| 【発明の名称】 |
放射線画像変換パネルおよび放射線画像変換パネルの製造方法および放射線画像撮影方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】柳多 貴文
【氏名】岸波 勝也
【氏名】高嶋 伸彦
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| 【要約】 |
【課題】本発明の目的は、圧縮処理によって、輝尽性蛍光体粒子の充填率を上げ、輝尽性蛍光体を用いた放射線画像記録再生システムの鮮鋭度を向上させる方法に関するものである。
【解決手段】支持体上に少なくとも高分子樹脂中に輝尽性蛍光体粒子を分散含有する輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネルにおいて、該輝尽性蛍光体層がアスペクト比2以上の蛍光体粒子を含有し、かつ該輝尽性蛍光体層が圧縮処理され、輝尽性蛍光体粒子の充填率が60%以上とされたことを特徴とする放射線画像変換パネル。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 支持体上に少なくとも高分子樹脂中に輝尽性蛍光体粒子を分散含有する輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネルにおいて、該輝尽性蛍光体層がアスペクト比2以上の蛍光体粒子を含有し、かつ該輝尽性蛍光体層が圧縮処理され、輝尽性蛍光体粒子の充填率が60%以上とされたことを特徴とする放射線画像変換パネル。 【請求項2】 支持体上に、高分子樹脂中にアスペクト比2以上の輝尽性蛍光体粒子を分散含有する輝尽性蛍光体層を塗設した後、該輝尽性蛍光体層を圧縮処理することにより、輝尽性蛍光体粒子の充填率を60%以上とすることを特徴とする放射線画像変換パネルの製造方法。 【請求項3】 圧縮処理をカレンダーロールにより4.9×102〜3.92×103N/cmの圧力で行うことを特徴とする請求項2に記載の放射線画像変換パネルの製造方法。 【請求項4】 アスペクト比2以上の輝尽性蛍光体粒子を輝尽性蛍光体層に含まれる全輝尽性蛍光体粒子の50質量%以上含有することを特徴とする請求項1に記載の放射線画像変換パネル。 【請求項5】 請求項1又は4に記載の放射線画像変換パネルに支持体側から蛍光体層にX線を照射し、かつ、読みとりのレーザ走査を輝尽性蛍光体層側から行うことを特徴とする放射線画像撮影方法。 【請求項6】 輝尽性蛍光体がEu付活BaFIであることを特徴とする請求項1又は4に記載の放射線画像変換パネル。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は輝尽性蛍光体を用いた放射線画像変換パネルに関するものであり、さらに詳しくは鮮鋭度の優れた放射線画像変換パネルに関するものである。 【0002】 【従来の技術】X線画像のような放射線画像は病気診断用などに多く用いられている。このX線画像を得るために被写体を通過したX線を蛍光体層(蛍光スクリーン)に照射し、これにより可視光を生じさせてこの可視光を通常の写真をとるときと同じように銀塩を使用したフィルムに照射して現像した、いわゆる放射線写真が利用されている。しかし近年銀塩を塗布したフィルムを使用しないで蛍光体層から直接画像を取り出す方法が工夫されるようになった。 【0003】この方法としては被写体を透過した放射線を蛍光体に吸収せしめ、しかる後この蛍光体を例えば光又は熱エネルギーで励起することによりこの蛍光体が上記吸収により蓄積している放射線エネルギーを蛍光として放射せしめ、この蛍光を検出し画像化する方法がある。 【0004】具体的には、例えば米国特許3,859,527号及び特開昭55−12144号公報などに記載されているような輝尽性蛍光体を用いる放射線画像変換方法が知られている。 【0005】この方法は輝尽性蛍光体を含有する放射線画像変換パネルを使用するもので、この放射線画像変換パネルの輝尽性蛍光体層に被写体を透過した放射線を当てて被写体各部の放射線透過密度に対応する放射線エネルギーを蓄積させて、その後に輝尽性蛍光体を可視光線、赤外線などの電磁波(励起光)で時系列的に励起することにより、該輝尽性蛍光体中に蓄積されている放射線エネルギーを輝尽発光として放出させ、この光の強弱による信号をたとえば光電変換し、電気信号を得て、この信号を感光フィルムなどの記録材料、CRTなどの表示装置上に可視像として再生するものである。 【0006】上記の放射線画像記録再生方法によれば、従来の放射線写真フィルムと増感紙との組合せを用いる放射線写真法による場合に比較して、はるかに少ない被曝線量で情報量の豊富な放射線画像を得ることができるという利点がある。 【0007】このように輝尽性蛍光体は、放射線を照射した後、励起光を照射すると輝尽発光を示す蛍光体であるが、実用上では、波長が400〜900nmの範囲にある励起光によって300〜500nmの波長範囲の輝尽発光を示す蛍光体が一般的に利用される。 【0008】従来より放射線画像変換パネルに用いられてきた輝尽性蛍光体の例としては下記のものが一例として挙げられる。 【0009】(1)特開昭55−12145号公報に記載されている(Ba1-x,M(II)x)FX:yA(ただし、M(II)はMg、Ca、Sr、ZnおよびCdのうちの少なくとも一つ、XはCl、Br、およびIのうち少なくとも一つ、AはEu、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、およびErのうちの少なくとも一つ、そしてxは、0≦x≦0.6、yは、0≦y≦0.2である)の組成式で表される希土類元素付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物蛍光体;また、この蛍光体には以下のような添加物が含まれていてもよい:特開昭56−74175号公報に記載されている、X′、BeX″、M(III)X′″3(ただし、X′、X″、およびX′″はそれぞれCl、BrおよびIのうち少なくとも一種であり、M(III)は三価金属である);特開昭55−160078号公報に記載されているBeO、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、Al2O3、Y2O3、La2O3、In2O3、SiO2、TiO2、ZrO2、GeO2、SnO2、Nb2O5、Ta2O5およびThO2などの金属酸化物;特開昭56−116777号公報に記載されているZr、Sc;特開昭57−23673号公報に記載されているB;特開昭57−23675号公報に記載されているAs、Si;特開昭58−206678号公報に記載されているM・L(ただし、MはLi、Na、K、Rb、およびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、LはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga、In、およびTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