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【発明の名称】 積層セラミック電子部品
【発明者】 【氏名】米田 康信

【氏名】高木 義一

【氏名】中川 卓二

【要約】 【課題】耐熱衝撃サイクル特性が良く、しかもESRの比較的小さな積層セラミック電子部品を提供する。

【解決手段】積層セラミック電子部品10は、2個の積層セラミックコンデンサ素子12の両端に接合層18a,18bを介して金属端子が接続される。金属端子20a,20bは、中間部22a,22bと、中間部の一端縁に形成される基板当接部26a,26bと、中間部の一端縁の延びる方向と交差する方向へ延びる側端縁22a1,22a2に連続し、中間部に間隔を隔てて対向するように形成される素子当接部24a,24bを含み、素子当接部は、中間部および基板当接部に対してばね性を有し、積層セラミックコンデンサ素子の外部電極に接合層で接続される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 両端に外部電極が形成される積層セラミック電子部品素子、および前記外部電極の少なくとも一部に接合層で電気的に接続される金属端子を含み、前記金属端子は、中間部、前記中間部の一端縁に形成される基板当接部、および前記中間部の前記一端縁の延びる方向と交差する方向へ延びる側縁に連続し、前記中間部に間隔を隔てて対向するように形成される素子当接部を含み、前記素子当接部は、前記中間部および前記基板当接部に対してばね性を有し、前記外部電極に前記接合層で接続される、積層セラミック電子部品。
【請求項2】 前記積層セラミック電子部品素子は、前記中間部の側縁の延びる方向に複数積み重ねられ、前記外部電極の少なくとも一部が前記素子当接部に前記接合層で接続される、請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項3】 前記積層セラミック電子部品素子は、前記中間部の側縁の延びる方向と交差する方向へ複数並べられ、それぞれの前記外部電極の少なくとも一部が前記素子当接部に前記接合層で接続される、請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項4】 前記素子当接部は、前記複数の積層セラミック電子部品の外部電極のそれぞれに対応して複数形成される、請求項2または請求項3のいずれかに記載の積層セラミック電子部品。
【請求項5】 前記積層セラミック電子部品素子の一方の外部電極に接続される金属端子と、他方の外部電極に接続される金属端子とは、前記積層セラミック電子部品素子の両側に線対称に形成される、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の積層セラミック電子部品。
【請求項6】 前記積層セラミック電子部品の一方の外部電極に接続される金属端子と、他方の外部電極に接続される金属端子とは、前記積層セラミック電子部品素子の両側に点対称に形成される、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の積層セラミック電子部品。
【請求項7】 リアクタンス成分を調整するための切欠部が前記金属端子に形成された、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の積層セラミック電子部品。
【請求項8】 前記外部電極との接触面積を減少させるための切欠部が前記金属端子に形成された、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の積層セラミック電子部品。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は積層セラミック電子部品に関し、特にたとえば、DC−DCコンバータなどの電源回路の平滑用のタンタル電解コンデンサなどの置き換えに用いられる高容量の積層セラミック電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】金属端子付きの積層セラミックコンデンサは、低底面積高容量化や耐熱衝撃性の向上を目途として用いられる。そのような積層セラミックコンデンサは、一般に、金属端子で基板から浮かされている。また、実開平1−112032号に開示されているように、金属端子を折り曲げることが行われている。これらの技術を用いると、アルミニウム基板などの熱膨張の大きい基板と積層セラミックコンデンサ素子との熱膨張の差を緩和することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、金属端子を折り曲げる技術は、耐熱衝撃サイクル特性に対して効果的な構造であるが、ESR(等価直列抵抗値、Equivalent Series Resistanceの略)が大きくなりやすい問題があった。
