| 【発明の名称】 |
放射線画像変換パネル |
| 【発明者】 |
【氏名】岸波 勝也
【氏名】柳多 貴文
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| 【要約】 |
【課題】放射線画像変換パネルの支持体側から放射線を入射させ、励起光で時系列的に励起する放射線画像入力システムに対応し、感度、鮮鋭度、粒状性で表される画像特性が共に優れる放射線画像変換パネルを提供すること。
【解決手段】被写体を透過した、又は被検体から発せられた放射線が、支持体上に少なくとも下引き層、蛍光体層が積層されてなる放射線画像変換パネルの裏面(支持体側)から入射する放射線画像入力システムに対応した放射線画像変換パネルにおいて、該放射線画像変換パネルの下引き層中の色素と樹脂の質量比が0.01:99.99〜0.1:99.9であることを特徴とする放射線画像変換パネル。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被写体を透過した、又は被検体から発せられた放射線が、支持体上に少なくとも下引き層、蛍光体層が積層されてなる放射線画像変換パネルの裏面(支持体側)から入射する放射線画像入力システムに対応した放射線画像変換パネルにおいて、該放射線画像変換パネルの下引き層中の色素と樹脂の質量比が0.01:99.99〜0.1:99.9であることを特徴とする放射線画像変換パネル。 【請求項2】 上記下引き層の乾燥膜厚が3〜50μmであることを特徴とする請求項1記載の放射線画像変換パネル。 【請求項3】 上記下引き層中の色素が銅フタロシアニンであることを特徴とする請求項1又は2記載の放射線画像変換パネル。 【請求項4】 上記下引き層中の樹脂がポリエステル、ポリウレタンから選ばれることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の放射線画像変換パネル。 【請求項5】 上記蛍光体層に含有される蛍光体が下記一般式(1)で表されるものであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の放射線画像変換パネル。 一般式(1) Ba(1-x)M2(x)FBr(y)I(1-y):aM1,bLn,cO(式中、M1はLi,Na,K,Rb及びCsから選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属、M2はBe,Mg,Sr及びCaから選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属、LnはCe,Pr,Sm,Eu,Gd,Tb,Tm,Dy,Ho,Nd,Er及びYbから選ばれる少なくとも1種の希土類元素を表し、x,y,a,b及びcは、それぞれ0≦x≦0.3,0<y≦0.3,0≦a≦0.05,0<b≦0.2,0≦c≦0.1である。) 【請求項6】 上記蛍光体層に含有される蛍光体が下記一般式(2)で表されるものであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の放射線画像変換パネル。 一般式(2) Ba(1-x)M2(x)FI:aM1,bLn,cO(式中、M1はLi,Na,K,Rb及びCsから選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属、M2はBe,Mg,Sr及びCaから選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属、LnはCe,Pr,Sm,Eu,Gd,Tb,Tm,Dy,Ho,Nd,Er及びYbから選ばれる少なくとも1種の希土類元素を表し、x,a,b及びcは、それぞれ0≦x≦0.3,0≦a≦0.05,0<b≦0.2,0≦c≦0.1である。)
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は輝尽性蛍光体を用いた放射線画像変換パネルに関するものである。 【0002】 【従来の技術】X線画像のような放射線画像は、病気診断用などの分野で多く用いられている。このX線画像を得る方法としては、被写体を通過したX線を蛍光体層(蛍光スクリーン)に照射し、これにより可視光を生じさせた後、この可視光を通常の写真を撮るときと同様にして、ハロゲン化銀写真感光材料(以下、単に感光材料ともいう)に照射し、次いで現像処理を施して可視銀画像を得る、いわゆる放射線写真方式が広く利用されている。 【0003】しかしながら、近年では、ハロゲン化銀塩を有する感光材料による画像形成方法に代わり、蛍光体層から直接画像を取り出す新たな方法が提案されている。 【0004】この方法としては被写体を透過した放射線を蛍光体に吸収せしめ、しかる後この蛍光体を例えば光又は熱エネルギーで励起することによりこの蛍光体が上記吸収により蓄積している放射線エネルギーを蛍光として放射せしめ、この蛍光を検出し画像化する方法がある。 【0005】具体的には、例えば、米国特許第3,859,527号及び特開昭55−12144号公報などに記載されているような輝尽性蛍光体を用いる放射線画像変換方法が知られている。 【0006】この方法は、輝尽性蛍光体を含有する放射線画像変換パネルを使用するもので、この放射線画像変換パネルの輝尽性蛍光体層に被写体を透過した放射線を当てて、被写体各部の放射線透過密度に対応する放射線エネルギーを蓄積させて、その後、輝尽性蛍光体を可視光線、赤外線などの電磁波(励起光)で時系列的に励起することにより、輝尽性蛍光体中に蓄積されている放射線エネルギーを輝尽発光として放出させ、この光の強弱による信号を、例えば、光電変換して、電気信号を得て、この信号をハロゲン化銀写真感光材料などの記録材料、CRTなどの表示装置上に可視像として再生するものである。 【0007】上記の放射線画像の再生方法によれば、従来の放射線写真フィルムと増感紙との組合せによる放射線写真法と比較して、はるかに少ない被曝線量で、かつ情報量の豊富な放射線画像を得ることができるという利点を有している。 【0008】このように輝尽性蛍光体は、放射線を照射した後、励起光を照射すると輝尽発光を示す蛍光体であるが、実用的には、波長が600〜800nmの範囲にある励起光によって、300〜500nmの波長範囲の輝尽発光を示す蛍光体が一般的に利用される。 【0009】これらの輝尽性蛍光体を使用した放射線画像変換パネルは、放射線画像情報を蓄積した後、励起光の走査によって蓄積エネルギーを放出するので、走査後に再度放射線画像の蓄積を行うことができ、繰り返し使用が可能である。つまり従来の放射線写真法では、一回の撮影ごとに放射線写真フィルムを消費するのに対して、この放射線画像変換方法では放射線画像変換パネルを繰り返し使用するので、資源保護、経済効率の面からも有利である。 【0010】放射線画像変換パネルを使用した放射線画像変換方式の優劣は、該パネルの輝尽性発光輝度及びパネルの発光均一性に大きく左右され、特に、これらの特性は用いる輝尽性蛍光体の特性に大きく支配されていることが知られている。 