| 【発明の名称】 |
発光素子及びイリジウム錯体 |
| 【発明者】 |
【氏名】五十嵐 達也
【氏名】木村 桂三
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| 【要約】 |
【課題】高効率発光素子およびそれを実現する新規金属錯体を提供する。
【解決手段】一対の電極間に発光層もしくは発光層を含む複数の有機化合物層を形成した発光素子において、少なくとも一層に遷移金属原子−燐原子間に結合を有する化合物を含有する発光素子および遷移金属原子−燐原子間に結合を有する金属錯体化合物。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一対の電極間に発光層もしくは発光層を含む複数の有機化合物層を形成した発光素子において、少なくとも一層に遷移金属原子−燐原子間に結合を有する化合物を含有することを特徴とする発光素子。 【請求項2】 一対の電極間に発光層もしくは発光層を含む複数の有機化合物層を形成した発光素子において、少なくとも一層に一般式(2)で表される化合物を含有することを特徴とする請求項1記載の発光素子。 【化1】
式中、R21は水素原子または置換基を表し、L21は配位子を表し、X21は対イオンを表す。n21は3〜5の整数を表し、n22は1〜8の整数を表し、n23は0〜8の整数を表し、n24は0〜6の整数を表す。n21、n22、n23、n24が複数の場合は、複数のR21、(R21)n21−P、L21、X21はそれぞれ同一であっても異なっても良い。 【請求項3】 遷移金属原子−燐原子間に結合を有する化合物が350nm以上550nm以下の発光極大波長(λmax)を有する化合物であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の発光素子。 【請求項4】 遷移金属原子−燐原子間に結合を有する化合物を含有する層が塗布プロセスで成膜されていることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載の発光素子。 【請求項5】 一般式(4)で表される化合物。 【化2】
R41、R42、R43、R44、R45は置換基を表す。L41は配位子を表す。X41は対アニオンを表し、m41、m42はそれぞれ0〜4の整数を表す。n41は0又は1を表す。 【請求項6】 一般式(5)で表される化合物。 【化3】
R51、R52、R53、R54、R55、R56はそれぞれ置換基を表す。Z51は連結基を表し、X51は対アニオンを表し、m51、m52はそれぞれ0〜4の整数を表す。 【請求項7】 一般式(6)で表される化合物。 【化4】
R61、R62、R63、R64、R65はそれぞれ置換基を表す。Z61は連結基を表す。m61、m62はそれぞれ0〜4の整数を表す。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電気エネルギーを光に変換して発光できる発光素子用材料および発光素子に関し、表示素子、ディスプレイ、バックライト、電子写真、照明光源、記録光源、露光光源、読み取り光源、標識、看板、インテリア、光通信等の分野に好適に使用できる発光素子に関する。また、青色領域に強い発光を示すイリジウム錯体に関するものである。 【0002】 【従来の技術】今日、種々の表示素子に関する研究開発が活発であり、中でも有機電界発光(EL)素子は、低電圧で高輝度の発光を得ることができるため、有望な表示素子として注目されている。例えば、有機化合物の蒸着により有機薄膜を形成する発光素子が知られている(アプライド フィジックス レターズ,51巻,913頁,1987年)。この文献に記載された発光素子はトリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム錯体(Alq)を電子輸送材料として用い、正孔輸送材料(アミン化合物)と積層させることにより、従来の単層型素子に比べて発光特性を大幅に向上させている。近年、有機EL素子をカラーディスプレイ、白色光源へと適用することが活発に検討されているが、高性能カラーディスプレイ、及び、白色光源を開発する為には青・緑・赤、それぞれの発光素子の特性を向上する必要が有る。発光素子特性向上の手段として、オルトメタル化イリジウム錯体(Ir(ppy)3:Tris−Ortho−Metalated Complex of Iridium(III)with2−Phenylpyridine)からの発光を利用した緑色発光素子が報告されている(Applied Physics Letters 75,4(1999).)。しかしながら、Ir(ppy)3緑色発光に限定されている為、ディスプレイとしての適用範囲が狭く、高効率で他色(青、赤)に発光する素子の開発が求められていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高効率発光素子の提供にあり、また、それを実現する新規金属錯体の提供にある。 【0004】 【課題を解決するための手段】この課題は下記手段によって達成された。 (1) 一対の電極間に発光層もしくは発光層を含む複数の有機化合物層を形成した発光素子において、少なくとも一層に遷移金属原子−燐原子間に結合を有する化合物を含有することを特徴とする発光素子。 (2) 一対の電極間に発光層もしくは発光層を含む複数の有機化合物層を形成した発光素子において、少なくとも一層に一般式(2)で表される化合物を含有することを特徴とする(1)記載の発光素子。 【0005】 【化5】
