| 【発明の名称】 |
放射線画像変換パネル及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】柳多 貴文
【氏名】萩原 清志
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| 【要約】 |
【課題】励起用レーザー光に起因する鮮鋭性の悪化を防止し、かつ画像欠点が少なく、画像均一性の高い放射線画像変換パネル及びその製造方法を提供する。
【解決手段】輝尽性蛍光体を結合剤及び溶剤中に分散含有させた輝尽性蛍光体塗布液を、支持体上に塗布乾燥することにより輝尽性蛍光体層を形成する放射線画像変換パネルの製造方法において、該輝尽性蛍光体塗布液が含有している輝尽性蛍光体粒子の平均粒径の5〜200倍の濾過精度を持った濾材を通した後塗布することを特徴とする放射線画像変換パネルの製造方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 輝尽性蛍光体を結合剤及び溶剤中に分散含有させた輝尽性蛍光体塗布液を、支持体上に塗布乾燥することにより輝尽性蛍光体層を形成する放射線画像変換パネルの製造方法において、該輝尽性蛍光体塗布液が含有している輝尽性蛍光体粒子の平均粒径の5〜200倍の濾過精度を持った濾材を通した後塗布することを特徴とする放射線画像変換パネルの製造方法。 【請求項2】 上記濾材が平均粒径の5〜100倍のメッシュ孔を持ったシートであることを特徴とする請求項1記載の放射線画像変換パネルの製造方法。 【請求項3】 輝尽性蛍光体を結合剤及び溶剤中に分散含有させた輝尽性蛍光体塗布液を、支持体上に塗布乾燥することにより輝尽性蛍光体層を形成する放射線画像変換パネルの製造方法において、該輝尽性蛍光体塗布液が真空度50,000Pa以下1,000Pa以上の空間で脱泡された後塗布することを特徴とする放射線画像変換パネルの製造方法。 【請求項4】 上記真空度が20,000Pa以下5,000Pa以上の空間で脱泡された後塗布することを特徴とする請求項3記載の放射線画像変換パネルの製造方法。 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項記載の輝尽性蛍光体がEu付活BaFIであることを特徴とする放射線画像変換パネルの製造方法。 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項記載の放射線画像変換パネルの製造方法により製造されたことを特徴とする放射線画像変換パネル。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は輝尽性蛍光体を用いた放射線画像変換パネル及びその製造方法に関するものであり、さらに詳しくは画像欠点が少なく、画像均一性の高い放射線画像変換パネル及びその製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】X線画像のような放射線画像は病気診断用などに多く用いられている。このX線画像を得るために被写体を通過したX線を蛍光体層(蛍光スクリーン)に照射し、これにより可視光を生じさせてこの可視光を通常の写真をとるときと同じように銀塩を使用したフィルムに照射して現像した、いわゆる放射線写真が利用されている。しかし近年銀塩を塗布したフィルムを使用しないで蛍光体層から直接画像を取り出す方法が工夫されるようになった。 【0003】この方法としては被写体を透過した放射線を蛍光体に吸収せしめ、しかる後この蛍光体を例えば光又は熱エネルギーで励起することによりこの蛍光体が上記吸収により蓄積している放射線エネルギーを蛍光として放射せしめ、この蛍光を検出し画像化する方法がある。 【0004】具体的には、例えば米国特許3,859,527号及び特開昭55−12144号公報などに記載されているような輝尽性蛍光体を用いる放射線画像変換方法が知られている。 【0005】この方法は輝尽性蛍光体を含有する放射線画像変換パネルを使用するもので、この放射線画像変換パネルの輝尽性蛍光体層に被写体を透過した放射線を当てて被写体各部の放射線透過密度に対応する放射線エネルギーを蓄積させて、その後に輝尽性蛍光体を可視光線、赤外線などの電磁波(励起光)で時系列的に励起することにより、該輝尽性蛍光体中に蓄積されている放射線エネルギーを輝尽発光として放出させ、この光の強弱による信号をたとえば光電変換し、電気信号を得て、この信号を感光フィルムなどの記録材料、CRTなどの表示装置上に可視像として再生するものである。 【0006】上記の放射線画像記録再生方法によれば、従来の放射線写真フィルムと増感紙との組合せを用いる放射線写真法による場合に比較して、はるかに少ない被曝線量で情報量の豊富な放射線画像を得ることができるという利点がある。 【0007】このように輝尽性蛍光体は、放射線を照射した後、励起光を照射すると輝尽発光を示す蛍光体であるが、実用上では、波長が400〜900nmの範囲にある励起光によって300〜500nmの波長範囲の輝尽発光を示す蛍光体が一般的に利用される。 【0008】従来より放射線画像変換パネルに用いられてきた輝尽性蛍光体の例としては下記のものが一例として挙げられる。 【0009】(1)特開昭55−12145号公報に記載されている(Ba1-x,M(II)x)FX:yA(ただし、M(II)はMg、Ca、Sr、ZnおよびCdのうちの少なくとも一つ、XはCl、Br、およびIのうち少なくとも一つ、AはEu、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、およびErのうちの少なくとも一つ、そしてxは、0≦x≦0.6、yは、0≦y≦0.2である)の組成式で表される希土類元素付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物蛍光体;また、この蛍光体には以下のような添加物が含まれていてもよい;特開昭56−74175号公報に記載されている、X′、BeX″、M(III)X′″3(ただし、X′、X″、およびX′″はそれぞれCl、BrおよびIのうち少なくとも一種であり、M(III)は三価金属である);特開昭55−160078号公報