| 【発明の名称】 |
照光式スイッチ |
| 【発明者】 |
【氏名】斎藤 淳
【氏名】直井 泰史
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| 【要約】 |
【課題】クリック率を高め、金属ドーム単体のものに近い良好なクリック特性をもつ照光式スイッチを提供する。
【解決手段】ベースシート7上に固定接点7aを設ける。ベースシート7の上方に、弾性変形することによってベースシート上の固定接点7aを電気的に接続可能なドーム型の可動接点8を配設する。可動接点8の表面には、可動接点8の周辺部にまでわたって絶縁部材6を介して可撓性のELシートEを接着剤9a,9b等を用いて貼着する。ELシートEには、可動接点8のドーム型の外周縁に沿う位置に部分的に切り込み10を形成してある。切り込み10は、可動接点8を中心として対称位置に少なくとも1対形成してある。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ベースシートには固定接点が設けられており、前記ベースシートの上方には、弾性変形することによって前記固定接点に対して節度をもって接離されるドーム型の可動接点が配設されており、前記可動接点の表面には、その表面に沿って当該可動接点の周辺部にまでわたって延在する可撓性のELシートが絶縁部材を介して貼着されており、前記ELシートには、前記可動接点のドーム型の外周縁に沿う位置に部分的に切り込みが形成されていることを特徴とする照光式スイッチ。 【請求項2】 請求項1において、前記切り込みは、前記可動接点を中心として対称位置に少なくとも1対形成されていることを特徴とする照光式スイッチ。 【請求項3】 請求項1または2において、前記可動接点と前記絶縁部材とは接着剤または両面接着材シートによって貼着されていることを特徴とする照光式スイッチ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、携帯情報機器等に利用される照光式スイッチに関する。 【0002】 【従来の技術】従来の照光式スイッチとして、本願出願人が先に提案した例えば特願平11−67095号には、図5及び図6に示すように、固定接点Aが設けられているベースシートBの上方に、ドーム型の可動接点Cが配置され、その上方に絶縁部材Dを介在させて可撓性のELシートEを接着剤Fにより貼着した構成のものが示されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】この従来の照光式スイッチでは、スイッチを押し下げかつ解放する操作の際のスイッチ動作節度感触の特性、すなわち、クリック特性が、絶縁部材D及びELシートEを貼着しない金属ドーム単体の場合のクリック特性より劣っているという問題点があった。即ち、金属ドーム単体の場合のクリック率が49%得られるのに対して、ELシート等を貼着した従来のものではクリック率が43%になってしまう。 【0004】そこで本発明は、クリック率を高め、金属ドーム単体のものに近い良好なクリック特性をもつ照光式スイッチを提供する。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明の照光式スイッチは、ベースシートには固定接点が設けられており、前記ベースシートの上方には、弾性変形することによって前記固定接点に対して節度をもって接離されるドーム型の可動接点が配設されており、前記可動接点の表面には、その表面に沿って当該可動接点の周辺部にまでわたって延在する可撓性のELシートが絶縁部材を介して貼着されており、前記ELシートには、前記可動接点のドーム型の外周縁に沿う位置に部分的に切り込みが形成されていることを特徴としている。切り込みを形成することで、クリック特性が向上する。 【0006】前記切り込みは、前記可動接点を中心として対称位置に少なくとも1対形成されていることが好ましい。また、前記可動接点と前記絶縁部材とは接着剤または両面接着材シートによって貼着されていることが好ましい。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について、図面を参照して説明する。 【0008】図1及び図2に示すように、本発明に用いるELシートEは、透明基板1上に、透明導電膜2と、発光層3と、絶縁層4と、背面電極層5とを順次積層して構成されたものである。透明基板1は、ポリエチレンテレフタレート(PET)で作られたフィルムであり、その上に透明導電膜2を構成するインジウム−錫酸化物(ITO)を蒸着している。この例では厚さ75μmとなっている。 【0009】発光層3は、透明導電膜2の上面に発光インクを印刷することにより形成される。発光インクを構成する蛍光体としては、Cuをドープした硫化亜鉛(ZnS)を用いる。