| 【発明の名称】 |
コネクタ用枠治具 |
| 【発明者】 |
【氏名】河村 洋
【氏名】田福 勝成
【氏名】中尾 一貴
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| 【要約】 |
【課題】コネクタへ挿入する電線の種類と挿入箇所を容易に確認できるようにする。
【解決手段】コネクタ用枠治具10は、ブロック状のホルダー11の上面11aの凹部11bの周囲縁部11cに、凹部11bに保持されるコネクタCの各キャビィティCaと対向する箇所毎に穴部11dを設けると共に、側面11e、11fには窪部11gを設け、取付対象と同種のサンプル電線Sを、当該種類の電線Dの挿入キャビィティCaと対向する穴部11dに差し込むと共に他方の端部を窪部11g内に位置させて係止片12を嵌め込んで係止している。作業者はサンプル電線Sで電線の種類及び取付位置を確認して、電線の挿入取付作業を行う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ワイヤハーネスの組立図板上より立設し、組立図板に布線された電線の端末に取り付けるコネクタをホルダー上面の凹部で保持するコネクタ用枠治具において、上記凹部で保持されるコネクタの各キャビィティと上記凹部の周囲縁部との対向箇所に、上記各キャビィティに挿入する電線と同種のサンプル電線を取り付ける構成としていることを特徴とするコネクタ用枠治具【請求項2】 上記周囲縁部のコネクタの各キャビィティとの対向箇所毎に穴部を設けると共に、これら穴部を設けた側のホルダー側面に窪部を設け、上記サンプル電線は、一方の端部を上記穴部に挿入すると共に他方の端部を上記窪部内に位置させて、別体の係止片を窪部に嵌め込んでサンプル電線を着脱自在に取り付ける構成としている請求項1に記載のコネクタ用枠治具。 【請求項3】 上記周囲縁部のコネクタの各キャビィティとの対向箇所毎に電線溝を平行に凹設すると共に、該電線溝に上記サンプル電線を嵌め込み、上記電線溝を設けた周囲縁部に透明板を載置固定してサンプル電線を固定する請求項1に記載のコネクタ用枠治具。 【請求項4】 上記窪部はホルダー側面の上端より距離をあけて設けられ、ホルダー側面の上端から窪部へは上記穴部と対応する箇所毎に窪部へ連通する上下方向の溝を夫々平行に設け、サンプル電線を該溝内にはわせて平行配置する構成としている請求項2に記載のコネクタ用枠治具。 【請求項5】 上記サンプル電線が取り付けられる周囲縁部へ近接離反可能に移動部材を上記ホルダーへ取り付け、上記移動部材の近接姿勢で上記凹部に保持されたコネクタの電線を挿入しない各キャビティの上方を塞ぎ、かつ、上記移動部材の離反姿勢で上記凹部の上部開口を開放する長さ寸法のマスキング棒を上記移動部材より突設する請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のコネクタ用枠治具。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はコネクタ用枠治具に関し、詳しくは、ワイヤハーネスの組立作業において、コネクタの多数のキャビィティに挿入する電線種類を容易に確認可能にするものである。 【0002】 【従来の技術】自動車等に搭載される各種電装品の接続に用いられるワイヤハーネスは、多数の電線を束ねて構成され、端末には接続用のコネクタが取り付けられている。コネクタの取付は、ワイヤハーネスの組立工程で電線布線用の各種治具等が多数立設する組立図板上で行われている。 【0003】図10は、電線の端末をコネクタに取り付ける状況を示しており、組立図板Zより立設するコネクタ用枠治具1のホルダー1aの凹部1b内に保持されたコネクタCに電線Dを順次取り付けている。ワイヤハーネスを構成する各電線Dは、各電線毎に接続先が規定されているので、対象となる各電線を判別するため、電線Dの被覆は色分けされたり印等が付加されている。これら電線Dは、端部の被覆を除去して芯線Daを露出して、オスあるいはメスの端子Tを取り付けて、この端子TをコネクタCの背面に多数設けられたキャビィティCaに挿入係止することで、電線DをコネクタCへ取り付けている。 【0004】上記キャビィティCaへの挿入においても、各電線の接続先が規定されていることより、電線Dの端子Tを挿入する対象のキャビィティCaも指定されている。上記指定は、一般にコネクタの取付作業における作業指示書の配列図に記載されており、作業者は、上記配列図の指示内容に従って、指定種類の電線Dを指定箇所のキャビィティCaに取り付けている。 