【0004】それゆえに、この発明の主たる目的は、耐熱衝撃サイクル特性が良く、しかもESRの比較的小さな積層セラミック電子部品を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる積層セラミック電子部品は、両端に外部電極が形成される積層セラミック電子部品素子と、外部電極の少なくとも一部に接合層で電気的に接続される金属端子とを含み、金属端子は、中間部と、中間部の一端縁に形成される基板当接部と、中間部の一端縁の延びる方向と交差する方向へ延びる側縁に連続し、中間部に間隔を隔てて対向するように形成される素子当接部とを含み、素子当接部は、中間部および基板当接部に対してばね性を有し、外部電極に接合層で接続される、積層セラミック電子部品である。また、この積層セラミック電子部品では、積層セラミック電子部品素子は中間部の側縁の延びる方向に複数積み重ねられ、外部電極の少なくとも一部が素子当接部に接合層で接続されるようにしてもよく、中間部の側縁の延びる方向と交差する方向へ複数並べられ、それぞれの外部電極の少なくとも一部が素子当接部に接合層で接続されるようにしてもよい。さらに、素子当接部は、複数の積層セラミック電子部品の外部電極のそれぞれに対応して複数形成されてもよい。また、積層セラミック電子部品素子の一方の外部電極に接続される金属端子と、他方の外部電極に接続される金属端子とは、前記積層セラミック電子部品素子の両側に線対称に形成されてもよく、積層セラミック電子部品素子の両側に点対称に形成されてもよい。また、リアクタンス成分を調整するための切欠部が金属端子に形成されてもよく、積層セラミック電子部品素子の外部電極との接触面積を減少させるための切欠部が金属端子に形成されてもよい。
【0006】この発明にかかる積層セラミック電子部品では、金属端子の素子当接部が、中間部の一端縁の延びる方向と交差する方向へ延びる側縁に連続し、中間部に間隔を隔てて対向するように形成されるので、ESRが大きくなるのを防止することができる。また、金属端子の素子当接部は、中間部および基板当接部に対してばね性を有するので、耐熱衝撃サイクル特性も良い。
【0007】この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0008】
【発明の実施の形態】図1はこの発明にかかる第1実施例の積層セラミック電子部品を示す斜視図である。図1に示す積層セラミック電子部品10は、2つの積層セラミックコンデンサ素子12,12を含む積層セラミックコンデンサである。
【0009】各積層セラミックコンデンサ素子12は、たとえばチタン酸バリウム系の誘電体からなる複数の誘電体層と、たとえばNiなどの電極材料からなる複数の内部電極とを、交互に積層して形成された積層体14を含む。積層体14の両端部には、Cu層,Ni層およびSn層をこの順に積層してなる外部電極16a、16bが形成される。外部電極16a、16bは、Cuペーストを塗布し、焼き付けることによって形成されたCu層、湿式めっきによって形成されたNi層、およびSn層により形成される。
【0010】2個の積層セラミックコンデンサ素子12,12は、たとえばFe−Ni製の2つの金属端子20aおよび20bに、リフローはんだ付けされる。この実施例の金属端子20aおよび20bは、それぞれ、厚さ0.1mmの片面はんだめっきの施された幅5.1mmのものである。
【0011】図2に示すように、一方の金属端子20aは、板状の中間部22aを含む。中間部22aの一方側縁22a1には、短冊状の折曲部25aを介して板状の素子当接部24aが連続的かつ一体的に形成される。板状の素子当接部24aは中間部22aに間隔を隔てて対向するように形成される。この間隔は折曲部25aの幅長により決定される。また、中間部22aの一方側縁と略直交する下端縁には、板状の基板当接部26aが中間部22aとほぼ直角方向にのびて一体的に形成される。積層セラミック電子部品10の実装時には、基板当接部26aが図示しない基板の実装ランド上にはんだ付けされる。素子当接部24aは、折曲部25a、中間部22aおよび基板当接部26aに対してばね性を有する。
【0012】さらに、金属端子20aの外面(中間部22aおよび素子当接部24aの対向しない面とそれにつながる基板当接部26aの下面、および折曲部25a外面)には、はんだめっきが施される。また、はんだが付きやすい金属端子材料、たとえば黄銅を用いるときは金属端子20aの内面(中間部22aと素子当接部24aとが互いに対向する面とそれにつながる基板当接部26aの上面、および折曲部25a内面)には、はんだがつきにくい処理が施されたり皮膜が形成される。この皮膜は、たとえば酸化金属,ワックス,樹脂またはシリコンオイルから形成される。同様に、他方の金属端子20bは、中間部22b、折曲部25b、素子当接部24bおよび基板当接部26bを含み、外面にはんだめっきが施され、内面にはんだがつきにくい皮膜が形成される。