属である);特開昭59−27980号公報に記載されているテトラフルオロホウ酸化合物の焼成物;特開昭59−27289号公報に記載されているヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロチタン酸およびヘキサフルオロジルコニウム酸の一価もしくは二価金属の塩の焼成物;特開昭59−56479号公報に記載されているNaX′(ただし、X′はCl、BrおよびIのうちの少なくとも一種である);特開昭59−56480号公報に記載されているV、Cr、Mn、Fe、CoおよびNiなどの遷移金属;特開昭59−75200号公報に記載されているM(I)X′、M(II)X″2、M(III)X′″3、A(ただし、M(I)はLi、Na、K、Rb、およびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、M(II)はBeおよびMgからなる群より選ばれる少なくとも一種の二価金属であり、M(III)はAl、Ga、In、およびTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であり、Aは金属酸化物であり、X′、X″、およびX′″はそれぞれF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである);特開昭60−101173号公報に記載されているM(I)X′(ただし、M(I)はRbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、X′はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである);特開昭61−23679号公報に記載されているM(II)′X′2・M(II)′X″2(ただし、M(II)′はBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり、X′およびX″はそれぞれCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであって、かつX′≠X″である);および特開昭61−264084号明細書に記載されているLnX″3(ただし、LnはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり、X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである); (2)特開昭60−84381号公報に記載されているM(II)X2・aM(II)X′2:xEu2+(ただし、M(II)はBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり、XおよびX′はCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであって、かつX≠X′であり、そしてaは0.1≦a≦10.0、xは0<x≦0.2である)の組成式で表される二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属ハロゲン化物蛍光体;また、この蛍光体には以下のような添加物が含まれていてもよい;特開昭60−166379号公報に記載されているM(I)X′(ただし、M(I)はRbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;X′はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである);特開昭60−221483号公報に記載されているKX″、MgX′″2、M(III)X″″3(ただし、M(III)はSc、Y、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であり;X″、X′″およびX″″はいずれもF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである);特開昭60−228592号公報に記載されているB;特開昭60−228593号公報に記載されているSiO2、P2O5等の酸化物;特開昭61−120882号公報に記載されているLiX″、NaX″(ただし、X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである);特開昭61−120883号公報に記載されているSiO;特開昭61−120885号公報に記載されているSnX″2(ただし、X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである);特開昭61−235486号公報に記載されているCsX″、SnX′″2(ただし、X″およびX′″はそれぞれF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである);および特開昭61−235487号公報に記載されているCsX″、Ln3+(ただし、X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;LnはSc、Y、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素である); (3)特開昭55−12144号公報に記載されているLnOX:xA(ただし、LnはLa、Y、Gd、およびLuのうち少なくとも一つ、XはCl、Br、およびIのうち少なくとも一つ、AはCeおよびTbのうち少なくとも一つ、そして、xは、0<x<0.1である)の組成式で表される希土類元素付活希土類オキシハライド蛍光体; (4)特開昭58−69281号公報に記載されているM(II)OX:xCe(ただし、M(II)はPr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の酸化金属であり、XはCl、Br、およびIのうち少なくとも一つであり、xは0<x<0.1である)の組成式で表されるセリウム付活三価金属オキシハライド蛍光体; (5)特開昭62−25189号明細書に記載されているM(I)X:xBi(ただし、M(I)はRbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてxは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表されるビスマス付活アルカリ金属ハロゲン化物蛍光体; (6)特開昭60−141783号公報に記載されているM(II)5(PO4)3X:xEu2+(ただし、M(II)はCa、SrおよびBaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり、XはF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属ハロリン酸塩蛍光体; (7)特開昭60−157099号公報に記載されているM(II)2BO3X:xEu2+(ただし、M(II)はCa、SrおよびBaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり、XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属ハロホウ酸塩蛍光体; (8)特開昭60−157100号公報に記載されているM(II)2(PO4)X:xEu2+(ただし、M(II)はCa、SrおよびBaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり、XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属ハロリン酸塩蛍光体; (9)特開昭60−217354号公報に記載されているM(II)HX:xEu2+(ただし、M(II)はCa、SrおよびBaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり、XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属水素化ハロゲン化物蛍光体; (10)特開昭61−21173号公報に記載されているLnX3・aLn′X′3:xCe3+(ただし、LnおよびLn′はそれぞれY、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり、XおよびX′はそれぞれF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであって、かつX≠X′であり、そしてaは0.1<a≦10.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表されるセリウム付活希土類複合ハロゲン化物蛍光体; (11)特開昭61−21182号公報に記載されているLnX3・aM(I)X′:xCe3+(ただし、LnはY、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり、M(I)はLi、Na、K、CsおよびRbからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、XおよびX′はそれぞれCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてaは0<a≦10.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表されるセリウム付活希土類複合ハロゲン化物系蛍光体; (12)特開昭61−40390号公報に記載されているLnPO4・aLnX3:xCe3+(ただし、LnはY、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり、XはF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてaは0.1≦a≦10.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表されるセリウム付活希土類ハロ燐酸塩蛍光体; (13)特開昭61−236888号明細書に記載されているCsX:aRbX′:xEu2+(ただし、XおよびX′はそれぞれCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてaは0<a≦10.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロピウム付活ハロゲン化セシウム・ルビジウム蛍光体; (14)特開昭61−236890号明細書に記載されているM(II)X2・aM(I)X′:xEu2+(ただし、M(II)はBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり、M(I)はLi、RbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、XおよびX′はそれぞれCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてaは0.1≦a≦20.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロピウム付活複合ハロゲン化物蛍光体;等を挙げることができる。 【0010】上記の輝尽性蛍光体のうちで、ヨウ素を含有する二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体、ヨウ素を含有する二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体、ヨウ素を含有する希土類元素付活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体、およびヨウ素を含有するビスマス付活アルカリ金属ハロゲン化物系蛍光体は高輝度の輝尽発光を示す。なかでも二価ユーロピウム付活ヨウ化フッ化バリウム系蛍光体がX線吸収が大きいことから好ましい。 【0011】これらの輝尽性蛍光体を使用した放射線画像変換パネルは、放射線画像情報を蓄積した後、励起光の走査によって蓄積エネルギーを放出するので、走査後に再度放射線画像の蓄積を行うことができ繰り返し使用が可能である。つまり従来の放射線写真法では一回の撮影ごとに放射線写真フィルムを消費するのに対して、この放射線画像変換方法では放射線画像変換パネルを繰り返し使用するので、資源保護、経済効率の面からも有利である。 【0012】これらの輝尽性蛍光体(以後単に蛍光体ともいう)を用いた放射線画像記録再生方法は、従来の放射線写真フィルムと増感紙と比較して、被曝線量が少なく豊富な情報量の放射線画像を得ることができるが、感度を上げると鮮鋭性等が劣化するというトレードオフについては放射線写真フィルムと共通であり、高い感度を維持しつつ画質のさらなる向上を達成する為に蛍光体パネルの構成やパネルを用いた種々の方法がこれまで提案されている。 【0013】その中でも、特公平3−14158号においては輝尽性蛍光体層の空隙率を下げたパネルが紹介されており、その製造方法として圧縮による空隙率の低減が記載されている。しかし、ただ単に圧縮するだけであると輝尽性蛍光体の形状によってはほとんど効果が得られないという問題があった。 【0014】 【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的は、圧縮処理によって、輝尽性蛍光体粒子の充填率を上げ、輝尽性蛍光体を用いた放射線画像記録再生システムの鮮鋭度を向上させる方法に関するものである。 【0015】 【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は以下の手段により達成される。 【0016】1.支持体上に少なくとも高分子樹脂中に輝尽性蛍光体粒子を分散含有する輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネルにおいて、該輝尽性蛍光体層がアスペクト比2以上の蛍光体粒子を含有し、かつ該輝尽性蛍光体層が圧縮処理され、輝尽性蛍光体粒子の充填率が60%以上とされたことを特徴とする放射線画像変換パネル。 