| 【発明の名称】 |
放射線画像変換パネル及び放射線画像読みとり装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】中野 邦昭
【氏名】柳多 貴文
【氏名】庄子 武彦
|
| 【要約】 |
【課題】小型、低価格な装置に用いられる、高画質、高耐久性を有する放射線画像変換パネルを提供すること。
【解決手段】支持体、輝尽性蛍光体層、保護層からなる放射線画像変換パネルにおいて、保護層の透湿度がJIS Z 0208で規定される透湿度で1.0以下であり、支持体のX線吸収率が10%以下であることを特徴とする放射線画像変換パネル。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 支持体、輝尽性蛍光体層、保護層からなる放射線画像変換パネルにおいて、保護層の透湿度がJIS Z 0208で規定される透湿度で1.0以下であり、支持体のX線吸収率が10%以下であることを特徴とする放射線画像変換パネル。 【請求項2】 支持体が厚み50〜500μmのポリエチレンテレフタレートであり、保護層が50〜500μmの厚みを有する薄板ガラスであることを特徴とする請求項1に記載の放射線画像変換パネル。 【請求項3】 支持体が厚み50〜500μmの気泡を有するポリエチレンテレフタレートであり、保護層が50〜500μmの厚みを有する薄板ガラスであることを特徴とする請求項1に記載の放射線画像変換パネル。 【請求項4】 支持体が複数の層で構成され、且つ合計のX線吸収率が10%以下である支持体であり、保護層が50〜500μmの厚みを有する薄板ガラスであることを特徴とする請求項1に記載の放射線画像変換パネル。 【請求項5】 輝尽性蛍光体がユーロピウム付活BaFIであることを特徴とする請求項1に記載の放射線画像変換パネル。 【請求項6】 請求項1〜5記載の放射線画像変換パネルが読みとり装置内に固定され、該放射線画像変換パネルの保護層側に対向して読みとりおよび消去ユニットが移動することを特徴とする放射線画像読みとり装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、小型、低価格な装置に用いられる、高耐久性を有する、高画質の放射線画像変換パネルに関し、特に湿気に対する耐久性の改良された高感度、高画質の放射線画像変換パネルに関する。 【0002】 【従来の技術】X線画像のような放射線画像は病気診断用などに多く用いられている。このX線画像を得るために被写体を通過したX線を蛍光体層(蛍光スクリーン)に照射し、これにより可視光を生じさせてこの可視光を通常の写真をとるときと同じように銀塩を使用したフィルムに照射して現像した、いわゆる放射線写真が利用されている。しかし、近年銀塩を塗布したフィルムを使用しないで蛍光体層から直接画像を取り出す方法が工夫されるようになった。 【0003】この方法としては被写体を透過した放射線を蛍光体に吸収させ、しかる後この蛍光体を例えば光または熱エネルギーで励起することによりこの蛍光体が上記吸収により蓄積している放射線エネルギーを蛍光として放射し、この蛍光を検出し画像化する方法がある。 【0004】具体的には、例えば米国特許第3,859,527号及び特開昭55−12144号などに記載されているような輝尽性蛍光体を用いる放射線画像変換方法が知られている。 【0005】上記記載の方法は輝尽性蛍光体を含有する放射線画像変換パネルを使用するもので、この放射線画像変換パネルの輝尽性蛍光体層に被写体を透過した放射線を当てて被写体各部の放射線透過密度に対応する放射線エネルギーを蓄積させて、その後に輝尽性蛍光体を可視光線、赤外線などの電磁波(励起光)で時系列的に励起することにより、該輝尽性蛍光体中に蓄積されている放射線エネルギーを輝尽発光として放出させ、この光の強弱による信号をたとえば光電変換し、電気信号を得て、この信号を感光フィルムなどの記録材料、CRTなどの表示装置上に可視像として再生するものである。 【0006】上記放射線画像変換方法においては、一般には放射線画像変換パネルは撮影部→読み取り部→消去部→待機部を搬送移動されることにより繰り返し使用される。そのため、どうしても装置が大型化し高価格にならざるを得なかった。パネルは、可撓性を有する必要があり、支持体、保護層ともPETのような可撓性のある素材が一般的に使用されるため、水分透過性が大きく耐久性に欠ける欠点を有していた。また、搬送移動によりパネルが傷つきやすく寿命も短いという欠点を有していた。 【0007】これに対し当該出願人により、放射線画像変換パネルが装置内に固定され読取/消去ユニットが一体でパネルに対して移動する方法(特公平6−5359号、同6−5360)が知られている。 【0008】これにより、装置の小型化と低価格化、読み取り・消去・撮影のサイクルタイム短縮及びパネルの高寿命化が可能となる。反面、X線入射側に対して反対側から読み取りを行う必要があるために画像情報を有効に活用するためには、特別の工夫が必要であり、結着剤を含有しない蛍光体層(特開昭61−73100号)、蛍光体層を斜め柱状結晶構造とする(特願昭63−129996号、特開平4−326100号)、蛍光体層と保護層間に低屈折率層を設ける(特願昭62−206017)等が知られている。 【0009】しかしながら、近年より一層の装置の小型化と低価格化、パネルの高画質化と高寿命化が求められている。