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【発明の名称】 放射線画像変換パネルとその製造方法及びそれを用いた放射線画像撮影方法
【発明者】 【氏名】柳多 貴文

【氏名】岸波 勝也

【氏名】高嶋 伸彦

【要約】 【課題】本発明の目的は、輝度、粒状性(ザラツキ感)及び鮮鋭度のバランスに優れた放射線画像変換パネルとその製造方法及びそれを用いた放射線画像撮影方法を提供することにある。

【解決手段】輝尽性蛍光体層が3種以上の輝尽性蛍光体を含有し、その総平均粒子径が2.0μm以上であり、かつ輝尽性蛍光体群の中で最も小さい平均粒子径を有する輝尽性蛍光体の平均粒子径が0.5μm以上で、輝尽性蛍光体群の中で最も大きい平均粒子径を有する輝尽性蛍光体の平均粒子径が20μm以下であり、各々の含有量が全輝尽性蛍光体の10質量%以上であり、かつ輝尽性蛍光体層における全輝尽性蛍光体の充填率が60%以上であることを特徴とする放射線画像変換パネル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 支持体上に、高分子樹脂中に分散された輝尽性蛍光体を含有する輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネルにおいて、該輝尽性蛍光体層が3種以上の輝尽性蛍光体を含有し、その総平均粒子径が2.0μm以上であり、かつ輝尽性蛍光体群の中で最も小さい平均粒子径を有する輝尽性蛍光体の平均粒子径が0.5μm以上で、輝尽性蛍光体群の中で最も大きい平均粒子径を有する輝尽性蛍光体の平均粒子径が20μm以下であり、各々の含有量が全輝尽性蛍光体の10質量%以上であり、かつ輝尽性蛍光体層における全輝尽性蛍光体の充填率が60%以上であることを特徴とする放射線画像変換パネル。
【請求項2】 前記高分子樹脂の重量平均分子量が、5000〜10万であることを特徴とする請求項1に記載の放射線画像変換パネル。
【請求項3】 前記高分子樹脂が、−SO3M、−OSO3M、−COOM、−PO(OM)2及び−OPO(OM)2(但し、Mは水素原子又はLi、K、Na等のアルカリ金属原子)からなる群から選ばれた親水性極性基を少なくとも1種含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の放射線画像変換パネル。
【請求項4】 前記高分子樹脂のガラス転移点温度(Tg)が、30℃以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。
【請求項5】 前記輝尽性蛍光体が、Eu付加BaFI化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。
【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネルであり、前記輝尽性蛍光体層を、圧力による圧縮方法で形成することを特徴とする放射線画像変換パネルの製造方法。
【請求項7】 前記圧縮方法が、支持体上に輝尽性蛍光体層を設けた塗設物を、カレンダーロールを用いて、前記高分子樹脂のTg以上、150℃以下の温度で、500N/cm〜3kN/cmの線圧で加圧しながら行う方法であることを特徴とする請求項6に記載の放射線画像変換パネルの製造方法。
【請求項8】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネルを用いた放射線画像の撮影方法であり、該放射線画像変換パネルの支持体側から輝尽性蛍光体層に向けX線を照射する方法で、かつ出力画像情報の読みとりを輝尽性蛍光体層側から行うことを特徴とする放射線画像撮影方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、輝尽性蛍光体を用いた放射線画像変換パネルとその製造方法及びそれを用いた放射線画像撮影方法に関し、詳しくは、輝度、粒状性及び鮮鋭度のバランスに優れた放射線画像変換パネルとその製造方法及びそれを用いた放射線画像撮影方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】X線画像のような放射線画像は、病気診断用などの分野で多く用いられている。このX線画像を得る方法としては、被写体を通過したX線を蛍光体層(蛍光スクリーン)に照射し、これにより可視光を生じさせた後、この可視光を通常の写真を撮るときと同様にして、ハロゲン化銀写真感光材料に照射し、次いで現像処理を施して可視銀画像を得る、いわゆる放射線写真方式が広く利用されている。
【0003】しかしながら、近年では、ハロゲン化銀塩を有する感光材料による画像形成方法に代わり、蛍光体層から直接画像を取り出す新たな方法が提案されている。
【0004】この方法としては被写体を透過した放射線を蛍光体に吸収せしめ、しかる後この蛍光体を例えば光又は熱エネルギーで励起することによりこの蛍光体が上記吸収により蓄積している放射線エネルギーを蛍光として放射せしめ、この蛍光を検出し画像化する方法がある。
【0005】具体的には、例えば、米国特許第3,859,527号及び特開昭55−12144号公報などに記載されているような輝尽性蛍光体(以下、単に蛍光体ともいう)を用いる放射線画像変換方法が知られている。
【0006】この方法は、輝尽性蛍光体を含有する放射線画像変換パネルを使用するもので、この放射線画像変換パネルの輝尽性蛍光体層に被写体を透過した放射線を当てて、被写体各部の放射線透過密度に対応する放射線エネルギーを蓄積させて、その後、輝尽性蛍光体を可視光線、赤外線などの電磁波(励起光)で時系列的に励起することにより、輝尽性蛍光体中に蓄積されている放射線エネルギーを輝尽発光として放出させ、この光の強弱による信号を、例えば、光電変換して、電気信号を得て、この信号をハロゲン化銀写真感光材料などの記録材料、CRTなどの表示装置上に可視像として再生するものである。
【0007】上記の放射線画像の再生方法によれば、従来の放射線写真フィルムと増感紙との組合せによる放射線写真法と比較して、はるかに少ない被曝線量で、かつ情報量の豊富な放射線画像を得ることができるという利点を有している。
【0008】このように輝尽性蛍光体は、放射線を照射した後、励起光を照射すると輝尽発光を示す蛍光体であるが、実用的には、波長が400〜900nmの範囲にある励起光によって、300〜500nmの波長範囲の輝尽発光を示す蛍光体が一般的に利用される。
【0009】これらの輝尽性蛍光体を使用した放射線画像変換パネルは、放射線画像情報を蓄積した後、励起光の走査によって蓄積エネルギーを放出するので、走査後に再度放射線画像の蓄積を行うことができ、繰り返し使用が可能である。つまり従来の放射線写真法では、一回の撮影ごとに放射線写真フィルムを消費するのに対して、この放射線画像変換方法では放射線画像変換パネルを繰り返し使用するので、資源保護、経済効率の面からも有利である。