に記載されているBeO、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、Al2O3、Y2O3、La2O3、In2O3、SiO2、TiO2、ZrO2、GeO2、SnO2、Nb2O5、Ta2O5およびThO2などの金属酸化物;特開昭56−116777号公報に記載されているZr、Sc;特開昭57−23673号公報に記載されているB;特開昭57−23675号公報に記載されているAs、Si;特開昭58−206678号公報に記載されているM・L(ただし、MはLi、Na、K、Rb、およびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、LはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga、In、およびTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属である);特開昭59−27980号公報に記載されているテトラフルオロホウ酸化合物の焼成物;特開昭59−27289号公報に記載されているヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロチタン酸およびヘキサフルオロジルコニウム酸の一価もしくは二価金属の塩の焼成物;特開昭59−56479号公報に記載されているNaX′(ただし、X′はCl、BrおよびIのうちの少なくとも一種である);特開昭59−56480号公報に記載されているV、Cr、Mn、Fe、CoおよびNiなどの遷移金属;特開昭59−75200号公報に記載されているM(I)X′、M(II)X″2、M(III)X′″3、A(ただし、M(I)はLi、Na、K、Rb、およびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、M(II)はBeおよびMgからなる群より選ばれる少なくとも一種の二価金属であり、M(III)はAl、Ga、In、およびTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であり、Aは金属酸化物であり、X′、X″、およびX′″はそれぞれF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである);特開昭60−101173号公報に記載されているM(I)X′(ただし、M(I)はRbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、X′はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである);特開昭61−23679号公報に記載されているM(II)′X′2・M(II)′X″2(ただし、M(II)′はBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり、X′およびX″はそれぞれCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであって、かつX′≠X″である);および特開昭61−264084号明細書に記載されているLnX″3(ただし、LnはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり、X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである); (2)特開昭60−84381号公報に記載されているM(II)X2・aM(II)X′2:xEu2+(ただし、M(II)はBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり、XおよびX′はCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであって、かつX≠X′であり、そしてaは0.1≦a≦10.0、xは0<x≦0.2である)の組成式で表される二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属ハロゲン化物蛍光体;また、この蛍光体には以下のような添加物が含まれていてもよい;特開昭60−166379号公報に記載されているM(I)X′(ただし、M(I)はRbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;X′はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである);特開昭60−221483号公報に記載されているKX″、MgX′″2、M(III)X″″3(ただし、M(III)はSc、Y、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であり;X″、X′″およびX″″はいずれもF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである);特開昭60−228592号公報に記載されているB;特開昭60−228593号公報に記載されているSiO2、P2O5等の酸化物;特開昭61−120882号公報に記載されているLiX″、NaX″(ただし、X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである);特開昭61−120883号公報に記載されているSiO;特開昭61−120885号公報に記載されているSnX″2(ただし、X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである);特開昭61−235486号公報に記載されているCsX″、SnX′″2(ただし、X″およびX′″はそれぞれF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである);および特開昭61−235487号公報に記載されているCsX″、Ln3+(ただし、X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;LnはSc、Y、