【0013】そして、2個の積層セラミックコンデンサ素子12,12は、金属端子20a,20bの側縁22a1,22b1の延びる方向と平行に延びる方向へ積み重ねられた状態で、金属端子20a,20bの素子当接部24a,24bにリフローはんだ付けされる。この場合の接合層18a,18bに用いられるはんだは、高温はんだ(Pb:Sn=85:15)が好ましい。
【0014】第1実施例では、積層セラミックコンデンサ素子12の一方の外部電極16aに接続される金属端子20aと、他方の外部電極16bに接続される金属端子20bとは、積層セラミックコンデンサ素子12の両側に線対称に形成される。すなわち、金属端子20aの素子当接部24aは中間部22aの一方側縁22a1に接続され他方側縁は開放される。また、金属端子20bの素子当接部24bは中間部22bの一方側縁22b1で接続され他方側縁は開放される。そして、金属端子20aの一方側縁22a1と金属端子20bの一方側縁22b1とは、それぞれ積層セラミックコンデンサ素子12の図1図示奥行き方向の奥側に配置される。
【0015】図3はこの発明にかかる第2実施例の積層セラミック電子部品を示す斜視図である。図3に示す積層セラミック電子部品10では、図1に示す積層セラミック電子部品10と比べて、他方の金属端子20bのみが異なる。この金属端子20bは、第1実施例のものと異なり、板状の中間部22bの他方側縁22b2に、折曲部25bを介して板状の素子当接部24bが連続的かつ一体的に形成される。板状の素子当接部24bは中間部22bに間隔を隔てて対向するように形成される。この間隔は折曲部25bの幅長により決定される。そして、中間部22bの一方側縁と略直交する下端縁には、板状の基板当接部26bが中間部22bとほぼ直角方向にのびて一体に形成される。素子当接部24bは、折曲部25b,中間部22bおよび基板当接部26bに対してばね性を有する。
【0016】第2実施例では、積層セラミックコンデンサ素子12の両側の金属端子20a、20bが積層セラミックコンデンサ素子12の両側に点対称に形成される。すなわち、一方の金属端子20aの素子当接部24aは中間部22aの一方側縁22a1に接続され他方側縁は開放されるが、他方の金属端子20bの素子当接部24bは中間部22bの他方側縁22b2に接続され一方側縁は開放される。そして、金属端子20aの一方側縁22a1は積層セラミックコンデンサ素子12の図3図示奥行き方向の奥側に配置され、金属端子20bの他方側縁22b2は、積層セラミックコンデンサ素子12の図3図示奥行き方向の手前側に配置される。
【0017】図4はこの発明にかかる第3実施例の積層セラミック電子部品を示す斜視図である。第3実施例の積層セラミック電子部品10の金属端子20aは、板状の中間部22aの一方側縁22a1に連続的かつ一体的に形成される折曲部25aおよび素子当接部24aが、図5(A)(B)に示すように、中間部22aの高さ方向に間隔をおきながら上下に分割されて形成される点で第1実施例のものと異なる。
【0018】同様に第3実施例の積層セラミック電子部品10の金属端子20bは、板状の中間部22bの一方側縁22b1に連続的かつ一体的に形成される折曲部25b,素子当接部24bが、中間部22bの高さ方向に間隔をおきながら分割されて形成される点で第1実施例のものと異なる。分割された素子当接部24a,24bは、積層セラミックコンデンサ素子12,12のそれぞれの外部電極16a,16bに対応するものである。
【0019】第3実施例の金属端子20aの上下に分割された素子当接部24a,24aは、折曲部25a,25a,中間部22aおよび基板当接部26aに対してばね性を有する。また、金属端子20bの上下に分割された素子当接部24b,24bは、折曲部25b,25b,中間部22bおよび基板当接部26bに対してばね性を有する。
【0020】図6はこの発明にかかる第4実施例の積層セラミック電子部品を示す斜視図である。第4実施例の積層セラミック電子部品10の金属端子20aでは、折曲部25aおよび素子当接部24aが、図7(A)(B)に示すように、中間部22aの高さ方向に間隔をおきながら分割されて形成されるが、下に形成される素子当接部24aは中間部22の図7図示奥側の側縁22a1に折曲部25aを介して接続され、上に形成される素子当接部24aは中間部22の図7図示手前側の側縁22a2に別の折曲部25aを介して接続される点が第3実施例の積層セラミック電子部品と異なる。同様に、第4実施例の金属端子20bでは、折曲部25bおよび素子当接部24bが、中間部22bの高さ方向に間隔をおきながら分割されて形成されるが、下に形成される素子当接部24bは中間部22の図6図示奥側の側縁22b1に折曲部25aを介して接続され、上に形成される素子当接部24bは中間部22の図6図示手前側の側縁22b2に折曲部25bを介して接続される点が第3実施例の積層セラミック電子部品と異なる。その他の点は第3実施例と同様である。
