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【発明の名称】 バッテリーブレーカ
【発明者】 【氏名】永井 健史

【氏名】山本 潔

【要約】 【課題】バイメタルの動作が俊敏で反応性のよい小型なバッテリーブレーカを提供する。

【解決手段】バッテリーブレーカは、固定接点(16)、可動接点(11)、可動片(12)、反転中心部がほぼ中央に設けられているバイメタル(20)、ケース(30)とその蓋(35)で構成されており、固定接点(16)はケース(30)内の一方の端側(32)に設けられている。可動接点(11)が接合されている可動片(12)はケース(30)のもう一方の端側(38)から固定接点(16)に伸びている。また可動片(12)には、凸部(13)(14)が形成されている。所定の温度より高くなるとバイメタル(20)は反転し、可動片(12)を押し上げて、固定接点(16)から可動接点(11)を離反させ電流を遮断する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 固定接点、可動接点、可動片、バイメタルをケースに封入し、可動片のバネ作用とバイメタルの温度変化による反転作用により可動接点が固定接点に対して、接触離反するバッテリーブレーカであって、反転中心部がほぼ中央に設けられ、かつケース底面にケースと所定の間隔をもって配置されるような外周部を有する凹曲面状のバイメタルと、可動片の可動接点側及び可動片の固定端側に反転時にバイメタルと接する凸部が形成された可動片と、前記ケース内の一方の端側に固定接点及び可動接点を位置させ、ケースのもう一方の端側から固定接点に伸びている前記可動片と前記ケース底面との間に前記バイメタルを前記ケース底面に設けた突起上に配設したものであることを特徴とするバッテリーブレーカ。
【請求項2】 固定接点、可動接点、可動片、バイメタルをケースに封入し、可動片のバネ作用とバイメタルの温度変化による反転作用により可動接点が固定接点に対して、接触離反するバッテリーブレーカであって、反転中心部がほぼ中央に設けられ、かつケース底面と相似形状でケースと所定の間隔をもって配置されるような外周部を有する凹曲面状のバイメタルと、可動片の可動接点側及び可動片の固定端側に反転時にバイメタルと接する凸部が形成された可動片と、前記ケース内の一方の端側に固定接点及び可動接点を位置させ、ケースのもう一方の端側から固定接点に伸びている前記可動片と前記ケース底面との間に前記バイメタルを前記ケース底面に設けた突起上に配設したものであることを特徴とするバッテリーブレーカ。
【請求項3】 ケースが、収容部と蓋からなり、ケース収容部の一方の端側に固定接点及び可動接点を位置させ、ケースのもう一方の端側から固定接点に伸びている可動片とケース収容部の底面との間にバイメタルをケース収容部底面に設けた突起上に配設し、蓋を接合させたものであることを特徴とする請求項1または2に記載のバッテリーブレーカ。
【請求項4】 ケース底面の突起が、ケース底面のほぼ中心に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のバッテリーブレーカ。
【請求項5】 ケース底面の突起が、ケース底面で可動片の長さ方向の偏った位置に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のバッテリーブレーカ。
【請求項6】 可動片のケース固定端側に形成された凸部の裏側には、支え部が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のバッテリーブレーカ。
【請求項7】 可動片のケース固定端側に形成された凸部の裏側に設けられる支え部が、ケースの蓋に設けられていることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載のバッテリーブレーカ。
【請求項8】 ケース内の一方の端側に位置している固定接点は、固定接点表面がケース面とほぼ同一面になるように設けられ、可動接点の隅部が固定接点表面に接触することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のバッテリーブレーカ。
【請求項9】 可動片の可動接点側及び可動片のケース固定端側に形成されているバイメタルと接する凸部が、プレス成形により形成されたものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のバッテリーブレーカ。
