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【発明の名称】 放射線像変換パネル
【発明者】 【氏名】柳多 貴文

【氏名】中野 邦昭

【要約】 【課題】輝尽性蛍光体を用いた放射線像変換パネルの画質及び感度の関係を改善することにあり、更に詳しくは輝度と鮮鋭性のバランスに優れた放射線像変換パネルを得ることにある。

【解決手段】支持体上に輝尽性蛍光体層、低屈折率層、保護層をこの順に積層してなる放射線像変換パネルにおいて、輝尽性蛍光体層が少なくとも気相成長方式によって形成され、且つ保護層が輝尽性蛍光体層を励起する励起光を吸収する色材を含有し、該保護層の励起光透過率が60%以上95%以下であることを特徴とする放射線像変換パネル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 支持体上に輝尽性蛍光体層、低屈折率層、保護層をこの順に積層してなる放射線像変換パネルにおいて、輝尽性蛍光体層が少なくとも気相成長方式によって形成され、且つ保護層が輝尽性蛍光体層を励起する励起光を吸収する色材を含有し、該保護層の励起光透過率が60%以上95%以下であることを特徴とする放射線像変換パネル。
【請求項2】 気相成長方式によって形成された輝尽性蛍光体層が柱状結晶で構成されることを特徴とする請求項1に記載の放射線像変換パネル。
【請求項3】 気相成長方式によって形成された輝尽性蛍光体層がCsBr柱状結晶で構成されることを特徴とする請求項2に記載の放射線像変換パネル。
【請求項4】 保護層が、着色フィルムを積層したガラスであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射線像変換パネル。
【請求項5】 保護層が、着色した層がどちらか片方の面に塗布により設けられたガラスであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射線像変換パネル。
【請求項6】 保護層が、着色ガラスであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射線像変換パネル。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は輝尽性蛍光体を用いた放射線像変換パネルに関するものであり、更に詳しくは輝度及び鮮鋭度の向上した放射線像変換パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、輝尽性蛍光体を利用した放射線像変換パネルにより放射線像を画像化する方法が用いられるようになってきた。
【0003】これは例えば米国特許第3,859,527号及び特開昭55−12144号等に開示された様に支持体上に輝尽性蛍光体層を形成した放射線像変換パネルを使用するものである。この放射線像変換パネルの輝尽性蛍光体層に被写体を透過した放射線をあてて被写体各部の放射線透過度に対応する放射線エネルギーを輝尽性蛍光体層に蓄積させて潜像(蓄積像)を形成し、この輝尽性蛍光体層を輝尽励起光(レーザ光が用いられる)で走査することによって各部に蓄積された放射線エネルギーを放射させて光に変換し、この光の強弱を読みとって画像を得る。この画像はCRT等各種のディスプレイ上に再生してもよいし、又ハードコピーとして再生してもよい。
【0004】この放射線像変換方法に用いられる放射線像変換パネルの輝尽性蛍光体層には、放射線吸収率及び光変換率が高いこと、画像の粒状性がよく、高鮮鋭性であることが要求される。
【0005】通常、放射線感度を高くするには輝尽性蛍光体層の膜厚を厚くする必要があるが、余り厚くなりすぎると、輝尽性蛍光体粒子間での輝尽発光の散乱のため発光が外部に出てこなくなる現象があり限界がある。
【0006】又鮮鋭性については、輝尽性蛍光体層を薄層化するほど向上するが、薄すぎると感度の現象が大きくなる。
【0007】又粒状性についても画像の粒状性は放射線量子数の場所的ゆらぎ(量子モトル)或いは放射線像変換パネルの輝尽性蛍光体層の構造的乱れ(構造モトル)等によって決定されるので、輝尽性蛍光体層の層厚が薄くなると輝尽性蛍光体層に吸収される放射線量子数が減少してモトルが増加したり、構造的乱れが顕在化して構造モトルが増加したりして画質の低下を生ずる。従って画像の粒状性を向上させるためには輝尽性蛍光体層の層厚が厚い必要があった。
【0008】この様に様々な要因から放射線像変換パネルを用いた放射線像変換方法の画質及び感度は決定される。これらの感度や画質に関する複数の因子を調整して感度、画質を改良するため、これまで様々な検討がされてきた。
【0009】それらの内放射線画像の鮮鋭性改善の為の手段として、例えば形成される輝尽性蛍光体の形状そのものをコントロールし感度及び鮮鋭性の改良を図る試みがされている。
【0010】これらの試みの1つとして、例えば特開昭61−142497号等において行われている様な、微細な凹凸パターンを有する支持体上に輝尽性蛍光体を堆積させ形成した微細な擬柱状ブロックからなる輝尽性蛍光体層を用いる方法がある。