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素である); (3)特開昭55−12144号公報に記載されているLnOX:xA(ただし、LnはLa、Y、Gd、およびLuのうち少なくとも一つ、XはCl、Br、およびIのうち少なくとも一つ、AはCeおよびTbのうち少なくとも一つ、そして、xは、0<x<0.1である)の組成式で表される希土類元素付活希土類オキシハライド蛍光体; (4)特開昭58−69281号公報に記載されているM(II)OX:xCe(ただし、M(II)はPr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の酸化金属であり、XはCl、Br、およびIのうち少なくとも一つであり、xは0<x<0.1である)の組成式で表されるセリウム付活三価金属オキシハライド蛍光体; (5)特開昭62−25189号明細書に記載されているM(I)X:xBi(ただし、M(I)はRbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてxは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表されるビスマス付活アルカリ金属ハロゲン化物蛍光体; (6)特開昭60−141783号公報に記載されているM(II)5(PO4)3X:xEu2+(ただし、M(II)はCa、SrおよびBaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり、XはF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属ハロリン酸塩蛍光体; (7)特開昭60−157099号公報に記載されているM(II)2BO3X:xEu2+(ただし、M(II)はCa、SrおよびBaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり、XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属ハロホウ酸塩蛍光体; (8)特開昭60−157100号公報に記載されているM(II)2(PO4)X:xEu2+(ただし、M(II)はCa、SrおよびBaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり、XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属ハロリン酸塩蛍光体; (9)特開昭60−217354号公報に記載されているM(II)HX:xEu2+(ただし、M(II)はCa、SrおよびBaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり、XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属水素化ハロゲン化物蛍光体; (10)特開昭61−21173号公報に記載されているLnX3・aLn′X′3:xCe3+(ただし、LnおよびLn′はそれぞれY、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり、XおよびX′はそれぞれF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであって、かつX≠X′であり、そしてaは0.1<a≦10.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表されるセリウム付活希土類複合ハロゲン化物蛍光体; (11)特開昭61−21182号公報に記載されているLnX3・aM(I)X′:xCe3+(ただし、LnはY、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり、M(I)はLi、Na、K、CsおよびRbからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、XおよびX′はそれぞれCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてaは0<a≦10.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表されるセリウム付活希土類複合ハロゲン化物系蛍光体; (12)特開昭61−40390号公報に記載されているLnPO4・aLnX3:xCe3+(ただし、LnはY、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり、XはF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてaは0.1≦a≦10.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表されるセリウム付活希土類ハロ燐酸塩蛍光体; (13)特開昭61−236888号明細書に記載されているCsX:aRbX′:xEu2+(ただし、XおよびX′はそれぞれCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてaは0<a≦10.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロピウム付活ハロゲン化セシウム・ルビジウム蛍光体; (14)特開昭61−236890号明細書に記載されているM(II)X2・aM(I)X′:xEu2+(ただし、M(II)はBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり、M(I)はLi、RbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、XおよびX′はそれぞれCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてaは0.1≦a≦20.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロピウム付活複合ハロゲン化物蛍光体;等を挙げることができる。 