【0021】図8はこの発明にかかる第5実施例の積層セラミック電子部品を示す斜視図である。図9(A)は図8に示した積層セラミック電子部品の金属端子を示す斜視図であり、(B)はその金属端子の分割された一方部を示す端面図である。さらに図10は図8に示した積層セラミック電子部品の等価回路図である。第5実施例の積層セラミック電子部品10の金属端子20aでは、図9(A)に示すように、中間部22aが幅方向における中央に形成された切り欠き40aによって、一方側縁22a1側と他方側縁22a2側とに分割される。そして、分割された中間部22a,22aのそれぞれの一方側縁22a1および他方側縁22a2にそれぞれ折曲部25a,25aを介して素子当接部24a,24aが連続的かつ一体的に形成される。他方の金属端子20bも同様に形成される。なお、切欠部40a,40bは、金属端子20a,20bの中間部22a,22bの幅方向における中央に限らず、金属端子20a,20bの他の部分に形成されても、複数個形成されてもよい。
【0022】図11は第1比較例の積層セラミック電子部品を示す斜視図である。図11に示す積層セラミック電子部品11は、図1に示す積層セラミック電子部品10と比べて、金属端子の形状のみが異なるものである。第1比較例の積層セラミック電子部品11の金属端子21a,21bは、中間部22a,22bの上端部に折曲部25a,25bを介して素子当接部24a,24bが連続的かつ一体的に形成される。この素子当接部24a,24bは中間部22a,22bとの間に間隔をおきながら対向するように形成される。素子当接部24a,24bは、中間部22a,22b、折曲部25a,25b、および基板当接部26a,26bに対してばね性を有して形成される。
【0023】図12は第2比較例の積層セラミック電子部品を示す斜視図である。図12に示す積層セラミック電子部品11は、図1に示す積層セラミック電子部品10と比べて、金属端子の形状のみが異なるものである。第2比較例の積層セラミック電子部品11の金属端子21a,21bは、上述の各実施例のような素子当接部を有さず、板状の中間部22a,22bに接合層18a,18bを介して積層セラミックコンデンサ素子12の外部電極16a,16bが直接接続される。
【0024】さらに、図13は第3比較例の積層セラミック電子部品を示す斜視図である。この積層セラミック電子部品11は、2つの積層セラミックコンデンサ素子12,12を積層して外部電極の外側全面にはんだ層を形成してなるものであり、金属端子21a,21bを有しない点のみが上述の各実施例の積層セラミック電子部品と相違する。
【0025】そして、第1実施例、第2実施例、第3実施例、第4実施例、第5実施例、第1比較例、第2比較例および第3比較例の積層セラミック電子部品をアルミニウム基板に実装したときの熱衝撃サイクル特性を調べ、その結果を表1に示した。なお、この場合、熱衝撃サイクル特性は、−55℃〜125℃の熱変化を1サイクルの熱衝撃として、250サイクルの熱衝撃を印加したときと、500サイクルの熱衝撃を印加したときとにおいて、静電容量の変化(減少)が10%以上の不良発生率(不良発生数/72個)を調べた。
【0026】
【表1】

【0027】表1の結果より、第1実施例ないし第5実施例では、250サイクルの熱衝撃による不良発生数が0であるに対して、第2比較例および第3比較例では20%以上の不良が発生していることがわかる。また、第1実施例ないし第5実施例では、500サイクルの熱衝撃による不良発生数が10%以下であるに対して、第2比較例および第3比較例では60%以上の不良が発生していることがわかる。一方、第1比較例はESRが9.0mΩと大きいのに比べて、第1実施例ないし第5実施例ではESRが5.5mΩと小さい。
【0028】第1実施例ないし第5実施例では、金属端子20a,20bの素子当接部24a,24bを横方向に折り曲げたような形状の横2重端子とすることにより、第1比較例に比べて実装ランドから積層セラミックコンデンサ素子までの電気的な距離が近くなるので、ESRを大きく低下させることができると考えられる。また、第1実施例ないし第5実施例では、金属端子20a,20bの素子当接部24a,24bを横方向に折り曲げたような形状の横2重端子とすることにより、積層セラミック電子部品10の固着される図示しないアルミニウム基板と、積層セラミックコンデンサ素子12との熱膨張率の差を緩和することができる。さらに、第3実施例および第4実施例の積層セラミック電子部品10では、金属端子20a,20bの素子当接部24a,24bが2つの積層セラミックコンデンサ素子12、12にそれぞれ対応するよう分別されているのでESRを低下させながら、第1実施例および第2実施例のものよりも熱膨張率の差を緩和することができる。
