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【発明の名称】 放電灯点灯回路
【発明者】 【氏名】伊藤 昌康

【氏名】武田 仁志

【要約】 【課題】複数の放電灯の点灯制御を行う点灯回路において、リプル電流及びノイズの抑制及び小型化、低コスト化を図る。

【解決手段】複数の放電灯を点灯制御する放電灯点灯回路において、スイッチング素子のオン/オフ制御により、直流入力電圧を所望の直流電圧に変換するための直流−直流変換回路を複数(3_1、3_2)設ける。そして、各直流−直流変換回路を構成するそれぞれのスイッチング素子に対して制御回路7からの制御信号を供給するとともに、各スイッチング素子の導通又は非導通状態が、非同期の関係となるように制御する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 スイッチング素子のオン/オフ制御により、直流入力電圧を所望の直流電圧に変換するための直流−直流変換回路を複数備えるとともに、複数の放電灯を点灯制御する放電灯点灯回路において、上記直流−直流変換回路を構成するそれぞれのスイッチング素子の導通又は非導通状態が、非同期となるように制御されることを特徴とする放電灯点灯回路。
【請求項2】 請求項1に記載の放電灯点灯回路において、直流−直流変換回路を構成するそれぞれのスイッチング素子についてオン/オフ制御を行う制御回路が、異なる発振周波数の信号に基いた制御信号を各スイッチング素子にそれぞれ供給することを特徴とする放電灯点灯回路。
【請求項3】 請求項1に記載の放電灯点灯回路において、直流−直流変換回路を構成するそれぞれのスイッチング素子についてオン/オフ制御を行う制御回路が、位相のずれた発振信号に基く制御信号を各スイッチング素子にそれぞれ供給することを特徴とする放電灯点灯回路。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の放電灯について点灯制御を行う点灯回路において、リプル電流及びノイズを抑制するための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】放電灯(メタルハライドランプ等)の点灯回路の構成として、直流電源、直流−直流変換回路(DC−DCコンバータ)、直流−交流変換回路(フリッジ型回路等)、起動回路等を備えたものが知られているが、複数の放電灯、例えば、2つの放電灯について点灯制御を行うための点灯回路の構成形態としては、直流−直流変換回路と直流−交流変換回路とを組みとして含む回路を2組用意して、各回路で放電灯をそれぞれ点灯させる形態と、正極性出力が得られる直流−直流変換回路及び負極性出力が得られる直流−直流変換回路と1つの直流−交流変換回路を使って2つの放電灯を点灯させる形態が挙げられる。
【0003】いずれにしても、1つの制御回路を用いて2つの放電灯を個々に点灯制御できるので、構成の簡単化や低コスト化にとって有利となる。例えば、PWM(パルス幅変調)制御を採用する場合には、ある決められた周波数の鋸歯状波を発生させるとともに、放電灯にかかる電圧や電流を検出して、これらの検出信号をもとに演算される演算信号(直流電圧)を、当該鋸歯状波と比較(コンパレート)することにより制御信号を得る。そして、当該制御信号を、各直流−直流変換回路のスイッチング素子に供給してそのオン/オフ制御を行うことで当該素子についてのデューティー比(あるいはデューティーサイクル)を規定することができる(その結果、直流−直流変換回路の出力電圧が決定される。)。
【0004】図8はそのような回路の要部だけを示したものであり、一方の放電灯について検出される電圧検出信号及び電流検出信号に基く演算信号(これを「EA1」と記す。)がコンパレータC1に正入力として供給され、また、他方の放電灯について検出される電圧検出信号及び電流検出信号に基く演算信号(これを「EA2」と記す。)がコンパレータC2に正入力として供給される。
【0005】各コンパレータC1、C2の負入力端子に供給される鋸歯状波(これを「SAW」と記す。)については、例えば、抵抗RTとコンデンサCTによる時定数を利用した発振回路dで生成されるが、制御回路において発振回路の共用化を図ることで回路素子数を低減することができる。つまり、一方の直流−直流変換回路に対する制御信号を得るために使用する鋸歯状波と、他方の直流−直流変換回路に対する制御信号を得るために使用する鋸歯状波とを同一の信号とし、当該信号に対して、放電灯毎の演算信号EA1、EA2をそれぞれのコンパレータC1、C2で比較した結果(図に示す出力信号SO1、SO2)が各直流−直流変換回路を構成する個々のスイッチング素子に供給されることでそれらのオン/オフ制御がなされ、各々のデューティー比が決定される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した回路構成では、各直流−直流変換回路を構成する個々のスイッチング素子について、そのオン状態に同期関係が発生してしまうため、下記に示す不都合が発生する。