【0011】又、特開昭61−142500号に記載のように微細なパターンを有する支持体上に、輝尽性蛍光体を堆積させて得た柱状ブロック間のクラックをショック処理を施して更に発達させた輝尽性蛍光体層を有する放射線像変換パネルを用いる方法、更には、特開昭62−39737号に記載されたような、支持体の面に形成された輝尽性蛍光体層にその表面側から亀裂を生じさせ擬柱状とした放射線像変換パネルを用いる方法、更には、特開昭62−110200号に記載のように、支持体の上面に蒸着により空洞を有する輝尽性蛍光体層を形成した後、加熱処理によって空洞を成長させ亀裂を設ける方法等も提案されている。
【0012】又、特開平2−58000号においては、気相堆積法によって支持体上に、支持体の法線方向に対し一定の傾きをもった細長い柱状結晶を形成した輝尽性蛍光体層を有する放射線像変換パネルが提案されている。
【0013】これらの輝尽性蛍光体層の形状をコントロールする試みにおいては、いずれも輝尽性蛍光体層を柱状とすることで、輝尽励起光(又輝尽発光)の横方向への拡散を抑える(クラック(柱状結晶)界面において反射を繰り返しながら支持体面まで到達する)ことができるため、輝尽発光による画像の鮮鋭性を著しく増大させることができるという特徴がある。
【0014】しかしながら、これらの気相成長(堆積)により形成した輝尽性蛍光体層を有する放射線像変換パネルにおいても、前記感度と鮮鋭性の関係は充分な特性を有しているとはいえず、更に改良が必要である。
【0015】これらの気相成長(堆積)法により形成された輝尽性蛍光体層を有する放射線像変換パネルにおいて、更に画質特に鮮鋭性を改善しようとする試みが特開平1−131498号において行われている。これは前記擬柱状輝尽性蛍光体結晶からなる蛍光体層と低屈折率層を組み合わせることによって、放射線像変換パネル中の層界面での反射や屈折を抑え、画質を更に向上させるものである。
【0016】しかしながら、低屈折率層を組み合わせることによって低屈折率層及び保護層間での反射は確かに低減し画質等鮮鋭性の改良に対し一定の向上効果はあるものの効果が限られているという欠点がある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は輝尽性蛍光体を用いた放射線像変換パネルの画質及び感度の関係を改善することにあり、更に詳しくは輝度と鮮鋭性のバランスに優れた放射線像変換パネルを得ることにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は以下の手段によって達成される。
【0019】1.支持体上に輝尽性蛍光体層、低屈折率層、保護層をこの順に積層してなる放射線像変換パネルにおいて、輝尽性蛍光体層が少なくとも気相成長方式によって形成され、且つ保護層が輝尽性蛍光体層を励起する励起光を吸収する色材を含有し、該保護層の励起光透過率が60%以上95%以下であることを特徴とする放射線像変換パネル。
【0020】2.気相成長方式によって形成された輝尽性蛍光体層が柱状結晶で構成されることを特徴とする前記1に記載の放射線像変換パネル。
【0021】3.気相成長方式によって形成された輝尽性蛍光体層がCsBr柱状結晶で構成されることを特徴とする前記2に記載の放射線像変換パネル。
【0022】4.保護層が、着色フィルムを積層したガラスであることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の放射線像変換パネル。
【0023】5.保護層が、着色した層がどちらか片方の面に塗布により設けられたガラスであることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の放射線像変換パネル。
【0024】6.保護層が、着色ガラスであることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の放射線像変換パネル。
【0025】以下本発明を詳細に説明する。本発明は、気相成長(堆積)法により支持体上に少なくとも1層の、支持体の法線方向に対して一定の傾きを有する独立した細長い柱状結晶から構成される輝尽性蛍光体層を形成してなる放射線画像変換パネルにおいて、該輝尽性蛍光体層を、支持体、輝尽性蛍光体層、低屈折率層、保護層の順に積層してなり、且つ保護層に輝尽性蛍光体層を励起するための励起光を吸収する色素を、保護層の励起光透過率が60%以上95%以下となる量含有させることで、単に柱状結晶からなる輝尽性蛍光体層、低屈折率層及び保護層からなる放射線像変換パネルに比べて大幅な鮮鋭度の改良と感度(輝尽発光の輝度)を達成できることを見いだしたものである。