【0029】また、第5実施例の積層セラミック電子部品10では、金属端子20a,20bのL分を相殺することができる。すなわち、金属端子20a(20b)の分割された一方部分および他方部分に図10に図示した矢印に示すように逆向きの電流を流して、磁束が相殺されるようにすることによって、低ESL化が可能となる。
【0030】図14はこの発明にかかる第6実施例の積層セラミック電子部品を示す斜視図である。図14に示す積層セラミック電子部品10は、3つの積層セラミックコンデンサ素子12,12,12を、金属端子20a,20bの側縁22a1,22b1の延びる方向とは略直交する方向へ並べた状態で、外部電極16a,16bに金属端子20a,20bの素子当接部24a,24bを接続した点を除いて、図1に示した第1実施例と同様の構造である。
【0031】図15はこの発明にかかる第7実施例の積層セラミック電子部品を示す斜視図である。図15に示す積層セラミック電子部品10では、3つの積層セラミックコンデンサ素子12,12,12が、金属端子20a,20bの側縁22a2,22b1の延びる方向とは略直交する方向へ並べた状態で、外部電極16a,16bに金属端子20a,20bの素子当接部24a,24bを接続した点を除いて、図3に示した第2実施例と同様の構造である。
【0032】図16はこの発明にかかる第8実施例の積層セラミック電子部品を示す斜視図であり、図17はその金属端子を示す斜視図である。図16に示す積層セラミック電子部品10は、2つの積層セラミックコンデンサ素子12,12を、金属端子20a,20bの側縁22a1,22a2,22b1,22b2の延びる方向とは略直交する方向へ並べた状態で、外部電極16a,16bに金属端子20a,20bの素子当接部24a,24bを接続したものである。第8実施例の積層セラミック電子部品10の金属端子20aの素子当接部24aは、中間部22aの一方側縁22a1側と他方側縁22a2側とに分割され、分割された一方の素子当接部24aは折曲部25aを介して中間部22aの一方側縁22a1に連続的かつ一体的に接続され、他方の素子当接部24aは別の折曲部25aを介して中間部22aの他方側縁22a2に連続的かつ一体的に接続される。
【0033】また、第8実施例の金属端子20bの素子当接部24bは、中間部22bの一方側縁22b1側と他方側縁22b2側とに分割されて、分割された一方の素子当接部24bは折曲部25b1を介して一方側縁22b1に連続的かつ一体的に接続され,他方の素子当接部24bは別の折曲部25b2を介して中間部22bの他方側縁24b2に連続的かつ一体的に接続される。
【0034】図18はこの発明にかかる第9実施例の積層セラミック電子部品を示す斜視図であり、図19はその金属端子を示す斜視図である。図18に示す積層セラミック電子部品10は、3つの積層セラミックコンデンサ素子12,12,12を、金属端子20a,20bの側縁22a1,22a2,22b1,22b2の延びる方向とは略直交する方向へ並べた状態で、外部電極16a,16bにそれぞれ金属端子20a,20bの素子当接部24a,24bを接続してなるものである。第9実施例の積層セラミック電子部品10の金属端子20aの中間部22aは、一方側縁22a1側と他方側縁22a2側とに分割され、分割された一方の中間部22aは折曲部25aを介して素子当接部24aの一方側縁に連続的かつ一体的に接続され、他方の中間部22aは別の折曲部25aを介して該素子当接部24aの他方側縁に連続的かつ一体的に接続される。
【0035】また、第9実施例の金属端子20bの中間部22bは、一方側縁22b1側と他方側縁22b2側とに分割され、分割された一方の中間部22bは折曲部25b1を介して素子当接部24bの一方側縁に連続的かつ一体的に接続され、他方の中間部22bは別の折曲部25b2を介して該素子当接部24bの他方側縁に連続的かつ一体的に接続される。
【0036】図20は、この発明にかかる第10実施例の積層コンデンサの金属端子を示す斜視図である。この金属端子は図14に示した第6実施例の金属端子の変形例である。この金属端子20a(20b)は、素子当接部24aの中央に略U字形状の貫通した切り欠き部24a1(24b1)を備えている点のみが第6実施例のものと相違する。
【0037】図21は第4比較例の積層セラミック電子部品を示す斜視図である。図21に示す積層セラミック電子部品11は、3つの積層セラミックコンデンサ素子12、12,12を金属端子21a,21bの側縁22a1,22a2,22b1,22b2の延びる方向と略直行する方向へ間隔をおきながら並べた点を除いては、図11に示した第1比較例と同様のものである。