【0011】特公昭59−23400号は、輝尽性蛍光体を用いる放射線画像記録再生方法について記載されたものであるが、放射線画像変換パネルの下引き層が着色されていてもよい旨提案されている。これは被写体を透過した、又は被検体から発せられた放射線を該パネルの支持体とは逆の蛍光体層側から輝尽性蛍光体に吸収させ、その後輝尽性蛍光体を可視光線、紫外線などの電磁波(励起光)で蛍光体層側から時系列的に励起することにより、該輝尽性蛍光体中に蓄積されている放射線エネルギーを蛍光(輝尽発光光)として放出させ、この蛍光を光電的に読み取って電気信号を得、次いで得られた電気信号に基づいて被写体又は被検体の放射線画像を可視像として再生するシステムにおけるものである。 【0012】ところが、被写体を通過した放射線などを放射線画像変換パネルの蛍光体層側から入射させ、同じ蛍光体層側から可視光線、紫外線などの励起光で蛍光体を励起させようとすると、可視光線、紫外線などの励起光照射部及び読み取り部まで放射線画像変換パネルを移動させなければならず装置が大きくなる欠点があった。そのため、被写体を通過した放射線などを放射線画像変換パネルの蛍光体層側からでなく支持体側から入射させ、励起光による蛍光体の励起は今までと同様に蛍光体層側から行うことで装置をコンパクトにすることが試みられてきた。 【0013】ところが、放射線が支持体側から入射して蛍光体層に到達するため、特性的には不利となり、特に感度、粒状性、及び鮮鋭度が落ちてしまうという問題が新たに生じた。 【0014】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は放射線画像変換パネルの支持体側から放射線を入射させ、励起光で時系列的に励起する放射線画像入力システムに対応し、感度、鮮鋭度、粒状性で表される画像特性が共に優れる放射線画像変換パネルを提供することである。 【0015】 【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は以下の構成により達成される。 【0016】1.被写体を透過した、又は被検体から発せられた放射線が、支持体上に少なくとも下引き層、蛍光体層が積層されてなる放射線画像変換パネルの裏面(支持体側)から入射する放射線画像入力システムに対応した放射線画像変換パネルにおいて、該放射線画像変換パネルの下引き層中の色素と樹脂の質量比が0.01:99.99〜0.1:99.9であることを特徴とする放射線画像変換パネル。 【0017】2.上記下引き層の乾燥膜厚が3〜50μmであることを特徴とする1記載の放射線画像変換パネル。 【0018】3.上記下引き層中の色素が銅フタロシアニンであることを特徴とする1又は2記載の放射線画像変換パネル。 【0019】4.上記下引き層中の樹脂がポリエステル、ポリウレタンから選ばれることを特徴とする1〜3の何れか1項記載の放射線画像変換パネル。 【0020】5.上記蛍光体層に含有される蛍光体が前記一般式(1)で表されるものであることを特徴とする1〜4の何れか1項記載の放射線画像変換パネル。 【0021】6.上記蛍光体層に含有される蛍光体が前記一般式(2)で表されるものであることを特徴とする1〜4の何れか1項記載の放射線画像変換パネル。 【0022】本発明の放射線画像変換パネルは支持体上に下引き層、蛍光体層が積層され、かつ放射線画像変換パネルの裏面(支持体側)から入射する放射線画像入力システムに対応して、該放射線画像変換パネルの下引き層中の色素と樹脂の質量比が0.01:99.99〜0.1:99.9であることを特徴とする。 【0023】はじめに、本発明に係る下引き層について説明する。本発明においては、支持体を反射性支持体とし、下引き層には輝尽発光成分はほとんど吸収せず、余分な励起光成分を吸収させる色素を含有させる形態が好ましい。このときの色素の添加量で感度、鮮鋭度、粒状性などの特性は変わり、放射線画像変換パネルの裏面(支持体側)から入射する放射画線像入力システム(裏照射)で最適な下引き層の着色濃度が決定する。下引き層中の色素と樹脂の質量比としては、膜厚にもよるが0.01:99.99〜0.1:99.9であり、0.03:99.97〜0.09:99.91がより好ましい。又下引き層の膜厚としては乾燥膜厚で3〜50μmが良いが、5〜40μmが最も好ましい。 【0024】本発明において、下引き層に用いられる樹脂の例としては、ゼラチン等の蛋白質、デキストラン等のポリサッカライド、又はアラビアゴムのような天然高分子物質;及びポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、エチルセルロース、塩化ビニリデン、塩化ビニルコポリマー、ポリアクリル(メタ)アクリレート、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー、ポリウレタン、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルアルコール、線状ポリエステル等のような合成高分子物質等により代表される樹脂を挙げることができる。下引き層を構成する樹脂としては色々なものが考えられるが、ポリエステル、ポリウレタンが支持体、蛍光体層との相性、特性面、塗設のしやすさなどから良い。 【0025】これらの樹脂は架橋剤によって架橋されたものであってもよい。架橋剤としては特に制限はなく、例えば、イソシアネート及びその誘導体、メラミン及びその誘導体、アミノ樹脂及びその誘導体等を挙げることができるが、イソシアネート化合物を用いることが好ましく、例えば、日本ポリウレタン社製のコロネートHX、コロネート3041等が挙げられる。 【0026】又下引き層に用いられる色素としては、金属フタロシアニン系等の有機金属錯塩着色剤、シアニンブルー等の染料等が挙げられるが、銅フタロシアニンが最も好ましい。 【0027】本発明に係る下引き層は、例えば、以下に示す方法により支持体上に形成することができる。 【0028】まず、上記の樹脂と架橋剤を適当な溶剤、例えば後述の輝尽性蛍光体層塗布液の調製で用いる溶剤に添加し、これに輝尽性蛍光体層塗布液の調製で用いるのと同様な溶剤及び適当な分散剤により予め分散しておいた色素(例えば銅フタロシアニン)の分散液を添加し、これを充分に混合して下引き層塗布液を調製する。 【0029】架橋剤は場合により使用され、その使用量は、目的とする放射線画像変換パネルの特性、輝尽性蛍光体層及び支持体に用いる材料の種類、下引き層で用いる高分子樹脂の種類等により異なるが、輝尽性蛍光体層の支持体に対する接着強度の維持を考慮すれば、樹脂に対して50質量%以下の比率で添加することが好ましく、特に5〜40質量%が好ましい。 【0030】下引き層の膜厚は、目的とする放射線画像変換パネルの特性、輝尽性蛍光体層及び支持体に用いる材料の種類、下引き層で用いる高分子樹脂及び架橋剤の種類等により異なるが、一般には3〜50μmであることが好ましく、特に5〜40μmである。 【0031】本発明で用いることのできる支持体としては、例えば、ガラス、ウール、コットン、紙、金属などの種々の素材から作られたものを使用することができるが、情報記録材料としての取り扱い上、可撓性のあるシート或いはロールに加工できるものが好ましい。