| 【発明の名称】 |
電子部品の外部電極形成方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】小林 文幸
【氏名】黒岩 慎一郎
【氏名】川端 和昭
【氏名】米田 康信
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| 【要約】 |
【課題】ピンホールが殆ど内在しない外部電極を形成することができる電子部品の外部電極形成方法を提供する。
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 素子にペースト状の外部電極材を塗布する塗布工程と、ペースト状の外部電極材が塗布された前記素子を、減圧雰囲気中におき、ペースト状の外部電極材を脱気処理する減圧脱気工程と、脱気処理された前記ペースト状の外部電極材を乾燥する乾燥工程と、を備えたことを特徴とする電子部品の外部電極形成方法。 【請求項2】 前記減圧脱気工程において、ペースト状の外部電極材が塗布された前記素子を、400mmHg以上減圧した雰囲気中において、ペースト状の外部電極材を脱気処理することを特徴とする請求項1記載の電子部品の外部電極形成方法。 【請求項3】 前記減圧脱気工程において、ペースト状の外部電極材が塗布された前記素子を、700mmHg以上減圧した雰囲気中において、ペースト状の外部電極材を脱気処理することを特徴とする請求項1記載の電子部品の外部電極形成方法。 【請求項4】 前記乾燥工程において、低温での予備乾燥を行った後、高温での本乾燥を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項3記載の電子部品の外部電極形成方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品の外部電極形成方法に関する。 【0002】 【従来の技術】表面実装型電子部品の外部電極形成方法の一つとして、従来より、浸漬法が知られている。この浸漬法は、ペースト状の外部電極材を入れた容器に素子の端部を浸漬、引き上げて、素子にペースト状の外部電極材を塗布した後、乾燥、焼成することによって外部電極を形成する方法である。このとき、外部電極内にピンホールと呼ばれる小空洞が生じていると、外部電極の耐候性及び機械的強度が劣化する。 【0003】そこで、従来は、ペースト状の外部電極材へ素子を浸漬する際の浸漬スピードやペースト状の外部電極材から素子を引き上げる際の引き上げスピードを調節して、素子に塗布されたペースト状の外部電極材の中に気泡を取り込まないようにしていた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の浸漬スピードや引き上げスピードの調整だけでは、素子に塗布されたペースト状の外部電極材の中に気泡を取り込んでしまうことを十分に阻止することができなかった。このため、従来の外部電極は、ピンホールが内在し易く、耐候性及び機械的強度に問題があった。 【0005】そこで、本発明の目的は、ピンホールが殆ど内在しない外部電極を形成することができる電子部品の外部電極形成方法を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成するために、本発明に係る電子部品の外部電極形成方法は、(a)素子にペースト状の外部電極材を塗布する塗布工程と、(b)ペースト状の外部電極材が塗布された前記素子を、減圧雰囲気中におき、ペースト状の外部電極材を脱気処理する減圧脱気工程と、(c)脱気処理された前記ペースト状の外部電極材を乾燥する乾燥工程と、を備えたことを特徴とする。減圧脱気工程においては、雰囲気を400mmHg以上減圧することが好ましい。 【0007】以上の方法により、塗布工程で、ペースト状の外部電極材中に気泡を取り込んでしまっても、後工程の減圧脱気工程において、減圧雰囲気中に素子をおくことによって、ペースト状の外部電極材に内在している気泡が外部電極材の表面に移動してはじける。これにより、ペースト状の外部電極材に取り込まれた気泡が除去される。 【0008】さらに、減圧脱気工程において、雰囲気を700mmHg以上減圧することにより、減圧保持時間が短くなる。 【0009】また、減圧脱気工程でペースト状の外部電極材に内在している気泡が外部電極材の表面に移動してはじける際、外部電極材表面に凸凹が生じることがある。そこで、乾燥工程において、低温での予備乾燥を行った後、高温での本乾燥を行うことにより、予備乾燥中にペースト状の外部電極材表面の凸凹をレベリングすることが好ましい。 【0010】 【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る電子部品の外部電極形成方法の実施の形態について説明する。本実施形態では、図1に示すように、電子部品として積層セラミックコンデンサ1を用い、その外部電極を形成し、ピンホール(小空洞)内在率の測定と耐湿負荷試験を行って本発明の有効性を明らかにする。本実施形態で使用する積層セラミックコンデンサ1は、長さが5.7mm、幅が5.0mm、高さが2.5mmのサイズとした。これは、大型の電子部品ほど気泡を抱え込みやすく、本発明の効果が顕著に現れるからである。 【0011】この積層セラミックコンデンサ1は以下のようにして製作した。TiO3及びBaCO3等のセラミック原料を秤量、混合、仮焼、粉砕して粉末原料にする。この粉末原料に、有機バインダ、分散剤及び水を混合し、セラミックスラリーを得た。得られたセラミックスラリーをドクターブレード法等の方法を用いてセラミックグリーンシートを形成した。このセラミックグリーンシート上に、Niなどの金属粉末を含有した導電ペーストをスクリーン印刷等により長方形状に印刷し、内部電極を形成した。 【0012】次に、内部電極が形成されたセラミックグリーンシートを複数枚積層し、さらに、その上下に保護用セラミックグリーンシートを積層して積層体を得た。得られた積層体を厚み方向に加圧後、有機バインダを飛散させるために、脱脂を行った。次に、セラミックを焼結させるために焼成をし、図1に示す内部電極3a,3bを内蔵した焼結誘電体素子2を得た。 【0013】次に、この誘電体素子2の一方の端部を、AgやCu等のペースト状の外部電極材を入れた容器に浸漬、引き上げて、図2に示すように、素子2の端部にペースト状の外部電極材4を塗布した(塗布工程)。このとき、素子2に塗布されたペースト状の外部電極材4の中にできるだけ気泡5を取り込まないように、ペースト状の外部電極材へ素子2を浸漬する際のスピードやペースト状の外部電極材から素子2を引き上げる際の引き上げスピードが調整される。 【0014】次に、ペースト状の外部電極材4を塗布した素子2を、減圧チャンバーの中に入れた後、チャンバー内を真空ポンプを用いて減圧し、減圧脱気処理をした(減圧脱気工程)。その際、チャンバー内の減圧度合を、表1に示すように種々変えて、複数種類の試料(試料番号2〜13)を製作した。比較のために、減圧脱気処理を行わなかった試料(試料番号1)も製作した。この減圧脱気処理により、ペースト状の外部電極材4に内在している気泡5が外部電極材4の表面に移動してはじけ、除去される。 【0015】 【表1】