【0006】式中、R21は水素原子または置換基を表し、L21は配位子を表し、X21は対イオンを表す。n21は3〜5の整数を表し、n22は1〜8の整数を表し、n23は0〜8の整数を表し、n24は0〜6の整数を表す。n21、n22、n23、n24が複数の場合は、複数のR21、(R21)n21−P、L21、X21はそれぞれ同一であっても異なっても良い。 (3) 遷移金属原子−燐原子間に結合を有する化合物が350nm以上550nm以下の発光極大波長(λmax)を有する化合物であることを特徴とする(1)または(2) に記載の発光素子。 (4) 遷移金属原子−燐原子間に結合を有する化合物を含有する層が塗布プロセスで成膜されていることを特徴とする(1) 、(2) または(3)に記載の発光素子。 (5) 一般式(4)で表される化合物。 【0007】 【化6】
【0008】R41、R42、R43、R44、R45は置換基を表す。L41は配位子を表す。X41は対アニオンを表し、m41、m42はそれぞれ0〜4の整数を表す。n41は0又は1を表す。 (6) 一般式(5)で表される化合物。 【0009】 【化7】
【0010】R51、R52、R53、R54、R55、R56はそれぞれ置換基を表す。Z51は連結基を表し、X51は対アニオンを表し、m51、m52はそれぞれ0〜4の整数を表す。 (7) 一般式(6)で表される化合物。 【0011】 【化8】
【0012】R61、R62、R63、R64、R65はそれぞれ置換基を表す。Z61は連結基を表す。m61、m62はそれぞれ0〜4の整数を表す。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明する。本発明の発光素子は、遷移金属原子−燐原子間に結合を有する化合物(以下「本発明の化合物」という)を有する。遷移金属原子は特に限定しないが、好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金であり、より好ましくはレニウム、イリジウム、白金である。これらの遷移金属原子に結合する燐原子は、好ましくは燐配位子の一部を構成する。本発明の化合物が有する燐配位子としては、特に限定されず、種々の公知の燐配位子、及び、その誘導体を用いることができる(例えば、G.Wilkinson等著,Comprehensive Coordination Chemistry,Pergamon Press社1987年発行、H.Yersin著, 「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」 Springer-Verlag社1987年発行、山本明夫著「有機金属化学−基礎と応用−」裳華房社1982年発行等に記載の配位子など)。本発明の化合物が有する燐配位子としては、好ましくは、アルキルホスフィン及びその誘導体、アリールホスフィン及びその誘導体、ヘテロアリールホスフィン及びその誘導体、アルコキシホスフィン及びその誘導体、アリールオキシホスフィン及びその誘導体、ヘテロアリールオキシアミノホスフィン及びその誘導体、ホスフィニン(ホスファベンゼン)及びその誘導体、アミノホスフィン及びその誘導体である。 【0014】本発明の化合物は燐配位子以外に種々の公知の配位子を有することができる(例えば、G.Wilkinson等著,Comprehensive Coordination Chemistry,Pergamon Press社1987年発行、H.Yersin著,「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」 Springer-Verlag社1987年発行、山本明夫著「有機金属化学−基礎と応用−」裳華房社1982年発行等に記載の配位子など)。燐配位子以外の配位子としては、好ましくは、ハロゲン配位子(好ましくは塩素配位子)、含窒素ヘテロ環配位子(例えばフェニルピリジン、ベンゾキノリン、キノリノール、ビピリジル、フェナントロリンなど)、ジケトン配位子(例えばアセチルアセトンなど)、カルボン酸配位子(例えば酢酸配位子など)、一酸化炭素配位子、イソニトリル配位子、シアノ配位子であり、より好ましくは含窒素ヘテロ環配位子である。本発明の化合物は、化合物中に遷移金属原子を一つ有しても良いし、また、2つ以上有するいわゆる複核錯体であっても良い。異種の金属原子を同時に含有していても良い。また、本発明の化合物は、発光極大波長(λmax)が550nm以下350nm以上であることが好ましく、500nm以下380nm以上であることがより好ましく、480nm以下400nm以上であることがさらに好ましい。 【0015】本発明の化合物を含有する発光素子は、発光色の青色色純度の観点から、発光のCIE色度値のx値及びy値は小さい程好ましい。具体的には、発光のCIE色度値のx値は0.22以下であるのが好ましく、0.20以下であるのがより好ましい。また、発光のCIE色度値のy値は0.53以下であるのが好ましく、0.50以下であるのがより好ましく、0.40以下であるのが更に好ましい。本発明の化合物を含有する発光素子は、青色色純度の観点から、発光スペクトルの半値幅が1nm以上100nm以下であるのが好ましく、5nm以上90nm以下であるのがより好ましく、10nm以上80nm以下であるのがさらに好ましく、20nm以上70nm以下であるのが特に好ましい。 【0016】本発明の化合物の好ましい形態は、一般式(1)で表される化合物である。 【0017】 【化9】
