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【発明の名称】 対数変換回路及び放射線画像読取装置
【発明者】 【氏名】崎野 和弘

【要約】 【課題】入出力の応答性を向上させ、また電源電圧の変動に対して安定性を向上させた対数変換回路を提供する。画像読み取りを迅速に行うことができ、また装置の電源電圧の変動の影響に対して画像読み取りの安定性を向上させた放射線画像読取装置を提供する。

【解決手段】この対数変換回路は、入力電流を比較的低電流域において直線的比例関係で変換して出力するとともに比較的高電流域において対数的比例関係で変換して出力し、後段側に直線的比例関係を対数的比例関係に変換する対数変換部16を備える。対数変換回路の入力電流が入力する第1の演算増幅器11と、第1の演算増幅器の入力部と出力部との間に設けられたトランジスタ13と、トランジスタと並列に接続された抵抗R2とにより、特に、入力電流が低電流域の場合に入出力の応答性が向上する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 入力電流を比較的低電流域において直線的比例関係で変換して出力するとともに比較的高電流域において対数的比例関係で変換して出力し、後段側に前記直線的比例関係を対数的比例関係に変換し補正する変換補正手段を備えることを特徴とする対数変換回路。
【請求項2】 前記入力電流が入力する第1の演算増幅器と、前記第1の演算増幅器の入力部と出力部との間に設けられたトランジスタと、前記トランジスタと並列に接続された抵抗と、を備える請求項1に記載の対数変換回路。
【請求項3】 アナログデジタル変換回路を含み、デジタル変換後のデジタル信号に基づいてルックアップテーブルにより比較的低電流域におけるデジタル値を直線的比例関係で変換する請求項1に記載の対数変換回路。
【請求項4】 アナログデジタル変換回路を含み、デジタル変換後のデジタル信号に基づいて中央演算装置により比較的低電流域におけるデジタル値を直線的比例関係で変換する請求項1に記載の対数変換回路。
【請求項5】 前記第1の演算増幅器の後段に直列に温度補償のために設けられたトランジスタを備え、前記トランジスタに定電流回路を接続し、電源電圧変動による出力変動を抑制する請求項2に記載の対数変換回路。
【請求項6】 前記第1の演算増幅器の入力部にバイアス電流を供給するバイアス回路を接続した請求項2または5に記載の対数変換回路。
【請求項7】 入力電流を比較的高電流域において対数的比例関係で電圧に変換して出力する対数変換回路であって、前記入力電流を比較的低電流域において直線的比例関係で電圧に変換して出力するリニア変換回路と、前記入力電流に基づいて前記リニア変換回路と前記対数変換回路とを切り替える切替手段と、を備えることを特徴とする対数変換回路。
【請求項8】 対数変換回路と、前記対数変換回路の前段に配置され入力電流を直線的比例関係で増幅するリニア増幅回路とを備え、増幅された電流を対数的比例関係で対数変換して出力することを特徴とする対数変換回路。
【請求項9】 前記リニア増幅回路は電流電圧変換回路と電圧電流変換回路とが直列に接続されて構成されている請求項8に記載の対数変換回路。
【請求項10】 入力電流を比較的低電流域において直線的比例関係で変換して出力するとともに比較的高電流域において対数的比例関係で変換して出力するように第1の演算増幅器を設け、その後段に温度補償のためにトランジスタを直列に接続し、前記トランジスタにバイアス電流を流すための定電流回路を接続し、電源電圧の変動による出力変動を抑制することを特徴とする対数変換回路。
【請求項11】 前記定電流回路は、定電圧源及び抵抗により、またはFETにより構成された請求項5または10に記載の対数変換回路。
【請求項12】 前記トランジスタの後段に比較的低電流域で前記直線的比例関係を対数的比例関係の特性に変換し補正する変換補正手段を備える請求項10または11に記載の対数変換回路。
【請求項13】 前記第1の演算増幅器の入力部に複数の校正用基準電流を流すための校正電流回路を設けた請求項2,4,5,6,10,11または12に記載の対数変換回路。
【請求項14】 前記入力電流が100nA〜1mAの範囲内である請求項1〜13のいずれか1項に記載の対数変換回路。