この点から、例えば、セルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィルム等のプラスティックフィルム、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔などの金属シート、一般紙及び例えば写真用原紙、コート紙、若しくはアート紙のような印刷用原紙、バライタ紙、レジンコート紙、ベルギー特許第784,615号に記載されているようなポリサッカライド等でサイジングされた紙、二酸化チタンなどの顔料を含むピグメント紙、ポリビニルアルコールでサイジングした紙等の加工紙が特に好ましい。これら支持体の膜厚は、用いる支持体の材質等によって異なるが、一般的には80〜1000μmであり、取り扱い上の点から、更に好ましくは80〜500μmである。これらの支持体の表面は滑面であってもよいし、下引き層との接着力を向上させる目的でマット面としてもよい。 【0032】本発明においては、上記支持体上に下引き層を塗設した後、輝尽性蛍光体層を塗布する前に、下引き層に架橋剤を含有させた場合において、層中の樹脂と架橋剤との反応をより完遂させるため、40〜150℃で2〜200時間の熱処理を行うことが好ましい。熱処理方法としては、特に制限はなく、作製したシート状、ロール状等の下引き層塗設済み試料が完全に収納でき、かつ温度、湿度が制御できる恒温室であればいずれの方法を用いても良い。熱処理条件としては40〜150℃で2〜200時間であるが、好ましくは55〜100℃、5〜150時間である。 【0033】支持体上に下引き層を形成した後、ロール状で積層した形態、又はシート状で積層した形態で上記加熱処理を行う際に、各積層試料間に、保護シートを挿入し、加熱処理後に保護シートを取り除いた後、輝尽性蛍光体層を塗設する。この方法を採ることにより、加熱処理時の下引き層と支持体裏面とのブロッキングを効果的に防止することができ好ましい。本発明で用いることのできる保護シートとしては、用いる材料に特に制限はなく、接着又は融着が防止でき、かつ保護シートと下引き層又は、支持体裏面との接着力が極めて弱いものであれば良く、例えば、後述の保護フィルムとして用いる各種樹脂フィルムを適宜選択して用いることができる。又、保護シートには、加熱処理後の剥離を容易とするため、離型剤が塗布されていることが好ましい。 【0034】次いで、輝尽性蛍光体層について説明する。蛍光体層は、一般に、蛍光体とこれを分散保持する高分子樹脂とから構成される。又、蛍光体層の支持体側とは反対側の表面には通常、ポリマーフィルムや無機物の蒸着膜からなる保護層膜が設けられる。 【0035】本発明に係る輝尽性蛍光体層は、少なくとも輝尽性蛍光体と高分子樹脂とを含有している。 【0036】本発明で用いることのできる輝尽性蛍光体(以下、単に蛍光体ともいう)としては、波長300〜700nmの波長範囲に輝尽発光するものが一般的に使用される。 【0037】以下に、本発明の放射線画像変換パネルで用いることのできる蛍光体の例を挙げる。 【0038】(1)特開昭55−12145号に記載されている(Ba1-X,M(II)X)FX:yA、(式中、M(II)はMg、Ca、Sr、Zn及びCdのうちの少なくとも一つ、XはCl、Br、及びIのうち少なくとも一つ、AはEu、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、及びErのうちの少なくとも一つ、そしては、0≦x≦0.6、yは、0≦y≦0.2である)の組成式で表される希土類元素付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物蛍光体;又、この蛍光体には以下のような添加物が含まれていてもよい。 【0039】a)特開昭56−74175号に記載されている、X′、BeX″、M(III)X′′′3、式中、X′、X″、及びX′′′はそれぞれCl、Br及びIの少なくとも一種であり、M(III)は三価金属であるb)特開昭55−160078号に記載されているBeO、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、Al2O3、Y2O3、La2O3、In2O3、SiO2、TiO2、ZrO2、GeO2、SnO2、Nb2O5、Ta2O5及びThO2などの金属酸化物c)特開昭56−116777号に記載されているZr、Scd)特開昭57−23673号に記載されているBe)特開昭57−23675号に記載されているAs、Sif)特開昭58−206678号に記載されているM・L、式中、MはLi、Na、K、Rb、及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、LはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga、In、及びTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であるg)特開昭59−27980号に記載されているテトラフルオロホウ酸化合物の焼成物;特開昭59−27289号に記載されているヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロチタン酸及びヘキサフルオロジルコニウム酸の一価もしくは二価金属の塩の焼成物;特開昭59−56479号に記載されているNaX′、式中、X′はCl、Br及びIのうちの少なくとも一種であるh)特開昭59−56480号に記載されているV、Cr、Mn、Fe、Co及びNiなどの遷移金属;特開昭59−75200号に記載されているM(I)X′、M′(II)X″2、M(III)X′′′3、A、式中、M(I)はLi、Na、K、Rb、及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、M′(II)はBe及びMgからなる群より選ばれる少なくとも一種の二価金属を表し、M(III)はAl、Ga、In、及びTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であり、Aは金属酸化物であり、X′、X″、及びX′′′はそれぞれF、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであるi)特開昭60−101173号に記載されているM(I)X′、式中、M(I)はRb及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、X′はF、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであるj)特開昭61−23679号に記載されているM(II)′X′2・M(II)′X″2、式中、M(II)′はBa、Sr及びCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;X′及びX″はそれぞれCl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであって、かつX′≠X″である;更に、特開昭61−264084号明細書に記載されているLnX″3、式中、LnはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり;X″はF、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである。 