【0018】一般式(1)で表される化合物に関して説明する。R1は水素原子または置換基を表し、M1は遷移金属イオンを表し、L1は配位子を表し、X1は対イオンを表す。n1は2又は3を表し、n2は1〜8の整数を表し、n3は0〜8の整数を表し、n4は0〜6の整数を表す。n1、n2、n3、n4 が複数の場合は、複数のR1、(R1)n1−P、L1、X1 はそれぞれ同一であっても異なっても良い。(R1)n1−P配位子同士、L1配位子同士、または(R1)n1−P配位子とL1配位子が結合してキレート配位子を形成してもよい。R1で表される置換基としては例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロアリールオキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロアリールチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(脂肪族ヘテロ環基、ヘテロアリール基が挙げられ、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリルなどが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、ホスフィノ基((好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜12、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基などが挙げられる)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。 【0019】複数のR1はそれぞれ結合して環構造を形成しても良い。また、R1基上の原子がM1と結合して、いわゆるキレート錯体を形成しても良い。R1とL1が結合してキレート配位子を形成してもよい。R1としては、好ましくはアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、置換アミノ基、ホスフィニン環(ホスファベンゼン環)を形成する基である。R1の少なくとも一つがアルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基であることが好ましく、アルコキシ基、アリールオキシ基がさらに好ましい。また、本発明の化合物に含有される燐配位子はキレート配位子が好ましい。M1は遷移金属原子を表す。遷移金属としては好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金であり、より好ましくは、レニウム、イリジウム、白金である。 【0020】L1は配位子を表す。L1としては、例えば、前記燐配位子以外に有しても良い配位子で説明した配位子が挙げられる。好ましくは、ハロゲン配位子(好ましくは塩素配位子)、含窒素ヘテロ環配位子(例えばフェニルピリジン、ベンゾキノリン、キノリノール、ビピリジル、フェナントロリンなど)、ジケトン配位子(例えばアセチルアセトンなど)、カルボン酸配位子(例えば酢酸配位子など)、一酸化炭素配位子、イソニトリル配位子、シアノ配位子であり、より好ましくは含窒素ヘテロ環配位子である。X1は対イオンを表す。対イオンとしては、特に限定されないが、好ましくはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、ハロゲンイオン、パークロレートイオン、PF6イオン、アンモニウムイオン(例えばテトラメチルアンモニウムイオンなど)である。n1は好ましくは3である。n2は好ましくは1〜3である。n3は好ましくは0〜3である。n4は好ましくは0〜3である。本発明の化合物は、一般式(2)、一般式(7)で表される化合物が好ましく(より好ましくは一般式(2)で表される化合物)、一般式(2)の中でも一般式(8)で表される化合物がより好ましく、一般式(3)で表される化合物が更に好ましい。一般式(3)で表される化合物は、一般式(4)、一般式(5)、一般式(6)で表される化合物が好ましく、一般式(5)で表される化合物が更に好ましい。 【0021】 【化10】
【0022】 【化11】
【0023】 【化12】
【0024】 【化13】
【0025】 【化14】
【0026】 【化15】
【0027】 【化16】
【0028】一般式(2)について説明する。R21、L21、X21、n21、n22、n23、n24は前記R1、L1、X1、n1、n2、n3、n4 とそれぞれ同義であり、好ましい範囲も同様である。一般式(2)で表される化合物のイリジウムの価数は特に限定しないが、3価が好ましい。化合物中にイリジウム原子を一つ有しても良いし、また、2つ以上有するいわゆる複核錯体であっても良いが(例えば、L21またはR21中にイリジウム原子を含んでも良い)、イリジウム原子を一つ有する化合物が好ましい。他の金属原子を同時に含有していても良いが、イリジウム原子のみを有する化合物が好ましい。 【0029】一般式(3)について説明する。R31、X31、n31は前記R1、X1、n1 とそれぞれ同義であり、好ましい範囲も同様である。複数のR31は同じであっても異なってもよい。R32、R33は置換基を表し、置換基としては、例えば、前記R1で説明した基が挙げられる。R32はアルキル基、アリール基、ハロゲン原子が好ましく、アルキル基、フッ素原子がより好ましい。