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【発明の名称】 中性子源用液体金属ターゲット
【発明者】 【氏名】田川 久人

【氏名】唐澤 英年

【氏名】土田 一輝

【氏名】道下 秀紀

【氏名】小川 雪郎

【氏名】小林 薫

【氏名】神永 雅紀

【氏名】羽賀 勝洋

【氏名】木下 秀孝

【氏名】日野 竜太郎

【要約】 【課題】シンプルな構造で、水銀温度の均一化と流量の低減、ターゲット容器の構造強度とメンテナンス性の向上を実現する中性子源用水銀ターゲットを提供すること。

【解決手段】ターゲット容器1内に開口を設けた入口側流配板10と出口側流配板11を接合することにより、陽子ビーム照射区画3、入口側流路4、出口側流路5を構成し、流配板の開口面積分布を陽子ビーム入射面2からの距離の関数として決定した。独立した複数の開口部を流配板の中央部に配置し、流配板の後部下端にも開口部を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】ターゲット容器に内蔵されている液体金属に高エネルギーの陽子ビームを照射して核破砕反応により高密度の中性子を発生させるとともに前記液体金属を熱媒体として利用し、かつ前記液体金属として水銀あるいは鉛およびビスマスの溶解液等を用いる中性子源用液体金属ターゲットにおいて、前記ターゲット容器の内部を前記陽子ビームの照射区画と該照射区画の両側に配置される前記液体金属の入口側流路と出口側流路とに分割する二枚の流配板を設け、前記流配板は、前記陽子ビームが照射される前記ターゲット容器の前側から前記入口側流路の入口側および前記出口側流路の出口側である前記ターゲット容器の後側に向かって延在するように配置し、前記流配板には、前記ターゲット容器の前側から前記照射区画の内部に向けて照射される前記陽子ビームの照射方向と交差する方向に前記液体金属を流通させる複数の開口部を設けるとともに該流配板を溶接等で接合したことを特徴とする中性子源用液体金属ターゲット。
【請求項2】請求項1において、前記流配板で分割された前記陽子ビームの照射区画と前記水銀の入口側流路との境界の全開口面積をA、前記ターゲット容器の陽子ビーム入射面からの距離をL、前記陽子ビーム入射面から前記距離Lまでの開口面積をB、前記開口面積Bと前記全開口面積Aとの比を開口面積割合αとするとき、前記陽子ビーム入射面からの距離Lが0m≦L≦0.6mの範囲では、Lをm単位で表したとき、L(2.2―1.4L)≦α≦L(3.3―2.7L)となるように開口面積割合を変化させたことを特徴とする中性子源用液体金属ターゲット。
【請求項3】請求項2において、前記流配板の開口部を独立した複数の開口部で構成していることを特徴とする中性子源用液体金属ターゲット。
【請求項4】請求項3において、前記複数の開口部形状に曲率を持たせたことを特徴とする中性子源液体金属ターゲット。
【請求項5】請求項3において、前記流配板の開口部が前記流配板の上下端を開口しないように設けられていることを特徴とする中性子源用液体金属ターゲット。
【請求項6】請求項1において、前記流配板の後部下端を開口したことを特徴とする中性子源用液体金属ターゲット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高エネルギーの陽子ビームを水銀に照射して、核破砕反応により高密度の中性子を発生させるとともに水銀を熱媒体として利用する中性子源用液体金属ターゲットに関する。
【0002】
【従来の技術】高エネルギーの陽子ビームを重金属ターゲットに照射して、核破砕反応により高密度の中性子を発生させる中性子発生装置は、入射エネルギーに対して最も多くの中性子を発生させることができ、原子炉に比べて設備が簡素である。このため、中性子を利用する生命科学、物質材料研究、核物理、医療など多分野での利用を目的として、欧州、米国、日本など世界的にMWクラスまで大出力化した中性子発生装置の建設が計画されている。