【0010】放射線画像変換パネルを使用した放射線画像変換方式の優劣は、該パネルの輝尽性発光輝度(感度ともいう)および得られる画像の鮮鋭性に大きく左右され、特に、これらの特性に対しては、用いる輝尽性蛍光体の特性が大きく影響を与えるとされている。
【0011】上記課題に対し、例えば、特公平4−75480号では、主に2種の平均粒子径を有する輝尽性蛍光体を混合し、輝度と鮮鋭度とを向上させる方法が開示されている。しかしながら、2種の異なる平均粒子径を有する輝尽性蛍光体を混合しただけでは、得られる放射線画像変換パネルに特性が、いずれか一方の輝尽性蛍光体粒子の特性が偏り、総合的な特性の向上への寄与が低下し、その改良効果も小さいことが判明した。また、上記明細書においては、2種類以上の輝尽性蛍光体の混合に関する可能性を示唆はしているが、その混合比率には言及しておらず、具体的に検討を進めていく中で、選択する混合比率によっては、ほとんど効果が発揮されない領域があることが判明した。また、混合する輝尽性蛍光体粒子間での平均粒子径差が小さいと特性の改良度が低下し、逆に、平均粒子径差が大きいと、得られる画像のざらつき感、いわゆる粒状度の劣化を招く結果となり、この画像の粒状度劣化は、例えば、医療画像に適用した際、病変等の発見や確認を困難とし、致命的な問題を引き起こす可能性があり、早急な改良が要望されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を鑑みなされたものであり、その目的は、輝度、粒状性及び鮮鋭度のバランスに優れた放射線画像変換パネルとその製造方法及びそれを用いた放射線画像撮影方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以下の構成により達成された。
【0014】1.支持体上に、高分子樹脂中に分散された輝尽性蛍光体を含有する輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネルにおいて、該輝尽性蛍光体層が3種以上の輝尽性蛍光体を含有し、その総平均粒子径が2.0μm以上であり、かつ輝尽性蛍光体群の中で最も小さい平均粒子径を有する輝尽性蛍光体の平均粒子径が0.5μm以上で、輝尽性蛍光体群の中で最も大きい平均粒子径を有する輝尽性蛍光体の平均粒子径が20μm以下であり、各々の含有量が全輝尽性蛍光体の10質量%以上であり、かつ輝尽性蛍光体層における全輝尽性蛍光体の充填率が60%以上であることを特徴とする放射線画像変換パネル。
【0015】2.前記高分子樹脂の重量平均分子量が、5000〜10万であることを特徴とする前記1項に記載の放射線画像変換パネル。
【0016】3.前記高分子樹脂が、−SO3M、−OSO3M、−COOM、−PO(OM)2及び−OPO(OM)2(但し、Mは水素原子又はLi、K、Na等のアルカリ金属原子)からなる群から選ばれた親水性極性基を少なくとも1種含有することを特徴とする前記1又は2項に記載の放射線画像変換パネル。
【0017】4.前記高分子樹脂のガラス転移点温度(Tg)が、30℃以下であることを特徴とする前記1〜3項のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。
【0018】5.前記輝尽性蛍光体が、Eu付加BaFI化合物であることを特徴とする前記1〜4項のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。
【0019】6.前記1〜5項のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネルであり、前記輝尽性蛍光体層を、圧力による圧縮方法で形成することを特徴とする放射線画像変換パネルの製造方法。
【0020】7.前記圧縮方法が、支持体上に輝尽性蛍光体層を設けた塗設物を、カレンダーロールを用いて、前記高分子樹脂のTg以上、150℃以下の温度で、500N/cm〜3kN/cmの線圧で加圧しながら行う方法であることを特徴とする前記6項に記載の放射線画像変換パネルの製造方法。
【0021】8.前記1〜5項のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネルを用いた放射線画像の撮影方法であり、該放射線画像変換パネルの支持体側から輝尽性蛍光体層に向けX線を照射する方法で、かつ出力画像情報の読みとりを輝尽性蛍光体層側から行うことを特徴とする放射線画像撮影方法。
【0022】本発明者らは、上記課題を鑑み鋭意検討を行った結果、少なくとも3種の輝尽性蛍光体粒子を混合することにより、輝尽性蛍光体層内での粒子充填率が飛躍的に向上し、輝度、鮮鋭度がバランスが良好になり、かつ得られる画像のざらつき感が低減することが判明した。更に、上記方法で形成した輝尽性蛍光体層に圧縮処理を施すことで、より一層充填率の高まり、輝度と鮮鋭度が更に向上することが判明し、本発明に至った次第である。
【0023】以下、本発明の詳細について説明する。請求項1に係る発明では、輝尽性蛍光体層が、3種以上の輝尽性蛍光体を含有し、その総平均粒子径が2.0μm以上であり、かつ輝尽性蛍光体群の中で最も小さい平均粒子径を有する輝尽性蛍光体の平均粒子径が0.5μm以上で、輝尽性蛍光体群の中で最も大きい平均粒子径を有する輝尽性蛍光体の平均粒子径が20μm以下であり、各々の含有量が全輝尽性蛍光体の10質量%以上であり、かつ輝尽性蛍光体層における全輝尽性蛍光体の充填率が60%以上であることが特徴である。
【0024】本発明に用いることのできる輝尽性蛍光体としては、波長が400〜900nmの範囲にある励起光によって、300〜500nmの波長範囲の輝尽発光を示す蛍光体が一般的に使用される。
【0025】以下に、本発明の放射線画像変換パネルで好ましく用いることのできる蛍光体の例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0026】(1)特開昭55−12145号に記載されている(Ba1-X,M(II)X)FX:yA、(式中、M(II)はMg、Ca、Sr、ZnおよびCdのうちの少なくとも一つ、XはCl、Br、およびIのうち少なくとも一つ、AはEu、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、およびErのうちの少なくとも一つ、そしては、0≦x≦0.6、yは、0≦y≦0.2である)の組成式で表される希土類元素付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物蛍光体;また、この蛍光体には以下のような添加物が含まれていてもよい。