R33は好ましくはアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基であり、より好ましくはアルキル基、アルコキシ基である。R32、R33中の原子はイリジウム原子と結合を有していても良い。m31、m32は0〜4の整数を表し、0〜2が好ましい。m31、m32が複数の場合、複数個のR32、R33はそれぞれ同一であっても異なっても良い。n34は0または1を表す。L31は単座配位の配位子、または、R31と結合してキレート構造を形成する配位子を表す。L31はハロゲン配位子、R31と結合してキレート構造を形成する配位子、シアノ配位子が好ましく、R31と結合してキレート構造を形成する配位子がより好ましい。n34は0または1を表す。L31がアニオン性配位子の場合、n31は0であり、L31が非イオン性配位子の場合、n31は1である。 【0030】一般式(4)について説明する。R41、R42、R43、R44、R45は置換基を表す。R41はアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基が好ましい。R44、R45の置換基の例、好ましい範囲は前記R1と同じである。R42、R43の置換基の例、好ましい範囲はそれぞれ前記R32、R33と同じである。L41は単座の配位子、または、R41またはR45と結合してキレート構造を形成する配位子を表す。L41としては、ハロゲン配位子、R41またはR45と結合してキレート構造を形成する配位子、及びシアノ配位子が好ましい。m41、m42はそれぞれm31、m32と同義であり、また、好ましい範囲も同様である。X41は前記X1と同義であり、また、好ましい範囲も同様である。n41は0又は1を表し、L41がアニオン性配位子の場合、n41は0であり、L41が非イオン性配位子の場合、n41は1である。 【0031】一般式(5)について説明する。R51、R52、R53、R54、R55、R56はそれぞれ置換基を表す。R51、R52の例、好ましい範囲は前記R32、R33とそれぞれ同じである。R53、R54、R55、R56はアルキル基、アリール基、アルコキシ基が好ましい。 【0032】Z51は連結基を表す。Z51としては例えば、アルキレン基(メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基など)、アルケニレン基(ビニレン基など)、アリーレン基(o−フェニレン基、2,3−ピリジレン基など)、酸素原子連結基、硫黄原子連結基、カルボニル連結基、スルホニル連結基、スルホキシド連結基、及びこれらを複数有する連結基(例えば、エチレンオキシ連結基、2,2−ビナフチル連結基、−O(C=O)O−基など)などが挙げられる。これらの連結基は更に置換基を有してもよい。置換基としては前記R1で説明した基が挙げられる。Z51は好ましくはアルキレン基、アリーレン基、酸素原子連結基、及びこれらを複数有する連結基であり、より好ましくはo−フェニレン基である。 【0033】X51は対アニオンを表し、対アニオンの例、好ましい範囲は前記X41と同じである。m51、m52はそれぞれ0〜4の整数を表し、好ましい範囲は前記m31、m32と同じである。 【0034】一般式(6)について説明する。R61、R62、R63、R64、R65はそれぞれ置換基を表す。R61、R62の例、好ましい範囲は前記R32、R33とそれぞれ同じである。R63、R64はアルキル基、アリール基、アルコキシ基が好ましい。R65はアリール基、ヘテロアリール基、アシル基、スルホニル基、ホスホニル基が好ましい。Z61は連結基を表し、好ましい範囲は前記Z51と同じである。m61、m62はそれぞれ0〜4の整数を表し、好ましい範囲は前記m31、m32と同じである。 【0035】一般式(7)について説明する。R71、L71、X71、n71は前記R1、L1、X1、n1と同義であり、好ましい範囲も同じである。n72は1〜4の整数を表し、1、2が好ましい。n73は0〜4の整数を表し、0、1が好ましい。n74は0〜2の整数を表し、0、1が好ましい。 【0036】一般式(8)について説明する。R81、R82、R83はそれぞれ前記R1と同義であり、好ましい範囲も同じである。L81、X81は前記L1、X1と同義であり、好ましい範囲も同じである。n81は1〜4の整数を表し、1、2が好ましい。n82は0〜3の整数を表し、0、1が好ましい。n83は1、2を表し、2が好ましい。n84は0、1を表す。 【0037】Q81は含窒素芳香環を形成する原子群を表す。Q81上に置換基を有していても良い(置換基としては前記R1で説明した基が挙げられる)。Q81で形成される含窒素芳香環としては、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピラゾール環、オキサゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、オキサジアゾール環、ベンズアゾール環(ベンズオキサゾール、ベンズイミダゾール、ベンズチアゾール)、キノリン環などが挙げられ、好ましくはピリジン環、ベンズアゾール環であり、より好ましくはピリジン環である。 【0038】Q82は芳香環を形成する原子群を表す。Q82上に置換基を有していても良い(置換基としては前記R1で説明した基が挙げられる)。Q82で形成される芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピリジン環、ピラジン環、キノリン環、チオフェン環、フラン環などが挙げられ、好ましくはベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、チオフェン環であり、より好ましくはベンゼン環である。 【0039】本発明の化合物は低分子化合物であっても良く、また、主鎖および/または側鎖に含まれる一般式(1)で表される繰り返し単位を有するいわゆるオリゴマー化合物、ポリマー化合物(質量平均分子量(ポリスチレン換算)は好ましくは1000〜5000000、より好ましくは2000〜1000000、さらに好ましくは3000〜100000である。)であっても良い。本発明の化合物は低分子化合物が好ましい。次に本発明の化合物例を示すが、本発明はこれに限定されない。 【0040】 【化17】