【請求項10】 可動片が、リン青銅であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のバッテリーブレーカ。
【請求項11】 固定接点と可動接点が、ニッケル10%を含む銀合金であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のバッテリーブレーカ。
【請求項12】 接点に接続されているケース外の端子が、2分割されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のバッテリーブレーカ。
【請求項13】接点に接続されているケース外の端子が、ニッケルメッキされていることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のバッテリーブレーカ。
【請求項14】固定接点と可動接点の間に電流を流し、離反させて接触抵抗を安定させたことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のバッテリーブレーカ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、可動片のバネ作用とバイメタル作用により可動接点を固定接点に対して接触離反させるバッテリーブレーカに関し、特にニッケル水素電池またはリチウムイオン電池に用いられるバッテリーブレーカに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、携帯電話、ノート型パソコン等に用いられる2次電池用のバッテリーブレーカとして、発熱により温度が上昇した場合に回路を遮断するPTC物質(特定の温度範囲以上において固有抵抗が増大する導電物質)を用いた保護回路が知られている。また、従来、バイメタルを用いたものとして、図17(a)(b)及び図18に示すような温度スイッチは公知である。
【0003】従来の図17(a)(b)に示す温度スイッチは、基台(70)の固定接点(80)に接点バネ(82)の可動接点(83)が、動作温度の異なる主反転バイメタル(77)と補助反転バイメタル(74)により接触、離反するように設けられ、ハウジング(79)で覆われているものである。主反転バイメタル(77)には係合可能な切欠部(78)、補助反転バイメタル(74)には係合可能な切欠部(76)が形成されており、基台(70)の係止突起(71)に係合されている。また補助反転バイメタル(74)は孔(75)は突起(72)に挿通され、主反転バイメタル(77)は突起(72)に搭載されているもので、主反転バイメタル(77)及び補助反転バイメタル(74)は、その中央部が突起(72)に当接してバイメタルの曲げ応力の分布を一方に偏ることを少なくしたものである。
【0004】また、従来の図18に示すスイッチは、基板(90)の固定接点(91)に可動板(93)の接点(92)が、バイメタル(94)により接触、離反するように設けられいる。バイメタル(94)はその孔が突起(95)に挿通され、またその一端(96)は係止されているもので、バイメタル(94)の自由端を可動板(93)の凸部(97)に作用させて接点(92)を離反させるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術のPTC物質を用いた保護回路は、電流が異常に上昇してPTC素子の温度が上昇した場合、PTC物質の固有抵抗の増大により、遮断状態とするもので、PTCは、定常時の固有抵抗も大きいために、電力消費量が大きく、バッテリーの寿命が短くなるという欠点があった。この欠点を解消するために、PTC物質を用いた保護回路から機械的動作を伴うバッテリーブレーカに変更したいというニーズが存在したが、このためには、PTC素子(厚さ1.0〜1.5mm)と同程度にバッテリーブレーカを小形化しなければならないという問題があり、従来のバッテリーブレーカと同様の設計では、この小形化が不可能であった。すなわち従来の機械式バッテリーブレーカは、その機構上の問題と充分な反転力を得る必要から、その大きさは長さ20mm×幅10mm×厚さ5mm程度で、特に厚さは4mm以上が限界とされていたので、PTC素子(厚さ1.0〜1.5mm)と同程度に小形化することはできなかった。