【0026】前記特開平1−131498号に記載された様に、柱状結晶からなる輝尽性蛍光体層と保護層の間に低屈折率層を設け組み合わせることによって主に輝尽性蛍光体層と保護層界面での反射を抑え、放射線像変換パネルの画質を向上させることができることは知られている。しかしながら低屈折率層を柱状結晶からなる輝尽性蛍光体層と組合せることで、保護層と低屈折率層との界面における反射を抑え、光の面方向での拡散を小さくすることによって画質の向上をはかることができるが、一方で、低屈折率層を設けたために低屈折率層と輝尽性蛍光体層間での反射については、副次的な光の散乱がおこり反射光が低屈折率層内を比較的長い距離拡散するためと考えられるが、これによる鮮鋭性の劣化という問題を生じることがわかった。
【0027】本発明者等は、輝尽励起光を吸収する色材(顔料又は染料)を保護層に含有させることで、この効果を抑えることが出来、低屈折率層を設けた効果を更に向上させることができることを見いだした。即ち、保護層に色材(顔料又は染料)を含有させることにより低屈折率層と輝尽性蛍光体層界面での輝尽励起光の反射を抑えることができると共に、前記の低屈折率層と輝尽性蛍光体層間での比較的長いレンジでの光の散乱に起因する画質の劣化を抑えることができた。該保護層と低屈折率層界面での輝尽励起光の反射を効率よく抑えるためには該保護層に含有させる顔料(染料でもよいが)の濃度は、該保護層の輝尽励起光の波長において光透過率が60%以上95%以下である必要がある。
【0028】保護層の透過率は、放射線像変換パネルを組み立てる前に保護層単独での透過率を通常の分光光度計を用いて測定可能である。
【0029】本発明により向上した画質、特に鮮鋭度の分を蛍光体層の膜厚アップに振り分けることにより、輝度と鮮鋭度のバランスを向上させることができる。
【0030】輝尽性蛍光体としては、特に蒸着等の気相成長(堆積)法によって形成したアルカリハライド系輝尽性蛍光体柱状結晶のなかでも特にRbBr及びCsBr系蛍光体は高輝度、高画質であり、上記吸収層との組合せ効果が高いことを見いだした。中でもCsBr系蛍光体が特に、輝度が高く高画質であり、上記吸収層との組合せ効果が高い。
【0031】前記特開平1−131498号において、気相成長(堆積)法によって支持体上に形成された柱状結晶からなる輝尽性蛍光体層の柱状結晶間に生ずる空隙に高反射率或いは高吸収率の物質或いは着色剤を充填した形態のものが、更に輝尽性蛍光体層内での横方向の光拡散を防止する効果を有することが開示されているが、本発明のように、柱状結晶からなる輝尽性蛍光体層と各構成層間での界面の反射に着目した画質の改良効果についてはこれまで知られていない。
【0032】本発明において、独立した柱状結晶、即ち各々の結晶がある間隙をおいて柱状に成長している結晶は、特開平2−58000号に記載された方法により得ることができる。
【0033】即ち、支持体上に特定の入射角で輝尽性蛍光体の蒸気又は該原料を供給し、蒸着等の気相成長(堆積)させる方法によって独立した細長い柱状結晶からなる輝尽性蛍光体層を得ることができる。蒸着時の輝尽性蛍光体の蒸気流の入射角に対し約半分の成長角で該柱状結晶は結晶成長することが知られている。
【0034】輝尽性蛍光体の蒸気流を支持体面に対しある入射角をつけて供給する方法には、支持体を蒸発源を仕込んだ坩堝に対し互いに傾斜させる配置を取る、或いは、支持体と坩堝を互いに平行に設置し、蒸発源を仕込んだ坩堝の蒸発面からスリット等により斜め成分のみ支持体上に蒸着させる様規制する等の方法をとることができる。
【0035】これらの場合において、支持体と坩堝との最短部の間隔は輝尽性蛍光体の平均飛程に合わせて概ね10cm〜60cmに設置するのが適当である。尚前記柱状結晶の太さは支持体の温度が低くなるほど細くなる傾向にある。
【0036】蒸発源となる輝尽性蛍光体は、均一に溶解させるか、プレス、ホットプレスによって成形して坩堝に仕込まれる。この際、脱ガス処理を行うことが好ましい。蒸発源から輝尽性蛍光体を蒸発させる方法は電子銃により発した電子ビームの走査により行われるが、これ以外の方法にて蒸発させることもできる。
【0037】また、蒸発源は必ずしも輝尽性蛍光体である必要はなく、輝尽性蛍光体原料を混和したものであってもよい。
【0038】また、付活剤は母体(basic substance)に対して付活剤(actibator)を混合したものを蒸着してもよいし、母体のみを蒸着した後、あとから付活剤をドープしてもよい。例えば、母体であるRbBrのみを蒸着した後、例えば付活剤であるTlをドープしてもよい。即ち、結晶が独立しているため、膜が厚くとも充分にドープ可能であるし、結晶成長が起こりにくいので、MTFは低下しないからである。
【0039】ドーピングは形成された蛍光体の母体層中にドーピング剤(付活剤)を熱拡散、イオン注入法によって行うことが出来る。
【0040】これらの柱状結晶からなる輝尽性蛍光体層において変調伝達関数(MTF)をよくするためには、柱状結晶の大きさ(柱状結晶を支持体と平行な面から観察したときの各柱状結晶の断面積の円換算した直径の平均値であり、少なくとも100個以上の柱状結晶を視野中に含む顕微鏡写真から計算する)は1〜50μm程度がよく、更に好ましくは、1〜30μmである。即ち、柱状結晶が1μmより細い場合は、柱状結晶により輝尽励起光が散乱される為にMTFが低下するし、柱状結晶が50μm以上の場合も輝尽励起光の指向性が低下し、MTFは低下する。