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は小型、低価格な装置に用いられる、高画質、高耐久性を有する放射線画像変換パネルを提供することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は以下の手段により達成されることを見いだした。 【0012】1.支持体、輝尽性蛍光体層、保護層からなる放射線画像変換パネルにおいて、保護層の透湿度がJIS Z 0208で規定される透湿度で1.0以下であり、支持体のX線吸収率が10%以下であることを特徴とする放射線画像変換パネル。 【0013】2.支持体が厚み50〜500μmのポリエチレンテレフタレートであり、保護層が50〜500μmの厚みを有する薄板ガラスであることを特徴とする前記1に記載の放射線画像変換パネル。 【0014】3.支持体が厚み50〜500μmの気泡を有するポリエチレンテレフタレートであり、保護層が50〜500μmの厚みを有する薄板ガラスであることを特徴とする前記1に記載の放射線画像変換パネル。 【0015】4.支持体が複数の層で構成され、且つ合計のX線吸収率が10%以下である支持体であり、保護層が50〜500μmの厚みを有する薄板ガラスであることを特徴とする前記1に記載の放射線画像変換パネル。 【0016】5.輝尽性蛍光体がユーロピウム付活BaFIであることを特徴とする前記1に記載の放射線画像変換パネル。 【0017】6.前記1〜5記載の放射線画像変換パネルが読みとり装置内に固定され、該パネルの保護層側に対向して読みとりおよび消去ユニットが移動することを特徴とする放射線画像読みとり装置。 【0018】本発明者等は種々の検討の結果、請求項1に記載するように、支持体、輝尽性蛍光体層、保護層からなる放射線画像変換パネルにおいて、保護層の透湿度がJIS Z 0208で規定される1.0以下であり、かつ支持体のX線吸収率が10%以下である組み合わにより、高画質と高耐久性を両立した放射線画像変換パネルを得ることができた。 【0019】前述のように、支持体、保護層ともPETのような可撓性のある素材がこれまで使用されてきた。保護層、支持体とも可撓性のある、例えばポリエチレンテレフタレート等の素材を用いると、柔軟性はあり軽量で且つ、X線吸収が少ないので、この点では好ましいが、放射線画像変換パネルの鮮鋭性を低下させないように、例えば保護層は薄いことが必要であり、特にX線吸収効率の大きいユーロピウム付活BaFI等の水溶解性の大きい輝尽性蛍光体の場合には、これらの素材は水分透過性が大きいため放射線画像変換パネルが耐久性に欠ける欠点を有していた。また、搬送移動によりパネルが傷つきやすく寿命も短いという欠点を有していた。 【0020】これまで、放射線画像変換パネルとして蒸着型等においては透湿性の低いガラスが支持体及び保護層等で用いられたが、素材としてもろく、又、ガラス等は比重が大きいためパネルのが重いという欠点があった。又支持体として用いるとき、ガラスはX線吸収が大きく、パネルのX線露光を行う側に用いることは効率のロスとなっていた。 【0021】本発明の好ましい態様である、X線入射側に対して反対側から読み取りを行う放射線画像撮影及び読みとり方法又は装置で使用するためには、例えばX線照射を放射線画像変換パネルの支持体側から行い、該パネルへの輝尽励起光光源であるレーザー走査及び該輝尽発光の読みとりを輝尽性蛍光体の支持体とは反対側の面から行うので、比較的厚みをとることの出来る支持体としてX線吸収の少ない有機高分子樹脂フィルムを用い、薄いことが要求される保護膜に透湿性の低いガラス等の素材を用いることが、有利である。これにより、軽量で、且つX線吸収の少ない、輝尽性蛍光体を用いた高画質で高耐久性の放射線画像変換パネルを得られることが可能である。耐久性からはガラスのような透湿性の低い素材を保護膜、支持体とも用いることが有利であるが、ガラスのようなX線吸収の大きい素材を両方に用いることは感度、画質等の面からは不利であり、上記の構成とすることで必要な性能をうることができる。 【0022】即ち、本発明の好ましい態様である、X線入射側に対して蛍光体層を有する側とは反対側から読み取りを行う放射線画像撮影及び読みとり方法に、本発明の放射線画像変換パネルを用いることで、少ないX線吸収による高画質、高感度と、放射線画像変換パネルの耐久性に優れるという特徴が発揮される。 【0023】従って本発明においては、保護層としてJIS Z 0208で規定される透湿度が1.0以下とするため、透湿性の低い例えばガラスのような素材を用い、且つ、X線の照射側となる支持体として、例えばガラス等よりもX線吸収の少ない例えばポリエチレンテレフタレート等のフィルムを用いX線吸収率が10%以下であるフィルムや支持体、例えば有機ポリマーフィルムを用いる。X線吸収率としてはさらには7%以下の支持体がより好ましい。 【0024】各フィルム等の支持体のX線吸収率は測定物に対してX線管球とは反対側に線量計をおき、測定物を存在させた時と存在しないときの到達線量から求めることができる。 