【0040】(2)特開昭60−84381号に記載されているM(II)X2・aM(II)X′2:xEu2+(式中、M(II)はBa、Sr及びCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;X及びX′はCl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであって、かつX≠X′であり;そしてaは0.1≦a≦10.0、xは0<x≦0.2である)の組成式で表される二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属ハロゲン化物蛍光体;又、この蛍光体には以下のような添加物が含まれていてもよい。 【0041】a)特開昭60−166379号に記載されているM(I)X′、式中、M(I)はRb及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;X′はF、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであるb)特開昭60−221483号に記載されているKX″、MgX′′′2、M(III)X″″3、式中、M(III)はSc、Y、La、Gd及びLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であり;X″、X′′′及びX″″はいずれもF、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであるc)特開昭60−228592号に記載されているB、特開昭60−228593号に記載されているSiO2、P2O5等の酸化物、特開昭61−120882号に記載されているLiX″、NaX″、式中、X″はF、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであるd)特開昭61−120883号に記載されているSiO;特開昭61−120885号に記載されているSnX″2、式中、X″はF、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであるe)特開昭61−235486号に記載されているCsX″、SnX′′′2、式中、X″及びX′′′はそれぞれF、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである;更に、特開昭61−235487号に記載されているCsX″、Ln3+、式中、X″はF、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;LnはSc、Y、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素である(3)特開昭55−12144号に記載されているLnOX:xA(式中、LnはLa、Y、Gd、及びLuのうち少なくとも一つ;XはCl、Br、及びIのうち少なくとも一つ;AはCe及びTbのうち少なくとも一つ;xは、0<x<0.1である)の組成式で表される希土類元素付活希土類オキシハライド蛍光体。 【0042】(4)特開昭58−69281号に記載されているM(II)OX:xCe(式中、M(II)はPr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、及びBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の酸化金属であり;XはCl、Br、及びIのうち少なくとも一つであり;xは0<x<0.1である)の組成式で表されるセリウム付活三価金属オキシハライド蛍光体。 【0043】(5)特開昭62−25189号に記載されているM(I)X:xBi(式中、M(I)はRb及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;XはCl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてxは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表されるビスマス付活アルカリ金属ハロゲン化物蛍光体。 【0044】(6)特開昭60−141783号に記載されているM(II)5(PO4)3X:xEu2+(式中、M(II)はCa、Sr及びBaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XはF、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属ハロリン酸塩蛍光体。 【0045】(7)特開昭60−157099号に記載されているM(II)2BO3X:xEu2+(式中、M(II)はCa、Sr及びBaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XはCl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属ハロホウ酸塩蛍光体。 【0046】(8)特開昭60−157100号に記載されているM(II)2(PO4)3X:xEu2+(式中、M(II)はCa、Sr及びBaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XはCl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属ハロリン酸塩蛍光体。 【0047】(9)特開昭60−217354号に記載されているM(II)HX:xEu2+(式中、M(II)はCa、Sr及びBaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XはCl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属水素化ハロゲン化物蛍光体。 【0048】(10)特開昭61−21173号に記載されているLnX3・aLn′X′3:xCe3+、(式中、Ln及びLn′はそれぞれY、La、Gd及びLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり;X及びX′はそれぞれF、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであって、かつX≠X′であり;そしてaは0.1<a≦10.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表されるセリウム付活希土類複合ハロゲン化物蛍光体。 