| 【発明の名称】 |
回路遮断器 |
| 【発明者】 |
【氏名】金子 省三
【氏名】大島 洋士
【氏名】片矢 隆司
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| 【要約】 |
【課題】開閉接触部における温度を低く押さえることができる小形の回路遮断器を提供する。
【解決手段】固定コンタクト4を延長し、その先端部4cを電気絶縁性を有するスペーサ20を介して端子部材10に接触させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 入出力回路に対応する一対の端子部材と、前記一対の端子部材間に直列に配置される固定コンタクトと、開閉機構によって操作され前記固定コンタクトと接触及び開離する可動コンタクトと、前記端子部材の一方と前記固定コンタクトとの間に設けられた中継導体とを成型絶縁物製のケース内に有する回路遮断器において、前記端子部材の一方と前記固定コンタクトとの間に、前記中継導体を電気的にバイパスすることなく熱的にバイパスする熱伝導部材を備えることを特徴とする回路遮断器。 【請求項2】 前記熱伝導部材は金属体と電気的絶縁物とを含み、当該金属体は前記固定コンタクトを延長させて形成され、当該電気的絶縁物は前記延長されて形成された金属体と前記端子部材との間に挟まれていることを特徴とする請求項1の回路遮断器。 【請求項3】 前記中継導体は、所定値以上の電流が流れたとき電磁反発力によって前記固定コンタクトから開離する第2の可動コンタクトを含むことを特徴とする請求項1又は2の回路遮断器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、回路遮断器の開閉接触部において発生する熱を放散する技術に関する。 【0002】 【従来の技術】配線用遮断器と呼ばれる回路遮断器は、開閉接触部や開閉機構部などが成型絶縁物製のケースの中に収納され、端子部材に外部の電線が接続される構造となっている。このような回路遮断器はその内部においてジュール熱などによる発熱があり、通気による冷却や、端子から外部の電線に熱伝導されることによる冷却によって、過度に熱が内部にこもらないように考慮されている。特に、可動コンタクトと固定コンタクトとからなる開閉接触部におけるジュール熱は比較的大きいが、一般的な回路遮断器は固定コンタクトが端子を兼ねたり固定コンタクトの直近に端子を設けているため熱が電線へ逃げ易く比較的温度上昇は小さかった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、最近は小形の回路遮断器が要望されるようになっているため、大きい寸法の部品を使用できず、導体断面積や開閉接触部の接点の寸法が小さくなり、全体として発熱が大きくなってきた。また、小形であっても短絡電流のような大きな電流を遮断する遮断性能のよいものが望まれており、遮断の際に発生するアークガスによる開閉接触部周辺の内圧が高ければ高いほうが遮断性能がよくなることにより、ケースを気密構造にする必要があったため通気も十分にできないという問題もあった。 【0004】さらに、遮断性能を向上する目的で大電流による電磁反発現象を利用することがあり、固定コンタクトと端子の間に第2の可動コンタクトを設けたり、固定コンタクトを可動形にするという技術もある。しかし、この技術を採用すると開閉接触部と端子との間の導体寸法が長くなったり断面積に制約が出るためさらに発熱が大きくなるとともに、開閉接触部における発熱が電線方向へ逃げにくくなり内部の温度を低くできないという問題があった。 【0005】したがって、本発明の課題は、温度上昇が低く、遮断性能の良い小形の回路遮断器を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するために、請求項1の発明の回路遮断器は、入出力回路に対応する一対の端子部材と、一対の端子部材間に直列に配置される固定コンタクトと、開閉機構によって操作され前記固定コンタクトと接触及び開離する可動コンタクトと、端子部材の一方と固定コンタクトとの間に設けられた中継導体とを成型絶縁物製のケース内に有する回路遮断器において、端子部材の一方と固定コンタクトとの間に、中継導体を電気的にバイパスすることなく熱的にバイパスする熱伝導部材をさらに備える。 【0007】このような構成により、熱伝導部材は熱伝導性能に優れているので、通電機能を考慮する必要なく熱伝導に優れた形状にすることができる。この熱伝導部材は、通常、金属体と薄い電気的絶縁物から構成され、全体として熱伝導性に優れ、かつ電気的絶縁物とする。電流が流れないようにする電気的絶縁物は薄く形成されているため熱伝導に対する影響は小さい。このようにして、中継導体の寸法が長くても断面積が小さくても、中継導体の一端側に位置する開閉接触部において発生するジュール熱を中継導体の他端側につながる熱放散性のよい外部電線方向に、上記熱伝導部材を通って効率よく伝導できる。 