【0010】上記の輝尽性蛍光体のうちで、ヨウ素を含有する二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体、ヨウ素を含有する二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体、ヨウ素を含有する希土類元素付活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体、およびヨウ素を含有するビスマス付活アルカリ金属ハロゲン化物系蛍光体は高輝度の輝尽発光を示す。 【0011】これらの輝尽性蛍光体を使用した放射線画像変換パネルは、放射線画像情報を蓄積した後、励起光の走査によって蓄積エネルギーを放出するので、走査後に再度放射線画像の蓄積を行うことができ繰り返し使用が可能である。つまり従来の放射線写真法では一回の撮影ごとに放射線写真フィルムを消費するのに対して、この放射線画像変換方法では放射線画像変換パネルを繰り返し使用するので、資源保護、経済効率の面からも有利である。 【0012】そこで、放射線画像変換パネルには得られる放射線画像の画質を劣化させることなく長期間の使用に耐える性能を付与することが望ましい。 【0013】しかし放射線画像変換パネルの製造に用いられる輝尽性蛍光体は一般に吸湿性が大であり、通常の気候条件の室内に放置すると空気中の水分を吸収し、時間の経過とともに著しく劣化する。 【0014】具体的には、たとえば輝尽性蛍光体を高湿度のもとに置くと、吸収した水分の増大にともなって前記蛍光体の放射線感度が低下する。また一般には輝尽性蛍光体に記録された放射線画像の潜像は、放射線照射後の時間の経過にともなって退行するため、再生される放射線画像信号の強度は放射線照射から励起光による走査までの時間が長いほど小さくなるという性質を有するが、輝尽性蛍光体が吸湿すると前記潜像退行が速くなる。そのため、吸湿した輝尽性蛍光体を有する放射線画像変換パネルを用いると、放射線画像の読み取り時再生信号の再現性が低下する。 【0015】従来、輝尽性蛍光体の吸湿による前記の劣化現象を防止するには、透湿度の低い防湿性保護層で輝尽性蛍光体層を被覆することにより該蛍光体層に到達する水分を低減させる方法がとられている。防湿性保護層としてはポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムやポリエチレンテレフタレートフィルム、またはポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムやポリエチレンテレフタレートフィルム上に金属酸化物、窒化珪素などの薄膜を蒸着した蒸着フィルムが使用される。 【0016】輝尽性蛍光体プレートの励起光の光源としては一般にビーム収束性の高いレーザー光が用いられるが、PET等の高分子フィルムからなる保護層を介してレーザー光で走査された場合、保護層フィルム内部での励起レーザー光の散乱や、保護層と光検出装置間や周辺部材での励起レーザー光の乱反射により、励起光が走査された場所から離れた場所の輝尽性蛍光体面を励起させ輝尽発光を放出させる為に鮮鋭性が低下する。また蛍光体プレートが保護層を有しない場合にも蛍光体プレート表面と光検出装置間や周辺部材での励起レーザー光の乱反射により高い鮮鋭性は得られないという問題点があった。 【0017】とくに、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルム等の延伸加工されたフィルムは、透明性、バリア性、強さの面で保護層として優れた物性を有するにも関わらず、屈折率が大であるために、保護フィルム内部に入射した励起光の一部がフィルムの上下の界面で繰り返し反射して走査された場所から離れた場所まで伝搬し、輝尽発光を放出させ鮮鋭性が低下する、また保護層の上下の界面で蛍光体面と反対方向に反射された励起光も光検出装置間や周辺部材で再反射して走査された場所からさらに遠く離れた場所の輝尽性蛍光体面を励起させ輝尽発光を放出させるため、これによりさらに鮮鋭性が低下する。また励起光は赤から赤外の長波長のコヒーレントな光である為に、積極的に散乱光や反射光を吸収しない限り、保護フィルム内部や読み取り装置内部の空間で吸収される量は少なく離れた場所まで伝搬し鮮鋭性を悪化する。 【0018】またこれらのポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルム等フィルムを保護層として使用した場合、被写体の放射線画像以外の濃淡すなわち画像ムラや、保護層の製造工程中に起因すると思われる線状のノイズ等が出現すると言う問題点もあった。これらの画像ムラや線状ノイズに対して、特開昭59−42500号や特公平1−57759号には保護層のヘイズ率を高くしてこれらの画像ムラや線状ノイズを解消する手段が示されている。しかしながら保護層のヘイズ率を高くすると鮮鋭性が低下してしまうと言う欠点がある。 【0019】鮮鋭性の悪化を防止する為には保護フィルムを薄くし、保護フィルム内部での励起光の伝搬距離を短くする方法が考えられるが、効果は小さく、逆に保護層の薄膜化による防湿性や耐傷性の低下が問題となる。鮮鋭性の向上に関しては、特公昭59−23400号には放射線画像変換パネルの支持体、下引き層、蛍光体層、中間層、保護層のいずれかを励起光を吸収する色で着色する方法、特開昭60−200200号では蛍光体層と保護層間の接着剤層を着色する方法が示されているが、これらの方法により鮮鋭性を高めると上記の画像ムラや線状ノイズがより顕著になってくるという問題点がある。 【0020】これらの鮮鋭性の悪化や画像ムラや線状ノイズがひどい場合は、病気診断用に使用される放射線画像変換パネルにとっては致命的な欠陥となる。 【0021】特開昭55−84389号の実施例には、焼成後の蛍光体よりゴミ、異物を除去し、粒子径をそろえるため150メッシュの篩を通すことが記載されている。これは蛍光体を塗料化する前に実施しており、ゴミ、異物を取ることについては一定の効果があるが、塗料化中にもゴミ、異物が混入するため、塗料調製後メッシュを通さないとゴミ、異物が除去しきれずに画像欠陥を生じる。 