【0027】a)特開昭56−74175号に記載されている、X′、BeX″、M(III)X′″3、式中、X′、X″、およびX′″はそれぞれCl、BrおよびIの少なくとも一種であり、M(III)は三価金属であるb)特開昭55−160078号に記載されているBeO、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、Al23、Y23、La23、In23、SiO2、TiO2、ZrO2、GeO2、SnO2、Nb25、Ta25およびThO2などの金属酸化物c)特開昭56−116777号に記載されているZr、Scd)特開昭57−23673号に記載されているBe)特開昭57−23675号に記載されているAs、Sif)特開昭58−206678号に記載されているM・L、式中、MはLi、Na、K、Rb、およびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、LはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga、In、およびTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であるg)特開昭59−27980号に記載されているテトラフルオロホウ酸化合物の焼成物;特開昭59−27289号に記載されているヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロチタン酸およびヘキサフルオロジルコニウム酸の一価もしくは二価金属の塩の焼成物;特開昭59−56479号に記載されているNaX′、式中、X′はCl、BrおよびIのうちの少なくとも一種であるh)特開昭59−56480号に記載されているV、Cr、Mn、Fe、CoおよびNiなどの遷移金属;特開昭59−75200号に記載されているM(I)X′、M′(II)X″2、M(III)X′″3、A、式中、M(I)はLi、Na、K、Rb、およびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、M′(II)はBeおよびMgからなる群より選ばれる少なくとも一種の二価金属を表し、M(III)はAl、Ga、In、およびTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であり、Aは金属酸化物であり、X′、X″、およびX′″はそれぞれF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであるi)特開昭60−101173号に記載されているM(I)X′、式中、M(I)はRbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、X′はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであるj)特開昭61−23679号に記載されているM(II)′X′2・M(II)′X″2、式中、M(II)′はBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;X′およびX″はそれぞれCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであって、かつX′≠X″である;更に、特開昭61−264084号明細書に記載されているLnX″3、式中、LnはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり;X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである。
【0028】(2)特開昭60−84381号に記載されているM(II)X2・aM(II)X′2:xEu2+(式中、M(II)はBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XおよびX′はCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであって、かつX≠X′であり;そしてaは0.1≦a≦10.0、xは0<x≦0.2である)の組成式で表される二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属ハロゲン化物蛍光体;また、この蛍光体には以下のような添加物が含まれていてもよい。
【0029】a)特開昭60−166379号に記載されているM(I)X′、式中、M(I)はRbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;X′はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであるb)特開昭60−221483号に記載されているKX″、MgX′″2、M(III)X″″3、式中、M(III)はSc、Y、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であり;X″、X′″およびX″″はいずれもF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであるc)特開昭60−228592号に記載されているB、特開昭60−228593号に記載されているSiO2、P25等の酸化物、特開昭61−120882号に記載されているLiX″、NaX″、式中、X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであるd)特開昭61−120883号に記載されているSiO;特開昭61−120885号に記載されているSnX″2、式中、X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであるe)特開昭61−235486号に記載されているCsX″、SnX′″2、式中、X″およびX′″はそれぞれF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである;更に、特開昭61−235487号に記載されているCsX″、Ln3+、式中、X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;LnはSc、Y、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素である(3)特開昭55−12144号に記載されているLnOX:xA(式中、LnはLa、Y、Gd、およびLuのうち少なくとも一つ;XはCl、Br、およびIのうち少なくとも一つ;AはCeおよびTbのうち少なくとも一つ;xは、0<x<0.1である)の組成式で表される希土類元素付活希土類オキシハライド蛍光体。
【0030】(4)特開昭58−69281号に記載されているM(II)OX:xCe(式中、M(II)はPr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の酸化金属であり;XはCl、Br、およびIのうち少なくとも一つであり;xは0<x<0.1である)の組成式で表されるセリウム付活三価金属オキシハライド蛍光体。
【0031】(5)特開昭62−25189号明細書に記載されているM(I)X:xBi(式中、M(I)はRbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてxは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表されるビスマス付活アルカリ金属ハロゲン化物蛍光体。
【0032】(6)特開昭60−141783号に記載されているM(II)5(PO43X:xEu2+(式中、M(II)はCa、SrおよびBaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XはF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属ハロリン酸塩蛍光体。
【0033】(7)特開昭60−157099号に記載されているM(II)2BO3X:xEu2+(式中、M(II)はCa、SrおよびBaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属ハロホウ酸塩蛍光体。
【0034】(8)特開昭60−157100号に記載されているM(II)2(PO43X:xEu2+(式中、M(II)はCa、SrおよびBaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XはCl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属ハロリン酸塩蛍光体。
【0035】(9)特開昭60−217354号に記載されているM(II)HX:xEu2+(式中、M(II)はCa、SrおよびBaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属水素化ハロゲン化物蛍光体。
【0036】(10)特開昭61−21173号に記載されているLnX3・aLn′X′3:xCe3+、(式中、LnおよびLn′はそれぞれY、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり;XおよびX′はそれぞれF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであって、かつX≠X′であり;そしてaは0.1<a≦10.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表されるセリウム付活希土類複合ハロゲン化物蛍光体。
【0037】(11)特開昭61−21182号に記載されているLnX3・aM(I)X′3:xCe3+、(式中、LnはY、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり;M(I)はLi、Na、K、CsおよびRbからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;XおよびX′はそれぞれCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてaは0<a≦10.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表されるセリウム付活希土類複合ハロゲン化物系蛍光体。
【0038】(12)特開昭61−40390号に記載されているLnPO4・aLnX3:xCe3+、(式中、LnはY、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり;XはF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてaは0.1≦a≦10.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表されるセリウム付活希土類ハロ燐酸塩蛍光体。
【0039】(13)特開昭61−236888号明細書に記載されているCsX:aRbX′:xEu2+、(式中、XおよびX′はそれぞれCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてaは0<a≦10.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロピウム付活ハロゲン化セシウム・ルビジウム蛍光体。
【0040】(14)特開昭61−236890号に記載されているM(II)X2・aM(I)X′:xEu2+、(式中、M(II)はBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;M(I)はLi、RbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;XおよびX′はそれぞれCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてaは0.1≦a≦20.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロピウム付活複合ハロゲン化物蛍光体。
【0041】上記の輝尽性蛍光体のうちで、輝尽性蛍光体がヨウ素を含有していることが好ましく、例えば、ヨウ素を含有する二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体、ヨウ素を含有する二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体、ヨウ素を含有する希土類元素付活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体、およびヨウ素を含有するビスマス付活アルカリ金属ハロゲン化物系蛍光体は、高輝度の輝尽発光を示すため好ましく、特に、請求項5に係る発明では、輝尽性蛍光体がEu付加BaFI化合物であることが特徴である。
【0042】本発明においては、3種以上の輝尽性蛍光体の総平均粒子径が、2.0μm以上であることが1つの特徴であるが、好ましくは2.0〜20μm、特に好ましくは、2.5〜15μmである。
【0043】また、本発明においては、3種以上の輝尽性蛍光体のうち、最も平均粒子径が小さい輝尽性蛍光体の平均粒子径が、0.5μm以上であることが1つの特徴であるが、好ましくは、0.75μm以上である。平均粒子径が0.5μm未満になると、輝尽性蛍光体粒子間で凝集が発生し易くなり、本来の性能を得ることができないばかりではなく、充填率の低下を招く結果となる。
【0044】また、本発明においては、3種以上の輝尽性蛍光体のうち、最も平均粒子径が大きい輝尽性蛍光体の平均粒子径が、20μm以下であることが1つの特徴であるが、好ましくは15μm以下である。平均粒子径が20μmを越えると、粒状性を劣化されると共に、輝尽性蛍光体層での充填率を高めることの妨げとなる。
