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【発明の名称】 密閉容器に収納した電気機器の駆動装置
【発明者】 【氏名】熊谷 洋

【要約】 【課題】密閉容器が変形しても、駆動軸に外部から回転力を加えることで、密閉容器内に収納している電気機器を操作できるようにすることにある。

【解決手段】軸11に固定したレバー12に2本のピン13を設け、この軸11を駆動軸に結合し、ピン13は前記駆動軸と一体で回転する。前記ピン13と緩く係合する間隙23を備えたカップリング22を固定した軸21を操作軸に結合することで、カップリング22は前記操作軸と一体で回転する。前記間隙23の空隙幅寸法は、ピン13の直径よりも大きく加工している。駆動軸の一端に軸11を結合し、操作軸の一端に軸21を結合すれば、駆動軸の軸心と操作軸の軸心とがずれた場合や、両軸心が一直線上にない場合でも、前記ピン13が間隙23へ回転力を伝える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】密閉容器に収納した電気機器を動作させる操作軸を、該密閉容器に設けた気密軸受を通過する駆動軸に結合し、外部からこの駆動軸に加える回転力で前記電気機器を動作させる密閉容器に収納した電気機器の駆動装置において、前記駆動軸と操作軸との間に、これら両軸の軸心が不一致でも外部から加える回転力で前記電気機器を動作させることができる回転力伝達機構を備えることを特徴とする密閉容器に収納した電気機器の駆動装置。
【請求項2】請求項1に記載の密閉容器に収納した電気機器の駆動装置において、前記密閉容器は、内部に開閉装置と絶縁性ガスを封入したガス絶縁開閉装置であることを特徴とする密閉容器に収納した電気機器の駆動装置。
【請求項3】請求項1または請求項2に記載の密閉容器に収納した電気機器の駆動装置において、前記回転力伝達機構は、前記駆動軸または操作軸のいずれか一方の軸と一体で回転する1乃至複数のピンと、前記ピンに対応する位置に当該ピンを緩やかに係合できる空間を有して他方の軸と一体で回転する回転部材とで構成し、前記ピンと回転部材が一方の軸から他方の軸へ回転力を伝達することを特徴とする密閉容器に収納した電気機器の駆動装置。
【請求項4】請求項1または請求項2に記載の密閉容器に収納した電気機器の駆動装置において、前記回転力伝達機構は、回動自在で回転力を伝達できるジョイントを軸の両端に備えたユニバーサルジョイントであって、前記駆動軸と操作軸を前記ユニバーサルジョイントで結合して回転力を伝達することを特徴とする密閉容器に収納した電気機器の駆動装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電気機器を収納している密閉容器が変形した場合でも、当該密閉容器に設けた気密軸受を通過する軸に回転力を与えて、内部の電気機器を動作させることができる密閉容器に収納した電気機器の駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電気機器の印加電圧が高くなると、大気中では相間絶縁距離や大地間絶縁距離を大にしなければならないから、大きなな設置スペースが必要になることや、感電事故や短絡事故などが発生する危険や、事故が発生したときの被害が拡大する恐れがあることなどで、高電圧の電気機器は隔離して設置することが望ましい。そこで高電圧電気機器を密閉容器に収納することで隔離の効果が大になるのであるが、更にこの密閉容器の内部を絶縁性が大気よりも高い雰囲気,例えば高圧空気を圧入したり六弗化硫黄のような絶縁ガスを封入することで、密閉容器に電気機器を収納する効果をより高めるし、密閉容器をより小形にすることができる。そこで以下では、遮断器や断路器などの回路開閉用電気機器を六弗化硫黄のような絶縁ガスと共に密閉容器に封入した構成のガス絶縁開閉装置を例にして、本発明の詳細を説明する。
【0003】ガス絶縁開閉装置に収納している開閉装置のうちで、遮断器は電動操作や電磁操作により開閉動作をさせることが多いが、断路器はこれらによる操作の他に、外部から手動により操作できることが、安全上からも望ましい。そこでこの手動操作のために、密閉容器には気密軸受を設け、この気密軸受を貫通する駆動軸を断路器の動作軸に直結する。駆動軸に回転力を加えることにより、断路器を外部から開路または閉路させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところでこのガス絶縁開閉装置の内部で、例えば遮断器が大電流を遮断しようとして遮断不能となる事故,或いは内部で短絡事故などが発生したような場合には、点検に先立って断路器を開路させなければならないので、前記の駆動軸に回転力を加えて当該断路器を動かす。ところが遮断不能事故や短絡事故に伴って発生するアークは、当該密閉容器の内部圧力を上昇させるから、この圧力により密閉容器に変形を生じることがある。この変形は密閉容器に設けた気密軸受に影響を及ぼして、その位置が移動したり軸の方向を変化させる。その結果、この気密軸受を通過する駆動軸の軸心と断路器操作軸の軸心とにずれを生じたり一直線ではなくなったりするのであるが、それにもかかわらず両軸は結合されたままであるから、駆動軸に回転力を加えても操作軸は回転することができない。すなわち密閉容器の変形は、収納している電気機器を駆動軸を使って外部から操作するのが不可能になってしまう不具合を生じる。