【0005】なお、上記電線Dの取付は、ワイヤハーネスの組立工程において、一般に先入れと称される前工程と後入れと称される後工程の両方で行われている。先入れ工程では、一群の電線が数カ所のキャビィティに取り付けられ、その後、後入れ工程で別の一群の電線が残りのキャビィティに取り付けられ、ワイヤハーネスを構成する全電線群にコネクタを取り付けている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】電線の取付作業は、上記のように配列図に基づいて行うこととなるが、配列図の誤認等を起因とする電線の入れ間違いという事態が生じる問題がある。即ち、作業者は、配列図を確認して多数の電線から所定種類の電線を選び出さねばならず、さらに、選び出した電線を、再度、配列図を確認して多数のキャビィティの中から所定位置のキャビィティへ挿入するという作業内容になり、配列図の見誤り等も生じやすく、また、作業者の確認に要する負担の度合いも大きい。 【0007】その上、作業者は、上記作業内容を繰り返し行い、ワイヤハーネスを量産することになるので、作業者の疲労に伴い配列図の誤認等も増加する傾向があり、また、新しい配列図の導入時や新任の作業者が作業に従事する場合等には、挿入箇所の入れ間違いも生じやすい問題がある。なお、上記のように間違えて挿入された電線は、キャビィティより端子を抜き取って正規のキャビィティに挿入し直す必要があり、このような端子の抜き取りは、端子自体の変形やコネクタ損傷を招くおそれがある。また、上記のように配列図の確認には、手間及び時間もかかるため、作業効率も低下する問題もある。 【0008】本発明は、上記した問題に鑑みてなされたものであり、取付対象の電線種類および挿入対象のコネクタのキャビィティ位置の確認を容易にし、電線挿入の作業精度を向上すると共に、電線取付作業の効率化を図ることを課題としている。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明は、ワイヤハーネスの組立図板上より立設し、組立図板に布線された電線の端末に取り付けるコネクタをホルダー上面の凹部で保持するコネクタ用枠治具において、上記凹部で保持されるコネクタの各キャビィティと上記凹部の周囲縁部との対向箇所に、上記各キャビィティに挿入する電線と同種のサンプル電線を取り付ける構成としていることを特徴とするコネクタ用枠治具を提供している。 【0010】このように、コネクタ用枠治具のホルダーに取付対象となる同種の電線をサンプル電線として取り付けると、サンプル電線を一目見れば対象の電線を判断でき、配列図で確認することなしに多数の電線の中から所要の電線を選び出すことができる。さらに、上記サンプル電線は、凹部に保持されたコネクタにおいて当該サンプル電線と同種の電線が挿入されるキャビィティとの対向箇所となる周囲縁部に取り付けられるので、キャビィティの挿入箇所も配列図を確認することなく判別できる。 【0011】よって、コネクタの取付作業は、ホルダーに取り付けられたサンプル電線の種類と取付箇所より、一致する種類の電線を選択して、対向する箇所のキャビィティに挿入することとなり、配列図の確認を不要にして取付作業の効率性を向上できる。また、電線の種類および挿入箇所も、従来の配列図表記に比べ、明確となるので電線の入れ間違い等の発生も低減できる。さらに、実際に取り付ける電線と同種のサンプル電線を取り付けることにより、新しい機種の製造開始時への作業者の習熟度も速くなり、また、新任の作業者への指導等も容易に行える。 【0012】上記周囲縁部のコネクタの各キャビィティとの対向箇所毎に穴部を設けると共に、これら穴部を設けた側のホルダー側面に窪部を設け、上記サンプル電線は、一方の端部を上記穴部に挿入すると共に他方の端部を上記窪部内に位置させて、別体の係止片を窪部に嵌め込んでサンプル電線を着脱自在に取り付ける構成としている。 【0013】このように、ホルダーの上面に穴部を、側面には窪部を設けると、サンプル電線の取替が容易に行えるので、電線の取付対象のコネクタが変更になった場合や、電線を挿入するキャビィティが変更になった場合等でも、サンプル電線を取り外して、所要種類のサンプル電線を対応する穴部および窪部に取り付ければ、変更された作業条件にも容易に対応できる。 【0014】また、このようにすることで、先入れ工程や後入れ工程のどちらの工程でも本発明のコネクタ用枠治具を好適に使用できる。即ち、先入れ工程では、先入れする電線に対応するサンプル電線のみを対応箇所に取り付けておけば、サンプル電線に基づき容易に挿入作業を行うことができる。