| 【発明の名称】 |
複数ノズルの一つを選択可能に昇降駆動できるガス銃 |
| 【発明者】 |
【氏名】小山 喜弘
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| 【要約】 |
【課題】本発明の課題は、複数のノズルを有するものであってもノズルの先端部が太くならず、使用時のDOWN不使用時のUP動作がスムーズで試料上のビーム照射位置にノズルを的確に近づけることができ、また、ノズルによって照射位置とノズルの距離が異なることに起因するガスの流量調整の難しさを克服したガス銃を提供することにある。
【解決手段】本発明のガス銃は、その前方側が複数ノズルとガス供給パイプをまとめて収納保持する円筒状部と、先端に1本のノズルのみを外部に突出させることができる太さの開口部を有すると共に前記円筒状部から該開口部までテーパー状に形成されたノズルガイド部とから形成され、ガス銃の後方側には前記ガス供給パイプを介して前記複数ノズルを選択的に昇降自在に駆動できる機構を備えるようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】前方側が複数ノズルとガス供給パイプをまとめて収納保持する円筒状部と、先端に1本のノズルのみを外部に突出させることができる太さの開口部を有すると共に前記円筒状部から該開口部までテーパー状に形成されたノズルガイド部とから形成され、後方側には前記ガス供給パイプを介して前記複数ノズルを選択的に昇降自在に駆動できる機構が具備されている集束イオンビーム装置におけるガス銃。 【請求項2】ガス供給パイプは部分的に可撓性部材で形成されることにより、テーパー状のガイド部に案内されて該当ノズルが先端開口部からスムーズに突出させることができる請求項1に記載の集束イオンビーム装置におけるガス銃。 【請求項3】ノズル中途部にはテーパー状のガイド部の先端開口部からノズル先端部が突出する際に該開口部近傍のガイド部内面と当接する係合部が設けられている請求項1または2に記載の集束イオンビーム装置におけるガス銃。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、集束イオンビーム装置において使用されるガス銃の改良技術に関する。 【0002】 【従来の技術】集束イオンビーム装置は試料に対しイオンビームを走査して試料面より放出される二次荷電粒子を検出して顕微鏡像を得たり、その検出成分から分析を行ったり、イオンビーム照射によるスパッタエッチング加工や原料ガスを吹き付けながらイオンビーム照射を行って表面に付着層を形成させるデポジション加工など広い形態で使用されている。特に集束イオンビーム加工においては、試料表面にガスを吹き付けながらイオンビームを照射することが、デポジション加工に限らずガスアシストエッチングなどエッチング加工においても行われている。このイオンビーム加工を実行する集束イオンビーム装置の主要構成を図4に示す。イオン光学系3を経て集束されたイオンビーム2は、デフレクタ4によって適宜に偏向され試料ステージ7に載置された試料9表面に照射される。試料面にイオンビーム2が照射されると試料面から2次荷電粒子がたたき出されるのであるが、該2次荷電粒子はイオンビーム2が照射された部分の試料物質に依存する。このビーム照射によってたたき出された2次荷電粒子は検出器5によって捕捉され、その着目荷電粒子の量が検出される。この値はA/D変換器でディジタル化され、コンピュータ10の記憶部にビーム照射を受けた個所のデータとして記憶される。コンピュータ10が所定領域のビーム走査を指定すると駆動系を介して前記デフレクタ4にイオンビーム2を該当領域内の走査を実行するよう偏向電圧が印加される。この走査に基づき各ビームスポットによる2次荷電粒子の検出値を位置情報と共に記憶すると、コンピュータ8が指定した領域の走査画像が得られることになり、この画像は必要に応じてディスプレイ11に表示することができる。パターン膜をエッチング除去する作業は、入力操作部12よりの設定に基づきコンピュータ10がその加工領域へのビーム照射を駆動系を介して前記デフレクタ4に適宜の偏向電圧印加することで実行される。また、基板上にパターン膜を形成させる加工は入力操作部12よりの設定に基づきコンピュータ10がパターン加工所定領域に駆動系を介しガス銃6により有機化合物等の蒸気を吹きつけると共に、駆動系を介して前記デフレクタ4に適宜の偏向電圧印加してイオンビーム2を該領域に照射して加工を施す。 