【0017】2.支持体上に、高分子樹脂中にアスペクト比2以上の輝尽性蛍光体粒子を分散含有する輝尽性蛍光体層を塗設した後、該輝尽性蛍光体層を圧縮処理することにより、輝尽性蛍光体粒子の充填率を60%以上とすることを特徴とする放射線画像変換パネルの製造方法。 【0018】3.圧縮処理をカレンダーロールにより4.9×102〜3.92×103N/cmの圧力で行うことを特徴とする前記2に記載の放射線画像変換パネルの製造方法。 【0019】4.アスペクト比2以上の輝尽性蛍光体粒子を輝尽性蛍光体層に含まれる全輝尽性蛍光体粒子の50質量%以上含有することを特徴とする前記1に記載の放射線画像変換パネル。 【0020】5.前記1又は4に記載の放射線画像変換パネルに支持体側から蛍光体層にX線を照射し、かつ、読みとりのレーザ走査を輝尽性蛍光体層側から行うことを特徴とする放射線画像撮影方法。 【0021】6.輝尽性蛍光体がEu付活BaFIであることを特徴とする前記1又は4に記載の放射線画像変換パネル。 【0022】前記の、ただ単に圧縮するだけであると輝尽性蛍光体の形状によってはほとんど効果が得られないという問題に対し、我々は種々検討を行った結果、パネルに使用する輝尽性蛍光体の粒子形状をアスペクト比2以上とすることによって鮮鋭度が格段に向上することを見いだした。 【0023】これは、アスペクト比2以下の粒子においては圧縮処理による空隙率の低減(又は充填率の向上)が少ない為と考えられる。 【0024】これらアスペクト比2以上の輝尽性蛍光体は輝尽性蛍光体層中に用いられる全輝尽性蛍光体の50%以上使用することが望ましく、より好ましくは80%以上であり、それにより充填率の向上が大きくなり、従って輝尽性蛍光体を用いた放射線画像変換パネルを用いたシステムの鮮鋭度が増す。 【0025】本発明に用いられる輝尽性蛍光体としては、上記の輝尽性蛍光体のうちで、ヨウ素を含有する二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体、ヨウ素を含有する二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体、ヨウ素を含有する希土類元素付活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体、およびヨウ素を含有するビスマス付活アルカリ金属ハロゲン化物系蛍光体が、高輝度の輝尽発光を示す点で好ましいが、なかでも、高輝度の輝尽発光を示す観点から、請求項6に係るヨウ素を含有する二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体が特に好ましく用いられる。 【0026】これら好ましく用いられる輝尽性蛍光体は、特開平10−195431号、同10−239496号、同10−239497号等に記載された一般式(1)で表される蛍光体、又は、特開平11−106748号に記載された一般式(2)で表される蛍光体である。 【0027】一般式(1) Ba1-xM2xF1-aI1+a:yM1,zLn式中、M2はSr又はCa、M1はLi、Na、K、Rb又はCs、LnはCe、Pr、Sm、Eu、Gd、Tb、Tm又はYb、そして0≦x≦0.5、0≦y≦0.05、及び0<z≦0.2、−0.5≦a≦0.5を表す。 【0028】一般式(2) Ba1-xCaxFBr1-yIy:aM1,bM,cA式中、M1はCe、Pr、Sm、Eu、Gd、Tb、Tm又はYb、MはLi、Na、K、Rb又はCs、AはAl2O3又はSiO2、x、y、a、b及びcは、それぞれ0<x≦0.03、0<y≦0.30、0.0001≦a≦0.01、0<b≦0.05、0<e≦0.05を表す。 【0029】これらの輝尽性蛍光体の製造方法は前記特開平10−195431号、同10−239496号、同10−239497号等に詳しく記載されているが、特に好ましいのは、一般式(1)で表される二価ユウロピウム付活アルカリ土類金属弗化ヨウ化物系蛍光体(Eu付活BaFI蛍光体)である。。 【0030】一般式(1)で表される輝尽性蛍光体の製造は、粒子形状の制御の容易な液相法による液相合成法が好ましい。尚、付活剤を結晶内に均一に含有させるにも液相法が有利である。以下に一般式(1)で表される蛍光体の製造方法の例を示す。 【0031】(製造法1) a)BaI2とLnのハロゲン化物を含み、上記一般式(1)においてxが0でない場合には更にM2のハロゲン化物を、yが0でない場合には更にM1のハロゲン化物を含み、それらが溶解した後BaI2濃度が2モル/L以上、好ましくは2.7モル/L以上の水溶液を調整する工程、b)上記水溶液を50℃以上、好ましくは80℃以上の温度に維持しながら、これに濃度5モル/L以上、好ましくは8モル/L以上の無機弗化物(弗化アンモニウム若しくはアルカリ金属の弗化物)の水溶液を添加して輝尽性蛍光体の前駆体結晶の沈殿物を得る工程、c)上記前駆体結晶沈殿物を水溶液から分離する工程、及びd)分離した前駆体結晶沈殿物を焼結を避けながら焼成する工程を含む製造方法である。 【0032】蛍光体前駆体結晶は乾燥した後、にアルミナ微粉末、シリカ微粉末等の焼結防止剤を添加混合し、結晶表面に焼結防止剤微粉末を均一に付着させることが好ましい。尚、焼成条件を選ぶことによって焼結防止剤を用いないこともできる。 【0033】次いで蛍光体の前駆体結晶を、石英ボート、アルミナ坩堝、石英坩堝等の耐熱性容器に充填し、電気炉の炉心に入れて焼結を避けながら焼成を行う。焼成温度は700〜1300℃程度、800〜1000℃が好ましい。焼成時間は蛍光体原料混合物の充填量、焼成温度及び炉からの取り出し温度等によって異なるが、一般には0.5〜12時間が適当である。焼成雰囲気としては、窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気等の中性雰囲気或いは少量の水素ガスを含有する窒素ガス雰囲気、一酸化炭素を含有する二酸化炭素雰囲気等の弱還元性雰囲気、或いは微量酸素導入雰囲気を利用できる。この焼成によって目的の輝尽性蛍光体が得られる。 【0034】(製造法2) a)ハロゲン化アンモニウムとLnのハロゲン化物を含み、一般式(1)においてxが0でない場合には更にM2のハロゲン化物を、yが0でない場合には更にM1のハロゲン化物を含み、それが溶解した後ハロゲン化アンモニウム濃度が3モル/L以上、好ましくは4モル/L以上の水溶液を調整する工程、b)上記水溶液を50℃以上、好ましくは80℃以上の温度に維持しながら、これに濃度5モル/L以上、好ましくは8モル/L以上の無機弗化物(弗化アンモニウム若しくはアルカリ金属の弗化物)の水溶液とBaI2の水溶液とを、前者の弗素と後者のBaとの比率を一定に維持しながら連続的若しくは間欠的に添加して輝尽性蛍光体の前駆体結晶の沈殿物を得る工程、c)上記前駆体結晶沈殿物を水溶液から分離する工程、及びd)分離した前駆体結晶沈殿物を焼結を避けながら焼成する工程を含む製造方法である。