同様に、後入れ工程でも、後入れする電線に対応するサンプル電線のみを対応箇所に取り付けておけば、容易に後入れ作業を行える。なお、別体の係止片は弾力性や可撓性を有する樹脂やゴム等の材質でホルダーの窪部の大きさと同等の断面積の有するように形成されており、窪部に嵌め込むとサンプル電線との当接箇所が撓んでサンプル電線の端部が保持されるようにしている。 【0015】上記周囲縁部のコネクタの各キャビィティとの対向箇所毎に電線溝を平行に凹設すると共に、該電線溝に上記サンプル電線を嵌め込み、上記電線溝を設けた周囲縁部に透明板を載置固定してサンプル電線を固定するようにしてもよい。このように電線溝と透明板によってもサンプル電線を固定することができる。即ち、電線溝は凹部に保持されるコネクタの各キャビィティ位置に対向する箇所にそれぞれ凹設されるので、各電線溝に対向位置のキャビィティに挿入する電線と同種のサンプル電線を嵌め込んだ上から透明板を載置すれば、サンプル電線を固定した上で透明板を通して各電線の種類および位置も容易に確認できる。 【0016】さらに、上記窪部はホルダー側面の上端より距離をあけて設けられ、ホルダー側面の上端から窪部へは上記穴部と対応する箇所毎に窪部へ連通する上下方向の溝を夫々平行に設け、サンプル電線を該溝内にはわせて平行配置する構成としている。上記のように、ホルダー側面の上端から窪部へ溝を設けると、穴部に一方の端部を挿入したサンプル電線を溝内にはわせて窪部へ導くことで、各サンプル電線の取付状態が溝の規制により平行になり、サンプル電線と対応するキャビィティ位置も一段と明確になり、挿入キャビィティの位置確認も容易にできる。その上、ホルダーの側面からもサンプル電線を確認できるので、種々の作業姿勢においても確認性の向上を図れる。 【0017】また、上記サンプル電線が取り付けられる周囲縁部へ近接離反可能に移動部材を上記ホルダーへ取り付け、上記移動部材の近接姿勢で上記凹部に保持されたコネクタの電線を挿入しない各キャビティの上方を塞ぎ、かつ、上記移動部材の離反姿勢で上記凹部の上部開口を開放する長さ寸法のマスキング棒を上記移動部材より突設することが好ましい。 【0018】上記のようにホルダーへマスキング棒を突設した移動部材を取り付けると、電線挿入時に移動部材をホルダーに近接すればマスキング棒でコネクタの電線非挿入キャビィティが閉鎖されるので、閉鎖されたキャビィティへは物理的に電線挿入が不可能となり電線の誤挿入を確実に防止できる。また、マスキング棒は非挿入キャビィティとの対応箇所に位置するため、ホルダーの周囲縁部に取り付けられたサンプル電線を遮らず、挿入電線の種類確認に支障が生じることもない。さらに、移動部材をホルダーより離反させると、マスキング棒がホルダーの凹部より後退して凹部開口を開放するため、凹部へのコネクタの取り付けおよび取り外しも無理なく行える。なお、マスキング棒の突設箇所は、取付対象となるコネクタに合わせて適宜変更可能である。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の第一実施形態に係るコネクタ用枠治具10を示しており、組立図板Zより立設する支持柱15の上端15aにホルダー11を設けており、ホルダー11には、保持されたコネクタCに取り付ける電線Dと同種の各種サンプル電線Sが取り付けられている。 【0020】ホルダー11は、図2に示すように、ブロック形状でホルダー11の上面11aにコネクタ保持用の凹部11bを設けている。また、凹部11bの周囲縁部11cにはサンプル電線Sの一方の端部を挿入する穴部11dを多数設けている。コネクタ用枠治具10は、取付対象となるコネクタCとして二段のキャビィティCaを有するものを対象としており、これに対応して各穴部11dは、凹部11bにコネクタCが保持された状態で各キャビィティCaと対向する箇所毎に、凹部11bの長辺側に設けられている。なお、穴部11dの穴径は、挿入するサンプル電線Dが容易に抜け出ないように、サンプル電線Sの電線径を考慮して設定している。 【0021】また、穴部11dを設けた方向に位置するホルダー11の側面11e、11fには、窪部11gを夫々凹設している。窪部11gは、側面11e、11fの上端11h、11iより下方へ間隔をあけて設けられており、ホルダー11の幅より少し狭い幅寸法の細長の矩形状の開口を有している。さらに、側面11e、11fの上端11h、11iと窪部11gとの間には、上下方向に溝11jが夫々平行に形成されている。これら溝11jは、サンプル電線Sをはめることができるように、サンプル電線Sの電線径と同等の幅を有しており、また、各溝11jの間隔は、上面11aの各穴部11dと対応させて同間隔で設けている。 