【0045】また、本発明においては、3種以上の輝尽性蛍光体のそれぞれの含有率が、10質量%以上であることが1つの特徴であり、好ましくは少なくとも1種が10〜60質量%、より好ましくは10〜50質量%である。また、3種以上の輝尽性蛍光体において、その混合比率は、より大粒径の方が混合比率が高いことが好ましい。
【0046】また、本発明においては、輝尽性蛍光体層における全輝尽性蛍光体の充填率が60%以上であることが特徴であるが、その上限には自ずと制限があり、好ましくは60〜75%である。
【0047】本発明でいう輝尽性蛍光体層中の輝尽性蛍光体の充填率測定は、放射線画像変換パネル又は蛍光体シートの保護層を除去し、有機溶剤等を使用して輝尽性蛍光体層全体を剥離又は溶出し、濾過及び乾燥した後、電気炉を使って600℃で1時間焼成して表面の樹脂を除去した輝尽性蛍光体の質量をMg、溶出前の蛍光体層膜厚をPcm、溶出に使用した蛍光体シート面積Qcm2、蛍光体比重をRg/cm3としたとき、蛍光体充填率=〔M/(P×Q×R)〕×100(%)
によって算出される値である。
【0048】本発明で用いることのできる結合剤である高分子樹脂としては、特に制限はなく、例えば、ポリウレタン、ポリエステル、塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体(ニトロセルロース等)、スチレン−ブタジエン共重合体、各種の合成ゴム系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル系樹脂、尿素ホルムアミド樹脂等が挙げられる。これらのなかでもポリウレタン、ポリエステル、塩化ビニル系共重合体、ポリビニルブチラール、ニトロセルロースを使用することが好ましい。
【0049】請求項2に係る発明では、結合剤として、重量平均分子量が5000〜10万の高分子樹脂を用いることが特徴である。重量平均分子量が5000未満であると、分散性はよいが、接着性が劣化する恐れがあり、逆に10万以上であると分散性が劣化し、充填率が低下する恐れがある。
【0050】更に、本発明で、より好ましく用いられる高分子樹脂としては、親水性極性基を有する樹脂を含有することである。親水性極性基が輝尽性蛍光体粒子の表面に吸着することによって、輝尽性蛍光体粒子の分散性を向上させ、かつ輝尽性蛍光体粒子の凝集を防止し、その結果、塗布安定性、鮮鋭性、粒状性を向上させると推定される。特には、請求項3に係る発明である、高分子樹脂が、−SO3M、−OSO3M、−COOM、−PO(OM)2及び−OPO(OM)2(但し、Mは水素原子又はLi、K、Na等のアルカリ金属原子)からなる群から選ばれた親水性極性基を少なくとも1種含有することが好ましい。
【0051】以下に、本発明に好ましく用いられる親水性極性基を有する樹脂の一例であるポリウレタンについて述べる。ポリウレタンは、一般に利用される方法であるポリオールとポリイソシアネートとの反応を用いることで合成することができる。ポリオール成分として一般には、ポリオールと多塩基酸との反応によって得られるポリエステルポリオールが使用されている。この公知の方法を利用して多塩基酸の一部として上記の親水性極性基を有する多塩基酸を使用して、親水性極性基を有するポリエステルポリオールを合成することができる。
【0052】多塩基酸の例としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、マレイン酸等を挙げることができる。
【0053】親水性極性基を有する多塩基酸の例としては、5−スルホイソフタル酸、2−スルホイソフタル酸、4−スルホイソフタル酸、3−スルホイソフタル酸、5−スルホイソフタル酸ジアルキル、2−スルホイソフタル酸ジアルキル、4−スルホイソフタル酸ジアルキル、3−スルホフタル酸ジアルキル及びこれらのナトリウム塩、カリウム塩を挙げることができる。
【0054】ポリオールの例としては、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、グリセリン、トリメチロールエタン、ネオベンチルグリコール、ペンタエリスリトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等を挙げることができる。
【0055】また、他の親水性極性基を導入したポリエステルポリオールに関しても、公知の方法で合成することができる。
【0056】次に、上記の基を有するポリエステルポリオールを原料として利用すれば、親水性極性基を有するポリウレタンを合成することができる。
【0057】ポリイソシアネート成分の例としてはジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、リジンイソシアネートメチルエステル(LDI)、イソホロジイソシアネート(IPDI)などが挙げられる。
【0058】また、ポリウレタンの合成の他の方法として、OH基を有するポリウレタンと親水性極性基及び塩素原子を含有する下記の化合物との反応により付加して合成することができる。なお、M及びM′は水素原子、アルカリ金属原子又はアルキル基である。
【0059】ClCH2CH2SO3MClCH2CH2OSO3MClCH2PO(OM′)2ClCH2COOMまた、これらの他、−SO3Na基を有するポリウレタンUR8300(東洋紡績社製)、COOH基を有するポリウレタンTIM−6001(三洋化成社製)などが市販品として容易に入手できる。
【0060】また、好ましく使用される塩化ビニル系樹指としては、例えば、塩化ビニル−ビニルアルコール共重合体等、OH基を含有する共重合体に、上記に記載したと同様の親水性極性基及び塩素原子を含有する化合物との反応により付加して合成することができる。
【0061】また、すべて共重合性のモノマーとして共重合させる方法がある。即ち、親水性極性基を含む繰り返し単位が導入される不飽和結合を有する反応性モノマーを所定量オートクレーブ等の反応容器に注入し、一般的な重合開始剤、例えばBPO(ベンゾイルパーオキサイド)、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)等のラジカル重合開始剤やレドックス重合開始剤、アニオン重合開始剤、カチオン重合開始剤等の重合開始剤を使用して重合できる。例えば、スルホン酸若しくはその塩を導入するための反応性モノマーの具体例としては、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタクリルスルホン酸、p−スチレンスルホン酸等の不飽和炭化水素スルホン酸及びこれらの塩が挙げられる。