【0006】従来、機械式のバッテリーブレーカには、大きく分けると2つのタイプがある。その一つは、ケースと固定片と可動片から構成されるバッテリーブレーカで、しかも可動片自身がバイメタルからなり、可動片自身が温度上昇により反転するタイプである。このタイプのバイメタルを使用したバッテリーブレーカでは、可動片(バイメタル)が大型の場合は、可動片の反転ストロークが十分取れるために、反転力を大きく安定なものとすることができたが、小形化には適さないものであった。実際に、この方式で小型のバッテリーブレーカを試作したところ可動片自身がバイメタルであるために、反転のための距離が不足して、ブレーカの開閉動作が不安定になり、実用に使用することができないことが判明した。また、可動片自身をバイメタルとしたこの場合は、可動片がバイメタル材でできているため、可動片の固有抵抗が高い等の問題もあった。
【0007】そこで、ケースと固定片と可動片、さらにこれに可動片と別体に設けたバイメタルから構成されるバッテリーブレーカで、このバイメタルと可動接点が別体の構造についても検討したが、いずれも下記の理由により、小型のバッテリーブレーカーを得ることができなかった。従来技術の図17に示す温度スイッチは、主反転バイメタル(77)、補助反転バイメタル(74)の切欠部(78)(76)を突起(71)に係合させているので、動作性能が悪く、また切欠き部の形成、組み立てが困難であり、反転により切欠部から割れが発生し、構造が複雑なため、小形化が困難であるという問題があった。また、図18に示すスイッチ(ブレーカー)は、バイメタル(94)の一端(96)を係止し、自由端のみで可動板(93)を離反させるので、動作性能が悪く、所望の作用をさせるにバイメタルメタルを大きくしなければならず、また突起(95)に挿通される孔の形成、その組み立てが困難で小形化が適さないという問題があり、これらの構造のものは、リチウム電池やNi水素電池のバッテリーブレーカに応用することはできなかった。また、バイメタルに対し、切り欠きがなく、拘束をせずにフリーしてバイメタルの反転力を利用するものでは、切り欠きがないため、バイメタルの疲労寿命等は改善されるが、フリーのバイメタルを用いただけでは、バイメタルを反転させるための変位を多く必要とし、さらにバイメタルの反転力が可動接点に及ぼす力も小さいことから、バイメタルを小形化することができない等の問題があった。本願発明は、バイメタルの動作が俊敏で反応性のよい小型なバッテリーブレーカを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、固定接点、可動接点、可動片、バイメタルをケースに封入し、可動片のバネ作用とバイメタルの温度変化による反転作用により可動接点が固定接点に対して、接触離反するバッテリーブレーカであって、反転中心部がほぼ中央に設けられ、かつケース底面にケースと所定の間隔をもって配置されるような外周部を有する凹曲面状のバイメタルと、可動片の可動接点側及び可動片の固定端側に反転時にバイメタルと接する凸部が形成された可動片と、前記ケース内の一方の端側に固定接点及び可動接点を位置させ、ケースのもう一方の端側から固定接点に伸びている前記可動片と前記ケース底面との間に前記バイメタルを前記ケース底面に設けた突起上に配設したものであることを特徴とするバッテリーブレーカである。
【0009】また、本発明は、固定接点、可動接点、可動片、バイメタルをケースに封入し、可動片のバネ作用とバイメタルの温度変化による反転作用により可動接点が固定接点に対して、接触離反するバッテリーブレーカであって、反転中心部がほぼ中央に設けられ、かつケース底面と相似形状(またはケース側面と一定間隔をとっているもの)でケースと所定の間隔をもって配置されるような外周部を有する凹曲面状のバイメタルと、可動片の可動接点側及び可動片の固定端側に反転時にバイメタルと接する凸部が形成された可動片と、前記ケース内の一方の端側に固定接点及び可動接点を位置させ、ケースのもう一方の端側から固定接点に伸びている前記可動片と前記ケース底面との間に前記バイメタルを前記ケース底面に設けた突起上に配設したものであることを特徴とするバッテリーブレーカである。
【0010】また、本発明のバッテリーブレーカは、ケースが収容部と蓋からなり、ケース収容部の一方の端側に固定接点及び可動接点を位置させ、ケースのもう一方の端側から固定接点に伸びている可動片とケース収容部の底面との間にバイメタルをケース収容部底面に設けた突起上に配設し、蓋を接合させたことを特徴とするものである。また、本発明のバッテリーブレーカは、ケース底面の突起がケース底面のほぼ中心に設けられていることを特徴とするものである。また、本発明のバッテリーブレーカは、ケース底面の突起がケース底面で可動片の長さ方向の偏った位置に設けられていることを特徴とするものである。