【0025】支持体としては、情報記録材料としての取り扱い上可撓性のあるシート或いはロールに加工できるものが好ましいが、X線吸収率が10%以下の支持体としては、金属、ガラス、セラミックスを除いた、例えばセルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィルム等のプラスチックフィルム、炭素複合材、一般紙及び例えば写真用原紙、コート紙、若しくはアート紙のような印刷用原紙、バライタ紙、レジンコート紙、ベルギー特許784,615号明細書に記載されているようなポリサッカライド等でサイジングされた紙、二酸化チタンなどの顔料を含むピグメント紙、ポリビニールアルコールでサイジングした紙等の加工紙等の紙が挙げられ、ウール、コットン等も挙げられる。又、カーボンとPET等からなる複数の材料の複合体であってもよい。これらの支持体はさらに防湿性を兼ねていればより好ましい。 【0026】又、これらの支持体には、感度、画質(鮮鋭性、粒状性)等を向上せしめるために二酸化チタンなどの光反射性物質からなる光反射層、若しくはカーボンブラックなどの光吸収物質からなる光吸収層などが設けられてよい。 【0027】また、これら支持体の層厚は用いる支持体の材質等によって異なるが、一般的には50μm〜1000μmであり、取り扱い上の点から、さらに好ましくは50μm〜500μmである。 【0028】これらの支持体の表面は滑面であってもよいし、輝尽性蛍光体層との接着性を向上させる目的でマット面としてもよい。 【0029】さらに、これら支持体は、輝尽性蛍光体層との接着性を向上させる目的で輝尽性蛍光体層が設けられる面に前記記載の下引層が設けられてもよい。 【0030】画質の向上のためには例えばカーボン等の光吸収性物質を練り込んだPET等が好ましく、特に裏面からX線照射を行う方法においてはカーボン等X線吸収が少ない光吸収性物質が好ましい。 【0031】また、支持体の反射性を挙げ、放射線画像変換パネルの輝度を向上させる観点からは、本発明に係る支持体は気泡を含有するポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。 【0032】ここで、前記の気泡を含有するポリエチレンテレフタレートは、特開平3−76727号及び特開平6-226894号に記載の手法にてポリエチレンテレフタレート中に気泡を含有させて輝尽蛍光に対する反射能を高め、放射線画像変換パネルの輝度が向上した支持体が作製出来る。また、市販品としては、東レ(株)社製E60L等の気泡を含有するポリエチレンテレフタレートがある。 【0033】また、前記気泡を含有するポリエチレンテレフタレート支持体の厚みは一般的には80μm〜1000μmであり、取り扱い上の点から、好ましくは50μm〜500μmである。 【0034】これらの支持体の表面は滑面であってもよいし、反射層や、光吸収層及び輝尽性蛍光体層との接着性を向上させる目的でマット面としてもよい。 【0035】本発明において、保護層としては、JIS Z 0208で規定される透湿度が1.0以下のものが適当であり、さらには0.5以下が好ましい。具体的には薄板ガラスが好ましく、厚さとして50〜1000μmが好ましく、より好ましくは50〜500μmである。これは前記JIS Z 0208で規定された方法に基づき各保護層材料(フィルム又はガラス板等)を測定することで求めることができる。 【0036】保護層は輝尽励起光及び輝尽発光を効率よく透過するために、広い波長範囲で高い透過率を示すことが望ましく、分光透過率は80%以上が好ましい。例えば石英ガラス、硼珪酸ガラス等が挙げられる。硼珪酸ガラスは330nm〜2.6nmの波長範囲で80%以上の透過率を示し、石英ガラスでは更に短波長においても高い透過率を示す。 【0037】又、保護層の表面にMgF2などの反射防止層を設けると、輝尽励起光及び輝尽発光を効率よく透過すると共に鮮鋭性の低下を小さくする効果もあり好ましい。保護層の屈折率は特に規定しないが、実用的に用いうる材質では1.4〜2.0の間にあるものが多い。 【0038】輝尽性蛍光体としては、波長400〜900nmの範囲にある励起光によって波長300〜500nmの範囲にある輝尽発光を示すものを使用できる。従来より放射線画像変換パネルに用いられてきた輝尽性蛍光体の例としては、希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体を挙げることができる。例えば、特開昭55−12145号、同55−160078号、同56−74175号、同56−116777号、同57−23673号、同57−23675号、同58−206678号、同59−27289号、同59−27980号、同59−56479号、同59−56480号等に記載の希土類元素付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体;特開昭59−75200号、同60−84381号、同60−106752号、同60−166379号、同60−221483号、同60−228592号、同60−228593号、同61−23679号、同61−120882号、同61−120883号、同61−120885号、同61−235486号、同61−235487号等に記載の2価のユーロピウム付活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体;特開昭55−12144号に記載の希土類元素付活オキシハライド蛍光体;特開昭58−69281号に記載のセリウム付活3価金属オキシハライド蛍光体;特開昭60−70484号に記載のビスマス付活アルカリ金属ハロゲン化物蛍光体;特開昭60−141783号、同60−157100号に記載の2価のユーロピウム付活アルカリ土類金属ハロ燐酸塩蛍光体;特開昭60−157099号に記載の2価のユーロピウム付活アルカリ土類金属ハロ硼酸塩蛍光体;特開昭60−217354号に記載の2価のユーロピウム付活アルカリ土類金属水素化ハロゲン化物蛍光体;特開昭61−21173号、同61−21182号に記載のセリウム付活希土類複合ハロゲン化物蛍光体;特開昭61−40390号に記載のセリウム付活希土類ハロ燐酸塩蛍光体;特開昭60−78151号に記載の2価のユーロピウム付活ハロゲン化セリウム・ルビジウム蛍光体;特開昭60−78153号に記載の2価のユーロピウム付活複合ハロゲン蛍光体;特開平7−233369号に記載の液相から析出させた14面体希土類金属付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物蛍光体等がある。中でも、沃素を含有する2価のユーロピウム付活アルカリ土類金属付活ハロゲン化物系蛍光体、沃素を含有する2価のユーロピウム付活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体、沃素を含有する希土類元素付活希土類オキシハロゲン化物蛍光体及び沃素を含有するビスマス付活アルカリ金属ハロゲン化物系蛍光体は高輝度の輝尽発光を示しこのましい。 【0039】上記の輝尽性蛍光体の中で、ヨウ素を含有する二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体、ヨウ素を含有する二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体、ヨウ素を含有する希土類元素付活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体、およびヨウ素を含有するビスマス付活アルカリ金属ハロゲン化物系蛍光体が好ましく用いられるが、中でも、高輝度の輝尽発光を示す観点から、ヨウ素を含有する二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体が特に好ましく用いられる。 【0040】ヨウ素を含有する二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体として、特開平10−195431号、同10−239496号、同10−239497号等に記載された一般式(1)で表される蛍光体、又は、特開平11−106748号に記載された一般式(2)で表される蛍光体があげられる。 【0041】一般式(1) Ba1-xM2xF1-aI1+a:yM1,zLn式中、M2はSr又はCa、M1はLi、Na、K、Rb又はCs、LnはCe、Pr、Sm、Eu、Gd、Tb、Tm又はYb、そして0≦x≦0.5、0≦y≦0.05、及び0<z≦0.2、−0.5≦a≦0.5を表す。 【0042】一般式(2) Ba1-xCaxFBr1-yIy:aM1,bM,cA式中、M1はCe、Pr、Sm、Eu、Gd、Tb、Tm又はYb、MはLi、Na、K、Rb又はCs、AはAl2O3又はSiO2、x、y、a、b及びcは、それぞれ0<x≦0.03、0<y≦0.30、0.0001≦a≦0.01、0<b≦0.05、0<e≦0.05を表す。 【0043】これらの輝尽性蛍光体の製造方法は前記特開平10−195431号、同10−239496号、同10−239497号等に詳しく記載されているが、特に好ましいのは、一般式(1)で表される二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属弗化ヨウ化物系蛍光体(Eu付活BaFI蛍光体)である。 【0044】一般式(1)で表される輝尽性蛍光体の製造は、粒子形状の制御の容易な液相合成法が好ましい。尚、付活剤を結晶内に均一に含有させるにも液相法が有利である。以下に一般式(1)で表される蛍光体の製造方法の例を示す。 【0045】(製造法1)a)BaI2とLnのハロゲン化物を含み、上記一般式(1)においてxが0でない場合には更にM2のハロゲン化物を、yが0でない場合には更にM1のハロゲン化物を含み、それらが溶解した後BaI2濃度が2モル/L以上、好ましくは2.7モル/L以上の水溶液を調製する工程、b)上記水溶液を50℃以上、好ましくは80℃以上の温度に維持しながら、これに濃度5モル/L以上、好ましくは8モル/L以上の無機弗化物(弗化アンモニウム若しくはアルカリ金属の弗化物)の水溶液を添加して輝尽性蛍光体の前駆体結晶の沈殿物を得る工程、c)上記前駆体結晶沈殿物を水溶液から分離する工程、及びd)分離した前駆体結晶沈殿物を焼結を避けながら焼成する工程を含む製造方法である。 【0046】蛍光体前駆体結晶は乾燥した後、にアルミナ微粉末、シリカ微粉末等の焼結防止剤を添加混合し、結晶表面に焼結防止剤微粉末を均一に付着させることが好ましい。尚、焼成条件を選ぶことによって焼結防止剤を用いないこともできる。 【0047】次いで蛍光体の前駆体結晶を、石英ボート、アルミナ坩堝、石英坩堝等の耐熱性容器に充填し、電気炉の炉心に入れて焼結を避けながら焼成を行う。焼成温度は700〜1300℃程度、800〜1000℃が好ましい。