【0003】さて、この集束イオンビーム装置の基本構成から見るとイオンビーム2の照射領域近傍にはガス銃6、二次荷電粒子検出器5が配置されている。このガス銃の設置は必ずしも一つとは限られず、エッチング用のアシストガス、保護膜形成用の原料ガス、或いは被覆層形成や導電路形成の原料ガスを必要とする加工では複数個のガス銃が配置される場合もある。しかし、複数種のガスを使用する場合、単一のノズルおよびパスを使用してガスを吹き付けるとその内壁にガスが付着・残留し、ガス種を切り替えた場合前のガス成分が混合してしまい、ガスの効果(エッチング・デポジション)が打ち消される可能性がある。そのため複数種のガスを使用する場合複数種のノズルやパスが必要となる。従来の形態としては■図3のイに示すように複数個のガス銃を別個の配置する、■図3のロのように複数のノズルを束ねてまとめて駆動する、■図3のハのように一列に配列してまとめて駆動するなどがある。■の別個のガス銃として扱う形態は場所的に占有空間が大きくなってしまう欠点があり、■■のガス銃ノズルが複数の形態はノズルの束が太くなってしまい、使用時のDOWN不使用時のUP動作がやり難いだけでなく試料上のビーム照射位置にノズルを的確に近づけることができない。また、ノズルによって照射位置とノズルの距離が異なるためガスの流量調整などガスが効果を発揮するための調整が困難になる。また、試料に電荷を持ったイオンビームを照射すると照射時間の累積と共に帯電現象、所謂チャージアップの現象が起こる。この試料面の帯電現象は二次荷電粒子の放出やイオンビームの照射位置制御にも影響を及ぼすことになり、この帯電防止はこの集束イオンビーム装置の重要な課題となっている。この帯電防止手段としてビーム照射領域近傍に電子銃を配置して電子シャワーを照射して中和することがよく用いられる。このように照射領域近傍には配置すべき部材による過密化が生じており、これらをどの様に取捨選択し配置させるかが設計上の課題となっている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、複数のノズルを有するものであってもノズルの先端部が太くならず、使用時のDOWN不使用時のUP動作がスムーズで試料上のビーム照射位置にノズルを的確に近づけることができ、また、ノズルによって照射位置とノズルの距離が異なることに起因するガスの流量調整の難しさを克服したガス銃を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明のガス銃は、その前方側が複数ノズルとガス供給パイプをまとめて収納保持する円筒状部と、先端に1本のノズルのみを外部に突出させることができる太さの開口部を有すると共に前記円筒状部から該開口部までテーパー状に形成されたノズルガイド部とから形成され、ガス銃の後方側には前記ガス供給パイプを介して前記複数ノズルを選択的に昇降自在に駆動できる機構を備えるようにした。 【0006】 【発明の実施の形態】本発明は、集束イオンビーム装置を用いた加工において、ガスアシストエッチングや異なる複数のガスを吹き付けながらのデポジションを行うことが頻繁に行われる中で、従来行われてきたガス毎に別個のガス銃を設置する形態は部材が混材するイオンビーム照射領域に場所的に占有空間が大きくなってしまう欠点があり、複数のノズルを束ねた形態や一列に配列した形態はノズルの束が太くなってしまい、使用時のDOWN不使用時のUP動作がやり難いだけでなく試料上のビーム照射位置にノズルを的確に近づけることができない。また、ノズルによって照射位置とノズルの距離が異なるためガスの流量調整が困難になる等の問題に鑑み、UP-DOWNさせるノズルは使用するガスのノズルだけとし、そのDOWNさせたノズル先端部の位置は試料面に対しいずれのノズルも同じとなるなるような機構を想到したものである。そのため、使用されないガスのノズルはすべてUP位置にあり、DOWNさせたノズル先端部の位置はガイド部材によってガイドされ所定の位置にくるような機構として、図1に示すようにガス銃の前方側が複数ノズルNとガス供給パイプTをまとめて収納保持する円筒状部Hと、先端に1本のノズルNのみを外部に突出させることができる太さの開口部G0を有すると共に前記円筒状部から該開口部G0までテーパー状に形成されたノズルガイド部Gとから形成され、ガス銃6の後方側には前記ガス供給パイプTを介して前記複数ノズルNを選択的に進退自在に駆動できる機構(図示していない。)