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【発明の名称】 プラズマディスプレイパネル
【発明者】 【氏名】谷口 均志

【氏名】雨宮 公男

【氏名】三枝 信彦

【要約】 【課題】誤放電を防止して表示する画像の品質を向上させることができるプラズマディスプレイパネルを提供する。

【解決手段】前面ガラス基板10に複数の行電極対(X,Y)が設けられているとともに保護層12が形成されており、背面ガラス基板13に行電極対(X,Y)と交差する部分の放電空間Sにそれぞれ放電セルCを構成する複数の列電極Dが設けられているとともにこの背面ガラス基板13の放電空間に面する側に蛍光体層16が形成されているプラズマディスプレイパネルにおいて、前面ガラス基板10と背面ガラス基板13の間の各放電セルCに面する位置に、プライミング粒子を放出するプライミング粒子放出手段が配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 放電空間を挟んで前面基板と背面基板が対向され、前面基板に行方向に延び列方向に並設されてそれぞれ表示ラインを形成する複数の行電極対が設けられているとともにこの前面基板の放電空間に面する側に保護誘電体層が形成されており、背面基板に列方向に延び行方向に並設されて行電極対と交差する部分の放電空間にそれぞれ単位発光領域を構成する複数の列電極が設けられているとともにこの背面基板の放電空間に面する側に蛍光体層が形成されているプラズマディスプレイパネルにおいて、前記前面基板と背面基板の間の前記各単位発光領域に面する位置に、プライミング粒子を放出するプライミング粒子放出手段が配置されていることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
【請求項2】 前記プライミング粒子放出手段が、前記保護誘電体層を形成する誘電体よりも2次電子放出係数が高い材料によって形成された2次電子放出層によって構成されている請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項3】 前記保護誘電体層を形成する誘電体よりも2次電子放出係数が高い材料が前記蛍光体層に含有されることによって、前記2次電子放出層が蛍光体層と一体的に形成されている請求項2に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項4】 前記前面基板と背面基板との間に配置された隔壁によって放電空間が単位発光領域ごとに仕切られ、前記2次電子放出層が隔壁の側壁面に形成されている請求項2に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項5】 前記前面基板と背面基板との間に配置された隔壁によって放電空間が単位発光領域ごとに仕切られ、隔壁に保護誘電体層を形成する誘電体よりも2次電子放出係数が高い材料が含有されることによって、前記2次電子放出層が隔壁と一体的に形成されている請求項2に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項6】 前記2次電子放出層が前記前面基板と蛍光体層との間に配置されている請求項2に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項7】 前記背面基板と蛍光体層の間に列電極を被覆する誘電体層が形成され、この誘電体層に前記保護誘電体層を形成する誘電体よりも2次電子放出係数が高い材料が含有されることによって、前記2次電子放出層が誘電体層と一体的に形成されている請求項2に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項8】 前記プライミング粒子放出手段が、前記保護誘電体層を形成する誘電体よりも2次電子放出係数が高い材料によって形成された2次電子放出層と、所要の波長を有する紫外線によって励起されて紫外線を放射し続ける残光特性を有する紫外域発光蛍光体によって形成された紫外域発光層、または、所要の波長を有する紫外線によって励起されて可視光を放射し続ける残光特性を有する可視域発光蛍光体によって形成された可視域発光層とによって構成されている請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項9】 前記保護誘電体層を形成する誘電体よりも2次電子放出係数が高い材料が前記紫外域発光層または可視域発光層に含有されることによって、前記2次電子放出層が紫外域発光層または可視域発光層と一体的に形成されている請求項8に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項10】 前記紫外域発光蛍光体が前記蛍光体層に含有されることによって、前記紫外域発光層が蛍光体層と一体的に形成されている請求項8に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項11】 前記保護誘電体層を形成する誘電体よりも2次電子放出係数が高い材料および紫外域発光蛍光体が前記蛍光体層に含有されることによって、前記2次電子放出層および紫外域発光層が蛍光体層と一体的に形成されている請求項8に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項12】 前記紫外域発光層を形成する紫外域発光蛍光体または可視域発光層を形成する可視域発光蛍光体が、0.1msec以上の残光特性を有する発光材料である請求項8ないし11の何れかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項13】 