焼成時間は蛍光体原料混合物の充填量、焼成温度及び炉からの取り出し温度等によって異なるが、一般には0.5〜12時間が適当である。焼成雰囲気としては、窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気等の中性雰囲気或いは少量の水素ガスを含有する窒素ガス雰囲気、一酸化炭素を含有する二酸化炭素雰囲気等の弱還元性雰囲気、或いは微量酸素導入雰囲気を利用できる。この焼成によって目的の輝尽性蛍光体が得られる。 【0048】(製造法2)a)ハロゲン化アンモニウムとLnのハロゲン化物を含み、一般式(1)においてxが0でない場合には更にM2のハロゲン化物を、yが0でない場合には更にM1のハロゲン化物を含み、それが溶解した後ハロゲン化アンモニウム濃度が3モル/L以上、好ましくは4モル/L以上の水溶液を調製する工程、b)上記水溶液を50℃以上、好ましくは80℃以上の温度に維持しながら、これに濃度5モル/L以上、好ましくは8モル/L以上の無機弗化物(弗化アンモニウム若しくはアルカリ金属の弗化物)の水溶液とBaI2の水溶液とを、前者の弗素と後者のBaとの比率を一定に維持しながら連続的若しくは間欠的に添加して輝尽性蛍光体の前駆体結晶の沈殿物を得る工程、c)上記前駆体結晶沈殿物を水溶液から分離する工程、及びd)分離した前駆体結晶沈殿物を焼結を避けながら焼成する工程を含む製造方法である。以下、更に詳細を述べる。 【0049】最初に水系溶媒を用いてBaI2と弗素化合物とを除く原料化合物、そしてハロゲン化アンモニウム(NH4Br、NH4Cl又はNH4I)を溶解させる。即ち、ハロゲン化アンモニウムとLnのハロゲン化物、必要に応じてM2のハロゲン化物やM1のハロゲン化物を、ハロゲン化アンモニウムの濃度が3モル/L以上となる量の水系媒体中で十分に混合し、溶解させて水溶液を調製する。このとき少量の酸、アンモニア、アルコール、水溶性高分子ポリマー、水不溶性金属酸化物微粒子粉体等を添加してもよい。この水溶液(反応母液)を一定温度に維持する。 【0050】次いで一定温度に維持され撹拌されている該水溶液に、無機弗化物の水溶液とBaI2の水溶液とを同時に、無機弗化物の弗素とBaI2との比率を一定に維持する様に調整しながら連続的に又は間欠的にローラーポンプ等を用いて注入する。この注入は特に激しく撹拌されている領域に行うのが好ましい。この様に、蛍光体結晶生成中にBaイオンが過剰にならない様に配慮して反応を進行させることによって、前記一般式(1)で表される輝尽性蛍光体の前駆体結晶が沈殿する。次に輝尽性蛍光体の前駆体結晶を製造法2の場合と同様に溶媒から分離し、乾燥し、次いで焼成を行うことによって、目的の輝尽性蛍光体を得ることができる。 【0051】上記2つの製造法において、Lnのハロゲン化物の添加時期は問わず、添加開始時に予め反応母液等にあってもよく、又無機弗化物水溶液の添加時、及び無機弗化物水溶液とBaI2水溶液の添加時に同時又は後で添加してもよい。 【0052】尚、本発明において輝尽性蛍光体粒子は単分散性であることが好ましく、標準偏差を平均粒径で割って100を掛けた変動係数が20%以下、更には15%以下のものが好ましい。ここに、平均粒径は、粒子の顕微鏡写真より無作為に選んだ200個について、球の体積に換算した体積粒子径で求めた平均値とする。 【0053】一般式(1)で表される輝尽性蛍光体の粒径としては、1〜10μm、好ましくは1〜8μmである。 【0054】又、本発明に係る輝尽性蛍光体は輝尽性蛍光体層中に樹脂中分散含有している事が望ましい。ここで、使用できる結合剤としては、例えば、ポリウレタン、ポリエステル、塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体(ニトロセルロース等)、スチレン−ブタジエン共重合体、各種の合成ゴム系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル系樹脂、尿素ホルムアミド樹脂等が挙げられる。なかでもポリウレタン、ポリエステル、塩化ビニル系共重合体、ポリビニールブチラール、ニトロセルロースを使用することが好ましい。 【0055】即ち、まず適当な有機溶媒中に、結合剤と輝尽性蛍光体粒子を添加し、ディスパーザーやボールミルを使用し攪拌混合して結合剤中に輝尽性蛍光体が均一に分散した輝尽性蛍光体塗料を調製する。 【0056】輝尽性蛍光体塗料調製用の溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノールなどの低級アルコール、メチレンクロライド、エチレンクロライドなどの塩素原子含有炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン、トルエン、ベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、キシレンなどの芳香族化合物、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの低級脂肪酸と低級アルコールとのエステル、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエステル、エチレングリコールモノメチルエステルなどのエーテル及びそれらの混合物を挙げることができる。 