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【発明の名称】 電子機器等の操作ボタン支持構造
【発明者】 【氏名】西澤 宜治

【要約】 【課題】組立性・分解性を損なったり、部品点数を増加させることなく、操作ボタンやプリント基板の支持強度を経時的に維持し、更に操作ボタン支持部等が破損する虞れもない電子機器等の操作ボタン支持構造を提供する。

【解決手段】各爪付片61の片面に設けた爪部61bによってプリント基板31の被係止穴83を係止している状態で、ボタン部材支持機構26にボタン部材25を挿着したときに、挿入穴53から挿入されたストッパ部材43が各爪付片の他面に当接して板状部の内側(係止解除方向)への変形を阻止するように構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ボタン部材と、該ボタン部材を表面側から着脱可能に支持するボタン部材支持機構を備えた支持板と、該支持板の裏面に設けられてスイッチを備えたプリント基板を着脱可能に支持する基板支持機構と、を備えた電子機器等において、前記ボタン部材は、押圧操作部と、該押圧操作部の裏面から突出する操作棒と、該押圧操作部の裏面上に該操作棒を挟んで対向配置且つ突設された少なくとも2つの爪付係止部材と、該押圧操作部の裏面上に該操作棒を挟んで対向配置且つ突設された少なくとも2つのストッパ部材と、を有し、前記ボタン部材支持機構は、前記操作棒を進退可能に嵌合させる操作穴と、前記各爪付係止部材を挿通した状態で係止する係止穴と、前記各ストッパ部材を挿通させる挿入穴と、を有し、前記基板支持機構は、前記支持板の裏面であって前記各挿通穴の近傍から突設された爪付片を有し、且つ該爪付片の爪部によって前記プリント基板を係止する構成を備え、前記各爪付片の片面に設けた爪部によってプリント基板を係止している状態で、前記ボタン部材支持機構にボタン部材を挿着したときに、前記挿入穴から挿入されたストッパ部材が爪付片の他面に当接して爪部によるプリント基板の係止を解除できないように構成したことを特徴とする電子機器等の操作ボタン支持構造。
【請求項2】 前記ボタン部材を前記ボタン部材支持機構に挿着した状態において、前記爪付係止部材の先端と対応するプリント基板面に、該爪付係止部材を操作するための操作用開口を形成したことを特徴とする電子機器等の操作ボタン支持構造。
【請求項3】 前記爪付係止部材の先端を、前記プリント基板に設けた操作用開口から裏面側に突出させたことを特徴とする請求項2記載の電子機器等の操作ボタン支持構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パソコン、画像形成装置、通信機器、周辺装置等々の電子機器や、機械装置等の各種機器に装備される操作ボタンの支持構造の改良に関し、特に筐体に装備された操作ボタンを押し込んだ時に筐体内部に配置したプリント基板上のスイッチがONされるように構成されたスイッチ機構において、操作ボタンの押し込み力によって経時的に操作ボタンやプリント基板を支持する部分の強度が低下して破損する等の不具合を解消することができる電子機器等の操作ボタン支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】パソコン等の情報処理装置、画像形成装置、通信機器、周辺装置等々の電子機器や、機械装置等の各種機器(以下、電子機器等、という)には、電源をON、OFFしたり、各種機能を実現する等の操作のために、操作ボタンが装備されている。図7は特許第2642083号公報に開示されたスイッチ部基板の保持構造を示す図であり、小型電子機器のケース1に設けた穴1a内には操作ボタン6が装着されており、この操作ボタン6の内側に経スイッチ10が配置されている。このスイッチ10は、プリント基板3上に固定されており、プリント基板3は、係止穴9を、ケース1の内壁から突設された爪付き係止片7の爪部によって係止されている。この従来技術では、プリント基板3の固定をカバー1に設けられたスイッチ近傍の係止片7の爪部によって行っているが、操作ボタン6を介してスイッチ10を押下する際にスイッチ10が実装されたプリント基板3にその押下する荷重がかかり、プリント基板3が爪部から外れ易くなる。そのため、プリント基板3が操作ボタン6の押下時に外れない様に、爪部の掛かり量を増したり、爪付き係止片7の変形量を少なくするために弾性変形の荷重を増したりするが、このように構成すると逆にプリント基板の取付け・取り外しの際に大きな力が必要となるため、組立性や、部品交換、修理の為の分解性が著しく低下する。また、この過大な力は、プリント基板やカバーの爪部に無理な力を生じさせることになり、破損の恐れも生じる。