発光インクは、この蛍光体と、バインダーとしてフッ化ビニリデンと六フッ化プロピレンの共重合体を溶剤としてのメチルエチルケトンに溶かしたフッ素樹脂バインダーを用い、これらを混合して攪拌して発光インクを作る。この発光インクをスクリーン印刷法等の方法によって透明導電膜2の上面に印刷し、その後加熱し乾燥させて発光層3を形成する。 【0010】絶縁層4は、発光層3の上面に形成される。絶縁層4を形成するインクは、チタン酸バリウム(BaTiO3 )からなる高誘電体物質と、前記のフッ素樹脂バインダーとを混合して攪拌することによって作る。このインクを用いて、前記の発光層3の形成と同様な方法により絶縁層4を形成する。 【0011】背面電極層5は、絶縁層4の上面にカーボンインクを印刷し、加熱し乾燥することによって形成される。カーボンインクは、ポリエステル樹脂をバインダーとして、導電体であるカーボン粉を混合して形成されている。なお、この背面電極層5は、カーボン粉と銀粉及び銅粉とバインダーであるポリエステルとによって構成したものでも良い。 【0012】このようにして可撓性のELシートEが形成される。このELシートは、タイミングをはかって照光するように制御される。例えば、本発明の照光式スイッチを携帯電話に採用する場合には、任意のスイッチをONさせた時にELシートを照光させる、または、開閉式の機構を有するものにおいては開く動作を行なった時にELシートを照光させるように制御される。 【0013】更に、このELシートEの背面電極層5の上面に、絶縁部材6が形成される。絶縁部材6は、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリイミド等、電気的に絶縁できるものが用いられ、後述の可動接点との電気的絶縁を図るものである。 【0014】なお、上述した透明基板1上に形成する透明導電膜2は、PET上へのITO蒸着に限るものではなく、導電性高分子により構成してもよい。導電性高分子としては、ポリチオフェン系導電性高分子、さらには、ポリチオフェン系導電性高分子の中ではポリエチレンジオキシチオフェンが好ましい。この場合、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンサルフォネイトをPETのフィルム1上に塗布し、乾燥させることによって形成可能である。 【0015】ベースシート7には1対の固定接点7aが設けられている。固定接点7aの上方には、ドーム型に成形された可動接点8が配設されている。可動接点8は、例えば、導電性を有する金属材料が用いられ、弾性変形可能な部材であって、人の指にて図下側に押すと、弾性変形してへこみ、指を離すと元の形状に復帰する。可動接点8は、可動接点を押してへこませる際、及び弾性変形状態から元の形状へ復帰する際、適度なクリック感がともなうものが採用されている。可動接点8は、弾性変形してへこんだ状態において、ベースシート7の1対の固定接点7aと接触して、電気的に接続した状態にする。したがって金属材料に限られず、弾性変形可能な導電性材料であればよく、ゴム等にカーボン等を混入したものを用いるようにしてもよい。 【0016】前記のELシートE上に形成されている絶縁部材6に、接着剤9a,9bを形成してある。接着剤9aは、可動接点8の周囲に対向する部分に設けられ、接着剤9bは、可動接片8の頂面に対向する部分に設けられ、適当なパターンでスクリーン印刷などの方法により形成される。そこで先ず接着剤9bにより可動接点8をELシートE及び絶縁部材6に貼着し、可動接点8と固定接点7aとが対向するように位置合わせした上で接着剤9aによりベースシート7をELシートE及び絶縁部材6に貼着する。ELシートE及び絶縁部材6は、このようにして貼着することにより可動接点8のドーム型に沿った形状に変形する。 【0017】また、接着剤9a,9bの代わりに、両面接着材シートを用いてもよい。両面接着材シートを用いる場合には、上述した接着剤9a,9bと同様に両面接着剤シートを設けても良いが、ベースシート7への可動接点8およびELシートEの貼着作業の効率を良くするために、一例として、図3に示すように、ELシートEに対して、所望の面積の両面接着材シート19を可動接点8が位置する部分は、各可動接点8の頂部を通る橋渡し部19bを設けるように、すなわち各可動接点8について1対の半円を削除した部分を設けるように形成した1枚の両面接着材シート19を準備すればよい。可動接点8の実際に用いられる直径は4〜6mmであり、両面接着材シート19の橋渡し部19bの幅は0.5〜2mm程度に設定するのが良い。 【0018】ELシートE及び絶縁部材6には、可動接点8のドーム型の外周縁に沿う位置に、部分的に切り込み10が形成されている。切り込み10は、図1のように可動接点8を中心として対称位置に少なくとも1対形成することが望ましく、或いは均等間隔に3個以上の切り込みを形成するものであってもよい。この場合、ELシートEを構成する透明電極層2と背面電極層5が切断されない位置を選んで切り込み10が形成される。 