【0041】 【化18】
【0042】 【化19】
【0043】 【化20】
【0044】 【化21】
【0045】 【化22】
【0046】 【化23】
【0047】 【化24】
【0048】 【化25】
【0049】 【化26】
【0050】 【化27】
【0051】 【化28】
【0052】 【化29】
【0053】 【化30】
【0054】 【化31】
【0055】本発明の化合物は種々の手法で合成することができる。例えば、りん配位子、及び種々の配位子、またはその解離体と遷移金属化合物を溶媒(例えば、ハロゲン系溶媒、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、水などが挙げられる)の存在下、もしくは、溶媒非存在下、塩基の存在下(無機、有機の種々の塩基、例えば、ナトリウムメトキサイド、t−ブトキシカリウム、トリエチルアミン、炭酸カリウムなどが挙げられる)、もしくは、塩基非存在下、室温以下、もしくは加熱し(通常の加熱以外にもマイクロウェーブで加熱する手法も有効である)得ることができる。 【0056】次に、本発明の化合物を含有する発光素子に関して説明する。本発明の発光素子は、本発明の化合物を利用する素子であればシステム、駆動方法、利用形態など特に問わないが、本発明の化合物からの発光を利用するもの、または本発明の化合物を電荷輸送材料として利用するものが好ましい。代表的な発光素子として有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を挙げることができる。本発明の化合物を含有する発光素子の有機層の形成方法は、特に限定されるものではないが、抵抗加熱蒸着、電子ビーム、スパッタリング、分子積層法、コーティング法、インクジェット法、印刷法、転写法などの方法が用いられ、特性面、製造面で抵抗加熱蒸着、コーティング法が好ましい。 【0057】本発明の発光素子は陽極、陰極の一対の電極間に発光層もしくは発光層を含む複数の有機化合物層〔←薄膜〕を形成した素子であり、発光層のほか正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、保護層などを有してもよく、またこれらの各層はそれぞれ他の機能を備えたものであってもよい。各層の形成にはそれぞれ種々の材料を用いることができる。陽極は正孔注入層、正孔輸送層、発光層などに正孔を供給するものであり、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、またはこれらの混合物などを用いることができ、好ましくは仕事関数が4eV以上の材料である。具体例としては酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性金属酸化物、あるいは金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物または積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、およびこれらとITOとの積層物などが挙げられ、好ましくは、導電性金属酸化物であり、特に、生産性、高導電性、透明性等の点からITOが好ましい。陽極の膜厚は材料により適宜選択可能であるが、通常10nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは50nm〜1μmであり、更に好ましくは100nm〜500nmである。 【0058】陽極は通常、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、透明樹脂基板などの上に層形成したものが用いられる。ガラスを用いる場合、その材質については、ガラスからの溶出イオンを少なくするため、無アルカリガラスを用いることが好ましい。また、ソーダライムガラスを用いる場合、シリカなどのバリアコートを施したものを使用することが好ましい。基板の厚みは、機械的強度を保つのに十分であれば特に制限はないが、ガラスを用いる場合には、通常0.2mm以上、好ましくは0.7mm以上のものを用いる。陽極の作製には材料によって種々の方法が用いられるが、例えばITOの場合、電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、化学反応法(ゾルーゲル法など)、酸化インジウムスズの分散物の塗布などの方法で膜形成される。陽極は洗浄その他の処理により、素子の駆動電圧を下げたり、発光効率を高めることも可能である。例えばITOの場合、UV−オゾン処理、プラズマ処理などが効果的である。 【0059】陰極は電子注入層、電子輸送層、発光層などに電子を供給するものであり、電子注入層、電子輸送層、発光層などの負極と隣接する層との密着性やイオン化ポテンシャル、安定性等を考慮して選ばれる。