また、特開平11−87935号公報「操作パネル」では、プリント基板を装着する固定手段として、ネジに代え、支持支柱と間隙支柱を用いているが、取付け・取り外し時にはプリント基板をたわませる必要があり、プリント基板及び搭載部品等に悪影響を及ぼす程度に大きなたわみを発生させる危険性がある。また、操作ボタンによりスイッチを押下する際にプリント基板に荷重が掛かりプリント基板にストレスを与える可能性がある。また、実開平5−81922号公報「押釦装置」は、プリント基板の固定をボタン(ノブ)の後方にあるカバーノブで行うことを内容としているが、ボタンの操作によりプリント基板へストレスが加わり、更に部品点数が増加する、という問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記に鑑みてなされたものであり、組立性・分解性を損なったり、部品点数を増加させることなく、操作ボタンやプリント基板の支持強度を経時的に維持し、更に操作ボタン支持部等が破損する虞れもない電子機器等の操作ボタン支持構造を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する為、請求項1の発明は、ボタン部材と、該ボタン部材を表面側から着脱可能に支持するボタン部材支持機構を備えた支持板と、該支持板の裏面に設けられてスイッチを備えたプリント基板を着脱可能に支持する基板支持機構と、を備えた電子機器等において、前記ボタン部材は、表面側に位置する押圧操作部と、該押圧操作部の裏面から突出する操作棒と、該押圧操作部の裏面上に該操作棒を挟んで対向配置且つ突設された少なくとも2つの爪付係止部材と、該押圧操作部の裏面上に該操作棒を挟んで対向配置且つ突設された少なくとも2つのストッパ部材と、を有し、前記ボタン部材支持機構は、前記操作棒を進退可能に嵌合させる操作穴と、前記各爪付係止部材を挿通した状態で係止する係止穴と、前記各ストッパ部材を挿通させる挿入穴と、を有し、前記基板支持機構は、前記支持板の裏面であって前記各挿通穴の近傍から突設された爪付片を有し、且つ該爪付片の爪部によって前記プリント基板を係止する構成を備え、前記各爪付片の片面に設けた爪部によってプリント基板を係止している状態で、前記ボタン部材支持機構にボタン部材を挿着したときに、前記挿入穴から挿入されたストッパ部材が爪付片の他面に当接して爪部によるプリント基板の係止を解除できないように構成したことを特徴とする。請求項2の発明は、記ボタン部材を前記ボタン部材支持機構に挿着した状態において、前記爪付係止部材の先端と対応するプリント基板面に、該爪付係止部材を操作するための操作用開口を形成したことを特徴とする。請求項3の発明は、前記爪付係止部材の先端を、前記プリント基板に設けた操作用開口から裏面側に突出させたことを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。図1は本発明の操作ボタン支持構造を備えた電子機器の一例の外観図、図2は前面カバーの裏面斜視図、図3は図2の分解斜視図、図4は前面カバーを斜め前方から見た分解斜視図である。この電子機器は、その筐体20の前面カバー(支持板)21に設けた円筒形の凹所22内にボタン部材25を着脱自在に支持するボタン部材支持機構26を備え、更に前面カバー21の裏面にはスイッチ30を備えたプリント基板31を着脱可能に支持する基板支持機構32、33と、を備えている。ボタン部材25は、例えば樹脂材料から構成し、表面側に位置する弾性変形可能な円盤状の押圧操作部40と、該押圧操作部40の裏面中央から突出する操作棒41と、該押圧操作部40の裏面上に該操作棒41を挟んで対向配置且つ突設された少なくとも2つの爪付係止部材42と、該押圧操作部40の裏面上に該操作棒41を挟んで対向配置且つ突設された少なくとも2つのストッパ部材43と、を有する。各爪付係止部材42と各ストッパ部材43は、この例では、90度の周方向間隔を隔てて配置されている。操作棒41は、操作者によって押圧操作部40が押し込まれた時にプリント基板31上のスイッチ30をONさせる手段である。爪付係止部材42は、押圧操作部40の裏面の周縁に180度間隔をおいて突設された板バネとして機能する板状部42aと、板状部42aの適所から外径方向に突設された爪42bと、を備えている。ストッパ部材43は、各爪付係止部材42と90度周方向位置をずらして突設された板状部材である。符号45はボタン部材25をOFF位置に維持、或は復帰させるための弾性部材としてのコイルスプリングであり、操作棒41に挿通され、押圧操作部40の裏面と凹所22の内底面との間で保持される。ボタン部材支持機構26は、操作棒41を内外方向へ進退可能に嵌合させる操作穴51(凹所22の内底面に貫通形成)と、各爪付係止部材42を挿通した状態で爪42bを係止する係止穴52と、各ストッパ部材43を挿通させる挿入穴53と、を有する。