【0003】核破砕反応を利用した既存の中性子源ターゲットとしては、英国のラザフォードアップルトン研究所で稼働中のISISと呼ばれる中性子発生装置の固体重金属ターゲットがある。ISISは、現在、世界最高出力のパルス中性子源であるが、陽子ビーム出力は、計画中のMWクラスの大出力ターゲットに比べて一桁低い。大出力化に伴ってターゲット材料の発熱密度が増大し、固体重金属ターゲットでは冷却が困難となるので、計画中の大出力中性子源施設では、新しいターゲット材料として熱媒体としても利用できる水銀が使用される計画となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、水銀ターゲットを用いる中性子源施設は、概念設計・技術開発の段階であり、具体的な課題が不明確な事項もあるが、中性子利用効率の向上、安全性の向上、設備の軽量化と経済性向上など、一般的な多くの開発課題がある。
【0005】核破砕反応により水銀温度が高くなると、水銀による構造材の腐食が促進されるため、水銀流量を多くして水銀の温度上昇を抑制する必要がある一方で、水銀流速の増加によるターゲット容器のエロージョンを抑制する必要がある。特に、ターゲット容器の先端は高エネルギーの陽子ビームが照射されて温度が高くなるため熱応力で破損しやすく、ビーム照射面の肉厚を可能な限り薄くして熱応力を低減する必要がある。したがって、エロージョンの影響を極力低減してターゲット容器の構造強度を確保しなければならない。以上の問題から、ターゲット容器内の水銀温度を均一化して局所的な最高温度を低減し、流量を減少する必要がある。
【0006】中性子源施設では、核破砕反応によりターゲットで高エネルギーの中性子を発生させ、ターゲット外部に配置する減速材で、冷中性子など必要なエネルギーレベルまで中性子エネルギーを低下させて利用する。このとき、中性子の損失を低減して中性子利用効率を向上させるためには、ターゲット容器の厚さを薄くして容器内での中性子吸収を低減し、中性子発生位置から減速材までの距離を短くして減速材に入射する中性子密度を高くする必要がある。一方、ターゲット容器内の水銀の沸騰を防止するため、加圧使用することが考えられているが、ターゲット容器を厚肉の耐圧構造とする必要があり、前述した中性子利用効率の向上に反することになる。
【0007】さらに、ターゲット容器は破損しやすいために消耗品として一定期間毎に交換して使用することが考えられているが、運転開始後の水銀は高レベルに放射化されており、ターゲット容器内の水銀を完全にドレンした後、交換する必要がある。交換時には遠隔操作による交換が必要であり、水銀を容易にドレンできる構造としておく必要がある。
【0008】本発明の第1の目的は、ターゲット容器内の水銀の温度を均一化して最高温度と流量を低減し、信頼性と経済性に優れた中性子源用液体金属ターゲットを提供することにある。
【0009】本発明の第2の目的は、耐圧性を維持しながら、ターゲット容器の肉厚を薄くし、中性子利用効率に優れた中性子源用液体金属ターゲットを提供することにある。
【0010】本発明の第3の目的は、ターゲット交換時に水銀のドレン作業を容易にして、交換時間の短縮による設備利用率の向上と安全性に優れた中性子源用液体金属ターゲットを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため請求項1の発明は、ターゲット容器の内部を陽子ビームの照射区画と該照射区画の両側に配置される前記液体金属の入口側流路と出口側流路とに分割する二枚の流配板を設け、前記流配板は、前記陽子ビームが照射される前記ターゲット容器の前側から前記入口側流路の入口側および前記出口側流路の出口側である前記ターゲット容器の後側に向かって延在するように配置し、前記流配板には、前記ターゲット容器の前側から前記照射区画の内部に向けて照射される前記陽子ビームの照射方向と交差する方向に前記液体金属を流通させる複数の開口部を設けるとともに該流配板を溶接等で接合したことを特徴としている。