【0019】切り込み10の形成は、接着剤または両面接着材シートを用いて可動接点8を貼着する前でもよく、また、ベースシート7を貼着した後であってもよい。ベースシート7を貼着した後で切り込みを形成する場合には、当然のことながらベースシート7上の配線を切断しないように十分な注意が必要である。このようにして照光式スイッチが形成される。 【0020】ELシート上には、可動接点8をON/OFFさせるためのキー操作パッド11が配設してある。キー操作パッド11は、実質的に透明なシリコンゴム等の材料によって形成されている。このキー操作パッド11は、LED光源による照光式スイッチの場合は、スイッチの照光の均一性を得るために厚さをある程度厚くする必要があり、スイッチ自体の薄型化の妨げとなっていたが、本発明のように、EL光源の場合は、スイッチの照光の均一性は、逆に厚さを薄く形成することによって得られ、それはスイッチ自体の薄型化に都合の良いものである。なお、キー操作パッド11は、スイッチとして必須のものではなく、直接ELシートEの表面を押すことによって可動接点8を操作しても構わない。 【0021】照光式スイッチの動作は、ドーム型の可動接点8の頂点部に荷重をかけることでドーム型が変形し、1対の固定接点7aが短絡することでスイッチが閉じ、荷重を解放することで可動接点8が弾性復帰して1対の固定接点7aの短絡がなくなることでスイッチが開く。ドーム型が変形する際に、切り込み10が設けてあることによってクリック感が良くなる。 【0022】良好なクリック感は、上述のように、ELシートEおよび絶縁部材6の可動接点8のドーム型の外周縁に沿う位置に部分的に設けた切り込み10によって、切り込み10を設けない場合と比較して、スイッチ動作をさせた時の可動接点8の変形がELシートEによって拘束される度合いが減少し、それだけ可動接点8ELシートEに拘束されない動作をすることによって実現するものである。 【0023】そこでクリック感の差異を定量的に測定した結果について説明する。 【0024】一般に、この種のドーム型スイッチのクリック感は、以下に示す値によって表わされる。 【0025】クリック率(%)=(OF:動作荷重−RF:復帰荷重)/(OF:動作荷重)×100ここで、「OF:動作荷重」とはドーム型スイッチがドーム型形状から下部に位置するベースシートの1対の固定接点を電気的に接続させる形状(押し込まれた状態)にまで変形する際に必要な荷重の最大値であり、「RF:復帰荷重」とはドーム型スイッチがベースシートの1対の固定接点を電気的に接続させている形状に至った時点での負荷の値を示している。また、クリック率は、前記の計算の結果が、50±10(%)の場合に良好であると感じられる。図4は本発明の照光式スイッチにおけるクリック率を算出する際のグラフで、縦軸を荷重とし、横軸を動作距離とし、頂点部を押し始めてしばらくの間は大きな荷重OFが必要であるが、頂点部がある程度へこむと、必要な荷重は次第に小さくなり、固定接点7aを閉じた位置では小さい荷重RFで足りる。このグラフで算出された本発明の照光式スイッチのクリック率は、46%であった。先に課題として説明したように、金属ドーム単体の場合のクリック率が49%であったのに、ELシート等を貼着した従来のものではクリック率が43%になってしまったという問題点に対して、本発明のものにおいて、クリック率が46%得られたことは、切り込み10を設けたことに起因するもので、金属ドーム単体のものにより近い良好なクリック特性をもつ照光式スイッチを得ることができる。 【0026】 【発明の効果】このように本発明の照光式スイッチは、可動接点のドーム型の外周縁に沿う位置に部分的に切り込みを設けているので、ELシートによって照光されるものでありながら良好なクリック特性が得られ、使用感の良い照光式スイッチを提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】396004981 【氏名又は名称】セイコープレシジョン株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年8月8日(2000.8.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100067105 【弁理士】 【氏名又は名称】松田 和子
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| 【公開番号】 |
特開2002−56737(P2002−56737A) |
| 【公開日】 |
平成14年2月22日(2002.2.22) |
| 【出願番号】 |
特願2000−239948(P2000−239948) |
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