【0057】尚、輝尽性蛍光体塗料には塗料中における輝尽性蛍光体の分散性を向上させるための分散剤、または形成後の輝尽性蛍光体層中の結合剤と輝尽性蛍光体との間の結合力を向上させるための可塑剤など種々の添加剤が混合されてもよい。 【0058】分散剤の例としては、フタル酸、ステアリン酸、カプロン酸、親油性界面活性剤などを挙げることができる。 【0059】可塑剤の例としては、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジル、燐酸ジフェニルなどの燐酸エステル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジメトキシエチルなどのフタル酸エステル、グリコール酸エチルフタリルエチル、グリコール酸ブチルフタルブチルなどのグリコール酸エステル、トリエチレングリコールとアジピン酸とのポリエステル、ジエチレングリコールと琥珀酸とのポリエステルなどのポリエチレングリコールと脂肪族二塩基酸とのポリエステルなどを挙げることができる。 【0060】上記のようにして調製された輝尽性蛍光体と結合剤とを含有する蛍光体塗料を、支持体若しくはシート形成用の仮支持体の表面に均一に塗布することにより塗料の塗膜を形成する。 【0061】この塗布手段としては、例えばドクターブレード、ロールコータ、ナイフコータ、押し出しコータなどを用いることにより行うことができる。 【0062】放射線画像変換パネルの製造法は、以下の主に2種が考えられる。第1の製造法として、結合剤と蛍光体または輝尽性蛍光体とからなる蛍光体塗布液(以下輝尽性蛍光体塗料)を支持体上に塗布し、輝尽性蛍光体層を形成する。 【0063】また、第2の製造法として、結合剤と輝尽性蛍光体とからなる輝尽性蛍光体塗料を仮支持体上に塗布し、輝尽性蛍光体シートを形成する。前記輝尽性蛍光体シートを支持体上に載せ、前記結合剤の軟化温度若しくは融点以上の温度で、支持体に接着する工程で製造する。 【0064】輝尽性蛍光体層の支持体への形成方法としては、主に上記2種が考えられるが、支持体上に均一に輝尽性蛍光体層を形成する方法であればどのような方法でもよく、吹き付けによる形成等でもよい。 【0065】第1の製造法の輝尽性蛍光体層は、結合剤溶液中に輝尽性蛍光体を均一に分散せしめた輝尽性蛍光体塗料を支持体上に塗布、乾燥することにより製造できる。 【0066】また、第2の製造法の輝尽性蛍光体層となるシートは、輝尽性蛍光体塗料を輝尽性蛍光体シート形成用仮支持体上または仮支持体上に設けられた保護膜上に塗布し、乾燥した後、仮支持体から剥離することで製造できる。保護層自体を仮支持体として、そのまま最終製品に使用することもできる。 【0067】第2の製造法では、仮支持体上または仮支持体上に設けられた保護膜上に輝尽性蛍光体塗料を塗布し乾燥した後、仮支持体から剥離して輝尽性蛍光体層となるシートとする。従って仮支持体の表面は、予め剥離剤を塗布しておき、形成された輝尽性蛍光体シートが仮支持体から剥離し易い状態にしておくのが好ましい。 【0068】支持体と輝尽性蛍光体層の結合を強化するため支持体表面にポリエステルまたはゼラチンなどの高分子物質を塗布して接着性を付与する下塗り層を設けたり、感度、画質(鮮鋭性、粒状性)を向上せしめるために二酸化チタンなどの光反射性物質からなる光反射層、若しくはカーボンブラックなどの光吸収物質からなる光吸収層などが設けられてよい。それらの構成は目的、用途などに応じて任意に選択することができる。 【0069】また、本発明の輝尽性蛍光体層は圧縮してもよい。輝尽性蛍光体層を圧縮することによって輝尽性蛍光体の充填密度を更に向上させ、更に鮮鋭性、粒状性を向上させることができる。圧縮の方法としてはプレス機やカレンダーロール等が挙げられる。 【0070】第1の製造法の場合、輝尽性蛍光体層及び支持体をそのまま圧縮する。第2の製造法の場合、輝尽性蛍光体シートを支持体上に載せ、結合剤の軟化温度または融点以上の温度で圧縮しながら該シートを支持体上に接着する。 【0071】このようにして、輝尽性蛍光体シートを支持体上に予め固定することなく圧着する方法を利用することによりシートを薄く押し広げることができる。 【0072】輝尽性蛍光体層の層厚は、目的とする放射線画像変換パネルの特性、輝尽性蛍光体の種類、結合剤と蛍光体との混合比などによって異なるが、通常は20μm乃至1mmとする。ただし、この層厚は50乃至300μmとするのが好ましい。 【0073】本発明に用いられる保護層は、ASTMD−1003に記載の方法により測定したヘイズ率が5以上60%未満であることが好ましい50〜500μmの薄板ガラスが防湿性の面からも好ましい。 【0074】本発明に使用する前記保護層は必要とされる防湿性にあわせて、厚みを調整或いは複数枚積層することで最適な防湿性とすることができるが、輝尽性蛍光体の吸湿劣化を考慮して少なくとも50g/m2・day以下であることが好ましい。 【0075】また励起光吸収層等を設けた場合も保護層によって、励起光吸収層が物理的な衝撃や化学的な変質から保護され安定したプレート性能が長期間維持できる。励起光吸収層は保護層中複数箇所に設けてもよいし、積層する為の接着剤層に色剤を含有し励起光吸収層としても良い。 【0076】保護層は蛍光体層に接着層にて密着していても良いが、蛍光体面を被覆するように設けられた構造(以下封止または封止構造)であることがより好ましい。