【0022】なお、上記窪部11gに嵌め込まれるホルダー11と別体の係止片12は、図3に示すように、弾力性や可撓性等を有する樹脂やゴム等の材質で窪部11gの開口面積と同等より少し大きい断面積を有する角棒形状で形成されている。上記特性を有する材質を用いることで、窪部11gに押し込みで密着変形させて係止片11gを確実に取り付けられるようにすると共に、サンプル電線Sが存在する場合は、その箇所が撓んでサンプル電線Sを保持係止できるようにしている。 【0023】上記したコネクタ用枠治具10を、電線の先入れ工程に適用する場合を例として、以下説明する。図3に示すように、先ず、先入れ工程で挿入する電線と同種のサンプル電線Sを準備し、これらサンプル電線Sをホルダー11に取り付けている。 【0024】サンプル電線Sは、ホルダー11の穴部11dから窪部11gまで充分に届く長さを有するもの使用しており、取付箇所のキャビィティと対向する位置の穴部11dに、上記対向位置のキャビィティに取り付ける電線と同種のサンプル電線Sを取り付けている。この取付は、サンプル電線の一方の端部Saを穴部11dに挿入すると共に、側面11e(11f)へ導いて、上端11h(11i)で下方に屈曲させて溝11j内にはわせ、他方の端部Sbを屈曲させて窪部11g内に位置させている。以下、同様に、対象となる穴部11dに該当種類のサンプル電線Sを順次取り付けている。 【0025】次に、別体の樹脂あるいはゴム製等の係止片12を窪部11gに嵌め込み、係止片12が適宜変形してサンプル電線Sを保持している。このように取り付けられたサンプル電線Sはそれぞれが平行配置され上面11aおよび側面11e、11fからも容易に確認することができる。 【0026】上記のように準備されたコネクタ用枠治具10の凹部11bに、コネクタCを収めて保持し、図1に示すように、ワイヤハーネスを構成する先入れする一群の電線群からサンプル電線Sと同一種類の電線Dを選び出し、端部の端子Tを当該サンプル電線Sの取付箇所と対向するキャビィティCaに挿入している。以降、同様に、サンプル電線Sで電線の種類とキャビィティ位置を確認して、順次取り付けて、配列図を確認することなしに取付作業を行っている。 【0027】なお、対象となるコネクタや電線を挿入するキャビィティ位置が変更になった場合等は、係止片12を取り外して、サンプル電線Sの種類や取付位置を交換して対応している。また、後入れ工程においても、後入れする電線と同種のサンプル電線を取付箇所と対応する穴部に取り付けて上記同様配列図を確認することなしに該当種類の電線を選択して、該当キャビィティに挿入している。 【0028】なお、本発明の、コネクタ用枠治具は上記形態に限定されるものではなく、例えば、取付対象となるコネクタが一段のキャビィティを有する型であれば、サンプル電線もホルダーの凹部のいずれか一辺側に取り付けられるようにすればよい。また、ホルダーの形状等に制限を受ける場合等で有れば必ずしも、側面に溝を設ける必要はない。 【0029】図4、5は、本発明の第二実施形態にかかるコネクタ用枠治具20であり、ホルダー21の上面21aに設けられる凹部21bの周囲縁部21cには、多数の電線溝21dが平行に凹設されている。各電線溝21dは、凹部21bの近傍からホルダー21の端辺21hへ延在しており、溝幅はサンプル電線Sが溝内に収まる寸法に設定すると共に溝深さはサンプル電線Sの外径寸法より少し浅くしている。これら電線溝21dは、凹部21bに保持されるコネクタの各キャビィティの対向箇所毎に凹設されており、その結果、それぞれの電線溝21dの位置関係は、各キャビィティと同ピッチで平行になっている。なお、ホルダー21の上面21aの四角にはネジ穴21kも穿設されている。 【0030】また、ホルダー21の上面21aには、サンプル電線固定用の透明板23をネジ止めするようにしている。透明板23は、ホルダー21の上面21aの周囲縁部21cと略同形状で、中央に矩形状のコネクタ通過穴23aを設けると共に、四角にネジ通過穴23bを設けている。 【0031】ホルダー21に取り付けられる各サンプル電線Sは、電線溝21dの溝長以下に切断されている。これらサンプル電線Sは、凹部21b内に保持されるコネクタの各キャビィティに挿入する電線と同種のものが電線溝21dに嵌め込まれており、この嵌め込み対象となる電線溝21dは、サンプル電線Sと同種の電線が挿入されるキャビィティの対向箇所に位置している。嵌め込まれたサンプル電線Sは、溝深さと外径寸法の関係から、電線溝21dより少し突出している。 