陰極の材料としては金属、合金、金属ハロゲン化物、金属酸化物、電気伝導性化合物、またはこれらの混合物を用いることができ、具体例としてはアルカリ金属(例えばLi、Na、K等)及びそのフッ化物または酸化物、アルカリ土類金属(例えばMg、Ca等)及びそのフッ化物または酸化物、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金またはそれらの混合金属、リチウム−アルミニウム合金またはそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金またはそれらの混合金属、インジウム、イッテリビウム等の希土類金属等が挙げられ、好ましくは仕事関数が4eV以下の材料であり、より好ましくはアルミニウム、リチウム−アルミニウム合金またはそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金またはそれらの混合金属等である。陰極は、上記化合物及び混合物の単層構造だけでなく、上記化合物及び混合物を含む積層構造を取ることもできる。例えば、アルミニウム/フッ化リチウム、アルミニウム/酸化リチウムの積層構造が好ましい。陰極の膜厚は材料により適宜選択可能であるが、通常10nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは50nm〜1μmであり、更に好ましくは100nm〜1μmである。陰極の作製には電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、コーティング法などの方法が用いられ、金属を単体で蒸着することも、二成分以上を同時に蒸着することもできる。さらに、複数の金属を同時に蒸着して合金電極を形成することも可能であり、またあらかじめ調整した合金を蒸着させてもよい。陽極及び陰極のシート抵抗は低い方が好ましく、数百Ω/□以下が好ましい。 【0060】発光層の材料は、電界印加時に陽極または正孔注入層、正孔輸送層から正孔を注入することができると共に陰極または電子注入層、電子輸送層から電子を注入することができる機能や、注入された電荷を移動させる機能、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層を形成することができるものであれば何でもよく、また、一重項励起子、または、三重項励起子のいずれから発光する物であっても良い。例えばベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、スチリルベンゼン誘導体、ポリフェニル誘導体、ジフェニルブタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ナフタルイミド誘導体、クマリン誘導体、ペリレン誘導体、ペリノン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アルダジン誘導体、ピラリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ビススチリルアントラセン誘導体、キナクリドン誘導体、ピロロピリジン誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、スチリルアミン誘導体、芳香族ジメチリディン化合物、8−キノリノール誘導体の金属錯体や希土類錯体に代表される各種金属錯体等、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン誘導体、本発明の化合物等が挙げられる。発光層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。 【0061】本発明の化合物の発光層中における含有量は発光層全体の質量に対して0.1〜100質量%が好ましく、1〜50質量%がより好ましく、5〜30質量%がさらに好ましい。 【0062】発光層は単一化合物で形成されても良いし、複数の化合物で形成されても良い。また、発光層は一つであっても複数であっても良く、それぞれの層が異なる発光色で発光して、例えば、白色を発光しても良い。同一層で白色発光しても良い。発光層が複数の場合は、それぞれの発光層は単一材料で形成されていても良いし、複数の化合物で形成されていても良い。発光層の形成方法は、特に限定されるものではないが、抵抗加熱蒸着、電子ビーム、スパッタリング、分子積層法、コーティング法(スピンコート法、キャスト法、ディップコート法など)、インクジェット法、印刷法、LB法、転写法などの方法が用いられ、好ましくは抵抗加熱蒸着、コーティング法である。 【0063】正孔注入層、正孔輸送層の材料は、陽極から正孔を注入する機能、正孔を輸送する機能、陰極から注入された電子を障壁する機能のいずれか有しているものであればよい。その具体例としては、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、有機シラン誘導体、カーボン膜、本発明の化合物等が挙げられる。正孔注入層、正孔輸送層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。正孔注入層、正孔輸送層は上述した材料の1種または2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成または異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。