前記プライミング粒子放出手段が、前記行電極対と対向する位置において行方向に延びるように形成されて、列方向において隣接する単位発光領域の放電空間に臨まされている請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項14】 前記プライミング粒子放出手段が、行方向において隣接する単位発光領域の間の位置に列方向に延びるように形成されて、行方向において隣接する単位発光領域の放電空間に臨まされている請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項15】 行方向に延びる横壁部と列方向に延びる縦壁部とからなり前記前面基板と背面基板との間に配置された隔壁によって放電空間が単位発光領域ごとに仕切られ、前記プライミング粒子放出手段が前面基板と隔壁の縦壁部との間に形成されている請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項16】 行方向に延びる横壁部と列方向に延びる縦壁部とからなり前記前面基板と背面基板との間に配置された隔壁によって放電空間が単位発光領域ごとに仕切られ、前記プライミング粒子放出手段が前面基板と隔壁の縦壁部との間に形成されている請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項17】 前記前面基板と背面基板との間に配置された列方向に延びる帯状の隔壁によって列方向において隣接する単位発光領域が仕切られており、前記プライミング粒子放出手段が行電極の本体部と対向する位置において行方向に延びるように形成されている請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項18】 前記前面基板の行方向または列方向において隣接する単位発光領域の間の非発光領域に対向する部分であって前記紫外域発光層または可視域発光層に対して背面基板と反対側位置に光吸収層が形成されている請求項8に記載のプラズマディスプレイパネル。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、マトリクス表示方式のプラズマディスプレイパネルに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】近年、大型でかつ薄型のカラー画面表示装置として、マトリクス表示方式のプラズマディスプレイパネル(以下、PDPという)が注目を集めている。このようなマトリクス表示方式のディスプレイパネルとしては、AC型のPDPが知られている。
【0003】このAC型のPDPは、前面基板の内面にそれぞれ一表示ラインを構成するように形成された複数の行電極対と、前面基板と放電空間を介して対向する背面基板の内面に形成されて行電極対と直交する方向に配列された複数の列電極とを備えており、行電極対と列電極との各交差点において、互いにマトリクス状に配列された放電セルが形成される構造になっている。
【0004】そして、これらの行電極対と列電極が放電空間に対して誘電体層によって被覆され、また、背面基盤の内面の列電極上に蛍光体層が形成されている。
【0005】このようなPDPにおいて中間調を表示させるための方法として、従来、1フィールドの表示期間をNビットの表示データの各ビット桁の重み付けに対応した回数だけ発光するN個のサブフィールドに分割する、いわゆる、サブフイールド法が知られている。
【0006】このサブフイールド法において、各サブフィールドは、図12に示されるように、それぞれ、一斉リセット期間Rcとアドレス期間Wc,維持放電期間Icによって構成されている。
【0007】先ず、一斉リセット期間Rcでは、互いに対をなす行電極X1-nとY1-n間にリセットパルスRPx,RPyが一斉に印加されることによって、全ての放電セルにおいて一斉に放電が行われ、これによって、一旦、各放電セル内に所定量の壁電荷が形成される。
【0008】次のアドレス期間Wcでは、行電極対の一方の行電極Y1-nに、順次、走査パルスSPが印加されるとともに、列電極D1-mに、各表示ライン毎に表示データに対応した表示データパルスDP1-nが印加されて、選択放電(選択消去放電)が生起される。
【0009】このとき、各放電セルは、表示データに対応して、消去放電が発生せずに壁電荷が形成されたままの発光セルと、消去放電が発生して壁電荷が消滅した非発光セルとに分けられる。
【0010】次の維持発光期間Icでは、互いに対をなす行電極X1-nとY1-n間に維持パルスIPx,IPyが各サブフィールドの重み付けに対応した数だけ印加され、これによって、壁電荷が残留したままの発光セルのみが、印加される維持パルスIPx,IPyの数に対応した数だけ維持放電を繰り返す。
【0011】そして、前面基板と背面基板の間の放電空間内には、キセノンXeを5体積パーセントだけ含むNe−Xeガスが封入されており、維持放電によってキセノンXeから波長147nmの真空紫外線が放射される。
【0012】PDPにおける画像表示は、この真空紫外線により背面基板上に形成された蛍光体層が励起されて可視光が発生されることによって行われる。
【0013】ここで、上記のようなPDPは、サブフイールド法の一斉リセット期間Rcにおけるリセット放電によって全ての放電セルの放電空間内にプライミング粒子(荷電粒子)が形成されるが、このプライミング粒子は時間の経過とともに減少してゆくために、一斉リセットが動作された後、次の選択動作が行われる(走査パルスSPが印加される)までの時間間隔が長くなってしまう表示ライン(例えば、最終走査ラインとなるn行目の表示ライン)ほどプライミング粒子が少なくなってしまう。