【0032】上記のようにして全てのサンプル電線Sを該当する電線溝21dに嵌め込んでから、透明板23をホルダー21の上面21aに載置すると共に、四角をネジ24で締結固定している。この際、電線溝21d内のサンプル電線Sは、突出しているため透明板23の下面23cが押し当てられ、透明板23と電線溝21dの底面で挟持固定されている。固定されたサンプル電線Sは透明板23を通して視認できるので、上述の第一実施形態と同様に、凹部21bのコネクタを取り付けて、サンプル電線Sと同種の電線をサンプル電線Sの取付箇所に対向するキャビィティへ挿入している。 【0033】また、サンプル電線Sは、透明板23に覆われているため、挿入作業中に引っ掛けられて抜け落ちる等の不具合も生じない。なお、挿入電線の種類や挿入種類が変更になった場合は、上記と逆の手順で透明板23を取り外し、該当する電線溝21dに該当種類のサンプル電線Sを嵌め直して作業内容の変更にも対応できるようにしている。この第二実施形態のコネクタ用枠治具20も、取付対象となるコネクタが一段のキャビィティを有する型であれば、ホルダーの凹部のいずれか一辺側のみに電線溝を凹設して、サンプル電線を取り付けるようにすればよい。 【0034】図6は、本発明の第三実施形態のコネクタ用枠治具30であり、ホルダー31に第一移動部材35、第二移動部材36をそれぞれ取り付けていると共に、ホルダー31の長辺31iの両端側の側面31eには、図板への固定用となるL字形状の支持ブラケット37をそれぞれ取り付けている。 【0035】図7にも示すように、ホルダー31は、中央箇所に上方へ突出した凸部31mを設けており、この凸部31mを、第二実施形態のホルダー20と略同等の構成にしている。即ち、最上面31aの中央部にコネクタ保持用の凹部31bを設けると共に、凹部31bの周囲縁部31cには、第二実施形態と同様に電線溝31dを凹設している。また、最上面31aの四角には、第二実施形態の透明板22と同様の透明板33固定用のネジ穴も設けている。 【0036】さらに、ホルダー31は、凸部31mの両側の上面31nに、第一および第二移動部材35、36の移動規制用のレール部31sを突設している。レール部31sは、上面31nからの突設附近に対して上部の幅を広くして、第一および第二移動部材35、36の上方への抜けを防止している。また、ホルダー31は、短辺31jの両端側の側面31tの中央には、上下方向に延在するピン溝31uをそれぞれ凹設している。 【0037】一方、第一移動部材35および第二移動部材36は、ブロック状の形状をしており、底面35a、36aの中央には、ホルダー31のレール部31sの断面形状と対応する断面形状を有するレール溝35b、36bを凹設している。さらに、ホルダー31への取付時にホルダー31の凸部31m側となる一面35c、36cには、棒穴35d、36dを多数穿設している。これら棒穴35d、36dは、凸部31mに透明板33が固定された状態で透明板33より上方箇所で、凸部31mの凹部31bに保持されるコネクタCの各キャビィティCaにそれぞれ対応して同ピッチで設けられている。 【0038】これら棒穴35d、36dには、マスキング棒38を取り付けて第一および第二移動部材35、36より突設させている。マスキング棒38は、コネクタCの各キャビィティCaを塞ぐのに充分な外径寸法を有しており、突設長さは、第一および第二移動部材35、36の一面35c、36cが凸部31mに接する位置で、棒先端が凹部31bの中央手前附近まで延出する寸法に設定している。 【0039】また、第一および第二移動部材35、36の左右側面35e、36eには、長板形状のリンク部材39aをそれぞれ回転自在に支点ピン40を介して取り付けている。このようにリンク部材39aを取り付けた状態の第一および第二移動部材35、36を、ホルダー31のレール部31sとレール溝35b、36bを嵌め合わせて、レール部31sに沿って摺動自在にホルダー31へ取り付けている。このように取り付けた後に、各リンク部材39aの先端部39bを重ね合わせて、連結ピン41を同軸に取り付けると共に、連結ピン41の突出した先端部41aをホルダー31のピン溝31uに収めて、リンク部材39a、支点ピン40、および、連結ピン41によるリンク39を形成している。 【0040】このようにリンク39を形成することにより、第一および第二移動部材35、36が連動して移動するようにしており、図8(A)(B)に示す凸部31の周囲縁部31cへの近接姿勢から図9(A)(B)に示す離反姿勢までの範囲移動可能にしている。この移動範囲は、離反姿勢でマスキング棒38の先端が凹部31bより後退して凹部31bの上方の開口を塞がないような距離範囲を確保している。 