| 【発明の名称】 |
ガス遮断器 |
| 【発明者】 |
【氏名】腰塚 正
【氏名】内井 敏之
【氏名】新海 健
【氏名】西脇 進
|
| 【要約】 |
【課題】大型化を防ぐと共に熱ガスを適正に冷却でき、排気筒における対地絶縁性能を確保した信頼性の高いガス遮断器を提供することである。
【解決手段】遮断動作時の固定アーク接触子4bおよび可動アーク接触子4a間に発生するアーク11に対して、ガス流発生部からガス流12を吹き付けアーク11を消弧せしめる。アーク11により熱せされた熱ガス流10は、排気筒6により固定アーク接触子4bの下流に導かれ、その際に、熱ガス流10は排気筒6内面に形成された絶縁物7を溶融・蒸発させる。この際の融解熱および気化熱により熱ガス流中の熱が奪われ、排気筒6内の熱ガスを効率よく冷却する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 消弧性ガスが充填された容器内に対向配置され通常運転時は接触導通状態にあり遮断動作時は相対移動により開離すると共に開離した空間にアークを発生する固定アーク接触子および可動アーク接触子と、前記アークを消弧せしめるガス流を発生させるガス流発生部と、前記アークにより熱せされた熱ガス流を前記固定アーク接触子の下流に導く筒状の排気筒と、排気筒内面に形成され前記熱ガス流を冷却するための絶縁物とを備えたことを特徴とするガス遮断器。 【請求項2】 前記絶縁物は、前記排気筒の内径が下流に向かって大きくなるように形成されたことを特徴とする請求項1に記載のガス遮断器。 【請求項3】 前記固定アーク接触子を支える前記排気筒の接触子支え部に絶縁物を形成したことを特徴とする請求項1に記載のガス遮断器。 【請求項4】 前記絶縁物は、昇華性または熱分解性を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のガス遮断器。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電流遮断時に発生する熱ガスを冷却する排気筒を有するガス遮断器に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、パッファ形ガス遮断器はパッファ室と呼ばれるガス圧縮室においてガスを圧縮し、それをアークに吹き付けることで消弧する。図2は、そのようなガス遮断器の内部断面図であり、遮断動作途中の状態を示している。 【0003】遮断過程において、ピストン1はシリンダ2内の空間を圧縮し、パッファ室3の圧力を上昇させる。この遮断動作によって、可動アーク接触子4aおよび固定アーク接触子4b間で発生した高温かつ低密度の熱ガスは、ガス流によってノズル5を通り排気筒6へと導かれ、そこからタンク内へ放出される。 【0004】このようなガス遮断器は、近年、小型化していく傾向にある。小型化のために、シリンダ径は細くなり、タンクが小さくなってゆく傾向にある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シリンダ径を細くした場合、シリンダ2内のガス容量が小さくなり、アークへのガス吹き付け流量が減少する。したがって、可動アーク接触子4aおよび固定アーク接触子4b間で発生した熱ガスの冷却効率が低下する。また、熱ガスが高温で低密度のまま排気筒6に達し、タンク内に放出されることになる。 【0006】一般に、絶縁性能は、ガス密度ρが大きいほどよい。小型化したガス遮断器では、高温低密度の熱ガスが達する排気筒6において、対地絶縁性能の確保が困難となる。 【0007】本発明は、大型化を防ぐと共に熱ガスを適正に冷却でき、排気筒における対地絶縁性能を確保した信頼性の高いガス遮断器を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係わるガス遮断器は、消弧性ガスが充填された容器内に対向配置され通常運転時は接触導通状態にあり遮断動作時は相対移動により開離すると共に開離した空間にアークを発生する固定アーク接触子および可動アーク接触子と、前記アークを消弧せしめるガス流を発生させるガス流発生部と、前記アークにより熱せされた熱ガス流を前記固定アーク接触子の下流に導く筒状の排気筒と、排気筒内面に形成され前記熱ガス流を冷却するための絶縁物とを備えたことを特徴とする。 【0009】請求項1の発明に係わるガス遮断器においては、遮断動作時の固定アーク接触子および可動アーク接触子間に発生するアークに対して、ガス流発生部からガス流を吹き付けアークを消弧せしめる。アークにより熱せされた熱ガス流は、排気筒により固定アーク接触子の下流に導かれ、その際に、熱ガス流は排気筒内面に形成された絶縁物を溶融・蒸発させる。この際の融解熱および気化熱により熱ガス流中の熱が奪われ、排気筒内の熱ガスを効率よく冷却する。 【0010】請求項2の発明に係わるガス遮断器は、請求項1の発明において、前記絶縁物は、前記排気筒の内径が下流に向かって大きくなるように形成されたことを特徴とする。 【0011】請求項2の発明に係わるガス遮断器は、請求項1の発明において、前記絶縁物は、前記排気筒の内径が下流に向かって大きくなるように形成されたことを特徴とする。 【0012】請求項2の発明に係わるガス遮断器においては、請求項1の発明の作用に加え、熱ガス流は、排気筒の内径が下流に向かって大きくなるように形成された絶縁物と接触しながら流れる。従って、熱ガス流の排気が妨げられることなく、優れた排気効率を有する。 【0013】請求項3の発明に係わるガス遮断器は、請求項1の発明において、前記固定アーク接触子を支える前記排気筒の接触子支え部に絶縁物を形成したことを特徴とする。 【0014】請求項3の発明に係わるガス遮断器においては、請求項1の発明の作用に加え、熱ガス流は接触子支え部の絶縁物に当たり、その絶縁物の分解により熱ガス流の熱が奪われ、熱ガス流を効率よく冷却する。また、触子支え部の熱ガス流による侵食作用を低減する。 【0015】請求項4の発明に係わるガス遮断器は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記絶縁物は、昇華性または熱分解性を有することを特徴とする。 