【0007】・リプル電流(あるいはリップル電流)の増大・ラジオ(周波数)ノイズが大きくなること。
【0008】図9は、上記した演算信号EA1、EA2の電位と、鋸歯状波SAWの波形、コンパレータC1の出力信号SO1、コンパレータC2の出力信号SO2について、波形及び位相関係の一例を示したものである。尚、信号SO1(又はSO2)については、信号EA1(又はEA2)の電位よりもSAWの電位の方が大きくなったときにL(ロー)レベルとなる。
【0009】信号SO1、SO2に基いて各直流−直流変換回路のスイッチング素子がオン/オフ制御されるため、両素子が同期してオン状態やオフ状態になると、直流−直流変換回路の入力段に設けられたコンデンサのリプル電流が大きくなり、当該コンデンサの大容量化や大型化、コスト上昇の原因となる。
【0010】また、リプル電流が大きくなるということは、ノイズ成分もそれに応じて大きくなることを意味し、よって、ノイズを抑制するための素子や部品の追加等を余儀なくされ、回路規模の大型化やコスト上昇を招くことになる。
【0011】そこで、本発明は、複数の放電灯の点灯制御を行う点灯回路において、リプル電流及びノイズの抑制及び小型化、低コスト化を課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した課題を解決するために、スイッチング素子のオン/オフ制御により、直流入力電圧を所望の直流電圧に変換するための直流−直流変換回路を複数備えるとともに、複数の放電灯を点灯制御する放電灯点灯回路において、直流−直流変換回路を構成するそれぞれのスイッチング素子の導通又は非導通状態が、非同期となるように制御するものである。
【0013】本発明によれば、直流−直流変換回路を構成するそれぞれのスイッチング素子に対して供給される信号が同期しないように制御することで、リプル電流やラジオノイズを抑制することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1及び図2は、本発明に係る放電灯点灯回路の基本構成について説明するための図である。
【0015】本発明は、複数の放電灯にかかる点灯制御を行うための点灯回路に関するものであり、例えば、2つの放電灯について点灯制御を行うための点灯回路の構成形態として、下記に示す態様が挙げられる。
【0016】(A)直流−直流変換回路及び直流−交流変換回路を含む回路を2組用意して、各回路によってそれぞれの放電灯の点灯制御を行う形態(B)正極性出力が得られる直流−直流変換回路と負極性出力が得られる直流−直流変換回路とを含む電源回路部と、1つの直流−交流変換回路を使って2つの放電灯のそれぞれを点灯させる形態。
【0017】図1は形態(A)の構成例を示すものであり、点灯回路1Aは、下記に示す構成要素を備えている(括弧内の数字は符号を示す。)。
【0018】・直流電源(2)
・直流−直流変換回路(3_1、3_2)
・直流−交流変換回路(4_1、4_2)
・起動回路(5_1、5_2)
・放電灯(6_1、6_2)
・制御回路(7)。
【0019】本構成では、放電灯6_1に対する回路として、直流−直流変換回路3_1、直流−交流変換回路4_1、起動回路5_1が設けられるとともに、放電灯6_2に対する回路として、直流−直流変換回路3_2、直流−交流変換回路4_2、起動回路5_2が設けられており、制御回路7が共通化されている。
【0020】つまり、放電灯点灯回路1Aにおいて、直流電源2から点灯スイッチ(図示せず。)を介して直流−直流変換回路3_1、3_2に直流電圧がそれぞれ供給された後、それらの出力電圧が直流−交流変換回路4_1、4_2にそれぞれ供給される。尚、各直流−直流変換回路については、当該回路を構成するスイッチング素子のオン/オフ制御により、直流入力電圧を所望の直流電圧に変換するための構成、例えば、スイッチングレギュレータの構成を有するDC−DCコンバータ(チョッパー式、フライバック式等。)の回路構成が挙げられる。また、直流−交流変換回路としては、ブリッジ型回路(フルブリッジ回路)等が挙げられるがその如何は問わない。
【0021】起動回路(所謂スターター回路)5_1は、放電灯6_1に対して起動パルスを供給する回路であり、当該起動パルスを直流−交流変換回路4_1の出力に重畳させた上で放電灯6_1に送出する。また、起動回路5_2は、放電灯6_2に対して起動パルスを供給する回路であり、当該起動パルスを直流−交流変換回路4_2の出力に重畳させた上で放電灯6_2に送出する。