正孔注入層、正孔輸送層の形成方法としては、真空蒸着法やLB法、前記正孔注入輸送剤を溶媒に溶解または分散させてコーティングする方法(スピンコート法、キャスト法、ディップコート法など)、インクジェット法、印刷法、転写法が用いられる。コーティング法の場合、樹脂成分と共に溶解または分散することができ、樹脂成分としては例えば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂などが挙げられる。 【0064】電子注入層、電子輸送層の材料は、陰極から電子を注入する機能、電子を輸送する機能、陽極から注入された正孔を障壁する機能のいずれか有しているものであればよい。その具体例としては、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン誘導体、本発明の化合物等が挙げられる。電子注入層、電子輸送層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。電子注入層、電子輸送層は上述した材料の1種または2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成または異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。電子注入層、電子輸送層の形成方法としては、真空蒸着法やLB法、前記電子注入輸送剤を溶媒に溶解または分散させてコーティングする方法(スピンコート法、キャスト法、ディップコート法など)、インクジェット法、印刷法、転写法などが用いられる。コーティング法の場合、樹脂成分と共に溶解または分散することができ、樹脂成分としては例えば、正孔注入輸送層の場合に例示したものが適用できる。 【0065】保護層の材料としては水分や酸素等の素子劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能を有しているものであればよい。その具体例としては、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金属、MgO、SiO、SiO2、Al2O3、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe2O3、Y2 O3、TiO2等の金属酸化物、SiNx、SiNxOy等の金属窒化物、MgF2、LiF、AlF3、CaF2等の金属フッ化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質等が挙げられる。保護層の形成方法についても特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、コーティング法、印刷法、転写法を適用できる。 【0066】 【実施例】以下に本発明の具体的実施例を述べるが、本発明の実施の態様はこれらに限定されない。 (1−1)の合成イリジウム錯体a(J. Am. Chem. Soc.1984, 106, 6647.に記載の方法を参考に調製)0.2g、トリフェニルホスフィン0.17gにクロロホルム20mlを加え、還流下、3時間攪拌した。室温に冷却した後、溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製し、淡黄色固体(1−1)0.1gを得た。酸素を脱気した後、(1−1)の発光を測定したところ(トルエン溶媒、5.0×10-6M)、発光のλmaxは470nmであった。同一条件下でイリジウム錯体aの発光を測定したが、発光は観測されなかった。 (1−13)の合成イリジウム錯体a0.2g、亜りん酸トリエチル0.12mlにクロロホルム20mlを加え、還流下、3時間攪拌した。室温に冷却した後、溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製し、淡黄色固体(1−13)0.13gを得た。酸素脱気下、(1−13)の発光を測定したところ(トルエン溶媒、5.0×10-6M)、発光のλmaxは465nmであった。 【0067】(1−61)の合成イリジウム錯体b(J. Am. Chem. Soc.1984, 106, 6647.に記載の方法を参考に調製)1.0g、ホスフィン配位子c1.2gにクロロホルム20mlを加え、還流下、3時間攪拌した。室温に冷却した後、溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルムで展開した後、クロロホルム/メタノール系で展開)で精製し、淡黄色固体0.8gを得た。この固体にメタノール30mlを加え、この溶液にNaClO4・H2O0.5gを加えた。析出した固体をろ別し、メタノールで洗浄した。クロロホルム/ヘキサン系で再結晶し、白色固体(1-61)0.5gを得た。NMRにより構造を確認した。酸素脱気下、(1-61)のりん光を測定したところ(トルエン溶媒、5.0×10-6M)、りん光のλmaxは440nmであり、りん光量子収率φは60%であった。 (1−70)の合成イリジウム錯体b0.2g、ホスフィン配位子d0.17gにクロロホルム10mlを加え、この溶液にナトリウムメトキサイドのメタノール溶液(28質量%)0.1mlを加えた。還流下、3時間攪拌し、室温に冷却した後、溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルムで展開した後、クロロホルム/メタノール系で展開)で精製し、黄色固体(1-70)0.1gを得た。マススペクトル測定により、(1-70)の構造を確認した。 【0068】 【化32】
