型を移動する場合にも同等の効果が得られることは勿論である。
【0009】プレス下金型22は中央近傍に下穴3を形成するための柱状体25と、該柱状体25の周囲に設けた溝26からなる。従って、金属部品本体11をその表面側から上金型20の凸起21により押圧することにより金属部品本体11が塑性変形して裏面側に配置した下金型22内に膨出し、下金型22の形状、即ち、凸状部2と該凸状部2の中心近傍に下穴3が形成される。下金型22の柱状体25と上金型20の凸起21とは、凸起21をプレスで押圧したときに両者の間に若干の隙間が存在するように構成し、金属部品本体11をプレス成形加工した際、下穴3の先端に壁7が残存するように構成されている。また、凸状部2の高さは、凸起21の押圧体積により任意に設計することができるが、タッピンねじ5との有効結合長を確保し、かつ、被接合部品4に設けられる各種部品(図は省略)の高さ等を配慮して設計する。
【0010】下穴3の形状は円形、四角形(図2(ロ)に拡大して示す実施形態)、六角形、八角形等の多角形の何れでもよく、タッピンねじ5との螺合性がよい形状にすることが可能である。なお、多角形の角に適切なるRを設けるとタッピンねじ5との螺合性がより向上する。タッピンねじ5との螺合性は、金属部品本体11を構成する金属(合金を含む)、例えば前述したアルミニウム、銅、マグネシウム、またはこれらの合金等々の硬度、タッピンねじ5と下穴3との有効結合長等を考慮して設計することができる。下穴3の位置は多くの場合は凸状部2の中央に設けるが、被接合部品4に搭載する各種部品の配置や大きさにより任意の位置に寄せて設けることも可能である。この時には、タッピンねじ5と下穴3との結合が完全な状態になるよう片寄せた側の凸状部2の肉厚の強度が十分に取れるよう配慮する必要がある。金属部品1と被接合部品4との接合は、被接合部品4に設けた貫通孔27と金属部品1に設けた下穴3とを合わせ、タッピンねじ5を貫通孔27から下穴3へ通して下穴3に強制的にねじ込んで螺着することにより図2に示すように取り付けることができる。
【0011】上述するように本発明方法によれば、金属部品本体11に設けた下穴3はプレス加工により設けられるために穴内部に金属粉等が生成、付着するようなことがなく、従って被接合部品4が電子機器等であっても接合時に金属粉が電子機器(部品)の上に落ちるようなことはない。また、下穴3に螺旋加工をせず、タッピンねじ5で螺着し、螺着の際に発生する切粉はタッピンねじ5と下穴3の突き当たりに設けた壁7との空隙に捕捉されるので金属粉が外部に飛散することもない。従って、電子機器との接合により電子機器が誤動作するような恐れはない。また、下穴3はプレス加工のみで成形でき、切粉の飛散を防止するシールド板を設ける必要がないので加工費も安価となり、装置全体が大型化するようなこともない。更に、金属部品1に下穴3を設ける基盤(本体)11が薄い場合でも凸状部2を設けてタッピンねじ5との有効接合長を確保しうるので、タッピンねじ5による接合力を十分に確保することができる。
【0012】また、金属部品全体の形状によっては、下金型22と上金型20の一部あるいは、下金型22と上金型20の片方を省略することもできる。なお、金属部品のプレス加工による成形方法について上述したが、鋳造加工または切削加工により金属部品1に凸状部2と該凸状部中央部近傍に下穴3を設けることもできる。
【0013】
【発明の効果】本発明は、上述したように、凸状部2と下穴3とをプレスで加工すれば、プレスのみで加工できるので製造が極めて容易であり、該下穴3の突き当たりには壁7を設けたので下穴3にタッピンねじ5をねじ込んでも切粉が飛散するようなことがなく、従って電子機器等金属粉の極めて少量の飛散をも嫌う被接合部品との接合に特に優れた結合方法である。
【0014】なお、プレス加工に適さない材質からなる金属部品の場合には鋳造、鍛造法で凸状部2と下穴3を有する金属部品を製造することによりプレス加工と同様の優れた効果がえられる。
【出願人】 【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
【出願日】 平成12年6月22日(2000.6.22)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−9466(P2002−9466A)
【公開日】 平成14年1月11日(2002.1.11)
【出願番号】 特願2000−187249(P2000−187249)