【0016】請求項4の発明に係わるガス遮断器においては、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の発明の作用に加え、熱ガス流によって絶縁物が昇華または熱分解し、その絶縁物が熱ガス流に混合する。これにより熱ガス流中の熱が奪われ排気筒内の熱ガスを効率よく冷却できる。 【0017】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の実施の形態に係わるガス遮断器の内部断面図である。本発明の実施の形態では、図2に示した従来例に対し、排気筒6の内面に熱ガス流を冷却するための絶縁物7を形成すると共に、固定アーク接触子4aを支える排気筒6の接触子支え部8に絶縁物9を形成したものである。そして、絶縁物7は、排気筒6の内径が下流に向かって大きくなるように形成されている。図2に示した従来例と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。 【0018】図1において、可動アーク接触子4aおよび固定アーク接触子4bは、通常運転時は接触導通状態にあり、遮断動作時は相対移動により開離すると共に、両接触子間の空間にアーク11を発生する。このアーク11は、ガス流発生部からのガス流12が吹き付けられることにより消弧する。ガス流発生部は、ピストン1とシリンダ2とから構成され、ピストン1によりシリンダ2内のパッファ室3の空間を圧縮しパッファ室3の圧力を上昇させて、ガス流12を発生させる。そして発生したガス流12をアーク11まで導く。そして、アーク11により発生した熱ガス流10は固定アーク接触子4aを保持する接触子支え部8を介して筒状の排気筒6に導かれる。 【0019】排気筒6の内面には絶縁物7が形成されている。熱ガス流10は図1の上方に向かって流れるので、絶縁物7は排気筒6の内径が熱ガス流10の下流に向かって大きくなるように形成されている。これは、熱ガス流10の排気が妨げられることなく優れた排気効率を持たせるためである。 【0020】また、固定アーク接触子4aの接触子支え部8の熱ガス流10が垂直方向に当たる部分には、絶縁物9が形成されている。接触子支え部8は、熱ガス流10の流れ方向と垂直に位置するため、高温の熱ガス流10に曝される。接触子支え部8は絶縁物9で覆われているので、絶縁物9の分解により熱ガスの熱が奪われ、熱ガス流10を効率よく冷却することが可能となり、さらに、接触子支え部8の熱ガス流による侵食作用を低減することが可能となる。 【0021】これらの構成要素はすべて絶縁ガスが充填された容器内に収納されガス遮断器を構成している。ガス遮断器は電流遮断時には、可動アーク接触子4aと固定アーク接触子4bとの間にアーク11を発生し、パッファ室4で圧縮したガスをガス流12としてノズル5部分でアーク11に吹き付ける。ガス流12はアーク11により加熱され、排気筒6内を熱ガス流10となって流れる。その温度は数千度と言われている。 【0022】熱ガス流10によって、固定アーク接触子4bの接触子支え部8の絶縁物9が蒸発・昇華する。蒸発・昇華した絶縁物9はガス13となり、熱ガス流10と共に排気筒6へ流れる。また、排気筒6内の絶縁物7の表面でも蒸発・昇華が発生し、蒸発・昇華した絶縁物はガス13となり熱ガス流10と共に流れる。絶縁物7、9を蒸発・昇華させ、それによって発生したガス13が熱ガス流10と混合して排気筒6内を流れるので、熱ガス流10を効率よく冷却させることができる。 【0023】すなわち、絶縁物7、9は、金属に比べて融点や沸点が低いので、熱ガス流10の温度においても、絶縁物7、9は溶融・蒸発する。この絶縁物7、9の溶融・蒸発によって熱ガス流10中の熱が奪われ、排気筒6内の熱ガスを効率よく冷却することができる。 【0024】ここで、絶縁物7、9としては昇華性または熱分解性を有する絶縁物を用いことも可能である。例えば、窒化ホウ素、酸化亜鉛、フッ化アルミニウム、塩化クロム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水和アルミナ、硫酸バリウム、カオリンクレー、タルク、ドロマイト、ポリアセタール、PTFE、ユリア樹脂等を用いる。 【0025】この場合は、熱ガス流10によって絶縁物7、9の物質が昇華または熱分解し、その物質が熱ガスに混合する。昇華または熱分解した物質の混合によって、熱ガス流10中の熱が奪われることで、排気筒6内の熱ガスを効率よく冷却することが可能となる。 【0026】また、排気筒6の内面に形成される絶縁物7は、排気筒6の内面に絶縁物を塗付して形成しても良いし、絶縁物の厚さが下流に向かって薄くなるような筒状の絶縁物を配置しても良い。 【0027】この本発明の実施の形態においては、排気筒6の内面の絶縁物7と固定アーク接触子4bの接触子支え部8の絶縁物9とを熱ガス流10により蒸発・昇華させ、蒸発・昇華させたガスを熱ガス流10と混合させるので、効率よく熱ガス流10を冷却することができる。 【0028】 【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、電流遮断時にアーク接触子間で発生し排気筒へ導かれる熱ガスを効率よく冷却できる。また、排気筒における対地絶縁性能を確保でき、ガス遮断器の信頼性を向上させることが可能となる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000003078 【氏名又は名称】株式会社東芝
|
| 【出願日】 |
平成12年8月11日(2000.8.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083231 【弁理士】 【氏名又は名称】紋田 誠
|
| 【公開番号】 |
特開2002−56752(P2002−56752A) |
| 【公開日】 |
平成14年2月22日(2002.2.22) |
| 【出願番号】 |
特願2000−244189(P2000−244189) |
|