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【発明の名称】 コネクタ
【発明者】 【氏名】齋藤 寧

【要約】 【課題】フラットケーブルの導体に対するその接触位置を維持できるようにする。

【解決手段】このコネクタ20は、ハウジング21に支持される支持部22aと、この支持部22aに連なる二股形状のフォーク状端子22の接続端部22b,22cとを有し、接続端部22b,22c間にフラットケーブル1の導体3を挟み込んでこの導体との電気的接続がとられるものであって、接続端部22b,22cの少なくとも一方に導体3に食い込み可能な突起部分22dを設けている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ハウジングに支持される支持部と、この支持部に連なる二股形状の接続端部とを有し、接続端部間にフラットケーブルを挟み込んで該フラットケーブルの導体との電気的接続がとられるコネクタであって、接続端部の少なくとも一方にフラットケーブルの導体に食い込み可能な突起部分を設けたことを特徴とするコネクタ。
【請求項2】 上記突起部分は、フラットケーブルの導体に対向する側の狭角が150°よりも小さいものであることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【請求項3】 上記突起部分は、フラットケーブルの導体に対向する側に半径が0.4mmよりも小さいアールを有するものであることを特徴とする請求項1又は2記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、OA機器、家電製品、自動車の内部配線等に使用されるコネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】図5は従来のコネクタの構成の一例を示す側断面図であって、(a)はフラットケーブルの嵌合開始状態、(b)はフラットケーブルの嵌合時の状態をそれぞれ示している。
【0003】図に示すように、OA機器、家電製品、自動車の内部配線等に使用されるコネクタ200は、ハウジング201と、ハウジング201から支持されるフォーク状端子202とからなり、このフォーク状端子202は、さらにハウジング201に固定される支持部202aと、支持部202aから二股に分岐された接続端部202b,202cとを備え、接続端部202b,202c間にフラットケーブル100を挟み込んでその導体103との電気的接続がとられる構造となっている。
【0004】そして、この接続端部202b,202c間に導体103を、楔型のレリーフ104で支持しながら挿入することで、接続端部202b,202c間の距離を押し広げ、これにより図中のxだけ変位した接続端部202b,202cの反力にて接圧F1,F1を発生させるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のコネクタ200では、その使用に伴う劣化現象により接圧F1,F1が徐々に低下してくる傾向にある。例えば、コネクタ200が導体103に対して、当初は正規の接圧となるように設定されていたとしても、その後の使用温度における応力緩和によって接圧F1,F1が徐々に低下してくる。この現象は使用温度が常温であっても生じるものである。その対策として、接続端部202b,202cの弾性範囲内での使用等が考えられるが、温度条件の厳しい車載のナビゲーションシステムやステレオ等に使用する場合には、かかる対策では十分とはいえない。
【0006】すなわち、車載のナビゲーションシステム等は、昼夜間或いはスイッチオンオフ間で0〜100℃程度もの温度勾配があるという厳しい温度条件にさらされるが、通常接続端部202b,202c、導体103及びレリーフ104間では、それぞれ熱膨張率の異なる材料が用いられているので、熱膨張と熱収縮とが繰り返されることとなる結果、例えば図中の上腕側にある接続端部202bと導体103との間の接触点がずれてくることがある。その理由は、例えば当初接続端部202bは清浄な状態の導体103上で接触点が正規の位置に設定されているが、その後の温度変化や振動等によって接続端部202bが僅かに移動することで、導体103表面に形成された酸化皮膜上に接触点が乗ってしまうからである。この繰り返し等により、接続端部202bと導体103との間の接触抵抗が高くなる現象が見られる。
【0007】本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたもので、フラットケーブルの導体に対するその接触位置を維持できるコネクタを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、ハウジングに支持される支持部と、この支持部に連なる二股形状の接続端部とを有し、接続端部間にフラットケーブルを挟み込んで該フラットケーブルの導体との電気的接続がとられるコネクタであって、接続端部の少なくとも一方にフラットケーブルの導体に食い込み可能な突起部分を設けたことを特徴とするものである。