【0014】このため、このようなプライミング粒子が少ない放電セルにおいては、放電遅れ時間が増大したり、また、放電遅れ時間のばらつきが増大したりするために、アドレス期間Wcにおける選択放電動作が不安定になって誤放電が生じ易くなり、このために、表示される画像の品質が悪化するという問題がある。
【0015】この発明は、上記のような従来のプラズマディスプレイパネルにおける問題点を解決するために為されたものである。すなわち、この発明は、誤放電を防止して表示する画像の品質を向上させることができるプラズマディスプレイパネルを提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】第1の発明によるプラズマディスプレイパネルは、上記目的を達成するために、放電空間を挟んで前面基板と背面基板が対向され、前面基板に行方向に延び列方向に並設されてそれぞれ表示ラインを形成する複数の行電極対が設けられているとともにこの前面基板の放電空間に面する側に保護誘電体層が形成されており、背面基板に列方向に延び行方向に並設されて行電極対と交差する部分の放電空間にそれぞれ単位発光領域を構成する複数の列電極が設けられているとともにこの背面基板の放電空間に面する側に蛍光体層が形成されているプラズマディスプレイパネルにおいて、前記前面基板と背面基板の間の前記各単位発光領域に面する位置に、プライミング粒子を放出するプライミング粒子放出手段が配置されていることを特徴としている。
【0017】この第1の発明によるプラズマディスプレイパネルは、一斉リセット期間に、互いに対をなす行電極間にリセットパルスが一斉に印加されることによって全ての単位発光領域において一斉に放電が行われて、各単位発光領域内に所定量の壁電荷が形成される。
【0018】次のアドレス期間に、行電極対の一方の行電極に順次走査パルスが印加されるとともに、列電極に各表示ライン毎に表示データに対応した表示データパルスが印加されて、選択放電が生起される。
【0019】このとき、各放電セルは、表示データに対応して、消去放電が発生せずに壁電荷が形成されたままの発光セルと、消去放電が発生して壁電荷が消滅した非発光セルとに分けられる。
【0020】次の維持発光期間に、互いに対をなす行電極間に維持パルスが印加されて壁電荷が残留したままの発光セルのみが維持放電を行うことにより、画像の形成が行われる。
【0021】そして、このプライミング粒子放出手段から2次電子や励起粒子,イオンなどのプライミング粒子が単位発光領域の放電空間内に放出される。
【0022】したがって、保護誘電体層を構成する誘電体の2次電子放出係数が低い場合であっても、プライミング粒子放出手段が設けられていることによって、放電空間内に放出されるプライミング粒子の量が増加されて、アドレス期間においても十分なプライミング粒子量が確保される。
【0023】以上のように上記第1の発明によれば、プライミング粒子放出手段によって、アドレス期間において十分なプライミング粒子量が確保されるので、一斉リセット期間が終了した後、次のアドレス期間において走査パルスが印加されるまでの時間間隔が長くなってしまう表示ラインにおいても、放電遅れ時間が増大するのを抑制することが出来、さらに、放電遅れ時間にばらつきが生じるのを抑制することが出来るので、走査パルスや表示データパルスのパルス幅が狭くなっても、アドレス期間における選択放電動作が不安定になって誤放電が発生するのを防止して、高品質な画像の形成を行うことが出来るようになる。
【0024】第2の発明によるプラズマディスプレイパネルは、前記目的を達成するために、第1の発明の構成に加えて、前記プライミング粒子放出手段が、前記保護誘電体層を形成する誘電体よりも2次電子放出係数が高い材料によって形成された2次電子放出層によって構成されていることを特徴としている。
【0025】この第2の発明によるプラズマディスプレイパネルによれば、画像形成時のリセット放電の際に、各単位発光領域の蛍光体層から放射される可視光線によって、2次電子放出層を形成する2次電子放出係数の高い(仕事関数が低い)材料が励起されて、この2次電子放出層から2次電子が単位発光領域の放電空間内に放出されるので、保護誘電体層を構成する誘電体の2次電子放出係数が低い場合であっても、2次電子放出層が設けられていることによって、放電空間内に放出される2次電子の量が増加されて、アドレス期間においても十分なプライミング粒子量が確保される。
【0026】第3の発明によるプラズマディスプレイパネルは、前記目的を達成するために、第2の発明の構成に加えて、前記保護誘電体層を形成する誘電体よりも2次電子放出係数が高い材料が前記蛍光体層に含有されることによって、前記2次電子放出層が蛍光体層と一体的に形成されていることを特徴としており、これによって、画像形成時のリセット放電の際に、各単位発光領域の蛍光体層において、この蛍光体層を形成する蛍光材料から放射される可視光線によってこの蛍光体層に含有される2次電子放出係数が高い材料が励起されて2次電子が単位発光領域の放電空間内に放出されて、アドレス期間においても十分なプライミング粒子量が確保される。
【0027】第4の発明によるプラズマディスプレイパネルは、前記目的を達成するために、第2の発明の構成に加えて、前記前面基板と背面基板との間に配置された隔壁によって放電空間が単位発光領域ごとに仕切られ、前記2次電子放出層が隔壁の側壁面に形成されていることを特徴としており、これによって、隔壁の側壁面に形成された2次電子放出層から、この2次電子放出層が隔壁によって仕切られた列方向または行方向において隣接する単位発光領域の放電空間内に2次電子が放出されて、この単位発光領域内に十分なプライミング粒子量が確保される。