蛍光体層を封止するにあたっては既知どのような方法でもかまわないが、保護膜となる防湿性の薄板ガラスよりも大きめに蛍光体層及び支持体からなる蛍光体シートを断裁し、これを両者を密着配置し、保護層となるガラス板の周縁が前記蛍光体シートの周縁より外側にある領域に接着剤を塗布し、蛍光体シートの厚み分スペーサーを配置し、これに後述する別のフィルムを融着させ封止構造とすることで蛍光体シートの外周部からの水分進入も阻止できる。 【0077】支持体上に蛍光体層が塗設された蛍光体シートを所定の大きさに断裁するにあたっては一般のどのような方法でも可能であるが、作業性、精度の面から化粧断裁機、打ち抜き機等が望ましい。 【0078】又、保護膜となる防湿性の薄板ガラスを密着配置したのち蛍光体層及び支持体からなる蛍光体シートと該薄板ガラスを該ガラス層および支持体と接する側の最外層の樹脂層を熱融着性とした樹脂フィルムで上下に挟み込み周囲を封止してもよい。又これらの際に保護層の薄板ガラスと蛍光体層、又該樹脂フィルムと支持体の間の密着性を向上させるため減圧下にてこれらの作業を行ってもよい。 【0079】さらに支持体面側の樹脂フィルムを例えば1層以上のアルミフィルムをラミネートしてなる積層防湿フィルムとすることでより確実に水分の進入を低減できる。またこの封止方法は作業的にも容易である。 【0080】またここで言う熱融着性とした樹脂フィルムとは、一般に使用されるインパルスシーラーで融着可能な樹脂フィルムのことで、たとえばエチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)やポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム等があげられるがこれに限られたものではない。 【0081】インパルスシーラーで加熱融着する際には、減圧環境下で加熱融着することが、蛍光体シートの防湿性保護フィルム内での位置ずれ防止や大気中の湿気を排除する意味でより好ましい。 【0082】この様にして作製された本発明の放射線画像変換パネルの一例を図1に示す。図1において、1は薄板ガラスからなる保護層であり、2は輝尽性蛍光体層、3は支持体であり、5はスペーサー及び4は該スペーサーを挟んで輝尽性蛍光体層および支持体を封止する封止フィルムである。 【0083】本発明の放射線画像変換パネルの保護層としては光学的に透明度の非常に高いものが想定されている。そのような透明度の高い保護層材料としては、本発明の薄板ガラスが特に好ましい。本発明に従えば、画像ムラや線状ノイズを解消し、さらに鮮鋭性を向上することができる。 【0084】本発明の効果を得るためのヘイズ率としては5%以上、60%未満が好ましく、さらに好ましくは、10%以上、50%未満である。 【0085】ヘイズ率としては5%未満では画像ムラや線状ノイズを解消する効果が小さく、60%以上であると本発明の鮮鋭性向上効果が小さくなる。 【0086】次いで、形成された塗膜を徐々に加熱することにより乾燥して、下塗層上への輝尽性蛍光体層の形成を完了する。 【0087】本発明の放射線画像変換パネルを用いた放射線画像変換方法の一例を図2に示す。本発明の放射線画像変換変換パネルは図2に概略的に示される放射線画像変換方法に用いるのが有利である。即ち、図2において、21は放射線発生装置、22は被写体、23は本発明に係わる放射線画像変換パネル、24は輝尽励起光源、25は該変換パネルより放射された輝尽発光を検出する光電変換装置、26は25の光電変換装置で検出された信号を画像として再生する放射線画像再生装置、27は再生された画像を表示する放射線画像表示装置、28は輝尽励起光と輝尽蛍光とを分離し、輝尽蛍光のみを透過させるフィルタである。 【0088】図2に示されるように、放射線発生装置21からの放射線Rは被写体22を通して放射線画像変換パネル23に入射する(RI)。この入射した放射線RIは放射線画像変換パネル23の輝尽性蛍光体層に吸収され、そのエネルギーが蓄積され、放射線透過像の蓄積像が形成される。 【0089】次にこの蓄積像を輝尽励起光源24からの輝尽励起光で励起して輝尽発光として放出せしめる。 【0090】放射される輝尽発光の強弱は蓄積された放射線エネルギー量に比例するので、この光信号を例えば、光電子倍増管等の光電変換装置25で光電変換し、放射線画像再生装置26によって画像として再生し放射線画像表示装置27によって表示することにより、被写体の放射線透過像を観察することが出来る。 【0091】X線を蛍光体層側より入射させ蛍光体層側の読みとりを行う方式の場合、蛍光体層側には、人体等の被写体が存在するため、カセット型で別の場所で読みとったり、パネルを搬送して別の場所で読みとる方式が一般的である。しかし、これらの方式だと撮影から読みとりの間に時間がかかり、集団健康診断等を短時間に行うことが出来ない。上記のような裏側よりX線を入射し表側から読みとる方式だとパネルを移動することなく、すぐに読みとれるため、短時間に多くの被写体を撮影できるメリットがある。 【0092】X線照射を放射線画像変換パネルの支持体側から行い、該パネルへの輝尽励起光光源であるレーザー走査及び該輝尽発光の読みとりを輝尽性蛍光体の支持体とは反対側の面から行うこれらの方式では、支持体としてX線吸収の少ない有機高分子樹脂フィルムを用い、保護膜に透湿性の低く、光学的にヘイズの小さいガラス等の素材を用いることは有利であり、これにより、軽量で、且つX線吸収の少ない、輝尽性蛍光体を用いた高画質で高耐久性の放射線画像変換パネルを得られることが可能である。 