【0038】図22は第5比較例の積層セラミック電子部品を示す斜視図である。図22に示す積層セラミック電子部品11は、3つの積層セラミックコンデンサ素子12、12,12を金属端子21a,21bの側縁22a1,22a2,22b1,22b2の延びる方向と略直行する方向へ間隔をおきながら並べた点を除いては、図12に示した第2比較例と同様のものである。
【0039】そして、第6実施例、第7実施例、第8実施例、第9実施例、第10実施例、第4比較例、および第5比較例の積層セラミック電子部品をアルミニウム基板に実装したときの熱衝撃サイクル特性を調べ、その結果を表2に示した。なお、この場合、熱衝撃サイクル特性は、−55℃〜125℃の熱変化を1サイクルの熱衝撃として、250サイクルの熱衝撃を印加したときと、500サイクルの熱衝撃を印加したときとにおいて、静電容量の変化(減少)が10%以上の不良発生率(不良発生数/72個)を調べた。
【0040】
【表2】

【0041】表2の結果より、第6実施例ないし第10実施例では、250サイクルの熱衝撃による不良発生数が0%であるに対して、第5比較例では20%の不良が発生していることがわかる。また、第6実施例ないし第10実施例では、500サイクルの熱衝撃による不良発生数が6%以下であるに対して、第5比較例では50%以上の不良が発生していることがわかる。一方、第4比較例はESRが9.0mΩと大きいのに比べて、第6実施例ないし第10実施例ではESRが6.0mΩ以下と小さい。
【0042】第6実施例ないし第10実施例では、金属端子20a,20bの素子当接部24a,24bを横方向に折り曲げたような形状の横2重端子とすることにより、比較例4に比べて実装ランドから積層セラミックコンデンサ素子までの電気的な距離が近くなるので、ESRを大きく低下させることができると考えられる。また、第6実施例ないし第10実施例では、金属端子20a,20bの素子当接部24a,24bを横方向に折り曲げたような形状の横2重端子とすることにより、積層セラミック電子部品10の固着される図示しないアルミニウム基板と、積層セラミックコンデンサ素子12との熱膨張率の差を緩和することができる。さらに、第8実施例の積層セラミック電子部品10では、金属端子20a,20bの素子当接部24a,24bが各積層セラミックコンデンサ素子12の外部電極にそれぞれ対応して複数設けられているので、ESRを低下させながら、第1実施例および第2実施例のものよりも熱膨張率の差を緩和することができる。
【0043】また、第9実施例の積層セラミック電子部品10では、第5実施例と同様に、金属端子20a,20bのL分を相殺することができる。
【0044】さらに、第10実施例の積層セラミック電子部品10では、金属端子20a,20bと積層セラミック素子12の外部電極との接続面積が減少するので、金属端子20a,20bと積層セラミックコンデンサ素子12との間において熱膨張または熱収縮の起こる部分を減少させることができる。
【0045】なお、この発明では、積層セラミック電子部品素子は1個でもよく、4個以上の積層セラミック電子部品素子を積層して用いてもよい。積層する場合には、各積層セラミック電子部品素子間は当接されても一定の間隔をもって配置されてもよい。さらに、複数の積層セラミック電子部品素子間の強度を向上させるために、それらの間の中央部に接合用の樹脂を入れてもよい。
【0046】また、上述の各実施例では外部電極がCu層、Ni層およびSn層の3層構造に形成されているが、外部電極ははんだがつくなら他の構造に形成されてもよい。また、外部電極の全表面にはんだ層を設けてもよい。さらに、上述の各実施例では積層セラミック電子部品素子と金属端子との接合をはんだによるものを例示したが、ろう付け、導電性接着剤などの接合層によって行われてもよい。
【0047】また、金属端子の材質は、Fe−Ni,黄銅に限らず、Ag,Ni,Cu,Fe,Crあるいはこれらの合金やクラッド材などで構成してもよい。
【0048】さらに、この発明は、積層セラミックコンデンサに限らず、インダクタ、バリスタ、多層部品等の積層型積層セラミック電子部品に適用してもよい。
【0049】
【発明の効果】この発明によれば、熱衝撃に対する信頼性が良く、しかも、ESRの小さい、積層セラミック電子部品を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
【出願日】 平成12年8月11日(2000.8.11)
【代理人】 【識別番号】100079577
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 全啓
【公開番号】 特開2002−57063(P2002−57063A)
【公開日】 平成14年2月22日(2002.2.22)
【出願番号】 特願2000−244742(P2000−244742)