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【発明の名称】 マグネトロン
【発明者】 【氏名】村尾 則行

【氏名】三木 一樹

【氏名】長谷川 節雄

【氏名】中井 聡

【氏名】岡田 則幸

【要約】 【課題】作業性を向上させ、ろう付け性能を確実にすることで、確実に金属容器内を真空状態に封止できるマグネトロンを提供することを課題とする。

【解決手段】カソード1を支持しステム絶縁体6に固着される一対のカソードリード2を真空の筒状金属容器11内からステム絶縁体6内部まで延設した内部リード8と、内部リード8の一部を挿入して接続されステム絶縁体6の外側に延設した外部リード9とによって構成し、内部リード8を接続した側の外部リード9の端部と封止金属板10との間に隙間14を形成したことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アノード部に気密接合され真空容器の一部を構成する筒状金属容器と、該筒状金属容器の開口端部がその周囲に気密接合されるステム絶縁体と、前記アノード部の中心軸部にフィラメントが配置されたカソードと、該カソードを支持し前記ステム絶縁体に固着される一対のカソードリードと、前記ステム絶縁体の真空容器側の面に設けられ前記カソードリード外周に密着して設けられた封止金属板とを具備するマグネトロンにおいて、前記カソードリードは、真空容器内からステム絶縁体内部まで延設した内部リードと、該内部リードの一部を挿入して接続され前記ステム絶縁体の外側に延設した外部リードとによって構成し、前記内部リードを接続した側の前記外部リードの端部と前記封止金属との間に隙間を形成したことを特徴とするマグネトロン。
【請求項2】 前記隙間は、前記外部リードの端部外側壁から拡がる方向に傾斜していることを特徴とする請求項1記載のマグネトロン。
【請求項3】 アノード部に気密接合され真空容器の一部を構成する筒状金属容器と、該筒状金属容器の開口端部がその周囲に気密接合されるステム絶縁体と、前記アノード部の中心軸部にフィラメントが配置されたカソードと、該カソードを支持し前記ステム絶縁体に固着される一対のカソードリードと、前記ステム絶縁体の真空容器側の面に設けられ前記カソードリード外周に密着して設けられた封止金属板とを具備するマグネトロンにおいて、前記カソードリードは、真空容器内からステム絶縁体内部まで延設した内部リードと、該内部リードの一部を挿入して接続され前記ステム絶縁体の外側に延設した外部リードとによって構成し、前記ステム絶縁体内のカソードリードが挿通する穴には、前記内部リードを接続した側の前記外部リードの端部が当接する当接部を形成したことを特徴とするマグネトロン。
【請求項4】 前記外部リードの端部と当接部との間にろう材を介在させたことを特徴とする請求項3記載のマグネトロン。
【請求項5】 前記ろう材は、前記外部リードの端部を略全体に当接することを特徴とする請求項4記載のマグネトロン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子レンジ等に搭載されマイクロ波を発生させるマグネトロンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電子レンジ用マグネトロンのカソード部分は、例えば特開平6−223726号公報(H01J 23/05)に記載の如く、アノード部に気密接合され真空容器の一部を構成する筒状金属容器と、筒状金属容器の開口を気密接合したセラミックからなるステム絶縁体と、アノード部の中心軸部にフィラメントが配置されたカソードと、カソードを支持しステム絶縁体に固着される一対のカソードリードとを備え、カソードリードはステム絶縁体内部まで挿入し、そこからカソードリードを内側に挿入して接続される外部端子が設けてある。そしてこの外部端子は、ステム絶縁体の外側に突出するように延設してある。また、ステム絶縁体の上面には封止金属板がカソードリード外周に密着して外部から入り込む空気をシールしている。そして、カソードリードを挿入している側の外部リードの先端は、封止金属板の底面に当接している。
【0003】しかしながら、このような構造のマグネトロンでは、製造工程において、外部リードが外部に露出しており、作業員が作業をする際にこの外部リードに触れることがある。この時、外部リードがステム絶縁体内部に押さえられた場合、外部リードは封止金属板と当接しているため、ろう付け前であればの作業員の力によって封止金属板を押し上げることになり、封止金属板を変形させ、ステム絶縁体と封止金属板との間に隙間を形成してしまう。即ち、ステム絶縁体上面と封止金属板との間に行うろう付けにおいて、ろう付けした部分とろう付けできない部分とが生じて筒状金属容器内を真空に保てないといった問題があた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、作業性を向上させ、ろう付け性能を確実にすることで、確実に金属容器内を真空状態に封止できるマグネトロンを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1によると、アノード部に気密接合され真空容器の一部を構成する筒状金属容器と、該筒状金属容器の開口端部がその周囲に気密接合されるステム絶縁体と、前記アノード部の中心軸部にフィラメントが配置されたカソードと、該カソードを支持し前記ステム絶縁体に固着される一対のカソードリードと、前記ステム絶縁体の真空容器側の面に設けられ前記カソードリード外周に密着して設けられた封止金属板とを具備するマグネトロンにおいて、前記カソードリードは、真空容器内からステム絶縁体内部まで延設した内部リードと、該内部リードの一部を挿入して接続され前記ステム絶縁体の外側に延設した外部リードとによって構成し、前記内部リードを接続した側の前記外部リードの端部と前記封止金属との間に隙間を形成したことを特徴とする。