【0041】又各柱状結晶間の間隙の大きさは30μm以下がよく、更に好ましくは5μm以下がよい。即ち、間隙が30μmを越える場合は蛍光体層中の蛍光体の充填率が低くなり、感度が低下してしまう。
【0042】又、前記輝尽性蛍光体の斜め柱状結晶の成長角は0°より大きく、90°より小であれば特に問わないが、10〜70°がよく、好ましくは20°〜55°である。成長角を10〜70°にするには、入射角を20〜80°にすればよく20〜55°にするには入射角を40〜70°にすればよい。成長角が大きいと支持体に対して柱状結晶が倒れすぎ、膜が脆くなる。
【0043】該輝尽性蛍光体を気相成長(堆積)させる方法としては蒸着法、スパッタ法及びCVD法がある。
【0044】蒸着法は支持体を蒸着装置内に設置したのち、装置内を排気して1.333×10-4Pa程度の真空とし、次いで、輝尽性蛍光体の少なくとも1つを抵抗加熱法、エレクトロンビーム法などの方法で加熱蒸発させて支持体表面に輝尽性蛍光体を所望の厚みに斜め堆積させる。この結果、結着剤を含有しない輝尽性蛍光体層が形成されるが、前記蒸着工程では複数回に分けて輝尽性蛍光体層を形成することも可能である。また、前記蒸着工程では複数の抵抗加熱器或いはエレクトロンビームを用いて蒸着を行うことも可能である。また蒸着法においては、輝尽性蛍光体原料を複数の抵抗加熱器或いはエレクトロンビームを用いて蒸着し、支持体上で目的とする輝尽性蛍光体を合成すると同時に輝尽性蛍光体層を形成することも可能である。更に蒸着法においては、蒸着時に必要に応じて被蒸着物を冷却或いは加熱してもよい。また、蒸着終了後、輝尽性蛍光体層を加熱処理してもよい。
【0045】スパッタ法は前記蒸着法と同様に支持体をスパッタ装置内に設置した後、装置内を一旦排気して1.333×10-4Pa程度の真空度とし、次いでスパッタ用のガスとしてAr、Ne等の不活性ガスを装置内に導入して1.333×10-1Pa程度のガス圧とする。次に、前記輝尽性蛍光体をターゲットとして、斜めにスパッタリングすることにより支持体表面に輝尽性蛍光体を所望の厚さに斜めに堆積させる。このスパッタ工程では蒸着法と同様に複数回に分けて輝尽性蛍光体層を形成することも可能であるし、それぞれを用いて同時或いは順次、前記ターゲットをスパッタリングして輝尽性蛍光体層を形成することも可能である。また、スパッタ法では、複数の輝尽性蛍光体原料をターゲットとして用い、これを同時或いは順次スパッタリングして、支持体上で目的とする輝尽性蛍光体層を形成する事も可能であるし、必要に応じてO2、H2等のガスを導入して反応性スパッタを行ってもよい。更に、スパッタ法においては、スパッタ時必要に応じて被蒸着物を冷却或いは加熱してもよい。また、スパッタ終了後に輝尽性蛍光体層を加熱処理してもよい。
【0046】CVD法は目的とする輝尽性蛍光体或いは輝尽性蛍光体原料を含有する有機金属化合物を熱、高周波電力等のエネルギーで分解することにより、支持体上に結着剤を含有しない輝尽性蛍光体層を得るものであり、いずれも輝尽性蛍光体層を支持体の法線方向に対して特定の傾きをもって独立した細長い柱状結晶に気相成長させることが可能である。
【0047】これらの方法により形成した輝尽性蛍光体層の層厚は目的とする放射線像変換パネルの放射線に対する感度、輝尽性蛍光体の種類等によって異なるが、10μm〜1000μmの範囲から選ばれるのが好ましく、20μm〜800μmから選ばれるのがより好ましい。
【0048】本発明の放射線像変換パネルに用いられる輝尽性蛍光体としては、例えば、特開昭48−80487号に記載されているBaSO4:Axで表される蛍光体、特開昭48−80488号記載のMgSO4:Axで表される蛍光体、特開昭48−80489号に記載されているSrSO4:Axで表される蛍光体、特開昭51−29889号に記載されているNa2SO4、CaSO4及びBaSO4等にMn、Dy及びTbの中少なくとも1種を添加した蛍光体、特開昭52−30487号に記載されているBeO、LiF、MgSO4及びCaF2等の蛍光体、特開昭53−39277号に記載されているLi247:Cu,Ag等の蛍光体、特開昭54−47883号に記載されているLi2O・(Be22)x:Cu,Ag等の蛍光体、米国特許第3,859,527号に記載されているSrS:Ce,Sm、SrS:Eu,Sm、La22S:Eu,Sm及び(Zn,Cd)S:Mnxで表される蛍光体があげられる。又、特開昭55−12142号に記載されているZnS:Cu,Pb蛍光体、一般式がBaO・xAl23:Euであげられるアルミン酸バリウム蛍光体、及び、一般式がM(II)O・xSiO2:Aで表されるアルカリ土類金属珪酸塩系蛍光体があげられる。