以下、更に詳細を述べる。 【0035】最初に水系溶媒を用いてBaI2と弗素化合物とを除く原料化合物、そしてハロゲン化アンモニウム(NH4Br、NH4Cl又はNH4I)を溶解させる。即ち、ハロゲン化アンモニウムとLnのハロゲン化物、必要に応じてM2のハロゲン化物やM1のハロゲン化物を、ハロゲン化アンモニウムの濃度が3モル/L以上となる量の水系媒体中で十分に混合し、溶解させて水溶液を調製する。このとき少量の酸、アンモニア、アルコール、水溶性高分子ポリマー、水不溶性金属酸化物微粒子粉体等を添加してもよい。この水溶液(反応母液)を一定温度に維持する。 【0036】次いで一定温度に維持され撹拌されている該水溶液に、無機弗化物の水溶液とBaI2の水溶液とを同時に、無機弗化物の弗素とBaI2との比率を一定に維持する様に調整しながら連続的に又は間欠的にローラーポンプ等を用いて注入する。この注入は特に激しく撹拌されている領域に行うのが好ましい。この様に、蛍光体結晶生成中にBaイオンが過剰にならない様に配慮して反応を進行させることによって、前記一般式(1)で表される輝尽性蛍光体の前駆体結晶が沈殿する。次に輝尽性蛍光体の前駆体結晶を製造法2の場合と同様に溶媒から分離し、乾燥し、次いで焼成を行うことによって、目的の輝尽性蛍光体を得ることができる。 【0037】上記2つの製造法において、Lnのハロゲン化物の添加時期は問わず、添加開始時に予め反応母液等にあってもよく、又無機弗化物水溶液の添加時、及び無機弗化物水溶液とBaI2水溶液の添加時に同時又は後で添加してもよい。 【0038】尚、本発明において輝尽性蛍光体粒子は単分散性であることが好ましく、標準偏差を平均粒径で割って100を掛けた変動係数が20%以下、更には15%以下のものが好ましい。ここに、平均粒径は、粒子の顕微鏡写真より無作為に選んだ200個について、球の体積に換算した体積粒子径で求めた平均値とする。 【0039】一般式(1)で表される輝尽性蛍光体の粒径としては、1〜20μm、好ましくは1〜8μmである。 【0040】本発明においてはアスペクト比が2以上の輝尽性蛍光体粒子を用いることで達成されるが、蛍光体のアスペクト比は蛍光体を液層合成する際に、蛍光体の前駆体結晶成長条件、即ち前記製造方法のところで述べた母液の温度、添加物、又は合成後の焼成条件等を変えることにより変化させることが出来る。 【0041】本発明において得られた輝尽性蛍光体粒子のアスペクト比の算出は、以下のようにして行う。 【0042】支持体上に内部標準となる粒径既知のラテックスボールと主平面が平行に配向するよう蛍光体粒子を塗布した試料を作製し、予め設定した角度からカーボン蒸着法によりシャドーイングを施した後、通常の方法によってレプリカ試料を作製する。得られたレプリカ試料の電子顕微鏡写真を撮影し、画像処理装置をもちいて個々の粒子の影(シャドー)の長さからアスペクト比を算出した。 【0043】上記のようなアスペクト比の測定を任意に選択した800個以上の蛍光体粒子について行い、平均アスペクト比を算出した。 【0044】輝尽性蛍光体層は輝尽性蛍光体粒子を高分子樹脂中に分散含有している事が望ましい。本発明に使用できる結合剤として使用できる高分子樹脂としては、例えば、ポリウレタン、塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体(ニトロセルロース等)、スチレン−ブタジエン共重合体、各種の合成ゴム系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル系樹脂、尿素ホルムアミド樹脂等が挙げられる。なかでもポリウレタン、ポリエステル、塩化ビニル系共重合体、ポリビニールブチラール、ニトロセルロースを使用することが好ましい。 【0045】即ち、まず適当な有機溶媒中に、高分子樹脂からなる結合剤と輝尽性蛍光体粒子を添加し、ディスパーザーやボールミルを使用し攪拌混合して結合剤中に輝尽性蛍光体粒子が均一に分散した輝尽性蛍光体塗料を調製する。 【0046】輝尽性蛍光体塗料調製用の溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノールなどの低級アルコール、メチレンクロライド、エチレンクロライドなどの塩素原子含有炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン、トルエン、ベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、キシレンなどの芳香族化合物、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの低級脂肪酸と低級アルコールとのエステル、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエステル、エチレングリコールモノメチルエステルなどのエーテル及びそれらの混合物を挙げることができる。 【0047】なお、輝尽性蛍光体塗料には塗料中における輝尽性蛍光体粒子の分散性を向上させるための分散剤、又は形成後の輝尽性蛍光体層中における高分子樹脂結合剤と輝尽性蛍光体粒子間の結合力を向上させるための可塑剤など種々の添加剤が混合されてもよい。 【0048】分散剤の例としては、フタル酸、ステアリン酸、カプロン酸、親油性界面活性剤などを挙げることができる。 【0049】可塑剤の例としては、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジル、燐酸ジフェニルなどの燐酸エステル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジメトキシエチルなどのフタル酸エステル、グリコール酸エチルフタリルエチル、グリコール酸ブチルフタルブチルなどのグリコール酸エステル、トリエチレングリコールとアジピン酸とのポリエステル、ジエチレングリコールと琥珀酸とのポリエステルなどのポリエチレングリコールと脂肪族二塩基酸とのポリエステルなどを挙げることができる。 【0050】上記のようにして調製された輝尽性蛍光体と結合剤とを含有する蛍光体塗料を、支持体若しくはシート形成用の仮支持体の表面に均一に塗布することにより塗料の塗膜を形成する。 【0051】この塗布手段としては、例えばドクターブレード、ロールコータ、ナイフコータ、押し出しコータなどを用いることができる。 【0052】支持体及び仮支持体としては、例えばガラス、ウール、コットン、紙、金属などの種々の素材から作られたものが使用され得るが、情報記録材料としての取り扱い上可撓性のあるシート或いはロールに加工できるものが好ましい。この点から、例えばセルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィルム、又反射性とするため二酸化チタンなどの光反射性物質を練り込んだ白色PETと呼ばれるポリエチレンテレフタレートフィルム或いは、微小な泡を含有させ反射性としたポリエチレンテレフタレートフィルム等のプラスティックフィルム、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔などの金属シート、一般紙及び例えば写真用原紙、コート紙、若しくはアート紙のような印刷用原紙、バライタ紙、レジンコート紙、ベルギー特許784,615号明細書に記載されているようなポリサッカライド等でサイジングされた紙、二酸化チタンなどの顔料を含むピグメント紙、ポリビニールアルコールでサイジングした紙等の加工紙が特に好ましい。 