【0022】制御回路7は、各放電灯の状態に応じた点灯制御を行うものであり、直流−直流変換回路3_1、3_2に対する制御信号を送出してそれらの出力電圧を制御したり、直流−交流変換回路4_1、4_2に対して制御信号を送出してそれらの交番動作について制御する。
【0023】図2は形態(B)の構成例を示すものであり、点灯回路1Bは、下記に示す構成要素を備えている(括弧内の数字は符号を示す。)。
【0024】・直流電源(2)
・直流−直流変換回路(3Bp、3Bm)
・直流−交流変換回路(4)
・起動回路(5_1、5_2)
・放電灯(6_1、6_2)
・制御回路(7)。
【0025】図1の点灯回路1Aとの相違点は、下記に示す通りである。
【0026】・直流−直流変換回路として、正極性の電圧出力を得るための回路部3Bp(DC−DCコンバータ)と、負極性の電圧出力を得るための回路部3Bm(DC−DCコンバータ)とが互いに並列の関係をもって配置されていること・直流−交流変換回路4が1つの回路(フルフリッジあるいはHブリッジ型回路等。)として共通化されていること・制御回路7が、回路部3Bp、3Bmに対してそれぞれ制御信号を送出することで、当該回路部内のスイッチング素子のオン/オフ制御がなされて出力電圧が制御されるとともに、制御回路7から直流−交流変換回路4に対して制御信号を送出してその交番動作について制御がなされること。
【0027】ところで、各直流−直流変換回路を構成するそれぞれのスイッチング素子については、制御回路7からの制御信号が供給されることで、当該素子のオン/オフ制御(あるいは導通、非導通の制御)が行われるが、その際に各素子の状態が同期してしまうと上記した不都合が生じるので、これを避けるには、異なる発振周波数の信号に基いた制御信号を各スイッチング素子に供給することが好ましい。
【0028】図3は、直流−直流変換回路の構成例(フライバック式)について要部を示したものであり、2つのトランスT1、T2を用いている。
【0029】トランスT1、T2の各一次巻線T1p、T2pは互いに並列の関係をもって接続されており、一次巻線T1pの一端がインダクタLを介して直流電源Eに接続され、T1pの他端にはスイッチング素子SW1(図にはスイッチの記号で示すが、電界効果トランジスタ等が用いられる。)が接続されている。また、一次巻線T2pの一端がインダクタLを介して直流電源Eに接続され、T2pの他端にはスイッチング素子SW2(図にはスイッチの記号で示すが、電界効果トランジスタ等が用いられる。)が接続されている。尚、スイッチング素子SW1、SW2には、制御回路7からの制御信号が供給されてそれらのスイッチング制御が行われるようになっている。
【0030】トランスT1、T2の前段にはコンデンサCが設けられており、図中に示す電流「IRP」は当該コンデンサに流れるリプル電流を示している。
【0031】尚、各トランスT1、T2の二次巻線T1s、T2sには、ダイオード及びコンデンサからなる整流平滑回路がそれぞれ設けられている。つまり、ダイオードD1のアノードが二次巻線T1sの一端に接続され、該ダイオードD1のカソードがコンデンサC1を介して二次巻線T1sの他端に接続されており、コンデンサC1の端子電圧が上記回路3_1の出力として得られる。また、ダイオードD2のカソードが二次巻線T2sの一端に接続され、該ダイオードD2のアノードがコンデンサC2を介して二次巻線T2sの他端に接続されており、コンデンサC2の端子電圧が上記回路3_2の出力として得られる。
【0032】図4は上記回路3Bp、3Bmの構成例を示したものであり、図3の構成との相違は、コンデンサC1の一端(二次巻線T1sとの接続点)とコンデンサC2の一端(二次巻線T2sとの接続点)とを接続して接地した点である。つまり、回路3Bpは、トランスT1、スイッチング素子SW1、ダイオードD1、コンデンサC1を備えており、C1から正極性の出力電圧が得られ、また、回路3Bmは、トランスT2、スイッチング素子SW2、ダイオードD2、コンデンサC2を備えており、C2から負極性の出力電圧が得られる。
【0033】図5はPWM(パルス幅変調)制御を採用した場合における制御回路の構成例についてその要部を示したものである。
【0034】図中に示す信号「S1」は、放電灯6_1について検出される電圧検出信号及び電流検出信号に基く演算信号を示しており、エラーアンプ8_1に負入力として供給される。また、信号「S2」は放電灯6_2について検出される電圧検出信号及び電流検出信号に基く演算信号であり、エラーアンプ8_2に負入力として供給される。尚、放電灯の電圧検出信号としては、例えば、直流−直流変換回路の出力電圧を分圧することで得られ、電流検出信号としては、直流−直流変換回路の出力電流で代用したり、あるいは放電灯に検出用抵抗(シャント抵抗)を接続して検出することができる。また、演算信号については、制御の内容に依存すること及び本発明に関する限り演算信号の生成方法の如何を問わないことから詳細な説明を省略する(例えば、特開平4−141988号公報、特開2001−6891号公報等を参照。)。