【0049】又、特開昭55−12143号に記載されている一般式が(Ba1-x-yMgxCay)Fx:Eu2+で表されるアルカリ土類フッ化ハロゲン化物蛍光体、特開昭55−12144号に記載されている一般式がLnOX:xAで表される蛍光体、特開昭55−12145号に記載されている一般式が(Ba1-xM(II)x)Fx:yAで表される蛍光体、特開昭55−84389号に記載されている一般式がBaFX:xCe,yAで表される蛍光体、特開昭55−160078号に記載されている一般式がM(II)FX・xA:yLnで表される希土類元素付活二価金属フルオロハライド蛍光体、一般式ZnS:A、CdS:A、(Zn,Cd)S:A,Xで表される蛍光体、特開昭59−38278号に記載されている下記いずれかの一般式xM3(PO42・NX2:yAxM3(PO42:yAで表される蛍光体、特開昭59−155487号に記載されている下記いずれかの一般式nReX3・mAX′2:xEunReX3・mAX′2:xEu,ySmで表される蛍光体、特開昭61−72087号に記載されている下記一般式M(I)X・aM(II)X′2・bM(III)X″3:cAで表されるアルカリハライド蛍光体、及び特開昭61−228400号に記載されている一般式M(I)X:xBiで表されるビスマス付活アルカリハライド蛍光体等があげられる。
【0050】特に、アルカリハライド蛍光体は、蒸着、スパッタリング等の方法で柱状の輝尽性蛍光体層を形成させやすく好ましい。
【0051】又、前述のように、アルカリハライド蛍光体の中でもRbBr及びCsBr系蛍光体が高輝度、高画質である点で好ましく、中でもCsBr系蛍光体が特に、好ましい。
【0052】しかしながら、この発明の放射線像変換パネルに用いられる輝尽性蛍光体は、前述の蛍光体に限られるものではなく、放射線を照射した後、輝尽励起光を照射した場合に輝尽発光を示す蛍光体であれば如何なる蛍光体であってもよい。
【0053】図1はこの様にして支持体上に形成した柱状結晶からなる輝尽性蛍光体層の断面図である。11は支持体、12が輝尽性蛍光体層、13が該輝尽性蛍光体層を構成する柱状結晶を示している。なお、14は柱状結晶間に形成された間隙を示している。
【0054】図2は支持体上に輝尽性蛍光体層が蒸着により形成される様子を示す図であるが、輝尽性蛍光体蒸気流Vの支持体面の法線方向(P)に対する入射角度をθ2(図では60°で入射している)とすると、形成される柱状結晶の支持体面の法線方向(P)に対する角度はθ1(図では約30°、経験的には大体半分になる)で表され、この角度で柱状結晶が形成される。
【0055】この様にして支持体上に形成した輝尽性蛍光体層は、結着剤を含有していないので、指向性に優れており、輝尽励起光及び輝尽発光の指向性が高く、輝尽性蛍光体を結着剤中に分散した分散型の輝尽性蛍光体層を有する放射線像変換パネルより層厚を厚くすることができる。更に輝尽励起光の輝尽性蛍光体層中での散乱が減少することで像の鮮鋭性が向上する。
【0056】又、柱状結晶間の間隙に結着剤等充填物を充填してもよく、輝尽性蛍光体層の補強となる。又高光吸収率の物質、高光反射率の物質等を充填してもよい。これにより前記補強効果をもたせるほか、輝尽性蛍光体層に入射した輝尽励起光の横方向への光拡散をほぼ完全に防止できる。
【0057】高光反射率の物質とは、輝尽励起光(500〜900nm、特に600〜800nm)に対する反射率の高いものをいい、例えばアルミニウム、マグネシウム、銀、インジウムその他の金属など、白色顔料及び緑色から赤色領域の色材を用いることができる。
【0058】白色顔料は輝尽発光も反射することができる。白色顔料として、TiO2(アナターゼ型、ルチル型)、MgO、PbCO3・Pb(OH)2、BaSO4、Al23、M(II)FX(但し、M(II)はBa、Sr及びCaの中の少なくとも一種であり、XはCl、及びBrのうちの少なくとも一種である。)、CaCO3、ZnO、Sb23、SiO2、ZrO2、リトポン(BaSO4・ZnS)、珪酸マグネシウム、塩基性珪硫酸鉛、塩基性燐酸鉛、珪酸アルミニウムなどがあげられる。これらの白色顔料は隠蔽力が強く、屈折率が大きいため、光を反射したり、屈折させることにより輝尽発光を容易に散乱し、得られる放射線像変換パネルの感度を顕著に向上させうる。
【0059】また、高光吸収率の物質としては、例えば、カーボン、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化鉄など及び青の色材が用いられる。このうちカーボンは輝尽発光も吸収する。
【0060】また、色材は、有機若しくは無機系色材のいずれでもよい。有機系色材としては、ザボンファーストブルー3G(ヘキスト製)、エストロールブリルブルーN−3RL(住友化学製)、D&CブルーNo.1(ナショナルアニリン製)、スピリットブルー(保土谷化学製)、オイルブルーNo.603(オリエント製)、キトンブルーA(チバガイギー製)、アイゼンカチロンブルーGLH(保土ヶ谷化学製)、レイクブルーAFH(協和産業製)、プリモシアニン6GX(稲畑産業製)、ブリルアシッドグリーン6BH(保土谷化学製)、シアンブルーBNRCS(東洋インク製)、ライオノイルブルーSL(東洋インク製)等が用いられる。またカラーインデクスNo.24411、23160、74180、74200、22800、23154、23155、24401、14830、15050、15760、15707、17941、74220、13425、13361、13420、11836、74140、74380、74350、74460等の有機系金属錯塩色材もあげられる。無機系色材としては群青、コバルトブルー、セルリアンブルー、酸化クロム、TiO2−ZnO−Co−NiO系顔料があげられる。