【0016】次に、脱気処理されたペースト状の外部電極材4を乾燥した(乾燥工程)。同様にして、誘電体素子2の他方の端部にもペースト状の外部電極材4を塗布し、減圧脱気し、乾燥した。この後、図3に示すように、乾燥された外部電極材4を焼き付けて外部電極6とし、その表面にNiやSn等のメッキ膜7を形成した。こうして、図3に示すような積層セラミックコンデンサ1を得た。 【0017】この後、得られた積層セラミックコンデンサ1の耐湿負荷試験と外部電極6のピンホール内在率の測定を行った。この結果を前記表1に示す。なお、ピンホール内在率は各試料毎に500個の積層セラミックコンデンサ1の垂直断面を顕微鏡で観察して、外部電極6に直径が100μm以上のピンホール(小空洞)がある積層セラミックコンデンサの数をカウントすることによって算出した。また、耐湿負荷試験は、各試料毎に72個の積層セラミックコンデンサ1を湿度95%以上の試験環境に晒した後、積層セラミックコンデンサ1の絶縁抵抗が1MΩ以下になったものを不良と判定した。 【0018】表1から明らかなように、ペースト状の外部電極材4を乾燥する前に減圧脱気処理を行うことにより、ピンホール内在率や耐湿負荷不良を低減することができる(試料番号2〜13参照)。つまり、積層セラミックコンデンサ1は、塗布工程で、ペースト状の外部電極材4中に気泡5を取り込んでしまっても、後工程の減圧脱気工程において、減圧雰囲気中に誘電体素子2をおくことによって、ペースト状の外部電極材4に内在している気泡5を除去することができる。この結果、ピンホールが殆ど内在しない外部電極6を有する積層セラミックコンデンサ1を得ることができる。 【0019】特に、誘電体素子2を200mmHg減圧した雰囲気中に600秒間おいて、ペースト状の外部電極材4を減圧脱気処理しても、ピンホールはなくならなかった(試料番号2参照)のに対して、400mmHg減圧した雰囲気中に300秒間おくだけで、ピンホールが全くなくなった(試料番号3参照)。このように、減圧脱気工程において、雰囲気を400mmHg以上減圧することにより、外部電極6のピンホール内在率を0%にすることができる。 【0020】さらに、表1から、減圧脱気工程において、雰囲気の減圧度合が高くなるにつれて、外部電極6のピンホールがなくなるまでの減圧保持時間が短くなることが確認される。 【0021】ところで、ペースト状の外部電極材4を減圧脱気処理すると、外部電極材4の表面が凸凹状になる場合がある。これは、試料番号2等のように減圧下での保持時間が長くなると、ペースト状の外部電極材4に含まれている溶剤が揮発して外部電極材4の粘度が高くなり、外部電極材4の表面のレベリング性が低下して、気泡5がはじける際に生じる外部電極材4表面の凸凹をレベリングすることが難しくなるからである。また、試料番号8,9等のように、目標減圧値に達するまでの時間が速く、しかも、減圧下での保持時間が短い場合には、その後すぐに100℃以上の温度で乾燥させると、外部電極材4表面のレベリングがまだ終わらないうちに外部電極材4が硬化してしまうからである。 【0022】そこで、減圧脱気処理後の外部電極材4の表面形状をよくするために、減圧脱気処理後に低温(20〜60℃)での予備乾燥を行い、予備乾燥中に外部電極材4表面のレベリングを行わせ、外部電極材4の表面形状をよくさせる。その後、高温(100℃以上)での本乾燥を行うようにする。 【0023】本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々に変更することができる。特に、前記実施形態では、積層セラミックコンデンサを例にして説明したが、これ以外に、積層セラミックコイルやセラミックフィルタ等の電子部品の外部電極形成にも本発明の方法を適用することができる。 【0024】 【発明の効果】以上の説明により明らかなように、本発明によれば、塗布工程で、ペースト状の外部電極材中に気泡を取り込んでしまっても、後工程の減圧脱気工程において、減圧雰囲気中に素子をおくことによって、ペースト状の外部電極材に取り込まれた気泡を除去することができる。この結果、ピンホールが殆ど内在しない外部電極を有する電子部品を得ることができる。 【0025】さらに、減圧脱気工程において、雰囲気を700mmHg以上減圧することにより、減圧保持時間を短くすることができる。 【0026】また、乾燥工程において、低温での予備乾燥を行った後、高温での本乾燥を行うことにより、予備乾燥中にペースト状の外部電極材表面の凸凹をレベリングすることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006231 【氏名又は名称】株式会社村田製作所
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| 【出願日】 |
平成12年8月9日(2000.8.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100091432 【弁理士】 【氏名又は名称】森下 武一
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| 【公開番号】 |
特開2002−57062(P2002−57062A) |
| 【公開日】 |
平成14年2月22日(2002.2.22) |
| 【出願番号】 |
特願2000−241596(P2000−241596) |
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