【0053】また、これら支持体の層厚は用いる支持体の材質等によって異なるが、一般的には80μm〜1000μmであり、取り扱い上の点から、さらに好ましくは80μm〜500μmである。 【0054】これらの支持体の表面は滑面であってもよいし、輝尽性蛍光体層との接着性を向上させる目的でマット面としてもよい。 【0055】さらに、これら支持体は、輝尽性蛍光体層との接着性を向上させる目的で輝尽性蛍光体層が設けられる面に下引層を設けてもよい。 【0056】放射線画像変換パネルの製造法は、以下の主に2種が考えられる。第1の製造法として、■結合剤と輝尽性蛍光体とからなる蛍光体塗布液(以下輝尽性蛍光体塗料)を支持体上に塗布し、輝尽性蛍光体層を形成する。また、第2の製造法として、■結合剤と輝尽性蛍光体とからなる輝尽性蛍光体塗料を仮支持体上に塗布し、輝尽性蛍光体シートを形成する。前記輝尽性蛍光体シートを支持体上に載せ、前記結合剤の軟化温度若しくは融点以上の温度で、支持体に接着する工程で製造する。 【0057】輝尽性蛍光体層の支持体への形成方法としては、主に上記2種が考えられるが、支持体上に均一に輝尽性蛍光体層を形成する方法であればどのような方法でもよく、吹き付けによる形成等でもよい。 【0058】第1の製造法の輝尽性蛍光体層は、結合剤溶液中に輝尽性蛍光体粒子を均一に分散せしめた輝尽性蛍光体塗料を支持体上に塗布、乾燥することにより製造できる。 【0059】輝尽性蛍光体層用塗布液の調製は、ボールミル、サンドミル、アトライター、三本ロールミル、高速インペラー分散機、Kadyミル、および超音波分散機などの分散装置を用いて行なわれる。調製された塗布液を前述のようにドクターブレード、ロールコーター、ナイフコーターなどの塗布液を用いて支持体上に塗布し、乾燥することにより輝尽性蛍光体層が形成される。 【0060】また、第2の製造法の輝尽性蛍光体層となるシートは、輝尽性蛍光体塗料を輝尽性蛍光体シート形成用仮支持体上又は仮支持体上に設けられた保護膜上に塗布し、乾燥した後、仮支持体から剥離することで製造できる。保護層自体を仮支持体として、そのまま最終製品に使用することもできる。 【0061】第2の製造法では、仮支持体上又は仮支持体上に設けられた保護膜上に輝尽性蛍光体塗料を塗布し乾燥した後、仮支持体から剥離して輝尽性蛍光体層となるシートとする。従って仮支持体の表面は、予め剥離剤を塗布しておき、形成された輝尽性蛍光体シートが仮支持体から剥離し易い状態にしておくのが好ましい。 【0062】支持体と輝尽性蛍光体層の結合を強化するため支持体表面にポリエステル又はゼラチンなどの高分子物質を塗布して接着性を付与する下塗り層を設けたり、感度、画質(鮮鋭性、粒状性)を向上せしめるために二酸化チタンなどの光反射性物質からなる光反射層、若しくはカーボンブラックなどの光吸収物質からなる光吸収層などが設けられてよい。それらの構成は目的、用途などに応じて任意に選択することができる。 【0063】本発明においては、輝尽性蛍光体層へのX線画像露光は輝尽性蛍光体層を有する側と反対の支持体側から行い、レーザー光走査により、蛍光体層に蓄積された画像信号を読みとるのは直接輝尽性蛍光体層の側から行うのが好ましく、支持体側からX線照射を行うため前記光反射性物質を練り込んだ例えばPET等のプラスチックフィルムを用いる際には、X線吸収の少ないものが好ましく、微小な泡を含有させ反射性とした発泡PETがX線吸収が少なく好ましい。例えば、市販品としては東レ(株)製E−60Lシリーズがある。又、カーボンブラックなどの光吸収物質を練り込んだポリエチレンテレフタレート支持体等を使用するのが好ましく、これにより画質(鮮鋭性、粒状性)を向上させることが出来る。 【0064】本発明の輝尽性蛍光体層は圧縮することによって輝尽性蛍光体の充填密度を向上させ、更に鮮鋭性、粒状性を向上させることができる。充填密度は以下に示す充填率で表すことが出来る。 【0065】輝尽性蛍光体パネルの保護層を除去し、メチルエチルケトン若しくは蛍光体層を溶解できる有機溶剤を使用し蛍光体層を溶出し、溶剤を乾燥除去する。その時の質量をNg、それを電気炉をもちいて800℃1時間焼き、結合剤を除去した蛍光体の質量をOg、蛍光体層膜厚をPcm、溶出に使用した輝尽性蛍光体パネル面積Qcm2、蛍光体比重をRg/cm3としたとき、蛍光体質量に対する結合剤質量の割合=〔(N−O)/O〕×100(%) 蛍光体充填率=〔O/(P×Q×R)〕×100(%) によって計算した値である。 【0066】圧縮処理を行うことにより輝尽性蛍光体粒子の充填率を60%以上とすることが特に鮮鋭性、粒状性の向上には効果がある。充填率をここまで上げるには、前記の如く輝尽性蛍光体粒子のアスペクト比を2以上とすることが特に効果がある。通常の粒子を用いた場合には得られない効果であり、前記の調製法によりアスペクト比が2以上の粒子を得ることが、本発明の効果を得るには重要である。アスペクト比が2より少ない粒子を用いると圧縮処理を行ったにもかかわらず充填率が上がりにくい結果がみられ、所望の鮮鋭度等の画質が得られない。 【0067】上記の充填率を得る為に輝尽性蛍光体層に対し必要な圧縮処理としては、高分子樹脂結合剤の軟化温度又は融点以上の温度で行う必要があるが(好ましいのは50〜150℃の間である)、圧力としては4.9×102〜3.92×103N/cm、好ましくは4.9×102〜1.96×103N/cm、更に好ましくは9.8×102〜1.96×103N/cmの間である。少なすぎると所望の充填率向上の効果が得られず、大きすぎる場合には蛍光体層中の蛍光体粒子の破壊が生じ、輝尽性蛍光体の輝尽発光等の特性の劣化が生じる。 【0068】圧縮の方法としてはプレス機やカレンダーロール等が挙げられるが、特に圧縮処理がカレンダーロールによる処理であることが圧力等の調整が容易で好ましい。 【0069】第1の製造法の場合、輝尽性蛍光体層及び支持体をそのままカレンダーロール等により圧縮する。 【0070】第2の製造法の場合、前記■によって得られた輝尽性蛍光体シートを支持体上に載せ、高分子樹脂結合剤の軟化温度又は融点以上の温度で圧縮しながら該シートを支持体上に接着する方法が好ましい。 【0071】輝尽性蛍光体層の層厚は、目的とする放射線画像変換パネルの特性、輝尽性蛍光体の種類、結合剤と蛍光体との混合比などによって異なるが、通常は20μm乃至1mmとする。ただし、この層厚は50乃至300μmとするのが好ましい。 【0072】通常、放射線画像変換パネルには、前述した支持体に接する側と反対側の輝尽性蛍光体層の表面を物理的、化学的に保護するための保護膜が設けられる。このような保護膜は、本発明についても設置することが好ましい。 