【0035】エラーアンプ8_1、8_2の正入力端子には、所定の基準電圧「Eref」がそれぞれ供給されており、エラーアンプ8_1の出力信号(これを「EA1」と記す。)が後段のコンパレータC1に正入力として供給される。また、エラーアンプ8_2の出力信号(これを「EA2」と記す。)が後段のコンパレータC2に正入力として供給される。
【0036】鋸歯状波の発生回路については、各コンパレータC1、C2に対して別々に設けられている。つまり、鋸歯状波発生回路9_1、9_2については、それらの発振周波数が異なっており、回路9_1によって生成される鋸歯状波がコンパレータC1の負入力端子に供給され、回路9_2によって生成される鋸歯状波がコンパレータC2の負入力端子に供給される。
【0037】回路9_1と9_2は、抵抗及びコンデンサによる時定数の違いを除いて同形の構成をしているので、以下では、一方の回路9_1についてのみ説明する(回路9_2については、符号部分「_1」を「_2」に、「RT1」を「RT2」に、「CT1」を「CT2」に、「C1」を「C2」にといった具合に、適宜読み替えれば良い。)。
【0038】抵抗RT1とコンデンサCT1は直列接続され、抵抗RT1の一端には所定の基準電圧(これを「Er1」と記す。)が供給され、当該抵抗RT1の他端がコンデンサCT1を介して接地されている。
【0039】コンパレータ10_1は、その正入力端子が抵抗RT1とコンデンサCT1の接続点に接続されるとともに、コンパレータC1の負入力端子に接続されている。また、コンパレータ10_1の負入力端子には、抵抗11_1を介して所定の基準電圧(これを「Er2」と記す。)が供給される。
【0040】コンパレータ10_1の出力信号は、2つのスイッチ素子(図には簡略記号で示すが、電界効果トランジスタによるアナログスイッチ等。)12_1、13_1に送出される。そして、スイッチ素子12_1が小抵抗14_1を介してコンパレータ10_1の正入力端子に接続され、スイッチ素子13_1が抵抗15_1を介してコンパレータ10_1の負入力端子に接続されている。
【0041】本例では、コンパレータC1の出力信号「SO1」に基いて一方の直流−直流変換回路のスイッチング素子がオン/オフ制御され、コンパレータC2の出力信号「SO2」に基いて他方の直流−直流変換回路のスイッチング素子がオン/オフ制御されるが、各抵抗RT1、RT2の抵抗値又は各コンデンサCT1、CT2の静電容量値をそれぞれ変えることによって(回路9_1、9_2についての時定数を異ならせる。)、2つのスイッチング周波数が異なるように設定し、各直流−直流変換回路のスイッチング素子についてオン/オフのタイミングをずらすこと(非同期関係)ができる。尚、当該オン/オフのタイミングが偶然に一致する瞬間も発生し得るが、これは一過性のものであるため、全体としては上記のリプル電流「IRP」を低減できる。
【0042】尚、直流−直流変換回路のスイッチング素子について、各素子のオン/オフ制御のタイミングを完全に非同期とする(つまり、オン/オフのタイミングが一致する瞬間が全くないようにする)ためには、例えば、図6に示す構成例が挙げられる。
【0043】図5に示した構成例との相違点は以下の通りである。
【0044】・1つの鋸歯状波発生回路9_1だけが設けられていること・コンパレータC1に対して、抵抗RT2及びコンデンサCT2が付設されており、RT2の一端に基準電圧Er1が供給され、その他端がコンパレータC1の負入力端子に接続されるとともにコンデンサCT2を介して接地されていること・コンパレータC2に対して、抵抗RT2及びコンデンサCT2が付設されており、RT2の一端に基準電圧Er1が供給され、その他端がコンパレータC2の負入力端子に接続されるとともにコンデンサCT2を介して接地されていること・RT1とCT1(回路9_1参照)による時定数の値が、RT2とCT2による時定数値の半分に設定されていること・鋸歯状波発生回路9_1に対して、Dフリップフロップ16、さらには2入力AND(論理積)ゲート17_1、17_2及びスイッチ素子18_1、18_2(アナログスイッチ等)が設けられていること。
【0045】尚、Dフリップフロップ16は、各直流−直流変換回路に対する制御の切替用に設けられたものであり、そのクロック信号入力端子(CK)が鋸歯状波発生回路9_1のコンパレータ10_1の出力端子に接続されており、Q出力信号が2入力ANDゲート17_1の一方の入力端子に供給される。また、そのQバー出力端子(図には記号「Q」にオーバーラインを付して示す。)がD入力端子に接続され(1ビットカウンタの構成とされる。)、Qバー出力信号が2入力ANDゲート17_2の一方の入力端子に供給される。