【0005】そこでこの発明の目的は、密閉容器が変形しても、駆動軸に外部から回転力を加えることで、密閉容器内に収納している電気機器を操作できるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するために、この発明の密閉容器に収納した電気機器の駆動装置は、密閉容器に収納した電気機器を動作させる操作軸と該密閉容器に設けた気密軸受を通過する駆動軸との間に、これら両軸の軸心の不一致を吸収して、外部から前記駆動軸に加えた回転力を前記操作軸へ伝達することができる回転力伝達機構を挿入するものとする。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は本発明による動力伝達機構の第1実施例の構造を表した斜視図である。この図1に図示の第1実施例において、軸11に固定されているレバー12には1本乃至複数本(図1では2本)のピン13が設けてあり、気密軸受(図示せず)を通過して密閉容器(図示せず)内に挿入されている駆動軸(図示せず)に前記軸11を結合することにより、ピン13と前記駆動軸とは一体になって回転する。
【0008】一方、前記ピン13と緩く係合する間隙23を備えているカップリング22を取付けている軸21を断路器の操作軸(図示せず)と結合することにより、このカップリング22は前記操作軸と一体になって回転する。ここで間隙23が有する空隙幅の寸法は、ピン13の直径よりも大きく加工されているから、ピン13と間隙23との係合は緩やかである。
【0009】駆動軸の一端に軸11を結合し、操作軸の一端に軸21を結合すれば、駆動軸と操作軸とは分離しているが、前述したピン13が間隙23へ回転力を伝えるから、密閉容器が変形してレバー12とカップリング22の間隔が変化しても、ピン13の長さでカバーできる範囲内の変化ならば、駆動軸に加えた回転力を操作軸へ伝達することができる。また、駆動軸の軸心と操作軸の軸心とがずれた場合や、両軸心が一直線上にない場合でも、駆動軸に加えた回転力を操作軸へ伝達することができる。
【0010】図2は本発明による動力伝達機構の第2実施例の構造を表した斜視図である。図2に図示の第2実施例は、一般にユニバーサルジョイントと称している動力伝達機構であって、軸51の一端には回動自在なボールジョイント32を設け、このボールジョイント32に軸31を連結する。また前記軸51の他端にも回動自在なボールジョイント42を設け、このボールジョイント42に軸41を連結する。これらボールジョイント32,42は回転力を伝達できるし、角度を自由に変更できるから、例えば軸31を駆動軸に結合し、軸41を操作軸に結合すれば、密閉容器の変形に伴って駆動軸と操作軸に軸心の不一致や、軸心に角度を生じた場合でも、一方から他方へ回転力を伝達できる。
【0011】
【発明の効果】密閉容器に収納されている電気機器を動作させる操作軸は、従来は外部から回転力を加える駆動軸に直結されていたので、密閉容器が変形すると、外部から回転力を加えても内部の電気機器を動作させることができない不具合があった。これに対して本発明によれば、駆動軸と操作軸との間に、両軸の軸心が不一致になったり角度を生じた場合でも回転力を伝達できる回転力伝達機構を備えることにより、短絡事故などで密閉容器内部の圧力が上昇して当該容器が変形した場合でも、駆動軸からの回転力を操作軸へ支障無く伝達できる効果が得られる。更に、駆動軸と操作軸とを回転力伝達機構を介して緩やかな結合にしていることから、操作軸の軸心が駆動軸の軸心と一致しない状態で電気機器を据え付けることができる。従ってガス絶縁開閉装置の組立や、点検・手入れのための分解後の現地での再組立が容易になる効果も合わせて得られる。
【出願人】 【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
【出願日】 平成12年8月9日(2000.8.9)
【代理人】 【識別番号】100088339
【弁理士】
【氏名又は名称】篠部 正治
【公開番号】 特開2002−56751(P2002−56751A)
【公開日】 平成14年2月22日(2002.2.22)
【出願番号】 特願2000−241630(P2000−241630)