【0011】また、本発明のバッテリーブレーカは、可動片のケース固定端側に形成された凸部の裏側には、支え部が設けられていることを特徴とするものであり、この支え部を設けることにより、接点での接触圧力を安定化できる。また、本発明のバッテリーブレーカは、可動片のケース固定端側に形成された凸部の裏側に設けられる支え部が、ケースの蓋に設けられていることを特徴とするものである。また、本発明のバッテリーブレーカは、ケース内の一方の端側に位置している固定接点は、固定接点表面がケース面とほぼ同一面になるように設けられ、可動接点の隅部が固定接点表面に接触することを特徴とするものである。また、本発明のバッテリーブレーカは、可動片の可動接点側及び可動片のケース固定端側に形成されているバイメタルと接する凸部が、プレス成形によるものであることを特徴とするものである。
【0012】また、本発明のバッテリーブレーカは、可動片が、リン青銅であることを特徴とするものである。また、本発明のバッテリーブレーカは、固定接点と可動接点がニッケル10%を含む銀合金であることを特徴とするものである。また、本発明のバッテリーブレーカは、接点に接続されているケース外の端子が、2分割されていることを特徴とするものである。また、本発明のバッテリーブレーカは、接点に接続されているケース外の端子が、ニッケルメッキされていることを特徴とするものである。さらに、本発明のバッテリーブレーカは、固定接点と可動接点の間に電流を流し、離反させて接触抵抗を安定させたことを特徴とするものである。
【0013】
【作用】本発明は、反転中心部がほぼ中央に設けられているバイメタルをケース底面に所定間隔をもって配置し、ケース底面の突起に拘束せずに、バイメタルの反転スナップ作用が行われるものである。またケース底面の突起および可動片に凸部を設けたのでの離反力が大きくなり、スナップ作用が速やかに、安定的に可動片に伝えられる効果がある。そのため、小型のバイメタルを用いても離反力を大きくできるとともに、反転時のブレーカー内面のバイメタルの設置空間を小さくできる。さらにケース底面の突起及び可動片の凸部により、バイメタルの反転、スナップ作用は、速やかに、かつ安定的に可動片に伝えられ、固定接点から可動接点を離反させることができるものである。このように、バイメタルは拘束されておらず、その動作が俊敏で反応性のよいので、小型化が図れるものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のバッテリーブレーカは、ニッケル水素電池またはリチウムイオン電池等にバッテリーブレーカとして用いられるもので、例えば、携帯電話、ノート型パソコン等の2次電池用のバッテリーブレーカとして用いられるものである。本発明のバッテリーブレーカについて、図14〜図16に示して説明する。図14に示すように、バッテリーブレーカ(1)は、ケース(30)内の一方の端側(32)の固定接点(16)に可動片(12)のバネ作用で可動接点(11)が押し付けられて接触させるもので、可動片(12)には凸部(13)と(14)が形成されている。ほぼ中央に反転中心部(21)を有するバイメタル(20)は突起(34)に載置されている。
【0015】バイメタルは、例えば高膨脹側はCu−Ni−Mn、低膨脹側はNi−Feの2つの材料を積層させたものである。可動片の材料としてはリン青銅が好ましい。例えば8%のリンを含むリン青銅である。またCu−Ti合金、Cu−Be合金、洋白、黄銅、Cu−Ni−Si合金などの導電性バネ材料でもよい。また図14では、可動片(12)はケース外に伸びている端子(15)と1体になっている。また、固定片の材料としてはリン青銅が好ましい。例えば8%のリンを含むリン青銅である。また、銅、Cu−Ti合金、Cu−Be合金、洋白、黄銅、Cu−Ni−Si合金などの導電性材料でもよい。また図14では固定片(17)ケースに埋め込れ、ケース外に伸びている端子(18)と1体になっている。可動片の凸部は、リン青銅あるいはCu−Ti合金、Cu−Be合金、洋白、黄銅、Cu−Ni−Si合金などの可動片にプレス成形により形成することが好ましい。凸部となる部材を溶着してもよい。固定接点、可動接点は、ニッケル−銀合金が好ましく、具体的にはニッケル10%を含む銀合金が好ましい。また銅−銀合金、金−銀合金、炭素−Ag合金、タングステン−銀合金などの接点材料でもよい。