【0061】本発明の放射線像変換パネルに用いられる支持体としては各種のガラス、高分子材料、金属等が用いられるが、例えば石英、ホウ珪酸ガラス、化学的強化ガラスなどの板ガラス、又、セルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィルム等のプラスチックフィルム、アルミニウムシート、鉄シート、銅シート等の金属シート或いは該金属酸化物の被覆層を有する金属シートが好ましい。これら支持体の表面は滑面であってもよいし、輝尽性蛍光体層との接着性を向上させる目的でマット面としてもよい。
【0062】また、本発明においては、支持体と輝尽性蛍光体層の接着性を向上させるために、必要に応じて支持体の表面に予め接着層を設けてもよい。
【0063】これら支持体の厚みは用いる支持体の材質等によって異なるが、一般的には80μm〜2000μmであり、取り扱い上の観点から、更に好ましいのは80μm〜1000μmである。
【0064】本発明の保護層としては、透光性がよくシート状に形成できるものを用いることができる。例えば石英、ホウ珪酸ガラス、化学的強化ガラスなどの板ガラスや、PET、OPP、ポリ塩化ビニルなどの有機高分子があげられる。
【0065】本発明の保護層は単一層であってもよいし、多層であってもよく、材質の異なる2種類以上の層からなっていてもよい。例えば2層以上の高分子膜を複合したフィルムを用いることができる。この様な複合高分子フィルムの製法としては、ドライラミネート、押し出しラミネートまたは共押し出しコーティングラミネートなどの方法があげられる。2層以上の保護層の組合せとしては有機高分子同士に限られるものではなく、板ガラス同士や板ガラスと有機高分子などがあげられる。例えば、板ガラスと高分子層とを組み合わせる方法としては、保護層用塗布液を板ガラス上に直接塗布して形成するか、或いは予め別途形成した高分子保護層を板ガラス上に接着する方法があげられる。尚2層以上の保護層は互いに密着状態にあってもよいし、離れていてもよい。
【0066】本発明の保護層の厚さは、実用上は10μm〜3mmまでである。良好な耐湿性と耐衝撃性を得るためには保護層の厚さは100μm以上が好ましく、特に500μm以上の保護層を設けた場合、耐久性、耐用性に優れた変換パネルが得られて、一層好ましい。
【0067】また、保護層として板ガラスを用いた場合には、極めて耐湿性に優れており特に好ましい。
【0068】保護層は輝尽励起光及び輝尽発光を効率よく透過するために、広い波長範囲で高い透過率を示すことが望ましく、透過率は60%以上、好ましくは80%以上である。これを満たすものとしては例えば石英ガラス、ホウ珪酸ガラスなどがあげられる。ホウ珪酸ガラスは330nm〜2.6μmの波長範囲で80%以上の透過率を示し、石英ガラスでは更に短波長においても高い透過率を示す。
【0069】また、保護層の表面にMgF2などの反射防止層を設けると、輝尽励起光及び輝尽性発光を効率よく透過すると共に鮮鋭性の低下を小さくする効果もあり好ましい。保護層の屈折率は特に規定しないが、実用的に用いる材質では1.4〜2.0の間にあるものが多い。
【0070】本発明において保護層の材料としては板ガラスが好ましい。ガラスに色材を含有させ着色して、輝尽励起光を吸収する機能をもたせる手段としては以下に示す方法がある。
【0071】(1)ガラスに色材(顔料又は色素)で着色したフィルムを積層する。着色したフィルムの製造方法としては、色材を練り込んだプラスチックフィルムやプラスチックフィルムの表面に色材(顔料又は染料)を含有する層を塗布等によって形成する方法がある。
【0072】この様な方法によって作製された着色したプラスチックフィルムを接着剤等を用いて均一にガラス表面に貼り合わせる方法で保護層として用いる着色したガラスを得ることが出来る。
【0073】着色に用いる色材としては、輝尽励起光を吸収する顔料又は染料が目的にかなっている。
【0074】(2)ガラスのどちらか一方の面に色素乃至顔料を含有する層を塗布により設ける方法。
【0075】ガラスに直接ガラスと接着性のよいバインダー(水ガラス、ポリビニルブチラール等の有機ポリマー等)中に分散乃至溶解した顔料又は染料を塗布して着色ガラスを得る方法である。
【0076】(3)次いで、ガラス自身に、色材として、分散された顔料や着色剤を含有させる方法がある。
【0077】例えば、製造時において、ガラス中に色材として例えばリン酸鉛等の着色剤を混入させ着色させる。この場合はガラス製造時に混入させるため熱安定性のよい色材であることが条件であり、顔料等でも無機顔料系の熱に強いものは分散して用いることができる。