【0008】請求項2の発明は、請求項1の発明の回路遮断器において、熱伝導部材は金属体と電気的絶縁物とを含み、当該金属体は固定コンタクトを延長させて形成され、当該電気的絶縁物は延長されて形成された金属体と端子部材との間に挟まれている。 【0009】このような構成により、金属体は固定コンタクトを延長させて構成されているため、追加の金属体を設ける場合に比べて構成、組立てが簡単であるとともに、より熱伝導をよくできる。 【0010】請求項3の発明は、請求項1又は2の発明の回路遮断器において、中継導体は、所定値以上の電流が流れたとき電磁反発力によって固定コンタクトから開離する第2の可動コンタクトを含むこととしている。このような構成により、可動コンタクトと遮断性能を向上するために設けた第2の可動コンタクトは互いに共通の固定コンタクトを有し、両方の開閉接触部において発生するジュール熱を熱伝導部材によって効率よく伝導できる。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図1及び図2に示される実施例において説明する。 【0012】図1においてこの実施例の回路遮断器は、モールドケース1の内部に、図示されていない開閉機構によって回転操作されるクロスバー2と、クロスバー2上に支持される可動コンタクト3と、固定コンタクト4と、軸5によって回転自在に支持され図示されていない接圧ばねによって反時計方向に付勢される第2の可動コンタクト7と、第2の可動コンタクト7の一端に固着接続された可撓導体8と、その一端に可撓導体8の他端部が固着接続され他端に端子ねじ9が設けられた端子部材10と、可動コンタクト3及び第2の可動コンタクト7に対応したそれぞれ消弧装置11及び12が収納されている。 【0013】可動コンタクト3及び第2の可動コンタクト7の端部にはそれぞれ銀合金製の接点13及び接点14が設けられ、接点13及び接点14に対応して固定コンタクト4の上下には銀合金製の接点15及び接点16が設けられている。可動コンタクト3は図示されていない接圧ばねによって時計方向に付勢されており、その他端は図示されていないが過電流引き外し装置などを経由して他方の端子部材17に接続されている。 【0014】また、モールドケース1の右方の開口部は、消弧装置11に対向する部分に電流を遮断するとき発生するアークガスを排出するための多数の孔が空いた排気口18aと下部に端子部材10が突き出る隙間18bが形成された隔壁18によってふさがれている。このようなコンタクトや消弧装置は小さいスペースに収納されており、大きな電流を遮断する際に発生するアークガスによって内圧が上昇し、良好な遮断特性が得られる。 【0015】このような実施例の回路遮断器の電流遮断動作について簡単に説明すると、人為的に電流遮断するときはモールドケース1から突き出たハンドル19を操作すると、開閉機構を介してクロスバー2が回転し、図1に鎖線で示されるように可動コンタクト3が反時計方向に回転し、接点13と接点15が開離して電流が遮断される。また、接点14と接点16との間に接圧ばねの付勢力を超えるような電磁反発力を発生させる所定値以上の大電流が流れたときは、図1に鎖線で示されるように第2の可動コンタクト7が時計方向に反発回転して、両接点が瞬時に開離する。この動作と同時に図示していない過電流引き外し装置が動作して、開閉機構を介してクロスバー2が回転し可動コンタクト3も反時計方向に回転して接点13と接点15も開離し、上述の接点14と接点16の開離と協調して大電流が遮断される。このように、直列に接続された2組の開閉接触部が瞬時に開離するため大電流を容易に遮断でき、良好な遮断性能が得られる。電流が遮断された後、接圧ばねによって第2の可動コンタクト7が反時計方向に復帰回転して接点14と接点16が再接触する。また、過電流引き外し装置の動作によって動作した開閉機構をハンドル19を操作してリセットし、可動コンタクト3を時計方向に回転すれば接点13と接点15も再接触させることができる。 【0016】上述した端子部材10は、コ字状に曲げられた脚10aと、長手方向の対向する両端部に位置する係合端部10b及び電線接続端部10cと、脚10aと電線接続端部10cとをつなぐ傾斜部10dと、巾方向の腕10eとを有している。また、固定コンタクト4は、接点取付部4aと、後述する熱放散のため、直角に曲げられた中継部分4bと、折り返すように鈍角に曲げられた先端部4cとを有し、全体として側面から見たとき略フ字状に形成され、先端部4cは装着したとき端子部材10の傾斜部10dに沿うような角度となっている。従来の第2の可動コンタクトを有するような回路遮断器における固定コンタクトは、接点取付部4aのみによって構成されていたが、本実施の形態においては、その接点取付部4aから中継部分4bを経てその先端部4cまで延長している。 【0017】この回路遮断器は、接点13と接点15及び接点14と接点16との間に発生するジュール熱の一部を固定コンタクト4の先端部4cから端子部材10の傾斜部10dを介して電線に吸収させて放熱するように構成されている。しかし、固定コンタクト4の先端部4cと端子部材10の傾斜部10dが電気的に接触した状態になると、第2の可動コンタクト7から端子部材10に流れる経路と固定コンタクト4から直接端子部材10に流れる経路とに電流が分流する。