【0062】更に、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリル酸スルホエチルエステル、(メタ)アクリル酸スルホプロピルエステル等のアクリル酸又はメタクリル酸のスルホアルキルエステル類及びこれらの塩、或いはアクリル酸−2−スルホン酸エチル等を挙げることができる。
【0063】カルボン酸若しくはその塩を導入(−COOMの導入)するときには、(メタ)アクリル酸、マレイン酸等をリン酸若しくはその塩を導入する時には(メタ)アクリル酸−2−リン酸エステルを用いればよい。
【0064】これらの市販品としては、例えば、−SO3K基を有する塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体のMR110(日本ゼオン社製)、−SO3Na基を有するポリエステルとしてはバイロン330(東洋紡績社製)等が挙げられ、また、ポリウレタンとしては、−SO3Na基を有するVR−8200(東洋紡績社製)等が挙げられる。
【0065】また、前記記載の他の樹脂と混合する場合は、蛍光体層に使用されるすべての結合剤に対して親水性極性基量が0.01〜100mg/gとなることが好ましく、この範囲がもっとも分散安定性に効果が高い。
【0066】なお、親水性極性基の測定にあたっては、例えば、前記のS原子の含有率は、以下のようにして求めた。マトリックス樹脂に、内部標準物質としてP含有化合物を所定量と純度99.9999%の硫黄を添加量を振って加え、WDX(波長分散型螢光X線)でSとPの蛍光X線強度比を求めS原子の含有率の検量線を作り、次に、測定用試料にP含有化合物を所定量加えて、WDXの測定を行って求めた。
【0067】また、請求項4に係る発明では、高分子樹脂のガラス転移点温度(Tg)としては、30℃以下であることが特徴であるが、好ましくは−30℃以上、25℃以下である。
【0068】本発明の放射線像変換パネルに用いられる支持体としては、各種高分子材料、ガラス、金属等が用いられる。特に、情報記録材料としての取り扱い上、可撓性のあるシートあるいはウェブに加工できるものが好適であり、この点からいえば、例えば、セルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィルム等のプラスチックフィルム、アルミニウム、鉄、銅、クロム等の金属シートあるいは該親水性微粒子の被覆層を有する金属シートが好ましい。
【0069】また、これら支持体の膜厚は、用いる支持体の材質等によって異なるが、一般的には3〜1000μmであり、取り扱い易さの観点からは、80〜500μmであることが好ましい。
【0070】これらの支持体の表面は、滑面であってもよいし、輝尽性蛍光体層との接着性を向上させる目的で、マット面としてもよい。
【0071】さらに、これら支持体は、輝尽性蛍光体層との接着性を向上させる目的で、輝尽性蛍光体層が設けられる面に下引層を設けてもよい。
【0072】輝尽性蛍光体層塗布液の調製に用いられる有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等の低級アルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等の低級脂肪酸と低級アルコールとのエステル、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル、トリオール、キシロールなどの芳香族化合物、メチレンクロライド、エチレンクロライドなどのハロゲン化炭化水素およびそれらの混合物などが挙げられる。
【0073】なお、塗布液には、該塗布液中における蛍光体の分散性を向上させるための分散剤、また、形成後の輝尽性蛍光体層中における結合剤と蛍光体との間の結合力を向上させるための可塑剤などの種々の添加剤が混合されていてもよい。そのような目的に用いられる分散剤の例としては、フタル酸、ステアリン酸、カプロン酸、親油性界面活性剤などを挙げることができる。また、可塑剤の例としては、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジル、燐酸ジフェニルなどの燐酸エステル;フタル酸ジエチル、フタル酸ジメトキシエチル等のフタル酸エステル;グリコール酸エチルフタリルエチル、グリコール酸ブチルフタリルブチルなどのグリコール酸エステル;そして、トリエチレングリコールとアジピン酸とのポリエステル、ジエチレングリコールとコハク酸とのポリエステルなどのポリエチレングリコールと脂肪族二塩基酸とのポリエステルなどを挙げることができる。また、輝尽性蛍光体層塗布液中に、輝尽性蛍光体粒子の分散性を向上させる目的で、ステアリン酸、フタル酸、カプロン酸、親油性界面活性剤などの分散剤を混合してもよい。
【0074】輝尽性蛍光体層用塗布液の調製は、例えば、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、アトライター、三本ロールミル、高速インペラー分散機、Kadyミル、あるいは超音波分散機などの分散装置を用いて行なわれる。
【0075】上記のようにして調製された塗布液を、下塗層の表面上に均一に塗布することにより塗膜を形成する。用いることのできる塗布方法としては、通常の塗布手段、例えば、ドクターブレード、ロールコーター、ナイフコーター、コンマコーター、リップコーターなどを用いることができる。
【0076】上記の手段により形成された塗膜を、その後加熱、乾燥されて、下塗層上への輝尽性蛍光体層の形成を完了する。輝尽性蛍光体層の膜厚は、目的とする放射線像変換パネルの特性、輝尽性蛍光体の種類、結合剤と蛍光体との混合比などによって異なるが、通常は10〜1000μmであり、より好ましくは10〜500μmである。
【0077】請求項6、7に係る発明では、輝尽性蛍光体層を、圧力により圧縮せしめることが特徴であり、この圧縮工程を経ることにより、輝尽性蛍光体の充填率を70%以上向上させることができ、高い発光性、折り曲げ強度、耐傷性を達成することができる。
【0078】圧縮方法に関しては、特にその方法に制限はないが、例えば、本発明において好ましいの圧縮方法としては、蛍光体又は輝尽性蛍光体層及び支持体をそのまま圧縮する方法であり、その圧縮手段としては、プレス機やカレンダーロール等を用いることができる。
【0079】請求項7に係る発明では、上記圧縮方法として、支持体上に輝尽性蛍光体層を設けた塗設物を、カレンダーロールを用いて、輝尽蛍光体層で用いる高分子樹脂のTg以上、150℃以下の温度で、500N/cm〜3kN/cmの線圧で加圧しながら行うことが特徴である。従来より、圧縮条件として、輝尽性蛍光体層で用いる高分子樹脂の軟化点温度で圧縮するという方法は知られているが、本発明においては、支持体の軟化点温度以上で行うことが1つの特徴であり、この条件により、支持体近傍の蛍光体層圧縮率が高まり、かつ輝尽性蛍光体層全体の圧縮も高くなり好ましい。また、線圧として500N/cm未満では十分な圧縮率が得られず、また3kN/cm以上であると輝尽性蛍光体粒子の破壊による輝度低下を招く恐れがあるため好ましくない。
