| 【発明の名称】 |
変圧器 |
| 【発明者】 |
【氏名】西水 亮
【氏名】天兒 洋一
【氏名】桑原 正尚
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| 【要約】 |
【課題】大容量器において短絡時の機械力に対する強度的な低下がなく、鉄心内部に位置する巻線部の冷却効率を向上する円筒巻線の両端に配置する冷却ダクト構造を有する変圧器を提供する。
【解決手段】平角導体を円筒状に巻いた巻線、或いは条又は箔を巻いた巻線、或いは平角導体と条又は箔とを用いた巻線1と、鉄心2とを備え、そして、巻線の上下両端部と鉄心継鉄部分との間に、棒状絶縁物32を多数平行に配置し構成した冷却ダクト3を用いる変圧器において、冷却ダクトの棒状絶縁物32は、巻線端部に対応する位置に1つ以上の切欠部33を有する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 平角導体を円筒状に巻いた巻線、或いは条又は箔を巻いた巻線、或いは平角導体と条又は箔とを用いた巻線と、鉄心とを備え、そして、巻線の上下両端部と鉄心継鉄部分との間に、棒状絶縁物を多数平行に配置し構成した冷却ダクトを用いる変圧器において、前記冷却ダクトの棒状絶縁物は、巻線端部に対応する位置に1つ以上の切欠部を有することを特徴とする変圧器。 【請求項2】 請求項1記載の変圧器において、上記冷却ダクトの棒状絶縁物の切欠部は、隣接する棒状絶縁物の切欠部とずれていることを特徴とする変圧器。 【請求項3】 請求項1又は2に記載の変圧器において、上記鉄心は、巻鉄心構造であることを特徴とする変圧器。 【請求項4】 請求項3記載の変圧器において、上記鉄心は、アモルファス材からなることを特徴とする変圧器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、変圧器であり、特に、巻線構造として平角導体等からなる巻線を用いた変圧器に関する。 【0002】 【従来の技術】巻線に円筒状或いは条又は箔を巻いた変圧器は比較的小容量が主流である。この手の変圧器は円板巻線等に比べ製造コスト及び時間的な利点が大きいため、特に、近年、大容量器への適用が検討されている。しかし、その冷却構造は油の自然循環とタンク面や放熱器表面からの放射や空気対流によってのみの行われる方式である。このため、大容量器での発熱をいかに効率良く冷却するかが重要な課題となっており、冷却ダクトを用いることが提案されている(特開昭55−61010号公報、特開平8−37112号公報)。 【0003】この手の変圧器として巻鉄心構造を有し、冷却媒体として油を用いた3相器の場合の例を図6及び図7に示す。巻線1´は、鉄心2´に低圧及び高圧巻線を同軸に巻いた円筒巻線からなる。巻線1´内に数箇所、Z軸と平行に棒状絶縁物による冷却ダクトが設けられている。巻鉄心2´は4つあり、各相の巻線1´は隣合う鉄心2´を含むように巻き、3相器を構成する。巻線1´の上下端部には固定及び冷却を目的とした冷却ダクト3A´、3B´を設けている。この冷却ダクト3A´、3B´は巻鉄心2´の上下の水平部21A´、21B´、22A´、22B´と巻線1´の間に置き、そのX軸方向の両端と鉄心の角部で隙間4´が形成されている。この隙間4´が巻線内を冷却する油の流路となる。以下、巻鉄心2´の上部の水平部21A´、21B´(継鉄部分)を「上部ヨーク」、下部の水平部22A´、22B´を「下部ヨーク」と記す。 【0004】従来例における冷却ダクト3B´の構造について、図8を用いて説明する。この冷却ダクト3B´は、絶縁紙31´に棒状絶縁物32´が平行に多数貼付けている。短辺は巻線1´の巻厚相当とし、長辺は鉄心2´の巾相当とし、そして、棒状絶縁物32´の面が巻線1´側に、また絶縁紙31´の面が鉄心21A´、21B´側と接する向きに取付ける。冷却ダクト3B´は1つの巻線1´を押さえるが、冷却ダクト3A´は2つの巻線1´を押さえるため、X軸方向の巾は巻線1´の巻厚の2倍となる。その他の寸法及び構造は冷却ダクト3B´と同様である。 【0005】従来例における巻線冷却を説明する。図7は、図6におけるA−Aの断面図である。巻線1´内には油道を設けるための棒状絶縁物38´が挿入されており、長さは巻線1´とほぼ同じ高さである。なお、巻線1´は巻枠11´に巻回されている。巻線1´の形状は、巻鉄心2´の断面が矩形であるため、ほぼ矩形に近いものとなる。