【0049】(11)特開昭61−21182号に記載されているLnX3・aM(I)X′3:xCe3+、(式中、LnはY、La、Gd及びLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり;M(I)はLi、Na、K、Cs及びRbからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;X及びX′はそれぞれCl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてaは0<a≦10.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表されるセリウム付活希土類複合ハロゲン化物系蛍光体。 【0050】(12)特開昭61−40390号に記載されているLnPO4・aLnX3:xCe3+、(式中、LnはY、La、Gd及びLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり;XはF、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてaは0.1≦a≦10.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表されるセリウム付活希土類ハロ燐酸塩蛍光体。 【0051】(13)特開昭61−236888号に記載されているCsX:aRbX′:xEu2+、(式中、X及びX′はそれぞれCl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてaは0<a≦10.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロピウム付活ハロゲン化セシウム・ルビジウム蛍光体。 【0052】(14)特開昭61−236890号に記載されているM(II)X2・aM(I)X′:xEu2+、(式中、M(II)はBa、Sr及びCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;M(I)はLi、Rb及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;X及びX′はそれぞれCl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてaは0.1≦a≦20.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロピウム付活複合ハロゲン化物蛍光体。 【0053】上記の蛍光体のうちで、ヨウ素を含有する二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体、ヨウ素を含有する二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体、ヨウ素を含有する希土類元素付活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体、及びヨウ素を含有するビスマス付活アルカリ金属ハロゲン化物系蛍光体は、高輝度の輝尽発光を示すため好ましく、請求項6に係る発明では、蛍光体がEu付加BaFI化合物であることが特徴である。 【0054】本発明においては、放射線画像変換パネルの蛍光体として上記一般式(1)で表されるものを使用するのが好ましく、式中、Eu付活BaFIが好ましい。一般式(1)で表される蛍光体の粒径としては、3〜15μm、好ましくは4〜10μmである。 【0055】一般式(1)で表される蛍光体の製造方法を、例を挙げて以下に詳しく説明する。 【0056】製造方法としては、粒子形状の制御が難しい固相法ではなく、粒径の制御が容易である液相合成法により行うことが好ましい。特に、下記の液相合成法により蛍光体を得ることが好ましい。 【0057】液相合成法による蛍光体の前駆体製造については、公知の前駆体製造方法及び装置が好ましく利用できる。ここで蛍光体前駆体とは、前記一般式(1)で表される蛍光体が600℃以上の高温を経ていない状態を示し、蛍光体前駆体は輝尽発光性や瞬時発光性を殆ど示さない。 【0058】本発明では以下の液相合成法により前駆体を得ることが好ましい。 (製造法) 1)BaI2とLnのハロゲン化物を含み、前記一般式(1)のxが0でない場合には、更にM2のハロゲン化物を、yが0でない場合はBaBr2を、そしてM1のハロゲン化物を含み、それらが溶解した後、BaI2濃度が3.3mol/L以上、好ましくは3.5mol/L以上の溶液を調製する工程; 2)上記溶液を50℃以上、好ましくは80℃以上の温度に維持しながら、これに濃度5mol/L以上、好ましくは8mol/L以上の無機弗化物(弗化アンモニウム又はアルカリ金属の弗化物)の溶液を添加して、希土類付活アルカリ土類金属弗化沃化物系輝尽性蛍光体前駆体結晶の沈澱物を得る工程; 3)上記無機弗化物を添加しつつ、又は添加終了後、反応液から溶媒を除去する工程; 4)上記前駆体結晶沈澱物を反応液から分離する工程; 5)そして、分離した前駆体結晶沈澱物を焼結を避けながら焼成する工程を含む製造方法である。 【0059】尚、本発明に係る粒子(結晶)は、平均粒径が1〜10μmで、かつ単分散性のものが好ましく、平均粒径が1〜7μm、平均粒径の分布(%)が20%以下のものがより好ましい。 【0060】本発明における平均粒径とは、粒子(結晶)の電子顕微鏡写真より無作為に粒子200個を選び、球換算の体積粒子径で平均を求めたものである。 【0061】以下に蛍光体の製造法の詳細について説明する。 (前駆体結晶の沈澱物の作製、蛍光体の作製)最初に、水系媒体を用いて弗素化合物以外の原料化合物を溶解させる。即ち、BaI2とLnのハロゲン化物、そして必要により更にM2のハロゲン化物、そして更にM1のハロゲン化物を水系媒体中に入れ、充分に混合し、溶解させ、それらが溶解した水溶液を調製する。ただし、BaI2濃度が3.3mol/L以上、好ましくは3.5mol/L以上となるように、BaI2濃度と水系溶媒との量比を調整しておく。この時、バリウム濃度が低いと、所望の組成の前駆体が得られないか、得られても粒子が肥大化する。よって、バリウム濃度は適切に選択する必要があり、本発明者らの検討の結果、3.3mol/L以上で微細な前駆体粒子を形成することができることが判った。この時、所望により少量の酸、アンモニア、アルコール、水溶性高分子ポリマー、水不溶性金属酸化物微粒子粉体などを添加してもよい。BaI2の溶解度が著しく低下しない範囲で低級アルコール(メタノール、エタノール等)を適当量添加しておくのも好ましい態様である。この水溶液(反応母液)は50℃に維持される。 【0062】次に、この50℃に維持され、撹拌されている水溶液に、無機弗化物(弗化アンモニウム、アルカリ金属の弗化物など)の水溶液をポンプ付きのパイプ等を用いて注入する。この注入は、撹拌が特に激しく実施されている領域部分に行うのが好ましい。この無機弗化物水溶液の反応母液への注入によって、前記一般式(1)に該当する蛍光体前駆体結晶が沈澱する。 【0063】次に反応液から溶媒を除去する。溶媒を除去する時期は特に問わない。