【0028】第5の発明によるプラズマディスプレイパネルは、前記目的を達成するために、第2の発明の構成に加えて、前記前面基板と背面基板との間に配置された隔壁によって放電空間が単位発光領域ごとに仕切られ、隔壁に保護誘電体層を形成する誘電体よりも2次電子放出係数が高い材料が含有されることによって、前記2次電子放出層が隔壁と一体的に形成されていることを特徴としており、これによって、隔壁と一体に形成された2次電子放出層から、この2次電子放出層が隔壁によって仕切られた列方向または行方向において隣接する単位発光領域の放電空間内に2次電子が放出されて、この単位発光領域内に十分なプライミング粒子量が確保される。
【0029】第6の発明によるプラズマディスプレイパネルは、前記目的を達成するために、第2の発明の構成に加えて、前記2次電子放出層が前記前面基板と蛍光体層との間に配置されていることを特徴としており、この前面基板と蛍光体層との間に位置する2次電子放出層から、それぞれの単位発光領域内に2次電子が放出される。
【0030】第7の発明によるプラズマディスプレイパネルは、前記目的を達成するために、第2の発明の構成に加えて、前記背面基板と蛍光体層の間に列電極を被覆する誘電体層が形成され、この誘電体層に前記保護誘電体層を形成する誘電体よりも2次電子放出係数が高い材料が含有されることによって、前記2次電子放出層が誘電体層と一体的に形成されていることを特徴としており、これによって、誘電体層と一体に形成された2次電子放出層からそれぞれの単位発光領域の放電空間内に2次電子が放出される。
【0031】第8の発明によるプラズマディスプレイパネルは、前記目的を達成するために、第1の発明の構成に加えて、前記プライミング粒子放出手段が、前記保護誘電体層を形成する誘電体よりも2次電子放出係数が高い材料によって形成された2次電子放出層と、所要の波長を有する紫外線によって励起されて紫外線を放射し続ける残光特性を有する紫外域発光蛍光体によって形成された紫外域発光層、または、所要の波長を有する紫外線によって励起されて可視光を放射し続ける残光特性を有する可視域発光蛍光体によって形成された可視域発光層とによって構成されていることを特徴としている。
【0032】この第8の発明によるプラズマディスプレイパネルによれば、画像形成時のリセット放電の際に、放電空間に封入された放電ガスから放射される紫外線により紫外域発光層または可視域発光層が励起されて、紫外線または可視光線が放射される。
【0033】そして、この紫外域発光層または可視域発光層は、この紫外域発光層を形成する紫外域発光蛍光体または可視域発光層を形成する可視域発光蛍光体の残光特性によって紫外線または可視光線を放射し続けるため、この紫外線または可視光線によって保護誘電体層および2次電子放出層から2次電子がアドレス期間中放出されて、各単位発光領域におけるプライミング粒子量の減少が抑制され、これによって、放電遅れ時間が増大するのが抑制されるとともに、放電遅れ時間にばらつきが生じるのが抑制される。
【0034】第9の発明によるプラズマディスプレイパネルは、前記目的を達成するために、第8の発明の構成に加えて、前記保護誘電体層を形成する誘電体よりも2次電子放出係数が高い材料が前記紫外域発光層または可視域発光層に含有されることによって、前記2次電子放出層が紫外域発光層または可視域発光層と一体的に形成されていることを特徴としており、これによって、紫外域発光層または可視域発光層と一体に形成された2次電子放出層からそれぞれの単位発光領域の放電空間内に2次電子が放出される。
【0035】第10の発明によるプラズマディスプレイパネルは、前記目的を達成するために、第8の発明の構成に加えて、前記紫外域発光蛍光体が前記蛍光体層に含有されることによって、前記紫外域発光層が蛍光体層と一体的に形成されていることを特徴としており、これによって、蛍光体層と一体的に形成された紫外域発光層からそれぞれの単位発光領域の放電空間内に、この紫外域発光層を形成する紫外域発光蛍光体が有する残光特性によって、紫外線が放射し続けられる。
【0036】第11の発明によるプラズマディスプレイパネルは、前記目的を達成するために、第8の発明の構成に加えて、前記保護誘電体層を形成する誘電体よりも2次電子放出係数が高い材料および紫外域発光蛍光体が前記蛍光体層に含有されることによって、前記2次電子放出層および紫外域発光層が蛍光体層と一体的に形成されていることを特徴としており、これによって、画像形成時のリセット放電の際に、各単位発光領域の蛍光体層において、この蛍光体層を形成する蛍光材料から放射される可視光線によってこの蛍光体層に含有される2次電子放出係数が高い材料が励起されて2次電子が単位発光領域の放電空間内に放出されるとともに、この蛍光体層と一体的に形成された紫外域発光層から、この紫外域発光層を形成する紫外域発光蛍光体が有する残光特性によって紫外線が放射し続けられることによって、蛍光体層と一体的に形成された2次電子放出層から2次電子がアドレス期間中放出され続ける。
【0037】第12の発明によるプラズマディスプレイパネルは、前記目的を達成するために、第8ないし11の発明の構成に加えて、前記紫外域発光層を形成する紫外域発光蛍光体または可視域発光層を形成する可視域発光蛍光体が、0.1msec以上の残光特性を有する発光材料であることを特徴としており、これによって、一斉リセット期間の終了後、次のアドレス期間中、プライミング粒子を再生成して、各単位発光領域におけるプライミング粒子量の減少を抑制することが出来る。
【0038】第13の発明によるプラズマディスプレイパネルは、前記目的を達成するために、第1の発明の構成に加えて、前記プライミング粒子放出手段が、前記行電極対と対向する位置において行方向に延びるように形成されて、列方向において隣接する単位発光領域の放電空間に臨まされていることを特徴としており、これによって、プライミング粒子放出手段からこのプライミング粒子放出手段が列方向において隣接する単位発光領域の放電空間内にプライミング粒子が放出されるので、この単位発光領域内に十分なプライミング粒子量が確保される。