【0022】脱泡については当社従来技術として、塗料を静置する事により泡を抜く事を行っていたが、静置中に塗料表面が乾燥による皮膜を張り、泡が抜けなくなったり、蛍光体が沈降し塗料が分離したりする問題があった。泡が抜けないと泡が欠陥になり、塗料が分離すると画像ムラが生じる。 【0023】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記問題点を解消し、励起用レーザー光に起因する鮮鋭性の悪化を防止し、かつ画像欠点が少なく、画像均一性の高い放射線画像変換パネル及びその製造方法を提供することにある。 【0024】 【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以下の構成によって達成された。 【0025】1.輝尽性蛍光体を結合剤及び溶剤中に分散含有させた輝尽性蛍光体塗布液を、支持体上に塗布乾燥することにより輝尽性蛍光体層を形成する放射線画像変換パネルの製造方法において、該輝尽性蛍光体塗布液が含有している輝尽性蛍光体粒子の平均粒径の5〜200倍の濾過精度を持った濾材を通した後塗布することを特徴とする放射線画像変換パネルの製造方法。 【0026】2.上記濾材が平均粒径の5〜100倍のメッシュ孔を持ったシートであることを特徴とする前記1記載の放射線画像変換パネルの製造方法。 【0027】3.輝尽性蛍光体を結合剤及び溶剤中に分散含有させた輝尽性蛍光体塗布液を、支持体上に塗布乾燥することにより輝尽性蛍光体層を形成する放射線画像変換パネルの製造方法において、該輝尽性蛍光体塗布液が真空度50,000Pa以下1,000Pa以上の空間で脱泡された後塗布することを特徴とする放射線画像変換パネルの製造方法。 【0028】4.上記真空度が20,000Pa以下5,000Pa以上の空間で脱泡された後塗布することを特徴とする前記3記載の放射線画像変換パネルの製造方法。 【0029】5.前記1〜4のいずれか1項記載の輝尽性蛍光体がEu付活BaFIであることを特徴とする放射線画像変換パネルの製造方法。 【0030】6.前記1〜5のいずれか1項記載の放射線画像変換パネルの製造方法により製造されたことを特徴とする放射線画像変換パネル。 【0031】本発明を更に詳しく説明する。本発明において輝尽性蛍光体塗布液に用いられる結合剤の例としては、ゼラチン等の蛋白質、デキストラン等のポリサッカライド、またはアラビアゴムのような天然高分子物質;および、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、エチルセルロース、塩化ビニリデン・塩化ビニルコポリマー、ポリアルキル(メタ)アクリレート、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー、ポリウレタン、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルアルコール、線状ポリエステルなどのような合成高分子物質などにより代表される結合剤を挙げることができる。 【0032】このような結合剤の中で特に好ましいものは、ニトロセルロース、線状ポリエステル、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ニトロセルロースと線状ポリエステルとの混合物、ニトロセルロースとポリアルキル(メタ)アクリレートとの混合物およびポリウレタンとポリビニルブチラールとの混合物である。なお、これらの結合剤は架橋剤によって架橋されたものであってもよい。 【0033】輝尽性蛍光体塗布液は、輝尽性蛍光体、および結合剤を適当な溶剤に添加し、これらを充分に混合して結合剤溶液中に蛍光体粒子および該化合物の粒子が均一に分散した塗布液を調製する。 【0034】一般に結合剤は輝尽性蛍光体1質量部に対して0.01乃至1質量部の範囲で使用される。しかしながら得られる放射線画像変換パネルの感度と鮮鋭性の点では結合剤は少ない方が好ましく、塗布の容易さとの兼合いから0.03乃至0.2質量部の範囲がより好ましい。 【0035】輝尽性蛍光体層用塗布液の調製に用いられる溶剤の例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等の低級アルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等の低級脂肪酸と低級アルコールとのエステル、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル、トリオール、キシロールなどの芳香族化合物、メチレンクロライド、エチレンクロライドなどのハロゲン化炭化水素およびそれらの混合物などが挙げられる。 【0036】なお、塗布液には、該塗布液中における蛍光体の分散性を向上させるための分散剤、また、形成後の輝尽性蛍光体層中における結合剤と蛍光体との間の結合力を向上させるための可塑剤などの種々の添加剤が混合されていてもよい。そのような目的に用いられる分散剤の例としては、フタル酸、ステアリン酸、カプロン酸、親油性界面活性剤などを挙げることができる。そして可塑剤の例としては、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジル、燐酸ジフェニルなどの燐酸エステル;フタル酸ジエチル、フタル酸ジメトキシエチル等のフタル酸エステル;グリコール酸エチルフタリルエチル、グリコール酸ブチルフタリルブチルなどのグリコール酸エステル;そして、トリエチレングリコールとアジピン酸とのポリエステル、ジエチレングリコールとコハク酸とのポリエステルなどのポリエチレングリコールと脂肪族二塩基酸とのポリエステルなどを挙げることができる。 【0037】上記のようにして調製された輝尽性蛍光体塗布液は、輝尽性蛍光体塗布液が含有している輝尽性蛍光体粒子の平均粒径の5〜200倍の濾過精度を持った濾材を通して濾過した後、支持体上に塗布して放射線画像変換パネルを製造する。その際、濾材は平均粒径の5〜100倍のメッシュ孔を持ったシートが好ましく、特に濾過精度は5〜30倍が好ましい。 【0038】濾材の種類としては濾過精度を満たしていれば良く、メッシュフィルター、メンブランフィルター、体積濾過フィルター等が挙げられる。