【請求項15】 放射線画像が記録された輝尽性蛍光体に対しレーザ光を照射して発生させた輝尽発光光を入射させて光電変換するフォトマルチプライヤと、前記フォトマルチプライヤからの電流を入力させる請求項1〜14のいずれか1項に記載の対数変換回路と、を備えることを特徴とする放射線画像読取装置。
【請求項16】 前記フォトマルチプライヤと前記対数変換回路との間に、前記フォトマルチプライヤの出力容量と組み合わせることによりローパスフィルタを構成する抵抗を配置した請求項15に記載の放射線画像読取装置。
【請求項17】 前記フォトマルチプライヤの出力コネクタピンが前記対数変換回路を実装したボードに直接取り付けられる請求項15または16に記載の放射線画像読取装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力電流を対数変換して出力する対数変換回路及びこの対数変換回路を備え放射線画像を読み取る放射線画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】X線画像等の放射線画像は、病気診断などに多く用いられており、このX線画像を得るために、X線照射部からの被写体を透過した放射線をシート状の輝尽性蛍光体に吸収させた後、この輝尽性蛍光体を例えばレーザ光で走査しながら励起することによりこの輝尽性蛍光体が上記吸収により蓄積している放射線エネルギ(放射線画像情報)を蛍光として発光せしめ、この蛍光を光電変換して放射線画像信号を得て放射線画像を読み取るようにした方法が公知である(米国特許3,859,527号及び特開昭55−12144号公報等参照)。かかるレーザ光の走査により輝尽性蛍光体シートから発生する蛍光を集光し、フォトマルチプライヤで光電変換し、この電気信号(入力電流)を対数変換回路で対数変換し、このアナログ信号から変換したデジタル信号に基づいて画像処理することにより放射射線画像を読み取る。
【0003】ところが、従来の対数変換回路によれば、入力電流の小さい低電流域で帯域が狭く制限され、入出力の応答性が低下し、画像読み取りを迅速に行うことができない場合があった。また、装置の電源電圧の変動の影響により対数変換回路の出力電圧が変動してしまい、画像読み取りの安定性に欠ける場合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来技術の問題点に鑑み、入出力の応答性を向上させ、また電源電圧の変動に対して安定性を向上させた対数変換回路を提供することを目的とする。また、画像読み取りを迅速に行うことができ、また装置の電源電圧の変動の影響に対して画像読み取りの安定性を向上させた放射線画像読取装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明による対数変換回路は、入力電流を比較的低電流域において直線的比例関係で変換して出力するとともに比較的高電流域において対数的比例関係で変換して出力し、後段側に前記直線的比例関係を対数的比例関係に補正し変換する変換補正手段を備えることを特徴とする。
【0006】この対数変換回路によれば、比較的低電流域の入力電流が入力した場合、直線的比例関係で変換して出力するから、入力電流の変化に対する出力の応答性が向上する。このような出力を変換手段に入力し対数変換することにより、入力電流の比較的低電流域に対応した帯域においても入力電流の変化に対する対数変換出力の応答性が向上する。
【0007】この場合、前記入力電流が入力する第1の演算増幅器と、前記第1の演算増幅器の入力部と出力部との間に設けられたトランジスタと、前記トランジスタと並列に接続された抵抗と、を備えることにより、比較的低電流域の入力電流が直線的比例関係で変換されて出力するようになる。
【0008】また、アナログデジタル変換回路を含み、デジタル変換後のデジタル信号に基づいてルックアップテーブルまたは中央演算装置により比較的低電流域におけるデジタル値を対数的比例関係で変換するようにできる。
【0009】また、前記第1の演算増幅器の後段に直列に温度補償のために設けられたトランジスタを備え、前記トランジスタに定電流回路を接続し、電源電圧変動による出力変動を抑制することができる。この定電流回路は、例えば定電圧源及び抵抗により、またはFETにより構成することができる。