【0078】ガラスに色素乃至顔料を含有する層を塗布したり、着色したフィルムを貼りつけたガラスを保護層として用いる場合、どちらの側に着色層をもってきても本発明の効果を奏するが、低屈折率層側に着色した層乃至フィルムが接する方が本発明の効果を発揮する点でより好ましい。
【0079】これらの保護層に用いる励起光を吸収できる色材としては、有機若しくは無機系色材のいずれでもよいが、有機系色材としては、ザボンファーストブルー3G(ヘキスト製)、エストロールブリルブルーN−3RL(住友化学製)、D&CブルーNo.1(ナショナルアニリン製)、スピリットブルー(保土谷化学製)、オイルブルーNo.603(オリエント製)、キトンブルーA(チバガイギー製)、アイゼンカチロンブルーGLH(保土ヶ谷化学製)、レイクブルーAFH(協和産業製)、プリモシアニン6GX(稲畑産業製)、ブリルアシッドグリーン6BH(保土谷化学製)、シアンブルーBNRCS(東洋インク製)、ライオノイルブルーSL(東洋インク製)等が用いられる。またカラーインデクスNo.24411、23160、74180、74200、22800、23154、23155、24401、14830、15050、15760、15707、17941、74220、13425、13361、13420、11836、74140、74380、74350、74460等の有機系金属錯塩染料又は顔料もあげられる。特に金属フタロシアニン系顔料が好ましい。無機系色材としては群青、コバルトブルー、セルリアンブルー、酸化クロム、TiO2−ZnO−Co−NiO系顔料があげられる。
【0080】本発明の低屈折率層は保護層よりも屈折率の低い素材からなり、この層が存在することにより、保護層を厚くしても鮮鋭性の低下を小さくすることができる。例えば以下に示す物質を用いる事ができ、蒸着等気相成長法で形成された薄膜の状態で用いるのが好ましい。
【0081】

或いは、以下の様な液体層を用いることもできる。
【0082】

又、本発明の低屈折率層として、空気、窒素、アルゴンなどの気体層や真空層など屈折率が実質的に1である層を用いると、鮮鋭性の低下を防止する効果が高く特に好ましい。
【0083】本発明の低屈折率層の厚さは0.05μmから3mmまでが実用的である。本発明の低屈折率層は、輝尽層と密着状態にあってもよいし、離れていてもよい。低屈折率層と輝尽層を密着させるためには、接着剤を用いるのが1つの方法であるが、その場合、接着剤の屈折率は輝尽層の屈折率または低屈折率層の屈折率に近いことが好ましい。
【0084】図3に本発明の放射線像変換パネルの構成を示す断面図を示した。16が保護層、15が低屈折率層、12が輝尽性蛍光体層、11が支持体である。
【0085】又、図4は、本発明の放射線像変換パネルの構成の一例を示す断面図であり、低屈折率層として空気層を設けた場合を示している。パネルの側縁部にスペーサS1を設けて空気層15を一定の厚みに保つ方法がある。又、図5は本発明の放射線像変換パネルの構成の別の一例を示す断面図であり、保護層と輝尽性蛍光体層の間にスペーサS2を散布することで、空気層を設けた例である。スペーサとしては例えば液晶パネルのスペーサ材として用いられている直径数μmの微細ガラスファイバ片等を用いることができる。
【0086】図6に、本発明の放射線像変換パネルを用いた放射線像変換方法を概略的に示す。
【0087】即ち、図6において、21は放射線発生装置、22は被写体、23は本発明に係わる変換パネル、24は(レーザ等の)輝尽励起光源、25は該変換パネルにより放射された輝尽蛍光を検出する光電変換装置、26は25で検出された信号を画像として再生する装置、27は再生された画像を表示する装置、28は輝尽励起光と輝尽蛍光とを分離し、輝尽蛍光のみを透過させるフィルタである。尚、25以降は23からの光情報を何らかの形で画像として再生できるものであればよく、上記に限定されるものではない。
【0088】図6に示されるように、放射線発生装置21からの放射線(R)は被写体22を通して変換パネル23に入射する(RI)。この入射した放射線はパネル23の輝尽層に吸収され、そのエネルギーが蓄積され、放射線透過像の蓄積像が形成される。
【0089】次にこの蓄積像を輝尽励起光源24からの輝尽励起光で励起して輝尽発光として放出せしめる。
【0090】放射される輝尽発光の強弱は蓄積された放射線エネルギー量に比例するので、この光信号を例えば光電子倍増管等の光電変換装置25で光電変換し、画像生成装置26によって画像として再生し画像表示装置27によって表示することにより、被写体の放射線透過像を観察することができる。
【0091】
【実施例】以下実施例により本発明を説明するが本発明はこれにより限定されるものではない。