メッシュフィルターとしてはナイロン性が好ましく、NBC工業社製のナイロンメッシュクロスが挙げられる。メンブランフィルターとしてはアドバンテック東洋社製のメンブランフィルターが挙げられる。体積濾過フィルターとしてはロキテクノ社製のHT、MPP、SLシリーズや日本ポール社製のプロファイルシリーズが挙げられる。 【0039】濾過するタイミングは塗料調製後から塗布までの間に行うのが好ましく、工業的には塗料タンクからコーターに塗料を送液する配管内に濾材を設けると効率的に濾過が行える。 【0040】また、本発明の別の態様は、輝尽性蛍光体塗布液を、真空度50,000Pa以下1,000Pa以上の空間で脱泡してから、支持体上に塗布して放射線画像変換パネルを製造する。その際、真空度が20,000Pa以下5,000Pa以上が好ましい。 【0041】脱泡は条件を満たす減圧状態にすれば良く、塗料を入れたタンク内を減圧にする方法や、塗料を薄膜状にし、連続的に脱泡する方法でも良い。濾過と脱泡を同時に行う場合は、どちらが先でも良いが、より好ましくは濾過を行い脱泡を行うと欠陥が少なく、画像ムラの少ない画像を得られる。 【0042】本発明の輝尽性蛍光体はEu付活BaFI、例えば、ヨウ素を含有する二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体、ヨウ素を含有する二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体、ヨウ素を含有する希土類元素付活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体、およびヨウ素を含有するビスマス付活アルカリ金属ハロゲン化物系蛍光体が好ましい。 【0043】本発明の輝尽性蛍光体塗布液の塗布操作は、通常の塗布手段、例えば、ドクターブレード、ロールコーター、ナイフコーターなどを用いることにより行なうことができる。 【0044】次いで、形成された塗膜を徐々に加熱することにより乾燥して、輝尽性蛍光体層の形成を完了する。輝尽性蛍光体層の層厚は、目的とする放射線画像変換パネルの特性、輝尽性蛍光体の種類、結合剤と蛍光体との混合比などによって異なるが、通常は20μm乃至1mmとする。ただし、この層厚は50乃至500μmとするのが好ましい。 【0045】輝尽性蛍光体層用塗布液の調製は、ボールミル、サンドミル、アトライター、三本ロールミル、高速インペラー分散機、Kadyミル、および超音波分散機などの分散装置を用いて行なわれる。調製された塗布液をドクターブレード、ロールコーター、ナイフコーターなどの塗布液を用いて支持体上に塗布し、乾燥することにより輝尽性蛍光体層が形成される。 【0046】本発明の放射線画像変換パネルの輝尽性蛍光体層の膜厚は目的とする放射線画像変換パネルの特性、輝尽性蛍光体の種類、結合剤と輝尽性蛍光体との混合比等によって異なるが、10μm〜1000μmの範囲から選ばれるのが好ましく、10μm〜500μmの範囲から選ばれるのがより好ましい。 【0047】本発明の放射線画像変換パネルにおいて用いられる支持体としては各種高分子材料が用いられる。特に情報記録材料としての取り扱い上可撓性のあるシートあるいはウェブに加工できるものが好適であり、この点からいえばセルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィルム等のプラスチックフィルムが好ましい。 【0048】また、これら支持体の層厚は用いる支持体の材質等によって異なるが、一般的には80μm〜1000μmであり、取り扱い上の点から、さらに好ましくは80μm〜500μmである。 【0049】これらの支持体の表面は滑面であってもよいし、輝尽性蛍光体層との接着性を向上させる目的でマット面としてもよい。 【0050】さらに、これら支持体は、輝尽性蛍光体層との接着性を向上させる目的で輝尽性蛍光体層が設けられる面に下引層を設けてもよい。 【0051】本発明の放射線画像変換パネルは、支持体上に反射層、励起光を吸収するよう着色された励起光吸収層A及び輝尽性蛍光体層をこの順に積層した蛍光体シートと該蛍光体シートの蛍光体面を被覆するように設けられた保護フィルムからなるものが好ましい。 【0052】上記励起光吸収層Aは着色されたフィルムをラミネートした物や着色された樹脂を塗布した物が考えられるが、着色された樹脂膜であることが望ましく、樹脂の素材としてはポリエステル系、ポリウレタン系、アクリル系、ポリビニルブチラール系、エポキシ系樹脂より構成されていることが望ましい。 【0053】上記保護フィルムは、ASTMD−1003に記載の方法により測定したヘイズ率が5以上60%未満であることが好ましい。励起光吸収層を備えたポリエステルフィルム、ポリメタクリレートフィルム、ニトロセルロースフィルム、セルロースアセテートフィルム等が使用できるが、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルム等の延伸加工されたフィルムが、透明性、強さの面で保護フィルムとして好ましく、とくにこれらのポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルムや上に金属酸化物、窒化珪素などの薄膜を蒸着した蒸着フィルムが防湿性の面からより好ましい。 【0054】本発明で言う励起光を吸収するように着色された励起光吸収層とは、励起光を選択的に吸収する着色剤を含有する層のことであって、保護フィルムの一方の面に塗設されてあってもよいし、両面に塗設されてあってもよいし、あるいは保護層樹脂フィルム自体が着色されてあってもよい。 【0055】本発明に使用する前記保護フィルムは必要とされる防湿性にあわせて、樹脂フィルムや樹脂フィルムに金属酸化物などを蒸着した蒸着フィルムを複数枚積層することで最適な防湿性とすることができが、輝尽性蛍光体の吸湿劣化を考慮して少なくとも50g/m2・day以下であることが好ましい。樹脂フィルムの積層方法としては、一般に知られているどのような方法でもかまわない。またこの場合は積層された樹脂フィルム間に励起光吸収層を設けることによって、励起光吸収層が物理的な衝撃や化学的な変質から保護され安定したプレート性能が長期間維持できる。