【0039】第14の発明によるプラズマディスプレイパネルは、前記目的を達成するために、第1の発明の構成に加えて、前記プライミング粒子放出手段が、行方向において隣接する単位発光領域の間の位置に列方向に延びるように形成されて、行方向において隣接する単位発光領域の放電空間に臨まされていることを特徴としており、これによって、プライミング粒子放出手段からこのプライミング粒子放出手段が行方向において隣接する単位発光領域の放電空間内にプライミング粒子が放出されるので、この単位発光領域内に十分なプライミング粒子量が確保される。
【0040】第15の発明によるプラズマディスプレイパネルは、前記目的を達成するために、第1の発明の構成に加えて、行方向に延びる横壁部と列方向に延びる縦壁部とからなり前記前面基板と背面基板との間に配置された隔壁によって放電空間が単位発光領域ごとに仕切られ、前記プライミング粒子放出手段が前面基板と隔壁の縦壁部との間に形成されていることを特徴としており、これによって、プライミング粒子放出手段からこのプライミング粒子放出手段が列方向において隣接する隔壁によって仕切られた単位発光領域の放電空間内にプライミング粒子が放出されるので、この単位発光領域内に十分なプライミング粒子量が確保される。
【0041】第16の発明によるプラズマディスプレイパネルは、前記目的を達成するために、第1の発明の構成に加えて、行方向に延びる横壁部と列方向に延びる縦壁部とからなり前記前面基板と背面基板との間に配置された隔壁によって放電空間が単位発光領域ごとに仕切られ、前記プライミング粒子放出手段が前面基板と隔壁の縦壁部との間に形成されていることを特徴としており、これによって、プライミング粒子放出手段からこのプライミング粒子放出手段が行方向において隣接する隔壁によって仕切られた単位発光領域の放電空間内にプライミング粒子が放出されるので、この単位発光領域内に十分なプライミング粒子量が確保される。
【0042】第17の発明によるプラズマディスプレイパネルは、前記目的を達成するために、第1の発明の構成に加えて、前記前面基板と背面基板との間に配置された列方向に延びる帯状の隔壁によって列方向において隣接する単位発光領域が仕切られており、前記プライミング粒子放出手段が行電極の本体部と対向する位置において行方向に延びるように形成されていることを特徴としており、これによって、プライミング粒子放出手段からこのプライミング粒子放出手段が列方向において隣接する単位発光領域の放電空間内にプライミング粒子が放出されるので、この単位発光領域内に十分なプライミング粒子量が確保される。
【0043】第18の発明によるプラズマディスプレイパネルは、前記目的を達成するために、第8の発明の構成に加えて、前記前面基板の行方向または列方向において隣接する単位発光領域の間の非発光領域に対向する部分であって前記紫外域発光層または可視域発光層に対して背面基板と反対側位置に光吸収層が形成されていることを特徴としており、これによって、前面基板を通して入射してくる外光が画像の非表示域において反射されるのを防止して、表示画面のコントラストを向上させることができる。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、この発明の最も好適と思われる実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明を行う。
【0045】図1ないし6は、この発明によるプラズマディスプレイパネル(以下、PDPという)の実施形態の第1の例を示すものであって、図1はこの第1の例におけるPDPを模式的に表す平面図であり、図2は図1のV1−V1線における断面図、図3は図1のV2−V2線における断面図、図4は図1のW1−W1線における断面図、図5は図1のW2−W2線における断面図、図6は図1のW3−W3線における断面図である。
【0046】この図1ないし6に示されるPDPは、表示面である前面ガラス基板10の背面に、複数の行電極対(X,Y)が、前面ガラス基板10の行方向(図1の左右方向)に延びるように平行に配列されている。
【0047】行電極Xは、T字形状に形成されたITO等の透明導電膜からなる透明電極Xaと、前面ガラス基板10の行方向に延びて透明電極Xaの狭小の基端部に接続された金属膜からなるバス電極Xbによって構成されている。
【0048】行電極Yも同様に、T字形状に形成されたITO等の透明導電膜からなる透明電極Yaと、前面ガラス基板10の行方向に延びて透明電極Yaの狭小の基端部に接続された金属膜からなるバス電極Ybによって構成されている。
【0049】この行電極XとYは、前面ガラス基板10の列方向(図1の上下方向)に交互に配列されており、バス電極XbとYbに沿って並列されたそれぞれの透明電極XaとYaが、互いに対となる相手の行電極側に延びて、透明電極XaとYaの幅広部の頂辺が、それぞれ所要の幅の放電ギャップgを介して互いに対向されている。
【0050】バス電極Xb,Ybは、それぞれ表示面側の黒色導電層Xb’,Yb’と背面側の主導電層Xb”,Yb”の二層構造に形成されている。
【0051】前面ガラス基板10の背面には、列方向において隣接する行電極対(X,Y)のそれぞれの互いに背中合わせになったバス電極XbとYbの間に、このバス電極Xb,Ybに沿って行方向に延びる黒色の光吸収層(遮光層)30が形成されており、さらに、隔壁35の縦壁35aに対向する部分に、光吸収層(遮光層)31が形成されている。
【0052】前面ガラス基板10の背面には、さらに、行電極対(X,Y)を被覆するように誘電体層11が形成されており、この誘電体層11の背面には、互いに隣接する行電極対(X,Y)の隣り合うバス電極XbおよびYbと対向する位置および隣り合うバス電極Xbとバス電極Ybの間の領域と対向する位置に、誘電体層11の背面側に突出する嵩上げ誘電体層11Aが、バス電極Xb,Ybと平行に延びるように形成されている。