【0073】本発明の保護層には、ASTMD−1003に記載の方法により測定したヘイズ率が5以上60%未満である、励起光吸収層を備えたポリエステルフイルム、ポリメタクリレートフィルム、ニトロセルロースフイルム、セルロースアセテートフイルム等が使用できるが、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルム等の延伸加工されたフィルムが、透明性、強さの面で保護層として好ましく、とくにこれらのポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルムや上に金属酸化物、窒化珪素などの薄膜を蒸着した蒸着フィルムが防湿性の面からより好ましい。 【0074】本発明に使用する前記保護フィルムは必要とされる防湿性にあわせて、樹脂フィルムや樹脂フィルムに金属酸化物などを蒸着した蒸着フイルムを複数枚積層することで最適な防湿性とすることができるが、輝尽性蛍光体の吸湿劣化を考慮して少なくとも50g/m2・day以下であることが好ましい。樹脂フイルムの積層方法としては、一般に知られているどのような方法でもかまわない。またこの場合は積層された樹脂フイルム間に励起光吸収層を設けることによって、励起光吸収層が物理的な衝撃や化学的な変質から保護され安定したパネル性能が長期間維持できる。励起光吸収層は複数箇所に設けてもよいし、積層する為の接着剤層に色剤を含有し励起光吸収層としても良い。 【0075】保護フィルムは蛍光体層に接着層にて密着していても良いが、蛍光体面を被覆するように設けられた構造(以下封止または封止構造)であることがより好ましい。輝尽性蛍光体層を封止するにあたっては既知のどのような方法でもかまわないが、防湿性保護フィルムの蛍光体層に接する側の最外層の樹脂層を熱融着性を有する樹脂フィルムとすることで防湿性保護フィルムが融着可能となり蛍光体層の封止作業が効率化される。 【0076】好ましくは、放射線画像変換パネルを、蛍光体層及び支持体からなる蛍光体シートの上下に防湿性保護フィルムを配置し、その周縁が前記蛍光体シートの周縁より外側にある領域で該上下の防湿性保護フィルムが融着している封止構造とすることで蛍光体シートへの外周部からの水分進入も阻止できる。さらに支持体面側の防湿性保護フィルムが1層以上のアルミフィルムをラミネートしてなる積層防湿フィルムとすることでより確実に水分の進入を低減できる。またこの封止方法は作業的にも容易である。 【0077】またこの場合、防湿性保護フィルムの蛍光体層面に接する側の最外層の熱融着性を有する樹脂層と蛍光体面は接着していても接着していなくてもかまわない。 【0078】接着していない状態とは、微視的には蛍光体面と防湿性保護フィルムは点接触してはいたとしても、光学的、力学的には殆ど蛍光体面と防湿性保護フィルムは不連続体として扱える状態のことである。 【0079】またここで言う熱融着性フィルムとは、一般に使用されるインパルスシーラーで融着可能な樹脂フィルムのことで、たとえばエチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)やポリプロペレン(PP)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム等があげられるがこれに限られたものではない。 【0080】保護フイルムのヘイズ率は、使用する樹脂フイルムのヘイズ率を選択することで容易に調整できる。任意のヘイズ率の樹脂フイルムは工業的に容易に入手可能である。 【0081】放射線画像変換パネルの保護フイルムとしては光学的に透明度の非常に高いものが想定されている。そのような透明度の高い保護フイルム材料としては、ヘイズ値が2〜3%の範囲にあるようなプラスチックフイルムが各種市販されている。 【0082】特開昭59−42500や特公平1−57759には保護層のヘイズ率を高くして画像ムラや線状ノイズを解消する手段が示されているが鮮鋭性が低下してしまっていた。本発明に従えば、画像ムラや線状ノイズを解消し、さらに鮮鋭性を向上することができる。 【0083】本発明の効果を得るためのヘイズ率としては5%以上、60%未満が好ましく、さらに好ましくは、10%以上、50%未満である。ヘイズ率としては5%未満では画像ムラや線状ノイズを解消する効果が小さく、60%以上であると本発明の鮮鋭性向上効果が小さくなる。 【0084】具体的に蛍光体シートを封止し放射線画像変換パネルを形成するには、支持体上に輝尽性蛍光体層が塗設された蛍光体シートを所定の大きさに断裁する。断裁にあたっては一般のどのような方法でも可能であるが、作業性、精度の面から化粧断裁機、打ち抜き機等が望ましい。 【0085】所定の大きさに断裁された蛍光体シートを防湿性保護フィルムで封止するには既知のいかなる方法も使用できるが、例をあげると蛍光体シートを上下の防湿性保護フィルムの間に挟み周縁部をインパルスシーラーで加熱融着する方法や、2本の加熱したローラー間で加圧加熱するラミネート方式等が挙げられる。 【0086】上記インパルスシーラーで加熱融着する方法においては、減圧環境下で加熱融着することが、蛍光体シートの防湿性保護フィルム内での位置ずれ防止や大気中の湿気を排除する意味でより好ましい。 【0087】上記の方法により得られた防湿性保護フィルムで蛍光体シートが保護された放射線画像変換パネルの一例を図1に示す。図1において、11が輝尽性蛍光体層、12が支持体、13,14がそれぞれ加熱融着された保護用の封止フィルムを表す。 【0088】放射線画像変換パネルを用いた放射線画像変換方法の一例を図2に示す。本発明の放射線画像変換パネルは図2に概略的に示される放射線画像変換方法に用いるのが有利である。即ち、図2において、21は放射線発生装置、22は被写体、23は本発明に係わる放射線画像変換パネル、24は輝尽励起光源、25は該変換パネルより放射された輝尽発光を検出する光電変換装置、26は25で検出された信号を画像として再生する装置、27は再生された画像を表示する装置、28は輝尽励起光と輝尽蛍光とを分離し、輝尽蛍光のみを透過させるフィルタである。尚、25以降は23からの光情報を何らかの形で画像として再生できるものであればよく、上記に限定されるものではない。 【0089】図2に示されるように、放射線発生装置21からの放射線Rは被写体22を通して放射線画像変換パネル23に支持体側から入射する(RI)。この入射した放射線RIは放射線画像変換パネル23の輝尽性蛍光体層に吸収され、そのエネルギーが蓄積され、放射線透過像の蓄積像が形成される。 【0090】次にこの蓄積像を輝尽励起光源24からの輝尽励起光で励起して輝尽発光として放出せしめる。 【0091】放射される輝尽発光の強弱は蓄積された放射線エネルギー量に比例するので、この光信号を例えば、光電子倍増管等の光電変換装置25で光電変換し、画像再生装置26によって画像として再生し画像表示装置27によって表示することにより、被写体の放射線透過像を観察することが出来る。 【0092】X線を蛍光体層側より入射させ蛍光体層側の読みとりを行う方式の場合、蛍光体層側には、人体等の被写体が存在するため、カセット型で別の場所で読みとったり、パネルを搬送して別の場所で読みとる方式が一般的である。