【0012】上記目的を達成するため請求項2の発明は、請求項1の発明において、流配板で分割された陽子ビームの照射区画と水銀の入口側流路との境界の全開口面積をA、ターゲット容器の陽子ビーム入射面からの距離をL、陽子ビーム入射面から距離Lまでの開口面積をB、開口面積Bと全開口面積Aとの比を開口面積割合αとするとき、陽子ビーム入射面からの距離Lが0m≦L≦0.6mの範囲において、Lをm単位で表したとき、L(2.2―1.4L)≦α≦L(3.3―2.7L)となるように開口面積を変化させたことを特徴としている。
【0013】上記目的を達成するため請求項3の発明は、請求項2の発明において、流配板の開口部を独立した複数の開口部で構成していることを特徴としている。
【0014】上記目的を達成するため請求項4の発明は、請求項3の発明において、複数の開口部形状に曲率を持たせたことを特徴としている。
【0015】上記目的を達成するため請求項5の発明は、請求項3の発明において、流配板の開口部が流配板の上下端を開口しないように設けられていることを特徴としている。
【0016】上記目的を達成するため請求項6の発明は、請求項1の発明において、流配板の後部下端に水銀のドレン用に開口部を設けたことを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明による中性子発生装置について、図示の実施形態により詳細に説明する。図1は本発明による中性子源用水銀ターゲットの第1実施例を示す水平断面図、図2は図1のA−A’断面図、図3は図1のB−B’矢視図、図4は図1のC−C’矢視図を示している。
【0018】水銀を内蔵するターゲット容器1の内部は、入口側流配板10と出口側流配板11とによって、陽子ビーム照射区画3と入口側流路4と出口側流路5とに区画されている。入口側流路4はフランジ8に接合された入口管6に接続され、出口側流路5はフランジ9に接合された出口管7に接続されている。入口側流配板10と出口側流配板11は、図2に示すように、上下両端でターゲット容器1と接合され、後端部はビームストッパー12と接合されている。
【0019】図1乃至図4から明らかなように、ターゲット容器1は、上下の平板、左右の曲率を持った半円筒、先端の半円筒、先端左右の部分球殻で構成されている。上下の平板は、水銀のドレン性とガスベントを考慮して、若干上下に勾配を持たせてある。左右の半円筒に曲率を持たせてターゲット先端部を絞った構造としているのは、核破砕反応で発生した中性子の水銀への吸収量を低減するため、水銀のインベントリを極力低減する必要があるからである。上下の平板と左右の曲率を持った半円筒は一体鋳造で容易に製造できる。この一体鋳造の先端に、ターゲット容器1先端の半円筒と先端左右の部分球殻を接合し、さらに入口側流配板10と出口側流配板11の上下両端をターゲット容器1に接合し、最後にビームストッパー12をターゲット容器1に接合すれば良い。各接合には溶接などを用いることができる。
【0020】なお、ステンレス鋼板(SUS)で形成されているターゲット容器1の概略寸法は、次のとおりである。前後方向の長さは、約80cm、横幅(入口側流路から出口側流路までの幅)は約50cmである。陽子ビームの入射面である前側部の板厚は約2mm、他の板厚は10mmである。前側部が他のところよりも極端に薄くしたのは、温度上昇による熱応力を緩和するためである。ここは陽子ブームの入射で著しく高温になるのである。
【0021】さらに、ターゲット容器1には、フランジ8、9を接続した入口管6と出口管7が接合される。フランジ8、9はターゲット容器の外部に設置されている水銀冷却系の配管と接続されるので円形であり、一方、ターゲット容器1と入口管6および出口管7との接合部は半円と矩形の組み合わさった形状をしている。したがって、入口管6と出口管7は両形状の間をなめらかに変形させた形状をしている。