【0053】そして、この誘電体層11と嵩上げ誘電体層11Aの背面側には、MgOからなる保護層12が形成されている。
【0054】一方、前面ガラス基板10と平行に配置された背面ガラス基板13の表示側の面上には、列電極Dが、各行電極対(X,Y)の互いに対となった透明電極XaおよびYaに対向する位置において行電極対(X,Y)と直交する方向(列方向)に延びるように、互いに所定の間隔を開けて平行に配列されている。
【0055】背面ガラス基板13の表示側の面上には、さらに、列電極Dを被覆する白色の誘電体層14が形成され、この誘電体層14上に、隔壁35が形成されている。
【0056】隔壁35は、互いに平行に配列された各列電極Dの間の位置において列方向に延びる縦壁35aと、嵩上げ誘電体層11Aに対向する位置において行方向に延びる横壁35bとによって梯子状に形成されている。
【0057】そして、この梯子状の隔壁35によって、前面ガラス基板10と背面ガラス基板13の間の空間が、各行電極対(X,Y)において対となった透明電極XaとYaに対向する部分毎に区画されて、それぞれ方形の放電空間Sが形成されている。
【0058】隔壁35の縦壁35aの表示側の面は保護層12に当接されておらず(図3および4参照)、その間に隙間rが形成されており、また、横壁35bの表示側の面も、保護層12の嵩上げ誘電体層11Aを被覆している部分に直接当接されていない(図2,3および5参照)。
【0059】放電空間Sに面する隔壁35の縦壁35aおよび横壁35bの側面と誘電体層14の表面には、これらの五つの面を全て覆うように蛍光体層16が、それぞれ順に形成されている。
【0060】この蛍光体層16の色は、各放電空間S毎にR,G,Bの色が行方向に順に並ぶように設定されている(図4参照)。そして、放電空間S内には、キセノンXeを含む放電ガスが封入されている。
【0061】この放電空間Sを区画する梯子状の各隔壁35の横壁35bは、表示ライン間の光吸収層30と重なる位置に設けられた隙間SLによって、列方向において隣接する他の隔壁35の横壁35bと離間されている。
【0062】すなわち、それぞれ梯子状に形成された隔壁35は、表示ライン(行)L方向に沿って延び、表示ラインLに沿って延びる隙間SLを介して互いに平行になるように列方向に配列されている。
【0063】各横壁35bの幅は、それぞれ縦壁35aの幅と略同一になるように設定されている。
【0064】このPDPには、さらに、図2および3,6に示されるように、保護層12の背面側で各隔壁35の横壁35bの表示側の面と対向する部分に、誘電体層11および嵩上げ誘電体層11Aを被覆する保護層12を形成するMgOよりも2次電子放出係数が高い(仕事関数が低い)材料を含む2次電子放出層17が形成されており、この2次電子放出層17が放電空間S内に臨まされた状態で横壁35bの表示側の面に当接されることによって、各放電空間Sと隙間SLとの間が遮蔽されている。
【0065】なお、この2次電子放出層17は、隔壁35の横壁35bの表示側の面上に形成するようにしても良い。
【0066】この2次電子放出層17が設けられているのは、以下の理由による。すなわち、MgOによって形成された保護層12は、誘電体層11および嵩上げ誘電体層11Aをイオン衝撃から保護する機能と、放電によって放電空間S内に2次電子を放出することによりプライミング粒子を生成する機能を果たすものであるが、MgOは、仕事関数(2次電子を放出するために必要な放電電圧)が約4.2eVと比較的高く、2次電子を放出し難いために、MgOよりも2次電子放出係数が高い(仕事関数が低い)材料によって形成された2次電子放出層17を設けることによって、放電空間S内への2次電子の放出量を増加させるようにしたものである。
【0067】この2次電子放出層17を形成する2次電子放出係数が高く絶縁性を有する材料としては、アルカリ金属の酸化物(例えば、Cs2O)やアルカリ土類金属の酸化物(例えば、CaO,SrO、BaO),弗化物(CaF2、MgF2)などが挙げられる。
【0068】なお、これらの材料は、2次電子放出係数はMgOよりも大きいがイオン衝撃に対してはMgOよりも強度が小さいために、誘電体層11の保護という点では劣っているので、保護層12とは別個に設けるのが好ましい。
【0069】また、結晶欠陥や不純物などによって結晶内に不純物順位を導入して2次電子放出係数を高めた材料により、2次電子放出層17を形成するようにしても良い。
【0070】例えば、MgOxのように組成比を1:1から変えることによって結晶欠陥を導入して2次電子放出係数を高めた材料により、2次電子放出層17を形成することが出来る。
【0071】上記のPDPは、行電極対(X,Y)がそれぞれマトリクス表示画面の1表示ライン(行)Lを構成し、また、梯子状の隔壁35によって区画された放電空間Sが、それぞれ一つの放電セルCを画定している。
【0072】このPDPにおける画像表示は、図12において説明したのと同様に、サブフイールド法によって行われる。
【0073】すなわち、一斉リセットの後、アドレス操作によって、各放電セルCにおいて行電極対(X,Y)と列電極Dとの間で選択的に放電が行われ、全表示ラインLに発光セル(誘電体層11に壁電荷が形成された放電セルC)と非発光セル(誘電体層11に壁電荷が形成されなかった放電セルC)とが、表示する画像に対応して、パネル上に分布される。
【0074】このアドレス操作の後、全表示ラインLにおいて一斉に、行電極対(X,Y)に対して交互に放電維持パルスが、各サブフィールドの重み付けに対応した数だけ印加され、この放電維持パルスが印加される毎に各発光セルにおいて面放電が生起されて紫外線が発生され、この紫外線によって放電空間S内のR,G,Bの各蛍光体層16がそれぞれ励起されて発光することにより、表示画面が形成される。