図8に示した冷却ダクトの棒状絶縁物32´は、この巻線1´の素線に対して垂直となり、巻線1´の両端部の各素線をしっかりと固定している。 【0006】先ず、鉄心2´の外側に位置する巻線部では、油は棒状絶縁物38´により形成された油道41´を通抜けて、巻線1´の外部に循環する。一方、鉄心2´の内部を通過する巻線部では、鉄心2´外側に向かう油道を確保するため、図8に示す冷却ダクト3´を上下部ヨーク21A´、21B´、22A´、22B´と巻線1´間に配置する。これにより、油は次のように循環する。油は、棒状絶縁物39´で形成される油道42´を通り抜け、巻線1´上部に達すると、冷却ダクト3´で流れを図7のX軸方向変える。その後、図6に示す冷却ダクト3B´と鉄心角部の隙間4´を通り鉄心2´の外側に循環する。巻線1´の下部では上部と逆の流路をたどる。このような油の循環により巻線1´は冷却される。 【0007】また、この冷却ダクト3A´、3B´は、短絡時の電磁力に対し巻線1´の変形を抑える強度的な目的も兼ねる。棒状絶縁物32´の間隔は、巻線1´の素線の座屈に絶え得るように決定している。 【0008】しかしながら、従来技術では、大容量器では巻線の発熱が大きくなり、冷却に必要となるダクトの数を増やす必要がある。また、鉄心を幅方向に複数配置するため、鉄心内部に位置する巻線の領域が大きくなる。これらより、鉄心内部に位置する巻線を冷却するために循環する油量も増加する。しかしながら、現状の構造では鉄心角部と円筒巻線の両端に配置する冷却ダクトとの隙間で形成される油道は増加しない。このため、鉄心内に増設した冷却ダクトの効果が発揮できず、巻線内部の局部加熱を引き起こす問題点がある。また、鉄心外部に通じる油道を十分に確保するため、円筒巻線の両端に配置する冷却ダクトの巾を縮めると、すべての素線を押えつけることが出来ず、短絡時の機械力に対する強度の低下を招く。なお、冷却媒体として気体を用いた場合も同様の問題点がある。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の問題を解決するものであり、大容量器において短絡時の機械力に対する強度的な低下がなく、鉄心内部に位置する巻線部の冷却効率を向上する円筒巻線の両端に配置する冷却ダクト構造を有する変圧器を提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明は、平角導体を円筒状に巻いた巻線、或いは条又は箔を巻いた巻線、或いは平角導体と条又は箔とを用いた巻線と、鉄心とを備え、そして、巻線の上下両端部と鉄心継鉄部分との間に、棒状絶縁物を多数平行に配置し構成した冷却ダクトを用いる変圧器において、前記冷却ダクトの棒状絶縁物は、巻線端部に対応する位置に1つ以上の切欠部を有する変圧器である。 【0011】また、本発明は、上記冷却ダクトの棒状絶縁物の切欠部は、隣接する棒状絶縁物の切欠部とずれている変圧器である。 【0012】そして、本発明は、上記鉄心は、巻鉄心構造である変圧器である。 【0013】更に、本発明は、上記鉄心は、アモルファス材からなる変圧器である。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態を説明する。本発明の変圧器の実施例について、図1〜図5を用いて説明する。図1は、実施例1の変圧器における冷却ダクトの説明図である。図2は、実施例1で使用する冷却ダクトの説明図である。図3は、実施例2で使用する冷却ダクトの説明図である。図4は、実施例3で使用する冷却ダクトの説明図である。図5は、実施例4で使用する冷却ダクトの説明図である。 【0015】実施例1を説明する。本実施例の冷却媒体として油を用いた変圧器は、平角導体を円筒状に巻いた円筒巻線1とアモルファス材の巻鉄心からなる鉄心2とを備えている。そして、図1に示すように、円筒巻線1の両端部と鉄心2の上下ヨーク部21A、21B、22A、22Bとの間に配置する冷却ダクト3A、3Bを有している。冷却ダクト3は、図2に示すように、途中が切断されている棒状絶縁物32を使用し、そして、隣合う棒状絶縁物32は切欠部33が重ならぬよう、位置をずらして絶縁紙31に貼付けてある。冷却ダクト3Aと冷却ダクト3Bの違いは、X軸方向の幅が巻線1の巻厚のほぼ2倍とほぼ1倍の違いであり、Y軸方向の長さはほぼ等しい。 【0016】実施例1における冷却ダクトの構造による作用について、図2を用いて説明する。油の流路は次のようになる。