操作者が押圧操作部40を押し込んだ時に操作棒41が操作穴51内を奥側へ移動することによりその先端部でプリント基板31上のスイッチ30をONさせる。押圧操作部40に対する押圧が解除されると、弾性部材45の復帰力によって原位置に復帰してスイッチ30をOFFさせる。係止穴52内に係止された状態にある爪付係止部材42は、これを内径方向へ弾性変形させることにより爪42bを係止穴52との係合から解除して離脱することが可能である。ストッパ部材43は、挿入穴53から内部へ挿入されることにより、後述する爪付片61の外径側に近接配置されて、爪付片61が外径方向(プリント基板の係合解除方向)へ撓み変形することを阻止する。
【0006】図3に示すように、上下の基板支持機構32、33の内、上側の基板支持機構32は、前カバー21の裏面(円筒状凹所22の裏面)であって各挿通穴53の内側から突設された爪付片61を有し、且つ該爪付片61の板状部61aの片面(内側面)に設けた爪部61bによってプリント基板31に設けた被係止穴81を係止する構成を備えている。符号71はプリント基板31の板面を支持する為のリブであり、72はプリント基板に設けた位置決め穴82内に挿通される位置決めボスである。下側の基板支持機構33は、前カバー21から突設された弾性変形可能な爪付係止片75を備え、爪部75aをプリント基板31の下端両端縁に係止することによりプリント基板31を保持する。プリント基板31は、被係止穴81、位置決め穴82等の他に、操作用開口84を備えている。この操作用開口84は、各爪付係止部材42に対応した位置にあり、プリント基板31の裏側から各爪付係止部材42を操作可能にするための手段である。また、スイッチ30はプリント基板31の表面の適所、この例では、2つの被係止穴81と2つの操作用開口84により包囲された中心位置に固定される。また、85は状態表示用のLEDであり、86はコネクタである。コネクタ86はハーネス87を介して図示しない他のプリント基板等と接続されている。符号88は別部材としての保持部材であり、前カバー21の裏面に固定された状態で突出した爪部を被係止穴83に係止する。上記実施形態の特徴的な構成の一つは、各爪付片61の片面に設けた爪部61bによってプリント基板の被係止穴81を係止している状態で、ボタン部材支持機構26にボタン部材を挿着したときに、挿入穴53から挿入されたストッパ部材43が各爪付片61の他面に当接して板状部61aの外側(係止解除方向)への変形を阻止し、爪部61bによる被係止穴81の係止を解除できないようにした点にある。従って、図2等に示すようにストッパ部材43の先端は、必要に応じて被係止穴81から少しく基板裏面側へ突出する。
【0007】次に、上記各構成要素を組み立てる手順例を説明する。まず、プリント基板31は、ボタン部材25がボタン部材支持機構26に取り付けられていない状態で前カバー21の爪付片61の爪部61b及び爪付係止片75の爪部75aによって係止される。即ち、爪付片61については、板状部61aを内側に弾性変形させて被係止穴81内に差し入れてから原形に復帰させて爪部61bにより係止する。爪付係止片75については、プリント基板31の幅方向両端縁をその爪部75aにて係合する。プリント基板31の位置決めは、前カバー21の位置決め用ボス72をプリント基板31の位置決め穴82内に嵌合させることによって行われ、前カバー21の爪付片61は前カバー21のリブ71とともにプリント基板31の上部を固定する。このように前カバー21の裏面に設けた上下の基板支持機構32、33に対してプリント基板31を取りつけた後、操作用のボタン部材25をボタン部材支持機構26に対してスプリング45とともに取り付ける。ボタン部材25は、ボタン部材25の爪付係止部材42を係止穴52内に係止することによって、前カバー21からの脱落を防止されている。スプリング45は、ボタン部材25の裏面から突設されたスイッチ30を押下する操作棒41に嵌挿され、前カバー21(凹所22の内底面)とボタン部材25との間に取り付けられている。ボタン部材25の裏面から突設した一対のストッパ部材43は、挿入穴53から突出して、各爪付片61の背面(爪部61bを形成した面の反対面)に位置し、前カバー21の爪付片61が外側(プリント基板との係合解除方向)へたわむことを規制する。ボタン部材25を押下すると、ボタン部材25の操作棒41によりスイッチ30が押下される。ボタン部材25の操作によりスイッチ30は操作方向(ON方向)に押され、プリント基板31も操作方向に押されることになるが、被係止穴81に爪部61bを係止した爪付片61がプリント基板31の移動、脱落を防止し、更に爪付片61が係合解除方向へ変形しようとするのをボタン部材25のストッパ部材43が防止する。このため、プリント基板の脱落を確実に防止できる。