しかし、これらの方式だと撮影から読みとりの間に時間がかかり、集団健康診断等を短時間に行うことが出来ない。上記のような裏側よりX線を入射し表側から読みとる方式だとパネルを移動することなく、すぐに読みとれるため、短時間に多くの被写体を撮影できるメリットがある。 【0093】 【実施例】以下本発明を更に詳細に具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。 【0094】実施例(蛍光体Aの合成)ユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウムの輝尽性蛍光体前駆体を合成するために、BaI2水溶液(3.6mol/L)2780mlとEuI3水溶液(0.15mol/L)27mlを反応器に入れた。この反応器中の反応母液を撹拌しながら83℃で保温した。 【0095】弗化アンモニウム水溶液(8mol/L)322mlを反応母液中にローラーポンプを用いて注入し、沈澱物を生成させた。注入終了後も保温と撹拌を2時間続けて沈澱物の熟成を行なった。次に沈澱物をろ別後、エタノールにより洗浄した後真空乾燥させてユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウムの結晶を得た。 【0096】焼成時の焼結により粒子形状の変化、粒子間融着による粒子サイズ分布の変化を防止するために、アルミナの超微粒子粉体を0.2質量%添加し、ミキサーで充分撹拌して、結晶表面にアルミナの超微粒子粉体を均一に付着させた。これを石英ボートに充填して、チューブ炉を用いて水素ガス雰囲気中、870℃で2時間焼成してユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウム蛍光体粒子を得た。次に上記蛍光体粒子を分級することにより平均粒径4μmの粒子を得た。又、得られた蛍光体粒子は平板状でありそのアスペクト比は3であった。 【0097】(蛍光体Bの合成)蛍光体Aの合成において、前記EuI3水溶液濃度を0.2mol/Lとした以外は同条件で作製し蛍光体Bを得た。蛍光体Bの平均粒子径は4μmであり、平均アスペクト比は5.0であった。 【0098】(蛍光体Cの合成)蛍光体Bを再びチューブ炉を用いて水素ガス雰囲気中870℃で2時間焼成して分級により平均粒径8μm、平均アスペクト比3の蛍光体Cを得た。 【0099】(蛍光体Dの合成)蛍光体Aを自動乳鉢を用いて、2時間粉砕し、再び上記条件で焼成分級したところ、平均粒径4μm、平均アスペクト比1の蛍光体Dを得た。 【0100】ここにおいて、平均粒径は、蛍光体粒子の顕微鏡写真より無作為に選んだ200個について、球の体積に換算した体積粒子径で求めた平均値とする。 【0101】又、アスペクト比は任意に選択した800個以上の蛍光体粒子について前述の方法により算出した平均アスペクト比である。 【0102】(蛍光体パネルの作製)上記で得たユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウム蛍光体A〜Dについて、以下に示すようにして蛍光体パネルを作製した。即ち、それぞれの蛍光体を427g、ポリウレタン樹脂(住友バイエルウレタン社製、デスモラック4125)15.8g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂2.0gをメチルエチルケトン/トルエン(1:1)混合溶媒に添加し、プロペラミキサーによって分散し、粘度25〜30Pa・sの塗布液を調製した。上記塗布液をドクターブレードを用いてカーボン練り込み黒PET(ポリエチレンテレフタレート)支持体(東レ(株)製X−30)上に1本/mmでのMTF値が0.6となるように塗布し蛍光体層を形成した。次いで蛍光体層の上に積層保護フィルム(ポリエチレンテレフタレートの透明フィルム厚み30μm)を重ねて、減圧下で密着させ、周縁部をインパルスシーラーを用いて融着することで封止し、蛍光体パネルを作製した。又、それぞれの蛍光体について上記と同様に、支持体上に蛍光体層を形成した後、支持体とこの支持体の片面に形成された蛍光体層とからなるシートを、120℃でカレンダーロールを通すことで、線圧で1.67×103N/cmの圧縮処理を行って、圧縮処理を行った放射線画像変換パネルを作製した。尚、蛍光体Aについてはカレンダーロールによる圧縮処理の際の線圧を下げ3.92×102N/cmとしたものについても同様にして放射線蛍光体パネルを作製した。 【0103】上記のようにして製造した各々の蛍光体について、それぞれ作製した蛍光体パネルの蛍光体層の体積及び質量の測定値と使用した蛍光体の密度(5.4g/cm3)、及び結合剤の密度(1.2g/cm3)とから蛍光体層の充填率(%)を求めた。充填率は各蛍光体について圧縮処理前と圧縮処理後の値を表1に示した。 【0104】このようにしてアスペクト比の異なった蛍光体から作製したそれぞれの蛍光体パネルに対し以下に示す評価を行った。 【0105】(蛍光体パネルの評価) 鮮鋭性の評価蛍光体パネルをカーボンファイバー製の支持板と密着させた後、裏面から蛍光体パネルに鉛製のMTFチャートを通して管電圧80kVpのX線を照射した。次いで放蛍光体パネルをHe−Neレーザー光で走査して励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を受光器(光電子像倍管)で受光して電気信号に変換し、これをアナログ/デジタル変換してハードディスクに記録し、記録をコンピューターで分析してハードディスクに記録されているX線像の変調伝達関数(MTF)を調べた。空間周波数1本/mm(1ln/mm)におけるMTF値で表し、数値が高いほど鮮鋭性がよいことを示す。向上率は圧縮処理による鮮鋭性の向上率を%で示す。結果を表1に示す。 【0106】 【表1】
【0107】蛍光体のアスペクト比により圧縮処理の鮮鋭度に対する効果が異なり、アスペクト比が大きいものでは、画質の向上効果が大きいこと、又、圧縮処理が充分でないと画質向上の効果が小さいことがわかる。 【0108】 【発明の効果】輝尽性蛍光体層中における輝尽性蛍光体粒子の充填率を上げることが出来、鮮鋭度に優れた放射線画像変換パネルが得られた。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001270 【氏名又は名称】コニカ株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年3月16日(2001.3.16) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−277591(P2002−277591A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月25日(2002.9.25) |
| 【出願番号】 |
特願2001−75926(P2001−75926) |
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