【0092】〈放射線像変換パネルの作製〉500μm厚の結晶化ガラス(日本電気ガラス社製)支持体表面を100℃に加温し、図7に示した蒸着装置でアルカリハライド蛍光体(RbBr:0.0005Tl或いはCsBr:0.0005Euの2種の蛍光体を作製した)を該面の法線方向に対して30°の角度で、アルミニウム製のスリットを用いて、斜めの方向から支持体と蒸発源の距離を60cmとして、支持体と平行な方向に支持体を搬送しながら蒸着を行って、それぞれの輝尽性蛍光体に対して300μm、200μm及び100μm厚で輝尽性蛍光体層(結晶の太さ10μm、クラックの幅はそれぞれ1μm)を形成した。
【0093】尚、蛍光体の付活は蒸着時に付活剤を蒸発源に均一に混合して、同時に蒸着させることによりおこなった。
【0094】次いで、上記で作製した輝尽性蛍光体層を蒸着により形成したガラス支持体を用いて、図4で示されるような構成の放射線像変換パネルを作製した。即ち、輝尽性蛍光体層を有するガラス状の側縁部にスペーサを介して、輝尽性蛍光体層と別途保護層として用いるガラスの間に低屈折率層として空気層が300μmの厚みになるように、ガラス製の保護層を設けた。尚、スペーサとしてはプレートエッジ部に空気層ができるように、ガラス製のスペーサをたて、その上にガラス製の保護層を設置した。ガラス製のスペーサはガラス支持体及びガラス製の保護層の側縁部にエポキシ系接着剤(スリーボンド社製)を用いて接着した。
【0095】ガラス製の保護層は以下のように作製した。
ガラスA:着色無しの透明ガラス(厚みが550μm、屈折率1.52、輝尽励起光(半導体レーザ;680nm)における透過率が98%)
ガラスB:着色なしの透明ガラス表面に直接、以下に示す顔料分散塗布液を塗布してガラスの片面に輝尽励起光(半導体レーザ;680nm)における透過率がそれぞれ95%、85%、65%、40%となるように厚みを調整しバーコーターにて塗布し乾燥して保護層の着色ガラスとしたもの。(ガラスB95、B85、B65、B40
(顔料分散塗布液)
銅フタロシアニン 1.0g ポリビニルブチラール 1000g メチルエチルケトン 10000gをサンドミル(ウイリー・エ・バッコーフェン社製ダイノーミルKD−60)を用いて6時間分散し塗布液を調製した。
【0096】ガラスC:前記透明ガラスに、ポリエチレンテレフタレートフィルム(60μm;東レ社製T−60)の片方の面上に前記顔料分散液を塗布して乾燥し作製した着色フィルム(前記輝尽励起光における透過率が基材となるガラスと併せ透過率が85%となるように膜厚を調整した)を、ガラスの片面に顔料塗布層が最外面となるように貼り合わせ保護層ガラスCを作製した。
【0097】ガラスD:更に、別に550μm厚の内部にリン酸銅を着色剤として均一に含有する着色ガラス(これも前記輝尽励起光の発光波長における透過率が85%のもの)を保護層として用いた。
【0098】尚、上記保護層の透過率測定は、日立分光光度計U−3300を用いて測定した。
【0099】蛍光体種を前記RbBr:0.0005Tl、及びCsBr:0.0005Euの2種、各蛍光体層の膜厚、保護層に用いた着色ガラスの種類及び保護層透過率をかえて表1のような構成で放射線像変換パネルを作製した。なお、作製した放射線像変換パネルにおいて、保護層ガラスに用いた顔料層を有する着色ガラスの顔料層、及び顔料層を有するフィルムを貼りつけたガラスにおいて顔料層が前記パネルの低屈折率層となる空気層の側になるように構成した。
【0100】各パネルの特性を以下の方法で評価した。
〈放射線像変換パネルの評価〉各放射線像変換パネルに80kVpのX線を10mR(被写体までの距離;1.5m)照射した後、半導体レーザ光(680nm、パネル上でのパワー40nW)を照射して、得られた信号の大きさから、X線に対するパネルの輝度を求めた。レーザの径は100μmφである。なお、比較として1−1のパネルの輝度を100として相対的に各パネルの輝度を求めた。
【0101】鮮鋭度については、変調伝達関数(MTF)を求め評価した。MTFは、パネルにCTFチャートを貼りつけた後、感度測定と同様にしてX線照射し、直径100μmφの半導体レーザ光でCTFチャートを走査読みとって求めた。表1の値は0.5lp/mmにおけるMTF値を100とし、各パネルについて相対値で求めたものである。
【0102】
【表1】

【0103】輝尽励起光に対する透過率が本発明の範囲にある着色した保護層を用いた輝尽性蛍光体パネルにおいては、比較の着色のない同じ輝度を有するパネルと比べると、鮮鋭性がかなり向上し、同じ鮮鋭性のところで比較すると輝度が高いことがわかる。
【0104】
【発明の効果】輝度及び鮮鋭性の高いバランスに優れた放射線像変換パネルが得られた。
【出願人】 【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカ株式会社
【出願日】 平成13年5月29日(2001.5.29)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−350596(P2002−350596A)
【公開日】 平成14年12月4日(2002.12.4)
【出願番号】 特願2001−160372(P2001−160372)