【0010】また、前記第1の演算増幅器の入力部にバイアス電流を供給するバイアス回路を接続することにより、比較的低電流域における直線的比例特性を対数的比例特性に補正できる。
【0011】また、本発明による別の対数変換回路は、入力電流を比較的高電流域において対数的比例関係で電圧に変換して出力する対数変換回路であって、前記入力電流を比較的低電流域において直線的比例関係で電圧に変換して出力するリニア変換回路と、前記入力電流に基づいて前記リニア変換回路と前記対数変換回路とを切り替える切替手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】この対数変換回路によれば、入力電流に応じて対数変換回路とリニア変換回路とを切り替えることにより、比較的低電流域の入力電流が入力した場合、リニア変換回路により直線的比例関係で変換して出力するから、入力電流の変化に対する出力の応答性が対数変換回路と比較して向上する。
【0013】また、本発明による更に別の対数変換回路は、対数変換回路の前段に入力電流を直線的比例関係で増幅するリニア増幅回路を備え、増幅された電流を対数的比例関係で対数変換して出力することを特徴とする。
【0014】この対数変換回路によれば、入力電流をリニア(線形)増幅回路で低電流を高電流側にシフトさせることにより、応答性が低下する比較的低電流域をなくすことで、比較的低電流域でも入力電流の変化に対する出力の応答性が向上する。
【0015】この場合、前記リニア増幅回路は電流電圧変換回路と電圧電流変換回路とが直列に接続されて構成することができる。
【0016】また、本発明による更に別の対数変換回路は、入力電流を比較的低電流域において直線的比例関係で変換して出力するとともに比較的高電流域において対数的比例関係で変換して出力するように第1の演算増幅器を設け、その後段に温度補償のためにトランジスタを直列に接続し、前記トランジスタにバイアス電流を流すための定電流回路を接続し、電源電圧の変動による出力変動を抑制することを特徴とする。この場合、前記定電流回路は、定電圧源及び抵抗により、またはFETまたはトランジスタにより構成することができる。また、前記トランジスタの後段に比較的低電流域で前記直線的比例関係を対数的比例関係の特性に変換し補正する変換補正手段を備えることにより、入力電流の変化に対する出力の応答性が向上し、対数変換出力の応答性が向上する。
【0017】また、上述の対数変換回路において、前記第1の演算増幅器の入力部に複数の校正用基準電流を流すための校正電流回路を設けることにより、対数変換の傾きを補正し校正する手段を持つ回路において、一つの基準電圧源で複数の基準電流を生成することができ、且つ、電源電圧変動による影響をなくし、安定した傾きの補正・校正ができる。
【0018】また、上述の対数変換回路において前記入力電流を100nA〜1mAの範囲内で使用する場合に、例えば応答性が低下する入力電流が1μA以下のような低電流域で直線的比例関係で変換させて使用できるが、このためにトランジスタと並列の抵抗値を1MΩ程度にすることが好ましい。また、上述の切替手段は入力電流1μAでリニア変換回路と対数変換回路とを切り替えることが好ましい。
【0019】また、本発明による放射線画像読取装置は、放射線画像が記録された輝尽性蛍光体に対しレーザ光等の励起光を照射して発生させた輝尽発光光を入射させて光電変換するフォトマルチプライヤと、前記フォトマルチプライヤからの電流を入力させる上述の対数変換回路と、を備えることを特徴とする。
【0020】この放射線画像読取装置によれば、フォトマルチプライヤから対数変換回路に入力する入力電流が例えば1μA以下の低電流の場合でも、その対数変換回路からの出力の応答性が向上するので、画像読み取りを迅速に行うことができる。また、定電流回路により電源電圧の変動による対数変換回路からの出力変動を抑制するので、装置の電源電圧の変動の影響に対して画像読み取りの安定性を向上させることができる。
【0021】また、前記フォトマルチプライヤと前記対数変換回路との間に、前記フォトマルチプライヤの出力容量と組み合わせることによりローパスフィルタを構成する抵抗を配置することで、対数変換回路の発振を防止でき、画像読み取りの安定性を向上させることができる。