無機弗化物溶液の添加開始から、固液分離する迄の間であれば何時でもよい。最も好ましいのは無機弗化物溶液を添加し終えた直後から除去を始める態様である。 【0064】溶媒の除去量は、除去前と除去後の質量比で2%以上が好ましい。これ以下では結晶が好ましい組成に成りきらない場合がある。そのため除去量は2%以上が好ましく、5%以上がより好ましい。又、除去し過ぎても、反応溶液の粘度が過剰に上昇するなど、ハンドリングの面で不都合が生じる場合がある。そのため、溶媒の除去量は、除去前と除去後の質量比で50%以下が好ましい。 【0065】溶媒の除去に要する時間は、生産性に大きく影響するばかりでなく、粒子の形状、粒径分布も溶媒の除去方法に影響されるので、除去方法は適切に選択する必要がある。一般的に、溶媒の除去に際しては、溶液を加熱し、溶媒を蒸発する方法が選択される。本発明においても、この方法は有用である。溶媒の除去により、意図した組成の前駆体を得ることができる。 【0066】更に、生産性を上げるため、又、粒子形状を適切に保つため、他の溶媒除去方法を併用することが好ましい。併用する溶媒の除去方法は特に問わない。逆浸透膜などの分離膜を用いる方法を選択することも可能である。本発明では生産性の面から、以下の除去方法を選択することが好ましい。 1.乾燥気体を通気反応容器を密閉型とし、少なくとも2箇所以上の気体が通過できる孔を設け、そこから乾燥気体を通気する。気体の種類は任意に選ぶことができる。安全性の面から、空気、窒素が好ましい。通気する気体の飽和水蒸気量に依存して溶媒が気体に同伴、除去される。反応容器の空隙部分に通気する方法の他、液相中に気体を気泡として噴出させ、気泡中に溶媒を吸収させる方法も又有効である。 2.減圧減圧にすることで溶媒の蒸気圧は低下する。蒸気圧降下により効率的に溶媒を除去することができる。減圧度としては溶媒の種類により適宜選択することができる。溶媒が水の場合、86,450Pa以下が好ましい。 3.液膜蒸発面積を拡大することにより溶媒の除去を効率的に行うことができる。本発明のように、一定容積の反応容器を用いて加熱、攪拌し、反応を行わせる場合、加熱方法としては、加熱手段を液体中に浸漬するか、容器の外側に加熱手段を装着する方法が一般的である。該方法によると、伝熱面積は液体と加熱手段が接触する部分に限定され、溶媒除去に伴い伝熱面積が減少し、よって、溶媒除去に要する時間が長くなる。これを防ぐため、ポンプ又は攪拌機を用いて反応容器の壁面に散布し、伝熱面積を増大させる方法が有効である。 【0067】このように反応容器壁面に液体を散布し、液膜を形成する方法は“濡れ壁”として知られている。濡れ壁の形成方法としては、ポンプを用いる方法の他、特開平6−335627号、同11−235522号に記載の攪拌機を用いる方法が挙げられる。 【0068】これらの方法は単独のみならず、組み合わせて用いても構わない。液膜を形成する方法と容器内を減圧にする方法の組合せ、液膜を形成する方法と乾燥気体を通気する方法の組合せ等が有効である。特に前者が好ましく、特開平6−335627号に記載の方法が好ましく用いられる。 【0069】次に、上記の蛍光体前駆体結晶を、濾過、遠心分離などにより溶液から分離し、メタノール等で充分に洗浄し、乾燥する。この乾燥蛍光体前駆体結晶に、アルミナ微粉末、シリカ微粉末などの焼結防止剤を添加、混合し、結晶表面に焼結防止剤微粉末を均一に付着させる。尚、焼成条件を選ぶことにより焼結防止剤の添加を省略することも可能である。 【0070】次に、蛍光体前駆体の結晶を、石英ボート、アルミナ坩堝、石英坩堝などの耐熱性容器に充填し、電気炉の炉心に入れて焼結を避けながら焼成を行う。焼成温度は400〜1,300℃の範囲が適当であり、500〜1,000℃の範囲が好ましい。焼成時間は、蛍光体原料混合物の充填量、焼成温度及び炉からの取出し温度などによっても異なるが、一般には0.5〜12時間が適当である。 【0071】焼成雰囲気としては、窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気等の中性雰囲気、又は少量の水素ガスを含有する窒素ガス雰囲気、一酸化炭素を含有する二酸化炭素雰囲気などの弱還元性雰囲気、或いは微量酸素導入雰囲気が利用される。焼成方法については、特開2000−8034号に記載の方法が好ましく用いられる。上記の焼成によって目的の蛍光体が得られる。 【0072】放射線画像変換パネルに使用される蛍光体は、高分子樹脂に分散された形態で蛍光体層中に含有されている。蛍光体層で用いることのできる高分子樹脂としては、前記下引き層で用いる樹脂と同じものを挙げることができ、例えば、ポリウレタン、ポリエステル、塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体(ニトロセルロース等)、スチレン−ブタジエン共重合体、各種の合成ゴム系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル系樹脂、尿素ホルムアミド樹脂等が挙げられる。中でもポリウレタン、ポリエステル、塩化ビニル系共重合体、ポリビニルブチラール、ニトロセルロース等を挙げることができ、平均ガラス転移点温度(Tg)が25℃未満の高分子樹脂を用いることが好ましく、Tgが−50〜20℃の高分子樹脂だと更に好ましい。 【0073】蛍光体層塗布液は、適当な有機溶媒中に高分子樹脂と蛍光体粒子とを添加し、例えば、ディスパーザーやボールミル等を使用して、攪拌、混合して、高分子樹脂中に蛍光体が均一に分散するようにして調製する。 【0074】蛍光体層塗布液の調製に用いられる溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノールなどの低級アルコール、メチレンクロライド、エチレンクロライドなどの塩素原子含有炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン、トルエン、ベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、キシレンなどの芳香族化合物、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの低級脂肪酸と低級アルコールとのエステル、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエステル、エチレングリコールモノメチルエステルなどのエーテル及びそれらの混合物を挙げることができる。 【0075】尚、蛍光体層塗布液には、必要に応じて、塗布液中における蛍光体の分散性を向上させるための分散剤、又はパネル形成後の蛍光体層中における高分子樹脂と蛍光体との間の結合力を向上させるための可塑剤など種々の添加剤が混合されてもよい。 【0076】分散剤の例としては、フタル酸、ステアリン酸、カプロン酸、親油性界面活性剤などを挙げることができる。