【0016】ケースは、耐熱性に優れたポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の樹脂が用いられる。ケース(30)と蓋(35)は超音波溶接により溶着し、固定接点、可動接点、可動片、バイメタルをケースに封入する。固定接点(16)の表面がケース面とほぼ同一面になるように、例えばインサート成形工法等を用いてケース埋め込みで設ける。
【0017】図15はリチウムイオン電池のバッテリーブレーカとして使用する例を示すもので、バッテリーブレーカ(1)を枠(2)に取付けてリチウムイオン電池(3)の−極側に設け、バッテリーブレーカ(1)のケース外の端子(18)をリチウムイオン電池(3)の−極に接続する。図16は、3個のニッケル水素電池(4a)(4b)(4c)のバッテリーブレーカとして使用する例を示すもので、バッテリーブレーカ(1)を枠(2)に取付けて、ニッケル水素電池(4a)の−極にバッテリーブレーカ(1)の端子(18)、ニッケル水素電池(4b)の+極側に端子(18)を接続する。バッテリーブレーカ(1)の端子(18)は(18a)(18b)のように2分割にし抵抗溶接で接合する。抵抗溶接で接合する際に、端子には必要に応じてニッケルめっきをする。
【0018】このように、本発明の構成により小形化されたバッテリーブレーカは、小形なリチウムイオン電池やニッケル水素電池に適しているものである。例えば、本発明のバッテリーブレーカは、電池ケースとリチウムイオン電池やニッケル水素電池との間の僅かな隙間に設置するため、厚さ1.5mm以下、好ましくは1.0mm以下とし、またバッテリーブレーカの縦と横の大きさはリチウムイオン電池やニッケル水素電池に対応させて小形化させることができる。なお、図14では、ほぼ中央に設けられた突起(34)にバイメタル(20)が載置されているものを示したが、図6のように、ケース底面(31)の偏った位置に突起(34)を設け、ほぼ中央に反転中心部を有するバイメタル(20)を、その中心部(21)からずれた位置で突起に接するように載置することもできる。このような突起とバイメタルの関係にすることにより、バイメタルの反転、スナップ作用は、少ない変位(バイメタル(20)の外周部の(25)側の反転によるストロークを小さくすること)で可動片(12)に伝えられ、固定接点(16)から可動接点(11)を速やか離反させることができ、さらに可動片(12)に凸部(13)(14)が設けられていることにより、より速やかバイメタル(20)の反転、スナップ作用が、少ない変位で可動片(12)に伝えられるものである。
【0019】
【実施例1】本発明の実施例1を図1〜図5を参照して説明する。図1は実施例1のバッテリーブレーカの構成を分解して示した斜視図、図2は図1の分解して示したものを一体化したバッテリーブレーカの断面図で、可動接点が固定接点に接触している状態を示す図、図3は図1の分解して示したものを一体化したバッテリーブレーカの断面図で、可動接点が固定接点から離反している状態を示す図、図4と図5は図1の分解して示したバイメタルを説明する図である。
【0020】図1に示すように、バッテリーブレーカは、固定接点(16)、可動接点(11)、可動片(12)、バイメタル(20)、ケース(30)とその蓋(35)で構成される。固定接点(16)は、ケース(30)内の一方の端側(32)に設けられている。固定接点(16)は固定片(17)に接合されており、固定片(17)はケース(30)の外に伸びている。これは固定接点の端子(18)である。端子(18a)(18b)の2つに分割されている。可動接点(11)は可動片(12)の先端に接合されている。可動片(12)はケース(30)のもう一方の端側(38)から固定接点(16)に伸びている。この端側(38)は可動片(12)の係合部となっている。可動片(12)には、可動接点側の凸部(13)とケース側面側の凸部(14)が形成されている【0021】バイメタル(20)は、凹面状でほぼ中央に反転中心部(21)が位置している。バイメタル(20)の(25)の端付近は可動片(12)の可動接点側の凸部(13)に、バイメタル(20)の(24)の端付近は可動片(12)のケース側面側の凸部(14)に押し付けるところである。またケース(30)の底面(31)には突起(34)が設けられている。突起(34)は、底面(31)のほぼ中央に設けられ、これはバイメタル(20)の中心部(21)が載置される位置である。バイメタル(20)はほぼ長方形で、外周部の角を丸くしている。これはケース底面(31)と相似形状のものである。このバイメタル(20)の幅(22)(23)は、ケース(30)の底面(31)を形成する側面(33d)(33b)に所定の間隔をもって配置されるサイズにする。またバイメタル(20)の長さ(24)(25)は、側面(33c)(33a)に所定の間隔をもって配置されるサイズにする。