【0008】次に、プリント基板31の取り外しは、ボタン部材25をボタン部材支持機構26から取り外すことにより行う。ボタン部材25の取り外しは、各爪付係止部材42の板状部42aを内側にたわませて各爪部42bを各係止穴52から解除した上で引き抜くことにより行われる。ボタン部材25を取り外した後、プリント基板31を爪付片61及び爪付係止片75から外してプリント基板31を取り外す。以上のようにこの実施形態によれば、ボタン部材25を繰り返し押し込んだとしても、経時的にプリント基板31が前カバー21の爪付片61から外れることがなくなり、爪付片61はプリント基板31を保持する以上の強度が不要となるため、爪付片61の掛かり量を増したり変形量を少なくするためのに弾性変形の荷重を増したりする必要が無くなる。このためボタン部材25を取り付けていない状態では、プリント基板31の前カバー21への取付け、取り外しの作業が容易となり、組立性、分解性が良くなる。
【0009】次に、本発明の第2の実施形態の特徴的な構成は、ボタン部材25をボタン部材支持機構26に挿着した状態において、爪付係止部材42の先端と対応するプリント基板面に、爪付係止部材42の解除操作を行うための操作用開口84を形成した点にある。ここで、解除操作とは、爪付係止部材42の板状部42aを内側へ変形させて爪部42bを係止穴52から係止解除させる操作である。即ち、爪付係止部材42の先端部と対応するプリント基板31の板面に開口がない場合には、プリント基板31と前カバー21との間に位置するボタン部材25を取り外す際に、プリント基板31が邪魔となって、爪付係止部材42を解除方向に操作して係止穴52から離脱させることが困難となる。これに対して、操作用開口84を設けることにより、操作用開口84から治具等を差し込んで爪付係止部材42の先端部を解除方向に変形させることが可能となり、ボタン部材25を取り外すことが可能となる。なお、この実施形態では、爪付係止部材42の先端部は、プリント基板31の表面よりも前カバー21寄りの位置にあることを想定している。
【0010】次に、本発明の第3の実施形態の特徴的な構成は、爪付係止部材42の先端部を操作用開口84から基板裏面側に突出させた構成にある(図2、図5、図6参照)。第2の実施形態では、ボタン部材の爪付係止部材42を変形させる作業を、プリント基板に設けた操作用開口84から行うことができるようになったが、開口84が小さい場合には工具等が必要であるという問題がまだ残る。そこで、この実施形態では、プリント基板31の操作用開口84を介して基板裏面側へ爪付係止部材42の延長した延長部42Aを突出させ、プリント基板31の裏側から先端部42Aを直接操作して爪付係止部材42を解除方向にたわませることができるようにした。このため、治具等が不要となり、指等を用いてボタン部材を取り外す為の解除作業が可能となり、操作性が高くなる。
【0011】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、組立性・分解性を損なったり、部品点数を増加させることなく、操作ボタンやプリント基板の支持強度を経時的に維持し、更に操作ボタン支持部等が破損する虞れもない電子機器等の操作ボタン支持構造を提供することができる。即ち、請求項1の発明は、各爪付片の片面に設けた爪部によってプリント基板の被係止穴を係止している状態で、ボタン部材支持機構にボタン部材を挿着したときに、挿入穴から挿入されたストッパ部材が各爪付片の他面に当接して板状部の内側(係止解除方向)への変形を阻止するように構成したので、爪部による被係止穴の係止を解除できないようにし、その結果プリント基板の脱落を防止できる。請求項2の発明は、ボタン部材をボタン部材支持機構に挿着した状態において、爪付係止部材の先端と対応するプリント基板面に、爪付係止部材の解除操作を行うための操作用開口を形成したので、プリント基板の裏面側からの操作により解除し、ボタン部材を容易に外すことが可能となる。請求項3の発明では、前記操作用開口から爪付係止部材の先端をプリント基板裏面側へ突出させるようにしたので、格別の治具等を用いることなく爪付係止部材の係止を解除してボタン部材を容易に離脱させることができる。
【出願人】 【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
【出願日】 平成12年8月9日(2000.8.9)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−56741(P2002−56741A)
【公開日】 平成14年2月22日(2002.2.22)
【出願番号】 特願2000−241677(P2000−241677)