【0075】以上のようにしてPDPにおける画像の形成が行われるが、この画像形成時のリセット放電の際に、各放電セルCのR,G,Bの蛍光体層16から放射される可視光によって、2次電子放出層17を形成する2次電子放出係数が高い(仕事関数が低い)材料が励起されて、この2次電子放出層17から2次電子が放電セルC内に放出される。
【0076】このとき、赤色R((Y、Gd)BO3:Eu)および緑色G(Zn2SiO4:Mn)の蛍光体層16は、それぞれリセット放電によって、数msec以上の間可視光を放出し統けるために、この可視光によって1サブフィールドのアドレス期間Wc(図12参照)の間、2次電子放出層17から2次電子が放出され、さらにこの2次電子によってプライミング粒子が再生成されるので、放電セルCにおけるプライミング粒子量の減少が抑制される。
【0077】従って、このプライミング粒子量の減少の抑制によって、アドレス期間Wcにおける放電遅れ時間の増大が抑制されるとともに、放電遅れ時間のばらつきの増大も抑制されるので、走査パルスSP(図12参照)および表示データパルスのパルス幅を狭くしてもアドレス期間Wcにおける選択放電動作が不安定になって誤放電が発生するのが防止され、これによって、高品質な画像の形成を行うことが出来るようになるとともに、アドレス期間を短縮できるようになる。
【0078】図7の(A)は、上記PDPにおける放電遅れ時間と放電発光のばらつきをオシログラフによって測定した結果を示すグラフであって、Fが放電発光を示し、Tlが放電遅れ時間を、また、Fuが放電発光のばらつきをそれぞれ示している。
【0079】この図7の(A)のグラフを、2次電子放出層17が設けられていない場合の放電遅れ時間Tl’と放電発光のばらつきFu’を示す(B)のグラフと比較すると、放電遅れ時間および放電発光のばらつきがともに減少していることが分かる。
【0080】上記図1〜6の例においては、2次電子放出層17が保護層12の背面側の面と隔壁35の横壁35bの表示側の面との間にのみ配置されているが、図8に示されるように、2次電子放出層17’を、隔壁35の縦壁35aの表示側の面上に形成したり、また、この縦壁35aに対向する保護層12の背面側に形成して、縦壁35aと保護層12との間の各放電セルCの放電空間内に臨まされる位置に配置するようにしても良い。
【0081】これによって、放電セルCの放電空間に接している2次電子放出層17’の面積が増加して2次電子の放出量が増加され、1サブフィールドのアドレス期間Wcにおけるプライミング粒子量が十分に確保される。
【0082】なお、上記の例において、2次電子放出係数が高い(仕事関数が低い)材料を蛍光体層16に含有させて、蛍光体層16に2次電子放出層を兼ねさせるようにしても良い。
【0083】また、2次電子放出層を隔壁35の内壁面(蛍光体層16と隔壁35の側壁面との間)に塗布形成するか、2次電子放出係数が高い材料を隔壁35に含有させるようにしてもよい。
【0084】また、2次電子放出層を前面ガラス基板10側の保護層12上の行電極X,Yと対向しない部分に塗布形成するようにしても良い。
【0085】さらにまた、2次電子放出層を背面ガラス基板13側の誘電体層14上(誘電体層14と蛍光体層16の間)に塗布形成するか、2次電子放出係数が高い材料を誘電体層14に含有させるようにしても良い。
【0086】上記各例のPDPにおいて、2次電子放出係数が高い材料を励起する励起光を放射することにより保護層12および2次電子放出層17、または、2次電子放出係数が高い材料が含有された蛍光体層16から放出される2次電子を増加させるための発光層を、各放電セルCの放電空間内に臨まされるように形成してもよい。このような発光層には、紫外域発光層と可視域発光層とがある。
【0087】紫外域発光層は、放電によって放電空間S内に封入された放電ガスに含まれるキセノンXeから放射される波長147nmの真空紫外線に励起されることにより、0.1msec以上、好ましくは、1msec以上(すなわち、アドレス期間Wcの時間長程度)の紫外線を放射し続けるような残光特性を有する紫外域発光蛍光体によって形成されている。
【0088】このような残光特性を有する紫外域発光蛍光体としては、例えば、BaSi25:Pb2+(発光波長:350nm)やSrB47F:Eu2+(発光波長:360nm),(Ba,Mg,Zn)3Si27:Pb2(発光波長:295nm),YF3:Gd,Prなどが挙げられる。
【0089】また、可視域発光層は、放電によってキセノンXeから放射される波長147nmの真空紫外光に励起されて0.1msec以上、好ましくは、1msec以上(すなわち、アドレス期間Wcの時間長程度)の紫外線を放射し続けるような残光特性を有する可視域発光蛍光体によって形成されている。
【0090】このような残光特性を有する可視域発光蛍光体としては、赤色R((Y、Gd)BO3:Eu)や緑色G(Zn2SiO4:Mn)の蛍光体材料などが挙げられる。
【0091】これら紫外域発光層および可視域発光層は、放電ガス中のキセノンXeから放電によって放射される波長147nmの真空紫外線によって励起されて、紫外線を放射する。
【0092】この紫外域発光層または可視域発光層から放射される紫外線は、保護層(MgO層)12および2次電子放出層17、または、2次電子放出係数が高い材料が含有された蛍光体層16から2次電子を放出させて、1サブフィールドにおけるアドレス期間Wc(図12参照)の間、プライミング粒子を放電セルCの放電空間内に再生成し続けるため、各発光セルにおけるプライミング粒子量の減少が抑制される。