このため、大電流が流れたときの上述の第2の可動コンタクト7の作用が期待できず良好な遮断性能が得られない。このため、端子部材10と固定コンタクト4の先端部4cとを電気的に絶縁する成型絶縁物製のスペーサ20が設けられる。このスペーサ20は、側面から見たとき逆く字状に形成され、固定コンタクト4の中継部分4bと先端部4cを図2において右方からはめ込む厚みの薄い壁を有する収納溝20aと、収納溝20aの壁の外側に端子部材10の傾斜部10dを左方からはめ込んで保持できる断面がコ字状の保持片20bとが一体に成型されている。本実施の形態では、熱伝導部材は、固定コンタクト4の中継部4bと先端部4c、および電気的絶縁物20aによって構成されている。 【0018】このような回路遮断器の組立てにあたっては、コ字状脚10a上に軸5、接圧ばね、第2の可動コンタクト7を取り付けた端子部材10をスペーサ20の保持溝20bにはめ込み、固定コンタクト4をスペーサ20の収納溝20aにはめ込み、スペーサ20の逆く字状に曲がった内側に消弧装置12をはめ込んだものを部分組立物として用意する。 【0019】次に、この部分組立物をモールドケース1の右方から挿入する。このとき、固定コンタクト4の接点取付部4aの両側部をモールドケース1の内側両側面に形成された溝1aにはめ込み、端子部材10の係合端部10bをモールドベースの溝1bにはめ込み、両腕10eをモールドケース1の両側壁に形成されている溝1cにはめ込む。その後、隔壁18を取り付ける。なお、本実施例では、固定コンタクト4と端子部材10とがスペーサ20を介して互いに押し付け合うように、モールドケース1の底面と固定コンタクト4の挿入溝1aとの間の寸法などが決められているが、絶縁材料製のねじなどを使用して固定コンタクト4と端子部材10とっをスペーサ20を介して締め付けてもよい。なお、詳細説明を省略するが、可動コンタクト3などは、図1においてモールドケース1の左方から組み込まれる。 【0020】以上のように、この実施例の回路遮断器は、接点間で発生するジュール熱のうち電線に伝導される分は、二つの熱伝導系統を経由する。すなわち、第1の系統は、固定コンタクト4から第二の可動コンタクト7を経由して端子部材10の電線接続端部10cに至る従来の回路遮断器が有していた系統である。第2の系統は、固定コンタクト4の中継部4bと先端部4c及びスペーサ20によって構成される熱伝導部材を経由して端子部材10の電線接続端部10cに至る系統である。第1の系統は、第2の可動コンタクト7や可撓導体8を経由するため経路が長い上、これらの部品が可動部品であるため、断面積を大きくできず、熱伝導がよくない。一方、第2の系統は、固定コンタクト4a,4b,4cは熱伝導のよい銅部材であり、固定物のためスペースの許す限り断面積を大きくでき、開閉接触部から先端部4cに至る寸法も短くできるため、熱伝導がよい。すなわち、第2の系統は、第2の可動コンタクトから端子部材10の傾斜部10dに至る中継導体を熱的にバイパスする系統となっている。スペーサ20が介在することによる熱伝導効率の低下も、その厚みを薄くすることによって小さくできる。 【0021】上記に、本発明の実施の形態について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまでも例示であって、本発明の範囲は上記の発明の実施の形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むことが意図される。 【0022】 【発明の効果】本発明は、以上説明した形態で実施され、開閉接触部のある固定コンタクトと端子部材との間を熱伝導のよい熱伝導部材を介して接続することによって、固定コンタクトと端子部材との間を遮断性能向上を目的とした中継導体構造としても、中継導体の電気的動作に影響を与えず、開閉接触部における発熱を熱放散性のよい外部電線が接続された端子部材に効率よく熱伝導できるため、温度上昇が小さく遮断性能のよい小形の回路遮断器を構成できるという効果を奏する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000180966 【氏名又は名称】寺崎電気産業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年8月8日(2000.8.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064746 【弁理士】 【氏名又は名称】深見 久郎 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−56761(P2002−56761A) |
| 【公開日】 |
平成14年2月22日(2002.2.22) |
| 【出願番号】 |
特願2000−239842(P2000−239842) |
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