【0093】 【実施例】以下本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。 【0094】実施例(BaFI:Eu蛍光体粒子の作製)ユーロピウム付活弗化沃化バリウム輝尽性蛍光体の前駆体を合成するために、3.5モル/LのBaI2水溶液2500mlと0.2モル/LのEuI3水溶液125mlを反応器に入れ、この反応母液を撹拌しながら90℃で保温した。次いで10モル/L弗化アンモニウム水溶液250mlを反応母液中にローラーポンプを用いて注入し、沈殿を生成させ、更に2時間保温と撹拌を行い沈殿を熟成させた。 【0095】沈殿を濾別してメタノールで洗浄した後、真空乾燥させてユーロピウム付活弗化沃化バリウムの結晶を得た。これに、焼成時の焼結による粒子形状の変化、粒子間融着による粒子サイズ分布の変化を防止するために、アルミナの超微粒子粉体を1質量%添加し、ミキサーで充分に撹拌して、結晶表面にアルミナの微粒子を均一に付着させた。これを石英ボートに充填してチューブ炉を用いて窒素ガス雰囲気中、900℃で3時間焼成してユーロピウム付活弗化沃化バリウム(BaFI:Eu)蛍光体粒子を得た。平均結晶サイズは3.1μmであった。 【0096】(放射線画像変換パネルの製造)得られた蛍光体粒子を分級して平均結晶サイズ3.0μmとし、該蛍光体342g及びポリエステル樹脂〔東洋紡(株)製、バイロン200〕18gをMEKとトルエン(1:1)の混合溶媒に添加し、プロペラミキサーによって分散し、粘度25Pa・sの塗布液を調製した。この塗布液をドクターブレードを用いて表1に示す支持体上に塗布した後、100℃で15分間乾燥させて厚さ249μmの蛍光体層を形成した。 【0097】次いで、表1に示す保護層素材を10cm×10cmの大きさに断裁し、これよりやや大きい面積に断裁した上記蛍光体層及び支持体からなるシートの蛍光体層と密着させた。保護層の蛍光体シートからはみ出た部分に接着剤(チバガイギー(株)製エポキシ系接着剤ARALDITE AW136H及びHARDENER HY994)を塗り、蛍光体層及び支持体の厚みと同じ厚みの保護層と同じ素材から作製したスぺーサーを各四辺に図1に示すように接着し、更にスぺーサーに前記接着剤樹脂を塗布し、これに同じく前記接着剤樹脂を塗布した封止用の樹脂フィルム(ポリエチレンテレフタレートの透明フィルム厚み30μm)を密着させ熱接着した。減圧下で保護層及び蛍光体層又支持体と封止用の樹脂フィルム間を充分密着させた。このようにして封止された放射線画像変換パネル試料No.1〜7を製造した。表1にNo.1〜7の支持体及び保護層を変化させた各放射線画像変換パネルについて支持体のX線透過率と保護層として用いた各フィルム又はガラス板の透湿度を記載した。 【0098】尚、支持体のX線吸収率は、各支持体について前記の方法で測定したものであり、又、保護層の透湿度は各保護層として用いたフィルム又はガラス板について、前記の通りJIS Z 0208の規定に準拠し求めた。 【0099】《感度の評価》放射線画像変換パネル試料No.1〜7の支持体側をカーボンファイバー製の支持板と密着させた後、裏面から放射線画像変換パネルにアルミニウム製のウエッジを通して管電圧80kVpのX線を照射した。 【0100】放射線画像変換パネルに管電圧80kVpのX線を照射した後、パネルを200mWの半導体レーザー(780nm)で走査して励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を光電子像倍管(浜松ホトニクス社製光電子像倍管R1305)を用いて受光した、感度についてその強度をとり、試料No.1を100とした相対値で各放射線画像変換パネルの感度を表した。 【0101】《耐久性》又、前記作製した放射線画像変換パネルNo.1〜7について各サンプルを40℃、90%RHの環境下に3ヶ月間放置し、初期の感度と3ヶ月後の感度を比較し、前記の試料No.1の感度を100としたときの相対感度で表した。数値のひくいものほど劣化が大きい。 【0102】得られた結果を表1に示す。 【0103】 【表1】
【0104】保護層を透湿度の小さい硼珪酸ガラスとし、支持体をポリエチレンテレフタレート(PET)等X線透過率が90%以上と大きい素材としたものは感度が高く、耐久性にも優れることがわかる。 【0105】 【発明の効果】高耐久性を有する、高画質の放射線画像変換パネルが得られた。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000001270 【氏名又は名称】コニカ株式会社
|
| 【出願日】 |
平成13年3月21日(2001.3.21) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2002−277597(P2002−277597A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月25日(2002.9.25) |
| 【出願番号】 |
特願2001−80365(P2001−80365) |
|