を備えるようにした。昇降自在の駆動機構は圧搾空気によるシリンダ駆動とし、特定選択されたシリンダにエアーを供給してプランジャがシリンダ内を往復摺動する。このプランジャにはガス供給パイプTが連結されていて該プランジャが付勢されと、連結されたガス供給パイプTが、図のロに示されるように押し出され他端のノズルNがテーパー状に形成されたノズルガイド部Gに案内されて先端部が開口部G0の穴から突出する。ノズルNの中途部には係合部N1が設けられていて、ノズル先端部が開口部から突出するとき該開口部近傍のガイド部内面と当接して係合しノズル先端を位置決めする。テーパー状に形成されたノズルガイド部Gの先端の開口部G0は、円筒状部Hに対し固定された位置にあり、該円筒状部Hにまとめて収納保持しているいずれのノズルNが押し出されても、同じ開口部G0から先端が突出し位置決めされるためにはそのガス供給パイプTが柔軟に屈曲する必要がある。そこで、本発明ではガス供給パイプTは一部可撓性のパイプTfで構成するようにした。この可撓性のパイプTfの材質はプランジャの押し出し力をノズル部Nに伝達する剛性と軸方向に湾曲する柔軟性を兼ね備え、使用に際しアウトガス等混在物放出が少ない樹脂系のものが適している。 【0007】 【実施例1】本発明の一実施例を示し、それを用いたデバイスの配線変更を実行する例を示す。この例は図1のAに示すように三種類のガスが供給できるガス銃であって、円筒状部H内に3本のノズルN1,N2,N3とガス供給パイプTをまとめて収納している。図示していないプランジャに連結されたガス供給パイプTと先端のノズルNとの間にテフロン(登録商標)チューブTfが介在し、これがガス供給パイプの可撓性を担保している。ノズルNとガス供給パイプTの材質はステンレスであり、ノズルの内径は0.2mm、外径は0.5mmである。テーパー状に形成されたノズルガイド部Gの先端開口部G0の径はノズル外径に等しい0.5mmであり、ノズルガイド部Gの材質はステンレスである。銅を採用することもでき、耐腐食性が求められるときはハステロイを採用する。材質は加工性、熱伝導性、耐腐食性などを考慮して選択する。シリンダはエアー駆動であり、ガス供給源と共にチャンバーの外側に配置した。図1のイは全てのノズルがUPの状態にあるとき、図1のロはその内の一つN1がガス吹き付けのためDOWNの状態に置かれたときの状態を示している。 【0008】このガス銃を集束イオンビーム装置のビーム照射領域近傍に設置して、デバイスの配線施工を実行する。いま、図2のイに示されるように半導体デバイスS内のパターンP1とパターンP2を導電体で接続させる加工が求められているものとする。ただし、パターンP3との導通は回避させたい。 ステップ1:まず、素子表面からパターンP1とパターンP2に向けて穴開け加工を行うが、このとき、素子が込み入っているためパターンP2への穴空けはパターンP3を貫通することになる。ガス銃の一つの供給ガスをフッ化キセノンとして、該フッ化キセノン選択して該当シリンダを駆動することによりそのノズルN1をノズルガイド部Gの先端開口部G0から突出させる。この状態でガスを噴射させながらイオンビームを照射し、ガスアシストエッチングにより素子表面からパターンP1とパターンP2まで穴を開ける。このように細くて深い穴を加工する場合には単純なスパッタエッチングでは穴の周壁に飛散させた素材が再付着してしまうので、ガスとの反応により揮発除去するガスアシストエッチングで加工することが必要である。図のロに示すように素子表面からパターンP1とパターンP2まで穴が開けられたなら、第1ステップは終了である。 第2ステップ:図のハに示すように穴の周壁と近傍の素子表面に絶縁膜Iをデポジション形成させる。この加工には原料ガスとしてテトラエトキシシランと酸素もしくは水の混合ガスを用いる。先のフッ化キセノンを供給したノズルN1をUPさせ、替わりにこのテトラエトキシシランと酸素もしくは水の混合ガスを供給するノズルN2をDOWNさせノズルガイド部Gの先端開口部G0から突出させる。当該ガスを吹き付けながらイオンビームを照射させると図のハに示されるような絶縁物(SiO2)Iが穴部を埋め試料表面に膜を付着形成させる。 