【0022】また、前記フォトマルチプライヤの出力コネクタピンを前記対数変換回路を実装したボードに直接取り付けることにより、対数変換回路をフォトマルチプライヤの出力コネクタに近接して配置できるので、ノイズの影響を小さく抑え、ノイズ低減により読み取り画像の高画質化、画質の向上及び読み取りの安定性の向上に寄与できる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明による実施の形態について図面を用いて説明する。図1は本発明の実施の形態による対数変換回路の回路図である。この対数変換回路は放射線画像読取装置のフォトマルチプライヤ(PMT)1からの電流が入力する。
【0024】図1の対数変換回路は、PMT1からの電流が抵抗R1を介して入力する入力部11aを有する第1の演算増幅器11と、後段に設けられた第2の演算増幅器12と、第1の演算増幅器11と第2の演算増幅器12との間に直列に接続された第1のトランジスタ13及び第2のトランジスタ14と、第2のトランジスタ14のバイアス電流部14aに接続された定電流源15と、第2の演算増幅器12の出力部12bに接続された変換補正部16とを備える。
【0025】図1に示すように、第1の演算増幅器11の入力部11aに第1のトランジスタ13のエミッタが接続され、第1のトランジスタ13のコレクタとベースが第1の演算増幅器11の出力部11aと第2のトランジスタ14のコレクタとベースに接続されている。第1のトランジスタ13のエミッタとコレクタとの間に抵抗R2が接続されている。これらの第1の演算増幅器11、第1及び第2のトランジスタ13,14及び抵抗R2により、比較的低電流域の入力電流をリニア(直線的比例関係)に変換して出力し比較的高電流域で対数変換(対数的比例関係で変換)して出力する対数変換部を構成している。
【0026】また、第2のトランジスタ14のエミッタが第2の演算増幅器12の入力部12aに接続され、第2のトランジスタ14で第1のトランジスタ13の温度補償を行う回路を構成すると共に、第2の演算増幅器12により前段の対数変換部の入出力の傾きの温度補償回路を構成している。
【0027】また、第1の演算増幅器11の入力部11aには変換補正部16の代わりにバイアス回路17を接続することで、低電流域の直線的比例関係を対数的比例関係に変換し補正することを実現する。このバイアス回路17の回路例を図11に示す。図11の回路は、基準定電圧源55と抵抗R5とにより一定のバイアス電流I2を得ている。なお、後述の図2と同様の回路によってバイアス電流を得るようにしてもよい。このバイアス電流I2を図1の演算増幅器11の入力部11aに供給することにより、低電流域の直線的比例関係を対数的比例関係に補正できる。
【0028】図2(a)、(b)、(c)に図1の定電流源15の具体例を示す。図2(a)の例は、FET21と抵抗R3とにより構成したものである。図2(b)の例は定電圧源22と抵抗R4とにより構成したものである。図2(c)はトランジスタ15aとツェナーダイオード15bとにより構成したものである。このように構成される定電流源15は、前段のトランジスタ13の温度補償をトランジスタ14で行うとともに、定電流源15により装置の電源電圧が変動しても第2の演算増幅器12からの出力の変動を防止する。
【0029】図1の対数変換回路の動作について説明する。図3は図1の対数変換回路における入力電流と出力との関係を概略的に示す図であり(横軸は対数目盛りで表した入力電流である)、図4は第1の演算増幅器11の入力部11aと第1のトランジスタ13との間に流れる電流I1と比(V1/I1)との関係を示す図である(但し、電圧V1は抵抗R2の両端の電圧であり、図の横軸は電流I1であるが、電流I1は右側ほど小さい)。
【0030】PMT1からの入力電流は抵抗R1を介して第1の演算増幅器11の入力部11aに入力し、第2のトランジスタ14のエミッタから電圧が対数変換されて出力するが、このとき、第1のトランジスタ13のエミッタとコレクタとの間に設けた抵抗R2により、入力電流が図3のカーブbのように100nA〜1μAの低電流域でリニアに変換されて電圧が出力する。これは、図4に示すように、演算増幅器11の入力部11aと第1のトランジスタ13との間に流れる電流I1が例えばポイントAの電流値i以下では抵抗R2の両端の電圧V1と電流I1との比V1/I1がほぼ一定となり、V1/I1=K(K:定数)からV1=K・I1となり、電圧V1は電流I1に対しほぼ直線的比例関係(リニア)に変化するからである。なお、抵抗R2の抵抗値を調整することによりポイントAの電流値iを変えることができる。