【0006】また、請求項2の構成によると、前記隙間は、前記外部リードの端部外側壁から拡がる方向に傾斜していることを特徴とする。
【0007】上記構成において、作業員が作業中に外部リードをステム絶縁体内部に押さえた場合、若干外部リードは封止金属板側に押さえられるが、外部リード先端と封止金属板との間には隙間があるため、多少動いたとしても封止金属板に当接して、更には封止金属板を押し上げてしまうことがない。従って、封止金属板とステム絶縁体とは離れることが無く、確実にろう付けすることができる。
【0008】また、封止金属板とステム絶縁体とをろう付けした場合、ろう材が隙間の外側壁を伝わって少しずつ流れ込むようになり、外側壁を垂直にした場合に比べて少量であるため、内部リードと外部リードとの間にも流れ込みやすく、確実にろう付けすることができる。
【0009】更に、請求項3の構成によると、アノード部に気密接合され真空容器の一部を構成する筒状金属容器と、該筒状金属容器の開口端部がその周囲に気密接合されるステム絶縁体と、前記アノード部の中心軸部にフィラメントが配置されたカソードと、該カソードを支持し前記ステム絶縁体に固着される一対のカソードリードと、前記ステム絶縁体の真空容器側の面に設けられ前記カソードリード外周に密着して設けられた封止金属板とを具備するマグネトロンにおいて、前記カソードリードは、真空容器内からステム絶縁体内部まで延設した内部リードと、該内部リードの一部を挿入して接続され前記ステム絶縁体の外側に延設した外部リードとによって構成し、前記ステム絶縁体内のカソードリードが挿通する穴には、前記内部リードを接続した側の前記外部リードの端部が当接する当接部を形成したことを特徴とする。
【0010】また、請求項4の構成によると、前記外部リードの端部と当接部との間にろう材を介在させたことを特徴とする。
【0011】更に、請求項5の構成によると、前記ろう材は、前記外部リードの端部を略全体に当接することを特徴とする。
【0012】上記構成において、作業員が作業中に外部リードをステム絶縁体内部に押さえた場合、外部リードは封止金属板側に押さえられるが、外部リード先端はステム絶縁体内部に形成した当接部に当接して、封止金属板側への移動を規制するようにしているので、封止金属板側に移動することが無く、外部リードによって封止金属板を押し上げてしまうことがない。従って、封止金属板とステム絶縁体とは離れることが無く、確実にろう付けすることができる。
【0013】また、外部リードと当接部との間にろう材を介在させたので、外部リードと内部リードとのろう付けを確実に行うことができる。
【0014】更に、外部リードの端部全体にろう付けすることができるので、確実に接合することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の第1実施例について、図1及び図2に基づき詳述する。
【0016】図1は、本発明の第1実施例を示すマグネトロンの要部縦断面図、図2は、図1における要部を拡大した拡大断面図である。
【0017】1は、一対のカソードリード2の両端間にトップハット3及びエンドハット4を介して挟持されたフィラメント5で構成されるカソードで、該カソード1は、前記カソードリード2からの給電を受けることによって前記フィラメント5から熱電子が放射される。
【0018】6は、アルミナセラミック等から成る高耐熱性のステム絶縁体で、一対の貫通孔7に前記カソードリード2が挿通してある。
【0019】8は、エンドハット4からステム絶縁体6内まで延びる一対の内部リードで、9は、一対の前記内部リード8の先端をそれぞれ挿入し前記ステム絶縁体6内からステム絶縁体6外部に延設した円筒状の一対の外部リードである。前記カソードリード2は、これらの内部リード8と外部リード9とから構成されている。
【0020】10は、前記カソードリード2の内部リード8側からの外気の侵入を封止するための封止金属板で、該封止金属板10は、互いの内部リード8を電気的に分離し、前記貫通孔7の周縁に形成された前記内部リード8の接合部にろう付けによって気密接合されている。
【0021】11は、アノード部(図示せず)に気密接合され真空容器の一部を構成する筒状金属容器で、該筒状金属容器11の開口端部12は、前記ステム絶縁体6の筒状金属容器11側の表面外周縁に形成された前記筒状金属容器11の接合部にろう付けされ気密接合されている。
【0022】13は、前記ステム絶縁体6の前記カソードリード2との接合部と前記筒状金属容器11の接合部との間に環状に形成された凹溝で、該凹溝13はカソードリード2から出力される熱電子が筒状金属容器11側に放電しないように、ステム絶縁体6の表面積を増やすために形成している。また、前記カソードリード2の接合部と、前記筒状金属容器11の接合部は、前記ステム絶縁体6の同一平面上になるように形成されるとともに、各々の接合部の表面はモリブデン(Mo)とマンガン(Mn)とがペーストされたものが塗布され、更に乾燥焼成工程を行った後、ろう付けを向上させるためのニッケル(Ni)メッキが施されメタライズ層が形成される。