又、可塑剤の例としては、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジル、燐酸ジフェニルなどの燐酸エステル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジメトキシエチルなどのフタル酸エステル、グリコール酸エチルフタリルエチル、グリコール酸ブチルフタルブチルなどのグリコール酸エステル、トリエチレングリコールとアジピン酸とのポリエステル、ジエチレングリコールと琥珀酸とのポリエステルなどのポリエチレングリコールと脂肪族二塩基酸とのポリエステルなどを挙げることができる。 【0077】蛍光体層は、例えば次のような方法により下引き層上に形成することができる。まず、沃素含有輝尽性蛍光体、黄変防止のための亜燐酸エステル等の化合物及び結合剤を適当な溶剤に添加し、これらを充分に混合して結合剤溶液中に蛍光体粒子及び該化合物の粒子が均一に分散した塗布液を調製する。 【0078】一般に、結着剤は蛍光体99質量部に対して1〜99質量部の範囲で使用される。しかしながら得られる放射線変換パネルの感度、鮮鋭性と下引き層との相性から蛍光体と結合剤の比は97:3〜90:10(質量部)の範囲が好ましい。 【0079】蛍光体層の塗布液の固形分としては75質量%以上が好ましい。更に好ましくは77質量%以上である。 【0080】蛍光体層用塗布液の調製は、ボールミル、サンドミル、アトライター、三本ロールミル、高速インペラー分散機、Kadyミル、及び超音波分散機などの分散装置を用いて行われる。調製された塗布液をドクターブレード、ロールコーター、ナイフコーター等の塗布装置を用いて下引き層上に塗布し、乾燥することにより蛍光体層が形成される。 【0081】上記のような素材で調製した塗布液を下引き層の表面に均一に塗布することにより塗布液の塗膜を形成する。この塗布操作は通常の塗布手段、例えばドクターブレード、ロールコーター、ナイフコーター等を用いて行うことができる。次いで、形成された塗膜を徐々に加熱することにより乾燥し、下引き層上への蛍光体層の形成を完了する。 【0082】放射線画像変換パネルの蛍光体層の膜厚は、目的とする放射線画像変換パネルの特性、蛍光体の種類、結着剤と蛍光体との混合比等によって異なるが、10〜1000μmの範囲から選ばれるのが好ましく、10〜500μmの範囲から選ばれるのがより好ましい。 【0083】支持体と蛍光体層の結合を強化するため、前記下引き層を設けることは本発明の特徴の1つであり、その他に、感度、画質(例えば、鮮鋭性、粒状性)を向上する目的で、二酸化チタンなどの光反射性物質からなる光反射層、若しくはカーボンブラックなどの光吸収物質からなる光吸収層などが、必要に応じて設けられてよく、又、放射線画像変換パネルには、蛍光体層の表面を物理的、化学的に保護するための保護膜を設けることが好ましく、それらの構成は目的、用途などに応じて適宜選択することができる。 【0084】放射線画像変換パネルに設ける保護層としては、ポリエステルフィルム、ポリメタクリレートフィルム、ニトロセルロースフィルム、セルロースアセテートフィルム等が使用できるが、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルム等の延伸加工されたフィルムが、透明性、強さの面で保護層として好ましく、更には、これらのポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルム上に金属酸化物、窒化珪素などの薄膜を蒸着した蒸着フィルムが防湿性の面からより好ましい。 【0085】当該保護層で用いるフィルムは、必要とされる防湿性に合わせて、樹脂フィルムや樹脂フィルムに金属酸化物などを蒸着した蒸着フィルムを複数枚積層することで最適な防湿性とすることができ、蛍光体の吸湿劣化防止を考慮して、透湿度は少なくとも50g/m2・day以下であることが好ましい。樹脂フィルムの積層方法としては、特に制限はなく、公知のいずれの方法を用いても良い。 【0086】又、積層された樹脂フィルム間に励起光吸収層を設けることによって、励起光吸収層が物理的な衝撃や化学的な変質から保護され安定したプレート性能が長期間維持でき好ましい。又、励起光吸収層は複数箇所設けてもよいし、積層する為の接着剤層に色剤を含有して、励起光吸収層としても良い。 【0087】保護層は、蛍光体層に接着層を介して密着していても良いが、蛍光体面を被覆するように設けられた構造(以下、封止又は封止構造ともいう)であることがより好ましい。蛍光体面を封止するに当たっては、公知のいずれの方法でもよいが、防湿性保護フィルムの蛍光体面に接する側の最外層樹脂層を熱融着性を有する樹脂フィルムとすることは、防湿性保護フィルムが融着可能となり放射線画像変換パネルの封止作業が効率化される点で、好ましい形態の1つである。尚、上記熱融着性を有する樹脂フィルムとは、一般に使用されるインパルスシーラーで融着可能な樹脂フィルムのことであり、例えば、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)やポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム等を挙げることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。 【0088】更には、放射線画像変換パネルの上下に防湿性保護フィルムを配置し、その周縁が前記パネルの周縁より外側にある領域で、上下の防湿性保護フィルムをインパルスシーラー等で加熱、融着して封止構造とすることで、前記パネルの外周部からの水分進入も阻止でき好ましい。又、支持体面側の防湿性保護フィルムを1層以上のアルミフィルムをラミネートしてなる積層フィルムとすることで、より確実に水分の進入を低減でき、又この封止方法は作業的にも容易であり好ましい。上記インパルスシーラーで加熱融着する方法においては、減圧環境下で加熱融着することが、放射線画像変換パネルの防湿性保護フィルム内での位置ずれ防止や大気中の湿気を排除する意味でより好ましい。 【0089】防湿性保護フィルムの蛍光体面が接する側の熱融着性を有する最外層の樹脂層と蛍光体面は、接着していても接着していなくてもかまわない。ここでいう接着していない状態とは、微視的には蛍光体面と防湿性保護フィルムとが点接触していても、光学的、力学的には殆ど蛍光体面と防湿性保護フィルムは不連続体として扱える状態のことである。 【0090】支持体上に蛍光体層が塗設された蛍光体シートは、所定の大きさに断裁される。断裁に当たっては、一般のどのような方法でも可能であるが、作業性、精度の面から化粧断裁機、打ち抜き機等が望ましい。 【0091】 【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の実施態様これらに限定されるものではない。 【0092】実施例1放射線画像変換パネルの製造(蛍光体層と下引き層の形成)まず下引き層塗布液を次のようにして調製した。ポリエステル樹脂溶解品(東洋紡バイロン30SS:固形分30%)290.31gにβ−銅フタロシアニン分散品0.03g(固形分35%、顔料分30%)及び硬化剤コロネートHX9.68gを混ぜ、プロペラミキサーで分散して用意した。この下引き層塗布液を発泡PET、188E60L(東レ)に塗布、100℃で5分乾燥し、50μm厚の下引き層を形成した。 