【0022】図2に示したように、入口側流配板10には、陽子ビーム照射区画の水銀の流れを陽子ビームとほぼ直交させるために開口部を設けており、各部の水銀流量を適切に制御するため、開口面積を変化させている。なお、ターゲット先端の半円筒部分は全開口部13としている。また、ビームストッパー12と接する部分の下部には切り欠きが設けてある。図には示していないが、出口側流配板11にも開口部が設けられている。開口形状は入口側流配板10と同様でも良いし、異なる形状でも良い。ビームストッパー12と接する部分の下部には、入口側流配板10と同様に切り欠きが設けてある。
【0023】以上のように構成した水銀ターゲットにおいて、水銀は入口管6、入口側流路4、入口側流配板10を経由して陽子ビーム照射区画3に流入し、陽子ビーム入射面2から入射された陽子ビームで照射されて、核破砕反応により高密度の中性子を発生するとともに、発熱して温度が上昇し、出口側流配板11、出口側流路5を経由して出口管7から流出する。発生した中性子は、水銀ターゲットの上下に配置された減速材により減速されて、各種の用途に利用される。
【0024】陽子ビームによる核破砕反応で発熱して温度が上昇し、出口管7から流出した水銀は、ターゲット容器外部の冷却器で冷却され、不純物を純化装置で除去した後、加圧気体と水銀を内蔵する水銀タンクに戻り、循環ポンプにより水銀ターゲットに再循環される。
【0025】以下に、上述した実施例に適用した特徴の原理と効果を具体的に説明する。図5は、陽子エネルギー3GeVにおける陽子ビーム入射面2からのビーム入射方向距離Lに対する発熱密度の相対値の計算結果を示したものである。この図からわかるように、発熱密度は陽子ビーム入射面2からの距離Lの増加に伴って急激に低下し、全発熱量の95%以上が陽子ビーム入射面2から0.6m以内で発熱する。したがって、発熱密度に比例するように各部の水銀流量を調整し、水銀温度を均一化して局所的な最高温度を低減するとともに、水銀流量を必要最小限度にする必要がある。
【0026】発明者らは入口側流配板10の開口面積を様々に変化させた場合のターゲット容器1内の水銀の流量配分と水銀の温度分布を数値流体解析により評価した。その結果、入口側流配板10の開口面積を図6に示すように変化させた場合に、水銀の最適な流量配分を実現できることを明らかにした。すなわち、入口側流配板10で分割された陽子ビーム照射区画3と入口側流路4との境界における全開口面積をA、陽子ビーム入射面2からの距離をL、陽子ビーム入射面2から距離Lまでの開口面積をB、B/Aを開口面積割合αとするとき、Lをm単位で表して、L(2.2―1.4L)≦α≦L(3.3―2.7L)となるように開口面積を変化させた場合に、水銀の最適流量配分を実現でき、水銀温度の均一化により水銀流量を低減することができる。
【0027】ここで上述したように、全発熱量の95%以上が陽子ビーム入射面2から0.6m以内で発熱するので、この範囲で適切に開口面積を変化させれば水銀温度の均一化は達成される。したがって、上記の開口面積の設定方法は、0m≦L≦0.6mの範囲で成立するよう規定している。
【0028】図2に示したように、ターゲット容器1の先端部を全開口部13とすれば、上述の開口面積分布の設定では全開口面積Aが最大となるので、入口側流配板10を通過する水銀流速を減少して、ターゲット容器1のエロージョンを低減することができる。
【0029】ターゲット容器1の構成部分の中で、円筒や部分球殻は、圧力容器に使用されるように耐圧性に優れ、肉厚を薄くできることは自明である。したがって、図1乃至図4に示す実施例において、耐圧性が問題になるのはターゲット容器1の上面と下面に使用される平板部分である。平板部分に必要な肉厚tは、平板部分の幅をW、構造材の許容応力をσとすると、圧力pに対して次式で表せる。
【0030】
【数1】