【0069】 【化33】
【0070】 【化34】
【0071】比較例1ポリ(N−ビニルカルバゾール)40mg、PBD(2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール)12mg、化合物A 1mgをジクロロエタン2.5mlに溶解し、洗浄した基板上にスピンコートした(1500rpm、20sec)。有機層の膜厚は98nmであった。有機薄膜上にパターニングしたマスク(発光面積が4mm×5mmとなるマスク)を設置し、蒸着装置内でマグネシウム:銀=10:1を50nm共蒸着した後、銀50nmを蒸着した。東陽テクニカ製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流定電圧をEL素子に印加し発光させ、その輝度をトプコン社の輝度計BM−8、発光波長を浜松フォトニクス社製スペクトルアナライザーPMA−11を用いて測定した。その結果、ELmax=505nm、CIE色度値(x,y)=(0.27,0.57)の緑色発光が得られた。 【0072】 【化35】
【0073】比較例2化合物Aの代わりに化合物Bを用い、比較例1と同様に素子作製評価した。その結果、素子からの発光は全く得られなかった。 【0074】実施例1化合物Aの代わりに(1−13)を用い、比較例1と同様に素子作製評価した。その結果、ELmax=475nmの青色発光が得られた。 【0075】実施例2Baytron P(PEDOT-PSS溶液(ポリエチレンジオキシチオフェン−ポリスチレンスルホン酸ドープ体)/バイエル社製)を洗浄した基板上にスピンコートし(1000rpm、30sec)、150℃にて1.5時間、真空乾燥した。有機層の膜厚は70nmであった。ポリメチルメタクリレート10mg、化合物C20mg、本発明の化合物(1-61)1mgをジクロロエタン2mlに溶解し、洗浄した基板上にスピンコートした(1000rpm、20sec)。この基板を蒸着装置内に入れ、化合物Dを36nm蒸着した。有機薄膜上にパターニングしたマスク(発光面積が4mm×5mmとなるマスク)を設置し、フッ化リチウムを3nm蒸着した後、アルミニウムを400nm蒸着した。東陽テクニカ製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流定電圧をEL素子に印加し発光させ、その輝度をトプコン社の輝度計BM−8、発光波長を浜松フォトクス社製スペクトルアナライザーPMA−11を用いて測定した。その結果、ELmax=447nm、CIE色度値(x、y)=(0.19、0.19)の青色発光が得られた。素子の外部量子効率は0.5%であった。 【0076】実施例3化合物C20mgおよび本発明の化合物(1-61)1mgの代わりに、化合物C10mg、本発明の化合物(1-61)5mgおよび化合物D6mgを用い、実施例2と同様に素子作製評価した。その結果、ELmax=447nm、CIE色度値(x、y)=(0.19、0.24)の青色発光が得られた。素子の外部量子効率は1.3%であった。 【0077】実施例4洗浄したITO基板を蒸着装置に入れ、TPD(N,N'−ジフェニル−N,N'−ジ(m−トリル)−ベンジジン)を50nm蒸着し、この上に、化合物Cと本発明の化合物(1-70)を17対1の比率(質量比)で36nm共蒸着し、この上にアゾール化合物Dを36nm蒸着した。実施例2と同様に陰極蒸着し、素子作製した。その結果、CIE色度値(0.18、0.36)の青色発光が得られ、素子の外部量子効率は5.1%であった。 【0078】 【化36】
【0079】同様に、本発明の化合物を含有するEL素子を作製・評価することにより、従来の重金属錯体では難しかった青色発光EL素子が作製できる。またそれを応用し、白色発光素子も作製できる。また、非共役系高分子(例えば、ポリビニルカルバゾール)、共役系高分子(例えばポリフルオレン系化合物)などを含有する塗布型の高効率青色発光素子も作製できる。 【0080】 【発明の効果】本発明の青色発光素子は表示素子、ディスプレイ、バックライト、電子写真、照明光源、記録光源、露光光源、読み取り光源、標識、看板、インテリア等の分野に好適である。また、本発明の化合物は、医療用途、蛍光増白剤、写真用材料、UV吸収材料、レーザー色素、カラーフィルター用染料、色変換フィルター、光通信等にも適用可能である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005201 【氏名又は名称】富士写真フイルム株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年7月19日(2001.7.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100105647 【弁理士】 【氏名又は名称】小栗 昌平 (外4名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−170684(P2002−170684A) |
| 【公開日】 |
平成14年6月14日(2002.6.14) |
| 【出願番号】 |
特願2001−219909(P2001−219909) |
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