【0080】支持体上に輝尽性蛍光体層が塗設された蛍光体シートは、所定の大きさに断裁される。断裁にあたっては、一般のどのような方法でも可能であるが、作業性、精度の面から化粧断裁機、打ち抜き機等が望ましい。
【0081】本発明の放射線画像変換パネルには、輝尽性蛍光体層の表面を物理的、化学的に保護するための保護膜(保護フィルムともいう)を設けることが好ましく、それらの構成は目的、用途などに応じて適宜選択することができる。
【0082】本発明の放射線画像変換パネルに設ける保護層としては、ASTMD−1003に記載の方法により測定したヘイズ率が、5%以上60%未満の励起光吸収層を備えたポリエステルフィルム、ポリメタクリレートフィルム、ニトロセルロースフィルム、セルロースアセテートフィルム等が使用できるが、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルム等の延伸加工されたフィルムが、透明性、強さの面で保護層として好ましく、更には、これらのポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルム上に金属酸化物、窒化珪素などの薄膜を蒸着した蒸着フィルムが防湿性の面からより好ましい。
【0083】保護層で用いるフィルムのヘイズ率は、使用する樹脂フィルムのヘイズ率を選択することで容易に調整でき、また任意のヘイズ率を有する樹脂フィルムは工業的に容易に入手することができる。放射線画像変換パネルの保護フィルムとしては、光学的に透明度の非常に高いものが想定されている。そのような透明度の高い保護フィルム材料として、ヘイズ値が2〜3%の範囲にある各種のプラスチックフィルムが市販されている。本発明の効果を得るために好ましいヘイズ率としては5%以上60%未満であり、さらに好ましくは10%以上50%未満である。ヘイズ率が5%未満では、画像ムラや線状ノイズを解消する効果が低く、また60%以上では鮮鋭性の向上効果が損なわれ、好ましくない。
【0084】本発明において、保護層で用いるフィルムは、必要とされる防湿性にあわせて、樹脂フィルムや樹脂フィルムに金属酸化物などを蒸着した蒸着フィルムを複数枚積層することで最適な防湿性とすることができ、輝尽性蛍光体の吸湿劣化防止を考慮して、透湿度は少なくとも50g/m2・day以下であることが好ましい。樹脂フィルムの積層方法としては、特に制限はなく、公知のいずれの方法を用いても良い。
【0085】また、積層された樹脂フィルム間に励起光吸収層を設けることによって、励起光吸収層が物理的な衝撃や化学的な変質から保護され安定したプレート性能が長期間維持でき好ましい。また、励起光吸収層は複数箇所設けてもよいし、積層する為の接着剤層に色剤を含有して、励起光吸収層としても良い。
【0086】保護フィルムは、輝尽性蛍光体層に接着層を介して密着していても良いが、蛍光体面を被覆するように設けられた構造(以下、封止または封止構造ともいう)であることがより好ましい。蛍光体プレートを封止するにあたっては、公知のいずれの方法でもよいが、防湿性保護フィルムの蛍光体シートに接する側の最外層樹脂層を熱融着性を有する樹脂フィルムとすることは、防湿性保護フィルムが融着可能となり蛍光体シートの封止作業が効率化される点で、好ましい形態の1つである。さらには、蛍光体シートの上下に防湿性保護フィルムを配置し、その周縁が前記蛍光体シートの周縁より外側にある領域で、上下の防湿性保護フィルムをインパルスシーラー等で加熱、融着して封止構造とすることで、蛍光体シートの外周部からの水分進入も阻止でき好ましい。また、さらには、支持体面側の防湿性保護フィルムが1層以上のアルミフィルムをラミネートしてなる積層防湿フィルムとすることで、より確実に水分の進入を低減でき、またこの封止方法は作業的にも容易であり好ましい。上記インパルスシーラーで加熱融着する方法においては、減圧環境下で加熱融着することが、蛍光体シートの防湿性保護フィルム内での位置ずれ防止や大気中の湿気を排除する意味でより好ましい。
【0087】防湿性保護フィルムの蛍光体面が接する側の熱融着性を有する最外層の樹脂層と蛍光体面は、接着していないことが好ましい。ここでいう接着していない状態とは、微視的には蛍光体面と防湿性保護フィルムとが点接触していても、光学的、力学的には殆ど蛍光体面と防湿性保護フィルムは不連続体として扱える状態のことである。また、上記の熱融着性を有する樹脂フィルムとは、一般に使用されるインパルスシーラーで融着可能な樹脂フィルムのことで、例えば、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)やポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム等を挙げることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0088】
【実施例】以下、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0089】《放射線画像変換パネルの作製》
(蛍光体粒子1〜7の調製)ユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウムの輝尽性蛍光体前駆体を合成するために、BaI2水溶液(3.6mol/L)2780mlとEuI3水溶液(0.15mol/L)27mlを反応器に入れた。この反応器中の反応母液を撹拌しながら83℃で保温した。次いで、弗化アンモニウム水溶液(8mol/L)322mlを反応母液中にローラーポンプを用いて注入し、沈澱物を生成させた。注入終了後も保温と撹拌を2時間続けて沈澱物の熟成を行なった。次に、沈澱物をろ別後、エタノールにより洗浄した後、真空乾燥させてユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウムの結晶を得た。焼成時の焼結により粒子形状の変化、粒子間融着による粒子サイズ分布の変化を防止するために、アルミナの超微粒子粉体を0.2質量%添加し、ミキサーで充分撹拌して結晶表面にアルミナの超微粒子粉体を均一に付着させた。これを石英ボートに充填して、チューブ炉を用いて水素ガス雰囲気下で、850℃で2時間焼成して、平均粒子径が4.0μmのユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウム蛍光体粒子4(以下、単に蛍光体粒子4という)を調製し更に、この蛍光体粒子4を分級して、各々平均粒子径が0.3μm、1.0μm、3.5μmの蛍光体粒子1〜3を調製した。
【0090】次いで、上記蛍光体粒子4の調製において、反応条件を適宜変更して、平均粒子径が15μmの蛍光体粒子6を調製し、更に、この蛍光体粒子6を分級して、各々平均粒子径が8.0μm、25μmの蛍光体粒子5、7を調製した。