許容応力σは材料によって一定であるから、肉厚tは平板部分の幅Wに比例して厚くする必要がある。本発明においては、入口側流配板10と出口側流配板11を上下両端でターゲット容器1と接合することにより、構造材の最大応力に影響する平板部分の有効幅Wを小さくして、ターゲット容器1の肉厚を薄くすることができる。
【0031】しかし、入口側流配板10と出口側流配板11とに設けた開口部が一続きの切り欠き形状の場合、これら流配板が補強材として機能しなくなる。そこで図2に示すように、開口部を独立した複数の開口部14に分割して構成すれば、補強材としての機能を確保することができる。特に、開口部14の間隔(開口していない部分の幅)をb、開口部14の幅をBとしたときに、b/B≧0.2となるように開口部14を配置すれば、補強材としての流配板の強度を十分に確保することができる。さらに、開口部14は矩形の角に曲率を持たせた形状としており、応力集中を避けて構造強度を向上することができる。
【0032】入口側流配板10と出口側流配板11の上下端に接するように開口部を設けると、両流配板をターゲット容器1に溶接する場合、溶接が難しくなる。そこで図2のように開口部14を流配板の中央部に配置し、流配板の上下両端は開口しない形状にすれば、溶接作業が容易になり、かつ構造強度を向上することができる。
【0033】水銀ターゲットは陽子ビーム照射と水銀腐食により損傷しやすく、ターゲット容器1は消耗品として交換使用されるが、核破砕による放射性物質により放射線レベルが高くなるため、マニピュレータなどで遠隔操作により交換される。この際、放射化した水銀はターゲット容器1から完全にドレンする必要があるが、この作業は極めて複雑になることが容易に推察される。図2に示したように、入口側流配板10と出口側流配板11の後部(ビームストッパー12側)下端に水銀ドレン用開口部15を設けておけば、ターゲット容器1を入口管6側あるいは出口管7側に傾けるだけで陽子ビーム照射区画3に残っている水銀をドレンすることができるので、ターゲット容器1の交換作業を著しく容易にすることができる。
【0034】図7は、図1のA−A’断面図に相当するもので、本発明による中性子源用水銀ターゲットの流配板に設ける開口部の他の形状を示しており、流配板の開口形状以外は全て第1実施例と同様の効果を有している。本実施例では、入口側流配板110の流配板開口部114の形状が楕円型となっており、流配板の構造強度をさらに向上することができる。
【0035】図8は、図1のA−A’断面図に相当するもので、本発明による中性子源用水銀ターゲットの流配板に設ける開口部の他の形状を示しており、流配板の開口形状以外は全て第1実施例と同様の効果を有している。本実施例では、入口側流配板210の流配板開口部214は、小さな円形の開口部を多数配置することで開口面積分布を満足させている。この開口形状の場合、開口製作行程が増加し、製作性は若干劣るが、開口面積の微調整は容易になる。
【0036】上記の実施例では、水銀の液体金属について述べたが、使用する液体金属は鉛とビスマスの合金である液体金属等を用いることも可能である。
【0037】上述した本発明の良さをまとめると、次のとおりである。請求項に対応させて述べる。
【0038】第1(請求項1)の発明によれば、開口部を設けた2枚の流配板をターゲット容器に接合して水銀の流れを制御する構造とすることにより、シンプルな構造で水銀の流量配分を調節でき、かつターゲット容器の構造強度を向上して容器肉厚を薄くできるので、中性子効率と信頼性および製作性に優れた中性子源用水銀ターゲットを実現することができる。
【0039】第2(請求項2)の発明によれば、ターゲット容器内で必要とされる水銀の流量配分を達成できるように流配板の開口面積分布を決定することにより、水銀温度を均一化して水銀最高温度を低減でき、さらに水銀流量を低減することができるので、ターゲット容器の寿命延長、水銀冷却系の容量低減により、信頼性と経済性に優れた中性子源用水銀ターゲットを実現することができる。
【0040】第3乃至第5(請求項3乃至5)の発明によれば、流配板の開口形状を規定することにより、流配板の構造強度を向上することができ、ターゲット容器の肉厚を薄くして、中性子効率に優れた中性子源用水銀ターゲットを実現することができる。
【0041】第6(請求項6)の発明によれば、ターゲット容器交換時に放射化した水銀のドレン作業を容易にすることにより、交換時間の短縮ができ、設備利用率と安全性に優れた中性子源用水銀ターゲットを実現することができる。
【0042】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、開口部を設けた2枚の流配板をターゲット容器に接合して水銀の流れを制御する構造とすることにより、シンプルな構造で水銀の流量配分を調節でき、かつターゲット容器の構造強度を向上して容器肉厚を薄くできるので、中性子効率と信頼性および製作性に優れた中性子源用水銀ターゲットを実現することができる。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【識別番号】000004097
【氏名又は名称】日本原子力研究所
【出願日】 平成12年9月14日(2000.9.14)
【代理人】 【識別番号】100068504
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男 (外1名)
【公開番号】 特開2002−90500(P2002−90500A)
【公開日】 平成14年3月27日(2002.3.27)
【出願番号】 特願2000−280229(P2000−280229)