【0093】したがって、この紫外域発光層または可視域発光層から放射される紫外線によって2次電子の放出量が増加して、発光セルにおけるプライミング粒子量の減少がさらに抑制されるので、アドレス期間Wcにおける放電遅れ時間の増大や放電遅れ時間のばらつきの発生がさらに抑制される。
【0094】この紫外域発光層および可視域発光層は、2次電子放出層17とは別に、前面ガラス基板10と隔壁35との間の間隙内で放電空間に臨まされる部分に設けることが出来るが、2次電子放出係数の高い(仕事関数が低い)材料を紫外域発光層または可視域発光層に含有させることによって、2次電子放出層17と紫外域発光層または可視域発光層を一体化させるようにしても良い。
【0095】また、紫外域発光蛍光体または可視域発光蛍光体を2次電子放出係数の高い(仕事関数が低い)材料とともに蛍光体層16に含有させるようにしても良い。
【0096】なお、上記PDPは、列方向において互いに隣接している隔壁35の横壁35bが行方向に延びる隙間SLによって互いに離間されているとともに、この横壁35bの幅がそれぞれ縦壁35aの幅と略同一になるように設定されていることによって、隔壁35の焼成時に、前面ガラス基板10や背面ガラス基板13に反りが発生したり、また、隔壁35の破損などによる放電セル形状の変形が生じる虞がない。
【0097】さらに、上記PDPは、前面ガラス基板10の背面の放電空間Sに対向する部分以外の部分が、光吸収層30,31および二層構造に形成されたバス電極Xb,Ybの黒色導電層Xb’,Yb’によってカバーされていることにより、前面ガラス基板10を通して入射してくる外光が反射されるのを防止して、表示画面のコントラストを向上させることができる。
【0098】なお、この例において、光吸収層30と31のうち何れか一方のみを形成するようにしてもよい。また、前面ガラス基板10の背面に、対向する放電空間S内の蛍光体層16の色(R,G,B)に対応する色のカラーフィルタ層(図示せず)を、各放電セルC毎に形成することも出来る。
【0099】この場合、光吸収層30,31は、各放電空間Sに対向するように島状に形成されたカラーフィルタ層の間隙またはこの間隙に対応する位置に形成される。
【0100】図9ないし11は、この発明によるPDPの実施形態の第2の例を示すものであって、図9はこの第2の例におけるPDPを模式的に表す平面図であり、図10は図9のV3−V3線における断面図、図11は図9のW4−W4線における断面図である。
【0101】この図9ないし11に示されるPDPは、上記第1の例の隔壁が縦壁と横壁よによって放電セルの四方を囲んで区画する構成になっていたのに対し、この例におけるPDPは、前面ガラス基板10と背面ガラス基板13との間の放電空間Sが、列方向に延びるストライプ状の隔壁45によって区画されるものである。
【0102】このPDPの他の構成は、行電極X1,Y1の透明電極X1a,Y1aの形状および誘電体層11に嵩上げ誘電体層が形成されていない他は、第1の例のPDPと同様であり、行電極X1,Y1のバス電極X1b,Y1bが、それぞれ、表示面側の黒色導電層X1b’,Y1b’と背面側の主導電層X1b”,Y1b”の二層構造に形成されているとともに、前面ガラス基板10の背面に、列方向において隣接する行電極対(X1,Y1)のそれぞれの互いに背中合わせになったバス電極X1bとY1bの間に、このバス電極X1b,Y1bに沿って行方向に延びる黒色の光吸収層(遮光層)30が形成されている。
【0103】そして、誘電体層11の背面側の互いに背中合わせになったバス電極X1bとY1bおよびこのバス電極X1bとY1bの間に形成された光吸収層30に対向する部分に、2次電子放出層27が、行方向に沿って延びるとともに放電空間S’に臨まされるように形成されている。
【0104】この例においても、第1の例の場合と同様に、画像形成時のリセット放電の際に、各放電セルの蛍光体層16’から放射される可視光によって、2次電子放出層27を形成する2次電子放出係数の高い(仕事関数が低い)材料が励起されて、この2次電子放出層27から2次電子が各放電セルの放電空間S’内に放出される。
【0105】このようにして保護層12’から放出される2次電子に加えて2次電子放出層27からも2次電子が放出されることによって、放電空間S’内におけるプライミング粒子の量が十分に確保され、これによって、アドレス期間における放電遅れ時間の増大や放電遅れ時間のばらつきの発生がさらに抑制される。
【0106】この例において、2次電子放出層は、ストライプ状の隔壁45の表示側の面の放電空間S’に接する部分に設けられるようにしても良い。また、この例においても、前記第1の例の場合と同様に、紫外域発光層または可視域発光層を形成するようにしても良い。
【0107】なお、この例におけるPDPは、列方向においては、各放電セルC’を区画する隔壁が存在しないが、行電極X1,Y1のそれぞれの透明電極X1a,Y1aがバス電極X1b,Y1bから列方向に突出して互いに対向するように形成されているので、列方向において隣接する放電セルC’間における放電の干渉が抑制される。
【出願人】 【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
【識別番号】398050283
【氏名又は名称】静岡パイオニア株式会社
【出願日】 平成12年7月28日(2000.7.28)
【代理人】 【識別番号】100063565
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 信淳
【公開番号】 特開2002−56779(P2002−56779A)
【公開日】 平成14年2月22日(2002.2.22)
【出願番号】 特願2000−229082(P2000−229082)