【0022】バイメタル(20)の外周部とケース(30)の側面(33a)〜(33d)との所定の間隔とは、バイメタル(20)の反転が、ケース(30)内でスムーズに行われるようにするためものである。このようにすることによりバイメタルの反転がケースに案内されて行われる。また、バイメタルは大きい方が、その反転作用が精度高く、安定に可動片に伝えられるので、バイメタル(20)の外周部とケース(30)の側面(33a)〜(33d)との間隔は、バイメタル(20)の反転がスムーズに行われる限り、バイメタルの寸法は大きくすることが、大きな反転力が得られるため望ましい。蓋(35)は、固定接点(16)、可動接点(11)、可動片(12)、バイメタル(20)をケース(30)に収納し、超音波溶着して封入する。蓋(35)には、支え部(36)が形成されている。支え部(36)は可動片(12)のケース側面側に形成された凸部(14)の裏側に設けられる。
【0023】図2及び図3は、図1の分解して示した構成を一体化したバッテリーブレーカであり、その作動を説明する。図2は固定接点(16)に可動接点(11)が接触した正常に電流が流れている状態であり、バッテリーブレーカ(1)は、ケース(30)内の一方の端側(32)の固定接点(16)に可動接点(11)が接触している。可動片(12)はバネ作用で可動接点(11)を固定接点(16)に押し付けるようになっているものである。可動片(12)は図示したようにバネ性を持たせるため、「への字」状に湾曲させることがバネ作用の点から好ましい。また可動片(12)には接点側の凸部(13)とケース側面側の凸部(14)が形成されており、凸部(14)の裏側は支え部(36)で支持されている。凹面状で反転中心部(21)がほぼ中央部に位置しているバイメタル(20)は、底面(31)のほぼ中央に設けられた突起(34)に載置されている。なお図2ではバイメタル(20)が突起(34)に接して載置されているが、バイメタル(20)の凹面状の曲りを大きくして外周部の(24)(25)を底面(31)に接するように載置してもよい。
【0024】図3はバッテリーブレーカに異常な電流が流れて所定温度よりも高くなり、あるいは周囲温度の影響により所定温度よりも高くなり、所定温度より高くなった温度変化によりバイメタルが反転して可動接点が固定接点から離反している状態である。バイメタル(20)は、所定の温度より高くなると、スナップ作用により反転する。可動接点(11)は可動片(12)のバネ作用により固定接点(16)に押し付けられているが、バイメタル(20)が反転するスナップ作用により可動片(12)を押し上げて、固定接点(16)から可動接点(11)を離反させ電流を遮断する。バイメタル(20)は反転すると、外周部の(25)側は可動片(12)の凸部(13)に、外周部の(24)側は可動片(12)の凸部(14)に当接し、またバイメタル(20)は、底面(31)の突起(34)に反って当接する。
【0025】このように、ケース底面(31)の突起(34)及び可動片(12)の凸部(13)(14)により、バイメタル(20)の反転、スナップ作用は、速やかに、かつ安定的に可動片(12)に伝えられ、固定接点(16)から可動接点(11)を離反させることができる。また、バイメタル(20)の反転は、ケース底面(31)の突起(34)及び可動片(12)の凸部(13)(14)により、少ない反転変位(バイメタル(20)の外周部の(25)側の反転によるストローク)で、速やかにかつ安定的に可動片(12)に伝えられ、固定接点(16)から可動接点(11)を速やかに離反させることができる。そして速やかに可動接点(11)を離反させることにより、高電圧がかかった場合に発生する放電の時間が短くなり、接点の寿命が長くなる。
【0026】また、可動片(12)のケース側面側の凸部(14)の裏側を支え部(36)で支持することが好ましくこれにより、バイメタル(20)の反転は、安定的に可動片(12)に伝えられるものである。裏側の支え部(36)が無い場合には、接点間の接触圧力が低下し、その結果、接触抵抗の増加を招くことになり、接点での発熱が増大し、接点摩耗が多くなるためブレーカの寿命が低下するが、この支え部(36)を設けることでより一層これを防止できる。