【0093】次にユウロピウム付活弗化沃化バリウムの蛍光体前駆体を合成するために、BaI2水溶液(4.0mol/L)2500mlとEuBr3水溶液(0.2mol/L)125mlを反応器に入れた。この反応器中の反応母液を撹拌しながら70度で保温した。弗化アンモニウム水溶液(8mol/L)250mlを反応母液中にローラーポンプを用いて注入し、沈殿物を生成させた。注入終了後も保温と撹拌を2時間続けて沈殿物の熟成を行った。 【0094】次に沈殿物を濾別後、エタノールにより洗浄した後、真空乾燥させてユーロピウム付活弗化沃化バリウムの結晶を得た。 【0095】焼成時の焼結により粒子形状の変化、粒子間融着による粒子サイズ分布の変化を防止するためにアルミナの超微粒子粉体を0.1質量%添加し、ミキサーで充分撹拌して結晶表面にアルミナの超微粒子粉体を均一に付着させた。 【0096】これを石英ボートに充填してチューブ炉を用いて水素ガス雰囲気中、850℃で2時間焼成してユーロピウム付活弗化沃化バリウム蛍光体粒子を得た。 【0097】次に上記蛍光体粒子を分級することにより平均粒径3μmの粒子を得た。蛍光体層形成材料として上記で得たユウロピウム付活弗化沃化バリウム蛍光体427g、ポリエステル樹脂(東洋紡バイロン530)18gをメチルエチルケトンとトルエン、シクロヘキサノンの混合溶媒に添加、プロペラミキサーによって分散し、固形分77%の塗布液を調製した。 【0098】この塗布液をドクターブレードを用いて、上記下引き層上に塗布した後、100℃で15分間乾燥させて、240μmの蛍光体層を形成させた。蛍光体層は下引き層上にむらなく塗布され、膜厚分布は良好であった。 (防湿性保護フィルムの作製と封止)下記に示す方法で、防湿性保護フィルムを作製した。下記構成で表されるアルミナ蒸着ポリエチレンテレフタレート樹脂層を含む積層保護フィルムAを、蛍光体シートの蛍光体層側にかぶせ、減圧下で周縁部をインパルスシーラーを用いて融着、封止した。又、蛍光体シートの支持体面側の保護フィルムとしては、キャステングポリプロピレン(CPP)30μm、アルミフィルム9μm、ポリエチレンテレフタレート(PET)188μmの構成よりなるドライラミネートフィルムを用いた。又、接着剤層の厚みは1.5μmで2液反応型のウレタン系接着剤を使用した。 積層保護フィルムA:VMPET12///VMPET12///PET///CPP20積層保護フィルムAにおいて、VMPETは、アルミナ蒸着したポリエチレンテレフタレート(市販品:東洋メタライジング社製)を表し、PETはポリエチレンテレフタレート、CPPはキャステングポリプロピレンを表す。又、上記「///」は、ドライラミネーション接着層における2液反応型のウレタン系接着剤層の厚みが3.0μmであることを表し、各樹脂フィルムの後に表示した数字は、各フィルムの膜厚(μm)を表す。 【0099】以上のようして形成された輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネル1を得た。 【0100】又下引き層の樹脂と硬化剤、及び顔料分散液の種、量、膜厚を表1に示すように適宜変更して放射線画像変換パネル2〜12を得た。 【0101】得られた放射線画像変換パネルを以下のような方法で特性評価(輝度、鮮鋭度、粒状性)を行った。結果を表1に示す。 (放射線画像変換パネルの特性評価) 感度の評価感度の測定は放射線画像変換パネルに管電圧80kVpのX線を蛍光体層とは逆の支持体側から照射した後、該パネルをHe−Neレーザー光(633nm)で操作して励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を受光器(分光感度S−5の光電子像倍管)で受光してその強度を測定することで行った。表1中の感度は蛍光体面全体の平均値であり、放射線画像変換パネル1の感度を1とした場合の相対感度である。 【0102】鮮鋭性の評価放射線画像変換パネルに鉛製のMTFチャートを通して管電圧80kVpのX線を蛍光体層とは逆の支持体側から照射した後、該パネルをHe−Neレーザー光で操作して励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を上記と同じ受光器で受光して電気信号に変換し、これをアナログ/デジタル変換して磁気テープに記録し、磁気テープをコンピューターで分析して磁気テープに記録されているX線像の変調伝達関数(MTF)を調べた。表1には空間周波数2サイクル/mmにおけるMTF値(%)が示されている。この場合MTF値が高い程鮮鋭性がよい。 【0103】粒状性の評価放射線画像変換パネルに管電圧80kVpのX線を蛍光体層とは逆の支持体側から照射した後、該パネルをHe−Neレーザー光で操作して励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を上記と同じ受光器で受光して電気信号に変換した後、これを通常の写真フィルムに記録し、得られた画像の粒状性を目視で5段階評価した。表1には、実用のX線写真撮影によって得た画像の粒状性と比較して示した。実用のX線写真撮影には、増感紙(コニカ社製:SRO−250)とX線写真フィルム(コニカ社製:SR−G)を使用した。 【0104】◎・・・増感紙とフィルムを使用したX線写真撮影によって得た画像と同等の粒状性を示す○・・・増感紙とフィルムを使用したX線写真撮影によって得た画像よりもやや悪い粒状性を示す△・・・増感紙とフィルムを使用したX線写真撮影によって得た画像よりも荒い粒状性を示す×・・・増感紙とフィルムを使用したX線写真撮影によって得た画像よりも著しく荒い粒状性を示す【0105】 【表1】
【0106】UR8300:東洋紡(株)製クレイトンG1657:クレイトンポリマージャパン(株)製表1から明らかなように、下引き層中の顔料分散液の量と樹脂の質量比が0.01:99.99〜0.1:99.9の範囲内であれば、感度、鮮鋭度、粒状性で表される画像特性が共に優れていることが判る。 【0107】 【発明の効果】本発明によれば、放射線画像変換パネルの支持体側から放射線を入射させ、励起光で時系列的に励起する放射線画像入力システムに対応し、感度、鮮鋭度、粒状性で表される画像特性が共に優れる放射線画像変換パネルを得ることができるという顕著に優れた効果を奏する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001270 【氏名又は名称】コニカ株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年3月21日(2001.3.21) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−277599(P2002−277599A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月25日(2002.9.25) |
| 【出願番号】 |
特願2001−80369(P2001−80369) |
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