先ず、従来の構造と同様に巻線1内の冷却ダクトを通過し、冷却ダクト3に達した油は、棒状絶縁物32に沿ってX軸方向の流路35を通り抜けた後、鉄心2の角部と冷却ダクト3で形成される隙間4を通過し鉄心2外側に達する。次に、別の流路として巻線1内の冷却ダクトを通過した油が冷却ダクトに設けた棒状絶縁物32の切欠部33を通り、鉄心2外側に達する流路34がある。巻線1の下部では上述した上部と逆に油が循環する。このように棒状絶縁物32を切断することで、新たな流路34が形成され、鉄心2外側に向かう流路の面積が大きくなり、油が循環し易くなる作用がある。また、短絡時の電磁力により発生する巻線変形を阻止する強度は、棒状絶縁物32の間隔により決定される。本実施例の場合、棒状絶縁物32の切断された部分の間隔36が最も長くなるため、この部分の隣りとの間隔を狭める等により、強度的に満足する寸法に決定する。さらに、隣合う棒状絶縁物32の切欠部33がずれているので、巻線の各素線を全て押えつけ固定することが出来る。 【0017】実施例2〜4を説明する。これらの実施例の変圧器は、実施例1(図1参照)と同様であるため、詳しい説明は省略し、相違している冷却ダクトについて、説明する。実施例1と比較すると、棒状絶縁物の切断位置のパターンが異なる点で相違している。実施例2(図3参照)では、切欠部をステップ状に配置した棒状絶縁物321、322、323とした冷却ダクト3bを使用する例である。実施例2においても、先に示した実施例1と同様に鉄心外部と通じる流路の面積を増加することができる。また、隣合う切欠部がずれていることにより短絡時の電磁力に対しても強度を維持することができる。 【0018】実施例3(図4参照)では、冷却ダクト3cの短辺に切欠部がかかるように直線的に切欠部37を設ける例である。本実施例においても同様に油の流路が確保でき、隣合う切欠部がずれていることにより短絡時の電磁力に対しても強度を維持することがでる。なお、従来の冷却ダクトを一度に切断し、適当な隙間を確保し別の絶縁紙に貼付けるだけで簡単に製造することができ、製造コストの増加を抑えられる。 【0019】実施例4(図5参照)では、絶縁ダクト3dの棒状絶縁物32dに2箇所の切欠部を設ける例である。本実施例では上述した実施例以上に油の流路が確保でき、隣合う切欠部がずれていることにより短絡時の電磁力に対しても強度を維持することができる。なお、棒状絶縁物32dに切欠部を2箇所又はそれ以上設けることにより、もし1箇所の切欠部が潰れた場合でも、残りの切欠部により流路を確保できるため、冷却に対する信頼性の向上が図れる。 【0020】以上説明したように、実施例によれば、冷却ダクトの棒状絶縁物に1つ以上の切欠部を設け、かつ隣接する切欠部をずらすことにより、短絡時の電磁力に対しても強度的を維持し、鉄心外側通ずる油の流路を増やすことが可能となり、油の循環が良くなり鉄心内部に位置する巻線の冷却効率を上げることが出来る。したがって、大容量器に対しても、巻線の冷却性能を有する変圧器を得ることができる。 【0021】なお、上記実施例では、平角導体を円筒状に巻いた巻線を備えた油入変圧器であったが、条又は箔を巻いた巻線、或いは平角導体と条又は箔とを用いた巻線を備えた油入変圧器、又、同巻線構造を有し、冷却媒体として気体を用いた変圧器においても、同様の効果を奏することができる。 【0022】 【発明の効果】本発明によれば、大容量器において短絡時の機械力に対する強度的な低下がなく、鉄心内部に位置する巻線部の冷却効率を向上する円筒巻線の両端に配置する冷却ダクト構造を有する変圧器を得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所
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| 【出願日】 |
平成12年8月10日(2000.8.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095913 【弁理士】 【氏名又は名称】沼形 義彰 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−57057(P2002−57057A) |
| 【公開日】 |
平成14年2月22日(2002.2.22) |
| 【出願番号】 |
特願2000−242815(P2000−242815) |
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