【0027】図4、図5(a)(b)(c)でバイメタルについて説明する。図4に示すように、バイメタル(20)はほぼ長方形で、その外周部の角を丸くしている。ほぼ長方形のバイメタル(20)の外周部(24)(25)の長さ(A−Aの長さ)は、図5(a)の断面図に示すように、中心部(21)と外周部(24)(25)の長さaであり、また外周部(22)(23)の長さ(B−Bの長さ)は、図5(b)の断面図に示すように、中心部(21)と外周部(24)(25)の長さbであり、ほぼ中央に位置している。図5(c)に示すように、凹面状バイメタル(20)は鎖線の状態から所定の温度より高くなるとスナップ作用により実線の状態に反転する。温度が所定の温度より低くなると、鎖線の状態に復帰するものである。
【0028】
【実施例2】本発明の実施例2について図6、図7を参照して説明する。実施例2は、図6、図7に示すように、突起(34)がケース底面(31)の偏った位置に設けられており、バイメタル(20)は、ほぼ中央に位置している反転中心部(21)が突起(34)からずれて載置されているものである。図6は、固定接点(16)に可動接点(11)が接触した正常に電流が流れている状態であり、バッテリーブレーカ(1)は、ケース(30)内の一方の端側(32)の固定接点(16)に可動片(12)のバネ作用で可動接点(11)が押し付けられて接触している。可動片(12)には凸部(13)と(14)が形成されており、凸部(14)の裏側は支え部(36)で支持されている。
【0029】図7はバッテリーブレーカが所定温度よりも高くなり、温度変化によりバイメタルが反転して可動接点が固定接点から離反している状態である。バイメタル(20)は、スナップ作用により反転して、バイメタル(20)の外周部の(25)側は可動片(12)の凸部(13)に、外周部の(24)側は可動片(12)の凸部(14)に当接し、またバイメタル(20)は反って、反転中心部(21)より外周部(24)に寄たところが突起(34)に当接して、可動片(12)を押し上げて、可動接点(11)を離反させ電流を遮断するものである。
【0030】
【実施例3】本発明の実施例3について図8を参照して説明する。実施例3は固定接点表面がケース面とほぼ同一面になるように設けられいるもので、接点が消耗した場合に、可動接点の端(隅部)がケース面に当たるようにしたものである。図8(a)(b)は、本発明のバッテリーブレーカの一部で、固定接点に可動接点が接触している状態を示す図である。図8(a)は、接点が消耗していない正常な状態で、固定接点(16)の表面がケースの一方の端側(32)とほぼ同一面になるように設けられ、固定接点(16)に可動接点(11)の隅部(11a)が接触している。なおこの固定接点(16)と可動接点(11)の接触で、電流が正常に流れるようになっている。
【0031】図8(b)は、接点が消耗した異常な状態で、固定接点(16)、可動接点(11)が磨耗、放電により溶損して、正常な接触状態が得られなくなっている。このように接点が減った場合、可動接点(11)の一部がケース面(32)の固定接点(16)との境界(32a)に当り、固定接点に可動接点が接触しなくなる。これにより不十分な接触し状態での通電は行われなくなる。このように、固定接点(16)の表面をケース面(32)とほぼ同一面になるように設け、可動接点(11)に角度をつけて接触させるようにすることにより、接点が減ったときには、接点(11)の一部がケース面(32)に接触し、通電されないようにする。すなわちバッテリーブレーカの故障モードではショートが起こらないように、すなわち固定接点(16)と可動接点(11)とが接触した状態にはせずに、オープン状態とするものである。また、図8(c)は、可動接点(11)の隅部(11a)側を厚して段差を設けたものである。可動片(12)の接点(11)にプレス加工等により段差を設ける。可動接点(11)の隅部(11a)側は、摩耗しやすいところであり、この摩耗しやすい箇所を厚することにより、ブレーカの寿命を延ばすことができる。
【0032】