励起光吸収層は複数箇所に設けてもよいし、積層する為の接着剤層に色剤を含有し励起光吸収層としても良い。 【0056】保護フィルムにより蛍光体プレートを封止するにあたっては既知どのような方法でもかまわないが、防湿性保護フィルムの蛍光体シートに接する側の最外層の樹脂層を熱融着性を有する樹脂フィルムとすることで防湿性保護フィルムが融着可能となり蛍光体シートの封止作業が効率化される。 【0057】好ましくは、蛍光体シートの上下に防湿性保護フィルムを配置し、その周縁が前記蛍光体シートの周縁より外側にある領域で該上下の防湿性保護フィルムが融着している封止構造とすることで蛍光体シートの外周部からの水分進入も阻止できる。さらに支持体面側の防湿性保護フィルムが1層以上のアルミフィルムをラミネートしてなる積層防湿フィルムとすること(図1参照)でより確実に水分の進入を低減できる。またこの封止方法は作業的にも容易である。 【0058】またこの場合、防湿性保護フィルムの蛍光体面に接する側の最外層の熱融着性を有する樹脂層と蛍光体面は接着していても接着していなくてもかまわない。 【0059】接着していない状態とは、微視的には蛍光体面と防湿性保護フィルムは点接触してはいたとしても、光学的、力学的には殆ど蛍光体面と防湿性保護フィルムは不連続体として扱える状態のことである。 【0060】またここで言う熱融着性フィルムとは、一般に使用されるインパルスシーラーで融着可能な樹脂フィルムのことで、たとえばエチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)やポリプロペレン(PP)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム等があげられるがこれに限られたものではない。 【0061】保護フィルムのヘイズ率は、使用する樹脂フィルムのヘイズ率を選択することで容易に調整できる。任意のヘイズ率の樹脂フィルムは工業的に容易に入手可能である。 【0062】放射線画像変換パネルの保護フィルムとしては光学的に透明度の非常に高いものが想定されている。そのような透明度の高い保護フィルム材料としては、ヘイズ値が2〜3%の範囲にあるようなプラスチックフィルムが各種市販されている。 【0063】特開昭59−42500号や特公平1−57759号には保護層のヘイズ率を高くして画像ムラや線状ノイズを解消する手段が示されているが鮮鋭性が低下してしまっていた。ヘイズ率としては5%以上、60%未満が好ましく、さらに好ましくは、10%以上、50%未満である。ヘイズ率としては5%未満では画像ムラや線状ノイズを解消する効果が小さく、60%以上であると鮮鋭性向上効果が小さくなる。 【0064】本発明の放射線画像変換パネルの保護フィルムに使用される色剤としては、該放射線画像変換パネルの励起光の波長領域で励起光を吸収する特性を有するものが用いられる。 【0065】好ましくは、保護フィルムの励起光波長領域における光透過率が励起光吸収層を有しない同等の保護フィルムの光透過率の97%〜50%となるように励起光吸収層を設けることが望ましい。光透過率の97%以上では本発明の効果は小さく、50%以下では放射線画像変換パネルの輝度が急激に低下してくる。 【0066】尚、50%以上の透過率で輝度の低下があまりなのは、放射線画像変換パネルに記録されている放射線画像の情報が、蛍光体プレート表面側に偏在していることと関連があると推測される。 【0067】いかなる着色剤を用いるかは放射線画像変換パネルに用いる輝尽性蛍光体の種類によって決まるが、放射線画像変換パネル用の輝尽性蛍光体としては、通常、波長が400〜900nmの範囲にある励起光によって300〜500nmの波長範囲の輝尽発光を示す蛍光体が用いられる。このため、着色剤としては通常、青色〜緑色の有機系もしくは無機系の着色剤が用いられる。 【0068】青色〜緑色の有機系着色剤の例としては、ザボンファーストブルー3G(ヘキスト社製)、エストロールブリルブルーN−3RL(住友化学(株)製)、スミアクリルブルーF−GSL(住友化学(株)製)、D&CブルーNo1(ナショナル・アニリン社製)、スピリットブルー(保土谷化学(株)製)、オイルブルーNo603(オリエント(株)製)、キトンブルーA(チバ・ガイギー社製)、アイゼンカチロンブルーGLH(保土谷化学(株)製)、レイクブルーA、F、H(協和産業(株)製)、ローダリンブルー6GX(協和産業(株)製)、ブリモシアニン6GX(稲畑産業(株)製)、ブリルアシッドグリーン6BH(保土谷化学(株)製)、シアニンブルーBNRS(東洋インキ(株)製)、ライオノルブルーSL(東洋インキ(株)製)が挙げられる。青色〜緑色の無機系着色剤の例としては、群青、コバルトブルー、セルリアンブルー、酸化クロム、TiO2−ZnO−CoO−NiO系顔料が挙げられるがこれに限られたものではない。好ましくは銅フタロシアニンが挙げられる。 【0069】支持体上に蛍光体層が塗設された蛍光体シートを所定の大きさに断裁する。断裁にあたっては一般のどのような方法でも可能であるが、作業性、精度の面から化粧断裁機、打ち抜き機等が望ましい。 【0070】所定の大きさに断裁された蛍光体シートを防湿性保護フィルムで封止するには既知のいかなる方法も使用できるが、例をあげると蛍光体シートを上下の防湿性保護フィルムの間に挟み周縁部をインパルスシーラーで加熱融着する方法や、2本の加熱したローラー間で加圧加熱するラミネート方式等が挙げられる。 【0071】上記インパルスシーラーで加熱融着する方法においては、減圧環境下で加熱融着することが、蛍光体シートの防湿性保護フィルム内での位置ずれ防止や大気中の湿気を排除する意味でより好ましい。 【0072】 【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を例証する。 【0073】実施例1(保護フィルムの作製)蛍光体シートの蛍光体面側の保護フィルムは下記(A)で示された構成のものを使用した。 (A) VMPET12//VMPET12//PET12//シーラントフィルムPET:ポリエチレンテレフタレートシーラントフィルム:熱融着性フィルムでCPP(キャステングポリプロピレン)又はLLDPE(低密度線状ポリエチレン)を使用VMPET:アルミナ蒸着PET(市販品:東洋メタライジング社製) 各樹脂フィルムの後ろの数字はフィルムの膜厚(μm)を示す。 【0074】上記“//”はドライラミネーション接着層で、接着剤層の厚みが2.5μmであることを意味する。使用したドライラミネート用の接着剤は2液反応型のウレタン系接着剤である。 【0075】(蛍光体の合成)ユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウムの輝尽性蛍光体前駆体を合成するために、BaI2水溶液(3.6mol/L)2780mlとEuI3水溶液(0.2mol/L)27mlを反応器に入れた。この反応器中の反応母液を撹拌しながら83℃で保温した。弗化アンモニウム水溶液(8mol/L)322mlを反応母液中にローラーポンプを用いて注入し、沈澱物を生成させた。注入終了後も保温と撹拌を2時間続けて沈澱物の熟成を行なった。次に沈澱物をろ別後、エタノールにより洗浄した後真空乾燥させてユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウムの結晶を得た。焼成時の焼結により粒子形状の変化、粒子間融着による粒子サイズ分布の変化を防止するために、アルミナの超微粒子粉体を0.2質量%添加し、ミキサーで充分撹拌して、結晶表面にアルミナの超微粒子粉体を均一に付着させた。これを石英ボートに充填して、チューブ炉を用いて水素ガス雰囲気中、850℃で2時間焼成してユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウム蛍光体粒子を得た。次に上記蛍光体粒子を分級することにより平均粒径4μmの粒子を得た。得られた焼成済み蛍光体粒子は、試料1、試料3〜8及び試料14はそのまま、篩うことなく塗布液調製に使用した。一方、試料2及び試料9〜13は、表1記載の濾過精度をもつナイロンメッシュシートで篩ってから塗布液調製に使用した。表1の濾過タイミング欄は、濾過した時期を示すが、蛍光体とは、蛍光体の時篩ったことを意味し、塗料とは、蛍光体粒子をそのまま塗布液調製に使用して、塗布液にしてから濾過したことを意味する。 【0076】上記のように前処理したユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウム蛍光体427g、ポリウレタン樹脂(住友バイエルウレタン社製、デスモラック4125)15.8g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂2.0gをメチルエチルケトン−トルエン(1:1)混合溶媒に添加し、プロペラミキサーによって分散し、粘度25〜30Pa・sの塗布液を調製した。 【0077】試料No.3〜8は、得られた塗布液を表1記載の濾材を用いて濾過し、濾液を濾過後15分静置して脱泡してから、一方、試料1及び2は得られた塗布液を濾過することなくそのまま15分静置して脱泡してから、それぞれドクターブレードを用いて下引き層付き支持体上に塗布乾燥して蛍光体層を形成した。 【0078】又、試料No.9〜13は、前処理として上述したように焼成済み蛍光体粒子を篩ったものから調製した塗布液を表1記載の真空度の空間に5分間置いて脱泡し、上記同様にドクターブレードを用いて下引き層付き支持体上に塗布乾燥して蛍光体層を形成した。尚、試料No.14の塗布液は、焼成済み蛍光体粒子をそのまま塗布液にし、濾過してから、12,000Paの真空度の空間に5分間置いて真空脱泡し上記試料と同様に支持体上に塗布乾燥して蛍光体層を形成した。 【0079】(蛍光体シートの封止)塗布サンプルを20cm×20cmの正方形に断裁し、上記の励起光吸収層を有する積層保護フィルムを使用し、減圧下で周縁部をインパルスシーラーを用いて融着することで封止した。図1に本発明の放射線画像変換パネルの断面図を示す。 【0080】尚、融着部から蛍光体シート周縁部までの距離は1mmとなるように融着した。融着に使用したインパルスシーラーのヒーターは8mm幅のものを使用した。 【0081】(放射線画像変換パネルの評価) 画像欠点及び画像ムラの評価放射線画像変換パネルに管電圧80kVpのX線を均一に照射した後、パネルをHe−Neレーザー光(633nm)で操作して励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を上記と同じ受光器で受光して電気信号に変換し、これを画像再生装置によって画像として再生し出力装置より2倍に拡大してプリントアウトし、得られたプリント画像を目視により観察して画像欠点及び画像ムラを評価した。 【0082】画像欠点は、得られたプリント10cm×10cm中の画像欠点を数えその数を表1に記載した。 【0083】画像ムラについては、全く発生のない状態を○、一番激しい発生のものを×、その中間を△として評価し、表1に示した。○及び△は実用できる。 【0084】 【表1】
【0085】表1から本発明の試料は、画像欠点が少なく、画像均一性の高い放射線画像変換パネルであることが判る。尚、試料No.14から、濾過してから、真空脱泡した塗布液から作製した試料が最も優れていることが判る。 【0086】 【発明の効果】本発明により、画像欠点が少なく、画像均一性の高い放射線画像変換パネルが得られた。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001270 【氏名又は名称】コニカ株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年2月28日(2001.2.28) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−257994(P2002−257994A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月11日(2002.9.11) |
| 【出願番号】 |
特願2001−54244(P2001−54244) |
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