【0031】また、入力電流が約1μA以上の高電流域になると、図3のカーブaのようにログ変換されて電圧が出力する。
【0032】上述のように、入力電流が100nA〜1μAの低電流域でリニアに変換されて電圧が出力することにより、図3のV1/I1が一定のゲインになるため、従来のように低電流域でゲインが増加し出力帯域が減少するのを防ぎ、入力電流が低い領域でも応答性が維持できるため、出力の応答性が向上する。
【0033】以上のように、比較的低電流域の入力電流をリニアに変換して出力し比較的高電流域で対数変換して出力する出力電圧を第2の演算増幅器12を介して変換補正部16に入力し、変換補正部16から低電流域の入力電圧を対数変換した電圧を出力させることにより、最終的に対数変換された電圧を出力でき、入力電流が比較的低電流域に対応した帯域においても入力電流が低い領域でも応答性が維持できるため、出力の応答性が向上する。
【0034】次に、図5により本発明の実施の形態による別の対数変換回路について説明する。図5の対数変換回路は、入力電流に応じてログアンプ(対数変換部)21とリニアアンプ22とをスイッチ24,25により切り替えるようにしたものである。
【0035】図に示すように、PMT1からの入力電流が抵抗1を介して入力する入力切替用アナログスイッチ24と、演算増幅器とトランジスタ等から構成されたログアンプ21と、演算増幅器等から構成されたリニアアンプ22と、ログアンプ21の後段に配置された温度補償のための演算増幅器23と、ログアンプ21とリニアアンプ22とからの各出力を切り替える出力切替用アナログスイッチ25と、出力切替スイッチ25で切り替えられた出力が入力する対数変換補正部26と、PMT1からの入力電流をモニタして所定の電流値(例えば1μA)を基準にしてスイッチ24,25を切り替えるように制御するモニタ部27とを備える。
【0036】図5の対数変換回路によれば、入力電流が、例えば1μA以上であると、モニタ部27の制御によりスイッチ24,25が切り替わり、ログアンプ21に入力し、その出力が変換補正部26に入力する。また、入力電流が1μA以下になると、モニタ部27の制御によりスイッチ24,25が切り替わり、リニアアンプ22に入力し、その出力が変換補正部26に入力することにより、入力電流が100nA〜1μAのような低電流域でリニアに変換された電圧が出力するので、出力帯域が拡がり、入力電流の変化に対する出力の応答性が向上する。
【0037】次に、図6,図7により本実施の形態による変換補正部について説明する。図6の対数変換補正回路は、PMT1からの入力電流を低電流リニア、高電流ログ変換したアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路32と、A/D変換回路32からのデジタル信号に基づいて比較的低電流域(例えば1μA以下)における直線的比例関係に変換されたデジタル値を対数的比例関係になるように変換するルックアップテーブル33とを備える。ログアンプ31は例えば図1及び図5のログアンプ21と同様に構成できる。上記のようにを組み合わせることにより、低電流から高電流まで応答性を向上させた対数変換補正回路が実現できる。
【0038】また、図7のように、図6のルックアップテーブル33の代わりに、A/D変換回路32からのデジタル信号に基づいて比較的低電流域(例えば1μA以下)における直線的比例関係に変換されたデジタル値を対数的比例関係になるように変換するCPU(中央演算装置)34を用いて同様の効果を得ることができる。
【0039】次に、図8,図9により本発明の実施の形態による更に別の対数変換回路について説明する。図8の対数変換回路は、PMT1からの入力電流を増幅する電流増幅回路41と、電流増幅回路41からの増幅された電流をログ変換するログアンプ42とを備える。電流増幅回路41で入力電流を増幅して比較的大きい電流にシフトしてからログ変換するので、応答性が低下する低電流での対数変換をせずにすむため応答性が向上する。
【0040】また、図9のように、図8の電流増幅回路41は、電流電圧変換回路43と後段に直列に接続された電圧電流変換回路44との組み合わせにより構成できる。なお、ログアンプ42は例えば図1のログアンプでR1、R2、定電流源17を除いた構成とすることができる。