【実施例4】本発明の実施例4について図9〜図13を参照して説明する。実施例3はバイメタルの形状の他の例を示すものである。図9、図10(a)(b)(c)に示すバイメタル(40)はほぼ楕円形である。ほぼ楕円形なバイメタル(40)の外周部(44)(45)の長さ(A−Aの長さ)は、図10(a)の断面図に示すように、中心部(41)と外周部(44)(45)の長さaであり、また外周部(42)(43)の長さ(B−Bの長さ)は、図10(b)の断面図に示すように、中心部(41)と外周部(44)(45)の長さbであり、ほぼ中央に位置している。図10(c)に示すように、凹面状で楕円形のバイメタル(40)は鎖線の状態から所定の温度より高くなるとスナップ作用により実線の状態に反転する。温度が所定の温度より低くなると、鎖線の状態に復帰するものである。
【0033】図11、図12(a)(b)(c)に示すバイメタル(40)は、ほぼ十字状のもので、バイメタル(50)の外周部(54)(55)の長さ(A−Aの長さ)は、図12(a)の断面図に示すように、中心部(51)と外周部(54)(55)の長さaであり、また外周部(52)(53)の長さ(B−Bの長さ)は、図12(b)の断面図に示すように、中心部(51)と外周部(54)(55)の長さbであり、ほぼ中央に位置している。図12(c)に示すように、凹面状で十字状のバイメタル(50)は鎖線の状態から所定の温度より高くなるとスナップ作用により実線の状態に反転する。温度が所定の温度より低くなると、鎖線の状態に復帰するものである。
【0034】図13(a)(b)(c)に示すバイメタル(60)は、円形凹部(66)がもうけられているものである。バイメタル(60)のA−A断面は、図13(b)に示すように、円形凹部(66)と平坦部(67)である。ほぼ中心部と外周部(64)(65)の長さはaであり、また外周部(62)(63)の長さ(B−Bの長さ)は、図13(c)の断面図に示すように、中心部と外周部(62)(63)の長さはbであり、ほぼ中央に位置しているものである。
【0035】
【実施例5】本発明の実施例5は、固定接点と可動接点の間に電流を流し、離反させて接触抵抗を安定させものであり、上記実施例1の図1〜図5を用いて説明する。。図1、図2に示すように、バッテリーブレーカ(1)は固定接点(16)、可動接点(11)、可動片(12)、バイメタル(20)が組み込まれ、ケース(30)に蓋(35)を溶着しているものである。このように組み込まれた固定接点(16)と可動接点(11)には、極めて微細な異物が付着したり、また接点の表面には極めて微細な凹凸が存在している場合があり、バッテリーブレーカの組み立て後の、固定接点(16)と可動接点(11)の接触抵抗は、12〜18mΩであった。
【0036】そこで、固定接点(16)の端子(18)と可動接点(11)の端子(15)間にDC6V−15Aを印加する。これにより可動片(12)、固定片(17)、固定接点(16)、可動接点(11)が発熱し、バイメタル(20)を反転させ、固定接点(16)と可動接点(11)が離反する。この離反時に、固定接点(16)と可動接点(11)間の接触抵抗が大きくなり、熱せられて固定接点(16)と可動接点(11)上の異物等が飛ばされる。また同時に接点表面の凹凸は滑らかになる。異物等が飛ばされ、表面が滑らかになった固定接点(16)と可動接点(11)間の接触抵抗は、5〜8mΩと減少した。またそれ以降の離反においても接触抵抗を安定させることができた。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、バイメタルはケースに拘束されずに配置され、またケース底面の突起及び可動片の凸部により、その反転、スナップ作用は、速やかでかつ安定的に可動片に伝えられ、固定接点から可動接点を離反させることができるので、小型が図られバッテリーブレーカとして優れた効果を有するものである。またニッケル水素電池またはリチュウムイオン電池等にバッテリーブレーカとして用いられ、携帯電話、ノート型パソコン等の2次電池用のバッテリーブレーカとしてバッテリーブレーカとして優れた効果を奏するものである。
【出願人】 【識別番号】592181602
【氏名又は名称】古河精密金属工業株式会社
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
【出願日】 平成12年8月8日(2000.8.8)
【代理人】 【識別番号】100102624
【弁理士】
【氏名又は名称】煤孫 耕郎
【公開番号】 特開2002−56755(P2002−56755A)
【公開日】 平成14年2月22日(2002.2.22)
【出願番号】 特願2000−240505(P2000−240505)