第3ステップ:絶縁物Iによって埋め戻された穴部を再度ガスアシストエッチングによって図のニに示すように穴空け加工する。このとき、穴の側壁部には絶縁層が残るように加工する。特にパターンP3が露出しないようにすることが肝要である。 第4ステップ:続いてパターンP1とパターンP2間を導電体Cで接続させる加工であるが、これはガス銃からヘキサカルボニルタングステンを原料ガスとするデポジションで実行する。したがって、テトラエトキシシランと酸素または水の混合ガスを供給するノズルN2をUPさせ、替わりにヘキサカルボニルタングステンを供給するノズルN3をDOWNさせる。そして、このガスを吹き付けながらイオンビームを照射し、デポジションによってそれぞれの穴内を充填すると共に両穴間の周辺領域に被膜を施して図のホに示すようなパターンP1とパターンP2間をタングステンの導電路を形成させる。しかもパターンP3との導通は回避させられている。 【0009】以上のように、複数種類のガスの選択的噴射が可能な本発明に係るガス銃を備えた集束イオンビーム装置を使用することにより、3種類のガス噴射を必要とする一連の作業、すなわち、穴開けガスアシストエッチングと、絶縁膜被覆のデポジション、そして導電路形成のデポジションが、ガス交換やノズル洗浄などの作業を必要とせず順次連続した作業として実行できるため、作業負担が軽減されただけでなく作業時間が大いに短縮された。以上の実施例ではエッチング用のアシストガスとしてフッ化キセノンを、絶縁物デポジション用のガスとしてテトラエトキシシランと酸素または水の混合ガスを、そして導電体デポジション用のガスとしてヘキサカルボニルタングステンを採用した例を示したが、この他一般的にはエッチングアシストガスとしてはヨウ素、塩素等のハロゲン系ガスが、導電膜形成用のデポジションガスとしては銅、モリブデンなどの金属を含む有機金属化合物が、絶縁物デポジション用のガスとしてはテトラメチルシクロテトラシロキサン等酸素を含むシリコン化合物系ガスが使用される。 【0010】 【発明の効果】本発明の集束イオンビーム装置におけるガス銃は、前方側が複数ノズルとガス供給パイプをまとめて収納保持する円筒状部と、先端に1本のノズルのみを外部に突出させることができる太さの開口部を有すると共に前記円筒状部から該開口部までテーパー状に形成されたノズルガイド部とから形成され、後方側には前記ガス供給パイプを介して前記複数ノズルを選択的に昇降自在に駆動できる機構が具備されているため、噴射の際異なるガスが混合してしまうようなことがなく、所望の作業が実行できる。また、異なる種類のガスを供給するノズルもガス噴射時の位置は一義的に決められるため、ノズルと試料面との適正距離がとれ、ガス濃度の調整も容易である。 【0011】また、本発明の集束イオンビーム装置におけるガス銃のガス供給パイプは部分的に可撓性部材で形成されることにより、テーパー状のガイド部に案内されて該当ノズルが先端開口部からスムーズに突出させることができる。そして、ノズル中途部にはテーパー状のガイド部の先端開口部からノズル先端部が突出する際に該開口部近傍のガイド部内面と当接する係合部が設けられているため、ノズル先端部と試料面との位置関係が安定すると共に、他のノズルから異なるガスが漏れたとしても該係合部がガイド面と当接することにより先端開口部から漏れることはない。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002325 【氏名又は名称】セイコーインスツルメンツ株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年5月17日(2001.5.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100096378 【弁理士】 【氏名又は名称】坂上 正明
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| 【公開番号】 |
特開2002−341099(P2002−341099A) |
| 【公開日】 |
平成14年11月27日(2002.11.27) |
| 【出願番号】 |
特願2001−147917(P2001−147917) |
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