【0041】次に、図10により校正電流回路について説明する。図10の校正電流回路は、基準定電圧源51と、この定電圧源51に並列に接続された可変抵抗器VR1,VR2と、可変抵抗器VR1とVR2とを例えば図1,図5,図6〜図9の対数変換回路の入力部に対して切り替えるスイッチ52とを備える。
【0042】図10の校正電流回路によれば、定電圧源51から可変抵抗器VR1,VR2に流れる電流を可変抵抗器VR1,VR2でそれぞれ調整して異なる基準電流1,2としてスイッチ52で切り替えて例えば図1の演算増幅器11の入力部11aに流すことにより、単一の定電圧源51で異なる基準電流1,2により対数変換回路の入出力の傾きを校正する手段を実現することができる。なお、図10で、可変抵抗器及びスイッチの接点を増やし、異なる3以上の基準電流で校正できるようにしてもよい。
【0043】以上、説明したように各対数変換回路は、その入力電流としてフォトマルチプライヤ(PMT)1で光電変換した電気信号を入力するように用いることができるが、フォトマルチプライヤ(PMT)1を備えた放射線画像読取装置について図12、図14により説明する。図12は放射線画像読取装置の走査光学部と集光読取部と変換部とを示す図であり、図14は放射線画像読取装置の全体を示すブロック図である。
【0044】図14に示すように、放射線画像読取装置50はリーダ部53とコントローラ72とを備える。リーダ部53は、放射線を照射するとこの放射線エネルギーの一部が蓄積され、その後、可視光やレーザ光等の励起光を照射すると蓄積された放射線エネルギーに応じて輝尽発光を示す輝尽性蛍光体を利用して、支持体上に蓄積性蛍光体を積層してなるシート状の輝尽性蛍光体シート2に、制御部62で制御されるX線照射部61から照射されたX線による人体等の被写体Mの放射線画像情報を一旦蓄積記録したものに、走査光学部4からレーザ光を走査して順次輝尽発光させ、この輝尽発光光をフォトマルチプライヤ1で光電的に順次読み取って画像信号を得るものである。そして、リーダ部53は、この画像信号読取り後の輝尽性蛍光体シート2にハロゲンランプ6から消去光を照射して、このシートに残留する放射線エネルギーを放出させ、次の撮影に備える。
【0045】このリーダ部53は、被検体の放射線画像情報を輝尽性蛍光体シート2と、輝尽性蛍光体シート2に対する励起光としてのレーザ光を発生するレーザダイオード等からなるレーザ光源部56と、レーザ光源部56を駆動するためのレーザ駆動回路85と、レーザ光源部56からのレーザ光を輝尽性蛍光体シート2上に走査させるための光学系57と、励起レーザ光により励起された輝尽発光を集光し、光電変換し、画像信号を得る集光読取部59とを有する。集光読取部59は、励起レーザ光により励起された輝尽発光を集光する光ガイド3と、光ガイド3により集光された光を光電変換するフォトマルチプライヤ(光電子増倍管)1と、フォトマルチプライヤ1に電圧を加える高圧電源10aと、フォトマルチプライヤ1からの電流信号を、電流電圧変換・電圧増幅・A/D変換などにより、デジタル信号に変換する変換部81と、この変換部により変換されたデジタル信号を補正する補正部82と、この補正部82で補正されたデジタル信号を送信する画像送信部83とを有し、読み取った放射線画像情報のデジタル信号をコントローラ72に送信する。なお、補正部82は、RISCプロセッサで構成され、デジタル信号の応答遅れやムラなどを補正する。また、変換部82は、図12のように、対数変換回路8(例えば図1の対数変換回路)及びA/D変換回路9を有する。
【0046】リーダ部53は、更に、画像信号読取後の輝尽性蛍光体シートに残留する放射線エネルギーを放出させるために、消去光を照射するハロゲンランプ6と、このハロゲンランプ6を駆動するドライバ45とを有する。また、リーダ部53は、レーザ駆動回路5、高圧電源10a、変換部81、補正部82、画像送信部83、及びドライバ45をそれぞれ制御する制御部47を有する。また、リーダ部53のレーザ光源部56と光学系57とを含む走査光学部4、光ガイド3、フォトマルチプライヤ1及びハロゲンランプ6は、図示しない副走査ユニットとして一体的に、ボールねじ機構により、レーザ走査方向と垂直な副走査方向に移動する。この副走査ユニットは、画像読取時に、移動することにより副走査し、復動する間に、ハロゲンランプ6が発光することにより残像を消去する。