【0009】上記構成によれば、コネクタの接続端部の少なくとも一方にフラットケーブルの導体に食い込み可能な突起部分が設けられたので、その使用に伴う劣化による接触位置の移動が抑制される。すなわち、温度勾配が大きい場合であって、接続端部及び導体間で熱膨張率の異なる材料が用いられていたとしても、フラットケーブルの導体に上記突起部分が食い込むことで、接続端部と導体間との接触点がずれてくることがないので、接圧位置がほぼ一定に維持される。
【0010】例えば、請求項2記載の発明のように、上記突起部分は、フラットケーブルの導体に対向する側の狭角が150°よりも小さいものであることとするか、或いは、請求項3記載の発明のように、上記突起部分は、フラットケーブルの導体に対向する側に半径が0.4mmよりも小さいアールを有するものであることとすればよい。
【0011】
【発明の実施の形態】図2は本発明の一実施形態に係るコネクタが適用されるフラットケーブルの端末構造の斜視図である。
【0012】図2に示すように、本実施形態に係るフラットケーブル1は、OA機器、家電製品、自動車の内部配線等に使用されるものであって、ベースフィルム2上に略角線状の導体3,3,…を布線することによって、複数条の導体パターンを形成した後、この導体パターン上にカバーレイフィルム4を貼り合わせて形成される。なお、図2中では、説明の便宜上、導体本数は3本しか示していないが、実際には、導体3,3,…は0.5〜1.25mmピッチで50本程度有しているものもある。
【0013】このフラットケーブル1の端末部分10は、後述するコネクタ20に電気的に接続されるように、導体露出部11を有し、この導体露出部11を補強するための補強板12がその裏面側に貼り付けられている。即ち、導体露出部11では、カバーレイフィルム4を切り欠いており、導体3,3,…の各先端部が所定長だけ露出している。導体3,3,…は例えば銅又は銅合金製である。
【0014】図1は本実施形態のコネクタの全体構成とこのコネクタにフラットケーブルの端末部分を嵌合させるときの様子とを示す図であって、(a)は嵌合前の状態を示す平面図、(b)は(a)のX−X線断面図、(c)は(b)の嵌合時の状態を示す部分断面図である。
【0015】コネクタ20は、図1(a)に示すように、フラットケーブル1の導体3,3,…に対応する端子数を有するものである。その形状は、図1(b)に示すように、導体3,3,…の挿入側が開放された断面コの字状のハウジング21内に導体3,3,…にそれぞれ対応するフォーク状端子22,22,…が設定されている。
【0016】各フォーク状端子22の支持部22aはハウジング21に形成された所定の挿通孔21aに嵌合されることにより固定されている。その支持部22aから二股に分岐して互いに内側に向かう突起部分22dを有する接続端部22b,22cが形成されており、この接続端部22b,22cが弾性的に開閉することにより上記導体3を挿抜可能に保持するように構成されている。
【0017】そして、導体3のフォーク状端子22への挿入により、図1(c)に示すように、フォーク状端子22の接続端部22b,22cが開き、導体3にはフォーク状端子22の接続端部22b,22cからの反力による接圧F,Fがかかり、これにより導体3が保持される。
【0018】ここで、上記突起部分22dは、導体3に対向する側の狭角(接触点角度)θに制限を設けているが、その角度については、導体3をフォーク状端子22の接続端部22bに嵌合させるときの変位量に対応する接触抵抗Rを測定することにより決定した。その測定結果を図3に示している。なお、接続端部22bのみの変位量に対応する接触抵抗Rを測定としたのは、端末部分10の裏面側に貼り付けた補強板12の硬度が導体3の硬度よりも非常に低いため、後述する突起部分22dの導体3への食い込み作用を測定できないからである。実際には、導体3の嵌合時の接続端部22c,22d間の変位量は端末部分10の厚さt1を、接触点での接続端部22c,22d間距離t2から差し引いた値であり、このときの接触抵抗Rが接触点における突起部分22dと導体3との間の上記接圧Fに対応している。
【0019】図3の横軸は接触点角度θ(°)を、縦軸は接触抵抗R(mΩ)をそれぞれ示している。同図において、コネクタ20の使用開始時に相当する初期には、接触抵抗Rの最大値(MAX)、平均値(AVE)、最小値(MIN)のいずれもが、接触点角度θの如何に関わらず、ほとんどない状態を保っている(図中の表示は平均値で代表させている)。一方、コネクタ20の所定時間使用後に相当する耐久後では、接触抵抗Rの最大値(MAX)、平均値(AVE)、最小値(MIN)のいずれもが、接触点角度θが150°になるまでは、その角度の増加に伴い徐々に増加しているが、接触点角度θが150°を超えると、急激に増加している。