【0041】次に、コネクタ用枠治具30による電線挿入作業を説明する。先ず、作業準備段階として第二実施形態と同様に、作業対象のコネクタCのキャビィティCaに対応する種類のサンプル電線Sを対応する凸部31mの電線溝31dに嵌め込んで、透明板33により固定する。次に、コネクタCの電線非挿入となるキャビィティCaに対応する箇所の第一および第二移動部材35、36端部の棒穴35d、36dにそれぞれマスキング棒38を取り付けて作業準備を完了している。 【0042】上記作業準備が完了したら、第一および第二移動部材35、36を図9(A)(B)に示す離反姿勢にして、凹部31bにコネクタCを取り付けてから、図8(A)(B)に示すように、第一および第二移動部材35、36を近接姿勢にしている。この近接姿勢では、図8(A)に示すように、非挿入となるキャビィティCaは、マスキング棒38で塞がれているため、電線を挿入することが物理的に不可能となり、キャビィティ位置を間違えて電線を挿入することは生じない。 【0043】さらに、この状態でも、各マスキング棒38により遮られることなくサンプル電線Sを確認することができるので、挿入する電線Dの種類も上記第一および第二実施形態と同様、容易に判断可能にしている。よって、挿入作業は、マスキング棒38で塞がれた箇所以外のキャビィティCaに注目して行えばよいため、開口したキャビィティCaのみに集中して挿入作業を行うことができ、作業効率も向上している。また、挿入作業が終了してコネクタ取出時になると、再度、第一および第二移動部材35、36を離反姿勢にして、マスキング棒38に干渉されることなくコネクタCを取り出している。 【0044】なお、コネクタ用枠治具30は、常に一対の移動部材を設ける必要はなく、例えば取付対象となるコネクタが一段のキャビィティを有する型であれば、いずれか一方の移動部材のみを取り付けて、マスキング棒により非挿入キャビィティを塞ぐと共に、サンプル電線で挿入電線の種類と位置を案内するようにしてもよい。 【0045】 【発明の効果】上記した説明より明らかなように、本発明のコネクタ用枠治具を用いると、配列図を見ることなしに、取り付けられたサンプル電線で、電線の種類および取付位置を確認できるので、確認が容易となり電線の取付間違いを低減できると共に作業者の確認に要する負担も軽減でき、それに伴い、取付作業の効率化を図ることができる。また、電線の取付間違いの低減は、間違いの対応にかかる手間や時間等の削減にもつながり、修正時の端子の変形や、コネクタの損傷も生じる割合が減少し、これら不良品の対応費も低減できる。 【0046】さらに、ホルダーに取り付けられたサンプル電線は容易に脱着できるので、設計変更等が生じた場合でも柔軟に現場サイドでも対応を図ることができ、また、サンプル電線は一目で確認できるため、作業者自身も作業指示を的確に把握して、間違いの少ない作業を遂行できる。 【0047】その上、ホルダー上面に、電線溝を凹設し透明板で電線溝にサンプル電線を固定する場合では、サンプル電線が透明板で覆われるため、作業中にサンプル電線が引っ掛かけられて抜け落ちるなどの不具合も発生せず、しかも、サンプル電線の交換性も確保されているので、使い勝手をより向上できる。また、ホルダーにマスキング棒を突設した移動部材を取り付けた場合では、上記サンプル電線による挿入電線の種類と挿入箇所の案内を確保した上に、マスキング棒により電線非挿入のキャビィティへの電線挿入を不可能にして、挿入キャビィティ位置の誤認を確実に防止でき、新機種の製造開始時や新任作業者の作業開始時における不具合発生率も大幅に低減できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000183406 【氏名又は名称】住友電装株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年2月16日(2001.2.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100072660 【弁理士】 【氏名又は名称】大和田 和美
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| 【公開番号】 |
特開2002−56730(P2002−56730A) |
| 【公開日】 |
平成14年2月22日(2002.2.22) |
| 【出願番号】 |
特願2001−40136(P2001−40136) |
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