【0047】コントローラ72は、パソコン本体部65と、キーボード66と、モニタ表示部67とを有し、リーダ部53から受信した放射線画像情報のデジタル信号を一旦、メモリ上に記憶し、画像処理し、キーボード66からの操作入力に応じて、モニタ表示部67への表示と画像処理を制御し、画像処理された放射線画像情報を出力する。
【0048】図12に示すように、放射線画像読取装置は、走査光学部4からのレーザ光4aが、被写体に放射線照射して放射線画像の記録された輝尽性蛍光体プレート2を図の紙面垂直方向に主走査しながら図の上下方向に副走査すると、輝尽性蛍光体プレート2から輝尽性発光光2aが発生し、その光2aがフィルタ7,光ガイド3を介してフォトマルチプライヤ1の光電面5に入射し、フォトマルチプライヤ1で光電変換される。この電気信号が対数変換回路8(例えば図1の対数変換回路)に入力電流として入力して電圧に対数変換され、更にA/D変換回路9でデジタル変換され、このデジタル信号に基づいて図14のコントローラ72のパソコン本体部65に設けられた画像処理部10で画像処理し、放射射線画像を読み取る。この読み取り後に、次の放射線画像記録に支障がないように輝尽性蛍光体プレート2に対し消去ランプ6から消去光を照射することによって輝尽性蛍光体プレート2の残像を消去する。
【0049】以上のように、フォトマルチプライヤ1で光電変換された電気信号が例えば図1の対数変換回路に入力電流として入力したとき、上述のように、1μA程度以下の低電流域でも、その入力電流に対する出力電圧の応答性が向上するので、画像読み取りを迅速に行うことができる。また、図1の定電流源15により放射線画像読取装置の電源電圧が変動しても対数変換回路からの出力の変動を防止する。このため、電源電圧が変動したときでも画像読み取りを安定して行うことができる。
【0050】また、図1に示すように、フォトマルチプライヤ1と演算増幅器11の入力部11aとの間に設けられた抵抗R1は、フォトマルチプライヤ1の出力容量と組み合わされてローパスフィルタを構成するため、対数変換回路の発振防止に効果的となり、放射線画像読取装置における画像読み取りの安定性を向上させることができる。
【0051】次に、図13により、図12のような放射線画像読取装置におけるフォトマルチプライヤ1の回路基板への取付構造について説明する。図13のように、フォトマルチプライヤ1は光電変換された電気信号が出力するの出力コネクタピン1aを備えており、回路基板55には上述の対数変換回路等を実装している。回路基板55に出力コネクタピン1aを直接取り付けるコネクタ構造またはコネクタを回路基板55に取り付けることにより、対数変換回路をフォトマルチプライヤ1の出力コネクタに近接して配置できるので、外部ノイズを低減でき、このノイズ低減により読み取り画像の高画質化、画質の向上及び読み取りの安定性の向上に寄与できる。
【0052】以上のように本発明を実施の形態により説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、本発明の対数変換回路は放射線画像読取装置のみならず、他の装置に適用してもよいことは勿論である。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、入出力の応答性を向上させ、また電源電圧の変動に対して安定性を向上させた対数変換回路を提供できる。
【0054】また、画像読み取りを迅速に行うことができ、また装置の電源電圧の変動の影響に対して画像読み取りの安定性を向上させた放射線画像読取装置を提供できる。
【出願人】 【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカ株式会社
【出願日】 平成13年3月21日(2001.3.21)
【代理人】 【識別番号】100107272
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 敬二郎 (外1名)
【公開番号】 特開2002−277593(P2002−277593A)
【公開日】 平成14年9月25日(2002.9.25)
【出願番号】 特願2001−80165(P2001−80165)