【0046】ANDゲート17_1、17_2の残りの入力端子はいずれも、鋸歯状波発生回路9_1のコンパレータ10_1の出力端子に接続されており、ANDゲート17_1の出力信号を受けてオン/オフされるスイッチ素子18_1がコンパレータC1の負入力端子に接続されている(つまり、コンパレータ10_1の出力信号とDフリップフロップ16のQ出力信号とがともにHレベルのときにスイッチ素子18_1がオンして、コンパレータC1の負入力端子がLレベルとなる。)。また、ANDゲート17_2の出力信号を受けてオン/オフされるスイッチ素子18_2がコンパレータC2の負入力端子に接続されている(コンパレータ10_1の出力信号とDフリップフロップ16のQバー出力信号とがともにHレベルのときにスイッチ素子18_2がオンして、コンパレータC2の負入力端子がLレベルとなる。)。
【0047】図7は、本回路の動作について説明するために、各部の波形及び位相関係を示したものであり、記号の意味は下記の通りである。
【0048】・「SAW」=鋸歯状波発生回路9_1により生成される鋸歯状波(その発振周波数はRT1及びCT1の時定数により規定される。)
・「SAW2_1」=RT2及びCT2によりコンパレータC1の負入力端子に供給される鋸歯状波・「SAW2_2」=RT2及びCT2によりコンパレータC2の負入力端子に供給される鋸歯状波尚、信号EA1、EA2やSO1、SO2については既述の通りである。
【0049】鋸歯状波発生回路9_1による鋸歯状波SAWが2回発生する度に、Dフリップフロップ16及びANDゲート17_1、17_2からなる論理回路によって、EA1(又はEA2)との比較用の鋸歯状波SAW2_1(又はSAW2_2)が1回発生して、コンパレータC1(又はC2)において両者の比較動作が行われる。つまり、SAW2_1とSAW2_2の位相が半周期分ずれており(ANDゲート17_1、17_2の各出力信号の位相関係による。)、例えば、SAW2_1がEA1の電位を超えたときにSO1がHレベルからLレベルに反転し、その後にSO1がLレベルからHレベルに反転する間、SO2はHレベルのままである(これとは逆に、SAW2_2がEA2の電位を超えたときにSO2がHレベルからLレベルに反転し、その後にSO2がLレベルからHレベルに反転する間、SO1はHレベルのままである。)。
【0050】このように、位相のずれた発振信号に基く制御信号を直流−直流変換回路の各スイッチング素子にそれぞれ供給することによって、各スイッチング素子についてオン/オフのタイミングが一致しないように制御することができるので、上記のリプル電流「IRP」をさらに改善することができる。
【0051】尚、以上の説明では、2つの放電灯を例にして説明したが、3以上の放電灯の点灯制御について本発明の内容を一般化して適用できることは勿論である。また、PWM制御に限らず、その他の制御方式(例えば、PFM:パルス周波数変調等)への適用も可能である。
【0052】
【発明の効果】以上に記載したところから明らかなように、請求項1に係る発明によれば、直流−直流変換回路を構成するそれぞれのスイッチング素子に対して供給される信号が同期しないように制御することで、リプル電流やラジオノイズを抑制することができ、よって、直流−直流変換回路に容量の大きなコンデンサを必要とせず、ノイズ対策に必要なコストが少なくて済むので、回路の小型化及び低コスト化の面で有利となる。
【0053】請求項2に係る発明によれば、異なる発振周波数の信号に基いた制御信号を各スイッチング素子にそれぞれ供給することによって、回路構成の複雑化を伴うことなく制御信号の非同期化を実現することができる。
【0054】請求項3に係る発明によれば、位相のずれた発振信号に基く制御信号を各スイッチング素子にそれぞれ供給することによって、発振周波数を変更することなく、同一の発振回路を用いて制御信号の非同期化をより確実に実現することができる。
【出願人】 【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
【出願日】 平成13年2月13日(2001.2.13)
【代理人】 【識別番号】100069051
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 祐治
【公開番号】 特開2002−237395(P2002−237395A)
【公開日】 平成14年8月23日(2002.8.23)
【出願番号】 特願2001−34978(P2001−34978)