【0023】14は、前記内部リード8側壁、前記外部リード9端部、ステム絶縁体6、及び封止金属板10下面によって形成される隙間で、該隙間14は、外部リード9端部が上方に移動できるように空間を形成している。また、前記隙間14は、外部リード9端部から封止金属板10までのステム絶縁体6の側壁を外方向に傾斜させてすり鉢状に形成してある。
【0024】上述する構成により、カソード1を製造する際、作業員が外部リード9に触れて外部リード9を封止金属板10側に押さえたとしても、隙間14を形成することによって、封止金属板10がステム絶縁体6から離れるまで押し上げることはなく、従って、封止金属板10とステム絶縁体6とをろう付けする際にも空間が形成されることが無く確実に接合することができる。
【0025】また、前記隙間14はすり鉢状に形成してあるため、ステム絶縁体6と封止金属板10とをろう付けした際に、ろう材がこの傾斜を伝わって少量ずつ流れ込むことにより、内部リード8と外部リード9との間にろう材が流れ込みやすく、確実にこれらを接合することができる。
【0026】次に本発明の第2実施例について、図3及び図4に基づき説明をする。図3は、本発明の第2実施例を示すマグネトロンの要部縦断面図、図3は、図2における要部を拡大した拡大断面図である。尚、第1実施例と同一の構成については同一の図番を付し、異なる部分についてのみ説明をする。
【0027】20は、前記内部リード8、及び前記内部リード8を挿入して接合される円筒状の外部リード9を挿通させるための貫通孔で、該貫通孔20の内側壁は上部の内径が小さく下部の内径が大きくなるように途中に段が形成されている。また、この段が形成されている部分には、外部リード9の外径と略同径のリング状のろう材21を介在して外部リード9を配置させている。そして、この段が形成された部分を当接部22と称し、当接することによって外部リード9の上方への移動を規制している。
【0028】上述する構成により、第2実施例では、カソード2を製造する際、作業員が外部リード9に触れて外部リード9を封止金属板10側に押さえたとしても、挿通孔20内側壁に当接部22が形成してあることで外部リード9を封止金属板10側に押し上げることはなく、よって外部リード9によって封止金属板10をステム絶縁体6から離してしまうことがなく、従って、封止金属板10とステム絶縁体6とをろう付けする際にも空間が形成されることが無く確実に接合することができる。
【0029】また、外部リード9の端部にこの端部の外径と略同径のろう材を介在したので、内部リード8と外部リード9との接合が確実になる。
【0030】
【発明の効果】本発明の請求項1によると、カソードリードを内部リードと内部リードの一部を挿入して接続される外部リードとによって構成し、内部リードを接続した側の外部リードの端部と封止金属との間に隙間を形成したので、作業員が作業中に外部リードに触れて外部リードをステム絶縁体側に押さえた場合でも、隙間が形成してあるために封止金属板を押し上げてしまうことがない。従って、作業性が向上すると共に外部リードによって封止金属板とステム絶縁体とは離れることが無く、確実にろう付けすることができる等の効果を奏する。
【0031】また、請求項2の構成によると、隙間は、外部リードの端部外側壁から拡がる方向に傾斜しているので、封止金属板とステム絶縁体とをろう付けした場合、ろう材が隙間の外側壁を伝わって少しずつ流れ込むようになり、外側壁を垂直にした場合に比べてろう材が少量ずつ流れ、内部リードと外部リードとの間に流れ込みやすく、確実にろう付けすることができる等の効果を奏する。
【0032】更に、請求項3の構成によると、カソードリードは、内部リードと内部リードの一部を挿入して接続される外部リードとによって構成し、ステム絶縁体内のカソードリードが挿通する穴には、内部リードを接続した側の外部リードの端部が当接する当接部を形成したので、作業員が作業中に外部リードをステム絶縁体内部に押さえた場合、外部リードは封止金属板側に押さえられるが、外部リード先端はステム絶縁体内部に形成した当接部に当接して、封止金属板側への移動を規制するようにしているので、封止金属板側に移動することが無く、外部リードによって封止金属板を押し上げてしまうことがない。従って、作業性が向上すると共に封止金属板とステム絶縁体とは離れることが無く、確実にろう付けすることができる等の効果を奏する。
【0033】また、請求項4の構成によると、外部リードの端部と当接部との間にろう材を介在させたので、外部リードと内部リードとのろう付けを確実に行うことができる等の効果を奏する。
【0034】更に、請求項5の構成によると、ろう材は、外部リードの端部を略全体に当接するので、外部リードの端部全体にろう付けすることができるので、確実に接合することができる等の効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【出願日】 平成12年8月9日(2000.8.9)
【代理人】 【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
【公開番号】 特開2002−56783(P2002−56783A)
【公開日】 平成14年2月22日(2002.2.22)
【出願番号】 特願2000−240510(P2000−240510)