【0091】(蛍光体層塗布液の調製)上記調製した蛍光体粒子4を100g、重量平均分子量が2.3万で官能基を有していないポリエステル樹脂16.7gをメチルエチルケトン−トルエン(1:1)混合溶媒に添加し、プロペラミキサーによって分散し、粘度25〜30Pa・sの塗布液1を調製した。
【0092】次いで、上記塗布液1の調製において、表1に記載のように、平均粒子径の異なる蛍光体粒子の組み合わせ、その混合比、結合剤の種類(重量平均分子量、官能基の有無、Tg)を変更した以外は同様にして塗布液2〜15を調製した。
【0093】
【表1】

【0094】(蛍光体シートの作製)上記調製した各塗布液を、ドクターブレードを用いて、厚さ188μmのポリエチレンテレフタレート支持体上に、各々膜厚が230μmとなるように塗布したのち、100℃で15分間乾燥させて蛍光体層1〜15を形成して、蛍光体シート1〜15を作製した。
【0095】更に、蛍光体シート4、5、8、11について、下記に示す条件にて、カレンダー処理を施し、蛍光体シート16〜23を作製した。
【0096】なお、カレンダー処理は、公知の一対のヒートロールを用いて行った。また、運転条件としては、表1に記載のように、ヒートロールの温度を30〜160℃に設定し、300N〜3500N/cmの線圧に調整して行った。
【0097】(防湿性保護フィルムの作製)上記作製した蛍光体シート1〜23の蛍光体層塗設面側の保護フィルムとして下記構成(A)のものを使用した。
【0098】構成(A)
NY15///VMPET12///VMPET12///PET12///CPP20NY:ナイロンPET:ポリエチレンテレフタレートCPP:キャステングポリプロピレンVMPET:アルミナ蒸着PET(市販品:東洋メタライジング社製)
各樹脂フィルムの後ろに記載の数字は、樹脂層の膜厚(μm)を示す。
【0099】上記「///」は、ドライラミネーション接着層で、接着剤層の厚みが3.0μmであることを意味する。使用したドライラミネーション用の接着剤は、2液反応型のウレタン系接着剤を用いた。
【0100】また、蛍光体シートの支持体裏面側の保護フィルムは、CPP30μm/アルミフィルム9μm/ポリエチレンテレフタレート188μmの構成のドライラミネートフィルムとした。また、この場合の接着剤層の厚みは1.5μmで2液反応型のウレタン系接着剤を使用した。
【0101】(放射線画像変換パネルの作製)前記作製した蛍光体シート1〜23を、各々一辺が20cmの正方形に断裁した後、上記作製した防湿性保護フィルムを用いて、減圧下で周縁部をインパルスシーラを用いて融着、封止して、放射線画像変換パネル1〜23を作製した。尚、融着部から蛍光体シート周縁部までの距離は1mmとなるように融着した。融着に使用したインパルスシーラーのヒーターは3mm幅のものを使用した。
【0102】《放射線画像変換パネルの評価》以上のようにして作製した各放射線画像変換パネルまたは蛍光体シートを用いて、以下に示す方法に従って、充填率、輝度、鮮鋭度及び画面ザラツキ感の評価を行った。
【0103】(蛍光体充填率の測定)各蛍光体シートの保護層を剥離除去し、メチルエチルケトンを用いて蛍光体層を剥離又は溶出し、濾過、乾燥し電気炉を使って600℃で1時間焼成して表面の樹脂を除去した。蛍光体の質量をMg、蛍光体層膜厚をPcm、溶出に使用した蛍光体シート面積をQcm2、蛍光体比重をRg/cm3としたとき、蛍光体充填率=〔M/(P×Q×R)〕×100(%)によって算出した。
【0104】(輝度の評価)各放射線画像変換パネルについて、以下に示す方法に従って輝度の測定を行った。
【0105】輝度の測定は、各放射線画像変換パネルについて、管電圧80kVpのX線を照射した後、パネルをHe−Neレーザー光(633nm)で操作して励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を受光器(分光感度S−5の光電子像倍管)で受光して、その強度を測定して、これを輝度と定義し、放射線変換パネル1の輝度を100とした、相対値で表示した。
【0106】(鮮鋭度の評価)鮮鋭度については、各放射線画像変換パネルに鉛製のMTFチャートを通して管電圧80kVpのX線を照射した後、パネルをHe−Neレーザー光で操作して励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を、上記と同じ受光器で受光して電気信号に変換し、これをアナログ/デジタル変換して磁気テープに記録し、磁気テープをコンピューターで分析して磁気テープに記録されているX線像の1サイクル/mmにおける変調伝達関数(MTF)を調べ、これを鮮鋭度と定義し、放射線変換パネル1の鮮鋭度を100とした、相対値で表示した。
【0107】(画面ザラツキ感の評価)各放射線画像変換パネルに、管電圧80kVpのX線を照射した後、パネルをHe−Neレーザー光(633nm)で操作して励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を上記記載の受光器で受光して電気信号に変換し、これを画像再生装置によって画像として再生し、出力装置より2倍に拡大してプリントアウトし、得られたプリント画像を、目視にて以下に示す基準に則り画像ザラツキ感の評価を行った。
【0108】
◎:画像のザラツキ感が全く認められない○:画像のザラツキ感が僅かに認められるが、殆ど気にならない程度である△:画像のザラツキ感が確認されるが、実用上許容できるレベル×:全面に亘り、画像のザラツキ感の発生が認められ、実用上問題が発生するレベル以上により得られた結果を、表2に示す。
【0109】
【表2】

【0110】表2の結果より明らかなように、本発明の平均粒子径の範囲での輝尽性蛍光体の組み合わせ及び充填率からなる輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネルは、比較試料に対し、輝度、鮮鋭性に優れ、かつ画面のザラツキ感の少ないことが判る。更に、官能基を有する高分子樹脂を用いること、あるいはカレンダー処理を施すことにより、その効果がより一層高まることが確認できた。
【0111】
【発明の効果】本発明により、輝度、粒状性(ザラツキ感)及び鮮鋭度のバランスに優れた放射線画像変換パネルとその製造方法及びそれを用いた放射線画像撮影方法を提供することができた。
【出願人】 【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカ株式会社
【出願日】 平成13年3月21日(2001.3.21)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−277595(P2002−277595A)
【公開日】 平成14年9月25日(2002.9.25)
【出願番号】 特願2001−80366(P2001−80366)