【0020】このように接触点角度θが150°で急激に変化するのは、これ以下の角度では、突起部分22dが導体3に食い込み、外的要因、例えば温度変化や振動による微摺動に対し動きにくくなっているが、この角度を超えると突起部分22dが導体3に食い込みにくくなり、外的要因に対し動き易くなるからである。したがって、接触角度θは150°以下とするのが望ましいことがわかる。
【0021】また上記突起部分22dを金型で打ち抜いて製造する場合には、導体3に対向する側で必ずアールを有するものとなるが、そのアール半径rについては、導体3をフォーク状端子22の接続端部22bに嵌合させるときの上記変位量に対応する接触抵抗R’を測定することにより決定した。その測定結果を図4に示している。
【0022】図4の横軸は接触点でのアール半径r(mm)を、縦軸は接触抵抗R’(mΩ)をそれぞれ示している。同図において、コネクタ20の使用開始時に相当する初期には、接触抵抗R’の最大値(MAX)、平均値(AVE)、最小値(MIN)のいずれもが、アール半径rの如何に関わらず、ほとんどない状態を保っている(図中の表示は平均値で代表させている)。一方、コネクタ20の所定時間使用後に相当する耐久後には、接触抵抗R’の最大値(MAX)、平均値(AVE)、最小値(MIN)のいずれもが、アール半径rが0.3mmになるまでは、その半径の増加に伴い徐々に増加しているが、アール半径rが0.3mmを超えると、急激に増加している。
【0023】このようにアール半径rが0.3mmより大きい点で急激に変化するのは、これ以下の半径では、突起部分22dが導体3に食い込み、外的要因、例えば温度変化や振動による微摺動に対し動きにくくなっているが、この半径を超えると突起部分22dが導体3に食い込みにくくなり、外的要因に対し動き易くなるからである。一方、金型を使用しての製作誤差等を考慮すれば、上記アール半径rは0.2mm以上とすることがさらに好ましい。したがって、アール半径rは0.2mm以上0.4mm未満とするのが最適であることがわかる。
【0024】以上のように、本実施形態のコネクタ20によれば、接続端部22b,22cの少なくとも一方にフラットケーブル1の導体3に食い込み可能な突起部分22dが設けられたので、その使用に伴い温度勾配が大きい環境下で用いられる場合であって、フォーク状端子22,22,…及び導体3,3,…間でそれぞれ熱膨張率の異なる材料が用いられていたとしても、導体3に上記突起部分22dが食い込むことで、接続端部22c,22dと導体3間との接触点がずれてくることがないので、その接圧位置がほぼ一定に維持される。その結果、コネクタ20の耐久性を大幅に向上させることができる。
【0025】なお、上記実施形態では、コネクタ20のフォーク状端子22,22,…は両接続端部22b,22cが突起部分22dを有するものとしているが、そのうちの一方のみに突起部分を形成し、他方はストレート形状をなすものとしてもよく、その場合でも、もともと突起部分22dの形状は、接続端部22bのみの変位量に基づいて決定しているので、突起部分22dを上述した通りの形状とすれば足りる。さらに、レリーフとの組み合わせで構成される図5のコネクタに適用してもよい。この場合、上記突起部分の条件を図5の202dの部分に適用すればよい。
【0026】また、上記実施形態では、突起部分22dは、導体3に対向する側の狭角(接触点角度)θが150°よりも小さいものであって、かつ、アール半径rが0.4mmよりも小さいものであることとしているが、少なくともいずれか一方の条件を満たせばよい。
【0027】また、上記実施形態では、フラットケーブル1の端末部分10の裏面側に補強板12を貼り付けているが、この代わりに楔型のレリーフで端末部分10を支持するととしてもよい。
【0028】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、コネクタの使用に伴う劣化時の温度勾配が大きい場合であって、接続端部及び導体間で熱膨張率の異なる材料が用いられていたとしても、フラットケーブルの導体に上記突起部分が食い込むことで、接続端部と導体間との接触点がずれてくることがなくなるので、接圧位置をほぼ一定に維持することができる。その結果、コネクタの耐久性を大幅に向上させることができる。
【出願人】 【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
【出願日】 平成12年12月14日(2000.12.14)
【代理人】 【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司 (外2名)
【公開番号】 特開2002−184539(P2002−184539A)
【公開日】 平成14年6月28日(2002.6.28)
【出願番号】 特願2000−380456(P2000−380456)